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JP4017983B2 - 複数のバイアスパルスによるボロメータアレーの読み出し方法及び装置 - Google Patents
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JP4017983B2 - 複数のバイアスパルスによるボロメータアレーの読み出し方法及び装置 - Google Patents

複数のバイアスパルスによるボロメータアレーの読み出し方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明はマイクロボロメータ焦点面アレーに関し、特にマイクロボロメータアレーの動作を改善する方法及び装置に関する。
熱型赤外線検出器は赤外線放射の加熱効果を検出することにより動作する検出器である。一般に熱型検出器は室温以下に冷却する必要がなく、このことが実用上の重要な利点になっている。室温で動作する熱型赤外線検出器は過去200年間に亘り知られているが、最近ではこの分野において集積回路及びマイクロマシン技術の利用可能性に注目が集まっている。室温で良好に動作する何千もの熱型赤外線検出器を備えたアレーは既に実用化されている。
ボロメータは熱型赤外線検出器の一種であり、入射した電磁放射(代表的に赤外線放射)を吸収し、吸収した赤外線エネルギーを熱に変換し、その結果生じる検出器の温度変化を、温度の関数である、検出器の電気抵抗の変化として検出する。マイクロボロメータは代表的に外側の大きさが数十ミクロンの小さなボロメータである。代表的に、マイクロボロメータ赤外線撮像システムは長波領域の赤外線、代表的には8〜12ミクロン(マイクロメートル)の波長領域の赤外線を感知するように設計されている。この種のマイクロボロメータ2次元アレー、代表的には120×160のアレーは視野内の被写体から出る放射量の変化を検出し、その2次元画像を形成する。同様に1次元アレーのマイクロボロメータは1次元画像を形成する。この種のマイクボロメータアレーでは、マイクロボロメータの信号対雑音比を損なうことなくアレーを構成する全てのマイクロボロメータの抵抗値を測定する必要がある。アレーの全マイクロボロメータの電気抵抗値を測定するために数千もの電気導線をアレーに接続することは実用的でないので、代表的にはマイクロボロメータアレーを読み出し集積回路(ROIC)と呼ばれる単結晶シリコン上に形成し、このROICにより「フレーム時間」と呼ばれる短時間内にアレーの全マイクロボロメータの電気抵抗値を測定する。用語「フレーム時間」は被写体の全画像を生成するのに要する時間である。代表的にフレーム時間は1/30秒程度であるが、これより長くても短くてもよい。マイクロボロメータアレーが検出赤外線放射の時間依存変化に十分に応答(追従)するようにするために、各マイクロボロメータの熱応答時間は代表的にフレーム時間にほぼ等しい値に調整される。その結果として、ROICに課せられた、大きさ、電力及び素子の制約の下で、極力高い信号対雑音比を確保しながらアレーを構成する何千(例えば、80000個)ものマイクロボロメータの抵抗値をどのようにしたら効率よく測定できるかという問題が残される。
アレーの全マイクロボロメータの電気抵抗値を測定するためにROICが行う代表的な方法はアレーの各マイクロボロメータに電圧(又は電流)の「バイアスパルス」を供給し、その結果として発生する電流(又は電圧)信号を測定することである。広く用いられているのはアレーの各マイクロボロメータに電圧バイアスパルスを印加し、各フレーム時間中にアレーの各マイクロボロメータから発生した電流を測定する方法である。ただし、大きなアレーの場合、通常、この種のバイアスパルスを2以上のマイクロボロメータに同時に印加し、その結果発生する電流信号を同時に測定する。
従来技術では、各フレーム時間毎にアレーの各マイクロボロメータに1個のバイアスパルスを供給する。各フレーム時間毎に単一のバイアスパルスを供給することによってマイクロボロメータにもたらされる温度上昇は入射赤外線放射による加熱効果を上回る。当然ながらこの種のバイアスパルスはフレーム時間より遙かに短時間であるため、その加熱効果は急激である。すなわち、各フレーム時間内においてアレーの各マイクロボロメータに1個のバイアスパルスが供給されると、マイクロボロメータの温度はバイアスパルス長に対応する短時間の間、急速に上昇した後、残りのフレーム時間の間、低下する。各バイアスパルス毎の温度上昇と低下により生じる信号レベルの変動は入射赤外線放射により生じる信号より大きい。したがって、この信号を受ける電子回路は赤外線放射だけの場合より遙かに大きなダイナミックレンジを持つように設計しなければならない。このため、この種の回路の設計や動作が困難になる。
マイクロボロメータにより検出可能な最小赤外線放射信号は発生した電流信号に含まれる電気雑音により定められる。マイクロボロメータの「雑音等価電力(NEP)」は「平方自乗平均:RMS)」電流雑音に等しい信号電流変化を生じさせるマイクロボロメータ入射赤外線放射電力として定義される。また、「雑音等価温度差(NETD」という用語もマイクロボロメータの性能を記述するのによく用いられる。NETDはRMS電流雑音に等しい電流信号変化をマイクロボロメータに生じさせるターゲットの温度変化として定義される。要するに、マイクロボロメータアレーの性能は一般にアレーに使用したマイクロボロメータのNEP又はNETDの大きさで評価される。一般にNEP又はNETDの値が小さければマイクロボロメータアレーの感度は高く、高性能である。
従来においてマイクロボロメータの感度及び性能を改善する方法はバイアスパルスを大きくすることである。しかしながら、バイアスパルスを大きくすると、その分、マイクロボロメータの加熱パルスと温度変化も大きくなってしまう。加熱パルスと温度変化の増大によりマイクロボロメータ信号を受ける回路に要求されるダイナミックレンジは増大する。
したがって、マイクロボロメータアレーに対して著しく低い値のNEPやNETDでROICが動作し、マイクロボロメータの感度及び性能が改善されるようにROICを設計し、動作させるニーズが当該分野にある。また、供給バイアスパルスの加熱効果により生じるフレーム時間内のマイクロボロメータ温度変動を低減するニーズが当該分野にある。
本発明に係る方法及び装置はアレーの各マイクロボロメータに2以上のバイアスパルスを実質的に順次供給して、各マイクロボロメータの温度がフレーム時間中、均一になるようにするとともに、フレーム時間中に供給した2以上のバイアスパルスに関連した2以上の発生信号を測定する。さらに、フレーム時間中、アレーの各マイクロボロメータについて測定した2以上の信号の平均信号値を算出する。その後、算出した平均信号値に基づいた出力信号を生成してアレーの性能、感度及び操作機能を改善する。
本発明のその他の特徴は以下の説明及び本発明の一部を成す図面から明らかになる。本書はマイクロボロメータアレーのNEPが低減し、性能及び感度が改善されるようにマイクロボロメータアレーを電子的に走査するシステム及び方法について説明する。
図1は撮像システム100におけるマイクロボロメータアレー110の具体例を示したものである。さらに撮像システム100は赤外線透過レンズ120を備える。アレー110は1次元又は2次元アレーである。アレー110は「読み出し集積回路(ROIC)」115と呼ばれる単結晶シリコン上に形成される。図1に示す具体例において、アレー110は赤外線透過レンズ120の焦点面に配置されているため、放射赤外線130は焦点面上にフォーカスされ、写真用フィルムをカメラレンズの焦点面に置いたときにフィルムに画像が形成されるのと同様にして、遠くの被写体又はシーン140の画像が形成される。フォーカス画像の加熱効果によりアレー110を構成する個々のマイクロボロメータに温度変化が起きる。ROIC115はアレー110の各マイクロボロメータを問い合わせし、各マイクロボロメータの抵抗値の変化を測定する。アレー110の各マイクロボロメータの抵抗値変化はフレーム時間内に測定される。一般に、フレーム時間は約1/30秒である。アレー110の各マイクロボロメータの熱応答時間は一般にフレーム時間にほぼ等しくなるように調整される。アレー110の各マイクロボロメータの抵抗値変化を測定する上記動作はフレーム時間毎に繰り返され、シーンや被写体140のリアルな画像が表示される。
図2はマイクロボロメータアレー110を形成する際に用いるROIC115の具体例を示したものである。アレー110の各マイクロボロメータは電気抵抗220として表している。アレー110の各マイクロボロメータ220に関連して電界効果トランジスタ(FET)230が設けられる。マイクロボロメータ220とFET230は薄膜の金属導体240を介して相互接続される。さらに、ROIC115は列及び行のシフトレジスタ250及び260を備える。列シフトレジスタ250はアレー110の列に制御電圧を印加し、行シフトレジスタ260は行マルチプレクサ270に制御電圧を供給する。グローバルなバイアス電圧がアレー110の全マイクロボロメータに印加される。アレー110の出力信号ライン280は外部接続によりゼロボルトに保持される。動作において、ROIC115は各種制御電圧により一度に1つのマイクロボロメータのみにバイアス電圧(VDDR)が印加されるようにし、電流信号が対応する薄膜の金属導体を通り、マルチプレクサ270を経て出力信号ライン280に出力される。電圧源290から抵抗292を介して供給される電流により正味の出力電流294はゼロ近くになる。電圧源290は、(米国特許第4752694号に示されるように)マイクロボロメータ220のバイアス時間毎に、アレー110の異なるマイクロボロメータ220に対して印加するバイアス電圧を異ならせることができ、その結果、アレー110におけるマイクロボロメータ220間の製造変動によりマイクロボロメータの抵抗値がマイクロボロメータ間で若干異なるような場合でも、出力電流をゼロ近くに保持することができる。この信号ゼロ化処理は「粗い不均一訂正」と呼ばれるが、粗い不均一訂正のための訂正を行う他の方法及び装置とともに米国特許第4752694号に開示されている。
図3は出力信号294をデジタル信号値に変換するためにROIC115の出力ライン296に接続される積分器及びA/D変換器を含む代表的な回路300を示したものである。ROIC115の出力ライン296からの出力電流294は電荷信号310及び電圧信号320に変換される。この電圧信号320はアナログ/デジタル(A/D)変換器330に通される。
A/D変換器330からの信号はデジタル画像プロセッサ340に渡される。デジタル画像プロセッサ340はアレー110の各マイクロボロメータに関する訂正値を記憶するデジタルメモリ350とともに訂正回路360を備える。訂正回路360はデジタルメモリ350に記憶された訂正値を使用して最終出力を訂正する。訂正は代表的に、小さなゼロ誤差信号を除去する「ファインオフセット訂正」である。また、訂正はアレー110の異なるマイクロボロメータ220間の感度のバラツキを訂正する「ゲイン訂正」を含んでもよい。さらに訂正は、マイクロボロメータアレー110における不良マイクロボロメータ220の信号を隣接するマイクロボロメータ220の信号値に置換する「デッドピクセル置換処理」を含んでよい。
図4はアレー110の各マイクロボロメータ220を動作させる従来方法を示したものである。図4に示すように、従来方法では、アレー110の各マイクロボロメータの抵抗値を測定するためにフレーム時間410をアレー110のマイクロボロメータ220の個数に等しい数の区間420に分割し、この分割した等しい区間420毎にアレー110の各マイクロボロメータにバイアスパルスを供給する必要がある。したがって、アレー110の大きさをR×Cとし、フレーム時間をTとすると、各バイアスパルスの時間長は最長でT/(R×C)になる。このようにして、アレー110の各マイクロボロメータにはフレーム時間内に1個のバイアスパルスが供給される。代わりに、各フレーム時間毎に1個のバイアスパルスをアレー110の幾つかの(N個の)マイクロボロメータに同時に供給してもよく、その場合、バイアスパルスの最長時間は(T×N)/(R×C)になる。
グラフ400にはバイアスパルス430の印加により生じる各マイクロボロメータの温度変動440も示されている。グラフ400から分かるように、アレー110の各マイクロボロメータについて各フレーム時間410内における温度変動440は著しい。その理由は、グラフ400に示すように、各バイアスパルス430自体の加熱効果により各マイクロボロメータにおいて温度が急激に上昇することによる。この温度上昇は入射赤外線放射130による加熱効果を上回る。上述したように、必然的結果として各バイアスパルス430の時間長はフレーム時間410より遙かに短時間になるので、各バイアスパルス430の加熱効果は非常に急激になる。すなわち、図4に示すように、1個のバイアスパルス430をフレーム時間410毎に各マイクロボロメータに供給すると、アレー110の各マイクロボロメータの温度は先ず、バイアスパルス430の時間長420に等しい短時間の間、急激に上昇する(450)。そして残りのフレーム時間中は図4に示すように低下する(460)。この温度変動440により引き起こされる信号レベルの変動は入射赤外線放射130により発生する信号よりも著しく大きい。したがって、このような可変信号を受けるROIC115は赤外線放射130だけによる信号に対して要求されるダイナミックレンジより遙かに大きなダイナミックレンジを持つように設計しなければならない。ROIC115に要求される大きなダイナミックレンジのためにROICの設計や動作が困難になる。
図5は本発明の教示に基づいてアレーの各マイクロボロメータを動作させる実施形態を示したグラフ500である。図4に示した従来方法による単一バイパスパルス430の供給に代え、一連の、2以上のバイアスパルス510をフレーム時間内にアレー110の各マイクロボロメータに順次供給する。フレーム時間410内に2以上のバイアスパルス510を各マイクロボロメータに供給する方式を「高速走査」と呼ぶことにする。前と同様に、R×CのアレーサイズとTのフレーム時間を想定すると、フレーム時間410内において、アレー110の各マイクロボロメータに供給される2以上のバイアスパルス510の各時間長はT/(N×R×C)以下である。代わりに、幾つかのマイクロボロメータに2以上のバイアスパルス510を同時に供給するようにしてもよい。
グラフ500には2以上のバイアスパルス510の印加により生じる各マイクロボロメータの温度変動も示されている。図示のように、アレー110の各マイクロボロメータに生じる各フレーム時間410内の温度変動は本発明に係る高速走査法により(フレーム時間410内に2以上のバイアスパルスを次々と供給することにより)著しく低減される。その理由は各バイアスパルスの加熱効果がフレーム時間内に供給するバイアスパルス510の数に応じて減少するからである。フレーム時間内に供給するバイアスパルス510の数をN個とすると、加熱変動効果はNの分だけ減少する。また、2以上のバイアスパルス510を供給することにより、バイアスパルス510間の時間間隔520は図4に示すバイアスパルス間の時間間隔470より短くなる。2以上のバイアスパルス510間の時間間隔520が短いため冷却される時間は短くなり、温度変動は図5に示すように最小530に抑えられる。温度変動が小さいので高性能の電子回路を利用できる。図4に示すような、各フレーム時間内にアレーの各マイクロボロメータに1個のバイアスパルス430を供給する従来方式に比べ、図5に示す高速走査法500により性能が改善される理由は以下の説明からも理解される。各フレーム時間内においてアレー110の各マイクロボロメータに供給するバイアスパルスの数Nが1より大きいとし、各パルスの時間長が単一バイアスパルス430の時間長の1/N倍であるとすると、信号の雑音帯域幅はNの分だけ高い周波数にまで広がる。このため、各信号はN1/2倍の白色雑音を含むが、低周波数域の雑音は全ての値のNについて雑音帯域幅内にほぼ収まるので1/f雑音は増加しない。各フレーム時間内に各マイクロボロメータから得たN個の信号値からその平均信号値を形成すると、そのRMS白色雑音はN=1の値にまで減少し、ほぼフレーム反復周波数からバイアスパルス反復周波数までの雑音周波数域に対する低周波数域雑音のRMS値はN=1の値の約1/N1/2倍にまで減少する。したがって、N>1であれば、各フレーム時間内に得られた最終出力に含まれる雑音は減少する。この雑音の減少によりアレー性能の因子が改善される(減少した値のNEPやNETD)。
図6は従来方法により図1に示すアレー110を走査したときに得られる算出NEP対入力バイアス電流パルスレベルのグラフを示したものである。図7は本発明に基づいて図1に示すアレー110を走査したときに得られる算出NEP対入力バイアス電流パルスレベルのグラフを示したものである。図6と図7に示したグラフに関し、NEPを算出する際に使用したパラメータはバイアス電流パルスを除き、全て一定に保たれる。図6と図7のグラフから分かるように、図7の算出NEPは図6の算出NEPと比較すると(入力バイアス電流の増加に対して)著しく低下する。その理由は本発明に基づいて2以上のバイアス電流パルスを供給しているからであり、その結果、ROICにおける雑音が減少する。上述したように、雑音の減少によりアレーの性能が改善される。
図8は本発明に係るプロセス800の実施形態の全体概要を示したものである。要素810に示すように、このプロセスは2以上のバイアスパルスを順次、アレーの各マイクロボロメータに供給してアレーの各マイクロボロメータの温度が2以上のバイアスパルスを供給することでフレーム時間を通じて均一になるようにする。フレーム時間はアレーが被写体の全画像を生成するのに要する時間である。2以上のバイアスパルスの大きさはほぼ等しくてよい。また、2以上のバイアスパルスの間隔もほぼ等しくてよい。2以上のバイアスパルスは電圧バイアスパルス、又はバイアス電流信号である。また、2以上のバイアスパルスの個数は概ね2乃至100個のバイアスパルスの範囲内でよい。バイアスパルスの時間長は約0.1乃至20マイクロ秒の範囲内でよい。
要素820はフレーム時間内にアレーの各マイクロボロメータに供給した2以上のバイアスパルスに対応する2以上の発生信号を測定する。要素830はフレーム時間内にアレーの各マイクロボロメータに対応して測定した2以上の発生信号から平均信号値を算出する。要素840はフレーム時間中にアレーの各マイクロボロメータについて算出した平均信号値に基づいた出力信号を生成して、1以上のマイクロボロメータから成るアレーの性能、感度及び操作機能を改善する。以上の要素は各フレーム時間毎に繰り返され、アレーによる被写体のリアルな画像を生成する。さらに、プロセス800は積分器及びA/D変換器を用いることにより、アレーの各マイクロボロメータに係る均一な出力信号値をデジタル信号値に変換する処理を含んでよい。さらに、プロセス800はアレーの各マイクロボロメータに係るデジタル信号値をデジタル画像プロセッサに渡して画像欠陥、例えば、ファインオフセット、ゲイン不均一性、又はデッドピクセルを訂正する処理、その他、画質を改善する他の訂正処理を含んでもよい。実施形態によっては、プロセス800はさらに、アレーを構成する1以上のマイクロボロメータ間の抵抗の不均一性を訂正するため出力信号に訂正電気信号を供給して均一な出力信号値が得られるようにすることができる。また、プロセス800はファインオフセット、ゲイン不均一性、又はデッドピクセルを訂正するために出力信号に訂正用の電気信号を供給してもよい。
図9は本発明に基づいて、赤外線放射検出装置900の主要素とともにそれらの相互接続を示したものである。赤外線放射検出装置900はマイクロボロメータアレー110、ROIC115、及び出力回路950を備える。ROIC115はタイミング回路920、測定回路930、及び計算回路940から成る。
タイミング回路920はマイクロボロメータアレー110に結合しており、タイミング回路920からアレー110の各マイクロボロメータに2以上のバイアスパルスが順次供給され、フレーム時間410を通じてアレー110の各マイクロボロメータの温度が2以上のバイアスパルスの供給により均一化される。フレーム時間410はマイクロボロメータアレー110が被写体の全画像を生成するのに要する時間である。マイクロボロメータアレー110の動作については図1及び図2を参照して既に述べた。
幾つかの実施形態において、2以上のバイアスパルス510の大きさはほぼ等しい。また、フレーム時間410内において、2以上のバイアスパルス510の時間間隔もほぼ等しくてよい。2以上のバイアスパルス510は電圧バイアスパルスでよい。あるいは電流信号である。また、2以上のバイアスパルス510の個数は約2乃至100個のバイアスパルスの範囲内でよい。2以上のバイアスパルス510の時間長は約0.1乃至20マイクロ秒の範囲内でよい。
測定回路930はマイクロボロメータアレー110に結合しており、この測定回路930はフレーム時間410中に供給される2以上のバイアスパルス510に関連して発生する2以上の信号を測定する。計算回路940は測定回路930に結合し、測定回路930から2以上の測定信号を受け、受け取った2以上の測定信号毎に平均信号値を算出する。計算回路940に結合する出力回路950はアレー110の各マイクロボロメータに係る平均信号値に基づいた出力信号を生成することによりマイクロボロメータアレーの性能、感度及び操作機能を改善する。
幾つかの実施形態において、出力回路はさらに積分器及びA/D変換器300を備える。積分器及びA/D変換器300はアレー110の各マイクロボロメータに係る均一な出力信号値を受け、その出力信号値をデジタル信号値に変換する。積分器及びA/D変換器300の動作については図3を参照して既に述べた。
幾つかの実施形態において、赤外線放射検出装置900はさらにデジタル画像プロセッサ340を備える。デジタル画像プロセッサ340は出力回路950に結合し、アレー110の各マイクロボロメータに係るデジタル信号値を受け、ファインオフセット、ゲイン不均一性、又はデッドピクセル等の画像欠陥を訂正するとともに、(均一な出力信号値を得るために)訂正回路360によりアレーの各マイクロボロメータに係る抵抗の不均一性を訂正して画質を改善することができる。さらにデジタル画像プロセッサ340はアレー110の各マイクロボロメータに係る訂正値を記憶するデジタルメモリ350を備えてよい。
結論
以上説明した方法及び装置は第一に、NEP及びNETDを低減することによりマイクロボロメータアレーの性能及び感度を改善する。また、この方法及び装置はアレーの各マイクロボロメータにおけるマイクロボロメータ温度変動を低減することができる。
以上の説明は例示を目的とするものであって制限するものではない。当業者には多くの他の実施形態が明らかである。したがって、本発明の範囲は均等の全範囲を確保しつつ特許請求の範囲により定められるべきである。
撮像システムにおけるマイクロボロメータアレーを示す。 代表的なROIC回路を示す。 出力信号をデジタル信号値に変換するのに使用する積分器及びA/D変換器を含む代表的な回路を示す。 アレーの各マイクロボロメータを動作させる従来方法とともにその温度変動を示す。 本発明に基づいた、アレーの各マイクロボロメータを動作させる方法の実施形態とともにその温度変動を示す。 従来方法により、図1に示すアレーを走査したときに得られる算出NEP対供給入力バイアス電流パルスレベルのグラフである。 本発明に基づいて、図1に示すアレーを走査したときに得られる算出NEP対供給入力バイアス電流パルスレベルのグラフである。 マイクロボロメータ焦点面アレーの性能及び感度を改善する方法を示す。 本発明に基づいた、赤外線放射検出装置の主要素及びそれらの相互接続を示す。

Claims (35)

  1. 複数のマイクロボロメータを有するアレーの性能、感度及び操作機能を改善する方法において、
    フレーム時間に上記アレーにおける各マイクロボロメータに2以上のバイアスパルスを順次供給し、当該2以上のバイアスパルス供給により生じる各アレーにおける各マイクロボロメータの温度変動が前記フレーム時間中、最小になるように供給するステップと、
    上記2以上のバイアスパルスに対応して発生した2以上の信号を測定するステップと、
    上記フレーム時間中、上記アレーの各マイクロボロメータに対応して発生した信号から平均値を算出するステップと、
    上記フレーム時間中、上記アレーの各マイクロボロメータについて、上記算出した平均値に基づいて出力信号を生成するステップとを有し、上記フレーム時間は上記アレーが被写体の全画像を生成するのに要する時間であり、
    各フレーム時間中、出力信号を算出するために上記供給、算出、及び生成するステップを反復するステップを含む、
    ことを特徴とする方法。
  2. さらに、均一な出力信号値が得られるように上記アレーにおける前記マイクロボロメータ間の抵抗の不均一性を訂正するために訂正電気信号を上記出力信号に供給するステップを含む、請求項記載の方法。
  3. さらに、上記アレーの各マイクロボロメータに係る均一な出力信号値をデジタル信号値に変換するステップを含む、請求項記載の方法。
  4. さらに、上記アレーの各マイクロボロメータに係る上記デジタル信号値を、デジタル画像プロセッサを介し画像の欠陥を訂正するステップを含む、請求項記載の方法。
  5. 上記画像の欠陥はファインオフセット、ゲイン不均一、又はデッドピクセルを含むことを特徴とする、請求項記載の方法。
  6. 上記バイアスパルスは同じ大きさであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  7. 上記バイアスパルスは等しい時間間隔であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  8. 上記2以上のバイアスパルスは2以上の電圧バイアスパルスであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  9. 上記発生した信号は2以上のバイアス電流信号であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  10. 上記バイアスパルスは乃至100個のバイアスパルスの範囲内であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  11. 上記2以上のバイアスパルスの各々は0.1乃至20マイクロ秒の範囲内の時間継続を有することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  12. マイクロボロメータのアレーと、
    上記アレーに結合し、複数の各フレーム時間において上記アレーにおける各マイクロボロメータに2以上のバイアスパルスを順次供給し、当該2以上のバイアスパルス供給によりアレーにおける各マイクロボロメータに生じる温度がフレーム時間中、最小になるようにするタイミング回路と、
    上記アレーに結合し、上記フレーム時間中、上記供給された2以上の各バイアスパルスに関連して発生した2以上の信号を測定する測定回路と、
    上記測定回路に結合し、上記フレーム時間中、上記アレーの各マイクロボロメータについて、上記測定した信号の平均信号値を算出する計算回路と、
    上記計算回路に結合し、上記フレーム時間中、上記アレーの各マイクロボロメータについて、上記算出した平均信号値に基づいて出力信号を生成する出力回路と、を備え、上記フレーム時間は上記アレーが被写体の全画像を生成するのに要する時間であり、
    各フレーム時間中、出力信号を算出するために上記タイミング回路と測定回路と計算回 路とが上記供給、算出、及び生成を反復することを特徴とする、
    赤外線放射検出装置。
  13. さらに上記出力回路は、
    上記アレーの各マイクロボロメータについて均一な出力信号値をデジタル信号値に変換するために積分器及びA/D変換器を有することを特徴とする、請求項12記載の赤外線放射検出装置。
  14. さらに、
    上記出力回路に結合し、上記アレーの各マイクロボロメータに関係する上記デジタル信号値を受け、画像欠陥について当該デジタル信号値を訂正するデジタル画像プロセッサを有することを特徴とする、請求項13記載の赤外線放射検出装置。
  15. さらに上記デジタル画像プロセッサは、
    均一な出力信号値が得られるように上記アレーにおける各マイクロボロメータ間の抵抗の不均一性を訂正するために訂正値に基づいた訂正電気信号を上記出力信号に供給する訂正回路を有することを特徴とする、請求項14記載の赤外線放射検出装置。
  16. さらに上記訂正回路はファインオフセット、ゲイン不均一、又はデッドピクセルについて上記均一な出力信号値を訂正することを特徴とする、請求項15記載の赤外線放射検出装置。
  17. さらに上記デジタル画像プロセッサは上記アレーの各マイクロボロメータについて訂正値を記憶するデジタルメモリを有することを特徴とする、請求項16記載の赤外線放射検出装置。
  18. 上記2以上のバイアスパルスは同じ大きさであることを特徴とする、請求項12記載の赤外線放射検出装置。
  19. 上記2以上のパルスの時間間隔は等しいことを特徴とする、請求項18記載の赤外線放射検出装置。
  20. 上記2以上のバイアスパルスは電圧バイアスパルスであることを特徴とする、請求項12記載の赤外線放射検出装置。
  21. 上記発生した信号は電流信号であることを特徴とする、請求項20記載の赤外線放射検出装置。
  22. 上記2以上のバイアスパルスは2乃至100個のバイアスパルスの範囲内であることを特徴とする、請求項12記載の赤外線放射検出装置。
  23. 上記2以上のバイアスパルスは0.1乃至20マイクロ秒の範囲内の時間継続を有することを特徴とする、請求項22記載の赤外線放射検出装置。
  24. アレーに結合し、複数の各フレーム時間において上記アレーにおける各マイクロボロメータに2以上のバイアスパルスを順次供給し、当該2以上のバイアスパルス供給によりアレーにおける各マイクロボロメータに生じる温度が上記各フレーム時間中、最小になるようにするタイミング回路と、
    上記アレーに結合し、上記フレーム時間中、上記供給されたバイアスパルスにそれぞれ関係して発生した2以上の信号を測定する測定回路と、
    上記測定回路に結合し、上記フレーム時間中、上記アレーの各マイクロボロメータについて、上記測定され発生した信号の平均信号値を算出する計算回路と、
    上記計算回路に結合し、上記フレーム時間中、上記アレーの各マイクロボロメータについて、上記算出した平均信号値に基づいて出力信号を生成する出力回路と、を備え、上記フレーム時間は上記アレーが被写体の全画像を生成するのに要する時間であり、
    各フレーム時間中、出力信号を算出するために上記タイミング回路と測定回路と計算回路とが上記供給、算出、及び生成を反復することを特徴とする、
    複数のマイクロボロメータを有するアレーのための信号処理電子回路。
  25. さらに上記出力回路は、
    均一な出力信号値が得られるように上記アレーにおける各マイクロボロメータ間の抵抗の不均一性を訂正するために訂正値に基づいた訂正電気信号を上記出力信号に供給する訂正回路を有することを特徴とする、請求項24記載の信号処理電子回路。
  26. さらに上記出力回路は、
    上記アレーの各マイクロボロメータについて上記均一な出力信号値をデジタル信号値に変換するために積分器及びA/D変換器を有することを特徴とする、請求項25記載の信号処理電子回路。
  27. さらに、
    上記出力回路に結合し、上記アレーの各マイクロボロメータに関係する上記デジタル信号値を受け、ファインオフセット、ゲイン不均一、又はデッドピクセルの画像欠陥について当該デジタル信号値を訂正するデジタル画像プロセッサを有することを特徴とする、請求項26記載の信号処理電子回路。
  28. さらに上記デジタル画像プロセッサは、
    均一な出力信号値が得られるように上記アレーにおける各マイクロボロメータ間の抵抗の不均一性を訂正するために訂正値に基づいた訂正電気信号を上記出力信号に供給する訂正回路を有することを特徴とする、請求項27記載の信号処理電子回路。
  29. さらに、
    上記アレーの各マイクロボロメータについて訂正値を記憶するメモリを有することを特徴とする、請求項28記載の信号処理電子回路。
  30. 上記2以上のバイアスパルスは同じ大きさであることを特徴とする、請求項24記載の信号処理電子回路。
  31. 上記2以上のパルスの時間間隔は等しいことを特徴とする、請求項30記載の信号処理電子回路。
  32. 上記2以上のバイアスパルスは電圧バイアスパルスであることを特徴とする、請求項24記載の信号処理電子回路。
  33. 上記発生した信号は電流信号であることを特徴とする、請求項32記載の信号処理電子回路。
  34. 上記2以上のバイアスパルスは2乃至100個のバイアスパルスの範囲内であることを特徴とする、請求項24記載の信号処理電子回路。
  35. 上記2以上のバイアスパルスの各々は0.1乃至20マイクロ秒の範囲内の時間継続を有することを特徴とする、請求項34記載の信号処理電子回路。
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