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JP4017082B2 - 固定化酵素及びトリグリセリド油の処理のためのその使用 - Google Patents
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固定化酵素及びトリグリセリド油の処理のためのその使用 Download PDF

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Description

本発明は、酵素の固定化及び、トリグリセリド脂肪の処理を触媒するための固定化酵素の使用に関する。
発明の背景
酵素は、種々の粗原料を処理するための触媒として工業的スケールで用いられている。しばしば、この処理は、酵素が何度も再使用され得る場合のみに効率がよい。再循環では、酵素を、プロセス液体から分離する必要がある。このことは、濾過されるか遠心分離されることができる担体に酵素が結合される場合に可能である。
工業的な酵素の重要な群は、両親媒性を有する。それらの酵素は、分子中に疎水性部分と同様に親水性部分の存在により特徴づけられている。リパーゼ及びホスホリパーゼは、この酵素群の代表である。両親媒性酵素は、油と水のエマルジョン中に分散されたときに、水性相及び油相の界面相に移行し集積する酵素である。これが、本発明に関連する両親媒性酵素の定義である。酵素の疎水性部分が疎水性相に接し、親水性部分が水性相に接する。
本発明を、両親媒性酵素の最も重要な例としてリパーゼについて記載する。他の工業的に用いられる両親媒性酵素はホスホリパーゼであり、ホスホリパーゼの種々のタイプが知られており、例えば、リン脂質のリゾリン脂質への加水分解に用いられる。
リパーゼは、トリグリセリド油脂の構造及び組成を改変する能力のために用いられる。リパーゼは、加水分解、エステル化及びエステル交換のような異なる種類のトリグリセリド変換に触媒作用を及ぼす。それらの触媒作用は、1方向においてトリグリセリドの、遊離酸及びグリセロール、モノ-又はジ-グリセリドへの加水分解をもたらし、もう一方の方向においては、グリセロールの、モノグリセリド及びジグリセリドのトリグリセリドへの再エステル化をもたらす、平衡反応である。再エステル化プロセスでは、トリグリセリド合成の方向に平衡をシフトさせるために、反応媒体中に生成される水の除去が必要である。
実質的に水を含有しないプロセス媒体中のリパーゼの使用は、活性形態におけるリパーゼの油における分散を必要とし、このことは大きな問題である。その目的のために、好ましくは、わずかな量の溶解水を含有するが分散水は含有しない油中で活性である固定化リパーゼが用いられる。
固定化リパーゼ製造のための現在の主な方法は、最初に、適する条件下でその酵素を生成する適する微生物の微生物学的発酵、微生物の除去及び任意の酵素精製を含む。次に、得られたリパーゼの溶液を担体に添加し、その酵素を担体表面に結合させる。そのような固定化法は、例えば、英国特許第2159527号に例示されている。その酵素の担体への結合により、不可逆的に固定された酵素の続いての使用のために、プロセス媒体からの容易な分離が可能になる。一般的に、用いられる担体物質は、単位体積当り大きな表面積を与える多孔性で粒状の水不溶性物質である。固定化酵素の調製は、例えば、EP0140542、EP0382767、PCT出願公開WO95/22606号、EP0444092及びPCT出願公開WO89/01032に記載されている。
酵素によるトリグリセリド処理の間に、固定化酵素は、次第にその活性を失う。しばしば、新しい酵素調製物で置換しなくてはならない。酵素の消費は、全体の処理コストに大きな影響を与える。酵素の寿命を延長させることが可能である場合、経済的な大きな利益が得られる。通常の多孔質担体物質における物質移動限界はさらに、リパーゼ活性を低減させる。
本願出願人の先行出願であり、公開されていない特許出願、PCT出願公開WO97/01632号には、安価で容易な方法で酵素を固定化するための方法並びに使用した後に、最終的に酵素調製物が消耗したときにそのような酵素調製物を再生し、再活性化するための方法が記載されている。最初の方法は、
a.固定化のために両親媒性酵素を選択する工程、
b.連続的な疎水性相と、酵素及び、次の工程を行うときに酵素のための担体として作用するのに適する物質が溶解されている分散水性相を含むエマルジョンを調製する工程並びに
c.分散相が固体酵素で被覆された粒子に変わるまで分散相から水を除去する工程
を含む。
前記出願で、担体物質は、水性相に完全に可溶性である物質と記載されている。水性相に不溶性である物質についての記載はない。
発明の概要
本発明は、
a.固定化のために両親媒性酵素を選択する工程、
b.連続的な疎水性相と、酵素及び、次の工程を行うときに酵素用担体として作用するのに適する物質が溶解されている分散水性相を含むエマルジョンを調製する工程並びに
c.分散相が固体酵素で被覆された粒子に変わるまで分散相から水を除去する工程
を含み、水性相は付加的に不溶化物質も含有する方法を提供する。
本発明は又、得られた固定化酵素が用いられる方法も提供する。
図面の記載
図1は、本発明による現場での酵素固定化プロセスの間に、いかに水含量及び遊離脂肪酸含量が変化するかを示している。
図2は、約48時間後の一回の再固定化処理(暗く影をつけた領域)により中断されたいくつかの次に行われる転位工程の間の本発明により固定化されたリパーゼ酵素の活性度を示す。
図3は、図2についての記載を参照されたいが、固定化用に異なる担体系が用いられている。
図4は、図2についての記載を参照されたいが、固定化用に異なる担体系が用いられている。2つの再固定化処理が用いられている。
本発明の詳細
疎水性相中に分散されている、好ましくは5乃至15重量%、より好ましくは8乃至10重量%の水性相を用いて出発エマルジョンを調製する。この水性相は、固定化される両親媒性酵素を含有しなくてはならず、下記のような水性相液滴から水が蒸発した後に担体として作用できる溶解した物質及び不溶物質の両方の物質もさらに含有しなくてはならない。
水溶性担体物質は、好ましくは、蔗糖、乳糖及びグルコースのような糖、小麦粉のような澱粉、デキストラン、水溶性セルロース誘導体及び発酵残留物(fermentation residue)から成る群から選ばれる。担体物質の不溶部分は水にも油にも溶解しない物質から成り得る。又は、それ自体は、水性相に可溶性であるが、実際の場合は、水溶性物質ですでに飽和されている水性相に分散されるので、不溶形態で存在する物質から成り得る。結果として、温度が変化したときに、そのような物質の溶解量も変化する。
それ自体が可溶性でない物質は、バイオマス、穀類及び不溶性大豆成分から成る群から選ばれることが適している。又、一般的に、多孔質ポリプロピレン粒子のような、天然又は合成の物質の不活性粒子からも選ばれる。バイオマスは、発酵工程において用いられる微生物の不活性化水不溶性残留物を含むと理解される。
担体物質が水性相に存在しないか又は十分に存在しない場合、水性相が疎水性連続相中に分散される前か又は後に、担体物質が水性相に添加される。担体物質の量は、好ましくは、酵素に結合するために十分な担体表面が用いられるように選ばれる。大きな粒子は分離が容易なために有利であるが、それらは、より小さな粒子よりも、より小さな表面/重量比を有する。一般的に、担体物質は、油に基づいて0.5乃至5重量%、好ましくは1乃至2重量%の量で用いられる。
発酵残留物は、発酵後に発酵液中にまだ存在し、水不溶性バイオマス発酵液から分離された後に上清液中に含有するすべての物質であると理解される。任意にこの上清液は、例えば、(人工腎臓として知られる)クロスフロー中空糸精密濾過膜モジュール(crossflow hollow fiber microfiltration membrane module)を通すことにより濃縮される。発酵残留物は、多糖類、蛋白質物質、塩及び糖を含む。それらの物質は、水性発酵液中に溶解されるが、水が除去されると固体の粒状物質として分離される。特定の態様では、発酵残留物は、担体の不溶性部分として作用する適するバイオマスとともに用いられる。他の不溶性担体物質は、付加的に添加され得る。不溶性担体物質の含量は、例えば、すべての担体物質の0.001から99重量%まで、好ましくは0.01乃至80重量%まで、より好ましくは0.1乃至20重量%まで広範に変わり得る。その範囲は、担体物質又は担体物質の組み合わせにより変わり得る。当業者により適する組成が容易に確立され得る。
通常の乳化技術により、酵素含有水性相が疎水性相中に微細液滴として分散される。その性質により、両親媒性酵素は、水性相と疎水性相の界面に移行し、集積する。
トリグリセリド加水分解又は再エステル化のために適するすべてのリパーゼが用いられ得るが、好ましくは、リゾミュコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)、ヒューミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)又はリゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)発酵から得られるリパーゼが用いられる。添加される酵素活性度の量を、企図される特定のプロセスに適合させる。一般的に、適するリパーゼ活性度は、油g当り100乃至1,500リパーゼ単位(LU)である。1リパーゼ単位(LU)は、乳化されたトリブチリン基質から分当り酪酸1ミクロモルを遊離する(pH7.0及び30℃で)酵素の量として定義される。
エマルジョンの疎水性相は、水性相を分散させることができ、好ましくは食用トリグリセリド油であり、酵素基質として作用する食品級液であることができる。疎水性相がその基質でない場合は、疎水性相が別に添加されなくてはならない。又は、固定化酵素粒子が、調製された系から分離され、基質油への添加を含む将来の使用のために回収される。好ましくは、疎水性相は、トリグリセリド混合物から成り、任意にさらにジグリセリド、モノグリセリド、グリセロール及び脂肪酸を含有する。
固定化にトリグリセリド油が用いられる場合、好ましくは、実質的にリン脂質を含有しない油が選ばれる。そうでないと、リン脂質が酵素で被覆された粒子の形成を不利に干渉する。好ましくは、トリグリセリド油は、100ppm以下しか水和性リン脂質を含有しない。結果として、酵素によるプロセスの目的がリン脂質の加水分解である場合、固定化酵素粒子は、リン脂質を含有しない別の系中で調製されなくてはならない。
エマルジョンからの水の必要な除去のためには、分子篩の付加及び、エマルジョンに窒素のような不活性気体を導入することを含む、通常の標準技術を用いることができる。好ましくは30℃乃至35℃において、好ましくは1乃至100ミリバール、より好ましくは3乃至20ミリバールの減圧を適用する水の漸次蒸発により乾燥が最も良好に行われる。任意のそのような処理の組み合わせが用いられる。
分散された水性相から水が次第に消失するとき、液滴は縮み、乾燥する。同時に、溶解物質は固体の粒状物質として分離する。最初に、水/油界面に集積する酵素は、最後に、収縮する乾燥した液滴中に形成された固体粒状物質に沈積され、結合される。水性相中の利用できる酵素の量により、担体粒子が酵素層で完全に又は部分的に被覆される。このように、分散相の乾燥により、現場での固定化酵素調製物が提供される。その基質が疎水性相において利用されるときに、固定化されたときに酵素はすぐに用いられ得るか又は固定化酵素は分離され、基質油に添加され得るか又は将来の使用のために貯蔵され得る。
固定化プロセスの最初に、リパーゼ含有油中水型エマルジョンが生成され、グリセリド分子が存在する場合、グリセリド分子は、脂肪酸及びジグリセリド、モノグリセリド並びにグリセロールに加水分解され始める。その加水分解は、所定の程度が達成されるまで継続される。しかし、プロセス混合物から水が除去されるや否や、酵素によるエステル加水分解は、酵素により再エステル化プロセスに変わる。しかし、いくつかのリパーゼは、加水分解されたグリセリドを有効に再エステル化できないことが知られている。このことは、ほとんど低減しない脂肪酸量から明らかである(図1を参照)。
固定化プロセスは、好ましくは30℃乃至35℃の温度で行われる。固定化リパーゼは、酵素が、分散された水が欠失している非水性環境中で作用する場合、増大する温度安定性を有する。しかし、処理されるトリグリセリド油中に溶解した水は、最初の加水分解工程のために十分でなくてはならない。リパーゼの種類により、60℃の処理温度又は70℃の処理温度でさえ許される。この強固な酵素系を用いると、ほとんどの水性リパーゼ調製物の最高処理温度より高い40℃乃至60℃の範囲の融点を有する場合でさえ、硬質原料(hardstock)脂肪を処理することが可能である。
本発明による固定化酵素は、連続式処理と同様に回分式処理において用いられ得る。固体酵素被覆粒子の大きさは、例えば、遠心分離、濾過又はデカンテーションによる分離をさせるために十分に大きくなくてはならない。分離の容易さのために、その大きさは、少なくとも0.1μm、好ましくは少なくとも1μm、より好ましくは5乃至25μmである。大きさが増すと、酵素結合に利用できる表面(重量単位当り)は低減するので、適するバランスがなされなければならない。
本発明の特定の利点は、本発明は純粋な酵素を必要としないことである。粗発酵液からの酵素の回収及び精製が望ましいときは、例えば、発酵残留物及びバイオマスは適する担体物質を提供するので、それらのための時間の消費及び高価な操作が不要になり得る。
本発明は、さらに、本発明による固定化両親媒性酵素により触媒作用を受ける方法を含む。そのような方法にはリパーゼで触媒作用を受けるエステル転位及び、トリグリセリドが脂肪酸と反応するアシドリシスが属する。
エステル転位方法は、モノ-、ジ-又はトリ-グリセリドを必要とし、リパーゼの触媒作用下で脂肪酸基が、トリグリセリド分子のグリセロール主鎖の間で交換される。
トリグリセリド油の酵素による脱酸は、その油中に存在するモノ-又はジ-グリセリドとのエステル化により脂肪酸が除去される、リパーゼの触媒作用に関する。
本発明による現場で固定化された酵素は、濾過、デカンテーション又は遠心分離のいずれかにより反応バッチから分離されるときに、多数回再使用されることができる。
転位方法では、固定化リパーゼ調製物をトリグリセリド油バッチにそのまま添加する。処理されるトリグリセリド油中に溶解された形態で、最初の加水分解工程のために十分な水が存在すれば、水は添加される必要がない。周囲温度で0.3重量%の水が油中に溶解しているが、円滑な酵素反応には、それで十分である。
固定化酵素は、続いて行われる少なくとも2つの、酵素による触媒作用を受ける一連の反応のために経済的に用いられ、その反応系列において少なくとも一度の酵素活性再生工程が含まれる。
そのような再生又は再活性プロセスは、水を油中固定化酵素系に分散させ、その酵素とその担体とを水と相互に作用させ、担体物質の部分的溶解を行い、その後に、酵素で被覆された担体粒子が再び生成されるように分散された相の水を蒸発させることを含む。
前記の再活性では、好ましくは5乃至15重量%、より好ましくは8乃至10重量%の水相を疎水性相に添加し、分散させる。溶解された酵素は、その水/油界面に移行し、集積する。先に記載したように、水を除去したときに、乾燥により液滴は縮み、溶解された担体物質は再び固体物質として分離する。乾燥している液滴から水が漸次消失しているときに、最終的に酵素は再び担体に付着する。
又は、使用された担体上酵素を最初に反応バッチから分離し、酵素と担体部分が溶解するために水相と混合させ、その後に得られた水相を油相に分散させ、先に記載したように乾燥させる。
任意に、担体上酵素を分離した後に、再活性化処理に付すために用意された油中水型エマルジョンに添加する。
再固定化により、少なくとも部分的には酵素活性の回復がもたらされる。回復の効果は、活性度の安定化又は通常の予測された不活性化の低減として表わされる。再固定化による再活性化を何度も繰り返し得て、酵素及び担体物質の延長された使用を与える。図2、3及び4は、逐次バッチにおける固定化リパーゼ酵素の再使用を示している。続けて行われる転位工程における酵素活性度の漸次的低減は、同じ酵素及び同じ担体物質を用いる再固定化(暗く影がつけられた領域)により部分的に改善される(図3及び図4)か又は少なくとも停止される(図2)。任意にそのプロセス中、損傷を受けた又は使用済みの酵素は、いくらかの新しい酵素調製物を添加することにより改善される。
固定化酵素の活性度及び安定度は、pH依存性であり得る。(再)固定化が行われる前にpHを調整しなくてはならない。適するpHは、酵素及び担体によって、5乃至8の範囲に見出だされる。
物質の進行中の再使用、非精製形態から出発する安価な酵素調製物並びに高価な担体物質の不存在により、高価な触媒のコストが非常に削減される。さらに、使用済みの酵素物質の処分に関する廃棄物問題が低減される。そのような有利な特徴は独特であり、先行技術のプロセスにより固定化された酵素では記載されていない。
本発明を下記の実施例により例示する。
一般的説明
下記の実施例におけるプロセスの進行をモニターするために、油試料を時々取り出す。油から残存する水を除去するために、反応媒体から針を用いて取り出された試料を無水硫酸ナトリウムと混合し、次に酵素を失活させるために2ml容のガラス試料管中で85℃より高い温度に加熱した。
等しい容量のエタノール(96%)とジエチルエーテル(p.a.)を含む50mlの中性溶媒中に約0.5gの均質化油を溶解させ、指示薬としてフェノールフタレインを用いて、0.1モル/lの水酸化ナトリウム溶液で滴定することにより遊離脂肪酸含量を測定した。遊離脂肪酸(FFA)含量は、
Figure 0004017082
[式中、Vは滴定された容量(ml)、Wは、油試料の重量(g)、MはNaOH溶液のモル濃度、282は、脂肪酸の典型的な分子量(オレイン酸の場合)を表わす。]
により誘導される。
触媒活性度は、下記の式から誘導される。
k=−ln(1−x)*M/W・t
[式中、kは触媒活性度(油g/時間当り触媒g)、Mは油の質量(g)、Wは触媒の質量(酵素調製物g)、tは時間(時間)、Xは、
Figure 0004017082
{ΣCNは、特定のプロセスのために選ばれたある範囲の炭素数の値の合計を表わし、下付きの記号(t、i、e)は、その時間における組成(t)、最初の組成(i)及び平衡の組成(e)をそれぞれ表わす。}
として定義される変換度を表わす]
炭素数値は、気液クロマトグラフィー(GLC)試料分析により得られる。変換度を計算するために、SF/MCTブレンド転位ではCN34-46の値が選ばれ、POs/PKsブレンド転位では、CN44-46の値が選ばれる。
実施例1
図1は、ヒューミコラ・ラヌギノサから得られるリパーゼの現場での固定化の間の水及び脂肪酸の含量を示す。約0.1重量%の水不溶性物質を含有する水性酵母抽出物を担体物質として用い、ヒマワリ油(SF)を連続性油相として用いた。プロセス媒体中の水のために、遊離脂肪酸が生成された。真空にすることにより、その系から水を除去したときに、加水分解は停止した。
攪拌機を備えた反応器において、10kgの水を、担体物質として作用する2kgの粉末化酵母抽出物(ドイツのOHLYからの)並びに、ヒューミコラ・ラヌギノサ発酵液から調製され、溶液g当り100kのNOVOリパーゼ単位を含有する液体酵素溶液(デンマークのNOVOから)1kgと混合した。攪拌機及び水ジャケットを備えた別の回分反応器を100kgのヒマワリ油(SF)で満たし、35℃の温度に加熱した。混合により、均質の状態を確保した後に、酵素-担体-配合物を油中に満たした。激しい攪拌により、油と水の大きな界面を有する微細に分散された水滴を有する油中水型エマルジョンが生成された。
水性相添加の後に、トリグリセリド分子の加水分解が開始し、30%のFFA量を得るまで35℃において継続した。
圧力を5ミリバールに下げることにより、水を蒸発させ、乾燥した担体物質上に沈積され、固定化されるリパーゼを得た。水の除去とともに、FFAの生成が停止し、部分的再エステル化が開始された。図1は、その系に存在する遊離脂肪酸及び水の時間によるパーセンテージを示している。油中の水含量が溶解度レベル未満に低下する(実際には0.2%未満であった)まで水除去を続けた。
この調製により、担体物質上に固定化された酵素を生成した。そのような固定化酵素は油から分離することができ、価値を有する食用油の生成のための転位反応のために用いられ得るか又は再使用され得る。固定化のために用いられた油は、同じ目的のために再使用され得る。
実施例2
図2は、ヒューミコラ・ラヌギノサから得られ、次に行われた転位回分系列で用いられたリパーゼについて時間(時間)の関数としての酵素活性度(時間当り酵素g当り変換された油g)を示している。グラフにおける暗く影がつけられた領域は、固定化酵素の現場での調製及び再活性化をそれぞれ意味する。転位プロセスそれ自体は60℃で起こった。続いてのプロセスにおける使用のために、遠心分離により油から固定化酵素調製物を分離した。
現場での固定化プロセスのためのバッチの調製を、おおよそ、実施例1に記載され、図1に示されたように行った。今回、用いた担体物質は、1.39重量%の、小麦穀粒加工の天然副生物である全粒小麦粉ふすまであった。それは、60重量%の水不溶性物質を含有し、最終的にプロセス油中0.84重量%の固体になった。攪拌機及び水ジャケットを備えた回分反応器に、127.2gの中鎖トリグリセリド(MCT)と238.95gのヒマワリ油(SF)との転位混合物を充填した。MCTの脂肪酸の95重量%が、C8−C10の脂肪酸であり、5重量%は他の酸であった。
いくつかは約16時間(一晩中)であり、いくつかは8時間である反応時間の間、連続的な転位を行った。
図2は、SF/MCT油混合物の種々の転位の間の時間によるバッチ当り平均活性度の変化を示している。この特定の場合では、転位Re1及び転位Re3の間の失活(プロセス継続時間は等しいので直接的比較ができる)は36%である。3度目の転位工程の後の再生によって、わずかにのみ、より高い活性度がもたらされた。しかし、再生なしでは、活性度におけるさらなる低下が生じた。
実施例3
図3は、ヒューミコラ・ラヌギノサから得られた固定化リパーゼが、続いて行われる転位回分系列においてどのように用いられたかを示している。活性度(時間当り酵素g当り変換された油g)を時間(時間)の関数として示している。担体物質として、不活性化発酵残留物及び多孔質ポリプロピレン粒子が用いられた。グラフにおいて暗く影がつけられた領域は、酵素調製物の現場での調製及び再活性化をそれぞれ示す。現場での固定化及び再活性化プロセスの温度は35℃であり、転位プロセスは60℃で生じた。続いて行われるプロセスにおける使用の前に、遠心分離及び濾過により、固定化酵素調製物を油から分離した。
現場での固定化のために、実施例1に記載されているように、バッチを調製し、おおよそプロセスを用いた。用いられた担体物質は、30.9gの水中に溶解されたリゾプス・ニベウス発酵からの不活性化発酵残留物5.1g並びに、多孔質ポリプロピレン粒子[オランダのAKZOからのAccurel(商標)]1.8gであった。転位のために、攪拌機及び水ジャケットを備えた回分反応器を127.2gの中鎖トリグリセリド(MCT)と238.95gのヒマワリ油(SF)の混合物で充填した。MCTの脂肪酸の95%がC8−C10の脂肪酸であり、5%が他の酸であった。
図3は、SF/MCT油混合物の転位中の時間による平均酵素活性度の変化を明らかに示している。この特定の場合では、転位Re1の最初の酵素活性度が100%の値から、転位Re3における54.7%のレベルまで低下した。プロセス継続時間が等しいので、直接的比較ができる。3番目の転位工程の後の再生により、最初のレベルの73.9%まで活性度の増加がもたらされた。再生なしでは、最初のレベルのさらなる活性度低下が予測された。
実施例4
図4は、ヒューミコラ・ラヌギノサから得られ、続いての転位(Re)回分系列において用いられたリパーゼについて時間(時間)の関数としての酵素活性度(時間当り酵素g当り変換された油g)を示している。グラフにおける暗く影が付けられた領域は、固定化酵素の現場での調製及び再活性化をそれぞれ示している。現場での固定化及び再活性化プロセスの温度は35℃であった。転位プロセスは60℃で起きた。続いてのプロセスにおいて用いられるために、遠心分離により、固定化酵素調製物を油から分離した。
実施例1に記載され、おおよそ図1により示されたように、現場での固定化プロセスのためのバッチの調製を行った。触媒を水溶液中に分散させ、溶解させた。固定化を行い、そして、2番目の再生の最初において再び、pHを7に調整した。最初の再生の初めに、pHを6.3に調整した。今回、用いられた担体物質は、約0.1重量%の水不溶性物質及び1重量%未満の塩を含有する酵母抽出物であった。攪拌機及び水ジャケットを備えた回分反応器を127.2gの中鎖トリグリセリド(MCT)と238.95gのヒマワリ油(SF)の転位混合物で充填した。MCTの脂肪酸の95%がC8−C10の脂肪酸であり、5%が他の酸であった。
それぞれ22乃至23時間の間の8つの反応時間の間、並びに73時間及び93時間(週末に亘り)の2つの反応時間の間、連続的転位を行った。転位Re5とRe9の後に再活性化処理を挿入した。
図4は、SF/MCT油混合物の種々の転位中の時間によるバッチ当りの平均活性度の変化を明らかに示している。この特定の場合では、転位Re1の最初の酵素活性度が100%の値から、転位Re5における53%の値まで低下した。プロセス継続時間が等しいので、直接的比較ができる。
5番目の転位工程の後の再生により、最初の値の64%まで活性度の増加がもたらされた。再生なしでは、転位工程Re3及びRe4の後の低下とちょうど同じように、最初の39%乃至47%のレベルまでの一層の活性度低下が生じたであろう。
9番目の転位において、酵素活性度は、最初の値の26.8%まで低下したが、その後の再生により、最初の値の32.7%までの増大がもたらされた。

Claims (11)

  1. a.固定化用リパーゼ酵素を選択する工程、
    b.連続性疎水性相及び分散された水性相を含み、水性相が不溶物質を含有し、水性相に、酵素及び、次の工程が行われるときに酵素用担体として作用するのに適する物質が溶解されているエマルジョンを調製する工程並びに
    c.分散された相が固体の酵素被覆された粒子に変わるまで、分散された相から水を除去する工程
    を含むことを特徴とし、疎水性相は前記酵素により処理される物質を含有し、その1つ以上が、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、グリセロール及び脂肪酸を含む群から選ばれることを特徴とする、酵素の固定化のための方法。
  2. リパーゼが、リゾミュコール・ミエヘイ、ヒューミコラ・ラヌギノサ又はリゾプス・ニベウス発酵から得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 水性相が発酵液を含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 疎水性相が食用トリグリセリド油であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1請求項に記載の方法。
  5. 溶解された担体物質が、糖、澱粉、デキストラン、水溶性セルロース誘導体及び発酵残留物から成る群から選ばれることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1請求項に記載の方法。
  6. 不溶担体物質が、水中にも油中にも不溶性である物質か又は、それ自体は水性相に可溶性であるが、実際の場合には、水溶性物質ですでに飽和されている水性相に添加され、不溶化形態で存在する物質から成ることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1請求項に記載の方法。
  7. 水性相に溶解される担体物質と同様に酵素が、請求項1乃至6のいずれか1請求項に記載の方法により調製され、反応バッチから分離される固定化酵素粒子から誘導されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1請求項に記載の方法。
  8. 酵素が、請求項1乃至7のいずれか1請求項に記載の方法により得られる固定化酵素であることを特徴とする、リパーゼ酵素により触媒作用を受ける方法。
  9. 一連の、少なくとも2つの続いて行われるリパーゼで触媒作用を受ける反応のための、請求項1乃至7のいずれか1請求項に記載の方法により得られる固定化酵素の使用であり、その反応系列において、固定化酵素に水を添加し、酵素及びその担体に水との相互作用をさせ、酵素及び崩壊された担体を含有する水性相を油相に分散した後に、水を蒸発させることを含む、酵素で被覆された担体粒子が再び形成される効果を有する少なくとも一度の酵素活性再生工程が含まれることを特徴とする、使用。
  10. リパーゼが請求項1乃至7のいずれか1請求項に記載の方法により得られる固定化酵素であることを特徴とする、リパーゼの触媒作用下で、脂肪酸基をグリセロール主鎖において交換する、モノグリセリド、ジグリセリド又はトリグリセリドのエステル転位のための方法。
  11. リパーゼが、再エステル化することができ、請求項1乃至7のいずれか1請求項に記載の方法により得られる酵素であることを特徴とする、リパーゼの触媒作用下で、脂肪酸をモノグリセリド又はジグリセリドでエステル化する、トリグリセリド油の酵素による脱酸のための方法。
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