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JP4010636B2 - 組織片処理方法と自動組織片処理装置 - Google Patents
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JP4010636B2 - 組織片処理方法と自動組織片処理装置 - Google Patents

組織片処理方法と自動組織片処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡標本を作製するため、組織片に対して複数の薬液を順次浸漬処理して最終的にはパラフィンや樹脂などを浸透させる組織片処理方法および自動的にこの組織片処理方法を実施する自動組織片処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、組織片の顕微鏡標本を作製するため、組織片を包埋して標本ブロックを作製する前工程として、組織片に対して固定、脱水、脱脂、置換、最終的にはパラフィンを浸透させるという組織片処理方法が一般的に実施されている。
そして、この組織片の処理方法においては、例えば組織片を浸ける薬液の量が何らかの原因によって減少し、当該薬液に組織片を浸漬した際に組織片の一部若しくは全体が当該薬液に浸らなくなった場合でも組織片が長時間空気に触れてダメージを受けないようにするため、ある薬液の液量が不足している場合には、液量が不足した当該薬液の前工程において使用された薬液に組織片を再度浸けて組織片処理を停止させ、組織片のダメージを回避するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の組織片処理方法には、次のような課題がある。
組織片に対してホルマリンで固定し、最終的にパラフィンを浸透させるまでには時間がかかる。このため、一般的に作業者はこの組織片処理方法を自動的に実施する上記のような組織片処理装置に組織片をかけ、夜間にこの組織片の処理を終わらせて、翌朝出社して来てから引き続きパラフィン浸透された組織片に対して標本ブロックの作製から染色、封入に至る処理を包埋ブロック作製装置やミクロトームや組織片染色装置や封入装置等を用いて行い、顕微鏡で見うる状態に加工するという方法をとっている。
しかしながら、夜間に薬液の液量の不足という事態が発生した場合には、組織片は液量不足の薬液の前工程の薬液に浸った状態で処理が中断しているため、翌朝出社した際に組織片の処理が完了しておらず、予定していた組織片の包埋ブロック作製やミクロトームによる薄切作業、染色作業等の残りの標本作製のための組織片の処理に入れないという課題がある。組織片の標本作製を依頼した医師等は、翌日には出来上がった標本を用いて組織片を顕微鏡でチェックし、病気の有無や病名の特定を行うことを予定しており、組織片の標本作製が予定通り行えないのは医師、病院ひいては患者にとって大きな問題となる。
【0004】
一方、組織片のホルマリン固定からパラフィン浸透までの組織片の処理において使用される薬液の種類によっては、一例として脱水工程に使用されるアルコール類(エチルアルコールやメチルアルコール等)のように、アルコール成分の濃度を違えた複数の薬液からなる薬液群として構成し、組織片をこの薬液に順次濃度が高くなる順番で浸けるようにしている。また例えばアルコールとパラフィンの中間剤として使用されるキシレンのように、濃度が同じ複数の薬液からなる薬液群として構成し、組織片を各薬液に順番に浸けるようにする場合もある。そこで出願人は、上述したように一の薬液による処理が液量不足でできない場合であっても、この一の薬液と同種の薬液がこのように他にも存在する場合においては、他の同種の薬液を利用して組織片の組織片処理を続行できるのではないかという点に着目した。
【0005】
従って、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、一の薬液による処理が液量不足でできない場合であっても、他の同種の薬液を利用して組織片に対して組織片処理を続行できる組織片処理方法とその組織片処理方法を実施する自動組織片処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1の組織片処理方法は、組織片の標本を作製すべく、複数の薬液に該組織片を順次浸ける処理工程のうち、連続する少なくとも二工程で同種の薬液を使用する組織片処理方法であって前記二工程のうち、後工程の薬液の量が組織片の処理に十分でない場合には、前記組織片を前工程の薬液に再度所定時間だけ浸漬し、該所定時間経過後に前記後工程の次工程の薬液から順次組織片の処理を続行することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る請求項2の組織片処理方法は、組織片の標本を作製すべく、複数の薬液に該組織片を順次浸ける処理工程のうち、連続する少なくとも二工程で同種の薬液を使用する組織片処理方法であって前記二工程のうち、前工程の薬液の量が組織片の処理に十分でない場合には、前記前工程の処理を行うことなく後工程の薬液から順次組織片の処理を続行することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る請求項3の自動組織片処理装置は、複数の薬液に組織片を順次浸ける処理工程のうち、連続する少なくとも二工程で同種の薬液を使用して、該組織片の標本作製処理を行う自動組織片処理装置であって、前記薬液の量が前記組織片の処理に十分な量であるか否かを検出する液量センサと、前記組織片を前記複数の薬液に浸ける工程が記憶された記憶部と、前記液量センサを介して前記組織片の処理に使用しようとする前記薬液の量を検出しつつ組織片を前記記憶部に記憶された工程に従って順次薬液に浸けると共に、前記二工程のうち、後工程での薬液が組織片の処理に十分な量でないことを検出した場合には、前記組織片を前工程の薬液に再度所定時間だけ浸漬し、該所定時間経過後に前記後工程の次工程の薬液から順次組織片の標本作製処理を続行する組織片浸漬手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る請求項4の自動組織片処理装置は、複数の薬液に組織片を順次浸ける処理工程のうち、連続する少なくとも二工程で同種の薬液を使用して、該組織片の標本作製処理を行う自動組織片処理装置であって、前記薬液の量が前記組織片の処理に十分な量であるか否かを検出する液量センサと、前記組織片を前記複数の薬液に浸ける工程が記憶された記憶部と、前記液量センサを介して前記組織片の処理に使用しようとする前記薬液の量を検出しつつ組織片を前記記憶部に記憶された工程に従って順次薬液に浸けると共に、前記二工程のうち、前工程での薬液が組織片の処理に十分な量でないことを検出した場合には、前記前工程の処理を行うことなく後工程の薬液から順次組織片の標本作製処理を続行する組織片浸漬手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る請求項5の自動組織片処理装置は、複数の薬液に組織片を順次浸ける処理工程のうち、連続する少なくとも二工程で同種の薬液を使用して、該組織片の標本作製処理を行う自動組織片処理装置であって、前記薬液の量が前記組織片の処理に十分な量であるか否かを検出する液量センサと、前記組織片を前記複数の薬液に浸ける工程が記憶された記憶部と、前記液量センサを介して前記組織片の処理に使用しようとする前記薬液の量を検出しつつ組織片を前記記憶部に記憶された工程に従って順次薬液に浸けると共に、前記二工程のうち、後工程での薬液が組織片の処理に十分な量でないことを検出した場合には、前記後工程での薬液が組織片の処理に十分な量になるまで前工程の薬液を補充してから、該組織片に前工程の処理を行うことなく後工程の薬液に所定時間の浸漬を行い、該所定時間経過後に後工程の次工程の薬液から順次組織片の標本作製処理を続行する組織片浸漬手段とを具備することを特徴とする。
そして、上記組織片処理方法および自動組織片処理装置によれば、一の薬液による組織片の処理が液量不足でできない場合であっても、他の同種の薬液を利用して組織片の組織片処理を続行でき、標本作製処理が遅滞なく行える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る組織片処理方法と自動組織片処理装置の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
まず、組織片処理方法について、一例として図1に示す組織片処理の工程を用いて説明する。なお、組織片処理とは、本実施の形態では図1の工程に示すように組織片に対してのホルマリンによる固定からパラフィン浸透までの処理を言うが、さらにこの処理工程の後に続く組織片の標本ブロックの作製工程、ミクロトームを用いた標本ブロックの薄切り工程、スライドグラスへの標本伸展工程および標本の乾燥・染色工程、封入工程に於ける処理も含めて組織片処理という場合もある。
最初に、どの薬液も不足のない通常状態について説明すると、組織片は、この工程1〜9の順番に従って順次各薬液に浸漬され、組織片処理される。具体的には、ホルマリン水溶液に浸漬されて組織片の組織固定がなされ、エチルアルコール(メチルアルコールの場合もある)によって脱水され、アルコールとパラフィンの中継ぎのための中間剤としてのキシレンで浸漬され、最後にパラフィンに浸漬されて組織片に対する組織片処理が完了する。
【0012】
そして本実施の形態の特徴点は、組織片処理に使用される薬液の内の一の薬液の量が組織片処理に十分でない場合であって、当該一の薬液の前工程の薬液が一の薬液と同種類である場合には、組織片を前工程の薬液に再度所定時間だけ浸漬し、この所定時間経過後に一の薬液の次工程の薬液から順次組織片の標本作製処理を続行することである。また、一の薬液の次工程の薬液が一の薬液と同種類である場合には、一の薬液による工程を行うことなく次工程の薬液から順次組織片の処理を続行するようにしても良い。
これにより、一の薬液の量が組織片の処理に十分でない場合に、従来のように一の薬液の前工程の薬液に組織片を浸けた状態で組織片処理を中止する方法に比べて、組織片を最後まで処理し、パラフィン浸漬できる確率が向上するようになる。
また、一の薬液の不足分を、同種類である前工程の薬液から補充することによって一の薬液を組織片の処理に十分な量まで増やし、組織片の処理を行うようにしても良い。
【0013】
具体例を挙げて説明する。例えば、図1の組織片処理工程において、工程4のエチルアルコールの液量が組織片処理を行うには十分でない場合を想定して説明する。
この場合、従来は工程4の前工程である工程3に組織片を戻して浸漬し、組織片処理を中止していたが、本実施の形態では工程3が工程4の薬液と同種類であるため、組織片を前工程3の薬液に再度所定時間だけ浸漬し、この所定時間経過後に工程4の次工程5の薬液から順次組織片の処理を続行するのである。ここで所定時間は、工程3と工程4の薬液の各濃度D3 とD4 の差を考慮して設定するが、一例として工程4での組織片の浸漬時間T4 と同じ時間に設定するようにしても良い。
また、この組織片処理工程では、工程5も工程4と同種の薬液を使用している。よって、工程3に再度戻す上記の組織片処理方法に代えて、工程4を行うことなく工程3に引き続いて次工程5の薬液から順次組織片の処理を続行するようにしても良い。この際、工程3に戻す処理方法と同様に工程5において工程4を実施しなかった分だけ長く組織片を薬液に浸漬させるようにすることも可能である。
また、工程4の薬液に工程3の薬液を、液量センサで検出するまで補充して工程4の薬液の量を組織片の処理に十分な液量とし、適量になった工程4の薬液を用いて組織片の処理を行うようにしても良い。この場合も、浸漬する所定時間は、薬液の各濃度D3 とD4 の差を考慮して設定することが望ましいが、工程4での組織片の浸漬時間T4 と同じでもかまわない。
【0014】
これは、エチルアルコールの場合に限らず、エチルアルコールの場合と同様に、同種の薬液を連続した複数の工程において使用する他の薬液、ホルマリン水溶液やキシレン、パラフィンの場合にも適用できる。
ただし、工程6の薬液(キシレン)の液量が不足したような場合には、工程6の前工程5で使用される薬液はキシレンとは異なるエチルアルコールであるため、前工程5に再度戻すことはせず、次工程7が同種のキシレンであるため、工程6を行うことなく工程5に引き続いて次工程7の薬液から順次組織片の処理を続行する。この工程7では通常の浸漬時間としても良いが、実施しなかった工程6の分だけ通常の浸漬時間よりも長めに浸漬するようにすることも可能である。
また、同じキシレンの場合でも、工程7の薬液の液量が不足したような場合には、工程7の次工程8で使用される薬液はキシレンとは異なるパラフィンであるため、次工程8に進めることはせず、前工程6が同種のキシレンであるため、再度工程6を実施して組織片を所定の時間だけキシレンに浸漬し、その後は工程7を行うことなく工程6に引き続いて次工程8の薬液から順次組織片の処理を続行する。これは、同種の薬液が2つの工程しかないホルマリン水溶液、パラフィンの場合も同様である。
【0015】
また、上述した実施の形態では、液量が不足した薬液が一つの場合であったが、2つ以上の異種の薬液が不足した場合には、各薬液と同種の薬液に対して上述したような前後の工程での処理をそれぞれ行うようにすれば良い。
【0016】
次に、上述した組織片処理方法を実施できる自動組織片処理装置について説明する。
自動組織片処理装置は、複数の薬液に組織片を順次浸けてこの組織片処理を行うものである。
まず、一例として図2に示す1槽式の自動組織片処理装置10を用いてその構成について説明する。
処理槽12は組織片14を収納するためのものである。
薬液タンク16は各薬液毎に設けられている。
ロータリーバルブ18は、処理槽12と薬液タンク16との間に配され、処理槽12と薬液タンク16に管路で接続されている。そして選択的に1つの薬液タンク16を切り換えて処理槽12と接続する。なお、切り換えは、電動モータ20により行われる。
【0017】
液量センサ22は、各薬液の量が組織片14の処理に十分な量であるか否かを検出する機能を有している。本実施の形態は1槽式であるため、液量センサ22は組織片14が収納された処理槽12に設けて各薬液が収納された薬液タンク16から薬液が処理槽12に送られた際にその液量を検出する構成とし、液量センサ22の数が1つで済むようにしている。なお、処理槽12に薬液を送る前に液量を検出できるようにするためには、各薬液タンク16毎に液量センサ22を設けるようにすれば良い。
【0018】
記憶部24は、ROMやRAM等の半導体メモリを用いて構成され、組織片14を各薬液に浸ける工程が記憶されている。
組織片浸漬手段は、上述した電動モータ20と、ロータリーバルブ18と、処理槽12内の空気を排気して処理槽12内を負圧にしたり、また処理槽12内に圧縮空気を送り込んで処理槽12内を加圧したりすることで、薬液タンク16から薬液を処理槽12へ供給し、また逆に処理槽12内の薬液を薬液タンク16に戻したりする機能を有するポンプ26と、コンピュータを用いて構成された制御部28とから成る。なお、コンピュータは、一例として記憶部24に予め記録された動作プログラムにしたがって動作する。
操作部30は、制御部28に対して動作開始指示等の制御用データを入力する機能を有する。
【0019】
次に、自動組織片処理装置10の動作について図3を用いて説明する。
自動組織片処理装置10は起動されると、操作部30を介して組織片14が処理槽12に収納されたことを示すデータが操作部30から入力されるのを待つ(S100)。
当該データが入力されると、工程を示すパラメータN(Nは例えば自然数、整数等で表現される)を初期化し(S102)、組織片14の薬液による組織片処理工程を開始する。
最初に、一般的な処理工程について説明する。
まず、組織片浸漬手段の制御部28が記憶部24から工程Nに関する処理データ(処理槽12に供給すべき薬液の種類、浸漬時間、薬液の温度等)を読み取る(S104)。
【0020】
そして制御部28は読み取った処理データに従って、指定された薬液が入った薬液タンク16と処理槽12とが連通するように電動モータ20を介してロータリーバルブ18を切り換える。その後、ポンプ26を作動させて処理槽12内を負圧にして薬液タンク16から薬液を処理槽12内に供給する(S106)。供給動作が終了したら、液量センサ22を介して処理槽12内の液量をチェックする(S108)。
そして、液量が規定量以上である場合、すなわち組織片14が完全に浸るだけの液量を確保できている場合には制御部28は内部に設けられたタイマ機能を利用して、予め決められた浸漬時間だけ組織片を浸ける(S110)。
【0021】
この浸漬時間が終了したら、制御部28はポンプ26を作動させ、処理槽12内を加圧して処理槽12内の薬液を排出し、元の薬液タンク16に戻す(S112)。
制御部28は現在行っている工程が組織片処理工程の最後の工程であるか否かをチェックし(S114)、最終工程である場合には処理作業を正常終了させる(S116)。また、工程が残っている場合には、工程を示すパラメータNをインクリメントし(S118)、S104に戻り、全工程が終了するまでS104〜S118を繰り返す。
以上が、一般的な正常時の処理工程の動作である。
【0022】
次に、S108において、処理槽12に供給された薬液が規定量に達しない場合について説明する。
従来の方法では、この場合、規定量に達しなかった薬液を元の薬液タンクに戻した後に、薬液が不足した工程の前工程で使用された薬液を再度処理槽12に供給して組織片をこの薬液に浸けた状態で処理をストップさせていたが、本実施の形態の組織片処理では、図3の一点鎖線で囲んだ工程を追加した点が特徴部分である。
すなわち、S108において、一の工程Nの薬液が規定量に達しなかった場合には、制御部28は処理槽12から規定量に達しなかった工程Nの薬液を元の薬液タンクに戻し(S120)、記憶部24から工程Nの前後の工程(工程N−1と工程N+1)の処理データを読み取る(S122)。
【0023】
そして、まず前工程N−1において工程Nで使用する薬液と同種の薬液を使用しているか否かをチェックする(S124)。その結果、同種の薬液である場合には前工程N−1で使用する薬液を薬液タンクから処理槽12内に供給し、この薬液によって組織片14を処理し(S126)、この処理後にS114に移行する。これにより、工程Nの処理は行わずに、工程Nに代えて再度前工程N−1の処理を行い、次には次工程N+1の処理を行うことになる。
なお、このS126での処理時間は工程Nにおける組織片14の浸漬時間と同じ時間に設定しても良いが、工程Nと前工程N−1で使用する各薬液の濃度を考慮して、工程Nの薬液の濃度が高い場合には濃度の低い薬液に浸漬させるのであるから浸漬時間を工程Nの通常の浸漬時間よりも長めに設定すると良い。
また、工程Nの薬液を利用する場合には、このS126において、前工程N−1の同種類の薬液を工程Nの薬液に補充して適量とし、工程Nの薬液を用いて組織片14の処理を行う。
【0024】
また、S124において、前工程N−1と工程Nの薬液が異種の場合には、制御部28は次工程N+1において工程Nで使用する薬液と同種の薬液を使用しているか否かをチェックする(S128)。その結果、同種の薬液である場合にはこの処理後にS114に移行する。これにより、工程Nの処理を行わずに、次には次工程N+1の処理を行うことになる。
このように、一の薬液による処理が液量不足でできない場合であっても、当該一の薬液を使用する工程の前若しくは次の工程で使用される薬液をチェックして同じであれば、それら他の同種の薬液を利用して組織片の組織片処理を続行でき、この処理に続く後の組織片に対する処理(標本ブロック作製処理等)を遅滞なく行えるようになる。
なお、S128で次工程N+1において使用する薬液が工程Nで使用するものと異種である場合には、従来例と同様に処理槽12に前工程N−1で使用した薬液を供給して組織片を浸漬させ(S130)、エラー表示を行って(S132)処理をストップさせる(S134)。しかしながら、上記のように前や次の工程の薬液が同じ場合には組織片処理が続行できるため、顕微鏡の標本作製処理が中断することなく完了できる確率が向上することは明らかである。
【0025】
また、上述した実施の形態では、処理槽12が1槽でこの処理槽12に薬液を順次供給し、排出することによって組織片を処理する場合について述べてきたが、図4に示すような処理槽12が各薬液毎に別個に設けられ、組織片14は制御部28によって制御される搬送手段32によって順次各処理槽12間を所定の順番で移動して薬液に浸漬される多槽式の場合にも同様に本発明を適用できる。なお、この場合には液量センサ22は各薬液タンク16毎に設けられる。記憶部24は上述した実施の形態と同様の機能を有する。
多槽式の場合の動作は、図3に示すフローと略同様であり、S106やS112、S126では薬液の供給・排出動作に代えて、搬送手段32による組織片14の処理槽12間での移動動作が行われる。
【0026】
以上、本発明の好適な実施の形態について種々述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定されるものではなく、上述したS124とS128を組み合わせた処理方法に代えて、S124若しくはS128のいずれか一方のみを実施する処理方法としても良い等、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0027】
【発明の効果】
本発明に係る組織片処理方法と自動組織片処理装置によれば、一の薬液による処理が液量不足でできない場合であっても、一の薬液が使用される工程の前工程若しくは次工程で使用される薬液が同じである場合には、これら前工程や次工程で使用される同種の他の薬液を利用して組織片の組織片処理を続行でき、組織片の標本作製が遅滞なく行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 組織片処理工程の一例を示す工程表である。
【図2】 本発明に係る自動組織片処理装置の一実施の形態(1槽式)の構成を示すブロック図ある。
【図3】 図2の自動組織片処理装置の組織片処理動作を示すフローチャートである。
【図4】 本発明に係る自動組織片処理装置の一実施の形態(多槽式)の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 自動組織片処理装置
12 処理槽
14 組織片
16 薬液タンク
18 ロータリーバルブ
22 液量センサ
24 記憶部
28 制御部

Claims (5)

  1. 組織片の標本を作製すべく、複数の薬液に該組織片を順次浸ける処理工程のうち、連続する少なくとも二工程で同種の薬液を使用する組織片処理方法であって
    前記二工程のうち、後工程の薬液の量が組織片の処理に十分でない場合には、前記組織片を前工程の薬液に再度所定時間だけ浸漬し、該所定時間経過後に前記後工程の次工程の薬液から順次組織片の処理を続行することを特徴とする組織片処理方法。
  2. 組織片の標本を作製すべく、複数の薬液に該組織片を順次浸ける処理工程のうち、連続する少なくとも二工程で同種の薬液を使用する組織片処理方法であって
    前記二工程のうち、前工程の薬液の量が組織片の処理に十分でない場合には、前記前工程の処理を行うことなく後工程の薬液から順次組織片の処理を続行することを特徴とする組織片処理方法。
  3. 複数の薬液に組織片を順次浸ける処理工程のうち、連続する少なくとも二工程で同種の薬液を使用して、該組織片の標本作製処理を行う自動組織片処理装置であって
    前記薬液の量が前記組織片の処理に十分な量であるか否かを検出する液量センサと、
    前記組織片を前記複数の薬液に浸ける工程が記憶された記憶部と、
    前記液量センサを介して前記組織片の処理に使用しようとする前記薬液の量を検出しつつ組織片を前記記憶部に記憶された工程に従って順次薬液に浸けると共に、前記二工程のうち、後工程での薬液が組織片の処理に十分な量でないことを検出した場合には、前記組織片を前工程の薬液に再度所定時間だけ浸漬し、該所定時間経過後に前記後工程の次工程の薬液から順次組織片の標本作製処理を続行する組織片浸漬手段とを具備することを特徴とする自動組織片処理装置。
  4. 複数の薬液に組織片を順次浸ける処理工程のうち、連続する少なくとも二工程で同種の薬液を使用して、該組織片の標本作製処理を行う自動組織片処理装置であって
    前記薬液の量が前記組織片の処理に十分な量であるか否かを検出する液量センサと、
    前記組織片を前記複数の薬液に浸ける工程が記憶された記憶部と、
    前記液量センサを介して前記組織片の処理に使用しようとする前記薬液の量を検出しつつ組織片を前記記憶部に記憶された工程に従って順次薬液に浸けると共に、前記二工程のうち、前工程での薬液が組織片の処理に十分な量でないことを検出した場合には、前記前工程の処理を行うことなく後工程の薬液から順次組織片の標本作製処理を続行する組織片浸漬手段とを具備することを特徴とする自動組織片処理装置。
  5. 複数の薬液に組織片を順次浸ける処理工程のうち、連続する少なくとも二工程で同種の薬液を使用して、該組織片の標本作製処理を行う自動組織片処理装置であって
    前記薬液の量が前記組織片の処理に十分な量であるか否かを検出する液量センサと、
    前記組織片を前記複数の薬液に浸ける工程が記憶された記憶部と、
    前記液量センサを介して前記組織片の処理に使用しようとする前記薬液の量を検出しつつ組織片を前記記憶部に記憶された工程に従って順次薬液に浸けると共に、前記二工程のうち、後工程での薬液が組織片の処理に十分な量でないことを検出した場合には、前記後工程での薬液が組織片の処理に十分な量になるまで前工程の薬液を補充してから、該組織片に前工程の処理を行うことなく後工程の薬液に所定時間の浸漬を行い、該所定時間経過後に後工程の次工程の薬液から順次組織片の標本作製処理を続行する組織片浸漬手段とを具備することを特徴とする自動組織片処理装置。
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