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JP4010966B2 - 遮水壁取付け用樋管 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、堤防等に埋設される樋管であって遮水壁の取付けられる遮水壁取付け用樋管に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川の堤防には、増水時の溢水や堤防の決壊を防止するため、増水を別の河川や排水処理場へ排水する樋管を堤防の基礎部に設ける場合がある。
【0003】
ところで図10に示すように、堤防1に樋管2を貫通した場合、樋管2に沿って水みちWが出来易く、増水時に河川の水が浸透する恐れがある。
従って、樋管2を設けた場合、水の浸透を防ぐため樋管2を中心として鍔状の遮水壁3を設ける場合がある。図中6は開閉弁、7は開閉弁6の操作ハンドルのケーシング、8は導水路を示す。
【0004】
この遮水壁3を設ける非開削工法として従来では図11に示すように、外装コンクリート2aで被覆され、軸方向二つに分割された樋管2、2を、筒状体を周方向に複数に分割してなるライナー4を当てがいボルト4a、4aで一本の樋管に接続し、これを所定位置に推進させて位置させた後、周囲の地盤中に硬化薬液を注入し、地盤が硬化すればライナー4を取り外し、図12に示すように遮水壁3を設けるべき部分を管内から掘削し、出来た空洞部5に管内より遮水壁3用の分割片3S…を差込み、図13に示すように樋管2を中心とした鍔状をなすように組み立て、次いで樋管2内を空洞部5から密閉し、最後に空洞部5にグラウトを注入して遮水壁を構築することが行われていた。図12において9は内層コンクリートを示し、遮水壁構築後に打設される(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−107240号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記工法で地盤の硬化薬液を注入しても、地下水脈の位置や地盤の強弱などに起因して、薬液注入にも係わらず地盤改良の効果が発揮されていないことが往々にしてあり、遮水壁3を設けるべき部分を管内から掘削したとき、地下水や土圧により掘削部分の地盤が崩壊し、遮水壁3を設けるべき空洞部5の掘削が出来ないばかりか、地上地盤の沈下も起こり得るという問題がある。
【0007】
さらに、上記工法において、遮水壁3を組み立てた後、地下水や土圧から管内を密閉するには、遮水壁3を構成する各分割片3S間並びに樋管2、2との接続部を溶接することにより地下水の浸透を防止していたが、これら作業は径の小さい樋管ほど作業が困難となる問題があった。
【0008】
この発明は、上記問題を解消し、遮水壁を樋管から突き出して鍔状に形成したあとは、溶接作業をすることなく水みちの発生や管内への漏水を確実に防止することを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の遮水壁取付け用樋管は、推進工法により敷設される樋管の本体部が軸方向二つに切断され、外径が前記樋管本体と同じ外径となる弾性を有する筒体が、前記切断部間に水密に固定され、該弾性を有する筒体の内側にさらに円筒体を周方向に複数に分割してなるライナーが前記切断部間に架設固定されて軸方向推進力に耐え得るようにされ、前記樋管を推進工法により敷設後、前記ライナーを取外すことにより管内面に前記弾性を有する筒体を露出させ、この弾性を有する筒体を内側から突き破って管径方向外側へ向けて遮水壁用分割片を直接突出して遮水壁を構築可能にされたことを特徴とするものである。
【0010】
すなわち、管内から遮水壁を構成する分割片を突き出したとき、ゴム等の弾性を有する筒体の破断面は、分割片の表面を圧接した状態となるので、この部分により管内の水密性が保たれ、また、遮水壁用分割片の基部を防水シール材などを介挿して切断部間に固定すれば、溶接をすることなく樋管内部を地下水や地盤から水密に密閉することができる。
【0011】
請求項2の遮水壁取付け用樋管は、請求項1の遮水壁取付け用樋管において、弾性を有する筒体が外層、中間層、内層の三層の構造とされ、前記中間層が軸方向中間部で切断されているものである。
【0012】
請求項3の遮水壁取付け用樋管は、請求項1の遮水壁取付け用樋管において、弾性を有する筒体が外層、内層の二層の構造とされ、前記内層が軸方向中間部で切断されているものである。
【0013】
これらの場合、分割片を樋管内から突き出す際、弾性を有する筒体の一部分が切断されているので突き出し容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を説明する。
図1はこの発明の実施の形態の遮水壁取付け用樋管の要部断面図、図2は図1の要部拡大図である。
【0015】
図1、図2において、遮水壁取付け用樋管10は、推進工法により敷設される樋管2の直管部11の中間部に溶接されたリブ2b、2bに、溶接により取付けられている。そして、このリブ2b、2b間の樋管10は本体部が軸方向二つに切断され、この切断管12、12間に、最外周が樋管2の外装コンクリート2aと同一外径となり、内面側に樋管2内面に沿って延出する延出部13を有する弾性を有する筒体14、例えばゴム製の筒体が掛け渡され、その両端がそれぞれの切断管12、12の内面に止着板15…とでボルト15a,15aで水密に止着され、その内側に円筒体を周方向に複数に分割してなるライナー16…が切断管12、12間に架設され、ボルト16a、16aで止着されて一本の管となるように構成されている。図中2cは樋管2の受口、2dは挿口を示す。
【0016】
なお、強大な推進力が負荷される場合は、補強用のステーバー17を樋管2の外周に設けられたグラウト注入用の注入孔28を利用して取り付けた支持金具28a、28a間に架設しても良い。
【0017】
次に、この遮水壁取付け用樋管の使用状態を説明する。
まず図1、図2に示した状態の樋管2を所定の堤防に推進させて敷設し図10に示したように遮水壁を設ける位置に樋管10を位置させる。このとき、遮水壁取り付け用樋管10はリブ2b、2bで樋管2に一体的に接合されていると共に、樋管10を構成する切断管12、12の間は、ライナー16…で一体に連結され、外周は弾性を有する筒体14で水密にシールされ、しかも樋管2と同じ外径とされているので、推進中、外部地盤との摩擦により破損されるといったこともない。
【0018】
次いで、管が所定位置に推進され定置されれば、ステーバー17が取り付けられている場合は取り外し、続いてライナー16を取り外す。そして図3に示すように、弾性を有する筒体14を遮水壁取付け用樋管10内に露出させる。
【0019】
このとき、管外周に地下水などが存在していても、弾性を有する筒体14により管内に流入するのは防がれる。
次いで、遮水壁3用の分割片3Sの先端を筒体14に対向させる。この実施の形態で示す遮水壁用の分割片3Sは、図4に示すように基部が、切断管12間に架設されるライナー部18を有し、そのライナー部18の外面に周方向に沿って遮水壁用の翼19が立設され、その周方向端部が一方は円柱20、他方がこれを受容する筒体21とされ、円柱20を筒体21に軸方向に挿入していくことにより、相互の分割片3Sが周方向に連接されていくように構成されている。
【0020】
そして、図5に示すように弾性を有する筒体14を突き破って分割片3Sを順次周方向に接続しつつ管内から径方向外側へ向けて突き出して行く。
図5〜図7に示すように、周方向に隣接するライナー部18同士の間にはスポンジシートなどのシール用弾性材22を挟み、さらにシール用ゴムシート24を介挿して押さえ板25を当てがい、その両端をボルト26、26で止着する。
【0021】
このとき、弾性を有する筒体14における分割片3Sが突き抜けた部分は図5に示したように翼19の表面に沿うように弾力的に曲折するので、外部から管内へと地下水などが流入してくるのが防げ、また、隙間から侵入してもシール用弾性材22並びに止水用Oリング23、シール用ゴムシート24などにより完全にシールされる。
【0022】
従って、翼19が突き出された部分で樋管に沿った水みちは遮断され、漏水が防止されると共に、溶接等の作業は一切不要で、容易に遮水壁を構築することができる。そして、最後に注入孔より樋管外周に向けてグラウトを注入し、地盤との隙間を埋める。
【0023】
なお、上記の実施の形態において、弾性を有する筒体14を図8に示すように内外層部30、31と中間層32の三層構造とし、中間層32だけを軸方向中間部で切断線33で切断した構造としておけば、分割片3Sを突き出すのが容易となる。また、突き出した時のゴム層の切断線の状況も均一にすることができる。
【0024】
なお、弾性を有する筒体14の積層構造を図9に示すように二層とし、内層31に切断線33を設けた構造としても良い
【0025】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、堤防に樋管を配設した後遮水壁を取り付ける場合、従来のように地盤の硬化薬液などを使用することなく管内から遮水壁用分割片を直接突き出すだけで施工でき、しかも、溶接などによらずすべてボルトなどの締結部材で水密が達成されるので、管の敷設作業も著しく容易になる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の要部断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】ライナーを取り外した状態を示す拡大断面図である。
【図4】分割片の斜視図である。
【図5】施工状態を示す断面図であり、図6のB−B線断面図を示す。
【図6】施工状態を示す平面図である。
【図7】図5のA−A線断面図である。
【図8】弾性を有する筒体の他の構成例の断面図である。
【図9】弾性を有する筒体のさらに他の構成例の断面図である。
【図10】樋管の説明断面図である。
【図11】従来の樋管の要部拡大図である。
【図12】従来の遮水壁の施工状態を示す断面図である。
【図13】従来の遮水壁の施工状態を示す正面図である。
【符号の説明】
2 樋管
10 遮水壁取付け用樋管
11 直管部
12 切断部
13 延出部
14 筒体
15 止着板
16 ライナー
17 ステーバー
18 ライナー部

Claims (3)

  1. 推進工法により敷設される樋管の本体部が軸方向二つに切断され、外径が前記樋管本体と同じ外径となる弾性を有する筒体が、前記切断部間に水密に固定され、該弾性を有する筒体の内側にさらに円筒体を周方向に複数に分割してなるライナーが前記切断部間に架設固定されて軸方向推進力に耐え得るようにされ、前記樋管を推進工法により敷設後、前記ライナーを取外すことにより管内面に前記弾性を有する筒体を露出させ、この弾性を有する筒体を内側から突き破って管径方向外側へ向けて遮水壁用分割片を直接突出して遮水壁を構築可能にされたことを特徴とする遮水壁取付け用樋管。
  2. 弾性を有する筒体が外層、中間層、内層の三層の構造とされ、前記中間層が軸方向中間部で切断されていることを特徴とする請求項1記載の遮水壁取付け用樋管。
  3. 弾性を有する筒体が外層、内層の二層の構造とされ、前記内層が軸方向中間部で切断されていることを特徴とする請求項1記載の遮水壁取付け用樋管。
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