JP4014866B2 - 建築物の換気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、建築物の換気を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては住宅等の建築物の高断熱高気密化が進んでおり、結露やカビ等の発生を防止するために建築物内の換気は重要な課題となっている。このような高断熱高気密の建築物における換気の方式として、機械換気以外には、換気ファンを使用せず建築物の内外の温度差により換気を行ういわゆるパッシブ換気方式が用いられている。
【0003】
このパッシブ換気方式は、基礎断熱された建築物の床下空間から外気を導入し、その外気を床面に設けられた開口を介して床下空間から室内に導入し、室内の上部位置から排気口を介して室内の空気を外部に排出するものである。
【0004】
従来のパッシブ換気方式は、建築物の内外の温度差が大きい冬季を基準にして換気量を設定すると、冬季においては十分な換気を行うことができるが、建築物の内外の温度差が小さい夏季等においては十分な換気を行うことができなかった。一方、建築物の内外の温度差が小さい夏季等に十分な換気を行えるように換気量を設定すると、冬季においては過剰な換気が行われ、室内の温度を低下させてしまうという不都合がある。
【0005】
このように、従来のパッシブ換気方式は、冬季と夏季との温度差が大きい地域においては年間を通じて適切な換気を行うことが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、建築物の換気装置の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、冬季と夏季との温度差が大きい地域であっても年間を通じて適切な換気を行うことができる建築物の換気装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の建築物の換気装置は、基礎断熱がなされた建築物の床下空間に外気を導入する給気口と、前記床下空間と室内とを連通する床面開口と、室内の上部位置に設けられ室内の空気を建築物の外部に排出する排気口とを備え、建築物の内外の温度差を利用して前記給気口から外気を導入し、前記床面開口を介して外気を室内に導入し、前記排気口を介して室内の空気を外部に排出することにより室内の換気を行う装置であって、前記給気口に接続されて前記吸気口から外気を導入し制御手段により回転数が制御される送風ファンと、外気温を検出する外気温センサと、前記給気口から導入される外気の風量を検出する風量センサと、前記制御手段に設けられ外気温に対応する風量のデータを記憶した記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記外気温センサにより検出される外気温が所定の基準温度以下のときは前記風量センサにより検出される風量が前記建築物の換気に必要な基準換気量となるように前記送風ファンの回転数を制御し、前記外気温センサにより検出される外気温が前記基準温度を越えるときは前記風量センサにより検出される風量が前記基準換気量を越える風量となるように前記送風ファンの回転数を制御することを特徴とする。
【0008】
本発明の建築物の換気装置によれば、いわゆるパッシブ換気方式の換気装置に換気を補完するための送風ファンを設け、さらにその送風ファンの制御を前記制御手段により行っている。この制御手段は、前記外気温センサにより検出された外気温に応じて前記送風ファンの回転数を制御している。
【0009】
ここで、外気温が高くなれば建築物の内外の温度差が小さくなるため、従来のパッシブ換気方式では換気される空気の量が減少する。そこで、本発明においては、外気温が高い場合は前記送風ファンの回転数を高くして前記給気口から吸入される外気の量を増加させる。
【0010】
一方、外気温が低くなれば建築物の内外の温度差が大きくなるため、従来のパッシブ換気方式では換気される空気の量が増加する。そこで、本発明におては、外気温が低い場合は前記送風ファンの回転数を低くして前記給気口から吸入される外気の量を減少させる。
【0011】
このように、本発明の建築物の換気装置によれば、いわゆるパッシブ換気方式の換気装置を補完し、冬季と夏季との温度差が大きい地域であっても年間を通じて適切な換気を行うことができる。
【0013】
前記給気口から導入される外気の量は一般的に前記送風ファンの回転数に比例する。しかしながら、前記給気口に埃や虫等の進入を防止するためのフィルタが設けられている場合などは、送風ファンの回転数が一定であっても当該フィルタの詰まり具合によって給気口から導入される外気の量が変動する。従って、前記風量センサにより実際に給気口から導入される外気の量を検出し、前記制御手段によって、前記送風ファンから送風される外気の量が外気温に応じた風量となるように制御を行うことにより、適切な換気を行うことができる。
【0015】
また、外気温が前記基準温度以下のときには換気量を前記基準換気量とすることにより、外気温が低いときに室内が過換気にならないようにすることができる。また、外気温が前記基準温度を超えるときには前記基準換気量を超える換気量として積極的に過換気としている。このように、本発明の換気装置によれば、冬季等の外気温が低いときは過換気とならないようにして室内温度の低下を防止し、外気温の高い夏季等においては積極的に過換気として居住者に涼感を与えることができる。
【0016】
また、前記給気口と前記排気口とは、建築物が設置される地域の冬季の平均気温から定められる冬季基準温度において自然換気による換気量が所定の基準換気量となるように開口面積が定められていることが好ましい。本発明の換気装置は、自然換気による換気量が多い冬季を基準として前記給気口と前記排気口の開口面積を定めている。従って、冬季においては自然換気により十分な換気量が確保される。また、外気温が実際に前記冬季基準温度を下回ることはまれであるので、冬季においても過換気となりにくい。一方で、外気温が高くなり建築物の内外の気温差が小さくなった場合であっても前記送風ファンにより必要な換気量を確保することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の換気装置の実施形態の一例について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態の換気装置が住宅に設置されている状態を示す説明的断面図、図2は第1の実施形態の換気装置の電気的構成を示すブロック図、図3は第1の実施形態の換気装置の作動を示すフローチャート、図4は第2の実施形態の換気装置の作動を示すフローチャートである。
【0018】
まず、第1の実施形態である換気装置1について図1乃至図3を参照して説明する。第1の実施形態の換気装置1は、図1に示すように住宅2に設置されており、住宅2は、高断熱高気密構造の2階建てとなっている。また、住宅2は基礎2aが断熱された基礎断熱構造となっている。
【0019】
基礎2aには住宅2の外部から外気を導入するための給気口3が設けられており、この給気口3から床下空間2bの内部に向けて給気ダクト4が設けられている。また、給気口3には雨や雪、あるいは塵や埃等の進入を防ぐための給気フード5が設けられている。また、給気ダクト4の下流側にはエアフィルタ6及び送風ファン7が設けられている。また、エアフィルタ6の上流側の給気ダクト4には、外気温センサ8と風量センサ9とが設けられている。
【0020】
住宅2の1階の床2cには床下空間2bと室内2dとを連通する床面開口10が設けられている。また、2階の床2eは一部が吹き抜け2fになっており、1階の室内2dと2階の室内2gとがこの吹き抜け2fによって連通している。そして、図1において2階の室内2g右上部には2階の室内2gと外部とを連通する排気口11が設けられている。
【0021】
第1の実施形態においては、給気口3及び排気口11の開口面積が、住宅2の内外の温度差が大きい冬季において十分に室内が換気されるような面積に設定されている。具体的には、住宅2が設置される地域における冬季の平均気温等を参照して定められる平均設計用外気温度を冬季基準温度とし、この冬季基準温度において自然換気のみによる換気量が住宅2の換気に必要とされる基準換気量となるように給気口3及び排気口11の開口面積を設定している。第1の実施形態においては、この冬季基準温度を−3℃とし、基準換気量を100m3/hとしている。
【0022】
また、住宅2には、暖房装置として床下空間2b内に設けられた床下放熱器12と、2階の部屋内に設けられたパネルラジエータ13とを有する暖房装置を備えている。この暖房装置は、図示しないボイラから床下放熱器12とパネルラジエータ13に温水を供給して床下空間2b内及び室内を加熱し、加熱された空気を床面開口10を介して室内2d及び2gに導入させて自然循環により住宅2の全体を暖房するものである。
【0023】
次に、第1の実施形態の換気装置1の電気的構成について図2を参照して説明する。第1の実施形態の換気装置1は、図2に示すように、送風ファン7の回転数を制御するコントローラ(制御手段)14を備えており、このコントローラ14は、送風ファン7と風量センサ9とに電気的に接続されている。また、コントローラ14は記憶手段であるメモリ15を備えており、このメモリ15には外気温に応じた風量のデータが記憶されている。
【0024】
具体的には、まず、住宅2が過換気となった場合であっても住宅2内の居住者が寒さを感じないと想定される温度を基準温度としている。そして、外気温が基準温度以下のときは自然換気と強制換気とを合わせた換気量が基準換気量である100m3/hとなるようにしている。また、外気温が基準温度を超えているときは基準換気量よりも多い180m3/hとなるようにしている。尚、第1の実施形態においては、この基準温度を15℃に設定している。
【0025】
次に、第1の実施形態の換気装置1の作動について図3を参照して説明する。第1の実施形態の換気装置1の自動運転が行われているときは、コントローラ14は外気温センサ8によって給気口3から導入される外気温を検出する(STEP1)。また、コントローラ14は風量センサ9によって給気口3から導入される風量を検出する(STEP2)。
【0026】
このとき、外気温が基準温度である15℃以下のときは(STEP3でYES)、コントローラ14はメモリ15に記憶されているデータに従い、床下空間2bに送風される風量が自然換気量を含めて基準換気量である100m3/hとなるように送風ファン7の回転数を制御する(STEP4)。従って、例えば外気温が基準温度である15℃よりも大幅に低いときは自然換気量が多くなるので送風ファン7の回転数は低下する。また、外気温が15℃に近づいたときは自然換気量が少なくなるので送風ファン7の回転数は上昇する。
【0027】
一方、外気温が基準温度である15℃よりも高いときは(STEP3でNO)、コントローラ14はメモリ15に記憶されているデータに従い、床下空間2bに送風される風量が自然換気量を含めて基準換気量である100m3/hよりも多い180m3/hとなるように送風ファン7の回転数を制御する(STEP5)。
【0028】
このように、第1の実施形態である換気装置1では、コントローラ14は外気温が基準温度以下のときは住宅2が過換気とならないように送付ファン7の制御を行っているので、冬季等において居住者に換気による寒さを感じさせることがない。また、外気温が基準温度を超えるときは積極的に住宅2内を過換気としているため、夏季等において居住者に涼感を与えることができる。
【0029】
ところで、第1の実施形態においては、給気口3及び排気口11の開口面積は冬季基準温度を基に定められており、外気温がこの冬季基準温度を下回ることはまれである。このため、冬季において住宅2内が過換気となることもまれなものとなる。この場合、コントローラ14によって、風量センサ9により検出される風量が100m3/hを越えたときに送風ファン7を逆回転させて換気量を常に100m3/hとなるようにしてもよい。このような制御を行うことにより、冬季において外気温が冬季基準温度を下回った場合であっても過換気となることがない。
【0030】
第1の実施形態の換気装置1においては、以上のような制御によって自然換気と強制換気により給気口3から給気ダクト4及びエアフィルタ6を介して外気が床下空間2bに導入される。このとき、冬季等で暖房装置が作動しているときは、床下空間2bに導入された外気は床下放熱器12により加熱され、床面開口10を介して1階の室内2dに導入される。1階の室内2dに導入された空気は1階の室内2dを対流すると共に吹き抜け2fを介して2階の室内2gに導入される。2階の室内2gにおいてはパネルラジエータ13により室内2gの空気が加熱される。そして、加熱された空気は排気口11を介して住宅2の外部に排出される。このように、第1の実施形態の換気装置1により、住宅2の室内2d,2gが換気される。
【0031】
尚、第1の実施形態の換気装置1においては、長期間の使用によって埃等でエアフィルタ6が目詰まりを起こしたり、給気フード5の一部が塞がれて給気口3より導入される空気の量が減少する場合がある。しかしながら、第1の実施形態においては、コントローラ14は風量センサ9によって給気口3から導入される外気の量を測定し、導入される外気が所定の風量となるように制御されている(STEP4,5)。従って、長期間の使用によって埃等でエアフィルタ6が目詰まりを起こしたり給気フード5の一部が塞がれた場合であっても、給気口3から導入される外気の風量は一定に保たれる。このように、第1の実施形態の換気装置1によれば、住宅2の内外の温度差、エアフィルタ6の状態、あるいは給気フード5の状態にかかわらず、安定した換気を行うことができる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態である換気装置について説明する。第2の実施形態の換気装置は、図1及び図2に示す構成において風量センサ9が設けられていない点が前記第1の実施形態の換気装置1と異なっている。また、メモリ15に記憶されているデータが前記第1の実施形態の換気装置1と異なっている。具体的には、外気温が5℃以下のときは送風ファン7による送風量が10m3/hとなり、外気温が5℃を越えて15℃以下のときは送風ファン7による送風量が100m3/hとなり、外気温が15℃を越えているときは送風ファン7による送風量が180m3/hとなるようなデータが記憶されている。その他の構成については、第1の実施形態の換気装置1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0033】
第2の実施形態の換気装置においては、コントローラ14は以下のように送風ファン7の制御を行う。まず、コントローラ14は外気温センサ8により外気温を検出する(STEP11)。そして、検出された外気温が5℃以下であれば(STEP12でYES)、コントローラ14はメモリ15に記憶されているデータに従い、送風ファン7による送風量が10m3/hとなるように送風ファン7の回転数を制御する(STEP13)。
【0034】
ここで、給気口3及び排気口11は、外気温が冬季基準温度である−3℃において自然換気のみによる換気量が100m3/hとなるような開口面積となっている。ここで、外気温が5℃の場合においては、自然換気のみによる換気量は略90m3/hとなる。従って、第2の実施形態においては、外気温が5℃の近傍であれば、送風ファン7による強制換気と同時に行われる自然換気とを合わせて基準換気量である100m3/hの換気量が確保される。
【0035】
また、外気温センサ8により検出される外気温が5℃よりも高く(STEP12でNO)、且つ15℃以下(STEP14でYES)のときは、コントローラ14はメモリ15に記憶されているデータに従い、給気口3より導入される空気が100m3/hとなるように送風ファン7の回転数を制御する(STEP15)。このとき、同時に自然換気による換気も行われるが、外気温が5℃以上15℃未満の間では送風ファン7による換気量が自然換気による換気量を上回っているため、全体の換気量は略基準換気量(100m3/h)となる。
【0036】
また、外気温センサ8により検出される外気温が15℃を越えているときは(STEP14でNO)、コントローラ14はメモリ15に記憶されているデータに従い、給気口3より導入される空気が180m3/hとなるように送風ファン7の回転数を制御する(STEP16)。ここで、外気温が15℃を越えているときは、住宅2の内外の温度差は小さいため自然換気の量は少なくなる。しかしながら、送風ファン7により180m3/hの空気が給気口3より導入されるため、十分に室内の換気が行われる。
【0037】
尚、第2の実施形態においては、外気温の範囲を5℃以下、5℃を越えて15℃以下、及び15℃を越えている場合に区分しており、それぞれについて換気量を設定しているが、これらは例示であって住宅2が設置される地域によって適切な値に適宜変更を行えばよい。また、床面開口10の開口面積は、前記第1及び第2の実施形態のように床下放熱器12による暖房を行う場合は、必要な換気量を確保するための面積よりも暖房循環風量を確保するための面積の方が大きくなる。従って、前記第1及び第2の実施形態においては、給気口3及び排気口11の開口面積よりも大きくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例である換気装置が住宅に設置されている状態を示す説明的断面図。
【図2】第1の実施形態の換気装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態の換気装置の作動を示すフローチャート。
【図4】第2の実施形態の換気装置の作動を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…換気装置、2…住宅(建築物)、3…給気口、7…送風ファン、8…外気温センサ、10…床面開口、11…排気口、14…コントローラ(制御手段)。
Claims (2)
- 基礎断熱がなされた建築物の床下空間に外気を導入する給気口と、前記床下空間と室内とを連通する床面開口と、室内の上部位置に設けられ室内の空気を建築物の外部に排出する排気口とを備え、建築物の内外の温度差を利用して前記給気口から外気を導入し、前記床面開口を介して外気を室内に導入し、前記排気口を介して室内の空気を外部に排出することにより室内の換気を行う装置であって、
前記給気口に接続されて前記吸気口から外気を導入し制御手段により回転数が制御される送風ファンと、外気温を検出する外気温センサと、前記給気口から導入される外気の風量を検出する風量センサと、前記制御手段に設けられ外気温に対応する風量のデータを記憶した記憶手段とを備え、
前記制御手段は、前記外気温センサにより検出される外気温が所定の基準温度以下のときは前記風量センサにより検出される風量が前記建築物の換気に必要な基準換気量となるように前記送風ファンの回転数を制御し、
前記外気温センサにより検出される外気温が前記基準温度を越えるときは前記風量センサにより検出される風量が前記基準換気量を越える風量となるように前記送風ファンの回転数を制御することを特徴とする建築物の換気装置。 - 前記給気口と前記排気口とは、建築物が設置される地域の冬季の平均気温から定められる冬季基準温度において自然換気による換気量が所定の基準換気量となるように開口面積が定められていることを特徴とする請求項1に記載の建築物の換気装置。
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