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JP4023877B2 - エレベータのかご内気圧制御装置 - Google Patents
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JP4023877B2 - エレベータのかご内気圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータのかご内の気圧を適切に制御するためのエレベータのかご内気圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超高層・高速エレベータにおいては、かご内の気圧を制御することが要望されている。これはエレベータの走行によってかご内の気圧が急激に変化することから、乗客に気圧変化による不快感を与えたりするからである。
【0003】
従来においては、エレベータのかご内の気圧制御は、エレベータが下降するときはかご内を加圧し、エレベータが上昇するときはかご内を減圧するようにしている。これにより、かご内の気圧が目的階での気圧に近づくように制御している。また、特に気圧制御を行っていないエレベータもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かご内の気圧を制御する場合であっても、かご内の気圧制御が適切でない場合には、乗客に不快感を与えることがある。また、気圧の急変化により乗客の身体に異常が発生した場合に、その異常に対しての保護動作を行えるようにしておくことも大切である。特に、超高層・高速エレベータの乗客は、急変する気圧により内圧(生体側)と外圧(環境圧)に差ができ下記症状で悩まされることがままある。
(1)鼓膜が押されて、音の伝達が悪くなる。
(2)健康な身体の場合においても、中耳腔と咽頭腔とを連絡する耳管が開き、耳がツンとする。
(3)風邪またはアレルギーまどで鼻が詰まっている時、その耳管が閉鎖し、外圧(環境圧)と内圧(生体側)との均圧ができない人の場合、無理をしすぎると中耳・内耳障害を引き起こすような可能性が高くなる。
【0005】
本発明の目的は、かご内の気圧を適切に維持することができ、気圧の急変化により乗客の身体に異常が発生した場合には、保護動作を行えるようにしたエレベータの気圧制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係わるエレベータのかご内気圧制御装置は、エレベータのかご内の気圧を検出する気圧計と、前記かご内に空気を送り出したり前記かご内の空気を吸い込んだりするポンプと、前記ポンプからの前記かご内への流入空気量や流出空気量を調整する流量制御弁と、前記気圧計で検出されたかご内気圧が予め定めた気圧調整パターンに沿って変化するように前記ポンプおよび前記流量調整弁に指令を出してかご内気圧を制御する制御回路とを備え、前記予め定めた気圧調整パターンは、出発階でのかごの戸閉から目的階でのかごの戸開までの時間間隔において、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させる気圧調整パターンであり、前記出発階でのかごの戸閉から所定の時間経過後にかごを走行開始し、前記気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明に係わるエレベータのかご内気圧制御装置は、エレベータのかご内の気圧を検出する気圧計と、前記かご内に空気を送り出したり前記かご内の空気を吸い込んだりするポンプと、前記ポンプからの前記かご内への流入空気量や流出空気量を調整する流量制御弁と、前記気圧計で検出されたかご内気圧が予め定めた気圧調整パターンに沿って変化するように前記ポンプおよび前記流量調整弁に指令を出してかご内気圧を制御する制御回路とを備え、前記予め定めた気圧調整パターンは、出発階でのかごの戸閉から目的階でのかごの戸開までの時間間隔において、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させる気圧調整パターンであり、前記出発階でのかごの戸閉から所定の時間経過後にかごを走行開始し、前記気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明に係わるエレベータのかご内気圧制御装置は、エレベータのかご内の気圧を検出する気圧計と、前記かご内に空気を送り出したり前記かご内の空気を吸い込んだりするポンプと、前記ポンプからの前記かご内への流入空気量や流出空気量を調整する流量制御弁と、前記気圧計で検出されたかご内気圧が予め定めた気圧調整パターンに沿って変化するように前記ポンプおよび前記流量調整弁に指令を出してかご内気圧を制御する制御回路とを備え、前記予め定めた気圧調整パターンは、出発階でのかごの戸閉から目的階で戸開する所定の時間前までの時間間隔において、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させ、目的階で戸開する所定の時間前の時点からかご内気圧を一旦オーバーシュートさせて目的階で戸開する時点で目的階の気圧に戻す気圧調整パターンであり、前記出発階でのかごの戸閉から所定の時間経過後にかごを走行開始し、前記気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明に係わるエレベータのかご内気圧制御装置は、エレベータのかご内の気圧を検出する気圧計と、前記かご内に空気を送り出したり前記かご内の空気を吸い込んだりするポンプと、前記ポンプからの前記かご内への流入空気量や流出空気量を調整する流量制御弁と、前記気圧計で検出されたかご内気圧が予め定めた気圧調整パターンに沿って変化するように前記ポンプおよび前記流量調整弁に指令を出してかご内気圧を制御する制御回路とを備え、前記予め定めた気圧調整パターンは、出発階でのかごの戸閉から目的階でのかごの戸開までの時間間隔において、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させる気圧調整パターンであり、前記目的階でのかごの到着から所定の時間経過後にかごの戸開を行い、前記気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明に係わるエレベータのかご内気圧制御装置は、エレベータのかご内の気圧を検出する気圧計と、前記かご内に空気を送り出したり前記かご内の空気を吸い込んだりするポンプと、前記ポンプからの前記かご内への流入空気量や流出空気量を調整する流量制御弁と、前記気圧計で検出されたかご内気圧が予め定めた気圧調整パターンに沿って変化するように前記ポンプおよび前記流量調整弁に指令を出してかご内気圧を制御する制御回路とを備え、前記予め定めた気圧調整パターンは、出発階でのかごの戸閉から目的階で戸開する所定の時間前までの時間間隔において、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させ、目的階で戸開する所定の時間前の時点からかご内気圧を一旦オーバーシュートさせて目的階で戸開する時点で目的階の気圧に戻す気圧調整パターンであり、前記目的階でのかごの到着から所定の時間経過後にかごの戸開を行い、前記気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係わるエレベータの気圧制御装置の構成図である。
【0025】
エレベータのかご1は、戸閉時には密閉となる構造となっており、そのかご1内には気圧計2が設けられている。気圧計2はかご1内の気圧の測定を行うものであり、この気圧計2で計測されたかご内の気圧はA/D変換器3でアナログ信号からデジタル信号に変換されて、入出力回路4を介して制御回路5に入力される。制御回路5では、測定されたかご内気圧がメモリ10に予め記憶された気圧調整パターンで変化するように気圧制御する。
【0026】
また、かご1内には身体異常釦6が設けられており、かご1内の気圧の変化により乗客の身体に異常があったときに押操作される。身体異常釦6が押されたときは、その操作信号は入出力回路4を介して制御回路5に入力され、制御回路5では、メモリ10に予め記憶された保護動作モードによる気圧制御を行う。
【0027】
さらに、かご1内の空気はポンプ7にて流入流出されるようになっており、流量調整弁8でその空気量が調整され、空気フィルタ8でかご1内の空気の清浄化を行う。かご1内の気圧を加圧するときはポンプ7から空気を送り込み、流量調整弁8でその空気流入量を調整制御する。一方、かご1内の気圧を減圧するときは、ポンプ7はかご1内の空気を吸い込み、流量調整弁8でその空気流入量を調整制御することになる。制御回路5は、メモリ10に予め記憶された気圧調整パターンや保護動作モードに基づいて、ポンプ7および流量調整弁8に指令を出力してかご1内の気圧制御を行うことになる。
【0028】
図2は、制御回路5でのかご内気圧制御および保護動作の処理内容を示すフローチャートである。制御回路5でのかご内気圧制御および保護動作は、エレベータのかご戸開後に開始される。
【0029】
かごの戸閉後、制御装置8はメモリ10に予め記憶された気圧調整パターンを読み出し、その気圧調整パターンに従ってかご内気圧の加圧または減圧の操作を行う(S1)。そして、その気圧制御のための操作の結果、かご内の気圧変化率が乗客の生理的問題が発生する生理的限界値を越えたか否かの判定を行う(S2)。かご内の気圧変化率が生理的限界値未満であるときは、次に、気圧調整パターンに従った気圧制御に必要な操作が完了しているか否かを判定し(S3)。気圧調整パターンに従った必要な操作が終了しているときは、気圧制御を終了する。
【0030】
一方、ステップS3の判定で気圧制御に必要な操作が終了していないと判定されたときは、身体異常釦6が押されたか否かを判定し(S4)、身体異常釦6が押されていないときは、ステップS1に戻り気圧制御を続行する。
【0031】
そして、ステップS2の判定で、かご内の気圧変化率が生理的限界値を越えているときは、かご内の気圧制御がうまく作動していないと判定し、保護動作モードの制御を行う(S5)。同様に、ステップS4の判定で身体異常釦6が押されているときも、保護動作モードの制御を行う(S5)。
【0032】
この保護動作モードでは、例えば、エレベータの走行パターンを低速パターンに切り換えて目的階に到着までの時間を延長し、かご内の気圧変化率をより小さく制御するようにする。この場合、制御回路5は保護動作モードの制御を行うに当たり、エレベータの走行制御装置に対しその旨を通知する。エレベータの走行制御装置は、保護動作モードになったことを制御回路5から知らさせると、エレベータの走行パターンを低速パターンに切り換える。その低速パターンになった状態で、制御回路5はかご内の気圧変化率をより小さく制御する。
【0033】
また、保護動作モードとして、エレベータの走行パターンを低速パターンに切り換えると共に、流量調整弁8を開放してかご内気圧を外気圧と等しくするようにすることも可能である。すなわち、エレベータの走行パターンを低速パターンに切り換えた後に流量調整弁8を全開放し、外気圧とかご内気圧とを等しくする。これによって、緩やかな気圧変化で乗客の輸送を行う。
【0034】
次に、本発明の実施の形態における気圧調整パターンについて説明する。図3は、第1の気圧調整パターンC1および第2の気圧調整パターンC2の説明図である。図3では、エレベータ下降運転時における気圧調整パターンを示している。
【0035】
図3において、縦軸はかご内の気圧変化を示しており、出発階気圧を0、目的階気圧を100で表している。横軸はかごの走行時間を示しており、時点t1はかごが戸閉かつ走行開始した時点、時点t2はかごが目的階に到着かつ戸開開始した時点、時点t3は時点t2の所定時間前の時点である。また、特性曲線Aはかご内の気圧制御なし時におけるエレベータ走行中のかご内の気圧変化を示す無制御曲線、特性曲線Bは乗客が生理的問題を生じる気圧変化率の限界値を示す限界値曲線、特性曲線C1は本発明の第1の気圧調整パターン、特性曲線C2は本発明の第2の気圧調整パターンである。
【0036】
ここで、かご内気圧制御なし時の無制御曲線Aにおいては、定常走行時(直線部)の変化率は限界値曲線Bの変化率を越えてしまう。そこで、限界値曲線Bの変化率を越えないように、出発階気圧から目的階気圧までの気圧差が一定変化率で変化するような第1の気圧調整パターンC1を用いる。このような一定変化率で変化する第1の気圧調整パターンC1は、かごの走行時間と気圧差(出発階と目的階の気圧差)が分かれば容易に計算できる。すなわち、出発階気圧と目的階気圧との気圧差は、建物の昇降行程に依存するのみであるので容易に分かり、かごの走行時間も走行制御のデータから容易に分かる。従って、第1の気圧調整パターンC1は容易に計算できる。
【0037】
制御回路5は、実際に走行中のかご内気圧を気圧計2からA/D変換器3を介して読み取り、かご内気圧がこの第1の気圧調整パターンC1に従って変化するように制御する。つまり、走行を開始した時期においては無制御曲線Aと第1の気圧調整パターンC1との差分領域D1を補償するように制御する。差分領域D1ではポンプ7に対し空気の送り出し指令を出し流量調整弁8でかご内を加圧する制御を行う。一方、目的階に近づいてきた時期においては無制御曲線Aと第1の気圧調整パターンC1との差分領域D2を補償するように、ポンプ7に対し空気の吸い込み指令を出し流量調整弁8でかご内を減圧する制御を行う。
【0038】
これにより、かご内気圧を第1の気圧調整パターンに従って制御するので、かご内気圧が限界値曲線Bの限界変化率(傾き)以下で目的階の気圧まで制御でき、乗客を輸送できることになる。
【0039】
以上説明した第1の気圧調整パターンC1は、かご内気圧変化率を一定で制御する気圧調整パターンであるが、本発明の実施の形態では、図3の第2の気圧調整パターンC2で示すように、かごが目的階に到着(戸開開始)する時点t2より所定時間以前の時点t3までに、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させ、目的階で戸開する所定の時間前の時点t3からかご内気圧を一旦オーバーシュートさせて目的階で戸開する時点t2で目的階の気圧に戻すようにする。
【0040】
すなわち、時点t3から目的階に到着する時点t2までの時間で、気圧差の10%程度をピーク値とした差分領域D3のオーバーシュートをかけた一連のかご内気圧調整パターンで制御し、目的階の気圧に近づけ到着する。
【0041】
第1の気圧調整パターンC1では、かご内気圧が一定比率で単に増加していくだけであったが、第2の気圧調整パターンC2ではオーバーシュートを到着前に行うので、気圧が減少しながら到着することになり、乗客に今までのエレベータでは体感することがなかった心地良さを提供することができる。
【0042】
次に、図4は、本発明の実施の形態における第3の気圧調整パターンC3および第4の気圧調整パターンC4の説明図である。図4では、エレベータ下降運転時における気圧調整パターンを示している。この第3の気圧調整パターンC3および第4の気圧調整パターンC4は、図3に示した第1の気圧調整パターンC1および第2の気圧調整パターンC2に対し、出発階でのかごの戸閉時点t0から所定の時間経過後の時点t1でかごを走行開始し、気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたものである。
【0043】
図4において、縦軸はかご内の気圧変化を示しており、出発階気圧を0、目的階気圧を100で表している。横軸はかごの走行時間を示しており、時点t0はかごが戸閉した時点、時点t1はかごが走行開始した時点、時点t2はかごが目的階に到着かつ戸開開始した時点、時点t3は時点t2の所定時間前の時点である。また、特性曲線Aはかご内の気圧制御なし時におけるエレベータ走行中のかご内の気圧変化を示す無制御曲線、特性曲線Bは乗客が生理的問題を生じる気圧変化率の限界値を示す限界値曲線、特性曲線C3は本発明の第3の気圧調整パターン、特性曲線C4は本発明の第4の気圧調整パターンである。
【0044】
ここで、かご内の気圧変化は、出発階での戸閉から目的階での戸開までの時間と、昇降行程に依存するため、戸閉から戸開までの時間を極力長くすれば、より気圧変化が緩くなり、乗客が生理的問題を抱える状況も減少することになる。第1の気圧調整パターンC1では、乗客がかご室に乗り入れ戸閉した後すぐに走行開始している。このため、目的階に到着後戸開するまでの時間が短くなる。
【0045】
そこで、第3の気圧調整パターンC3および第4の気圧調整パターンC4では、乗客が乗り入れ戸閉時点t0から所定時間経過後の時点t1で走行開始するようにし、戸閉から戸開までの時間を長くする。この場合、戸閉した時点t0において、かご室内のアナウンスで、「気圧調整中です。しばらくお待ち下さい。」等を流し、戸閉時点t0から十秒程度経過した後にエレベータを走行開始させる。気圧制御は戸閉時点t0から制御開始するので、戸閉から戸開するまでの時間が第1の気圧調整パターンC1や第2の気圧調整パターンC2より長くなる。従って、より緩やかな気圧変化により目的階の気圧まで一定変化で制御することができる。この場合、第1の気圧調整パターンC1での差分領域D1での加圧量が大きくなり、差分領域D2での減圧量は小さくなる。
【0046】
また、図4の第4の気圧調整パターンC4では、第2の気圧調整パターンC2と同様に、かごが目的階に到着(戸開開始)する時点t2より所定時間以前の時点t3までに、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させ、目的階で戸開する所定の時間前の時点t3からかご内気圧を一旦オーバーシュートさせて目的階で戸開する時点t2で目的階の気圧に戻すようにしている。
【0047】
すなわち、時点t3から目的階に到着する時点t2までの時間で、気圧差の10%程度をピーク値とした差分領域D3のオーバーシュートをかけた一連のかご内気圧調整パターンで制御し、目的階の気圧に近づけ到着する。この第4の気圧調整パターンC4ではオーバーシュートを到着前に行うので、気圧が減少しながら到着することになり、乗客に今までのエレベータでは体感することがなかった心地良さを提供することができる。
【0048】
次に、図5は、本発明の実施の形態における第5の気圧調整パターンC5および第6の気圧調整パターンC6の説明図である。図5では、エレベータ下降運転時における気圧調整パターンを示している。この第5の気圧調整パターンC5および第6の気圧調整パターンC6は、図3に示した第1の気圧調整パターンC1および第2の気圧調整パターンC2に対し、目的階でのかごの到着した時点t2から所定の時間経過後の時点t4でかごの戸開を行い、気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたものである。
【0049】
図5において、縦軸はかご内の気圧変化を示しており、出発階気圧を0、目的階気圧を100で表している。横軸はかごの走行時間を示しており、時点t1はかごが戸閉かつ走行開始した時点、時点t2はかごが目的階に到着した時点、時点t4は戸開開始した時点である。また、特性曲線Aはかご内の気圧制御なし時におけるエレベータ走行中のかご内の気圧変化を示す無制御曲線、特性曲線Bは乗客が生理的問題を生じる気圧変化率の限界値を示す限界値曲線、特性曲線C5は本発明の第5の気圧調整パターン、特性曲線C6は本発明の第6の気圧調整パターンである。
【0050】
ここで、図4に示した第3の気圧調整パターンC3および第4の気圧調整パターンC4では、戸閉時点でアナウンスを流しその所定時間経過後に走行開始することで、戸閉から戸開までの時間を延長し、緩やかな気圧制御を行うものであるが、この第5の気圧調整パターンC5および第6の気圧調整パターンC6では、目的階到着後にアナウンスを流しその所定時間経過後に戸開するようにする。
【0051】
時点t2でエレベータは目的階に到着しているが、その時点t2よりかごにアナウンスで、「気圧調整中です。しばらくお待ちください。」等を流すことにより、戸開までの時間を時点t4(アナウンス終了から数秒後)まで延長する。それにより、戸閉から戸開までの時間を延長する。これにより、緩やかな気圧変化を乗客に提供できる。
【0052】
また、図5の第6の気圧調整パターンC6では、かごが目的階に到着する時点t2までに、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させ、目的階に到着する時点t2からかご内気圧を一旦オーバーシュートさせて目的階で戸開する時点t4で目的階の気圧に戻すようにしている。
【0053】
すなわち、目的階に到着した時点t2から目的階で戸開する時点t4までの時間で、気圧差の10%程度をピーク値とした差分領域D3のオーバーシュートをかけた一連のかご内気圧調整パターンで制御し、目的階の気圧に近づけ到着する。この第6の気圧調整パターンC6ではオーバーシュートを戸開前に行うので、乗客に今までのエレベータでは体感することがなかった心地良さを提供することができる。なお、オーバーシュートの開始時点をかごの目的階への到着時点t2としたが、必ずしも到着時点t2に合わせる必要はなく、気圧差の10%程度をピーク値にできる時点であればよい。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、かご内気圧制御を行うことにより超高層・高速エレベータにおける乗客の生理問題を抑制し、さらに乗客に心地良さを提供することができる。また、かご内気圧制御が正常に作動しない場合や、正常に作動したにもかかわらず乗客が身体の異常を訴えた場合においても保護動作モードに切り換えが可能であるので、乗客を安全に輸送できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施の形態に係わるエレベータの気圧制御装置の構成図である。
【図2】 図2は、本発明の実施の形態における制御回路でのかご内気圧制御および保護動作の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】 図3は、本発明の実施の形態における気圧調整パターンの一例の説明図である。
【図4】 図4は、本発明の実施の形態における気圧調整パターンの他の一例の説明図である。
【図5】 図5は、本発明の実施の形態における気圧調整パターンの別の他の一例の説明図である。
【符号の説明】
1…かご、2…気圧計、3…A/D変換器、4…入出力回路、5…制御回路、6…身体異常釦、7…ポンプ、8…流量調整弁、9…空気フィルタ、10…メモリ

Claims (5)

  1. エレベータのかご内の気圧を検出する気圧計と、前記かご内に空気を送り出したり前記かご内の空気を吸い込んだりするポンプと、前記ポンプからの前記かご内への流入空気量や流出空気量を調整する流量制御弁と、前記気圧計で検出されたかご内気圧が予め定めた気圧調整パターンに沿って変化するように前記ポンプおよび前記流量調整弁に指令を出してかご内気圧を制御する制御回路とを備え、前記予め定めた気圧調整パターンは、出発階でのかごの戸閉から目的階で戸開する所定の時間前までの時間間隔において、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させ、目的階で戸開する所定の時間前の時点からかご内気圧を一旦オーバーシュートさせて目的階で戸開する時点で目的階の気圧に戻す気圧調整パターンであることを特徴とするエレベータのかご内気圧制御装置。
  2. エレベータのかご内の気圧を検出する気圧計と、前記かご内に空気を送り出したり前記かご内の空気を吸い込んだりするポンプと、前記ポンプからの前記かご内への流入空気量や流出空気量を調整する流量制御弁と、前記気圧計で検出されたかご内気圧が予め定めた気圧調整パターンに沿って変化するように前記ポンプおよび前記流量調整弁に指令を出してかご内気圧を制御する制御回路とを備え、前記予め定めた気圧調整パターンは、出発階でのかごの戸閉から目的階でのかごの戸開までの時間間隔において、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させる気圧調整パターンであり、前記出発階でのかごの戸閉から所定の時間経過後にかごを走行開始し、前記気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたことを特徴とするエレベータのかご内気圧制御装置。
  3. エレベータのかご内の気圧を検出する気圧計と、前記かご内に空気を送り出したり前記かご内の空気を吸い込んだりするポンプと、前記ポンプからの前記かご内への流入空気量や流出空気量を調整する流量制御弁と、前記気圧計で検出されたかご内気圧が予め定めた気圧調整パターンに沿って変化するように前記ポンプおよび前記流量調整弁に指令を出してかご内気圧を制御する制御回路とを備え、前記予め定めた気圧調整パターンは、出発階でのかごの戸閉から目的階で戸開する所定の時間前までの時間間隔において、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させ、目的階で戸開する所定の時間前の時点からかご内気圧を一旦オーバーシュートさせて目的階で戸開する時点で目的階の気圧に戻す気圧調整パターンであり、前記出発階でのかごの戸閉から所定の時間経過後にかごを走行開始し、前記気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたことを特徴とするエレベータのかご内気圧制御装置。
  4. エレベータのかご内の気圧を検出する気圧計と、前記かご内に空気を送り出したり前記かご内の空気を吸い込んだりするポンプと、前記ポンプからの前記かご内への流入空気量や流出空気量を調整する流量制御弁と、前記気圧計で検出されたかご内気圧が予め定めた気圧調整パターンに沿って変化するように前記ポンプおよび前記流量調整弁に指令を出してかご内気圧を制御する制御回路とを備え、前記予め定めた気圧調整パターンは、出発階でのかごの戸閉から目的階でのかごの戸開までの時間間隔において、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させる気圧調整パターンであり、前記目的階でのかごの到着から所定の時間経過後にかごの戸開を行い、前記気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたことを特徴とするエレベータのかご内気圧制御装置。
  5. エレベータのかご内の気圧を検出する気圧計と、前記かご内に空気を送り出したり前記かご内の空気を吸い込んだりするポンプと、前記ポンプからの前記かご内への流入空気量や流出空気量を調整する流量制御弁と、前記気圧計で検出されたかご内気圧が予め定めた気圧調整パターンに沿って変化するように前記ポンプおよび前記流量調整弁に指令を出してかご内気圧を制御する制御回路とを備え、前記予め定めた気圧調整パターンは、出発階でのかごの戸閉から目的階で戸開する所定の時間前までの時間間隔において、かご内気圧を出発階の気圧から目的階の気圧まで一定の変化率で変化させ、目的階で戸開する所定の時間前の時点からかご内気圧を一旦オーバーシュートさせて目的階で戸開す る時点で目的階の気圧に戻す気圧調整パターンであり、前記目的階でのかごの到着から所定の時間経過後にかごの戸開を行い、前記気圧調整パターンにおける時間間隔を延長するようにしたことを特徴とするエレベータのかご内気圧制御装置。
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