JP4010798B2 - 導入用シース位置決め器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、経皮的に血管壁まで貫通した穴に止血手段を導入するための導入用シースの先端を血管壁に位置決めする導入用シース位置決め器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
心臓カテーテル法、心臓および血管造影法、ヒス束心電図法などの手術を行う際には、カテーテルを経皮的に血管内に挿入して処置を行う。処置を終えた後には、その穿刺孔の止血をする必要があるが、通常カテーテルの挿入は大腿動脈から行われるため、出血時の血圧(出血圧力)が高く、止血作業は非常に困難であり、従来は医療従事者が1時間もの間、手で押さえ続ける等の過酷な作業が行われていた。
【0003】
近年、この止血作業を容易かつ確実に行うために、穿刺孔を塞ぐ止血材料を挿入(充填)する方法や、カテーテル状の器具を用いて血管壁の穴を糸で縫合する方法が普及しつつある。
【0004】
このような材料や器具等の止血手段を用いて穿刺孔を止血する場合、止血手段を止血すべき血管壁に正確に位置決めして配置することが重要である。例えば、止血材料の場合、奥に挿入し過ぎると止血材料が血管内に侵入して血流を阻害してしまい、逆に、止血材料の挿入位置が浅過ぎると十分な止血効果が得られない。また、縫合器具の場合、縫合位置を誤ると正確に縫合できない。
【0005】
止血材料を血管壁に位置決めして挿入する器具として、特公平6−40877号公報には、▲1▼バルーンカテーテルを用いる器具、および▲2▼止血材を保持し先端が拡張可能な内筒と、外筒とからなる器具がそれぞれ開示されている。
【0006】
しかしながら、前記▲1▼の器具では、バルーンを膨張させるためのシリンジ等の器具を別途に容易しなければならない煩わしさがあり、前記▲2▼の器具では、内筒先端部における拡張状態の維持に確実性がなく、血管壁で位置決めされずに穿刺孔から抜けてしまうことがあるとともに、デリケートな血管壁内膜に対する損傷が懸念される。
【0007】
ところで、前述したようなカテーテルの挿入に際しては、通常、管状をなす本体部を有する導入用シース(カテーテルシースあるいはイントロデューサシース等とも言う。)が経皮的に血管内に挿入され、この導入用シースの内腔にカテーテルを挿通して血管内に導入する。
【0008】
この導入用シースの先端を血管壁に位置決めすることができれば、簡便で滑らかな位置決めが可能である。
【0009】
そして、容易に止血手段を血管壁に位置決めして挿入することができる。すなわち、そのように位置決めされた導入用シースの先端に止血位置が一致するように止血手段を挿入すればよいからである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な構造で、組織へダメージ等を与えることなく、容易、安全かつ確実に、導入用シースの先端を血管壁に位置決め可能な導入用シース位置決め器具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0012】
(1)経皮的に血管壁まで貫通した穴に止血手段を導入するための導入用シースの先端を血管壁に位置決めする導入用シース位置決め器具であって、前記導入用シース内に挿通可能な本体部と、前記本体部の基端側に設けられたハブとを備え、前記本体部は可撓性材料からなり、前記導入用シース内に挿入した状態で、前記ハブが前記導入用シースの基端部へ当接した際に、前記本体部の先端部が前記導入用シースの先端から突出し、前記本体部における少なくとも前記導入用シースの先端から突出した部分の表面に、凹部を有することを特徴とする導入用シース位置決め器具。
【0013】
(2)前記導入用シース位置決め器具の先端部に形成された凹部の深さが、0.7mm以上であり、前記本体部の直径に対して70%以下である上記(1)に記載の導入用シース位置決め器具。
【0014】
(3)前記凹部の前記本体部における先端側の形状が、滑らかなテーパ状であることを特徴とする上記(1)に記載の導入用シース位置決め器具。
【0015】
(4)前記凹部の前記本体部における基端側が、径方向に対して、45°から135°の角度で窪んでいることを特徴とする上記(1)に記載の導入用シース位置決め器具。
【0016】
(5)前記ハブの表面に前記本体部の周方向における前記凹部の位置を示すマークが設けられていることを特徴とする上記(1)に記載の導入用シース位置決め器具。
【0017】
(6)前記本体部を前記導入用シース内に挿入した状態で、前記ハブが前記導入用シースの基端部へ当接した際に、前記凹部が、前記導入用シースの最先端の近傍に位置することを特徴とする上記(1)に記載の導入用シース位置決め器具。
【0018】
(7)前記本体部を前記導入用シース内に挿入した状態で、前記ハブが前記導入用シースの基端部へ当接した際に、前記凹部の基端側が、前記導入用シースの最先端より0〜5mm先端側に位置することを特徴とする上記(6)に記載の導入用シース位置決め器具。
【0019】
(8)前記本体部が、ガイドワイヤが挿通可能な内腔を有していることを特徴とする上記(1)に記載の導入用シース位置決め器具。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の導入用シース位置決め器具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
本実施形態1においては、血管内にカテーテルを挿入して使用する様々な処置の終了後(カテーテル抜去後)に、大腿動脈を止血するための止血材料を導入する導入用シースの位置決め器具を例として説明する。具体的には、導入用シースの先端を、穿刺孔内の血管壁に位置決めするための器具である。
【0021】
図1は、本発明の実施形態1に係る導入用シース位置決め器具1を示す外観図である。また、図2は導入用シース5を示す外観図であり、図3は導入用シース位置決め器具1と導入用シース5を組み合わせた状態を示す側面図である。
【0022】
図1に示す導入用シース位置決め器具1は、可撓性を有する管状部材で構成された本体部2と、該本体部2の基端に装着・固定されたハブ3と、本体部の先端側の側壁に形成された凹部4で構成されている。本体部2のほぼ中心部には、本体部2の全長に渡って、後述するガイドワイヤが挿通可能なルーメン6が設けられている。このルーメン6は、本体部2の基端および先端に開放している。また、ハブ3の表面には本体部2の周方向における凹部4の位置を示すマーク7が形成されている。マーク7は、三角形や矢印等任意の形状で、印刷又は立体成形等任意の方法で形成できる。
【0023】
凹部4は、本体部2の側壁を切欠いたような形態で「フ」の字型に形成されたものであり、本体部2の長手方向に沿って、先端側9はなだらかな角度で窪み、基端側10は生体への挿入時に血管壁等の組織が引っかかり得る段差を生じるような角度で窪んでいる。
【0024】
位置決めの対象となる導入用シース5は、図2に示すように、管状をなすシース本体51と、シース本体51の基端に装着されたハブ52と、ハブ52に接続されたチューブ53とで構成されている。なお、チューブ53は、末端に三方活栓55が設けられており、例えば、シース本体51の内部にヘパリンのような血液凝固抑制剤や、生理食塩水、X線造影剤等の薬剤を注入したり、観血的に血圧を測定したりする際などに用いることができる。また、ハブ52の内部には図示しない弁が設けられており、血管内にシース本体51の先端が留置された際に血液が逆流することを防ぐようになっている。この弁は導入用シース位置決め器具1の本体部2を挿通可能な切込みを有しており、本体部2の挿通時にも本体部2と弁との間は液の流通を妨げるようになっている。
【0025】
以上の構成を有する導入用シース位置決め器具1と導入用シース5は、図3に示すように一体的に組み合わせることができる。組み合わせた状態では、導入用シース位置決め器具1の本体部2は、導入用シース5のシース本体51内に基端のハブ52側から挿入され、導入用シース位置決め器具1のハブ3は、導入用シース5のハブ52に嵌合し、固定される。その際、導入用シース位置決め器具1の本体部2は、導入用シース5のシース本体51より十分長く、シース本体51の先端より突出する。その状態で、本体部2の側壁に形成された凹部4はシース本体51の先端より突出した側に位置し、凹部4の基端側10はシース本体51の先端とほぼ一致した位置に配置されるように、設定される。
【0026】
なお、本体部2の長さの好適な値は、導入用シース5の長さ等によって異なるが、通常、30〜1000mm程度であるのが好ましく、50〜500mm程度であるのがより好ましい。
【0027】
本体部2の外径(平均外径)は、導入用シース5の内径(最小内径)以下に設定されており、その好適な値は、導入用シース5の内径等によって異なるが、通常、1.0〜5.0mm程度であるのが好ましく、1.3〜4.5mm程度であるのがより好ましい。
【0028】
本体部2に設けられている凹部4の深さは0.7mm以上であり、本体部2の外径の70%以下の深さであることが好ましい。なお、その際ルーメン6が露出される場合もある。ルーメン6の径は、ガイドワイヤが挿通可能であれば良く、その好適な値は使用されるガイドワイヤの外径によって異なるが、0.5〜1.2mm程度であるのが好ましく、0.7〜1.2mm程度であるのがより好ましい。
【0029】
また、凹部4の形状は、先端側の形状が滑らかなテーパー形状であるのに対して、基端側の形状は径方向に対して45°〜135°の角度になっていることが好ましい。この基端部の角度については、血管壁に形成された穿孔に本体部2を挿入する際、凹部4の基端側が血管壁に引っかかることで位置決めするのに最適な角度で設定されている。また、先端側のテーパー形状は血管壁への位置決め後、血管からスムーズに抜去できるように設計されている。
【0030】
凹部4を持つ導入用シース位置決め装置1を、図3に示すように導入用シース5と組み合わせると、凹部4の基端側がシース本体52の先端にほぼ一致する。
【0031】
ここで、カテーテル抜去後の穿刺孔は、一般的に皮膚に対して斜めに形成される。これは、カテーテルを血管に挿入する際に、カテーテルが屈曲しないように出来るだけ血管と平行な角度に近づけて導入しようという配慮が働くためである。従って、導入用シース位置決め装置1と導入用シース5との組立体を穿刺孔に挿入する際にもこれに併せて斜めに導入されるが、その際、ハブ3に設けられたマーク7が、上方に位置するように押し進める。
【0032】
このように推し進めると、凹部4の基端側が血管壁と係合したところで抵抗が生じる。この抵抗を感じたら押し進める操作を停止することにより、導入用シースの先端を血管壁に位置決めすることができる。
【0033】
本体部2は、十分に柔軟な材料で構成されているため、この位置決めの際に、例えば血管壁を損傷するなどの組織に対するダメージ等を与えることもない。
【0034】
このような可撓性(柔軟性)を有する本体部2の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリエステルポリアミド、軟質ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、形状記憶樹脂等の各種樹脂材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、さらには、これらのうちの2種以上を組合せたもの(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等)が挙げられる。
【0035】
また、本体部2は、1層で構成されている場合の他、2層以上を積層した積層体で構成されていてもよい。また、層内や層間に補強材が設置されていてもよい。補強材としては、例えば、直線状あるいは螺旋状(コイル状)の線状体で構成されたもの、網状体で構成されたものが挙げられる。本体部2を構成する層の数や各層の構成材料、補強材の有無等は、本体部2の長手方向に沿って異なっていてもよい。
【0036】
次に、本実施形態1の導入用シース位置決め器具1の具体的な使用方法について、図面を用いて詳細に説明する。
【0037】
[1]まず、位置決めの対象となる導入用シース5について説明する。導入用シース5は、後述するように止血材料を導入・留置するために用いるものであるが、カテーテル導入用としても使用することが出来る。従って、本実施形態においては、止血に先立って行われるカテーテル手術に利用されたイントロデューサシースを、止血材料導入用シースとして再利用することを前提として説明する。
【0038】
図4は、カテーテル手術が終了し、カテーテルを抜去した後の状態を示す図である。イントロデューサシースとして使用された導入用シース5は、その先端側が皮下組織100を血管101内にまで貫通して、経皮的に血管101の内部に挿入された状態で留置される。カテーテル手術の際には、この導入用シース5の内腔を通して、カテーテル(図示せず)等を血管101内に導入し、例えば心臓カテーテル法、心臓および血管造影法、ヒス束心電図法等による治療・検査等の処置が行われる。なお、図4において、8は導入用シース5内に挿入されたガイドワイヤを示す。この時、穿刺部における、血管壁の組織102は、組織103と比べ、血管101の走行方向(軸方向)に対する導入用シース5の挿入角度により、シース本体51に強く密着している状態となる。
【0039】
[2]次いで、図5に示すように、導入用シース5に対し、導入用シース位置決め器具1を挿入し、ハブ3とハブ52を嵌合させる。挿入に際して、ガイドワイヤ8は導入用シース位置決め器具1のルーメン6内に挿通される。
【0040】
この時、凹部4の基端側が、シース本体51の最先端とほぼ一致する位置関係になる。ここで、挿入時又は挿入後に、ハブ3に形成されたマーク7が上側になるように回転操作すると、凹部4が穿刺孔形成側に位置するようになる。
【0041】
[3]次に、少なくとも凹部4が血管外に引き抜かれるまで、導入用シース位置決め器具1と導入用シース5の組立体を手元側に引く。この時、血管壁の組織102はシース本体51に強く密着していたのと同様に、導入用シース位置決め器具1の本体部2に強く密着することとなる。
【0042】
引いた後、導入用シース位置決め器具1と導入用シース5の組立体を、逆に血管壁に向かって押し進める。すると、図6及び図7に示すように、凹部4の基端側が血管壁の組織102に係合して引っ掛かり、抵抗を生じる。図7は、凹部4が血管壁の組織102に係合する様子を分かりやすく示すための拡大図である。ここで、凹部4は、マーク7を確認することにより上側に位置させられているため、導入用シース位置決め器具1に強く密着した血管壁の組織102の断面と正面から当接し、係合が強まる。術者は、この抵抗を感じた状態で、押し進める操作を停止する。これにより、導入用シース5の先端(シース本体52の先端)54が血管壁の組織102の位置に位置決めされる。
【0043】
さらに、ハブ3とハブ52の嵌合を解除し、導入用シース5を導入用シース位置決め器具1に対して若干前後させることにより、導入用シース5の先端54が血管壁102に確実に位置決めされていることを確認することができる。
【0044】
[4]次いで、導入用シース5を残して、導入用シース位置決め器具1およびガイドワイヤ8を抜去する。このとき、凹部4の先端側が滑らかなテーパー形状を有するため、引き抜きは簡便に、かつ、血管壁を損傷することなく、滑らかに行うことができる。
【0045】
次に、このようにして導入用シース5の先端54を血管壁に位置決めした後の止血作業の一例として、穿刺孔内に、止血材料を充填する操作およびこの操作に使用する止血材充填器具について説明する。
【0046】
図8は、止血材充填器具20を示す図であり、寸法の説明のため、導入用シース5と対比した様子を示している。図8に示すように、止血材充填器具20は、先端から基端まで貫通する中空部を有するホルダー21と、該ホルダー21の先端部内に装填された止血材24とで構成されている。
【0047】
ホルダー21は、管状(チューブ状)のホルダー本体22と、ホルダー本体22の基端に装着されたハブ23とで構成されており、止血材24は、例えば、セルロース系高分子材料やコラーゲン等の生体吸収性材料からなる綿状体等で構成されている。
【0048】
ホルダー本体22は、導入用シース5内に挿入可能であり、ハブ23は、導入用シース位置決め器具1のハブ3と同一の構造であり、ホルダー本体22を導入用シース5内に挿入した状態で、導入用シース5のハブ52と固定(嵌合)可能になっている。また、この状態で、ホルダー21に保持された止血材24の先端が導入用シース5の先端54に一致するように、ホルダー21の長さが設定されている。従って、血管壁に先端を位置決めした状態で留置した導入用シース5にこの止血剤充填器具20を挿入し、ハブ23とハブ52を嵌合させることにより、止血材24の先端を血管壁に位置決めすることができる。
【0049】
次いで、図9に示すように、止血材充填器具20に排出部材30を挿入する。排出部材30は、ホルダー21内に挿入可能な細長い挿入部31と、挿入部31の基端部に設置されたストッパー32とを有している。この排出部材30は、挿入部31をホルダー21内に挿入し、挿入部31の先端がホルダー21に保持された止血材24の基端に当接するようにセットされる。
【0050】
このように止血材充填器具20および排出部材30をセットしたら、図9中の矢印で示すように、導入用シース5とホルダー21とを共に、排出部材40の挿入部31に沿わせるようにして、生体(皮下組織100)から抜去する。すると、止血材24は、その基端が排出部材30の挿入部31の先端に当接しているため、皮下組織100の穿刺孔内に残留する。そして、止血材24は、血液と接触して湿潤・ゲル化し、穿刺孔を塞いで、止血機能を発揮する。
【0051】
このとき、止血材24の先端は、前述したように、血管壁の手前に正確に位置決めされているので、例えば、止血材24の挿入位置が深過ぎて止血材24が血管101内に侵入して血流を阻害することや、逆に止血材24の挿入位置が浅過ぎて止血効果が不十分になるようなことがなく、高い止血効果が得られるとともに安全性が高い。
【0052】
この導入用シース位置決め装置1は、操作性に優れるとともに、構造が簡単である。また、血管壁の組織に対する損傷のおそれがなく、より高い安全性を有する。
【0053】
以上、本発明の導入用シース位置決め器具を図示の実施形態1について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、導入用シース位置決め器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。例えば、本体部2の断面形状は、本実施形態では円形であるが、その他、楕円形等であってもよい。
【0054】
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2に係る導入シース用位置決め器具60を示す図である。実施形態1では、本体部が管状体であり、内部のルーメンにガイドワイヤを挿通可能な形態を有するものであったが、本実施形態2においては、内部が中実な点が大きく異なる。
【0055】
図10に示す導入用シース位置決め器具60は、可撓性を有する断面円形状の部材で構成された本体部61と、本体部61の基端に設けられたハブ62と、本体部61の先端側に形成された凹部63で構成されている。この導入用シース位置決め器具60は、先端部が経皮的に血管内に挿入された導入用シース5の先端を血管壁に位置決めすることができるものである。なお、ここで、導入用シース5に関しては、実施形態1と同様のものであるため、説明を省略する。
【0056】
以下、各部の構成について説明する。
【0057】
本体部61は、使用の際、導入用シース5内に挿入する部分であり、導入用シース5内を挿通可能になっている。また本体部61の長さは、特に限定されないが、導入用シース5に挿入した状態で、凹部63が導入用シース5の先端から突出し得る長さに設定されている。なお、本体部61の長さの好適な値は、導入用シース5の長さ等によって異なるが、通常、30〜1000mm程度であるのが好ましく、50〜800mm程度であるのがより好ましい。
【0058】
本体部61の外径(平均外径)は、導入用シース5の内径(最小内径)より小さく設定されており、その好適な値は、導入用シース5の内径等によって異なるが、通常、1.0〜5.0mm程度であるのが好ましく、1.3〜4.5mm程度であるのがより好ましい。
【0059】
図10に示すように、本体部の先端側には片側に凹部63が設けられており、その深さは0.7mm以上であり、本体部の外径の70%程度以下の深さになっていることが好ましい。
【0060】
また凹部63の形状は、先端側の形状が滑らかなテーパー形状であるのに対して、基端側の形状は径方向に対して45°〜135°の角度になっていることが好ましい。この基端側の角度については、血管壁の組織に凹部63が押し当てられた際に、組織に引っかかり得る段差となるように、最適な角度で設定されている。また、先端側のテーパー形状は導入用シース5を位置決め後、血管からスムーズに抜去できるように設計されている。
【0061】
ハブ62は、実施形態1のハブ3と同様のものが用いられるが、中空でなくても良い。また、ハブ62の表面には本体部61の周方向における凹部63の位置を示すマーク64が形成されている。マーク64は、三角形や矢印等任意の形状で、印刷又は立体成形等任意の方法で形成できる。
【0062】
上述した実施形態2の導入用シース位置決め器具60は、基本的な使用方法は、実施形態1のものと同様である。相違点は、ガイドワイヤを使用しない点であり、図4の状態から、ガイドワイヤ8を除去した後、導入用シース位置決め器具60を挿入する。その後の作業は殆ど同様である。
【0063】
また、導入用シース位置決め器具60の構成材料等も、実施形態1と同様のものを使用することが出来る。
【0064】
以上の実施形態1,2で説明した導入用シース位置決め器具は、請求の範囲に記載された範囲内で、様々な改良が可能である。例えば、本体部に形成された凹部の形状を基端側までテーパー状に抉れたものとし、血管壁の組織への係合は、導入用シースの先端にて行われるようにすることも出来る。ただし、導入用シースの先端は薄肉にされていることが一般的なので、凹部自体で係合する上記実施形態1,2の形状の方が好ましい。
【0065】
また、導入用シースは、上記実施形態ではカテーテル手術で用いられたイントロデューサシースを再利用する方法を紹介したが、止血材導入専用のものと交換して用いることも出来る。そのようにすることにより、導入用シース位置決め器具の寸法も専用化できるため、汎用のイントロデューサシースに併せて数多くの品揃えを行う必要がなくなる。
【0066】
また、上記実施形態では綿状の止血剤を埋め込む形式の止血方法を紹介したが、本発明の導入用シース位置決め器具は、針と糸を用いて血管壁を縫い合わせる縫合器具を導入用シースに挿入する形式の止血方法にも用いることが出来る。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、経皮的に血管内に挿入された導入用シースの先端を、確実に血管壁に位置決めすることができる。また、血管壁を損傷するなどして組織へダメージを与えることがなく、安全性が高い。また、簡単な構造、容易な操作で上記効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1の導入用シース位置決め器具を示す外観図。
【図2】 導入用シースを示す外観図。
【図3】 導入用シースと導入用シース位置決め器具との組立体を示す図。
【図4】 導入用シースを経皮的に挿入した状態を説明する図。
【図5】 図4の導入用シースに導入用シース位置決め器具を挿入した状態を説明する図。
【図6】 図5の組立体を血管壁に位置決めした状態を説明する図。
【図7】 図6の状態の部分拡大図。
【図8】 止血材料充填器具の部分断面図。
【図9】 止血材を留置する様子を説明する図。
【図10】 実施形態2の導入用シース位置決め器具を示す外観図。
【符号の説明】
1 導入用シース位置決め器具
2 本体部
3 ハブ
4 凹部
5 導入用シース
6 ルーメン
7 マーク
8 ガイドワイヤ
51 シース本体
52 ハブ
53 チューブ
Claims (7)
- 経皮的に血管壁まで貫通した穴に止血手段を導入するための導入用シースの先端を血管壁に位置決めする導入用シース位置決め器具であって、
前記導入用シース内に挿通可能な本体部と、
前記本体部の基端側に設けられたハブとを備え、
前記本体部は可撓性材料からなり、前記導入用シース内に挿入した状態で、前記ハブが前記導入用シースの基端部へ当接した際に、
前記本体部の先端部が前記導入用シースの先端から突出し、前記本体部における前記導入用シースの先端から突出した部分の表面であって前記導入用シースの最先端の近傍に位置する凹部を有することを特徴とする導入用シース位置決め器具。 - 前記導入用シース位置決め器具の先端部に形成された凹部の深さが、0.7mm以上であり、前記本体部の直径に対して70%以下である請求項1に記載の導入用シース位置決め器具。
- 前記凹部の前記本体部における先端側の形状が、滑らかなテーパ状であることを特徴とする請求項1に記載の導入用シース位置決め器具。
- 前記凹部の前記本体部における基端側が、径方向に対して、45°から135°の角度で窪んでいることを特徴とする請求項1に記載の導入用シース位置決め器具。
- 前記ハブの表面に前記本体部の周方向における前記凹部の位置を示すマークが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の導入用シース位置決め器具。
- 前記本体部を前記導入用シース内に挿入した状態で、前記ハブが前記導入用シースの基端部へ当接した際に、前記凹部の基端側が、前記導入用シースの最先端より0〜5mm先端側に位置することを特徴とする請求項1に記載の導入用シース位置決め器具。
- 前記本体部が、ガイドワイヤが挿通可能な内腔を有していることを特徴とする請求項1に記載の導入用シース位置決め器具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001356596A JP4010798B2 (ja) | 2001-11-21 | 2001-11-21 | 導入用シース位置決め器具 |
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