JP4013633B2 - ロードセル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は歪みゲージを用いたロードセルに関し、特に、電子はかりの荷重センサ等に用いて、その偏置誤差の調整を極めて容易に行うことのできるロードセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
歪みゲージ式のロードセルにおいては、一般に、荷重の作用により弾性変形する起歪体に複数の歪みゲージを貼着し、その各歪みゲージによりホイトストーンブリッジを形成して、そのホイトストーンブリッジの出力を起歪体に作用する荷重の検出出力として用いる。
【0003】
図3に従来のこの種のロードセルの例を斜視図で示す。この例における起歪体40は、一対の柱部41a,41bを備えるとともに、その各柱部41a,41bを、それぞれの両端部に可撓部eを有する上下2本の梁42a,42bで連結した構造を有し、4箇所の可撓部eにそれぞれ1枚ずつ、合計4枚の歪みゲージS1〜S4が貼着されている。そして、これらの各歪みゲージS1〜S4により、図4に示すようなホイトストーンブリッジが組まれる。
【0004】
以上の構成において、各柱部41a,41bのうちのいずれか一方、例えば柱部41aを固定し、他方の柱部41bに荷重を作用させたとき、各可撓部eの弾性変形により各歪みゲージS1〜S4の抵抗値が変化し、これによってホイトストーンブリッジの出力Voutが荷重に応じた大きさとなる。
【0005】
このようなロードセルを電子はかりの荷重センサとして用いる場合、図5に例示するように、一方の柱部41aの底部をベース51に固定し、他方の柱部41bの上面に皿受け52を装着し、その皿受け52に測定皿53を載せた構成が多用される。
【0006】
このような電子はかりにおいては、被測定物の測定皿53上への搭載位置による重量測定結果の相違、つまり偏置誤差が極力小さくなるように調整する必要がある。
【0007】
従来のこの種の電子はかりにおける偏置誤差の調整は、図6に測定皿53の平面図を示すように、被測定物を測定皿53の中心部P0並びに四隅P1〜P4に載せたときの重量測定結果が互いに一致もしくは設定範囲内に収まるように、ロードセルの起歪体10の4箇所の可撓部eを削っていくことによって行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の偏置誤差の調整作業は、相当の熟練を要し、その習熟度によっては相当の時間を要するばかりでなく、可撓部eを削る際にロードセルを損傷させてしまう危険性がある。
【0009】
また、高分解能のロードセルでは、電子はかり等への組み込みなど、機器への取り付け時にその都度再調整する必要があるという問題もある。
【0010】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、起歪体を削ることなく、かつ、熟練を要することなく随時かつ容易に偏置誤差の調整を行うことのできるロードセルの提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のロードセルは、両端部に可撓部を有する上下2本の梁を有する起歪体と、上記各可撓部にそれぞれ歪みゲージを貼着してなるロードセルにおいて、上記各可撓部のそれぞれに前記梁の短手方向にオフセットして貼着された複数の歪みゲージと、梁の一方の可撓部に貼着された歪みゲージと、他方の可撓部に貼着された歪みゲージと、を含むホイトストーンブリッジの複数と、その各ホイトストーンブリッジの出力の線形和を算出して当該ロードセルに作用する荷重の検出値として出力する演算手段とを備えるとともに、その線形和の算出時に各ホイトストーンブリッジの出力に乗じる係数が、当該各ホイトストーンブリッジの出力に現れる偏置誤差を相殺する値に設定されていることによって特徴づけられる。
【0012】
本発明は、荷重の作用位置がロードセルの荷重受けの中心部を挟んで対角線の位置にあるとき(図6におけるP1とP4、あるいはP2とP3)、偏置誤差がほぼ正負に反転した値になることを利用し、起歪体の各可撓部にそれぞれ複数の歪みゲージを貼着し、これらにより複数のホイトストーンブリッジを組み、その線形和により荷重検出出力を得るように構成して、その線形和の算出時に各ホイトストーンブリッジの出力に含まれる偏置誤差成分を相殺するような係数を用いることによって、所期の目的を達成しようとするものである。
【0013】
すなわち、一つの起歪体の各可撓部にそれぞれ複数の歪みゲージを貼着して、これらで複数のホイトストーンブリッジを形成し、その各出力の線形和で荷重検出出力を表すように構成したとき、各ホイトストーンブリッジの出力に現れる偏置誤差を測定することにより、その各偏置誤差を相殺して線形和から偏置誤差を解消するための係数を簡単な連立方程式から求めることが可能である(後述する式(7),(8)参照)。
【0014】
従って、本発明によると、起歪体の可撓部を削ることなく、各ホイトストーンブリッジの出力に現れる偏置誤差を測定し、その測定結果を用いて線形和における各ホイトストーンブリッジの出力に乗じるべき係数を算出して演算部に設定することによって、ロードセルの偏置誤差を解消することができ、熟練を要することなく偏置誤差の調整が可能であり、電子はかり等に組み込んだ後に随時に調整が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の斜視図であり、図2はその各歪みゲージS1〜S8の結線状態を示す図である。
【0016】
起歪体10は前記した図3に示した従来のものと同等の構造を有しており、一対の柱部11a,11bを備えるとともに、その各柱部11a,11bを、それぞれの両端部に可撓部eを有する上下2本の梁12a,12bで連結した構造を有している。
【0017】
起歪体10の各可撓部eには、それぞれ2枚ずつの歪みゲージS1とS3、S2とS4、S5とS7、およびS6とS8が貼着されており、これらの各歪みゲージS1〜S8は、図2に示すように、2つの固定抵抗R0とともに4つのホイトストーンブリッジ21、22、23および24を形成するように相互に結線されている。そして、こられの各ホイトストーンブリッジ21,22,23,および24の一端は接地され、他端には一定の直流電圧VB が印加される。
【0018】
以上の回路構成において、各ホイトストーンブリッジ21,22,23および24の出力Vout1〜Vout4は、図2に示すように、歪みゲージS1とS2の間の電圧をV1 ,歪みゲージS3とS4の間の電圧をV2 ,歪みゲージS5とS6の間の電圧をV3 、歪みゲージS7とS8の間の電圧をV4 、更に2つの固定抵抗R0,R0間の電圧をV0 とすると、
Vout1=V1 −V0
Vout2=V2 −V0
Vout3=V3 −V0
Vout4=V4 −V0
となる。
【0019】
そして、以上の各ホイトストーンブリッジ21〜24の出力Vout1〜Vout4は、演算部3に導入され、以下の(1)式に示す演算によってこれらの線形和が算出され、その線形和が当該ロードセルによる荷重検出出力Woutとして外部に取り出される。
Wout=Vout1+α・Vout2+Vout3+β・Vout4 ・・・・(1)
【0020】
この(1)式において、係数αおよびβは、以下に示すように算出されて設定されることにより、各ホイトストーンブリッジ21〜24の出力に含まれる偏置誤差成分が相殺され、荷重検出出力Woutは偏置誤差成分を含まない信号となる。
【0021】
前記した図5に示すように、電子はかりに本発明の実施の形態を組み込んだ状態で、図6に示すように測定皿53上のP0〜P4に順次所定の分銅等を載せ、各ホイトストーンブリッジ21〜24の出力Vout1〜Vout4を測定する。
【0022】
測定皿53の中心部P0に荷重を負荷したときの各ホイトストーンブリッジ21〜24の出力Vout1〜Vout4を
Vout1=W1
Vout2=W2
Vout3=W3
Vout4=W4
とし、P1に荷重を負荷したときの出力を、それぞれ
Vout1=W1 +A1
Vout2=W2 +A2
Vout3=W3 +A3
Vout4=W4 +A4
とする。また、P2に荷重を負荷したときの出力をそれぞれ
Vout1=W1 +B1
Vout2=W2 +B2
Vout3=W3 +B3
Vout4=W4 +B4
とする。
【0023】
この場合、測定皿53の中心を挟んで対角線上で等距離の位置に荷重を負荷したとき、偏置誤差は極性が逆転した値となるため、P3に荷重を負荷したときの出力は、
Vout1=W1 −B1
Vout2=W2 −B2
Vout3=W3 −B3
Vout4=W4 −B4
となる。また、同様にしてP4に荷重を負荷したとの出力は、
Vout1=W1 −A1
Vout2=W2 −A2
Vout3=W3 −A3
Vout4=W4 −A4
となる。
【0024】
今、前記した(1)式を考えたとき、荷重を測定皿5の中央部P0に負荷したとき、
とすれば、荷重をP1に負荷したときの出力Woutは、
Wout=W+A1 +α・A2 +A3 +β・A4 ・・・・(3)
となる。
【0025】
また、荷重をP2に負荷したときの出力Woutは、
Wout=W+B1 +α・B2 +B3 +β・B4 ・・・・(4)
となり、同じくP3に負荷したときの出力Woutは、
Wout=W−B1 −α・B2 −B3 −β・B4 ・・・・(5)
で、P4に負荷したときには、
Wout=W−A1 −α・A2 −A3 −β・A4 ・・・・(6)
となる。
【0026】
ここで、
A1 +α・A2 +A3 +β・A4 =0 ・・・・(7)
B1 +α・B2 +B3 +β・B4 =0 ・・・・(8)
となるようなαおよびβを算出すると、(1)式で表されるWoutは、測定皿53上のP1〜P4のいずれに荷重を負荷しても、P0に荷重を負荷したときの値と同じWとなり、偏置誤差を解消した荷重検出出力を得ることができる。
【0027】
なお、(7),(8)式を用いた連立方程式から求めたαおよびβは、
α={(B1 +B3 )/B4 −A1 −A3 }/(A2 −B2 /B4 )
β={(A1 +A3 )/A2 −B1 −B3 }/(B4 −A 4/A 2)
となる。
【0028】
以上の本発明の実施の形態において特に注目すべき点は、ロードセルの偏置誤差の調整に際して、起歪体を削る必要がなく、複数のホイトストーンブリッジ21〜24の偏置誤差を測定して、線形和の演算式における係数を算出して設定するだけでよい点であり、これにより、熟練をようすることなく、随時に正確な偏置誤差調整が可能となる。
【0029】
なお、本発明においては、起歪体の構造・形状については、上記した実施の形態において用いたもののほか、他の公知の構造・形状のものを用い得ることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、両端部に可撓部を有する上下2本の梁を有する起歪体と、上記各可撓部にそれぞれ歪みゲージを貼着してなるロードセルにおいて、上記各可撓部のそれぞれに前記梁の短手方向にオフセットして貼着された複数の歪みゲージと、梁の一方の可撓部に貼着された歪みゲージと、他方の可撓部に貼着された歪みゲージと、を含むホイトストーンブリッジの複数と、その各ホイトストーンブリッジの出力の線形和を算出して当該ロードセルに作用する荷重の検出値として出力する演算手段とを備えるとともに、その線形和の算出時に各ホイトストーンブリッジの出力に乗じる係数が、当該各ホイトストーンブリッジの出力に現れる偏置誤差を相殺する値に設定されているので、偏置誤差の調整に当たって、従来のように起歪体を削る必要がなく、熟練を要することなく、常に正確な調整を行うことが可能となった。また、起歪体を削ることなく偏置誤差の調整が可能であることから、電子はかりなどの装置に組み込んだ状態で偏置誤差を簡単に調整することができ、偏置誤差の調整作業を大幅に簡素化することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の斜視図である。
【図2】図1における各歪みゲージS1〜S8の結線図である。
【図3】従来のロードセルの例を示す斜視図である。
【図4】図3の従来のロードセルの各歪みゲージの結線図である。
【図5】ロードセルを荷重センサとした電子はかりの構成例の説明図である。
【図6】電子はかりの測定皿の平面図で示す、偏置誤差の調整時における荷重の負荷位置の説明図である。
【符号の説明】
10 起歪体
11a,11b 柱部
12a,12b 梁
e 可撓部
S1〜S8 歪みゲージ
21〜24 ホイトストーンブリッジ
3 演算部
Claims (1)
- 両端部に可撓部を有する上下2本の梁を有する起歪体と、上記各可撓部にそれぞれ歪みゲージを貼着してなるロードセルにおいて、上記各可撓部のそれぞれに前記梁の短手方向にオフセットして貼着された複数の歪みゲージと、梁の一方の可撓部に貼着された歪みゲージと、他方の可撓部に貼着された歪みゲージと、を含むホイトストーンブリッジの複数と、その各ホイトストーンブリッジの出力の線形和を算出して当該ロードセルに作用する荷重の検出値として出力する演算手段とを備えるとともに、その線形和の算出時に各ホイトストーンブリッジの出力に乗じる係数が、当該各ホイトストーンブリッジの出力に現れる偏置誤差を相殺する値に設定されていることを特徴とするロードセル。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002131452A JP4013633B2 (ja) | 2002-05-07 | 2002-05-07 | ロードセル |
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2002
- 2002-05-07 JP JP2002131452A patent/JP4013633B2/ja not_active Expired - Fee Related
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