JP4016866B2 - 変速機の油圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベルト式無段変速機の変速比を制御する構成の、変速機の油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧制御式の変速機においては、油圧室に供給されるオイル量を制御することにより、変速機の変速比を制御する技術が知られている。このような油圧制御式の変速機の一例が、特開2001−12590号公報(特許文献1)に記載されている。この公報に記載されている変速機はベルト式無段変速機であり、このベルト式無段変速機は、プライマリプーリおよびセカンダリプーリと、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに巻き掛けられたベルトとを有している。また、プライマリプーリに対応して油圧アクチュエータが配置されており、この油圧アクチュエータは油圧室を有する。
【0003】
また、変速機の油圧回路には、プライマリレギュレータバルブ、セカンダリレギュレータバルブ、レシオコントロールバルブが設けられており、プライマリレギュレータバルブによりライン圧が調圧され、セカンダリレギュレータバルブによりセカンダリ圧が調圧される。そして、レシオコントロールバルブ用リニアソレノイドバルブからの信号圧により、レシオコントロールバルブが制御されて、レシオコントロールバルブの出力ポートからの油圧が、プライマリプーリの油圧アクチュエータの油圧室に供給されて、CVTの変速比が制御される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−12590号公報(段落番号0020ないし段落番号0033、図1および図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の公報に記載されている油圧制御装置においては、プライマリプーリの油圧アクチュエータの油圧室と、この油圧室に連通する油路の油圧との対応関係に起因して、油圧室に供給されるオイル量、または油圧室から排出されるオイル量が、レシオコントロールバルブ用ソレノイドバルブの信号圧に応じたオイル量にならない可能性があった。その結果、油圧室に供給されるオイル量の制御性、または油圧室から排出されるオイル量の制御性が低下する恐れがあった。
【0006】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、油圧室におけるオイル量の制御性が低下することを抑制することのできる変速機の油圧制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、プライマリプーリおよびセカンダリプーリにベルトを巻き掛けたベルト式無段変速機と、オイルが供給・排出されて前記ベルト式無段変速機の変速比を制御する油圧室と、入力ポートから出力ポートを経由して前記油圧室に供給されるオイル量、および前記油圧室から出力ポートを経由してドレーンポートに排出されるオイル量を制御する流量制御弁とを有する、変速機の油圧制御装置において、前記流量制御弁は、弁体が正方向に動作した場合に、前記出力ポートを経由して前記油圧室に供給されるオイル量が増加し、かつ、前記油圧室から前記ドレーンポートに排出されるオイル量が減少する一方、前記弁体が逆方向に動作した場合に、前記出力ポートから前記油圧室に供給されるオイル量が減少し、かつ、前記油圧室から前記ドレーンポートに排出されるオイル量が増加するように構成されており、前記弁体を正逆方向に動作させる信号圧を出力するオイル量制御機構と、前記出力ポートと前記油圧室とを接続する油路と、この油路に配置されたオリフィスとが設けられており、前記油路におけるオリフィスと出力ポートとの間の油圧の方が、前記油路における前記油圧室とオリフィスとの間の油圧よりも高い場合は、前記油路におけるオリフィスと出力ポートとの間の油圧を前記弁体に伝達し、その弁体を前記逆方向に付勢する付勢力を発生する第1のフィードバックポートと、前記油路における前記油圧室とオリフィスとの間の油圧の方が、前記油路におけるオリフィスと出力ポートとの間の油圧よりも高い場合は、前記油路における前記油圧室とオリフィスとの間の油圧を前記弁体に伝達し、その弁体を前記正方向に付勢する付勢力を発生する第2のフィードバックポートとを有する付勢力制御機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1の発明によれば、流量制御弁は、弁体が正方向に動作した場合に、出力ポートを経由して油圧室に供給されるオイル量が増加し、かつ、油圧室からドレーンポートに排出されるオイル量が減少する。一方、前記弁体が逆方向に動作した場合に、前記出力ポートから前記油圧室に供給されるオイル量が減少し、かつ、前記油圧室から前記ドレーンポートに排出されるオイル量が増加する。そして、油圧室に供給されるオイル量、および油圧室からドレーンポートに排出されるオイル量が制御されて、ベルト式無段変速機の変速比が制御される。また、油路における前記出力ポートとオリフィスとの間の油圧の方が、前記油路におけるオリフィスと油圧室との間の油圧よりも高い場合は、前記弁体が逆方向に動作される。これに対して、油路におけるオリフィスと油圧室との間の油圧の方が、前記油路における前記出力ポートとの間の油圧よりも高い場合は、前記弁体が正方向に動作される。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記ベルト式無段変速機は、前記油圧室にオイル量が供給されて前記変速比が小さくなる変速が実行される構成と、前記油圧室からオイルが排出されて前記変速比が大きくなる変速が実行される構成とを有していることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、油圧室にオイル量が供給されてベルト式無段変速機の変速比が小さくなる一方、油圧室からオイルが排出されてベルト式無段変速機の変速比が大きくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図1は、この発明の油圧制御装置1により、車両用のベルト式無段変速機2を制御するように構成した場合の概念図である。ベルト式無段変速機2は、プライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4を有しており、プライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4にはベルト5が巻き掛けられている。プライマリプーリ3には駆動力源(図示せず)が動力伝達可能に連結され、セカンダリプーリ4には車輪(図示せず)が動力伝達可能に連結される。また、プライマリプーリ3は、軸線方向に動作可能な可動シーブと、軸線方向に動作しない固定シーブとを有している。そして、プライマリプーリ3の溝幅を制御する第1の油圧室6が設けられている。また、セカンダリプーリ4は、軸線方向に動作可能な可動シーブと、軸線方向に動作しない固定シーブとを有している。また、セカンダリプーリ4の溝幅を制御する第2の油圧室7が設けられている。
【0014】
上記構成において、駆動力源のトルクがプライマリプーリ3に伝達されると、プライマリプーリ3のトルクがベルト5を経由してセカンダリプーリ4に伝達され、セカンダリプーリ4のトルクが車輪に伝達されて駆動力が発生する。また、第1の油圧室6のオイル量に基づいて、プライマリプーリ3の溝幅が制御されて、プライマリプーリ3におけるベルト5の巻き掛け径が変化して、ベルト式無段変速機2の変速比が制御される。さらに、第2の油圧室7の油圧に基づいて、セカンダリプーリ4からベルト5に加えられる挟圧力が変化し、ベルト式無段変速機2で伝達されるトルク容量が制御される。
【0015】
前記油圧制御装置1は、第1の油圧室6に供給されるオイル量、および第2の油圧室7に伝達される油圧を制御する機能を有している。以下、油圧制御装置1の構成を説明する。油圧制御装置1は油路8を有し、この油路8はオイルポンプ(図示せず)の吐出口に接続されている。このオイルポンプを、駆動力源、例えば、エンジンまたは電動機により駆動する構成を採用可能である。そして、この油路8と第2の油圧室7とが油路9により接続されている。また、第1の油圧室6に接続する油路10が形成されており、油路10と油路8との接続部分にレシオコントロールバルブ11が設けられている。
【0016】
このレシオコントロールバルブ11は、図1において上下方向に動作可能なスプール12と、スプール12に付勢力を与える弾性部材13,14とを有している。一方の弾性部材13により、スプール12を下向きに付勢する付勢力F1が生じるとともに、他方の弾性部材14により、スプール12を上向きに付勢する付勢力F2が生じる。つまり、付勢力F1の向きと付勢力F2の向きとは逆である。なお、弾性部材13,14としてばねを用いる場合、そのばね定数は同一に設定される。
【0017】
また、レシオコントロールバルブ11は、第1の信号圧ポート15および第2の信号圧ポート16を有している。そして、第1のリニアソレノイドバルブ17の信号圧が第1の信号圧ポート15に入力される。この第1のリニアソレノイドバルブ17は、電磁コイルへの通電電流値が最低値に制御された場合に、出力される信号圧が最低となるように構成されたバルブ、いわゆるノーマルクローズ形式のバルブである。なお、第1のポート15に入力される信号圧により、スプール12を下向きに付勢する付勢力F1が発生する。
【0018】
これに対して、第2のリニアソレノイドバルブ18の信号圧が第2の信号圧ポート16に入力される。この第2のリニアソレノイドバルブ18は、電磁コイルへの通電電流値が最低値に制御された場合に、出力される信号圧が最低となるように構成されたバルブ、いわゆるノーマルクローズ形式のバルブである。なお、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧により、スプール12を上向きに付勢する付勢力F2が発生する。
【0019】
さらに、レシオコントロールバルブ11は、第1のフィードバックポート19および第2のフィードバックポート20を有しているとともに、レシオコントロールバルブ11は、入力ポート21および出力ポート22およびドレーンポート23を有している。そして、前記油路8と入力ポート21とが接続され、出力ポート22と油路10とが接続されている。さらに、ドレーンポート23にはオイルパンが連通されている。
【0020】
前記油路10にはオリフィス24が設けられており、油路10であって、出力ポート22とオリフィス24との間の箇所と、前記第1のフィードバックポート19とを接続する油路25が形成されている。この第1のフィードバックポート19の油圧に応じて、スプール12を下向きに付勢する付勢力F1が発生する。また、油路10であって、第1の油圧室6とオリフィス24との間の箇所と、前記第2のフィードバックポート20とを接続する油路26が形成されている。この第2のフィードバックポート20の油圧に応じて、スプール12を上向きに付勢する付勢力F2が発生する。
【0021】
上記構成の油圧制御装置1の機能を説明する。まず、オイルパン(図示せず)のオイルがオイルポンプにより吸引されて、オイルポンプから吐出されたオイルが油路8に供給される。油路8の油圧(ライン圧)PLは調圧弁により調圧される。油路8のオイルの一部は油路9に供給されるとともに、調圧弁(図示せず)により油圧が調圧されて、その油圧が第2の油圧室7に伝達される。このようにして、ベルト式無段変速機2のトルク容量が制御される。なお、ベルト式無段変速機2のトルク容量は、第2の油圧室7の油圧により制御されるが、その第2の油圧室7の油圧はオイルにより変化するため、第2の油圧室7に供給されるオイル量も、トルク容量に関与していると言える。
【0022】
一方、ベルト式無段変速機2の変速制御は、レシオコントロールバルブ12によりおこなわれる。まず、減速制御、つまり、ベルト式無段変速機2の変速比が大きくなるような変速制御を実行する場合は、第1の信号圧ポート15に入力される信号圧を、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧よりも高く設定する。すると、スプール12が図1において下向きに動作して、入力ポート21と出力ポート22との連通面積が減少し、かつ、出力ポート22とドレーンポート23との連通面積が増大する。その結果、第1の油圧室6のオイルがドレーンされ、プライマリプーリ3の溝幅が増加し、プライマリプーリ3におけるベルト5の巻き掛け半径が小さくなり、ベルト式無段変速機2の変速比が大きくなる変速が実行される。
【0023】
つぎに、増速制御、つまり、ベルト式無段変速機2の変速比が小さくなるような変速制御を実行する場合は、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧を、第1の信号圧ポート15に入力される信号圧よりも高く設定する。すると、スプール12が図1において上向きに動作して、入力ポート21と出力ポート22との連通面積が増加し、かつ、出力ポート22とドレーンポート23との連通面積が減少する。その結果、油路8から第1の油圧室6に供給されるオイル量が増加して、プライマリプーリ3の溝幅が狭められ、プライマリプーリ3におけるベルト5の巻き掛け半径が大きくなり、ベルト式無段変速機2の変速比が小さくなるように変速が実行される。
【0024】
さらに、変速比を略一定に制御する場合は、第1の信号圧ポート15に入力される信号圧と、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧とが同一に制御される。例えば、第1のリニアソレノイドバルブ17および第2のリニアソレノイドバルブ18に対して、共に電流を供給しない制御を実行すると、第1の信号圧ポート15に入力される信号圧と、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧とが同一、具体的には最低圧となる。
【0025】
このようにして、第1の信号圧ポート15に入力される信号圧と、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧とが同一に制御された場合は、弾性部材13により生じる付勢力F1と、弾性部材14により生じる付勢力F2とが相殺されて、スプール12が所定の中立位置で停止する。すると、ポート21,22,23が全て遮断されて、油路8のオイルは第1の油圧室6には供給されず、かつ、第1の油圧室6のオイルはドレーンポート23からはドレーンされない。したがって、第1の油圧室6のオイル量が略一定に制御されて、ベルト式無段変速機2の変速比が固定される。第1の油圧室6のオイル量を略一定に制御する制御を、「とじ込み制御」と呼ぶ。
【0026】
このように、第1の油圧室6のオイル量、具体的には、第1の油圧室6に供給するオイル量、および第1の油圧室6から排出するオイル量は、基本的には、第1のリニアソレノイドバルブ17および第2のリニアソレノイドバルブ18から出力される信号圧に基づいて制御される。ところで、油路8の油圧、第1の油圧室6の油圧によっては、第1の油圧室6のオイル量を、上記の信号圧では適切に制御できなくなる可能性もある。
【0027】
例えば、増速制御を実行する場合において、第1の油圧室6の油圧が所定値以上であると、入力ポート21と出力ポート22との連通面積に関わりなく、第1の油圧室6のオイル量は増加しにくくなる。その結果、増速速度が低下する可能性がある。一方、減速制御を実行する場合において、第1の油圧室6の油圧が所定値以上であると、出力ポート22とドレーンポート23との連通面積に関わりなく、第1の油圧室6のオイル量は急激に減少する。その結果、減速速度が急激に増加する可能性がある。
【0028】
一方、ベルト式無段変速機2の変速比を固定する場合においても、第1の油圧室6のシール部分から所定量のオイル漏れがあり、変速比を一定に制御するために、増速時と同様に、油路8から第1の油圧室6にオイルを供給して、オイルの漏れ量とオイルの供給量とを略一致させる制御を実行することが可能である。しかしながら、この場合も増速制御時と同様の理由により、第1の油圧室6にオイルを供給しにくくなり、変速比が変化してしまう可能性がある。
【0029】
これに対して、図1の油圧制御装置1によれば、このような不具合を解消することができる。まず、ベルト式無段変速機2の減速制御時には、第1の油圧室6のオイルがオイルパンにドレーンされる。ここで、出力ポート22とオリフィス24との間の油路の油圧Pin1よりも、オリフィス24と第1の油圧室6との間の油路の油圧Pin2の方が高ければ、第1の油圧室6から排出されるオイル量は増加傾向となる。そして、第1のフィードバックポート19に伝達される油圧Pin1よりも第2のフィードバックポート20に伝達される油圧Pin2の方が高いと、スプール12が図1において上向きに付勢されて、第1の油圧室6のオイル量が急激に減少することを抑制できる。
【0030】
また、ベルト式無段変速機2の減速制御時に、出力ポート22とオリフィス24との間の油路の油圧Pin1よりも、オリフィス24と第1の油圧室6との間の油路の油圧Pin2の方が低ければ、第1の油圧室6から排出されるオイル量は減少傾向となる。そして、第1のフィードバックポート19に伝達される油圧Pin1よりも第2のフィードバックポート20に伝達される油圧Pin2の方が低いと、スプール12が図1において下向きに付勢されて、第1の油圧室6から排出されるオイル量の増加を促進することができる。
【0031】
一方、ベルト式無段変速機2の増速制御時には、出力ポート22とオリフィス24との間の油路の油圧Pin1の方が、オリフィス24と第1の油圧室6との間の油路の油圧Pin2よりも高ければ、第1の油圧室6に供給されるオイル量は増加傾向となる。そして、第1のフィードバックポート19に伝達される油圧Pin1の方が第2のフィードバックポート20に伝達される油圧Pin2よりも高いと、スプール12が図1において下向きに付勢されて、第1の油圧室6のオイル量が急激に増加することを抑制できる。
【0032】
また、ベルト式無段変速機2の増速制御時に、出力ポート22とオリフィス24との間の油路の油圧Pin1よりも、オリフィス24と第1の油圧室6との間の油路の油圧Pin2の方が高ければ、第1の油圧室6に供給されるオイル量は減少傾向となる。そして、第1のフィードバックポート19に伝達される油圧Pin1よりも第2のフィードバックポート20に伝達される油圧Pin2の方が高いと、スプール12が図1において上向きに付勢されて、第1の油圧室6に供給されるオイル量の増加を促進することができる。
【0033】
このように、第1の油圧室6に供給されるオイル量、および第1の油圧室6から排出されるオイル量は、第1のリニアソレノイドバルブ17から出力される信号圧Psol 1および第2のリニアソレノイドバルブ18から出力される信号圧Psol 2の他に、第1のフィードバックポート19および第2のフィードバックポート20に伝達される油圧によっても変化する構成となっている。したがって、減速制御時には、油圧Pin2から油圧Pin1を減じた値が、所望の値(第1の油圧室6から排出されるオイル量が所期の量となるような値)となるように、第1のリニアソレノイドバルブ17の信号圧Psol 1と、第2のリニアソレノイドバルブ17の信号圧Psol 2との対応関係を制御することにより、減速制御時における減速速度を、任意の値に設定することができ、ドライバビリティが向上する。
【0034】
また、増速制御時には、油圧Pin1から油圧Pin2を減じた値が、所望の値(第1の油圧室6に供給されるオイル量が所期の量となるような値)となるように、第1のリニアソレノイドバルブ17の信号圧Psol 1と、第2のリニアソレノイドバルブ17の信号圧Psol 2との対応関係を制御することにより、増速制御時における増速速度を、任意の値に設定することができ、ドライバビリティが向上する。
【0035】
さらに、ベルト式無段変速機2の変速比を固定する場合には、増速制御時と同様の理由により、第1の油圧室6から漏れるオイル量と、第1の油圧室6に供給されるオイル量とを、略一致させることができる。したがって、プライマリプーリ3の可動シーブが必要以上にストロークすることによるオイル消費量の無駄を低減できる。そして、オイルポンプをエンジンの動力により駆動している場合は、オイルポンプのオイル吐出量の無駄にともなう燃費の低下を抑制することができる。このように、この実施例においては、第1の油圧室6の油圧、または油路8の油圧PLに影響されることなく、第1の油圧室6に供給されるオイル量、および第1の油圧室6から排出されるオイル量を制御することができ、ベルト式無段変速機2の変速制御性が向上する。
【0036】
なお、図1の実施例では、ベルト式無段変速機2の変速比を制御する第1の油圧室6に供給されるオイル量、または第1の油圧室6から排出されるオイル量を制御する場合について説明したが、ベルト式無段変速機2のトルク容量を制御する第2の油圧室7に供給されるオイル量、または第2の油圧室7から排出されるオイル量を制御する場合に、この実施例を適用することも可能である。
【0037】
この実施例の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、第1の油圧室6が、この発明の油圧室に相当し、レシオコントロールバルブ11が、この発明の流量制御弁に相当し、油路10がこの発明の「出力ポートと油圧室とを接続する油路」に相当し、油圧Pin2が、この発明の「油路における油圧室とオリフィスとの間の油圧」に相当し、油圧Pin1が、この発明の「油路における出力ポートとオリフィスとの間の油圧」に相当し、第1のフィードバック油路25、第2のフィードバック油路26、第1のフィードバックポート19、第2のフィードバックポート20が、この発明の付勢力付与機構に相当し、第1のリニアソレノイドバルブ17および第2のリニアソレノイドバルブ18が、この発明のオイル量制御機構に相当し、スプール12がこの発明の弁体に相当し、「スプール12が図1で上向きに動作した場合」が、この発明の「弁体が正方向に動作した場合」に相当し、「スプール12が図1で下向きに動作した場合」が、この発明の「弁体が逆方向に動作した場合」に相当する。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、油圧室とオリフィスとの間の油圧と、オリフィスと出力ポートとの間の油圧との対応関係に基づいて、流量制御弁から油圧室に供給されるオイル量、または油圧室から流量制御弁を経由して排出されるオイル量のうち、少なくとも一方を適正に制御することができ、ベルト式無段変速機の変速速度を任意の値に設定することができ、変速比の制御精度を向上することができる。
【0039】
また、請求項1の発明によれば、弁体が正方向に動作した場合は、油圧室に供給されるオイル量が増加し、かつ、油圧室から排出されるオイル量が減少する。これに対して、弁体が逆方向に動作した場合は、油圧室に供給されるオイル量が減少し、かつ、油圧室から排出されるオイル量が増加する。
【0040】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる他に、油圧室にオイル量が供給されてベルト式無段変速機の変速比が小さくなる一方、油圧室からオイルが排出されてベルト式無段変速機の変速比が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示す概念図である。
【符号の説明】
1…油圧制御装置、 2…ベルト式無段変速機、 3…プライマリプーリ、 6,7…油圧室、 10…油路、 11…レシオコントロールバルブ、 12…スプール、 19…第1のフィードバックポート、 20…第2のフィードバックポート、 24…オリフィス、 25…第1のフィードバック油路、 26…第2のフィードバック油路、 F1,F2…付勢力、 Pin1,Pin2…油圧。
Claims (2)
- プライマリプーリおよびセカンダリプーリにベルトを巻き掛けたベルト式無段変速機と、オイルが供給・排出されて前記ベルト式無段変速機の変速比を制御する油圧室と、入力ポートから出力ポートを経由して前記油圧室に供給されるオイル量、および前記油圧室から出力ポートを経由してドレーンポートに排出されるオイル量を制御する流量制御弁とを有する、変速機の油圧制御装置において、
前記流量制御弁は、弁体が正方向に動作した場合に、前記出力ポートを経由して前記油圧室に供給されるオイル量が増加し、かつ、前記油圧室から前記ドレーンポートに排出されるオイル量が減少する一方、前記弁体が逆方向に動作した場合に、前記出力ポートから前記油圧室に供給されるオイル量が減少し、かつ、前記油圧室から前記ドレーンポートに排出されるオイル量が増加するように構成されており、
前記弁体を正逆方向に動作させる信号圧を出力するオイル量制御機構と、前記出力ポートと前記油圧室とを接続する油路と、この油路に配置されたオリフィスとが設けられており、
前記油路におけるオリフィスと出力ポートとの間の油圧の方が、前記油路における前記油圧室とオリフィスとの間の油圧よりも高い場合は、前記油路におけるオリフィスと出力ポートとの間の油圧を前記弁体に伝達し、その弁体を前記逆方向に付勢する付勢力を発生する第1のフィードバックポートと、前記油路における前記油圧室とオリフィスとの間の油圧の方が、前記油路におけるオリフィスと出力ポートとの間の油圧よりも高い場合は、前記油路における前記油圧室とオリフィスとの間の油圧を前記弁体に伝達し、その弁体を前記正方向に付勢する付勢力を発生する第2のフィードバックポートとを有する付勢力制御機構が設けられていることを特徴とする変速機の油圧制御装置。 - 前記ベルト式無段変速機は、前記油圧室にオイル量が供給されて前記変速比が小さくなる変速が実行される構成と、前記油圧室からオイルが排出されて前記変速比が大きくなる変速が実行される構成とを有していることを特徴とする請求項1に記載の変速機の油圧制御装置。
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