JP4022331B2 - 洗車機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、自動車を跨ぐように往復走行する洗車機本体に各種処理装置を備え、洗車機本体の走行に伴い車体面に対し洗浄や乾燥といった処理を施すいわゆる門型洗車機であって、特に、洗車機本体が往行して洗浄処理を行うのと並行して車体面位置を読み取って車形データを記憶しておき、続く復行時には往行時に記憶した車形データに沿って処理装置を作用させるようにした洗車機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の記憶した車形データに基づいて洗車動作するタイプの洗車機では、洗車機の走行に伴って車体面位置を検知し記憶して車形データとするもので、洗車機の走行が各回とも安定して行われないと、記憶した車形データと実際の自動車の位置との間でズレが生じる結果となる。走行位置のズレは、車輪のスリップや車輪とレールとの噛み合いの不良等によって生じると考えられ、洗車機個々の設置条件や使用環境の違いによってかなり異なっており、洗車機そのものの設計的な改良だけでは今のところ十分に解消できていない。また、最近は運転者が自動車に乗ったまま洗車するケースも増えてきており、洗車中に誤って運転者が自動車を移動させてしまうことがあり、この場合にも車形データと実際の自動車の位置とがズレてしまう。
【0003】
この種の洗車機では、車形データに合わせて洗浄用のブラシまたはスプレーノズルや乾燥用のブロワノズル等の処理装置を移動させ、車体面と所定範囲の距離を保って作用するよう制御されるもので、上記のように車形データと実際の自動車の位置がズレていると、処理装置が車体に異常接近したり逆に処理不能な位置まで離れたりして正常に洗車できないばかりか、処理装置が車体に衝突して破損させてしまう危険もある。従って、記憶した車形データと実際の自動車とがズレていないかを、洗車しながら洗車機側で監視する必要が生じてくるのである。
【0004】
こうした必要に対し出願人は、特開平10−35432号公報に見られるように、洗車機の往行時に読み取った車形データと復行時に読み取った車形データとを比較してズレを検出し、検出したズレに応じて車形データを補正するようにした洗車機を提案した。しかし、この種の洗車機では、往行時に処理装置が車体に作用するより先に車形が読み取れるよう、車体面の検出手段を処理装置より前側に位置させているため、復行時に車形データをとろうとすると、処理装置の後ろに車体面の検出手段が位置することになり、処理装置を作用させた後に車形データが読み取られる結果となる。従って、往行時と復行時の車形データを比較してズレを検出し補正しても、同じ復行時にその補正した車形データを使用することは困難であり、実用化することができなかった。また、昨今では、車体面の突起物をも検出できるよう小さな間隔で多数の車体検出器を配列して車体面を精密に捉えようとする試みをしており、車形検出の精密さが増せば増す程その車形データの処理に負荷を必要とするようになり、先の出願のように繰り返し車形データを読み取って処理することは著しく効率を悪くする結果となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
記憶した車形データと実際の自動車の位置とのズレが生じた場合、処理装置の中で一番注意すべきはブロワノズルであろう。ブラシは毛材の長さが40cm程度あり多少のズレが生じても、この毛材の長さでズレをある程度吸収できる。また、スプレーノズルは、あまり車体に近付け過ぎるとスプレーの作用する範囲が小さくなるため、車体から数10cm離した位置で制御するのが一般的であり、ズレが生じても直接車体に接するようなことは少ない。ところが、ブロワノズルは、車体の水滴を効果的に除去するために可能な限り車体に近付ける必要があり、できれば車体面まで10cm以内といった近距離で作用させたいという要望もあり、大きなズレが生じるとノズルが車体に衝突する可能性がある。そして、通常ブロワノズルは洗車の最後の乾燥工程、すなわち洗車機本体が復行する工程で行われることが多いため、洗車機本体の往行時と復行時との間のズレに特に着目する必要がある。
【0006】
以上の点をふまえ、この発明の課題とするところは、往行時に記憶した車形データと実際の自動車の位置との間にズレが生じたのを制御負荷の小さな簡略化した方式で検出し、検出したズレに対処して安全・確実に洗車処理できる洗車機が得られないか、という点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するため、自動車を跨ぐように往復走行する洗車機本体に各種処理装置を備え、洗車機本体の走行に伴い車体面に対し洗浄や乾燥といった処理を施す洗車機であって、洗車機本体の走行位置を検出する手段と、洗車機本体に対する車体面の位置を検出する手段と、この両検出手段で与える走行位置と車体面位置とを対応して記憶する車形記憶手段と、洗車機本体の往行に伴い車形データを車形記憶手段に記憶しておき、続く復行時には往行時に記憶した車形データに沿って前記処理装置を作用させるようにした制御手段とを備えたものにおいて、洗車機本体の往行時における車体面検出手段が自動車の前端・後端といった特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置と、洗車機本体の復行時における車体面検出手段が前記特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置とを比較してズレを検出する手段を設け、前記制御手段は、前記ズレ検出手段で与える走行位置のズレの大きさに応じて、車形記憶手段で与える車形データに対応する処理装置の位置を調整してから、処理装置を車体に作用させるようにしたことを特徴としている。
【0008】
また、上記課題を解決するため、自動車を跨ぐように往復走行する洗車機本体に各種処理装置を備え、洗車機本体の走行に伴い車体面に対し洗浄や乾燥といった処理を施す洗車機であって、洗車機本体の走行位置を検出する手段と、洗車機本体に対する車体面の位置を検出する手段と、この両検出手段で与える走行位置と車体面位置とを対応して記憶する車形記憶手段と、洗車機本体の往行に伴い車形データを車形記憶手段に記憶しておき、続く復行時には往行時に記憶した車形データに沿って前記処理装置を作用させるようにした制御手段とを備えたものにおいて、洗車機本体の往行時における車体面検出手段が自動車の前端・後端といった特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置と、洗車機本体の復行時における車体面検出手段が前記特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置とを比較してズレを検出する手段と、この検出手段で与えるズレデータに基づいて車形記憶手段に記憶する車形データを補正する手段とを設け、前記制御手段は、往行時には前記車形記憶手段で与える車形データに沿って処理装置を作用させ、復行時には前記補正手段で与える補正した車形データに沿って処理装置を作用させることを特徴としている。
【0009】
上記問題点を解決するため、自動車を跨ぐように往復走行する洗車機本体に各種処理装置を備え、洗車機本体の走行に伴い車体面に対し洗浄や乾燥といった処理を施す洗車機であって、洗車機本体の走行位置を検出する手段と、洗車機本体に対する車体面の位置を検出する手段と、この両検出手段で与える走行位置と車体面位置とを対応して記憶する車形記憶手段と、洗車機本体の往行に伴い車形データを車形記憶手段に記憶しておき、続く復行時には往行時に記憶した車形データに沿って前記処理装置を作用させるようにした制御手段とを備えたものにおいて、洗車機本体の往行時における車体面検出手段が自動車の前端・後端といった特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置と、洗車機本体の復行時における車体面検出手段が前記特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置とを比較してズレを検出する手段と、このズレ検出手段で検出した各回洗車時のズレデータを記憶する手段とを設け、前記制御手段は、前記記憶手段で与える少なくとも前回洗車時のズレデータに応じて、車形記憶手段で与える車形データに対応する処理装置の位置を調整することを特徴としている。
【0010】
なお、上記した各課題解決手段において、補正手段は、ズレ検出手段で与えるズレデータに基づいて車形記憶手段で与える車形データを洗車機本体の走行と平行な方向に伸長させるように補正する。また、制御手段は、車形記憶手段に記憶した車形データから得る車体面位置とその車体面に対する処理装置の位置との間隔を、ズレ検出手段で与えるズレの大きさに略比例して大きくとるよう調整する。
【0011】
【実施例】
以下、その実施例について図面を基に説明する。ここでは、ブラシを用いて車体を洗浄するタイプの門型洗車機に本発明を実施した例を示している。図1は実施例の正面説明図、図2は同じく側面説明図である。
【0012】
洗車機本体1は左右一対のレール2,2上を往復走行し、レール2,2間に停車される自動車を跨ぐように移動する。3,4,4は洗車機本体1に設けられる洗浄処理装置としてのブラシで、3は水平に配置され鉛直方向(本体1の走行方向と直交する方向)に昇降動作して車体上面を洗浄する上面ブラシ、4,4は本体1の走行方向と直交する方向に開閉動作することで車体の側面および前後面を洗浄する左右一対の側面ブラシである。
【0013】
5は洗車機本体1のブラシ3,4,4よりも前方に位置して設けられ自動車の側方からの形状を読み取る車形検出装置、6は主に車体の前端および後端の位置を検出するための光電スイッチである。7は洗車機本体1が単位距離走行する毎にパルス出力するエンコーダ、8,8は本体1を走行させるモータである。
【0014】
9,10,10は洗車機本体1に設けられる乾燥処理装置としてのブロワノズルで、図示しないブロワからの送風を車体面に吹き付けて乾燥をはかるもので、9は水平に配置され鉛直方向(本体1の走行方向と直交する方向)に昇降動作して車体上面の乾燥をはかる上面ブロワノズル、10,10は本体1の両側に設けられ車体側面の乾燥をはかる左右一対の側面ブロワノズルである。
【0015】
図3は車体上面に作用する処理装置すなわち上面ブラシ3および上面ブロワノズル9の構成を説明するもので、上面ブラシ3は、洗車機本体1両側において上下に昇降可能に設けられるキャリア3C,3Cにその両端を支持され、一方のキャリア3Cに固定されたモータ3M1により回転駆動される。キャリア3Cは、上下に張設されたループ3Lと連結され、このループ3Lを送り操作するモータ3M2の正逆駆動により昇降される。モータ3M2は、図示しない減速器を介してキャリア3C,3Cを昇降しモータを停止すればその位置に保持することができる。3Eはキャリア3Cの昇降位置を検出するためのエンコーダである。キャリア3C,3Cは車形検出装置5で検出した車形に応じて昇降させ、上面ブラシ3と車体面との距離が略一定となるよう調節される。
【0016】
上面ブロワノズル9も上面ブラシ3と略同様な構成で昇降されるもので、洗車機本体1両側において上下に昇降可能に設けられるキャリア9C,9Cにその両端を支持され、キャリア9Cは上下に張設されたループ9Lと連結され、このループ9Lを送り操作するモータ9Mの正逆駆動により昇降される。モータ9Mは、図示しない減速器を介してキャリア9C,9Cを昇降しモータを停止すればその位置に保持することができる。9Eはキャリア9Cの昇降位置を検出するためのエンコーダである。キャリア9C,9Cは車形検出装置5で検出した車形に応じて昇降させ、上面ブロワノズル9と車体面との距離が略一定となるよう調節される。9Yは車体面の傾斜に合わせて上面ブロワノズル9の吹き出し方向を可変するシリンダーである。
【0017】
図4は車形検出装置5および車端検出手段たる光電スイッチ6を説明するもので、車形検出装置5は、発光素子を上下に多数配列させた発光ユニット5Eと、発光ユニット5Eに対応して配列され発光ユニット5Eからの光信号を受信する受光ユニット5Rとを、自動車Aを両側から挾むように対向させている。ここで、洗車機本体1の走行に伴いロータリエンコーダ7からパルス出力される毎に、発光ユニット5Eの発光素子を上下に順番に発光させ、受光ユニット5Rでの受光状態をモニタして車体により遮光された最も上方位置の発光・受光素子の位置を検知し、これを車体上面高さとして記憶し自動車Aの側方からの輪郭を読み取っていくのである。
【0018】
光電スイッチ6は、発光素子6Eと受光素子6Rとを自動車Aを挟むように対向させ、自動車のバンパー位置を検出可能な高さに設定されている。ここで、洗車機本体1の走行に伴いロータリエンコーダ7からパルス出力される毎に光信号の授受を行い、光信号が透過から遮断に切り替わった時点、または遮断から透過に切り替わった時点を車体端部としてとらえるように使用される。なお、車形検出装置5において、自動車のバンパー位置に相当する高さのユニットの信号を単独で取り出せる構成であれば、光電スイッチ6を別個に設けなくても、車形検出装置5で車端検出手段を兼ねて使用することができる。
【0019】
図5は上記実施例の制御系を示すブロック図で、11はマイクロコンピュータ、メモリ等を含む制御部、12は制御部11からの信号によりブラシ、ブロワノズル等の処理装置を駆動する駆動部、13は洗車開始入力や回避すべき突起物の指定入力を行う操作パネルである。制御部11は、操作パネル13における洗車開始入力があると記憶した洗車プログラムに従って駆動部12を介して洗車動作を実行し、洗車中は通常、車形検出装置5で読み取る輪郭データを記憶し、エンコーダ7の信号に基づく本体走行位置をパラメータとして、エンコーダ3Eに基づく上面ブラシ3の位置、およびエンコーダ9Eに基づく上面ブロワノズル9の位置を輪郭データに適合させるよう、本体1の前進/後退およびキャリア3C,9Cの昇降といった操作を行うことにより、処理装置たる上面ブラシ3および上面ブロワノズル9の車体上面に対する距離を略一定に保って洗車処理するよう制御する。
【0020】
なお、ここでは特に詳細な説明をしないが、車体側面の位置を超音波センサ等で検知し、上記の車体上面への処理と同様に、車体側面位置に合わせて側面ブラシ4・4および側面ブロワノズル10・10を移動させて、車体側面に対する距離を略一定に保って洗車処理するよう制御することができる。また、操作パネル13には、LCD表示器またはプリンターといったデータ表示手段が設けられ、後述するズレ検出部で検出したズレデータ等を表示させることができる。
【0021】
図6は制御部11の機能要部を説明するブロック図で、請求項1の実施例に相当するものである。この図を基に制御部11で果たす機能をもう少し詳しく説明する。11aは走行位置検出部で、エンコーダ7からのパルスをカウントして洗車機本体1の走行位置を検出する。11bは車形記憶部で、エンコーダ7からパルス出力がある毎に、車形検出装置5で与える輪郭データとその時の走行位置検出部11aで与える走行位置とを記憶する。車形記憶部11bでは、主に洗車機本体1が最初に往行する工程で車形を記憶する。11cは車端検出部で、光電スイッチ6の出力を監視し、光信号が透過から遮断に切り替わった時点、および遮断から透過に切り替わった時点を車端と判断して、走行位置検出部11aで与える走行位置を車端位置として出力する。
【0022】
11dはズレ検出部で、車形記憶部11bで車形を記憶した工程において車端検出部11cが検出した車端位置と、その後の実行中の工程で検出した車端位置とを比較し、両者の間でのズレを検出してズレデータZを出力する。すなわち、最初の往行工程において光電スイッチ6で自動車の後端を検出したときの洗車機本体1の走行位置と、続く復行工程で同じ後端を検出したときの走行位置との差を求め、その差をズレデータZとして出力するのである。なお、洗車機本体1が複数回往復する場合は、更に2回以降の往行工程および復行工程においてもそれぞれのズレデータを出力する。11eは位置調整部で、車形記憶部11bで記憶した車形データSにズレ検出部11dで与えるズレデータZを加味して、車体面に対する各処理装置の制御目標とすべき位置を調整し算定する。なお、位置調整部11eにおける処理装置の位置調整の算定方式については図7において説明する。11f・11gは上面ブラシ3・上面ブロワノズル9それぞれの昇降位置検出部で、エンコーダ3E・9Eからのパルスをカウントして上面ブラシ3・上面ブロワノズル9それぞれの昇降位置検出する。
【0023】
11iは洗車制御部で、位置調整部11eで与える各処理装置3・9のあるべき位置に上面ブラシ3・上面ブロワノズル9それぞれの位置を一致させるよう、モータ3M2・8・8・9Mを駆動制御する。すなわち、現在の走行位置および昇降位置に対し、そこから本体1が単位距離走行した時に処理装置3・9がどこにあるべきかを位置調整部11eで与える調整位置から参照し、各処理装置3・9の目標とするベクトルを求め、この目標ベクトルに合わせて走行モータ8・8と昇降モータ3M2・9Mを駆動するものである。
【0024】
図7は図6の実施例における位置調整部11eの調整方式を説明するもので、ここでは上面ブロワノズル9の位置調整の方式について代表的な2例を示している。図7(a)は車体面に対する処理装置9の距離Lをズレデータに比例して増減させるようにした第1の例を示し、図7(b)は車体面に対する処理装置9の距離Lのうち水平方向の成分値をズレデータに比例して増減させるようにした第2の例を示している。図中、Sは車形記憶部11bで与える車形データであり、この車形データのうちのポイントPsに対する処理装置9のあるべき位置を示している。点線で表す処理装置の位置9sは、車形データS取得時の走行位置と実行中の工程における走行位置との間にズレがない状態での標準位置であり、これに対し実線で表す位置9zは、走行位置にズレがあるときのズレデータZを加味して設定された調整位置である。
【0025】
図7(a)において、ズレがない理想的な状態ではポイントPsから最短距離Lだけ離した標準位置9sで処理装置9を作用させ、ズレが検出された場合には最短距離LよりズレデータZに相当する分だけ拡大された距離Lzだけ離した調整位置9zで処理装置を作用させる。距離LzはズレデータZに比例して大きくなるものであり、ズレの発生による処理装置9と車体との接触を確実に防止することができる。
【0026】
図7(b)において、ズレが検出された場合にはズレデータに相当する分だけ標準位置9sより水平方向(走行方向)へスライドさせて調整位置9zを設定するものである。図7(a)の方法では、水平な車体面に対してもズレを加味した離れた調整位置となり、洗車処理の効果を犠牲にする欠点があるが、図7(b)の方法では、水平方向にだけ位置調整するので、少なくとも水平な車体面には最短距離Lで処理装置9を作用させることができ、効果的な乾燥処理が可能になる。
【0027】
なお、走行位置のズレが生じると、そのズレの方向によって処理装置9が接近する車体傾斜面と離れる車体傾斜面が生じることになる。すなわち、処理装置9がリアウィンドウに接近する方向にズレたのであれば、フロントウィンドウ側では処理装置9は離れる方向にズレることになる。よって、図7(b)の方法において、水平方向へスライドさせるのはズレによって車体面と処理装置が近づいてしまう側の車体傾斜面に限定して調整することが望ましい。なお、ズレによって処理装置が離れてしまう側の車体傾斜面に対しては、処理装置を車体側へスライドするよう調整することも可能であるが、安全を考えて本実施例では処理装置を車体へ近付ける方向での調整はしていない。
【0028】
図8は上記実施例における動作例の説明図で、ここでは洗車機本体1の往行に伴い車体をブラッシング洗浄し、続く復行に伴い車体をブロー乾燥して洗車を終了する1往復の洗車動作を例示している。以下この図を基に実施例の動作を説明する。
【0029】
図8(a)において、洗車開始に際し洗車機本体1は自動車Aに対し図中▲1▼の位置に停止しており、操作パネル13に洗車開始入力があると洗車機本体1が前方へ往行する。往行に伴い車形検出装置5は自動車の輪郭を読み取り、この読み取った輪郭を車形データとして前記車形記憶部11bに記憶すると共に、その車形データに合わせて位置調整部11eでは上面ブラシ3の目標位置を調整し、その調整位置に合わせて上面ブラシ3を昇降させるようにして、図示のような車体Aに追従したブラッシングを行う。また、特に図示しないが往行に伴い側面ブラシ4・4等も車体に作用し洗車処理を行う。本体1の走行に伴い光電スイッチ6では車体端部を検出しており、図中▲2▼の位置に至って光電スイッチ6が車体後端を検出すると、そのときの本体1の走行位置Xrを記憶する。全ての洗車処理が自動車後端まで達してブラッシング洗浄を終えると(図中▲3▼)、洗車機本体1は往行を止めて最初の往行工程を終了する。
【0030】
図8(b)において、往行工程が終了すると図中▲4▼の位置から洗車機本体を後方へ復行させて復行工程を行う。ここではブロワが駆動されてブロワノズル9・10・10から送風され、車体面の乾燥がはかられる。工程当初、上面ブロワノズル9は上方に保持され図中▲5▼の位置に至って光電スイッチ6が車体後端を検出すると、そのときの本体1の走行位置Xr'を記憶し復行を一旦停止する。ここで前記ズレ検出部11dでは、往行時の後端位置Xrと復行時の後端位置Xr'とを比較してズレZを検出し、このズレデータZと往行時に検出した車形データとに基づいて、位置調整部11eでは上面ブロワノズル9の車体面に対する目標位置を調整し、現在の本体1の走行位置に相当する調整位置までノズル9を下降させ、以後本体1を往行させつつノズル9を調整位置に合わせて昇降させてブロー乾燥をはかる。上面ノズル9が車体後端に達すると、今度は本体1を復行させノズル9をやはり調整位置に合わせて昇降させ、図示のような車体Aに追従したブロー乾燥を行う。こうして復行に伴い洗車機本体1が洗車開始位置▲6▼に達すると復行を停止し洗車を終了する。
【0031】
このように、往行時と復行時とで車体後端を検出したときの洗車機本体1の走行位置を比較してズレを検出し、このズレに基づいて往行時に記憶した車形データを調整して復行時の処理を実行するので、処理装置9はズレを想定して車体面に対する位置調整がなされ車体面に必要以上に接近することがない。また、ズレを検出してから復行時の処理を実行することとし、復行で車体後端を検出するまで上面ブロワノズル9を上方に保持させ、後端検出してから部分的に往復走行させて車体後端部の乾燥処理を行うようにしている。これにより、実際のズレを確認してから作用させるので、ズレがあってもブロワノズル9を車体に異常接近させることがない。なお、車体後端部は垂直に近い車体面を含み、通常の復行に伴う乾燥処理では、下から傾斜に逆らって水滴を押し上げるようにブローするため、効果的な乾燥がはかれなかったところ、この動作例では、車体後端を往行しながら乾燥処理することになるため、車体後端の傾斜に沿って吹き下ろすようにブローして効果的な水滴除去ができるようになる。
【0032】
図8の例では、往行時に後端検出したと同じ光電スイッチ6で復行時の後端検出を行うために、復行工程の一部区間だけ往復走行させる動作が必要となるが、光電スイッチ6と別個にブロワノズル9の後ろ側に追加の光電スイッチを設けて車体端部を検出できるようにしておけば、復行に伴いノズル9に先行して車体後端を検出しズレを確認できるから、往復走行させることなく乾燥処理を行うことができる。また、この動作例では、車体後端を見てズレを検出しているが、他の車体部分に基づいてズレを検出するようにしても良い。例えば、光電スイッチ等を車体のウィンドウ部の高さとしてフロントウィンドウまたはリアウインドウの位置を各工程で検出してズレを見るようにすれば良い。なお、図8では1往復の洗車動作について説明しているが、2往復以上の洗車動作においても、最初の往行工程で検出した車体位置と各工程で検出した車体位置とのズレを検出して処理装置の位置調整をすることができる。
【0033】
図9は他の実施例における制御部11の機能要部を説明するブロック図で、請求項2の実施例に相当するものである。図6と内容が重複するので異なる部分についてのみ説明する。11hは車形補正部で、車形記憶部11bに記憶した車形データをズレ検出部11dで与えるズレデータに基づいて補正するもので、具体的な補正方法については図9において説明する。ここで補正された車形データは、位置調整部11eにおいて車体面に対する各処理装置の制御目標とすべき位置に調整され、洗車制御部11iではこうして補正車形データに基づいて調整された位置に合わせて処理装置を駆動制御する。
【0034】
図10は図9の実施例における車形補正部11hでの補正方式の説明図で、ここでは代表的な補正方式を3つ例示している。なお、便宜上、図10(a)の方式をスライド方式、図10(b)の方式をストレッチ方式、図10(c)の方式をオア方式と呼ぶことにする。図中の点線で示す車形データは、車形記憶部11bで与える最初の往行時に読み取った車形を示し、実線で示す車形データは、車形補正部11hで与える補正された車形を示している。(a)〜(c)の各方式において▲1▼は、復行時に検出した車体後端位置Xr'が車形読取時に検出した後端位置Xrより前側にズレた場合を示し、▲2▼は復行時の後端位置Xr'が車形読取時の後端位置Xrより後側にズレた場合を示している。
【0035】
図10(a)のスライド方式は、ズレ検出部11dで検出したズレに応じて車形記憶部11bに記憶する車形データをスライドさせるもので、ズレた方向へズレの大きさに比例した分だけずらすよう補正している。この方式では、車形記憶部11bに記憶する車形データで表す車体のサイズそのものは変更しないでスライドさせるだけであるため、処理装置と車体面との間の距離を広げることがなく、効果の高い洗車処理を維持できる利点がある。しかし、洗車機本体1の走行に伴い車輪のスリップや車輪とレールとの噛み合いの不良等によってズレが生じている場合は、補正した車形データに対する洗車処理中にもズレが生じる可能性が高く、ズレの方向も必ずしも特定できないため、車体と処理装置とが異常接近する危険に対しては万全ではない。よって、このスライド方式は、車輪のスリップやレールとの噛み合い不良が少ない安定した環境にあって、ドライバーが洗車中に自動車を移動させてしまったときの対策に適している。
【0036】
図10(b)のストレッチ方式は、ズレ検出部11dで検出したズレに応じて車形記憶部11bに記憶する車形データを水平方向に引き伸ばすもので、ズレた方向へズレの大きさに比例して車形データを拡大するよう補正している。すなわち、▲1▼の前側にズレた場合にはズレた分だけ前側へ引き伸ばし、▲2▼の後側へズレた場合にはズレた分だけ後側へ引き伸ばすように補正処理する。この方式では、ズレに応じて車形データを拡張するため、車輪のスリップやレールとの噛み合い不良によりズレが生じた場合も、車体と処理装置とが異常接近する危険がなく安全に洗車処理できる利点がある。また、実行中の往行工程または復行工程の全体にわたり、検出したズレデータを上回るズレが予想されれば、検出したズレを増幅させて引き伸ばすようにすれば良い。
【0037】
図10(c)のオア方式は、前記スライド方式のようにズレに基づいてスライドさせた車形データと、車形記憶手段11bに記憶した車形データとを重ね合わせた論理和(OR)に相当する車形となるように、車形データを走行方向へ拡張させる補正をしたものである。補正処理の方法としては、▲1▼の前側にズレた場合には、車体前端からフロントウィンドウにかけての、復行時に作用する処理装置が下降するよう作用する側の傾斜面を、ズレデータに比例して水平方向へ膨らませるよう補正処理し、逆に▲2▼の後側にズレた場合には、車体後端からリアウィンドウにかけての、復行時に作用する処理装置が上昇するよう作用する側の傾斜面を、ズレデータに比例して水平方向へ膨らませるよう補正処理するものである。この方式でも、ズレに応じて車形データを拡張するため、車輪のスリップやレールとの噛み合い不良によりズレが生じても、車体と処理装置とが異常接近する危険がなく安全に洗車処理できる利点がある。
【0038】
図11は更に他の実施例の側面説明図で、設置面に対する洗車機本体1の基準位置を検出する手段21を備えて、本体1でカウントする走行位置のズレを監視するようにしたものである。基準位置検出手段21は、洗車機設置面の所定位置に固定された複数の突起マーカー22a・22bを検出するスイッチからなり、従来から洗車機本体1の走行開始位置または走行限界位置を与える手段として使用されている。マーカー22aは、洗車機本体1の走行開始位置を与えるもので、本体1は洗車動作以外の常時このマーカー22aを検出する位置で停止し待機状態とされている。マーカー22bは、洗車機本体1が前記走行開始位置から所定距離Dだけ走行したのを検出する位置に設けられている。所定距離Dは、洗車対象とする自動車の前端から後端までの処理を終了しない状態で検出できる程度の距離、すなわち、どんな小さなサイズの自動車を洗車する場合でも必ずマーカー22bを検出する程度の比較的短い距離(本例では2〜3m)に設定される。
【0039】
図12は図11の実施例における制御部11の機能要部を説明するブロック図で、請求項6の実施例に相当するものである。図6と内容が重複するので、これと異なる部分についてのみ説明する。11jは基準距離検出部で、基準位置検出スイッチ21がマーカー22a・22bを検出したときの走行位置検出部11aで与えるカウント値を読み取るもので、往行時の走行開始位置からマーカー22bを検出するまでの走行カウント値、または復行時のマーカー22bを検出してから走行開始位置に戻るまでの走行カウント値を検出する。
【0040】
ズレ検出部11dは、前記所定距離Dに対する標準のカウント値を記憶しており、基準距離検出部11jで与える往行時または復行時の走行カウント値を取り込み、標準カウント値と各工程におけるカウント値、または各工程のカウント値同士を比較して、各工程におけるズレ、往行時と復行時のズレまたは最初の往行時と次の往行時とのズレを検出する。11kはズレ記憶部で、ズレ検出部で検出したズレデータを記憶するもので、少なくとも過去1回以上の洗車時のズレデータを記憶する。そして、位置調整部11eでは、ズレ記憶部11dから前回洗車時のズレデータを読み出し、前回のズレの大小に応じて図7と同様の方式で処理装置の位置を調整するものである。
【0041】
この実施例では、洗車機設置面に固定されたマーカーにより一定距離が与えられるため、これと洗車機でカウントした走行位置とを比較することにより、車輪のスリップや車輪とレールとの噛み合いの不良等によって生じるズレがより正確に把握できる。そして、このズレを検出し記憶しておいて、次回の洗車時にズレが生じても安全に洗車処理できるよう、ズレの大きさに応じて処理装置の車体面に対する位置を離すよう調整するものである。ここで、図6または図9の例と異なり、ズレデータは洗車開始前から与えられているので、洗車中に改めてズレを検出する必要がないので、図8のようなズレ検出のために一定区間走行を後退させ等の処理は不要となり、迅速な洗車処理が可能になる。
【0042】
なお、この実施例では、設置面のマーカーに基づいてズレを検出するため、自動車が洗車中に動いた場合の洗車機との相対位置のズレは把握できない。このため、図6または図9に示す洗車中に自動車に対する洗車機の位置のズレを検出する方式を併用すれば、より安全に洗車処理することができる。また、ズレ記憶部11kで、過去複数回のズレデータを記憶しておき、このズレデータを点検時等に表示できるようにすれば、その洗車機で生じるズレの程度を容易に把握でき、的確な補正・修理が可能になり、また万一ズレに関する異常が生じたとしても、そのズレが車輪のスリップ等によるズレか自動車が移動したことによるズレかを、後に容易に推定することができ的確な対処が可能になる。
【0043】
この発明は以上のように実施されるものであるが、上記実施例だけに限定されるものではない。請求項の記載を逸脱しない範囲で種々の実施態様が可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、洗車機本体の走行位置のズレを検出して車形データに対する処理装置の位置の調整や車形データ自体の補正を行うようにしたので、従来のように往行時と復行時とで車形データを読み取る必要がなく、走行位置の監視だけでズレを検出できて容易に実施可能となると共に、車形データ同士を比較するような負荷の重いデータ処理が不要となる。そして、走行位置のズレを確認して安全に洗車できるよう、そのズレを吸収させるように処理装置を制御できるから、処理装置が車体に衝突するような危険がなく継続して安全な洗車を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の正面説明図である。
【図2】実施例の側面説明図である。
【図3】実施例における処理装置の構成説明図である。
【図4】実施例における車形検出装置および車端検出手段の説明図である。
【図5】実施例の制御系を示すブロック図である。
【図6】実施例の制御部の機能要部を説明するブロック図である。
【図7】図6における位置調整部の調整方式の説明図である。
【図8】実施例における動作例の説明図である。
【図9】他の実施例における制御部の機能要部を説明するブロック図である。
【図10】図9の実施例における車形補正部での補正方式の説明図である。
【図11】更に他の実施例の側面説明図である。
【図12】図11の実施例における制御部の機能要部を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 洗車機本体
3,4,4 処理装置たるブラシ
5 車形検出装置
6 車端検出手段たる光電スイッチ
7 走行位置検出用のエンコーダ
9,10,10 処理装置たるブロワノズル
11 制御部
Claims (5)
- 自動車を跨ぐように往復走行する洗車機本体に各種処理装置を備え、洗車機本体の走行に伴い車体面に対し洗浄や乾燥といった処理を施す洗車機であって、洗車機本体の走行位置を検出する手段と、洗車機本体に対する車体面の位置を検出する手段と、この両検出手段で与える走行位置と車体面位置とを対応して記憶する車形記憶手段と、洗車機本体の往行に伴い車形データを車形記憶手段に記憶しておき、続く復行時には往行時に記憶した車形データに沿って前記処理装置を作用させるようにした制御手段とを備えたものにおいて、
洗車機本体の往行時における車体面検出手段が自動車の前端・後端といった特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置と、洗車機本体の復行時における車体面検出手段が前記特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置とを比較してズレを検出する手段を設け、
前記制御手段は、前記ズレ検出手段で与える走行位置のズレの大きさに応じて、車形記憶手段で与える車形データに対応する処理装置の位置を調整してから、処理装置を車体に作用させるようにしたことを特徴とする洗車機。 - 自動車を跨ぐように往復走行する洗車機本体に各種処理装置を備え、洗車機本体の走行に伴い車体面に対し洗浄や乾燥といった処理を施す洗車機であって、洗車機本体の走行位置を検出する手段と、洗車機本体に対する車体面の位置を検出する手段と、この両検出手段で与える走行位置と車体面位置とを対応して記憶する車形記憶手段と、洗車機本体の往行に伴い車形データを車形記憶手段に記憶しておき、続く復行時には往行時に記憶した車形データに沿って前記処理装置を作用させるようにした制御手段とを備えたものにおいて、
洗車機本体の往行時における車体面検出手段が自動車の前端・後端といった特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置と、洗車機本体の復行時における車体面検出手段が前記特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置とを比較してズレを検出する手段と、この検出手段で与えるズレデータに基づいて車形記憶手段に記憶する車形データを補正する手段とを設け、
前記制御手段は、往行時には前記車形記憶手段で与える車形データに沿って処理装置を作用させ、復行時には前記補正手段で与える補正した車形データに沿って処理装置を作用させることを特徴とする洗車機。 - 自動車を跨ぐように往復走行する洗車機本体に各種処理装置を備え、洗車機本体の走行に伴い車体面に対し洗浄や乾燥といった処理を施す洗車機であって、洗車機本体の走行位置を検出する手段と、洗車機本体に対する車体面の位置を検出する手段と、この両検出手段で与える走行位置と車体面位置とを対応して記憶する車形記憶手段と、洗車機本体の往行に伴い車形データを車形記憶手段に記憶しておき、続く復行時には往行時に記憶した車形データに沿って前記処理装置を作用させるようにした制御手段とを備えたものにおいて、
洗車機本体の往行時における車体面検出手段が自動車の前端・後端といった特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置と、洗車機本体の復行時における車体面検出手段が前記特定部分を検出したときに前記走行位置検出手段で与える走行位置とを比較してズレを検出する手段と、このズレ検出手段で検出した各回洗車時のズレデータを記憶する手段とを設け、
前記制御手段は、前記記憶手段で与える少なくとも前回洗車時のズレデータに応じて、車形記憶手段で与える車形データに対応する処理装置の位置を調整することを特徴とする洗車機。 - 請求項2記載の洗車機において、前記補正手段は、前記ズレ検出手段で与えるズレデータに基づいて車形記憶手段で与える車形データを洗車機本体の走行と平行な方向に伸長させるように補正することを特徴とする洗車機。
- 請求項1乃至4いずれかに記載の洗車機において、前記制御手段は、車形記憶手段に記憶した車形データから得る車体面位置とその車体面に対する処理装置の 位置との間隔を、前記ズレ検出手段で与えるズレの大きさに略比例して大きくとるよう調整することを特徴とする洗車機。
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