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JP4015082B2 - 放送用アンテナ装置および放送塔 - Google Patents
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JP4015082B2 - 放送用アンテナ装置および放送塔 - Google Patents

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Description

本発明は、地上波ディジタル放送の送信に適した送信用アンテナ装置および放送塔に関する。
近時、地上波ディジタル放送の実用化に向けての準備(整備)が進められている。この地上波ディジタル放送は、UHF帯におけるTV放送のディジタル化を図るもので、限られた周波数帯域での多チャンネル化を図ると共に、映像や音声等の情報伝送量を増大させて高品質な情報提供サービスを行い得る等の優れた特徴を有している。
ところでUHF帯の放送用送信アンテナ装置は、例えば図9に示すように複数個、例えば4個のアンテナユニット1a,1b,1c,1dを円環状に配列し、これらの各アンテナユニット1a,1b,1c,1dをからそれぞれ放射される放射される電力を合成して電波を送信するように構成される。尚、この種の放送用送信アンテナ装置(複数個のアンテナユニット1a,1b,1c,1d)は、通常、鉄塔(放送塔)2における所定の地上高をなす上部位置に該鉄塔2を円環状に囲んで設けられる。また各アンテナユニット1a,1b,1c,1dとしては、鉄塔2の上部における放送用送信アンテナ装置の設置スペースが限られていることから、専ら、所定の反射板上に該反射板と平行に双ループアンテナを設けた縦長形状の小型のものが用いられる。
ちなみに双ループアンテナは、そのループ長(周長)を放送波の送信波長λとほぼ等しく設定した一対のループアンテナ素子を、所定距離を隔てて同一平面上に並べて配置したものからなる。尚、複数(例えば2個)の双ループアンテナを、各ループアンテナ素子が直線上に並ぶように設けて各アンテナユニットを構成し、これによってそのアンテナ利得を高くすることも行われる。
このような双ループアンテナを用いて構成されるアンテナユニットによれば、例えば図10(a)(b)に示すように各ループアンテナ素子3a,3b,3c,3dをその並びと直交する向きにそれぞれ同一位相で給電することにより各ループアンテナ素子3a,3b,3c,3dの並びの方向に直交する水平偏波された電波を送信することができる(例えば特許文献1を参照)。また図10(c)に示すように各ループアンテナ素子3a,3b,3c,3dを、その並びの方向にそれぞれ同一位相で給電することにより各ループアンテナ素子の並び方向に垂直偏波された電波を送信することができる(例えば特許文献2を参照)。
特開2002−223119号公報 特開2003−152425号公報
ところで放送用送信アンテナ装置は、所定の放送サービスエリアを確保するように設置されるが、場所によっては複数の送信アンテナ装置からそれぞれ送信される放送波が重なり合い、混信(干渉)する虞がある。例えば放送塔Aのサービスエリア内にある離島Cにおいて上記放送塔Aから送信される放送波と、対岸の放送塔Bから送信される放送波とが混信(干渉)する虞がある。このような混信を避けるべく、一般的にはサービスエリアが隣接する複数の放送塔(送信アンテナ装置)A,Bからの放送波周波数(放送チャネル)を互いに異ならせる等の対策が講じられる。しかし放送塔A,Bの管理が異なるような場合(例えば放送塔Bが他国に属するような場合)、放送波の干渉(混信)を避けることができないこともある。
ちなみにアナログ放送の場合には、多少の混信(干渉)が生じても或る程度の映像・音声品質(受信品質)を確保することができる。しかしディジタル放送の場合には、その放送波を全く受信できなくことがある。そこで放送波の混信(干渉)が想定される地域を含むサービスエリアに対しては、一般的に用いられる水平偏波から垂直偏波に変更することが考えられる。しかしこの場合には、混信(干渉)のない地域を含む上記サービスエリア内の全てにおいて受信アンテナの変更が余儀なくされることが否めず、放送波のディジタル化を妨げる要因となる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、放送波の偏波面を水平偏波から垂直偏波に変更する等の大掛かりな対策を講じることなく、放送波の混信(干渉)が想定される地域を含む放送サービスエリアの全てに対して、その受信状態を良好に確保し得る放送波を送信することのできる簡易な構成の放送用アンテナ装置および放送塔を提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係る放送用アンテナ装置は、複数個のアンテナユニットを円環状に配置し、これらの各アンテナユニットからそれぞれ放射される電力を合成して電波を送信するものであって、
特に前記複数個のアンテナユニットのうち、特定のアンテナユニットを、他のアンテナユニットからそれぞれ放射される偏波成分と他の偏波成分と含む電波を放射するように設定したことを特徴としている。
好ましくは前記他のアンテナユニットは、それぞれ水平偏波した電波または垂直偏波した電波の一方を放射するものであって、前記特定のアンテナユニットは、水平偏波成分と垂直偏波成分とを含む電波、具体的には地表面に対して斜めに偏波した電波(斜め偏波)、或いは円偏波した電波を放射するものとして構成される。
また前記各アンテナユニットは、それぞれ反射板上に該反射板と平行に双ループアンテナを設けた同一形状のものとすることが望ましい。そして前記特定のアンテナユニットに対しては、双ループアンテナを構成するループアンテナ素子への給電点および/またはその給電電力の位相を、他のアンテナユニットにおける双ループアンテナを構成するループアンテナ素子への給電形態と異ならせることで、他のアンテナユニットとは異なる偏波面を有する電波を放射するように構成すれば良い。
そして本発明に係る放送塔は、上述した構成の放送用アンテナ装置を、前記特定のアンテナユニットを電波干渉地域に向けて所定の地上高をなす位置(例えば鉄塔の上部)に設置して実現される。
このような構成の放送用アンテナ装置および放送塔によれば、前述した特定のアンテナユニットを電波干渉地域に向けて設置すれば、この地域に向けて干渉波(例えば水平偏波)とは異なる偏波面を有する電波(例えば斜め偏波や円偏波)が送信される。従って電波干渉地域においては、上記偏波成分(例えば垂直偏波成分)を受信することで電波干渉(混信)のない放送波の受信が可能となる。また電波干渉地域以外においては、複数のアンテナユニットからそれぞれ放射される電力を合成した所定の偏波面(例えば水平偏波)の電波を受信するだけで良いので、一般的な受信アンテナ、或いは既存の受信アンテナを用いて上記放送波を良好に受信することが可能となる。従って電波干渉地域を含む放送サービスエリアの全てに対してその受信状態を良好に確保し得る放送波を送信することができる。
また複数のアンテナユニットのうち、特定のアンテナユニットに対してだけ、その双ループアンテナを構成するループアンテナ素子へ給電形態を変更するだけで、他のアンテナユニットからそれぞれ放射される偏波成分とは異なる偏波成分を含む電波を放射することができるので、複数のアンテナユニットの全体構成を大幅に変更することなく、簡易な構造の放送用アンテナ装置として実現することができる。ちなみに上記特定のアンテナユニットは、他のアンテナユニットからそれぞれ放射される偏波成分(水平偏波成分)と他の偏波成分(垂直偏波成分)とを含む電波を放射しているので、合成した全方位に亘って水平偏波した放送波を送信するべく、複数のアンテナユニットからそれぞれ放射される電力を合成する上で問題を招来することがない。従って複数のアンテナユニットに対する給電形態を異ならせただけの簡易な構成の放送用アンテナ装置にて、その放送サービスエリアの全てに効率的に放送波を送信することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る放送用アンテナ装置と放送塔について説明する。
図1は、放送塔10とこの放送塔10の上部に組み込まれる放送用アンテナ装置の平面構成を示すもので、放送用アンテナ装置は放送塔10の上部鉄塔の周囲に円環状に配置された複数(例えば4個)のアンテナユニット11(11a,11b,11c,11d)によって構成される。これらのアンテナユニット11のそれぞれは、後で図3を参照して詳しく説明するように、反射板12の上に該反射板12と平行に放射素子としての双ループアンテナ13を設けたものからなる。これらのアンテナユニット11により構成される放送用アンテナ装置は、図2にその電界放射パターンを示すように、各アンテナユニット11からそれぞれ放射される電力(電波エネルギ)を合成することで、全方位に亘って略一様な電界強度の電波を送信するものとなっている。
さてこの実施形態に係る放送用アンテナ装置が特徴とするところは、上記複数のアンテナユニット11のうちの電波干渉地域に向く特定のアンテナユニット、例えばアンテナユニット11aから放射される送信波(電波)の偏波成分が、他のアンテナユニット11b,11c,11dからそれぞれ放射される送信波(電波)の偏波成分と他の偏波成分とを含むように設定した点にある。そして上記特定のアンテナユニット11aが向く方向に対しては、上述した全方位に亘って略一様に送信される電界強度の成分と共に上記他の偏波成分を同時に送信することを特徴としている。
具体的には、他のアンテナユニット11b,11c,11dがそれぞれ水平偏波した放送波(電波)を放射する場合、前記特定のアンテナユニット11aからは水平偏波成分Hと、この水平偏波成分Hとは異なる垂直偏波成分Vとを含む放送波(電波)、例えば地表面に対して斜め方向の偏波面(斜め偏波)を有する放送波(電波)を、或いは時間的にその偏波面が変化する円偏波した放送波(電波)を放射するものとなっている。
尚、ここでは4つのアンテナユニット11a,11b,11c,11dのうち、電波干渉地域に向けて設置される特定の1つのアンテナユニット11aだけを、上述した斜め偏波または円偏波した電波を放射するものとして説明するが、隣接して配置される2つのアンテナユニットがそれぞれ向く方向の中間に電波干渉地域があるような場合には、これらの隣接する2つのアンテナユニット(例えばアンテナユニット11a,11b)のそれぞれから、上述した斜め偏波または円偏波した電波を放射するように構成すれば良い。
このようにして他のアンテナユニット11b,11c,11dから水平偏波した電波Hを送信し、また特定のアンテナユニット11aからは斜めに偏波した電波Sを送信するようにした送信用アンテナ装置によれば、図2に電界放射パターンを示すように上記斜めに偏波した電波Cの水平偏波成分Hsと、他のアンテナユニット11b,11c,11dから放射される水平偏波成分Hとの合成により、全方位に亘って略一様な電界強度αの水平偏波された電波が送信される。また特定のアンテナユニット11aが向く方向に対しては、上述した斜めに偏波した電波Sの垂直偏波成分Hsも放射される。従って特定のアンテナユニット11aが設置された向きの地域においては、水平偏波された電波(放送波)αのみならず、垂直偏波された電波(放送波)βも受信することが可能となる。従って前述した離島Cのように電波干渉が生じる地域においては、電波干渉が生じる水平偏波成分Hに代えて垂直偏波成分Vを受信するようにその受信アンテナ(図示せず)を設置するだけで、その放送波を良好に(電波干渉を生じることなく)受信することが可能となる。そして電波干渉の問題のない他の地域においては、従前通り水平偏波成分Hを受信することができるので、放送サービスエリアの全てに対して良好な放送サービスを提供することが可能となる。
ここで前述したアンテナユニット11の具体的な構成について説明すると、各アンテナユニット11は、図3(a)〜(c)にその平面図、側面図、および底面図をそれぞれ示すように、例えば縦長の長方形をなす主反射板12aの上に該主反射板12aと平行に放射素子としての2つの双ループアンテナ13a,13bを並べて設けた構造を有する。双ループアンテナ13(13a,13b)は、周知のようにその送信波長λと略等しいループ長(周長)を有するループ素子14を略1波長離して設けたものからなり、2つの双ループアンテナ13a,13bは、これらのループ素子14が略1波長分ずつ離して直線状に並ぶように配置される。
前述した主反射板12aは、これらの双ループアンテナ13a,13bの後方に配置され、各ループ素子14の中心軸方向に放射される電波の一方を反対側反射することで、そのバックローブを低減する役割を担う。またこの主反射板12aの側縁部は、該主反射板12aに対して略45°の角度をなして補助反射板12bがそれぞれ設けられている。これらの補助反射板12bは、前述したバックローブを低減する上で必要となる主反射板12aの幅を狭くする役割を担うと共に、前記双ループアンテナ13a,13bから放射される電波のサイドローブを低減する役割を担う。このような主反射板12aと補助反射板12bとからなる反射板12については、従来より種々提唱されているので、その具体的な説明については省略する。またこのようなアンテナ形状をなすアンテナユニット11から、水平偏波した電波を送信する技術については前述した特許文献1に開示され、また垂直偏波した電波を送信する技術については前述した特許文献2に開示されるので、ここではその説明を省略する。
さて本発明における送信用アンテナ装置は、図3に示す如きアンテナ形状を有するアンテナユニット11の中の特定のアンテナユニット11aから、前述したように斜めに偏波した電波(放送波)、或いは円偏波した電波(放送波)を送信するようにしたもので、以下にその具体的な手法について説明する。
アンテナユニット11が1つの双ループアンテナ13からなる場合、図4(a)(b)にそれぞれ示すように、双ループアンテナ13を構成する2つのループアンテナ素子14の一方から水平偏波した電波を放射させ、他方のループアンテナ素子14からは垂直偏波した電波を放射させるように、各ループアンテナ素子14を同相で駆動すれば良い。具体的には図4(a)に示すように一方のループアンテナ素子14aには、2つのループアンテナ素子14a,14bの並び方向とは直角な向きから平衡給電し、他方のループアンテナ素子14bについては上記並び方向と同じ方向から平衡給電するようにすれば良い。このようにすれば、図4(b)に示すように一方のループアンテナ素子14aからは水平偏波された電波が放射され、他方のループアンテナ素子14bからは垂直偏波された電波が放射されるので、これらの電波が空間上(アンテナ放射面)で合成されて斜めに偏波された電波が双ループアンテナ13(アンテナユニット11)から放射されることになる。
或いは図4(c)に示すように、ループアンテナ素子14a,14に対してその並びの方向に対して45°傾けた向きから平衡給電すれば、各ループアンテナ素子14a,14bからそれぞれ斜め方向(45°)に偏波された電波が放射されることになる。
尚、2つの双ループアンテナ13a,13bを備えてアンテナユニット11が構成される場合には、図5(a)(b)にそれぞれ示すように一方の双ループアンテナ13aから水平偏波した電波を放射させ、他方の双ループアンテナ13aから垂直偏波した電波を放射させるようにすれば良い。具体的には図5(a)に示すように一方の双ループアンテナ13aを不平衡給電して、ループアンテナ素子の並びの方向とは直角な方向に偏波面を有する水平偏波された電波を放射するようにし、他方の双ループアンテナ13aに対しては、そのループアンテナ素子14のそれぞれにその並び方向に給電点を設定して平衡給電して垂直偏波された電波を放射するようにする。
或いは図5(b)に示すように、一方の双ループアンテナ13aに対してそのループアンテナ素子14のそれぞれにその並び方向と直角な方向に給電点を設定して平衡給電して水平偏波された電波を放射させ、他方の双ループアンテナ13bについては、図5(a)に示した場合にと同様にそのループアンテナ素子14のそれぞれにその並び方向に給電点を設定して平衡給電して垂直偏波された電波を放射させる。これらの場合、各双ループアンテナ13a,13bを同相で駆動することは言うまでもない。
このようにして2つの双ループアンテナ13a,13bに対する給電の形態を異ならせて、一方の双ループアンテナ13aからは水平偏波された電波が、また他方の双ループアンテナ13bからは垂直偏波された電波がそれぞれ放射されるように設定すれば、図5(c)に示すように、これらの水平偏波成分と垂直偏波成分とが空間上(アンテナ放射面)において合成されるので、これらの2つの双ループアンテナ13a,13bを備えたアンテナユニット11からは斜め方向に偏波された電波が放射されることになる。
尚、双ループアンテナ13から円偏波した電波を放射させる場合には、例えば図6(a)〜(c)にそれぞれ示すように、双ループアンテナ13を構成する2つのループアンテナ素子14a,14bの給電点を前述したようにして90°異ならせると共に、これらの2つのループアンテナ素子14a,14bを[π/2]の位相差を持たせて駆動するようにすれば良い。具体的には図6(a)に示すように2つのループアンテナ素子14a,14bに対する給電線の線路長を変えて各ループアンテナ素子14a,14bへの給電電力の位相が[π/2]のずれを持つようにしたり、或いは図6(b)に示すように一方のループアンテナ素子14aに対する給電線の途中に[π/2]の位相差を与える移相器15を介挿するようにすれば良い。
このようにして一方のループアンテナ素子14aから水平偏波された電波を、また他方のループアンテナ素子14aから垂直偏波された電波をそれぞれ放射するようにすれば、各ループアンテナ素子14aからそれぞれ放射される電波が[π/2]の位相のずれを有することから、空間上(アンテナ放射面)で合成される電波の位相が時間的に回転するので、ここに円偏波した電波を放射することが可能となる。尚、図6(c)に示すように一方のループアンテナ素子14aから斜めに偏波した電波を放射させ、他方のループアンテナ素子14bから逆向きに斜めに偏波した電波を放射させると共に、これらのループアンテナ素子14a,14bに対する給電電力の位相を[π/2]だけずらしても、同様に円偏波された電波を得ることができる。
尚、2つの双ループアンテナ13a,13bを備えて構成されるアンテナユニット11の場合には、図7(a)に示すように各双ループアンテナ13a,13bからそれぞれ円偏波した電波を放射させ、これらの電波を空間上で合成してその電波強度を高めるようにすれば良い。この場合においても、各双ループアンテナ13a,13bに対しては、図6(a)〜(c)にそれぞれ示すように給電するようにしておけば十分である。また図7(b)に示すように双ループアンテナ13aから垂直偏波した電波を放射させると共に、双ループアンテナ13bからは水平偏波した電波を放射させ、これらの各双ループアンテナ13a,13bに対する給電力の位相を[π/2]だけずらしても、同様に円偏波された電波を得ることができる。
かくして上述した如くして特定のアンテナユニット11aから水平偏波成分と垂直偏波成分とを含む電波(斜めに偏波した電波、或いは円偏波した電波)を放射させ、他のアンテナユニット11b,11c,11dからはそれぞれ水平偏波した電波を放射するように構成した送信用アンテナ装置によれば、全方位に対して水平偏波した電波(放送波)を効率的に送信すると共に、上記特定のアンテナユニット11aが設置された向きに対しては垂直偏波した電波(放送波)をも同時に送信することができる。従って電波干渉(混信)が生じる地域に向けて前述した特定のアンテナユニット11aを設置しておくだけで、電波干渉の問題を効果的に解消することができる。特に放送サービスエリアにおける電波干渉の問題のない殆どの地域に対しては、一般的な水平偏波により放送波を送信するので、既存のアナログ放送用の受信アンテナをそのまま利用してディジタル放送波の受信が可能であり、ディジタル化への移行を円滑に進めることが可能となる。
尚、送信用アンテナ装置から送信される放送波(電波)の強度(電界強度パターン)について考察してみると、4つのアンテナユニット11(11a,11b,11c,11d)から同じ強度の水平偏波された電力(電波)を放射した場合、図8(a)に示すように全方位に対する電界強度は略一様となる。但し、各アンテナユニット11のアンテナ面と垂直な向き(0°,90°,180°,270°の向き)の電界強度、および隣接するアンテナユニット11間の中間方向(45°,135°,225°,315°の向き)の合成された電界強度は、他の向きに比較して若干高くなるが、概してその放射特性は無指向性を有すると言える。
これに対して特定の1つのアンテナユニット11aから放射される電波の偏波面を斜め偏波とした場合、図8(a)に示すようにアンテナユニット11aの設置方向(0°の向き)に対する電界強度が若干低下するも、全体的には無指向性を有するものとすることができる。しかしこの場合には、図8(b)において点線で示すように、水平偏波成分の電界強度よりも若干低いが、垂直偏波成分も放射されることになる。従ってこの特定のアンテナユニット11aの設置方向(0°の向き)においては、放送波の水平偏波成分または垂直偏波線分の双方を支障なく受信することが可能となる。故に水平偏波成分において電波干渉の問題があるならば、垂直偏波成分の電波を受信するようにすれば、その問題を解決し得ることになる。
一方、電波干渉の問題のある地域に向けて特定のアンテナユニット11aを設置できない場合もある。この場合には、隣接する2つのアンテナユニット11a,11bからそれぞれ斜めに偏波した電波を放射するようにすれば、図8(c)に示すように2つのアンテナユニット11a,11b間において垂直偏波成分についても合成することができるので、より幅広い範囲に亘って水平偏波した放送波と共に垂直偏波した放送波を送信することができる。従って電波干渉(混信)の問題のある地域が幅広く分散するような場合であっても、これに効果的に対処することが可能となる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。ここでは4つのアンテナユニットを用いた放送用アンテナ装置について説明したが、円環状に配置する複数のアンテナユニットの数については、その設備仕様に応じて定めれば良いものである。ちなみにアンテナユニットの数が多くなるほど、全方位に対する電界強度の差を少なくすることができるが、複数のアンテナユニットを円環状に配列する為の径が大きくなるので、実際には鉄塔の大きさ等を考慮してその数を定めれば十分である。また各アンテナユニットの対する給電の形態についても、その仕様に応じて設定すれば良いものであり、従来より種々提唱されている給電方式を適宜採用可能である。またここでは他のアンテナユニットから水平偏波した電波を送信し、特定のアンテナユニットから水平偏波した電波との混信を防ぐ偏波面を有する電波を送信したが、他のアンテナユニットから垂直偏波した電波を送信する場合にも同様に適用することができる。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
放送塔と、この放送塔に取り付けられる送信用アンテナ装置の概略構成を示す図。 本発明に係る送信用アンテナ装置の電界強度パターンを示す図。 本発明に係る送信用アンテナ装置を構成するアンテナユニットの構成例を示す図。 斜めに偏波した電波を放射させる双ループアンテナに対する給電形態の例を示す図。 2つの双ループアンテナを備えたアンテナユニットから斜めに偏波した電波を放射させる際の上記各双ループアンテナに対する給電形態の例を示す図。 円偏波した電波を放射させる双ループアンテナに対する給電形態の例を示す図。 2つの双ループアンテナを備えたアンテナユニットから円偏波した電波を放射させる際の上記各双ループアンテナに対する給電形態の例を示す図。 特定のアンテナユニットから放射する電波の偏波面を異ならせたときの電界強度パターンを示す図。 送信用アンテナ装置の概略構成を示す図。 双ループアンテナを用いて構成されるアンテナユニットから水平偏波した放送波を放射する上での給電形態と、垂直偏波した放送波を放射する上での給電形態とをそれぞれ示す図。
符号の説明
10 放送塔
11,11a,11b,11c,11d アンテナユニット
12 反射板
13,13a,13b 双ループアンテナ
14,14a,14b ループアンテナ素子
15 移相器

Claims (5)

  1. 複数個のアンテナユニットを円環状に配置し、これらの各アンテナユニットからそれぞれ放射される電力を合成して電波を送信する放送用アンテナ装置であって、
    前記複数個のアンテナユニットのうち、特定のアンテナユニットを、他のアンテナユニットからそれぞれ放射される偏波成分と他の偏波成分とを含む電波を放射するように設定したことを特徴とする放送用アンテナ装置。
  2. 前記他のアンテナユニットは、それぞれ水平偏波した電波または垂直偏波した電波の一方を放射するものであって、前記特定のアンテナユニットは、水平偏波成分と垂直偏波成分とを含む電波を放射するものからなる請求項1に記載の放送用アンテナ装置。
  3. 前記各アンテナユニットは、それぞれ反射板上に該反射板と平行に設けられた双ループアンテナからなり、
    前記特定のアンテナユニットは、該特定のアンテナユニットの双ループアンテナを構成するループアンテナ素子への給電点を、前記他のアンテナユニットにおける双ループアンテナを構成するループアンテナ素子への給電点と異ならせることで、前記他のアンテナユニットとは異なる偏波面を有する電波を放射するものである請求項1または2に記載の放送用アンテナ装置。
  4. 前記各アンテナユニットは、それぞれ反射板上に該反射板と平行に設けられた双ループアンテナからなり、
    前記特定のアンテナユニットは、該特定のアンテナユニットの双ループアンテナを構成するループアンテナ素子への給電点を、前記他のアンテナユニットにおける双ループアンテナを構成するループアンテナ素子への給電点と異ならせると共に、前記特定のアンテナユニットにおける前記双ループアンテナを構成する2つのループアンテナ素子への給電電力の位相に[π/2]のずれを持たせることで、前記他のアンテナユニットとは異なる偏波面を有する電波を放射するものである請求項1または2に記載の放送用アンテナ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の放送用アンテナ装置を、前記特定のアンテナユニットを電波干渉地域に向けて所定の地上高をなす位置に設置したことを特徴とする放送塔。
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