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JP4022843B2 - ロボットの制御方法および制御装置 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送装置の機側に配置されて、前記搬送装置によって搬送されているワークに対して所定の作業を行うロボットの制御方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ベルトコンベアのような搬送装置で搬送されるワークをロボットで取り上げるための制御方法として、特開昭60−217085号公報に開示されている方法があった。これは、次のような方法である。
ベルトコンベアの上であって、ロボットの設置場所に対して上流側にあたる所定の位置に視覚装置を備え、前記視覚装置で前記ベルトコンベア上を搬送されるワークの位置と向きと速度を計測し、計測した前記ワークの位置と向きと速度から、所定の時間(t秒とする)後の前記ワークの位置と向きを計算し、前記ロボットがt秒後に前記位置で前記ワークを掴むように制御する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の制御方法では、次のような問題がある。第1に、ワークが視覚装置の下を通過してから、所定の時間(t秒)の経過後にロボットがワークを掴むようにしているので、制御開始時のロボットのアームの位置や姿勢の条件によっては、t秒間にワークを掴める位置まで移動できず、ワークを掴み損ねると言う問題がある。逆に、姿勢の条件によってはもっと早いタイミングでワークを掴める場合もあるが、この場合でも、ロボットはt秒が経過するまでワークを掴めない。言い換えれば、ワークを掴み損ねることがないように、最悪の条件に合わせて、ロボットのスケジュールとコンベアの速度を決定しているので、ロボット作業の能率が悪いという問題がある。第2に、この従来の制御方法では、ワークが視覚装置の下を通過してから、ロボットがワークを掴むまでの間、つまりt秒後までは、コンベアが一定の速度で移動することを前提条件にしているが、現実のコンベアは滑り等の原因により、移動速度が変化するので、計算によって求めたt秒後の位置と実際の位置に誤差が生じ、正確にワークを掴めないという問題がある。そこで、本発明は搬送中のワークにロボットのエンドエフェクタが最短時間で到達できるように制御するロボットの制御方法およびその制御装置を提供するものである。また、ワークの搬送速度の変動に応じて、ロボットの動作を修正するロボットの制御方法およびその制御装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明は設置場所に対して垂直軸回りに回転する旋回軸と、前記旋回軸に搭載され、前後及び上下に揺動するアームと、前記アームの先端に取り付けられた直交3軸回りに回動自在なエンドエフェクタと、を備え、ワークを搬送する搬送装置の近傍に配置されて、前記搬送装置によって搬送されている前記ワークに対して所定の作業を行うロボットであって、かつ、前記旋回軸の回転速度が前記アームを前後及び上下に揺動させる軸と前記直交3軸とに比べて同等か低速に設定され、前記旋回軸の回転角度が前記アームを前後及び上下に揺動させる軸と前記直交3軸とに比べて大きいロボットの制御方法において、前記搬送装置の搬送速度を計測し、前記ワークの位置を計測し、前記設置場所の平面配置図において前記ロボットの旋回軸を原点とし、前記搬送装置の移送方向に平行な軸をX軸とした直交座標系における、前記旋回軸によって回転する前記アームの前記X軸に対する角度及び角速度から求まるt秒後の前記アームの前記X軸に対する角度と、前記直交座標系における前記t秒後の前記エンドエフェクタの基準点の前記旋回軸まわりの回転半径がRであると仮定したときの回転半径Rとから得られる前記t秒後の前記基準点の座標Et、前記搬送速度と前記ワークの位置とから得られる前記直交座標系におけるt秒後の前記ワークの座標Atと、から前記基準点の座標Etと前記ワークの座標Atとが一致する時間t1及びそのときの座標Abを計算し、前記エンドエフェクタの基準点が前記t1秒後に前記座標Abに向かうように前記ロボットを動作させるものである。また、前記搬送装置の搬送距離を周期的に計測し、その度に前記地点を計算して修正し、前記ロボットの前記エンドエフェクタを修正した前記地点に向けて動作させるものである。また、前記ワークの位置を視覚センサを用いて計測するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例を示す搬送装置とロボットの平面配置図であり、図2は本発明の実施例を示すフローチャートであり、図3は視覚センサで捉えたワークの画像を示す説明図であり、図4は搬送対象のワークの位置を示す前記ロボットを基準とする座標を説明する説明図である。以下、図に従って本発明の実施例を説明する。
図1において、1は、例えばベルトコンベアのような搬送装置であり、ワーク2を図の左側から右側へ搬送する装置である。3はエンコーダであり、搬送装置1の図示しない駆動軸に取り付けられて、前記駆動軸の回転角度を計測する装置である。エンコーダ3の計測値から、搬送装置1上のワーク2の移動速度、すなわち搬送速度、およびワーク2の移動距離、すなわち搬送距離を求めることができる。4はロボットであり、垂直軸S回りに自在に旋回する。ロボット4は前後および上下に揺動するアーム4aを備え、アーム4aの先端にはエンドエフェクタ5が直交3軸回りに回動自在に取付けられている。このように構成されているので、ロボット4は、垂直軸Sの回転およびアーム4aの前後および上下の揺動によって任意の姿勢を取ることができる。また前記直交3軸の回動によって、エンドエフェクタ5の方向、傾きを任意に決める事ができる。6はロボット4の制御盤である。また、ロボット4は搬送装置1の機側に配置され、搬送装置1上を搬送されて来るワーク2をエンドエフェクタ5で掴んで、図示しない別の装置まで運ぶものである。7は視覚センサであり、搬送装置1の上流側に、搬送装置1を見下ろすように配置されている。7aは視覚センサ7の視野を示す。視覚センサ7は例えばCCDカメラと画像処理装置を組み合わせて、前記CCDカメラで捉えた対象物の画像を解析して、前記対象物の位置と姿勢を計測する装置である。視覚センサ7とエンコーダ3の信号線は、それぞれロボットの制御盤6に接続されている。
【0006】
次に、図2および図3に従って、ロボット4の制御方法を説明する。
図2ににおいて、ステップS1は、搬送装置1の搬送速度を算出する段階であり、時刻taにおけるエンコーダ3の出力Caと、時刻tbにおけるエンコーダ3の出力Cbから、搬送装置1の移送速度Vを次式によって求める。
【0007】
V=Kc*(Cb−Ca)/(tb−ta) (式1)
【0008】
ここで、Kcはエンコーダ3の1パルスあたりの搬送装置1の移送距離を示す係数であり、搬送装置1の機械的構成によって決まる定数である。ワーク2が視覚センサ7の視野7aに入って来ると、ステップS2を実行する。ステップS2は、ワーク2の位置と姿勢を求める段階である。図3に示すように、視覚センサ7はワーク2の画像を基に、視覚センサ7の視野7aに固定された座標系によるワーク2の重心の座標G(X0 ,Y0 )を求める。またワーク2の正規の姿勢に対する角度θも算出する。
次のステップS3では、ロボット4の先端に取り付けたエンドエフェクタ5がワーク2を掴む位置を求める。エンドエフェクタ5に固定された点であって、ワーク2を掴む時の位置合わせの基準となる点をエンドエフェクタ5の基準点と言うことにする。つまり、このエンドエフェクタ5の向きを角度θ分だけ修正し、エンドエフェクタ5の基準点をワーク2の重心と一致させれば、エンドエフェクタ5はワーク2を正しく掴める訳である。図4ではこのワーク2を掴む位置を求める方法を説明するために、搬送装置1とワーク2とロボット4の位置関係を、ロボット4の旋回軸Sを原点とする直交座標系で表示している。図4において、半径Laと半径Lbはエンドエフェクタ5の基準点の到達限界を示す。つまり、エンドエフェクタ5の基準点は半径Laと半径Lbの間で動作する。今、ステップS3の制御を始める時点において、ワーク2は座標Ao( p,q)で示す位置にある。ここで使う座標系はロボット4の旋回軸Sを原点とし、搬送装置1の移送方向に平行な軸をX軸とする直交座標系である。視覚センサ7は搬送装置1およびロボット4に対して固定されているから、スッテプS2で求めた視覚センサ7の視野7aに固定された座標系によるワーク2の座標を前記直交座標系に変換するのは容易である。またこの時の搬送装置1の搬送速度はステップS1で求めたVであるから、t秒後のワーク2の位置を示す座標はAt(p+V*t,q)で得られる。
また、ステップS3を開始する時点において、ロボット1の旋回軸の角度をαとし、旋回軸の角速度をωとすると、t秒後の旋回軸の角度はα+ω*tである。ここで、エンドエフェクタ6の基準点の旋回軸Sまわりの回転半径をRとすると、エンドエフェクタ6の基準点の座標はEt(R*cos(α+ω*t),R*sin(α+ω*t))で得られる。
点Aと点Eの座標が一致する点を求めるのであるから、次式が得られる。
【0009】
p+V*t=R*cos(α+ω*t) (式2)
【0010】
q=R*sin(α+ω*t) (式3)
【0011】
式2と式3からRを消去すると、次式が得られる。
【0012】
p+V*t=q/tan(α+ω*t) (式4)
【0013】
式4を解いて得られるtの解をt1とすると、ワーク2とエンドエフェクタ6が最短時間で出会える点の座標はAb(p+V*t1,q)で得られる。この点にエンドエフェクタ5の基準点を持ってきた時の、基準点の旋回軸Sまわりの回転半径Rbは次式で得られる。
【0014】
Rb=q/sin(α+ω*t1) (式5)
【0015】
Rbの値はロボット4の動作範囲で制限されるから、La<Rb<Lbでなければならない。RbがLa<Rb<Lbの条件を満たさないときは、「異常」として図示しない上位の制御装置に信号を送り、所定の異常処理のシーケンスを実行する。
ここで、t1秒の間にロボット1のアームの各軸を操作して、エンドエフェクタ6の旋回軸S回りの回転半径がRbになるような姿勢を取れるか否かと言う問題が残っている。一般に垂直多関節ロボットにおいては、旋回軸の回転速度はアームの各揺動軸に比べて、同等かむしろ低速に設定されている。また、旋回軸の回転角度がアームの各揺動軸に比べて大きい。従って、エンドエフェクタ5とワーク2を最短時間で出会わせる問題を考える時は、旋回軸の動作時間がクリティカルな問題になる。つまり、実用上は旋回軸の動作が間に合えば、アームの各揺動 軸の動作は当然に間に合うと考えてよい。
このようにして、ワーク2とエンドエフェクタ5が最短時間で出会える点の座標Abと時間t1が決まるので、t1秒後にエンドエフェクタ5の基準点が
1秒後に点Abに来るように、ロボット4に指令する。つまり、点Abを移動目標とする動作指令をロボット4に与える。
【0016】
ステップS4は、エンドフェクタ5を点Abに向けて動かし始めたあと、搬送装置1の搬送距離を周期的に計測して、エンドエフェクタ5の動作の目標を修正する段階である。ステップS4の制御の詳細は次のようなものである。
ステップS3が終了して、エンドエフェクタ5が点Abに向かって動作を開始したら、周期T秒(但しT<t1)で周期的にエンコーダ2の出力パルスCTmを取り込む、次にステップS1で計測した搬送装置1の移送速度Vから計算した、同じ時刻のパルスの値CTcを用いて目標Abの修正量ΔXを次式で求める。
【0017】
ΔX=(CTm−CTc)*Kc (式6)
【0018】
この修正量を用いて、エンドエフェクタ5の移動目標をAb’(p+CV*t1+ΔX,q)に変更する。以上のように、周期T秒ごとに搬送装置1の搬送距離を測定し、当初に計測した速度から求めた搬送距離と比較して、その差に応じて、移動目標を修正する。
以上の演算と制御は制御盤6によって行われる。
実施例の説明においては、搬送装置上のワークを掴み上げて移載するロボットに本発明を適用した例を示したが、搬送装置上のワークに対して、何らかの作業、例えば塗装、糊付け、組立、加工などを行うロボット一般に本発明を適用できることは言うまでもない。また、ワークの位置および姿勢を検出するセンサは視覚センサに限られない、同様の機能を持つセンサであれば他の形式のセンサであってもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、エンドエフェクタが最短時間でワークに出会うようにロボットを制御するので、ロボットの動作に無駄がなく、ロボットの作業の能率が向上するいう効果がある。また、搬送装置の速度の変化に応じて、ロボットの移動目標を修正するので、ロボットがワークを逃すことがないという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す搬送装置とロボットの平面配置図である。
【図2】本発明の実施例を示すフローチャートである。
【図3】視覚センサで捉えたワークの画像の説明図である。
【図4】図4は搬送対象のワークの位置を示す前記搬送ロボットを基準とする座標を説明する説明図である。
【符号の説明】
1:搬送装置 2:ワーク
3:エンコーダ 4:ロボット
4a:アーム 5:エンドエフェクタ
6:制御盤 7:視覚センサ
7a:視覚センサの視野

Claims (8)

  1. 設置場所に対して垂直軸回りに回転する旋回軸と、前記旋回軸に搭載され、前後及び上下に揺動するアームと、前記アームの先端に取り付けられた直交3軸回りに回動自在なエンドエフェクタと、を備え、ワークを搬送する搬送装置の近傍に配置されて、前記搬送装置によって搬送されている前記ワークに対して所定の作業を行うロボットであって、かつ、前記旋回軸の回転速度が前記アームを前後及び上下に揺動させる軸と前記直交3軸とに比べて同等か低速に設定され、前記旋回軸の回転角度が前記アームを前後及び上下に揺動させる軸と前記直交3軸とに比べて大きいロボットの制御方法において、
    前記搬送装置の搬送速度を計測し、
    前記ワークの位置を計測し、
    前記設置場所の平面配置図において前記ロボットの旋回軸を原点とし、前記搬送装置の移送方向に平行な軸をX軸とした直交座標系における、前記旋回軸によって回転する前記アームの前記X軸に対する角度及び角速度から求まるt秒後の前記アームの前記X軸に対する角度と、前記直交座標系における前記t秒後の前記エンドエフェクタの基準点の前記旋回軸まわりの回転半径がRであると仮定したときの回転半径Rとから得られる前記t秒後の前記基準点の座標Et、前記搬送速度と前記ワークの位置とから得られる前記直交座標系におけるt秒後の前記ワークの座標Atと、から前記基準点の座標Etと前記ワークの座標Atとが一致する時間t1及びそのときの座標Abを計算し、
    前記エンドエフェクタの基準点が前記t1秒後に前記座標Abに向かうように前記ロボットを動作させることを特徴とするロボットの制御方法。
  2. 前記搬送装置の搬送速度の変動を周期的に計測し、その度に前記地点を計算して修正し、前記エンドエフェクタが修正した前記地点に向かうように前記ロボットを動作させることを特徴とする請求項1に記載のロボットの制御方法。
  3. 前記ワークの位置を視覚センサを用いて計測することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロボットの制御方法。
  4. 前記搬送装置の搬送速度を前記搬送装置の駆動軸に連結したエンコーダを用いて計測することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のロボットの制御方法。
  5. 設置場所に対して垂直軸回りに回転する旋回軸と、前記旋回軸に搭載され、前後及び上下に揺動するアームと、前記アームの先端に取り付けられた直交3軸回りに回動自在なエンドエフェクタと、を備え、ワークを搬送する搬送装置の近傍に配置されて、前記搬送装置によって搬送されている前記ワークに対して所定の作業を行うロボットであって、かつ、前記旋回軸の回転速度が前記アームを前後及び上下に揺動させる軸と前記直交3軸とに比べて同等か低速に設定され、前記旋回軸の回転角度が前記アームを前後及び上下に揺動させる軸と前記直交3軸とに比べて大きいロボットの制御装置において、
    前記搬送装置の搬送速度を計測し、
    前記ワークの位置を計測し、
    前記設置場所の平面配置図において前記ロボットの旋回軸を原点とし、前記搬送装置の移送方向に平行な軸をX軸とした直交座標系における、前記旋回軸によって回転する前記アームの前記X軸に対する角度及び角速度から求まるt秒後の前記アームの前記X軸に対する角度と、前記直交座標系における前記t秒後の前記エンドエフェクタの基準点の前記旋回軸まわりの回転半径がRであると仮定したときの回転半径Rとから得られる前記t秒後の前記基準点の座標Et、前記搬送速度と前記ワークの位置とから得られる前記直交座標系におけるt秒後の前記ワークの座標Atと、から前記基準点の座標Etと前記ワークの座標Atとが一致する時間t1及びそのときの座標Abを計算し、
    前記エンドエフェクタの基準点が前記t1秒後に前記座標Abに向かうように前記ロボットを動作させることを特徴とするロボットの制御装置。
  6. 前記搬送装置の搬送速度の変動を周期的に計測し、その度に前記地点を計算して修正し、前記エンドエフェクタが修正した前記地点に向かうように前記ロボットを動作させることを特徴とする請求項5に記載のロボットの制御装置。
  7. 前記ワークの位置を視覚センサを用いて計測することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のロボットの制御装置。
  8. 前記搬送装置の搬送速度を前記搬送装置の駆動軸に連結したエンコーダを用いて計測することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載のロボットの制御装置。
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