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JP4009853B2 - 液状エポキシ樹脂組成物及びフリップチップ型半導体装置 - Google Patents
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JP4009853B2 - 液状エポキシ樹脂組成物及びフリップチップ型半導体装置 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物及びフリップチップ型半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリップチップ型半導体封止用として、作業性が非常に好適で、シリコンチップの素子表面(特に感光性ポリイミド、窒化膜、酸化膜)との密着性が非常に良好であり、耐湿性の高い硬化物を与え、特にリフロー温度260℃以上の高温熱衝撃に対して優れた封止材となり得る液状エポキシ樹脂組成物、及びこの組成物の硬化物で封止されたフリップチップ型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気機器の小型化、軽量化、高機能化に伴い、半導体の実装方法もピン挿入タイプから表面実装が主流になっている。また、半導体素子の高集積化に伴い、ダイサイズの一辺が10mmを超えるものもあり、ダイサイズの大型化が進んできている。このような大型ダイを用いた半導体装置では、半田リフロー時にダイと封止材にかかる応力が増大し、封止材とダイ及び基板の界面で剥離が生じたり、基板実装時にパッケージにクラックが入るといった問題がクローズアップされてきている。
【0003】
更に、近い将来に鉛含有半田が使用できなくなることから、鉛代替半田が多数開発されている。この種の半田は、溶融温度が鉛含有の半田より高くなることから、リフローの温度も260〜270℃で検討されており、従来の液状エポキシ樹脂組成物の封止材では、より一層の不良が予想される。このようにリフローの温度が高くなると、従来においては何ら問題のなかったフリップチップ型のパッケージもリフロー時にクラックが発生したり、チップ界面、基板界面との剥離が発生したり、その後の冷熱サイクルが数百回以上経過すると樹脂又は基板、チップ、バンプ部にクラックが発生するという重大な問題が起こるようになった。
【0004】
また、高集積化が進むにつれて、バンプ間ピッチが狭くなり、注入性が悪くなり、従来の無機質充填剤では、バンプ間に引っ掛かり、未充填になるといった問題が起こるようになってきた。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−158366号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、バンプ間ピッチが狭くても注入性が良好であり、シリコンチップの表面、特に感光性ポリイミド樹脂や窒化膜との密着性に優れ、かつ強靭性に優れた硬化物を与え、リフローの温度が従来温度240℃付近から260〜270℃に上昇しても不良が発生せず、更にPCT(121℃/2.1atm)などの高温多湿の条件下でも劣化せず、−65℃/150℃の温度サイクルにおいて数百サイクルを超えても剥離、クラックが発生しないフリップチップ型半導体装置の封止材となり得る液状エポキシ樹脂組成物、及びこの組成物の硬化物で封止されたフリップチップ型半導体装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)液状エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン系硬化剤、及び(C)無機質充填剤を必須成分とする液状エポキシ樹脂組成物において、(B)芳香族アミン系硬化剤として、下記一般式(1)〜(3)で表される少なくとも1種類の芳香族アミン化合物を硬化剤全体の5質量%以上含み、(C)無機質充填剤として、平均粒径が0.1〜5μmであり、かつフリップチップ型半導体装置のギャップサイズ(基板と半導体チップとの隙間の幅)に対して1/2以上の粒径のものが無機質充填剤全体の0.1質量%以下である無機質充填剤を用いた液状エポキシ樹脂組成物が、バンプ間ピッチが狭くても注入性が良好であり、シリコンチップの表面、特に感光性ポリイミド樹脂や窒化膜、とりわけ窒化膜との密着性に優れ、PCT(120℃/2.1atm)などの高温多湿の条件下でも劣化せず、熱衝撃に対して優れた硬化物となり得、特に大型ダイサイズの半導体装置の封止材として有効であることを知見した。
【0008】
【化2】
Figure 0004009853
(式中、R1〜R4は水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基である。)
【0009】
即ち、特開平10−158366号公報(特許文献1)においては、粒径が50ミクロン以上のものが0%、20ミクロン以上のものが30%以下の充填材を用いているが、40ミクロン以下のギャップサイズである狭ギャップのフリップチップ型半導体装置では、充填材のサイズが大きく、未充填やフィラーが均一に注入できないなどの問題が生じている。とりわけ20μm以下の狭ギャップでは、最大粒径を更に小さくしなければならない。本発明者はこれについて鋭意検討した結果、20μmのギャップサイズである狭ギャップのフリップチップ型半導体装置において、エポキシ樹脂組成物中の10μm以上の粒径の無機質充填剤比率を全無機質充填剤の0.1質量%以下に抑えることにより、注入性が向上することを知見した。つまり、フリップチップ型半導体装置のギャップサイズに対して1/2以上の粒径のものを無機質充填剤全体の0.1質量%以下とすることにより、より注入性が良好になり、作業時間が短縮するばかりでなく、ボイドの発生を抑え、信頼性が向上することを見出した。
【0010】
この場合、一般の溶融シリカや球状溶融シリカでは、粒径を調整して製造することや、粒径管理が難しく、仮に最大粒径を10μm以下にできたとしてもコストが高くなって使用できないおそれがある。そこで更なる検討を行った結果、ゾルゲル法又は爆燃法で製造された球状シリカが最も適していることを見出した。
【0011】
また、特開平10−158366号公報においては、エポキシ樹脂と硬化剤のモル比において、硬化剤1モルに対してエポキシ樹脂が0.9モル以下と硬化剤が過多の場合は、過剰に未反応のアミノ基が残存することとなり、耐湿性の低下・信頼性の低下に繋がるとしているが、本発明は、エポキシ樹脂と上記一般式(1)〜(3)で表される芳香族アミン系硬化剤とのモル比を特に0.7以上0.9以下の範囲で用いることによって、シリコンチップの表面、特に感光性ポリイミド樹脂や窒化膜との密着性に優れ、かつ熱衝撃性が著しく向上し、高温多湿下でも優れた特性を得ることが可能となることを見出した。このように、本発明の液状エポキシ樹脂組成物が、信頼性に優れ、特に大型ダイサイズの半導体装置の封止材として有効となり得ることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0012】
従って、本発明は、ギャップサイズが10〜50μmであるフリップチップ型半導体装置のアンダーフィル材用液状エポキシ樹脂組成物であって、
(A)液状エポキシ樹脂
(B)記一般式(1)〜(3)で表される芳香族アミン化合物の1種又は2種以上を硬化剤全体の5質量%以上含有する芳香族アミン系硬化剤
(C)無機質充填剤
を必須成分とし、(C)無機質充填剤が、平均粒径0.1〜5μmであり、かつ無機質充填剤と純水を1:9(質量)の割合で混合し、超音波処理を行って凝集物を崩し、これを上記ギャップサイズの1/2の目開きのフィルターで篩い、篩上の残量を秤量する粒径検査方法にて測定したフリップチップ型半導体装置のギャップサイズに対して1/2以上の粒径のものが無機質充填剤全体の0.1質量%以下であることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物を提供する。
【化7】
Figure 0004009853
(式中、R 1 〜R 4 は水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基である。)
【0013】
この場合、上記無機質充填剤が、ゾルゲル法又は爆燃法で製造された球状シリカであることが好ましく、また(A)液状エポキシ樹脂と(B)芳香族アミン系硬化剤との配合モル比〔(A)/(B)〕が、0.7以上0.9以下であることが好ましい。
【0014】
更に、アルケニル基含有エポキシ樹脂又はアルケニル基含有フェノール樹脂のアルケニル基と、下記平均組成式(4)
a5 bSiO(4-a-b)/2 (4)
(式中、R5は置換又は非置換の一価炭化水素基、aは0.01〜0.1、bは1.8〜2.2、1.81≦a+b≦2.3を満足する整数である。)
で示される1分子中の珪素原子の数が20〜400であり、かつ珪素原子に直接結合した水素原子(SiH基)の数が1〜5であるオルガノポリシロキサンのSiH基との付加反応により得られる共重合体からなるシリコーン変性樹脂を配合することができる。
【0015】
本発明は、上記液状エポキシ樹脂組成物に加え、この液状エポキシ樹脂組成物の硬化物をアンダーフィル材として封止したフリップチップ型半導体装置を提供する。
【0016】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物において、液状エポキシ樹脂(A)は、1分子内に3官能基以下のエポキシ基を含有する常温で液状であるエポキシ樹脂なら、いかなるものでも使用可能であるが、25℃における粘度が2,000ポイズ以下、特に500ポイズ以下のものが好ましく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられ、この中で室温で液状のエポキシ樹脂を使用する。
【0017】
また、本発明のエポキシ樹脂は、下記構造式(5),(6)で示されるエポキシ樹脂を侵入性に影響を及ぼさない範囲で含有していてもよい。
【化3】
Figure 0004009853
【0018】
ここで、R6は水素原子、又は炭素数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3の一価炭化水素基であり、一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基等が挙げられる。また、nは1〜4の整数、特に1又は2である。
【0019】
なお、上記式(6)で示されるエポキシ樹脂を配合する場合、その配合量は、全エポキシ樹脂中25質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは75質量%以上であることが推奨される。25質量%未満であると組成物の粘度が上昇したり、硬化物の耐熱性が低下したりするおそれがある。なお、その上限は100質量%でもよい。
【0020】
上記式(5)のエポキシ樹脂の例としては、JER社製エピコート630H等が挙げられ、上記式(6)のエポキシ樹脂の例としては、日本化薬社製RE600NM等が挙げられる。
【0021】
上記液状エポキシ樹脂中の全塩素含有量は、1,500ppm以下、望ましくは1,000ppm以下であることが好ましい。また、100℃で50%エポキシ樹脂濃度における20時間での抽出水塩素が10ppm以下であることが好ましい。全塩素含有量が1,500ppmを超え、又は抽出水塩素が10ppmを超えると半導体素子の信頼性、特に耐湿性に悪影響を与えるおそれがある。
【0022】
次に、本発明に使用する芳香族アミン系硬化剤(B)は、下記一般式(1)〜(3)で表される少なくとも1種類の芳香族アミン化合物を硬化剤全体の5質量%以上、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜100質量%含有する。一般式(1)〜(3)で表される芳香族アミン化合物が、硬化剤全体の5質量%未満であると、接着力が低下したり、クラックが発生する。また本発明の芳香族アミン系硬化剤は、純度が99%以上であることが好ましい。純度が99%未満であると、匂いが強くなるおそれがあり、そのため生産作業性が悪くなるおそれがある。なお、ここでいう純度とは、モノマーの純度である。
【0023】
【化4】
Figure 0004009853
(式中、R1〜R4は水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基である。)
【0024】
ここで、R1〜R4の一価炭化水素基としては、炭素数1〜6、特に1〜3のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基などや、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したフロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基を挙げることができる。
【0025】
また、上記芳香族アミン化合物以外の硬化剤としては、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン等の低分子芳香族アミンであることが好ましい。
【0026】
上記芳香族アミン系硬化剤は、通常、常温で固体であり、そのまま配合すると樹脂粘度が上昇し、作業性が著しく悪くなるため、あらかじめエポキシ樹脂と溶融混合することが好ましく、後述する指定の配合量で、70〜150℃の温度範囲で1〜2時間溶融混合することが望ましい。混合温度が70℃未満であると芳香族アミン系硬化剤が十分に相溶しにくくなるおそれがあり、150℃を超える温度であるとエポキシ樹脂と反応して粘度上昇するおそれがある。また、混合時間が1時間未満であると芳香族アミン系硬化剤が十分に相溶せず、粘度上昇を招くおそれがあり、2時間を超えるとエポキシ樹脂と反応し、粘度上昇するおそれがある。
【0027】
なお、本発明に用いられる芳香族アミン系硬化剤の総配合量は、液状エポキシ樹脂と芳香族アミン系硬化剤との配合モル比〔(A)液状エポキシ樹脂/(B)芳香族アミン系硬化剤〕を0.7以上0.9以下、好ましくは0.7以上0.9未満、更に好ましくは0.7〜0.85の範囲にすることが推奨される。配合モル比が0.7未満では未反応のアミン基が残存し、ガラス転移温度の低下となり、また密着性が低下するおそれがある。逆に0.9を超えると硬化物が硬く脆くなり、リフロー時又は温度サイクル時にクラックが発生するおそれがある。
【0028】
本発明に用いられる無機質充填剤(C)は、膨張係数を小さくする目的から、従来より知られている各種の無機質充填剤を添加することができる。無機質充填剤として、具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、チッカアルミ、チッカ珪素、マグネシア、マグネシウムシリケート、アルミニウムなどが挙げられる。中でも真球状の溶融シリカが低粘度化のため望ましく、更には、ゾルゲル法又は爆燃法で製造された球状シリカを用いることが望ましい。なお、これらの無機質充填剤は、シランカップリング剤等で表面処理されたものであってもよいが、表面処理なしでも使用できる。
【0029】
ここで、本発明の対象とする半導体装置は、ギャップサイズ(基板と半導体チップとの隙間の幅)の範囲が10〜200μm程度のフリップチップ型半導体装置が好ましいが、この場合、アンダーフィル材の侵入性の向上と低線膨張化の両立を図るため、平均粒径が0.1〜5μm、好ましくは0.5〜2μmであり、かつフリップチップ型半導体装置のギャップサイズに対して1/2以上の粒径のものが無機質充填剤全体の0.1質量%以下、特に0〜0.08質量%である無機質充填剤を用いることが望ましい。平均粒径が0.1μmより小さくなると粘度が上昇する場合があり、5μmを超えるとギャップ間にひっかかり、未充填になるおそれがある。特にギャップサイズに対して平均粒径が約1/10以下、最大粒径が1/2以下の無機質充填剤を用いることが好ましい。
【0030】
例えば、ギャップサイズが20μmである狭ギャップ型のフィリップチップ型半導体装置では、10μmを超える粒径の割合が無機質充填剤全体の0.1質量%以下である無機質充填剤を用いることが望ましい。この粒径のものが0.1質量%を超えると、バンプ間に引っ掛かり、未充填やボイドが発生するおそれがある。このように、粒径をコントロールする場合、一般の溶融シリカや球状溶融シリカでは、最大粒径の製造及び管理が難しく、仮に最大粒径を10μm以下にできたとしてもコストが高くなり、現実的に使用できないおそれが生じる。そこで鋭意検討した結果、ゾルゲル法又は爆燃法で製造された球状シリカが最も適していることを見出した。ゾルゲル法又は爆燃法で製造された球状シリカは、溶融シリカに比べて真球状であり、粒度分布も容易に設計できるメリットがある。なお、ゾルゲル法及び爆燃法による球状シリカの製造方法としては、従来より公知の方法で製造することができる。
【0031】
この場合、ゾルゲル法又は爆燃法で製造された球状シリカは、無機質充填剤全体の80質量%以上、特に90〜100質量%、とりわけ95〜100質量%配合することが望ましい。80質量%未満では、流動性が低下するおそれがある。
【0032】
ここで、ギャップサイズに対して1/2以上の粒径のものの測定方法としては、例えば、無機質充填剤と純水を1:9(質量)の割合で混合し、超音波処理を行って凝集物を十分崩し、これをギャップサイズの1/2の目開きのフィルターで篩い、篩上の残量を秤量する粒径検査方法を用いることができる。
【0033】
無機質充填剤(C)の配合量としては、エポキシ樹脂100質量部に対して50〜500質量部とすることが好ましく、より好ましくは100〜400質量部の範囲である。50質量部未満では、膨張係数が大きく、冷熱試験においてクラックの発生を誘発させるおそれがある。500質量部を超えると、粘度が高くなり、薄膜侵入性の低下をもたらすおそれがある。
【0034】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、応力を低下させる目的でシリコーンゴム、シリコーンオイルや液状のポリブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレンよりなる熱可塑性樹脂などを配合してもよい。好ましくは、アルケニル基含有エポキシ樹脂又はフェノール樹脂のアルケニル基と下記平均組成式(4)で示される1分子中の珪素原子の数が20〜400であり、かつ珪素原子に直接結合した水素原子(SiH基)の数が1〜5であるオルガノポリシロキサンのSiH基との付加反応により得られる共重合体からなるシリコーン変性樹脂を配合することが好ましい。
【0035】
a5 bSiO(4-a-b)/2 (4)
(但し、式中R5は置換又は非置換の一価炭化水素基、aは0.01〜0.1、bは1.8〜2.2、1.81≦a+b≦2.3を満足する正数である。)
【0036】
なお、R5の置換又は非置換の一価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したフロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基を挙げることができる。
上記共重合体としては、中でも下記構造のものが望ましい。
【0037】
【化5】
Figure 0004009853
【0038】
上記式中、R5は上記と同じであり、R7は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R8は−CH2CH2CH2−、−OCH2−CH(OH)−CH2−O−CH2CH2CH2−又は−O−CH2CH2CH2−である。mは4〜199、好ましくは19〜99の整数、pは1〜10の整数、qは1〜10の整数である。
【0039】
上記共重合体をジオルガノポリシロキサン単位がエポキシ樹脂100質量部に対して0〜20質量部、特には2〜15質量部含まれるように配合することで応力をより一層低下させることができる。
【0040】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じ、接着向上用炭素官能性シラン、カーボンブラックなどの顔料、染料、酸化防止剤、表面処理剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなど)、有機溶剤、その他の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0041】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、例えば、液状エポキシ樹脂、芳香族アミン系硬化剤、あるいは液状エポキシ樹脂と芳香族アミン系硬化剤との溶融混合物、それに無機質充填剤、有機溶剤及びその他の添加剤等を同時に又は別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶解、混合、分散させることにより得ることができる。これらの混合、撹拌、分散等の装置としては、特に限定されるものではないが、撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル等を用いることができる。またこれら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0042】
なお、本発明において、封止材として用いる場合の液状エポキシ樹脂組成物の粘度は、25℃において10,000ポイズ以下のものが好ましい。特に好ましくは10〜1,000ポイズである。また、この組成物の成形方法、成形条件は、常法とすることができるが、好ましくは、先に100〜120℃で0.5時間以上、特に0.5〜1時間、その後165℃で1時間以上、特に1〜3時間の条件で熱オーブンキュアを行う。100〜120℃での加熱が0.5時間未満では、硬化後にボイドが発生する場合がある。また165℃での加熱が1時間未満では、十分な硬化物特性が得られない場合がある。
【0043】
ここで、本発明に用いるフリップチップ型半導体装置としては、例えば図1に示したように、通常、有機基板1の配線パターン面に複数個のバンプ2を介して半導体チップ3が搭載されているものであり、上記有機基板1と半導体チップ3との隙間(バンプ2間の隙間)にアンダーフィル材4が充填され、その側部がフィレット材5で封止されたものとすることができるが、本発明の封止材は、特にアンダーフィル材として使用する場合に有効である。
【0044】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として用いる場合、その硬化物のガラス転移温度以下の膨張係数が20〜40ppm/℃であることが好ましい。このような膨張係数とする手段としては、無機質充填剤をエポキシ樹脂と硬化剤との合計量100質量部に対して100〜400質量部配合するなどの方法が採用し得る。
【0045】
なお、この場合、フィレット材用の封止材は公知のものでよく、特に上述したアンダーフィル材と同様の液状エポキシ樹脂組成物を用いることができるが、この場合はその硬化物のガラス転移温度以下の膨張係数が10〜20ppm/℃であるものが好ましい。
【0046】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0047】
[実施例1〜5、比較例1〜3]
表1に示す成分を3本ロールで均一に混練することにより、8種の樹脂組成物を得た。これらの樹脂組成物を用いて、以下に示す試験を行った。その結果を表1に示す。
【0048】
[粘度]
BH型回転粘度計を用いて4rpmの回転数で25℃における粘度を測定した。
【0049】
[侵入テスト]
PI(ポリイミド)膜コートした10mm×10mmのシリコンチップを30mm×30mmのFR−4基板に、ギャップサイズが約50μmとなるように設置したフリップチップ型半導体パッケージをテスト1、ギャップサイズが約20μmとなるように設置したフリップチップ型半導体パッケージをテスト2として、これらの隙間(ギャップ)に100℃に加熱したホットプレート上に設置させた樹脂組成物を侵入させ、樹脂組成物が隙間を埋めたときの時間を測定した。
【0050】
[ボイドテスト]
PI膜コートした10mm×10mmのシリコンチップを30mm×30mmのFR−4基板に、ギャップサイズが約50μmとなるように設置したフリップチップ型半導体パッケージをテスト1、ギャップサイズが約20μmとなるように設置したフリップチップ型半導体パッケージをテスト2として、これらの隙間(ギャップ)に樹脂組成物を侵入、硬化させ、ボイドの有無をC−SAM(SONIX社製)で確認した。
【0051】
[シリカ分離テスト]
PI膜コートした10mm×10mmのシリコンチップを30mm×30mmのFR−4基板に、ギャップサイズが約50μmとなるように設置したフリップチップ型半導体パッケージをテスト1、ギャップサイズが約20μmとなるように設置したフリップチップ型半導体パッケージをテスト2として、これらの隙間(ギャップ)に樹脂組成物を侵入、硬化させ、シリカ分離の有無をC−SAM(SONIX社製)で確認した。
【0052】
[Tg(ガラス転移温度)、CTE1(膨張係数)、CTE2(膨張係数)]
5mm×5mm×15mmの硬化物試験片を用いて、TMA(熱機械分析装置)により毎分5℃の速さで昇温した時のTgを測定した。また、以下の温度範囲の膨張係数を測定した。
CTE1の温度範囲は50〜80℃、CTE2の温度範囲は200〜230℃である。
【0053】
[接着力テスト]
下面の直径2mm、上面の直径5mm、高さ3mmの円錐台形状のポリテトラフルオロエチレン製の型に樹脂組成物を注入し、この上にPI膜コートしたシリコンチップを載せ、150℃で3時間硬化させた。硬化後、ポリテトラフルオロエチレン製の型を外して得られた試験片の剪断接着力を測定し、初期値とした。更に、硬化させた試験片をPCT(121℃/2.1atm)で336時間吸湿させた後、同様に接着力を測定した。いずれの場合も試験片の個数は5個で行い、その平均値を接着力として表記した。
【0054】
[PCT剥離テスト]
PI膜コートした10mm×10mmのシリコンチップを30mm×30mmのFR−4基板にギャップサイズが約50μmとなるように設置したフリップチップ型半導体パッケージの隙間(ギャップ)に樹脂組成物を侵入、硬化させ、30℃/65%RH/192時間後に最高温度265℃に設定したIRリフローにて5回処理した後の剥離、更にPCT(121℃/2.1atm)の環境下に置き、336時間後の剥離をC−SAM(SONIX社製)で確認した。
【0055】
[熱衝撃テスト]
PI膜コートした10mm×10mmのシリコンチップを30mm×30mmのFR−4基板にギャップサイズが約50μmとなるように設置したフリップチップ型半導体パッケージの隙間(ギャップ)に樹脂組成物を侵入、硬化させ、30℃/65%RH/192時間後に最高温度265℃に設定したIRリフローにて5回処理した後、−65℃/30分、150℃/30分を1サイクルとし、250,500,750サイクル後の剥離、クラックを確認した。
【0056】
【表1】
Figure 0004009853
【0057】
C−100S:3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(日本化薬社製)
C−300S:3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(日本化薬社製)
RE303S−L:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬社製)
KBM403:シランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学製)
【0058】
共重合体:
【化6】
Figure 0004009853
【0059】
シリカA:下記粒径検査方法において、フィルター1残量(粒径25μm以上)が0.01質量%、平均粒径3.2μmのゾルゲル法で製造された球状シリカ
シリカB:下記粒径検査方法において、フィルター1残量(粒径25μm以上)が0.08質量%、平均粒径3.6μmのゾルゲル法で製造された球状シリカ
シリカC:下記粒径検査方法において、フィルター1残量(粒径25μm以上)が0.08質量%、平均粒径2.5μmの爆燃法で製造された球状シリカ
シリカD:下記粒径検査方法において、フィルター1残量(粒径25μm以上)が0質量%、フィルター2残量(粒径10μm以上)が0.02質量%、平均粒径1.3μmの爆燃法で製造された球状シリカ
シリカE:下記粒径検査方法において、フィルター1残量(粒径25μm以上)が0質量%、フィルター2残量(粒径10μm以上)が0.01質量%、平均粒径0.7μmのゾルゲル法で製造された球状シリカ
シリカF:下記粒径検査方法において、フィルター1残量(粒径25μm以上)が0.08質量%、平均粒径5.5μmの溶融球状シリカ
シリカG:下記粒径検査方法において、フィルター1残量(粒径25μm以上)が1質量%、平均粒径3.6μmのゾルゲル法で製造された球状シリカ
シリカH:下記粒径検査方法において、フィルター1残量(粒径25μm以上)が1.5質量%、フィルター2残量(粒径10μm以上)が2質量%、平均粒径1.5μmの溶融球状シリカ
シリカ粒径検査方法
シリカと純水を1:9(質量)の割合で混合し、超音波処理を行って凝集物を十分崩し、フィルター1(目開き25μm)又はフィルター2(目開き10μm)で篩い、篩上に残ったシリカを秤量して残量を測定した。測定は5回行い、その平均値を測定値として質量%で表した。
【0060】
【発明の効果】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、シリコンチップの表面、特に感光性ポリイミド樹脂や窒化膜との密着性に優れた硬化物を与え、吸湿後のリフローの温度が従来温度240℃付近から260〜270℃に上昇しても不良が発生せず、更にPCT(120℃/2.1atm)などの高温多湿の条件下でも劣化せず、−65℃/150℃の温度サイクルにおいて数百サイクルを超えても剥離、クラックが起こらない半導体装置を提供することができる。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の封止材を用いたフリップチップ型半導体装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 有機基板
2 バンプ
3 半導体チップ
4 アンダーフィル材
5 フィレット材

Claims (5)

  1. ギャップサイズが10〜50μmであるフリップチップ型半導体装置のアンダーフィル材用液状エポキシ樹脂組成物であって、
    (A)液状エポキシ樹脂
    (B)下記一般式(1)〜(3)で表される芳香族アミン化合物の1種又は2種以上を硬化剤全体の5質量%以上含有する芳香族アミン系硬化剤
    (C)無機質充填剤
    を必須成分とし、(C)無機質充填剤が、平均粒径0.1〜5μmであり、かつ無機質充填剤と純水を1:9(質量)の割合で混合し、超音波処理を行って凝集物を崩し、これを上記ギャップサイズの1/2の目開きのフィルターで篩い、篩上の残量を秤量する粒径検査方法にて測定したフリップチップ型半導体装置のギャップサイズに対して1/2以上の粒径のものが無機質充填剤全体の0.1質量%以下であることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0004009853
    (式中、R1〜R4は水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基である。)
  2. 更に上記無機質充填剤が、ゾルゲル法又は爆燃法で製造された球状シリカである請求項1記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  3. 更に(A)液状エポキシ樹脂と(B)芳香族アミン系硬化剤との配合モル比〔(A)/(B)〕が、0.7以上0.9以下である請求項1又は2記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  4. 更に、アルケニル基含有エポキシ樹脂又はアルケニル基含有フェノール樹脂のアルケニル基と、下記平均組成式(4)
    a5 bSiO(4-a-b)/2 (4)
    (式中、R5は置換又は非置換の一価炭化水素基、aは0.01〜0.1、bは1.8〜2.2、1.81≦a+b≦2.3を満足する整数である。)
    で示される1分子中の珪素原子の数が20〜400であり、かつ珪素原子に直接結合した水素原子(SiH基)の数が1〜5であるオルガノポリシロキサンのSiH基との付加反応により得られる共重合体からなるシリコーン変性樹脂を含有する請求項1,2又は3記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物をアンダーフィル材として封止したフリップチップ型半導体装置。
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