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JP4016582B2 - 動力伝達系の試験装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、動力伝達系(パワートレイン)の試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の動力伝達系(パワートレイン)の生産ラインでは、最終品質確認のため、性能試験が行われる。ところで、自動車の動力伝達系の主な故障原因の一つに、エンジンの爆発トルクリップルがあり、この爆発トルクリップルはエンジンの各気筒における燃焼状態の微妙なバラツキによって発生する。ダイナモメータでは爆発トルクリップルのような微小なオーダのトルク制御は困難であるため、爆破トルクリップルの試験では動力伝達系をエンジンにより駆動するようにしていた。しかし、エンジン駆動による動力伝達系の試験の場合、エンジン周囲の条件変化が試験結果に影響するため、再現性に乏しかった。特に、長時間の耐久試験では安全性に難点があり、エンジン故障で試験が中断される恐れがあった。
【0003】
そこで、エンジンを用いずに、爆発トルクリップルを模擬したトルクリップルを発生させる機能を有し、爆発トルクリップルの試験を行うことができる動力伝達系の試験装置が実用新案登録第2584924号により提案された。この提案を図3により説明する。図において、1は被試験機である動力伝達系であり、動力伝達系1は誘導モータ2により駆動され、その出力は負荷部3により吸収される。インバータ4は三相電源5に接続され、誘導モータ2を駆動制御する。インバータ4を制御するインバータ制御部6においては、基準信号波発生回路7が三相の基準信号波を発生し、三角波発生回路8は搬送波となる三角波を発生する。PWM変調回路9は三角波に基づいて基準信号波をPWM変調し、インバータ6の主回路に対する制御パルス信号を発生する。
【0004】
上記した動力伝達系の試験装置においては、基準信号波発生回路7から発生する基準信号の振幅、位相をずらしたり、直流成分を重畳したりして、基準信号波に歪みを生じさせ、これによって誘導モータ2の出力トルクにリップル成分を発生させ、このトルクリップル成分をエンジンの爆発トルクリップルの疑似成分として動力伝達系1の各種性能試験を行う。
【0005】
上記装置においては、エンジンの爆発振動を再現する加振制御を行っているが、同様に従来技術について図4により説明する。図4において、試験対象である動力伝達系1の入力側には入力側ダイナモメータ10が接続されるとともに、動力伝達系の出力側には出力側ダイナモメータ11が接続されている。関数発生器12には加振周波数(爆発振動周波数、動力伝達系1の入力軸回転数と模擬するエンジンの気筒数により決定される。)と加振振幅設定器13により設定された加振振幅とが入力され、この周波数と振幅の加振トルク指令信号が加算器14に入力される。
【0006】
加算器14には入力側ダイナモメータ10のトルク指令信号であるベーストルク指令信号も入力され、ベーストルク指令信号に加振トルク指令信号が加算され、トルク指令信号としてインバータ4を制御し、これに応じてインバータ4は入力側ダイナモメータ10を駆動し、入力側ダイナモメータ10にトルクリップルを発生させていた。この場合の共振比特性カーブは図4中に示した通りであり、共振比特性カーブは加振周波数と共振比(入力側ダイナモメータ10の検出トルクと指令トルクの比)との関係で示され、共振比が1よりかなり大きくなることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の動力伝達系の試験装置においては、入力側ダイナモメータ10(誘導モータ2も含む。)のトルク制御指令に対して、加振指令をフィードフォワード要素として与えているが、入力側ダイナモメータ10、動力伝達系1及び出力側ダイナモメータ11(負荷部3も含む。)からなる実際のシステムは加振周波数及びベーストルク指令をパラメータとした機械的な共振特性を有しており、上記した加振制御回路では必ずしも意図する加振振幅が得られるとは限らず、加振周波数による共振現象の影響を回避することができず、共振比が1よりかなり大きくなることがあり、動力伝達系1などの破損の恐れも生じた。
【0008】
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、意図する加振現象を引き起こすことができ、加振周波数による共振現象により動力伝達系及びその駆動部、負荷部に破損が生じるのを防止することができる動力伝達系の試験装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る動力伝達系の試験装置は、駆動部のベーストルク指令信号、加振周波数及び加振振幅を種々変化させて出力する手段と、このうちの加振周波数と加振振幅が入力され、この加振周波数及び加振振幅の加振トルク指令信号を出力する手段と、この加振トルク指令信号とベーストルク指令信号とを加算してトルク指令信号を作成し、このトルク指令信号を駆動部に与えて駆動部に回転振動を発生させる手段と、このときの駆動部のトルクを検出するトルク検出手段と、トルク検出手段からの検出トルクを入力され、周波数解析を行う周波数解析部と、周波数解析部からの解析結果を入力され、ベーストルク及び加振周波数をパラメータとした共振比の変化、即ち共振比の特性カーブを事前に作成し、記憶する手段と、加振運転時において設定したベーストルク指令信号と算出した加振周波数と事前に収録した共振比特性カーブとから共振比を求める手段と、設定された加振振幅と共振比の逆数を入力され、乗算により補正加振振幅を求める手段と、算出した加振周波数と補正加振振幅が入力され、この周波数及び振幅の加振トルク指令信号を出力する手段と、この加振トルク指令信号と設定されたベーストルク指令信号とを加算して得たトルク指令信号を駆動部に与えて駆動部に回転振動を発生させる手段とを備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面とともに説明する。図1はこの実施形態による動力伝達系の試験装置の構成を示し、15は制御演算を行うコンピュータ制御装置、16は設定可振振幅と1/共振比を乗算する乗算器、17は入力側ダイナモメータ10の検出トルクを入力され、周波数解析を行うFFTアナライザである。その他の構成は従来と同様である。
【0011】
次に、上記構成の動作を説明する。加振制御を行う際、被試験機である動力伝達系1をセットした状態で事前に共振特性収録運転を行う。即ち、コンピュータ制御装置15からベーストルク指令信号、加振周波数及び加振振幅が種々変化させて出力され、関数発生器12にはこのうちの加振周波数と加振振幅が入力され、この加振周波数及び加振振幅の加振トルク指令信号が加算器14に入力される。加算器14には入力側ダイナモメータ10の基本的なトルク指令信号であるベーストルク指令信号も入力され、ベーストルク指令信号に加振トルク指令信号が加算され、インバータトルク指令信号としてインバータ4に入力される。これに応じて、インバータ4は入力側ダイナモメータ10を駆動し、入力側ダイナモメータ10に回転振動を与える。このときの入力側ダイナモメータ10のトルクが検出されてFFTアナライザ17に入力され、FFTアナライザ17は周波数解析をし、その結果をコンピュータ制御装置15に入力する。こうして、特性収録運転が行われ、コンピュータ制御装置15において図2に示すようにベーストルク及び加振周波数をパラメータとした共振比(入力側ダイナモメータ10における検出トルクと指令トルクの比)の変化、即ち共振比特性カーブが作成され、記憶される。
【0012】
次に、実際の加振運転時には、図示しないベーストルク設定器からの現在のベーストルク指令信号と、図示しない加振周波数算出部において動力伝達系1の入力回転数と模擬エンジンの気筒数から算出した加振周波数をコンピュータ制御装置15に入力し、事前に収録した共振比特性カーブから共振比を求め、その逆数を乗算器16に出力する。乗算器16では加振振幅設定器13により設定された加振振幅と共振比の逆数を入力され、その乗算を行うことにより補正加振振幅を求め、関数発生器12に出力する。関数発生器12では上記した加振周波数と補正加振振幅が入力され、この周波数と振幅の加振トルク指令信号が加算器14に出力され、ベーストルク指令信号と加算されてインバータトルク指令信号としてインバータ4に加えられる。これに応じてインバータ4は入力側ダイナモメータ10を駆動し、入力側ダイナモメータ10に回転振動を発生させ、トルクリップルを発生させる。
【0013】
上記実施形態においては、事前に共振特性収録運転を行ってベーストルクと加振周波数をパラメータとした共振比特性カーブを得ており、実際の加振運転時にはこの共振比特性カーブから共振比を求め、共振比の逆数と加振振幅から補正加振振幅を求め、この補正加振振幅を関数発生器12に加え、このとき加算器14から出力されたインバータトルク指令信号によりインバータ4を制御し、入力側ダイナモメータ10にトルクリップルを発生させている。従って、設定加振振幅に共振比の逆数を乗算したので、検出レベルで共振比を常に1とすることができ、設定通りの加振現象を引き起こすことができ、予期しない振動による動力伝達系1や各ダイナモメータ10,11の破損を防止することができる。
【0014】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、共振比の逆数と加振振幅との乗算により補正加振振幅を求め、この補正加振振幅を加振トルク指令信号発生部に加えるようにしており、共振比を常に1にすることができ、設定通りの加振現象を引き起こすことができ、加振周波数による共振現象によって動力伝達系駆動部、負荷部が破損するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による動力伝達系の試験装置の構成図である。
【図2】この発明による共振比特性カーブである。
【図3】従来装置の構成図である。
【図4】他の従来装置の構成図である。
【符号の説明】
1…動力伝達系
4…インバータ
10…入力側ダイナモメータ
11…出力側ダイナモメータ
12…関数発生器
13…加振振幅設定器
14…加算器
15…コンピュータ制御装置
16…乗算器
17…FFTアナライザ

Claims (1)

  1. 動力伝達系の入力側に駆動部を接続するとともに、動力伝達系の出力側に負荷部を接続し、動力伝達系の性能試験を行う動力伝達系の試験装置において、駆動部のベーストルク指令信号、加振周波数及び加振振幅を種々変化させて出力する手段と、このうちの加振周波数と加振振幅が入力され、この加振周波数及び加振振幅の加振トルク指令信号を出力する手段と、この加振トルク指令信号とベーストルク指令信号とを加算してトルク指令信号を作成し、このトルク指令信号を駆動部に与えて駆動部に回転振動を発生させる手段と、このときの駆動部のトルクを検出するトルク検出手段と、トルク検出手段からの検出トルクを入力され、周波数解析を行う周波数解析部と、周波数解析部からの解析結果を入力され、ベーストルク及び加振周波数をパラメータとした共振比の変化、即ち共振比の特性カーブを事前に作成し、記憶する手段と、加振運転時において設定したベーストルク指令信号と算出した加振周波数と事前に収録した共振比特性カーブとから共振比を求める手段と、設定された加振振幅と共振比の逆数を入力され、乗算により補正加振振幅を求める手段と、算出した加振周波数と補正加振振幅が入力され、この周波数及び振幅の加振トルク指令信号を出力する手段と、この加振トルク指令信号と設定されたベーストルク指令信号とを加算して得たトルク指令信号を駆動部に与えて駆動部に回転振動を発生させる手段とを備えたことを特徴とする動力伝達系の試験装置。
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