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JP4015412B2 - 密閉形電動圧縮機及び冷凍装置の保護装置 - Google Patents
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JP4015412B2 - 密閉形電動圧縮機及び冷凍装置の保護装置 - Google Patents

密閉形電動圧縮機及び冷凍装置の保護装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉形電動圧縮機及び冷凍装置の保護装置に係り、特に三相誘導電動機を用いた密閉形電動圧縮機及び空気調和機や電気冷蔵庫等の冷凍装置の保護装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷凍装置の保護装置としては、図18に示すように、三相誘導電動機3を用いた密閉形電動圧縮機6と、三相誘導電動機3の三相電源の全ラインR、S、Tに接点1R、1S、1Tを接続した電磁接触装置1と、この接点1R、1Tより電源側の二つの電源ラインR、Tに接続したバイメタル式過負荷保護装置2R、2Tと、抵抗器5R、コンデンサ5C及び継電器コイル5Lを各電源ラインR、S、T間に接続した逆転防止装置5と、単相誘導電動機12を用いた送風装置とを備えるものがある。
【0003】
そして、電磁接触装置1の操作コイル1Lは過負荷保護装置2R、2Tを接続した電源ラインR、T間に継電器コイル5Yの接点5Aを直列に介して接続し、操作コイル1Lの一側は一方の過負荷保護装置2Rの中性点端子2Nに接続すると共に、操作コイル1Lの他側は他方の過負荷保護装置2Tの中性点端子2Nに接続している。
【0004】
抵抗器5Rは一方の過負荷保護装置2Rの電源側に接続している。継電器コイル5Lは他方の過負荷保護装置2Tの電源側に接続している。コンデンサ5Cは残りの電源ラインSに接続している。
【0005】
過負荷保護装置2R、2Tはヒータ2Hとバイメタル2Bを直列接続して形成し、過負荷保護装置2R、2Tのヒータ側を電動機側に接続すると共にバイメタル側を電源側に接続している。また、単相誘導電動機12は過負荷保護装置2R、2Tの電源側に接続している。
【0006】
この従来技術に関連するものとして、特開平7−262895号公報が挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の保護装置では、過負荷保護装置2R、2Tが接続されていない電源Sが途中欠相した場合には、過負荷保護装置2R又は2Tの開閉により三相誘導電動機3のR−T相単相通電運転とその停止が繰り返しされ、過負荷保護装置2R、2Tの寿命が短くなってしまうという課題があった。
【0008】
この点を更に具体的に説明する。三相誘導電動機3が通常運転中にS相の電源側が途中欠相しても、R相−抵抗器5R−継電器コイル5L−T相の回路に通電されて継電器コイル5Lによる接点5Aの閉路動作が継続されることにより、操作コイル1Lによる接点1R、1S、1Tの閉路動作が継続され、三相誘導電動機3はR−T単相通電で回転運動が継続される。この状態で、例えば過負荷保護装置2Rが開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Rの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止するが、その後、過負荷保護装置2Rが閉路動作すると、操作コイル1Lに通電されて接点1R、1S、1Tが閉路することにより、三相誘導電動機3がR−T単相通電で運転が再開される。以下、過負荷保護装置2R、2Tの開閉により、三相誘導電動機3のR−T単相運転及び停止が繰り返される。
【0009】
また、従来の保護装置では、単相誘導電動機12は過負荷保護装置2R、2Tの電源側に接続しているため、S相が途中欠相し且つ過負荷保護装置2R、2Tが開路しても単相誘導電動機12の運転が継続され、その保護が行なわれないという課題があった。しかも、二つの過負荷保護装置2R、2Tに流れる電流は単相誘導電動機3に流れる電流が加算されないため、二つの過負荷保護装置2R、2Tを異なる所に配置した場合には、設置場所に対応した仕様の異なる過負荷保護装置を準備しなければならないという課題があった。
【0010】
更に、従来の保護装置は、過負荷保護装置2R、2Tのヒータ側を電動機側に接続すると共にバイメタル側を電源側に接続しているため、過負荷保護装置2R、2Tのヒータ2Bが途中切断された場合には、R相、T相の途中欠相の場合よりも保護特性が低下するという課題があった。
【0011】
本発明の目的は、いずれの相に欠相が生じても、三相誘導電動機の単相拘束通電を1回限りとすることができると共に、過負荷保護装置の寿命を損なうこともないので、高信頼性、高安全性の保護装置を提供することにある。
【0012】
なお、本発明はかかる目的に限定されるものではなく、前記以外の目的と有利点は以下の記述から明らかにされる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、三相誘導電動機を用いた密閉形電動圧縮機と、前記三相誘導電動機の三相電源の全ラインに接点を接続した電磁接触装置と、この接点より電源側の二つの電源ラインに接続したバイメタル式過負荷保護装置と、抵抗器、コンデンサ及び継電器コイルを前記各電源ライン間に接続した逆転防止装置とを備え、前記過負荷保護装置を接続した電源ライン間に電磁接触装置の操作コイルを前記継電器コイルの接点を介して接続すると共に、前記過負荷保護装置の一方を接続した電源ラインに前記抵抗器を接続し、前記過負荷保護装置の他方を接続した電源ラインに前記継電器コイルを接続し、残りの前記電源ラインに前記コンデンサを接続した密閉形電動圧縮機の保護装置において、前記過負荷保護装置のうちの一方の過負荷保護装置の中性点端子に前記操作コイルの一側を接続すると共に、前記過負荷保護装置のうちの他方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記操作コイルの他側を接続し、前記一方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記抵抗器を接続すると共に、前記他方の過負荷保護装置の中性点端子に前記継電器コイルを接続したことにある。
【0014】
なお、前記目的以外の目的を達成するための本発明の保護装置は以下の記述から明らかにされる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施例を図を用いて説明する。なお、各実施例の図における同一符号は同一物又は相当物を示す。
【0016】
まず、本発明の第1実施例を図1から図9を用いて説明する。
【0017】
本実施例の冷凍装置の全体構成、機能及び動作を図2及び図3を参照しながら説明する。図2は本発明の第1実施例を適用した冷凍装置の構成図、図3は図2の冷凍装置に用いる密閉形電動圧縮機における過負荷保護装置の据付例を示す図である。
【0018】
本実施例の冷凍装置は、冷凍サイクル及び送風装置11などで構成され、空気調和機や冷蔵庫などに適用される。
【0019】
冷凍サイクルは、密閉形電動圧縮機6、凝縮器8、膨張弁10及び蒸発器9を冷媒配管で順次接続して形成されている。また、送風装置11は、単相誘導電動機12、この単相誘導電動機12により回転されるファン13、ファン14を備えている。この冷凍サイクル中を冷媒が循環され、この冷媒が送風装置11により送られる空気と凝縮器8及び蒸発器9で熱交換することにより、冷却機能が発揮される。即ち、冷凍サイクル中で、冷媒は、密閉形電動圧縮機6で圧縮されて高温高圧になり、凝縮器8でファン13により通風される空気と熱交換して凝縮し、膨張弁10で減圧されて低圧となり、蒸発器9でファン14により通風される空気と熱交換して蒸発し、密閉形電動圧縮機6に戻ることにより、冷却機能が発揮される。膨張弁10はキャピラリチューブや膨張弁等で形成される。
【0020】
そして、電磁弁15は密閉形電動圧縮機6と並列に接続され、冷凍サイクルの運転時に閉路し、停止時に開路して密閉形電動圧縮機6の両側の圧力バランスを早期に達成するように制御される。なお、本発明は、冷凍サイクル冷媒の流れを制御する他の部分に用いられる電磁弁にも適用可能である。
【0021】
また、密閉形電動圧縮機6の外殻には、図3(a)に示すように一対の過負荷保護装置2R、2Tが設置されている。この過負荷保護装置2R、2Tは、密閉形電動圧縮機6の外殻の温度上昇と運転電流の増加の両者を感知して動作する。
【0022】
なお、密閉形電動圧縮機6に過負荷保護装置2R、2Tの両方を収納するスペースがない場合には、図3(b)に示すように、一方の過負荷保護装置2Tのみが密閉形電動圧縮機6に取り付け、他方の過負荷保護装置2Rが密閉形電動圧縮機6から離れた所、例えば電気品室等に取り付けるようにしてもよい。この場合では、過負荷保護装置2Tは温度と電流の両者を感知し、過負荷保護装置2Rは電流を感知して開路動作をすることになる。
【0023】
上述した密閉形電動圧縮機6の保護装置の構成を図1を参照しながら説明する。
【0024】
三相誘導電動機3は、密閉形電動圧縮機6の外殻内に収納され、圧縮機構部を動作させるためのものである。三相誘導電動機3は、三相電源の各相のラインR、S、Tにスター結線された電動機巻線3R、3S、3Tを有している。
【0025】
全電源ラインR、S、Tの密閉形電動圧縮機6外部に位置する部分には、電磁接触装置1の接点1R、1S、1Tが接続されている。電磁接触装置1は操作コイル1Lと接点1R、1S、1Tとから構成され、操作コイル1Lに所定電圧が通電された場合に接点1R、1S、1Tを閉路する。
【0026】
二つの電源ライン(図示例では電源ラインR、T)における接点1R、1Tより電源側には、過負荷保護装置2R、2Tが接続されている。この過負荷保護装置2R、2Tは、バイメタル2B、可動接点2C及び中性点端子2Nを有している。バイメタル2Bは流れる電流による自己発熱及び周囲温度を感知して可動し、可動接点2Cが電源ラインR、Tを開閉する
操作コイル1Lは、過負荷保護装置2Rの中性点端子2Nと、過負荷保護装置2Tの電動機側で且つ接点1Tの電源側(過負荷保護装置2Tと接点1Tとの間)の電源ラインRとの間に、開閉装置4及び接点5Aを直列に介して接続されている。開閉装置4は三相誘導電動機3を始動するためのものであり、手動スイッチや温度調節器等で構成され、過負荷保護装置2Rの中性点端子2Nと操作コイル1Lとの間に接続されている。接点5Aは三相誘導電動機3を保護するためのものであり、電源ラインTと操作コイル1Lとの間に接続されている。また、接点5Aは継電器コイル5Lと共に電磁継電器5Yを構成し、継電器コイル5Lに所定電圧が通電された場合に閉路される。
【0027】
逆転防止装置5は、電磁継電器5Y、コンデンサ5C及び抵抗器5Rから構成されている。継電器コイル5Lは、一側が過負荷保護装置2Tの中性点端子2Nに接続され、他側がコンデンサ5Cを直列に介して電源ラインSに接続されると共に、抵抗器5Rを直列に介して過負荷保護装置2Rの電動機側で且つ接点1Rの電源側(過負荷保護装置2Rと接点1Rの間)の電源ラインRに接続されている。
【0028】
次に密閉形電動圧縮機6の逆転防止装置5の動作について説明する。
【0029】
密閉形電動圧縮機6には種々の形態があり、例えばレシプロ方式、ロータリ方式、スクロール方式、スクリュー方式等がある。これを駆動する三相誘導電動機3を位相制御することなく電源に接続すると、接続された時の位相が正相か逆相かで左回転になったり右回転になったりする。
【0030】
回転方向に関係なく冷媒の圧縮が可能な方式はレシプロ方式のみで、他の方式は全て圧縮不能になる。又、レシプロ方式の場合でも、圧縮機の給油構造が左右回転に耐えるものでないと、三相誘導電動機3が使用出来ないという問題がある。そこで、三相誘導電動機3の回転方向を一定方向に保持するため逆転防止装置5が用いられている。この逆転防止装置5は正相時に接点5Aが閉じ、逆相時にその接点5Aが閉じないように構成し、正相時になった時に三相誘導電動機3が正回転で始動されるようにしている。
【0031】
ここで、逆転防止装置5の動作原理について図4及び図5を参照しながら説明する。
【0032】
三相電源は各相間の位相が互いに2π/3ラジアンずつ異なる対称交流である。このずれを電気の三要素である抵抗器5R、コンデンサ5C、継電器コイル5Lから構成される位相回路の性質(即ち、抵抗器5Rは電圧に対して電流の遅れ進みに無関係、コンデンサ5Cは電圧に対して電流が進む、継電器コイル5Lは電圧に対して電流が遅れる性質)を利用し、夫々の抵抗器5R、コンデンサ5C、継電器コイル5Lを上述したように各相間に接続し、継電器コイル5Lに流れる電流の大小で逆転防止装置5の接点5Aを動作せしめる構成になっている。
【0033】
正相時の電圧と継電器コイル5Lに流れる電流とをベクトルで表すと図4(a)〜(d)のようになる。図4(a)は正相時の電圧位相を示し、VRは抵抗器5R、VCはコンデンサ5C、VTは継電器コイル5Lの電圧位相である。図4(b)は正相時の電流位相を示し、IRは抵抗器5R、ICはコンデンサ5C、ILは継電器コイル5Lの電流位相である。図4(c)はIRとICの合成電流IRC、IRとILの合成電流IRLを示す。図4(d)はIRCとIRLの合成電流IRCLを示す。
【0034】
この図4から明らかなように、正相時には継電器コイル5Lには大きな電流が流れるため、電磁継電器5Yが付勢されて接点5Aが閉じる。
【0035】
逆相時の電圧と継電器コイル5Lに流れる電流とをベクトルで表すと図5(a)〜(c)のようになる。図5(a)は逆相時の電圧位相を示し、VRは抵抗器5R、VCはコンデンサ5C、VTは継電器コイル5Lを接続した電圧位相である。図5(b)は逆相時の電流位相を示し、IRは抵抗器5R、ICはコンデンサ5C、ILは継電器コイル5Lの電流位相である。図5(c)はICとILの合成電流ILCを示す。
【0036】
この図5から明らかなように、逆相時には継電器コイル5Lに流れる電流はILCとIRが互いに逆方向の関係になることから互いにキャンセルされ、ごくわずかの励磁電流のみが流れるため、電磁継電器5Yが動作せず、結果として逆転防止装置5の接点5Aは閉じることが出来ず開いたままになる。そして、電圧位相が正相に変わると、上述したように正回転で運転が開始される。
【0037】
次に密閉形電動圧縮機6の保護装置の基本的な動作を図1を参照しながら説明する。
【0038】
開閉装置4が閉路されると、電磁接触機1の操作コイル1Lに通電されて電磁接触装置1が付勢され、接点1R、1S、1Tが閉じて三相誘導電動機3が通電状態になり、三相誘導電動機3の運転が開始される。これと逆に開閉装置4が開路されると、電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が断たれ、接点1R、1S、1Tが開いて三相誘導電動機3の通電が断たれ、三相誘導電動機3の運転が停止される。
【0039】
ここで、開閉装置4が閉路した時、何等かの理由により三相誘導電動機3が始動出来ずに電源ラインR、S、Tに大きな拘束電流が流れ続けると、一対の過負荷保護装置2R、2Tのバイメタル2Bが発熱される。この発熱によって設定されたバイメタル2Bの反転動作温度に達すると、動作温度の低い方の過負荷保護装置2R又は2Tの可動接点2Cが開路動作する。
【0040】
この開路動作により三相誘導電動機3の一つの電源ラインR又はTが遮断されると共に、電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電も遮断される。この操作コイル1Lの遮断から若干遅れて接点1R、1S、1Tが開路動作し(この遅れ動作現象を電磁接触装置1の復帰時間と言う)、三相誘導電動機3の残りの電源ラインが遮断される。これによって、三相誘導電動機3は完全に電源ラインR、S、Tから切り離される。
【0041】
動作した過負荷保護装置2R又は2Tのバイメタル2Bが周囲の空気で冷却され、設定されたバイメタル2Bの反転復帰温度に達すると、再び可動接点2Cが閉路動作して、電磁接触装置1の操作コイル1Lに通電される。この操作コイル1Lへの通電より若干遅れて接点1R、1S、1Tが閉路動作し、三相誘導電動機3が再び通電される。
【0042】
この時、三相誘導電動機3の拘束原因が排除されていれば三相誘導電動機3は正常に始動し運転する。しかしながら、拘束原因が排除されることなく継続している場合には、前述同様の拘束電流により過負荷保護装置2R又は2Tのいずれか一方が開路動作及び閉路動作を繰り返す。この繰り返し動作による拘束電流の通電では、電動機巻線3R、3S、3Tが温度上昇で過熱焼損しないように設定されている。
【0043】
次に、三相誘導電動機3が三相電源で正常に運転中にそのうち一相が欠相した場合の保護動作について図6から図9を参照しながら説明する。三相電源ラインR、S、Tは、配電盤内のヒューズ動作やコード接続取付部のネジの弛み等で一つの電源ラインが欠相することがある。
【0044】
R相が途中欠相した場合について図6及び図7を参照しながら説明する。
【0045】
R相が図6の×印で示すように途中欠相しても、S相−コンデンサ5C−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて継電器コイル5Lによる接点5Aの閉路動作が継続される。これによって、継電器コイル5Lには、図7(a)に示す2π/3ラジアン位相がずれた電圧VT、VSが印加され、図7(b)に示す合成電流ILCが流れる。電源電圧が定格に近い範囲では、この合成電流ILCで電磁継電器5Yの接点5Aの閉路が保持される。従って、S相−接点1S−電動機巻線3S−電動機巻線3R−接点1R−過負荷保護装置2R−開閉装置4−操作コイル1L−接点5A−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて操作コイル1Lによる接点1R、1S、1Tの閉路動作が継続される。その結果、S相−接点1S−電動機巻線3S−電動機巻線3T−接点1T−過負荷保護装置2T−T相のように通電され、三相誘導電動機3はS−T単相通電で回転を継続する。
【0046】
このように、三相誘導電動機3が途中欠相状態で単相通電されて運転が継続されていると、電密閉形電動圧縮機6は正常な三相運転と比べ過負荷状態になり、密閉形電動圧縮機6の外殻に取り付けられている一対の過負荷保護装置2R及び2T(図3(a)参照)は外殻の温度上昇と運転電流の増加の両者を感知して動作温度に達すると開路動作する。単相運転では、通常、三相正常運転時の電流の約15%増しの電流がこの二相間に流れるからである。
【0047】
上述した三相誘導電動機3のS−T単相通電の状態で、例えば過負荷保護装置2Tが図6の破線の如く開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Tの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0048】
その後、過負荷保護装置2Tが閉路動作すると、S相−コンデンサ5C−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて接点5Aが閉路され、S相−コンデンサ5C−抵抗器5R−過負荷保護装置2R−開閉装置4−操作コイル1L−接点5A−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されるが、この回路の夫々の分担電圧は抵抗器5Rがその大半を受け持つように設定してあるため、電磁接触装置1の操作コイル1Lは動作するに必要な電圧が得られず、電磁接触装置1の接点1R、1S、1Tは開路状態が保持される。換言すれば、コンデンサ5C−抵抗器5R−操作コイル1Lの直列回路電流が流れるが、その電流が極めて小さく、電磁接触装置1の接点1R、1S、1Tの閉路動作に必要な操作コイル1Lのアンペアターンが得られない。従って、三相誘導電動機3の停止が維持される。
【0049】
一方、上述した三相誘導電動機3がS−T単相通電されている状態で、過負荷保護装置2Rが開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Rの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0050】
そして、その後に過負荷保護装置2Rが閉路動作した場合は、上述した過負荷保護装置2Tが閉路動作した場合と同様に動作し、接点5A及び接点1R、1S、1Tの開路状態が保持される。従って、三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0051】
このように、R相が途中欠相した場合には、三相誘導電動機3はまずS−T単相通電がなされて回転が継続され、過負荷保護装置2T又は過負荷保護装置2Rが一度開路動作することにより三相誘導電動機3への通電が断たれて回転が停止され、その後過負荷保護装置2T又は過負荷保護装置2Rが開閉動作しても三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0052】
S相が途中欠相した場合について図8を参照しながら説明する。
【0053】
S相が図8の×印で示すように途中欠相しても、R相−過負荷保護装置2R−抵抗器5R−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて継電器コイル5Lによる接点5Aの閉路動作が継続される。この回路は分担電圧の大半を抵抗器5Rが受け持つことにより継電器コイル5Lの分担電圧が小さく流れる電流が小さくなるが、接点5Aの閉路状態を継続するだけであれば継電器コイル5Lの分担電圧が小さくても接点5Aの閉路状態を継続することができる。これによって、R相−過負荷保護装置2R−開閉装置4−操作コイル1L−接点5A−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて操作コイル1Lによる接点1R、1S、1Tの閉路動作が継続される。その結果、R相−過負荷保護装置2R−接点1R−電動機巻線3R−電動機巻線3T−接点1T−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電される。三相誘導電動機3はR−T単相通電となるが、電動機巻線3Sと3Rに流れる電流で回転磁界が形成されているため、R−T単相通電であっても回転運動が継続される。
【0054】
この三相誘導電動機3のR−T単相通電の状態で、例えば過負荷保護装置2Rが図8の破線の如く開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Rの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0055】
その後、過負荷保護装置2Rが閉路動作すると、R相−過負荷保護装置2R−抵抗器5R−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電される。しかし、この回路の夫々の分担電圧は上述したように抵抗器5Rがその大半を受け持つように設定してあるため、継電器コイル5Lは接点5Aを閉路動作させるに必要な電圧が得られず、接点5Aは閉路されることなく開路したままとなる。換言すれば、接点5Aを閉路させる継電器コイル5Lの動作電圧は閉路した接点5Aの保持電圧よりはるかに大きいために、過負荷保護装置2Rの開路動作により継電器コイル5Lの通電が断たれて接点5Aが開路すると、抵抗器5Rを介した継電器コイル5Lの回路では接点5Aを閉路させる動作電圧が得られない。この接点5Aの回路状態これによって、操作コイル1Lに通電されない状態が維持され、接点1R、1S、1Tの開路状態が維持される。従って、三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0056】
一方、三相誘導電動機3がR−T単相通電されている状態で、過負荷保護装置2Tが開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Tの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0057】
そして、その後に過負荷保護装置2Tが閉路動作した場合は、上述した過負荷保護装置2Rが閉路動作した場合と同様に動作し、接点5A及び接点1R、1S、1Tの開路状態が維持される。従って、三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0058】
このように、S相が途中欠相した場合には、三相誘導電動機3はまずR−T単相通電がなされて回転が継続され、過負荷保護装置2R又は過負荷保護装置2Tが一度開路動作すると、三相誘導電動機3への通電が断たれて回転が停止され、その後過負荷保護装置2R又は過負荷保護装置2Tが開閉動作しても三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0059】
T相が途中欠相した場合について図9を参照しながら説明する。
【0060】
T相が図9の×印で示すように途中欠相しても、S相−コンデンサ5C−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−接点1T−電動機巻線3T−電動機巻線3R−接点1R−過負荷保護装置2R−R相の回路に通電されて継電器コイル5Lによる接点5Aの閉路動作が継続される。これによって、R相−過負荷保護装置2R−開閉装置4−操作コイル1L−接点5A−過負荷保護装置2T−電動機巻線3T−電動機巻線3S−接点1S−S相の自己保持回路に通電されて操作コイル1Lによる接点1R、1S、1Tの閉路状態が継続される。その結果、R相−過負荷保護装置2R−接点1R−電動機巻線3R−電動機巻線3S−接点1S−S相の回路に通電され、三相誘導電動機3はR−S単相通電で回転を継続する。
【0061】
この状態で、例えば過負荷保護装置2Rが図9の破線の如く開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Rの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0062】
その後、過負荷保護装置2Rが閉路動作すると、R相−過負荷保護装置2R−抵抗器5R−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−接点1T−電動機巻線3T−電動機巻線3S−接点1S−S相の回路に通電される。しかし、上述したように、この回路の夫々の分担電圧は抵抗器5Rがその大半を受け持つように設定してあるため、継電器コイル5Lは動作するに必要な電圧が得られず、接点5Aは閉路されることなく開路されたままとなる。これによって、操作コイル1Lに通電されない状態が維持され、接点1R、1S、1Tの開路状態が維持される。従って、三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0063】
一方、三相誘導電動機3がR−S単相通電されている状態で、過負荷保護装置2Tが開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Tの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0064】
そして、その後に過負荷保護装置2Tが閉路動作した場合は、上述した過負荷保護装置2Rが閉路動作した場合と同様に動作し、接点5A及び接点1R、1S、1Tの開路状態が維持される。従って、三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0065】
このように、T相が途中欠相した場合には、三相誘導電動機3はまずR−S単相通電がなされて回転が継続され、過負荷保護装置2R又は過負荷保護装置2Tが一度開路動作すると、三相誘導電動機3への通電が断たれて回転が停止され、その後過負荷保護装置2R又は過負荷保護装置2Tが開閉動作しても三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0066】
従って、本実施例によれば、いずれの相に欠相が生じても、三相誘導電動機3の単相拘束通電を1回限りとすることができると共に、過負荷保護装置2R又は2Tの寿命を損なうこともないので、高信頼性、高安全性の保護装置を提供することができる。
【0067】
次に、本発明の第2実施例を図10から図12を用いて説明する。この第2実施例は、次に述べる通り第1実施例と相違するものであり、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。
【0068】
この第2実施例では、第1実施例の回路に、送風装置11を構成する単相誘導電動機12に接続したものである。具体的には、単相誘導電動機12の一側を過負荷保護装置2R又は2Tを含む電源ラインR又はTの電源側に接続し、他側を過負荷保護装置2R又は2Tを含まぬ電源ラインSの接点1Sの三相誘導電動機3側に接続したものである。
【0069】
逆転防止装置5の接点5A及び電磁接触装置1の接点1R、1S、1Tが閉路動作すると、三相誘導電動機3が始動して運転すると同時に、単相誘導電動機12も始動して運転する。この時、単相誘導電動機12は過負荷保護装置2R、2Tを介することなく通電されるので、過負荷保護装置2R、2Tは単相誘導電動機12の電流を配慮することなく三相誘導電動機3の電流を配慮して電流特性を決定すればよい。これによって、過負荷保護装置2R、2Tの電流特性の決定が容易になると共に、三相誘導電動機3の保護をより確実に行なうことができる。
【0070】
この状態でR相が図11の×印に示すように途中欠相しても、第1実施例と同様に、逆転防止装置5の接点5A及び電磁接触装置1の接点1R、1S、1Tが閉路動作を継続し、三相誘導電動機3はS−T単相通電で回転を継続する。そして、T相−過負荷保護装置2T−接点1T−電動機巻線3T−電動機巻線3R−接点1R−過負荷保護装置2R−単相誘導電動機12−接点1S−S相の回路に通電されて単相誘導電動機12の回転が継続される。
【0071】
ここで過負荷保護装置2Tが図11の破線の如く開路動作すると、第1実施例と同様に、三相誘導電動機3の巻線3Tの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5L及び電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、夫々の接点5A及び接点1R、1S、1Tが開路動作する。これに伴って、単相誘導電動機12が同時にその回転を停止する。
【0072】
その後、過負荷保護装置2Tが開路状態から図11の実線の如く閉路動作しても、第1実施例と同様に、電磁接触装置1の操作コイル1Lに大きな電圧が印加されず、接点1R、1S、1Tが閉路動作しないので、三相誘導電動機3及び単相誘導電動機12は再通電されることがない。
【0073】
また、S相が図12の×印に示すように途中欠相しても、第1実施例と同様に、逆転防止装置5の接点5A及び電磁接触器1の接点1R、1S、1Tが閉路動作を継続し、三相誘導電動機3はR−T単相通電で回転を継続する。そして、R相−単相誘導電動機12−電動機巻線3S−電動機巻線3T−接点1T−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて単相誘導電動機12の回転が継続される。
【0074】
ここで、過負荷保護装置2Rが図12の破線の如く開路動作すると、第1実施例と同様に、三相誘導電動機3の巻線3Rの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5L及び電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、夫々の接点5A及び接点1R、1S、1Tが開路動作する。これに伴って、単相誘導電動機12が同時にその回転を停止する。
【0075】
その後、過負荷保護装置2Rが図12の破線の如く開路状態から閉路動作しても、第1実施例と同様に、逆転防止装置5の接点5Aが閉路動作せず、電磁接触装置1の操作コイル1Lに通電されないことから、接点1R、1S、1Tが閉路動作しない。また、単相誘導電動機12は接点1Sの三相誘導電動機3側と過負荷保護装置2Rの電源R側との間に接続されているので、接点1Sが開路された状態でS相から単相誘導電動機12を通して操作コイル1Lに通電されることがない。これらによって、三相誘導電動機3及び単相誘導電動機12には再通電されることがない。
【0076】
又、過負荷保護装置2Tが開路動作した後に閉路動作しても、過負荷保護装置2Rの動作同様に動作し、三相誘導電動機3と共に単相誘導電動機12は再通電されることがない。
【0077】
T相が途中欠相しても、電磁接触装置1及び逆転防止装置5が第1実施例と同様に動作をするので、上述したR相の途中欠相と同様の三相誘導電動機3及び単相誘導電動機12の動作が行なわれる。
【0078】
従って、第2実施例によれば、過負荷保護装置2R、2Tによる通常運転時の三相誘導電動機3の保護を単相誘導電動機12に係りなく確実に行ないつつ、いずれの相に欠相が生じても、三相誘導電動機3の単相拘束通電を1回限りとすることができると共に単相誘導電動機12の通電も1回限りとすることができ、過負荷保護装置2R又は2Tの寿命を損ねることもないので、高信頼性、高安全性の保護装置を提供できる。
【0079】
次に、本発明の第3実施例を図13を用いて説明する。この第3実施例は、次に述べる通り第2実施例と相違するものであり、その他の点については第2実施例と基本的には同一である。
【0080】
この第3実施例は、第2実施例の単相誘導電動機12の代りに電磁弁コイル15Lを接続したものである。この電磁弁コイル15Lは第2実施例の単相誘導電動機12と同じように通電されて動作する。
【0081】
従って、第3実施例によれば、過負荷保護装置2R、2Tによる通常運転時の三相誘導電動機3の保護を電磁弁コイル15Lに係りなく確実に行ないつつ、いずれの相に欠相が生じても三相誘導電動機3は単相拘束通電を1回限りとすることができると共に電磁弁コイル15Lの通電も1回限りとすることができ、過負荷保護装置2R又は2Tの寿命を損なうこともないので、高信頼性、高安全性の保護装置を提供することができる。
【0082】
次に、本発明の第4実施例を図14を用いて説明する。この第4実施例は、次に述べる通り第2実施例と相違するものであり、その他の点については第2実施例と基本的には同一である。
【0083】
この第4実施例は、単相誘導電動機12を三相誘導電動機3と共に過負荷保護装置2Rと2Tを含む電磁接触装置1の三相誘導電動機3側接点3R、3Tに並列に接続したことにより、過負荷保護装置2R及び2Tには三相誘導電動機3と単相誘導電動機12の両者の電流が流れるようにしたものである。
【0084】
その結果、過負荷保護装置2R、2Tは三相誘導電動機3の電流に単相誘導電動機12の電流を加算した上でその電流特性を決定しなければならない不都合が残るものの、両過負荷保護装置2R、2Tに同一電流が流れる関係から、例えば2つの過負荷保護装置2R、2Tを密閉形電動圧縮機6の外殻に取り付ける構造では同一特性の過負荷保護装置2R、2Tとすることができるため、少量多品種生産による弊害を回避することができる。
【0085】
また、冷凍サイクルの凝縮器8及び密閉形電動圧縮機6に送風して冷却作用をする送風装置11が何等かの理由によりファンロックが生じると、単相誘導電動機12には拘束電流が流れて単相誘導電動機12の巻線温度が上昇すると共に、送風装置11による密閉形電動圧縮機6の冷却作用がなくなって三相誘導電動機3の巻線温度が上昇する。なお、通常運転時の密閉形電動圧縮機6の冷却作用は、送風装置11による直接冷却作用と、凝縮器8が送風装置11で冷却されることにより冷凍サイクルが機能して低温となった戻り冷媒による冷却作用とがある。これらの冷却作用により密閉形電動圧縮機6は所定温度に保持されている。
【0086】
上述したファンロックに対して、この第4実施例の温度と電流を感知し動作する過負荷保護装置2R、2Tは、単相誘導電動機12の大きな拘束電流を感知すると共に、密閉形電動圧縮機6の外殻温度の上昇を感知するので、開路動作が速くなる。その結果、送風装置11のファンロック発生時等の単相誘導電動機12の過熱焼損防止はもとよりのこと、三相誘導電動機3の過熱焼損も防止することができる。
【0087】
従って、第4実施例によれば、送風装置11のファンロック発生時に単相誘導電動機12と共に三相誘導電動機3の過熱焼損を防止しつつ、いずれの相に欠相が生じても三相誘導電動機3は単相拘束通電を1回限りとすることができると共に、過負荷保護装置2R又は2Tの寿命を損なうこともないので、高信頼性、高安全性の保護装置を提供することができる。
【0088】
なお、単相誘導電動機12に何等かの保護装置を付帯していたものではこれを省略できる効果がある。
【0089】
次に、本発明の第5実施例を図15及び図16を用いて説明する。この第5実施例は、次に述べる通り第2実施例と相違するものであり、その他の点については第2実施例と基本的には同一である。
【0090】
この第5実施例は、単相誘導電動機12の一側を過負荷保護装置2Rを含む電磁接触装置1の接点1Rの三相誘導電動機3側に接続すると共に、他側を過負荷保護装置2Tを含まぬ電磁接触装置1の接点3Sの三相誘導電動機3側に並列に接続したものである。これにより、一方の過負荷保護装置2Rには三相誘導電動機3と単相誘導電動機12の両電流が流れ、他方の過負荷保護装置2Tには三相誘導電動機3のみの電流が流れる。
【0091】
又、この第5実施例では、図3(b)に示すように、一方の過負荷保護装置2Rを密閉形電動圧縮機6から離れた所の例えば電気品室等に取り付け、他方の過負荷保護装置2Tを密閉形電動圧縮機6の外殻に取り付けている。
【0092】
一対の過負荷保護装置2R、2Tの動作特性はその取り付け場所の周囲温度を加味して決定されるために、取り付け場所を異にすると、一般的には同一のものを用いることができないという問題があり、少量多品種生産になりがちであった。
【0093】
その具体的な理由を図16を用いて説明する。密閉形電動圧縮機6に取り付けた過負荷保護装置2Tに流れる電流と置かれる周囲温度の座標をA点とすると、密閉形電動圧縮機6から離れた所に取り付けられた過負荷保護装置2Rの電流と温度の座標はB点になり、夫々の過負荷保護装置2R、2Tの電流−温度の動作特性は少なくてもA点、B点で開路動作しないものが用いられるためである。
【0094】
そこで、この第5実施例は、図16に示すように、密閉形電動圧縮機6から離れた所に取り付けた過負荷保護装置2Rに三相誘導電動機3の電流Xと単相誘導電動機12の電流Yを加算した電流Zを流すことにより、この加算効果によって同一動作特性の過負荷保護装置2R、2Tに統合することができるようにしている。即ち、A点で開路動作しない過負荷保護装置2Tの電流−温度に対する最低作動電流をラインCとし、B点で開路動作しない過負荷保護装置2Rの電流−温度に対する最低作動電流をラインDとすると、本実施例ではラインDのものに統合することができる。
【0095】
その結果、過負荷保護装置2R、2Tの取り付け場所誤り等に基づく不具合発生をなくすことができる。
【0096】
従って、第5実施例によれば、過負荷保護装置2R、2Tを異なる所に設置しても取り付け場所誤り等に基づく不具合発生をなくすことができ、しかも、いずれの相に欠相が生じても三相誘導電動機3は単相拘束通電を1回限りとすることができると共に、過負荷保護装置2R又は2Tの寿命を損なうこともないので、高信頼性、高安全性の保護装置を提供することができる。
【0097】
次に、本発明の第6実施例を図17を用いて説明する。この第6実施例は、次に述べる通り第1実施例と相違するものであり、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。
【0098】
この第6実施例は、過負荷保護装置2R、2Tをヒータ2Hとバイメタル2Bを直列接続したものとし、ヒータ2Hを電源側に接続し、且つバイメタル2Bを三相誘導電動機3側に接続したものである。
【0099】
バイメタル2Bと直列にヒータ2Hを入れる理由は、バイメタル2Bの比抵抗に限界があり、バイメタル2Bのみに電流を通電したのでは目的とする反転動作温度が得られない場合、その不足する発熱量をヒータ2Hで補うためである。一般には最低動作電流が約数アンペアを境にそれより小さいものはヒータ2H付の過負荷保護装置2R、2Tにされる。このヒータ2Hにはニッケルクロム電熱線等が用いられ、最低作動電流の仕様によってその線径は0.3Φ〜1.3Φ程度のものから選ばれる。このヒータ2Hは抵抗溶接や銀ロー付け等の手段により端子に接続されているが、加工時のストレスや酸化等による断線が発生することがある。
【0100】
この第6実施例では、R相又はT相がヒータ2Hの断線で途中欠相しても、第1実施例のR相又はT相の欠相と同様に、三相誘導電動機3は夫々S−T単相通電又はR−S単相通電で回転を継続する。その後の過負荷保護装置2R又は2Tの開閉動作に対しても、第1実施例のR相又はT相の欠相と同様に保護動作が行なわれる。
【0101】
従って、第6実施例によれば、過負荷保護装置2R、2Tのヒータ2Hの断線及びいずれの相に欠相が生じても三相誘導電動機3は単相拘束通電を1回限りとすることができると共に、過負荷保護装置2R又は2Tの寿命を損なうこともないので、高信頼性、高安全性の保護装置を提供することができる。
【0102】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、いずれの相に欠相が生じても、三相誘導電動機の単相拘束通電を1回限りとすることができると共に、過負荷保護装置の寿命を損なうこともないので、高信頼性、高安全性の保護装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における保護装置の回路図である。
【図2】本発明の第1実施例を適用した冷凍装置の構成図である。
【図3】図2の冷凍装置に用いる密閉形電動圧縮機における過負荷保護装置の据付例を示す図である。
【図4】図1の逆転防止防止装置の原理説明図である。
【図5】図1の逆転防止防止装置の原理説明図である。
【図6】図1のR相欠相時の回路図である。
【図7】図6のR相欠相時の逆転防止装置の動作原理説明図である。
【図8】図1のS相欠相時の回路図である。
【図9】図1のT相欠相時の回路図である。
【図10】本発明の第2実施例における保護装置の回路図である。
【図11】図10のR相欠相時の回路図である。
【図12】図10のS相欠相時の回路図である。
【図13】本発明の第3実施例における保護装置の回路図である。
【図14】本発明の第4実施例における保護装置の回路図である。
【図15】本発明の第5実施例における保護装置の回路図である。
【図16】図15の保護装置の動作特性図である。
【図17】本発明の第6実施例における保護装置の回路図である。
【図18】従来の保護装置の回路図である。
【符号の説明】
1…電磁接触装置、1L…操作コイル、1R、1S、1T…接点、2B…バイメタル、2C…可動接点、2H…ヒータ、2N…中性点端子、2R、2T…過負荷保護装置、3…三相誘導電動機、3R、3S、3T…電動機巻線、4…開閉装置、5…逆転防止装置、5A…接点、5C…コンデンサ、5L…継電器コイル、5R…抵抗器、5Y…電磁継電器、6…密閉形電動圧縮機、7…電装品カバー、8…凝縮器、9…蒸発器、10…膨張機構、11…送風装置、12…単相誘導電動機、13、14…ファン、15…電磁弁、15L…電磁弁コイル。

Claims (7)

  1. 三相誘導電動機を用いた密閉形電動圧縮機と、前記三相誘導電動機の三相電源の全ラインに接点を接続した電磁接触装置と、この接点より電源側の二つの電源ラインに接続したバイメタル式過負荷保護装置と、抵抗器、コンデンサ及び継電器コイルを前記各電源ライン間に接続した逆転防止装置とを備え、
    前記過負荷保護装置を接続した電源ライン間に電磁接触装置の操作コイルを前記継電器コイルの接点を介して接続すると共に、
    前記過負荷保護装置の一方を接続した電源ラインに前記抵抗器を接続し、
    前記過負荷保護装置の他方を接続した電源ラインに前記継電器コイルを接続し、
    残りの前記電源ラインに前記コンデンサを接続した密閉形電動圧縮機の保護装置において、
    前記過負荷保護装置のうちの一方の過負荷保護装置の中性点端子に前記操作コイルの一側を接続すると共に、前記過負荷保護装置のうちの他方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記操作コイルの他側を接続し、
    前記一方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記抵抗器を接続すると共に、前記他方の過負荷保護装置の中性点端子に前記継電器コイルを接続したことを特徴とする密閉形電動圧縮機の保護装置。
  2. 請求項1において、前記他方の過負荷保護装置の中性点端子に前記継電器コイルを接続したことを特徴とする密閉形電動圧縮機の保護装置。
  3. 請求項1または2において、前記二つの過負荷保護装置は、同じ特性のものを用いると共に、前記密閉形電動圧縮機の外殻に並置して取り付けたことを特徴とする密閉形電動圧縮機の保護装置。
  4. 請求項1から3の何れかにおいて、ヒータとバイメタルを直列接続して前記過負荷保護装置を形成し、前記過負荷保護装置のヒータ側を電源側に接続すると共にバイメタル側を電動機側に接続したことを特徴とする密閉形電動圧縮機の保護装置。
  5. 三相誘導電動機を用いた密閉形電動圧縮機を含む冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルの一部に通風する単相誘導電動機を用いた送風装置と、前記三相誘導電動機の三相電源の全ラインに接点を接続した電磁接触装置と、この接点より電源側の二つの電源ラインに接続したバイメタル式過負荷保護装置と、抵抗器、コンデンサ及び継電器コイルを前記各電源ライン間に接続した逆転防止装置とを備え、
    前記過負荷保護装置を接続した電源ライン間に電磁接触装置の操作コイルを前記継電器コイルの接点を介して接続すると共に、
    前記過負荷保護装置の一方を接続した電源ラインに前記抵抗器を接続し、
    前記過負荷保護装置の他方を接続した電源ラインに前記継電器コイルを接続し、
    残りの前記電源ラインに前記コンデンサを接続した冷凍装置の保護装置において、
    前記過負荷保護装置のうちの一方の過負荷保護装置の中性点端子に前記操作コイルの一側を接続すると共に、前記過負荷保護装置のうちの他方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記操作コイルの他側を接続し、
    前記一方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記抵抗器を接続すると共に、前記他方の過負荷保護装置の中性点端子に前記継電器コイルを接続し、
    前記二つの電源ラインの間に前記単相誘導電動機を接続したことを特徴とする冷凍装置の保護装置。
  6. 請求項5において、前記単相誘導電動機の一側を前記過負荷保護装置を含む電源ラインの電磁接触装置の接点より電動機側に接続すると共に、前記単相誘導電動機の他側を過負荷保護装置を含まぬ電源ラインの電磁接触装置の接点より電動機側に接続し、且つ前記一方の過負荷保護装置を前記密閉形電動圧縮機から離れた所に取り付け、前記他方の過負荷保護装置を前記密閉形電動圧縮機の外殻に取り付けたことを特徴とする冷凍装置の保護装置。
  7. 密閉形電動圧縮機に収納した三相誘導電動機の三相電源の全ラインに接点を接続した電磁接触装置と、この接点より電源側の二つの電源ラインに接続したバイメタル式過負荷保護装置と、抵抗器、コンデンサ及び継電器コイルを前記各電源ライン間に接続した逆転防止装置とを備え、
    前記過負荷保護装置を接続した電源ライン間に電磁接触装置の操作コイルを前記継電器コイルの接点を介して接続すると共に、
    前記過負荷保護装置の一方を接続した電源ラインに前記抵抗器を接続し、
    前記過負荷保護装置の他方を接続した電源ラインに前記継電器コイルを接続し、
    残りの前記電源ラインに前記コンデンサを接続した密閉形電動圧縮機用保護装置において、
    前記過負荷保護装置のうちの一方の過負荷保護装置の中性点端子に前記操作コイルの一側を接続すると共に、前記過負荷保護装置のうちの他方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記操作コイルの他側を接続し、
    前記他方の過負荷保護装置の中性点端子に前記継電器コイルを接続すると共に、前記一方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記抵抗器を接続したことを特徴とする密閉形電動圧縮機用保護装置。
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