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JP4027280B2 - 蒸気調理器 - Google Patents
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JP4027280B2 - 蒸気調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気や過熱蒸気を含む気体により被加熱物を調理する蒸気調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気を用いて加熱調理を行う蒸気調理器については、これまでにも数々の提案がなされている。従来一般の蒸気調理器は、大きくは、被加熱物を収納する加熱室と、水タンク等から給水パイプを経て供給された水を加熱して蒸気を生成する蒸気生成手段と、この蒸気を加熱室に送り出す蒸気送出手段と、を備えている。
【0003】
蒸気調理器本体には、加熱室に隣接して、水タンクを挿脱自在に収納する水タンク室が設けられている。この水タンク室は、従来、本体の上面に開口しており、この開口から水タンクが鉛直方向に挿脱されるようになっていた(例えば、特許文献1、2参照)。つまり、水タンクに水を補給するにあたっては、使用者は、空の水タンクを上方に向けて取り外し、水タンクに水を注水した後、満水状態の水タンクを本体上面の開口の上方まで持ち上げ、そのまま水タンクを下ろして水タンク室に装着する。この場合、満水状態で重い水タンクを大きく持ち上げる必要があるため、使用者に過大な負担を与え、しかも、本体の上方には、着脱する水タンクを一時的に許容するための過剰の空間を必要とすることから、設置場所が制約されるという不都合があり、特に一般家庭で用いるには不向きであった。
【0004】
これに対して、近年の蒸気調理器では、水タンク室が本体の正面に開口しており、この開口から水タンクが水平方向に挿脱されるようになっている(例えば、特許文献3参照)。つまり、水タンクに水を補給する際、使用者は、空の水タンクを正面側にスライドさせて取り外し、水タンクに水を注水した後、満水状態の水タンクを本体正面の開口まで持ち上げ、そのまま水タンクを背面側にスライドさせて水タンク室に装着する。この場合、満水状態の水タンクを大きく持ち上げる必要がないため、使用者の負担を一応は軽減でき、しかも、本体の正面は、通常、使用者が操作する空間として自由度が高いことから、設置場所に制約を与えないという点で有効なものとなる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−105628号公報
【特許文献2】
特開2001−269268号公報
【特許文献3】
特開平10−110903号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本体の正面の開口から水タンクが水平方向に挿脱される従来の構成では、以下のような問題点がある。第1に、水タンク室にタンクを収納した状態が本体正面に露出しているので外観的に好ましくなく、又、水タンクの装着に際し、満水状態の水タンクを本体正面の開口まで持ち上げると同時にタンク室の開口にタンクの奥側を挿入しなければならず使用者への負担が依然残る。第2に、水タンクが奥まできっちり挿入されていないと水タンク側の送水パイプと本体側の給水パイプとの連結が不十分になり、その結果、適正な蒸気の生成不具合や水漏れを誘発する場合がある。そのため、使用者には、水タンクを確実に規定位置(奥)まできっちり挿入するよう格別に意識することが要求される。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、水タンクへの水の補給を容易に行える蒸気調理器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による蒸気調理器は、本体の正面に開口し被加熱物を収納する加熱室と、この加熱室に隣接して本体の正面に開口し、この開口から水タンクを挿脱自在に収納する水タンク室と、前記水タンクから供給された水を加熱して蒸気を生成する蒸気生成手段と、を備え、前記蒸気生成手段から送り出された蒸気を含む気体により被加熱物を調理する蒸気調理器において、
一端部を支軸に回動して前記加熱室及び前記水タンクの両開口を開閉する扉を設けるとともに、前記扉を閉じた際に前記水タンクを規定位置まで押し込む水タンク押込み手段を設ける。
【0009】
これにより、水タンク室にタンクを収納した状態が扉によって隠れすっきりとした外観となる。又、下端部を支軸に回動する扉にすれば水タンク装着の際、満水状態の水タンクを開成した扉の内面に一端置いてから水タンク室の開口にタンクの奥側を挿入し装着することができるので、使用者への負担が軽減される。
【0010】
また、扉を閉じた際に水タンクを規定位置(奥)まで押し込む水タンク押込み手段を設けたので、水タンクの装着に際し、扉を閉じると同時に、水タンクが水タンク押込み手段によって規定位置(奥)まで押し込まれて、水タンク側の送水パイプと本体側の給水パイプとの連結が確実になされる。即ち、扉を閉じるだけで格別に意識することなく水タンクの確実な装着がなされる。
【0011】
ここで、実用性を踏まえると、前記水タンク押込み手段は前記水タンクの正面から突出する凸部であって、前記扉を閉じた際に前記扉の内面が前記凸部を押圧するようになっていたり、或いは、前記水タンク押込み手段は前記扉の内面から突出する凸部であって、前記扉を閉じた際に前記凸部が前記水タンクの正面を押圧するようになっていたりすることが好ましい。
【0012】
ここで更に、水タンクの正面又は扉の内面の凸部と、扉の内面又は水タンクの正面とが相互に押圧するわけであるが、この押圧動作を扉の閉じる動作に伴って円滑に行い、しかも押圧対象である扉の内面又は水タンクの正面の不用意な損傷を防止して凸部による安定した押圧状態を確保する観点から、前記凸部が弾性を有するとよい。
【0013】
また、より高い実用性を踏まえると、前記水タンク押込み手段は前記水タンクの正面から突出する取っ手であって、前記扉を閉じた際に前記扉の内面が前記取っ手を押圧するようになっていることが好ましい。
【0019】
また、扉を閉じた状態で、水タンクの存否や水位の確認ができれば便利であることから、前記水タンクは外部から水位の目視が可能な樹脂で成形されていて、前記扉には、前記扉を閉じた状態で前記水タンクの水位を確認するための窓が形成されていることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の蒸気調理器の一実施形態について、図面を参照しながら詳述する。先ず、本発明の第1実施形態である蒸気調理器を図1〜図8に基づき説明する。図1は第1実施形態の蒸気調理器の外観斜視図、図2は加熱室の扉を開いた状態の外観斜視図、図3は内部機構の概略を示す基本構造図、図4は内部機構のうちの結露排水パイプを主として示す基本構造図、図5は加熱室の上面図、図6は蒸気発生装置の垂直断面図、図7は蒸気発生装置の水平断面図、図8は制御ブロック図である。
【0021】
蒸気調理器1は直方体形状のキャビネット10を備える。キャビネット10の正面には、上部に操作パネル11、その下に扉12が設けられる。扉12は下端を中心に垂直面内で回動するものであり、上部のハンドル13を握って手前に引くことにより、図1に示す垂直な閉鎖状態から図2に示す水平な開放状態へと90゜姿勢変換させることができる。扉12の大部分は耐熱ガラスをはめ込んだ窓14となっている。
【0022】
扉12を開くと、図2に見られるように二つの区画が露出する。左側の大きな区画は加熱室20、右側の小さな区画は水タンク室70である。加熱室20と水タンク室70の構造、及びこれらに付属する構成要素について、図3以下の図を参照しつつ説明する。
【0023】
加熱室20は直方体形状で、扉12に面する正面側は全面的に開口部となっている。加熱室20の残りの面及び扉12の内面はステンレス鋼板で形成される。加熱室20の周囲及び扉12の内側にはそれぞれ断熱対策が施される。加熱室20の床面にはステンレス鋼板製の受皿21が着脱可能に置かれ、受皿21の上には被加熱物90を載置するステンレス鋼線製のラック22が置かれる。ここで本実施形態では、加熱室20の床面に受皿21とほぼ同形状の凹部15が形成されていて、受皿21は実際にはこの凹部15に嵌まり合って置かれることになる。つまり、受皿21は凹部15で確実に位置決めされてセットされるようになる。
【0024】
加熱室20の中の気体(通常の場合、加熱室20の内部の気体は空気であるが、蒸気調理を始めると空気が蒸気に置き換わって行く。従って本明細書では「空気」でなく「気体」と表現する)は外部循環路30を通って循環する。加熱室20の奥側壁の前方には、天井面から床面近くまで垂下する気流制御板23(これもステンレス鋼板製である)が配置され、二重壁構造になっている。この気流制御板23の下端と奥の側壁との間の隙間が、外部循環路30に気体を導く気体吸込口24となる。気体吸込口24は下方を向く。
【0025】
気体吸込口24から吸い込まれた気体は気流制御板23の裏を通って加熱室20の外面上部に設けられた送風装置25へと向かう。送風装置25は遠心ファン26及びこれを収容するファンケーシング27と、遠心ファン26を回転させるモータ(図示せず)を備える。
【0026】
ファンケーシング27の吐出口に外部循環路30が接続される。外部循環路30は断面円形のパイプを組み合わせて構成される。ファンケーシング27からは第1パイプ31が水平方向に突き出す。第1パイプ31の端には排気口32が設けられる。排気口32の少し上流にはエルボ形の第2パイプ33が接続される。第2パイプ33の水平部分は蒸気発生装置50(詳細は後述する)の上部に入り込み、蒸気吸引エジェクタ34を形成する。第2パイプ33の吐出端は絞り成形され、蒸気吸引エジェクタ34のインナーノズルとなる。蒸気発生装置50の側面からは蒸気吸引エジェクタ34のアウターノズル35が下流に向かって水平に突出する。
【0027】
外部循環路30の第3パイプ36が蒸気吸引エジェクタ34の下流でアウターノズル35を受け入れる。第3パイプ36の端はアウターノズル35を包むように膨らんでおり、ここに後段エジェクタ37が形成される。蒸気吸引エジェクタ34のアウターノズル35は、後段エジェクタ37においてはインナーノズルの役割を果たす。後段エジェクタ37には、第1パイプ31から分岐したバイパス路38が接続される。バイパス路38も断面円形のパイプにより形成される。
【0028】
第3パイプ36の端は加熱室20に気体を戻す気体戻し口39となる。気体戻し口39は加熱室20に直接開口するのでなく、加熱室20の天井の上に設けられたサブキャビティ40の中に開口している。サブキャビティ40の中には気体の加熱手段である過熱ヒータ41が配置される。過熱ヒータ41はシーズヒータにより構成される。サブキャビティ40の底面は加熱室20の天井とは別の金属パネルで形成され、この底面パネル42には多数の小孔よりなる噴気口43が設けられている。底面パネル42は上下両面とも塗装などにより暗色に仕上げられている。
【0029】
加熱室20の上部の一隅には、加熱室20内の余剰の気体を加熱室20から排出するための排出口44が形成されていて、この排出口44には、蒸気調理器1本体であるキャビネット10の外部へ連通する余剰気体用の排気ダクト45が連結される。また第1パイプ31の端には電動式のダンパ46が配置される。ダンパ46は排気口32と第2パイプ33の入口とを選択的に閉ざす。また排気口32には、キャビネット10の外部へ連通する循環気体用の排気ダクト47が連結される。
【0030】
続いて蒸気発生装置50の構造を、図6及び図7を参照しつつ説明する。蒸気発生装置50は中心線を垂直にして配置された筒型(円筒形)のポット51を備える。ポット51の上部は閉じており、前述のように蒸気吸引エジェクタ34が形成されている。
【0031】
ポット51の底部は漏斗状に成形され、そこから第1排水パイプ52が垂下する。第1排水パイプ52の下端は、水平に対しやや勾配をなす形で配置された第2排水パイプ53に接続される。従って、その連結部は屈曲し、屈曲部Aを形成する。第2排水パイプ53の端は加熱室20の側壁を通じ受皿21に向かって開口する。第1排水パイプ52の途中には排水バルブ54及び水位センサ55が設けられている。
【0032】
ポット51内の水を熱するのはポット51の外面に密着するように設けられた蒸気発生ヒータ56である。蒸気発生ヒータ56は環状のシーズヒータからなる。蒸気発生ヒータ56とほぼ同じ高さになるように、ポット51の内部に伝熱ユニット60が配置される。
【0033】
伝熱ユニット60は、ポット51の側壁内面に密着するリング61と、このリング61の内部に放射状に配置される複数のフィン62を備える。リング61とフィン62は押出成形、溶接、ろう付けなどの手法により一体化されている。リング61及びフィン62はポット51の軸線方向に所定の長さを有する。
【0034】
ポット51には給水パイプ63を通じて水が供給(給水)される。給水パイプ63は、ポット51の側壁に向けてやや上向きに傾斜した状態で略水平に延在し、ポット51の底部近くからその側壁を貫通し、ポット51の中に入り込んだ後、下から上へとフィン62の間を通って延びる。給水パイプ63の給水出口である上端はフィン62の上縁より少し上に突き出している。図7に見られるように、フィン62を車輪のスポークに見立てた場合、ハブとなる位置に給水パイプ63が配置されている。給水パイプ63の外面には各フィン62の端面を接触させ、フィン62を通じて給水パイプ63に熱を伝える。
【0035】
ポット51、伝熱ユニット60、及び給水パイプ63は熱の良導体である金属で形成する。
【0036】
給水パイプ63の給水入口である端には漏斗状の受入口64が形成される。受入口64から少し下流の位置には、給水パイプ63から下方に向けて分岐した洗浄パイプ65が接続される。洗浄パイプ65は洗浄バルブ66を介して第1排水パイプ52と第2排水パイプ53の連結部(屈曲部A)に接続する。
【0037】
給水パイプ63には、この洗浄パイプ65の他に、上方に向けて分岐し更に折れ曲がって垂下した逆J字形のオーバーフローパイプ67も接続される。オーバーフローパイプ67の他端は洗浄パイプ65に接続され、ポンプ73が駆動しっぱなしの異常事態のとき給水がポット51から溢れて外部循環路30に侵入するのを防止する。
【0038】
水タンク室70には横幅の狭い直方体形状の水タンク71が挿入される。この水タンク71から延び出すエルボ形の送水パイプ72が給水パイプ63の受入口64に接続される。水タンク71内の水は、ポンプ73の駆動によって送水パイプ72を通じて圧送され、給水パイプ63へと供給される。ポンプ73は、送水パイプ72の根元部に形成されたポンプケーシング74と、ポンプケーシング74に収容されたインペラ75と、インペラ75に動力を伝えるモータ76と、により構成される。モータ76はキャビネット10の側に固定されており、水タンク71を規定位置にセットするとインペラ75に電磁的に結合する。
【0039】
水タンク室70の床面には水タンク71を支えるトラフ形のレール77が固定されている(図2参照)。レール77のタンク載置面、すなわち水タンク71の下面は水平に開いた扉12の内面と同じ高さにある。そのため使用者は、水平になった扉12の上に満水状態になった水タンク71を置き、レール77に向かって押し込んで行くことにより、水タンク71をスムーズに水タンク室70内の規定位置にセットすることができる。逆に、扉12を水平に開いておいて水タンク71を引き出せば、水タンク室70から出た水タンク71はそのまま扉12で支えられる。従って水タンク71を手で支えつつ引き出す必要がない。
【0040】
ここで、水タンク71の容器そのものは、透明又は半透明の樹脂で成形されていて、貯留の水位を外部から目視することができる。従って、扉12を閉じた状態で、目視にて扉12の窓14を通じ、水タンク室70内の水タンク71の存否とともに、その水位の確認が行える。そのため、水タンク71内の水位については、後述の水量センサ81(図8参照)によって一応は検知されているが、使用者が実際に目視にて確認でき、便利である。
【0041】
蒸気調理器1の動作制御を行うのは図8に示す制御装置80である。制御装置80はマイクロプロセッサ及びメモリを含み、所定のプログラムに従って蒸気調理器1を制御する。制御状況は操作パネル11の中の表示部に表示される。制御装置80には操作パネル11に配置した各種操作キーを通じて動作指令の入力を行う。操作パネル11には各種の音を出す音発生装置も配置されている。
【0042】
制御部80には、操作パネル11の他、送風装置25、過熱ヒータ41、ダンパ46、排水バルブ54、水位センサ55、蒸気発生ヒータ56、洗浄バルブ66、及びポンプ73が接続される。この他、水タンク71の中の水量を測定する水量センサ81、加熱室20内の温度を測定する温度センサ82、及び加熱室20内の湿度を測定する湿度センサ83が接続されている。
【0043】
蒸気調理器1の動作は次の通りである。まず扉12を開いて水平にした後、その扉12の内面上に、水タンク71を水タンク室70から正面側にスライドさせて引き出し、図示しない給水口より水タンク71内に水を入れる(注水する)。満水状態にした水タンク71を背面側にスライドさせて水タンク室70に押し込み、規定位置にセットする。
【0044】
次いで、送水パイプ72の先端が給水パイプ63の受入口64にしっかりと接続されたことを確認したうえで、操作パネル11の中の電源キーを押して電源ONにする。するとポンプ73のモータ76が回転し、蒸気発生装置50への給水が始まる。排水バルブ54と洗浄バルブ66は閉じている。
【0045】
水は給水パイプ63の上端から噴水のように溢れ出し、伝熱ユニット60のフィン62を濡らしつつポット51の底に落ちる。そしてポット51の底の方から溜まって行く。水位が伝熱ユニット60の長さの半ばまで達したことを水位センサ55が検知したら、そこで一旦給水は中止される。
【0046】
こうして所定量の水がポット51に入れられた後、蒸気発生ヒータ56への通電が開始される。蒸気発生ヒータ56はポット51の側壁を介してポット51の中の水を加熱する。ポット51の側壁が熱せられると、その熱は伝熱ユニット60に伝わり、伝熱ユニット60から水へと伝えられる。
【0047】
蒸気発生ヒータ56への通電と同時に、送風装置25及び過熱ヒータ41への通電も開始される。送風装置25は気体吸込口24から加熱室20の中の気体を吸い込み、外部循環路30に気体を送り出す。
【0048】
この時ダンパ46は外部循環路30の第2パイプ33の入口を開き、排気口32を閉ざしている。気体は第1パイプ31から第2パイプ33に入り、さらに第3パイプ36を経て、気体戻し口39からサブキャビティ40に入る。そしてサブキャビティ40内で過熱ヒータ41により熱せられた後、噴気口43から下向きに噴出する。
【0049】
ポット51の中の水が沸騰すると、100℃1気圧の飽和蒸気が発生する。飽和蒸気は蒸気吸引エジェクタ34のところで外部循環路30を通る循環気流に吸引される。エジェクタ構造を用いているので、飽和蒸気は速やかに吸い上げられ、吸い出される。エジェクタ構造のため蒸気発生装置50に圧力がかからず、飽和蒸気の放出が妨げられない。
【0050】
後段エジェクタ37においては、バイパス路38から流入した気体が飽和蒸気混じりの気体を蒸気吸引エジェクタ34のアウターノズル35から吸い出す。蒸気吸引エジェクタ34をバイパスしてその下流に気体を吹き込むバイパス路38の存在によって循環系の圧損が小さくなり、遠心ファン26を効率良く駆動できる。後段エジェクタ37を出た飽和蒸気混じりの気体は高速でサブキャビティ40に突入する。
【0051】
サブキャビティ40に入った飽和蒸気混じりの気体は過熱ヒータ41により300℃にまで熱せられる。この時点で飽和蒸気は過熱蒸気となる。気体は温度上昇と蒸気の相変換により膨脹し、噴気口43より勢い良く噴出する。
【0052】
加熱室20の中央部に吹き下ろしの気流を形成した気体はその外側で上昇し、加熱室20内に対流を形成する。そして再び気体吸込口24から吸い込まれる。このようにして加熱室20内の気体は外部循環路30に出ては加熱室20に戻るという循環を繰り返す。
【0053】
時間が経過するにつれ、気体中の蒸気の割合が増して行く。量的に余剰となった気体は、排出口44から余剰気体用排気ダクト45を経て加熱室20の外に出る。
【0054】
そして、余剰気体用排気ダクト45の最下部となる底部には、下端が加熱室20の側壁から受皿21に向けて開口する余剰気体用の結露排水パイプ48が連結されていて、余剰気体用排気ダクト45内に生成した結露水は、その余剰気体用結露排水パイプ48を経て受皿21に導かれ、調理終了後、他の原因で発生する水と共に処理される。
【0055】
過熱蒸気を含む気体の吹き出しが始まると、加熱室20の中の温度は急速に上昇する。加熱室20の中の温度が調理可能領域に達したことを温度センサ82が検知すると、制御装置80が操作パネル11にその旨の表示を出し、また合図音を鳴らす。調理可能になったことを音と表示により知った使用者は扉12を開け、加熱室20に被加熱物90を入れる。
【0056】
扉12を開けかかると、制御装置80はダンパ46の姿勢を切り替え、第2パイプ33の入口を閉じるとともに、排気口32を開く。加熱室20の中の気体は送風装置25により吸い込まれ、排気口32から循環気体用排気ダクト47を経て外部へ排出される。第2パイプ33の入口が閉じることにより、噴気口43からの過熱蒸気の噴出がなくなるので、過熱蒸気が使用者を襲い、使用者が顔面や手などに火傷を負うということがない。
【0057】
使用者が扉12を開けかかったという状況は、例えば次のようにして制御装置80に伝えることができる。すなわち扉12を閉鎖状態に保つラッチをキャビネット10と扉12の間に設け、このラッチを解錠するラッチレバーをハンドル13から露出するように設ける。ラッチ又はラッチレバーの動きに応答して開閉するスイッチを扉12又はハンドル13の内側に配置し、使用者がハンドル13とラッチレバーを握りしめて解錠操作を行ったとき、スイッチから制御装置80に信号が送られるようにする。
【0058】
ラック22の上に被加熱物90をセット(収納)し、扉12を閉じると、ダンパ46は第2パイプ33への入口を開き、排気口32を閉ざす姿勢に復帰する。これにより噴気口43からの過熱蒸気の噴出が再開され、被加熱物90の調理が始まる。
【0059】
約300℃に加熱されて噴気口43から吹き下ろす過熱蒸気は被加熱物90に衝突して被加熱物90に熱を伝える。この過程で蒸気温度は250℃程度にまで低下する。また被加熱物90の表面に接触した過熱蒸気は、被加熱物90の表面に結露する際潜熱を放出する。これによっても被加熱物90は加熱される。
【0060】
加熱室20の気体を循環させつつ被加熱物90を加熱するので、蒸気調理器1のエネルギー効率は高い。そして、過熱蒸気を含む気体が加熱室20の天井部から下向きに噴出するので、被加熱物90の上面全体に過熱蒸気が衝突する。過熱蒸気が被加熱物90に衝突することと、衝突の面積が広いこととが相まって、過熱蒸気に含まれる熱が素早く効率的に被加熱物90に伝達される。
【0061】
被加熱物90が肉類の場合、温度が上昇すると油が滴り落ちることがある。被加熱物90が容器に入れた液体類であると、沸騰して一部がこぼれることがある。滴り落ちたりこぼれたりしたものは受皿21に受け止められ、調理終了後の処理を待つ。
【0062】
操作パネル11を通じて入力した設定時間が経過すると、制御装置80が操作パネル11にその旨の表示を出し、また合図音を鳴らす。蒸気発生ヒータ56及び過熱ヒータ41への通電はこの時点で停止されるが、送風装置25の運転は続行している。
【0063】
調理終了を音と表示により知った使用者が被加熱物90を取り出すべく使用者が扉12を開けかかると、制御装置80はダンパ46の姿勢を切り替え、第2パイプ33の入口を閉じるとともに排気口32を開く。加熱室20の中の気体は送風装置25で吸い込まれ、排気口32より排出される。第2パイプ33の入口が閉じられたうえ、蒸気発生ヒータ56、過熱ヒータ41とも通電が止まっているので、噴気口43から過熱蒸気が噴出することがない。従って使用者は過熱蒸気を浴びることなく被加熱物90に手を差しのべることができる。
【0064】
使用者はラック22の上から調理済みの被加熱物90を取り上げる。受皿21を扉12の上に引き出し、それから被加熱物90を取り上げてもよい。これで調理を打ち切るのであれば、受皿21に溜まった水や油を捨てる。必要があれば受皿21とラック22を洗浄し、再び加熱室20にセットする。
【0065】
次に、本発明の第2実施形態である蒸気調理器について、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は第2実施形態の蒸気調理器における水タンクへの注水に関する動作を示す側方視の垂直断面図、図10はその蒸気調理器における水タンクの装着に関する動作を示す側面視の垂直断面図である。なお、図中で図1〜図8と同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。後述する第3実施形態においても同様とする。
【0066】
本実施形態では、図9及び図10に示すように、水タンク71の上面には、扉12寄りである手前側に給水口78を設けている。また、扉12の内面には、扉12を閉じた状態で水タンク71の正面と対向する位置に第1凸部85を備えている。一方、水タンク71の正面には第2凸部86を備えていて、この第2凸部86は、弾性を有する樹脂等で成形され、その先端が曲面となっている。
【0067】
続いて、このような構成の蒸気調理器1における水タンク71への水の補給手順について説明する。先ず水タンク71への注水を行うにあたっては、図9(a)、(b)に示すように、閉じた状態の扉12を開き、水平にする。次いで、水タンク71を水タンク室70から離脱させるべく、手前側にスライドさせて引き出す。その際、水タンク71は、下部の両側がレール77の両側壁に沿って案内されながら、扉12の内面上に引き出されていく。その後、水タンク71を引き出す途中で、図9(c)に示すように、水タンク71の正面下部が第1凸部85に当接して、水タンク71のスライド移動が止められる。この時点で、水タンク71は、背面側の一部を水タンク室70内及びレール77上に残しつつ、給水口78が水タンク室70から表出している。そして、この状態のまま給水口78のキャップ(不図示)を外し、やかん等によって給水口78から水タンク71に注水し、水タンク71を満水状態にする。
【0068】
このように、水タンク71に水を注水するに際し、満水状態の水タンク71を持ち上げることが全くないため、使用者への負担が殆ど生じず、容易に行える。また、水タンク71の給水口78が上面の手前側にあるため、水タンク71のスライド移動に伴って直ちに水タンク室70から表出することから、水タンク71を大きくスライドさせなくても注水が行え、使用者への負担をより軽減することができる。
【0069】
しかも、扉12の内面上の第1凸部85により水タンク71のスライド量が規制されるため、格別に意識することなく、必要以上スライドさせないで注水が行える状態にできる。こうして第1凸部85は、水タンク71の離脱移動(注水する際のスライド移動)を規制する移動規制部材の役割を果たす。なお、第1凸部85は扉12の内面から若干突出していれば十分であって、そうすると、第1凸部85を乗り越えて水タンク71を水タンク室70から完全に取り外すときに支障が生じない。
【0070】
また、扉12の内面上に引き出された水タンク71への注水中は、水タンク71における背面側の下部両側がレール77の両側壁によって拘束されているため、水タンク71の姿勢は横倒れすることなく安定し、安心して注水が行える。こうしてレール77は、水タンク71のスライド移動を案内する案内部材の役割のみならず、注水中の水タンク71の横倒れを規制する横倒れ規制部材の役割をも果たす。
【0071】
引き続き、水タンク室70への水タンク71の装着を行うにあたっては、図10(a)に示すように、満水状態の水タンク71を背面側にスライドさせて水タンク室70内に挿入し、その後、開いた状態の扉12を閉じていく。この時点で、水タンク71が規定位置まで達していなくても構わない。次いで、図10(b)に示すように、扉12の内面が水タンク71の第2凸部86に当接する。そのまま扉12を閉じていくと、第2凸部86が扉12の内面で押圧されながら、水タンク71が押し込まれていく。そして、図10(c)に示すように、扉12を完全に閉じると同時に、水タンク71が規定位置まで達し、これとともに、送水パイプ72の先端が給水パイプ63の受入口64に接続され、水タンク71の装着が完了する。
【0072】
このように、水タンク71を水タンク室70へ装着するに際し、扉12を閉じると同時に、水タンク71は扉12の内面で押圧される第2凸部86によって規定位置まで押し込まれて、水タンク71側の送水パイプ72と本体であるキャビネット10側の給水パイプ63との連結が確実になされるため、扉12を閉じる操作のみで、格別に意識することなく、水タンク71の装着を容易に行え、その結果として、一連の水タンク71への水の補給を容易に行える。こうして第2凸部86は、扉12を閉じた際に水タンク71を規定位置まで押し込む水タンク押込み手段の役割を果たす。
【0073】
しかも本実施形態では、水タンク71の第2凸部86と扉12の内面とが相互に押圧するわけであるが、第2凸部86の先端が曲面となっているので、この押圧動作を扉12の閉じる動作に伴って円滑に行えるし、押圧対象である扉12の内面の不用意な損傷を防止できる。また、第2凸部86が弾性を有するので、その弾発力により、安定した押圧状態を確保することができる。
【0074】
また、第2凸部86は、水タンク71の正面から単に突出するものであれば、水タンク押し込み手段としての機能を達成できるが、取っ手としての機能も併せ持つようにしてもよい。使用者が第2凸部86を掴んで水タンク71を引き出すことが可能になり、より実用的になるからである。
【0075】
次に、本発明の第3実施形態である蒸気調理器について、図11及び図12を参照しながら説明する。図11は第3実施形態の蒸気調理器における水タンクへの注水に関する動作を示す側方視の垂直断面図、図12はその蒸気調理器における水タンクの装着に関する動作を示す側面視の垂直断面図である。本第3実施形態の特徴は、第2実施形態の構成の簡素化を図った点にある。なお、図中で図9及び図10と同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0076】
本実施形態では、図11及び図12に示すように、扉12の内面には、扉12を閉じた状態で水タンク71の正面と接触する第3凸部87を備えていて、この第3凸部87は弾性を有する樹脂等で成形され、その先端が曲面となっている。つまり、第3凸部87が、上記した第2実施形態における移動規制部材としての第1凸部85と、水タンク押込み手段としての第2凸部86とを兼用するように工夫している。
【0077】
続いて、このような構成の蒸気調理器1における水タンク71への水の補給手順について説明する。先ず水タンク71への注水を行うにあたっては、上記した第2実施形態とほぼ同様であるが、以下の点で異なる。図11(c)に示すように、水タンク71を引き出す途中で、水タンク71の手前側下部が第3凸部87に当接して、水タンク71のスライド移動が止められる。
【0078】
従って、第3凸部87が移動規制部材として機能するため、水タンク71に水を注水するに際し、上記した第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0079】
引き続き、水タンク室70への水タンク71の装着を行うにあたっても、上記した第2実施形態とほぼ同様であるが、以下の点で異なる。扉12を閉じていくと、図12(b)に示すように、扉12の第3凸部87が水タンク71の正面に当接する。そのまま扉12を閉じていくと、水タンク71の正面が第3凸部87で押圧されながら、水タンク71が押し込まれていく。
【0080】
従って、第3凸部87が水タンク押込み手段として機能するため、水タンク71を水タンク室70へ装着するに際し、上記した第2実施形態と同様の効果が得られる。第3凸部87の先端が曲面となっているので、この押圧動作を扉12の閉じる動作に伴って円滑に行えるし、押圧対象である水タンク71の正面の不用意な損傷を防止することが可能となる。
【0081】
以上本発明の一実施形態につき説明したが、発明の主旨を逸脱しない範囲でさらに種々の変更を加えて実施することが可能である。
【0082】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の蒸気調理器によれば、水タンク室にタンクを収納した状態が扉によって隠れすっきりとした外観となる。又、下端部を支軸に回動する扉にすれば水タンク装着の際、満水状態の水タンクを開成した扉の内面に一端置いてから水タンク室の開口にタンクの奥側を挿入し装着することができるので、使用者への負担が軽減される。そして水タンク装着に際し、扉を閉じると同時に水タンクが水タンク押込み手段によって規定位置まで押し込まれ、水タンク側の送水パイプと本体側の給水パイプとの連結が確実になされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態である蒸気調理器の外観斜視図。
【図2】 第1実施形態における加熱室の扉を開いた状態の外観斜視図。
【図3】 第1実施形態における内部機構の概略を示す基本構造図。
【図4】 同じく、結露排水パイプを主として示す基本構造図。
【図5】 第1実施形態における加熱室の上面図。
【図6】 第1実施形態における蒸気発生装置の垂直断面図。
【図7】 第1実施形態における蒸気発生装置の水平断面図。
【図8】 第1実施形態における制御ブロック図。
【図9】 第2実施形態である水タンクへの注水動作を示す要部説明図。
【図10】 第2実施形態の水タンクの装着動作を示す要部説明図。
【図11】 第3実施形態である水タンクへの注水動作を示す要部説明図。
【図12】 第3実施形態である水タンクの装着動作を示す要部説明図。
【符号の説明】
1 蒸気調理器
10 キャビネット
12 扉
14 窓
20 加熱室
50 蒸気発生装置(蒸気生成手段)
63 給水パイプ
70 水タンク室
71 水タンク
72 送水パイプ
77 レール
85 第1凸部
86 第2凸部
87 第3凸部

Claims (5)

  1. 本体の正面に開口し被加熱物を収納する加熱室と、この加熱室に隣接して本体の正面に開口し、この開口から水タンクを挿脱自在に収納する水タンク室と、前記水タンクから供給された水を加熱して蒸気を生成する蒸気生成手段と、を備え、前記蒸気生成手段から送り出された蒸気を含む気体により被加熱物を調理する蒸気調理器において、
    一端部を支軸に回動して前記加熱室及び前記水タンクの両開口を開閉する扉を設けるとともに、前記扉を閉じた際に前記水タンクを規定位置まで押し込む水タンク押込み手段を設けたことを特徴とする蒸気調理器。
  2. 前記水タンク押込み手段は前記水タンクの正面又は前記扉の内面から突出する凸部であって、前記扉を閉じた際に前記扉が前記凸部を介して前記水タンクを押込むことを特徴とする請求項1に記載の蒸気調理器。
  3. 前記凸部が弾性を有することを特徴とする請求項2に記載の蒸気調理器。
  4. 前記水タンク押込み手段は前記水タンクの正面から突出する取っ手であって、前記扉を閉じた際に前記扉の内面が前記取っ手を押圧することを特徴とする請求項に記載の蒸気調理器。
  5. 前記水タンクは外部から水位の目視が可能な樹脂で成形されていて、前記扉には、前記扉を閉じた状態で前記水タンクの水位を確認するための窓が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の蒸気調理器。
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