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JP4030237B2 - ケース冷却系の故障原因推定装置 - Google Patents
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JP4030237B2 - ケース冷却系の故障原因推定装置 - Google Patents

ケース冷却系の故障原因推定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に設置される低温ショーケースの如く、冷却対象の物品を収容すべき複数台のケースからなるケース冷却系において、故障が発生し、若しくは故障の発生が予測されたときに、その故障の原因を推定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストアに設置されている食品保存・陳列用の低温ショーケースは、冷媒との熱交換により冷却した空気を庫内に循環させて、庫内の空気温度を周辺の空気温度よりも下げることによって、食品を保存するものであり(特公平7-1135号、特公平7-6713号等)、店舗の規模に応じて数台〜数十台が設置される。
【0003】
低温ショーケースにおいて、その目標となる設定温度は、陳列の対象とする食品により異なり、例えば、陳列する食品が冷凍食品の場合には−20℃程度の冷凍温度に、肉や魚などの生鮮食品の場合には−3℃〜0℃の氷温に、更に、野菜等の場合には+5℃〜+10℃程度の比較的高い温度に目標値が設定される。
【0004】
又、低温ショーケース自体の構造も、上下複数段の棚が架設された多段型ケースや、底部に複数のトレイを並設した平型ケース等、複数の種類が存在する。従って、一店舗内には多種類の低温ショーケースが設置されることになる。そして、これらの低温ショーケースは、複数台が1台の冷凍機に接続されている。冷凍機は圧縮機や凝縮器等から構成され、各低温ショーケースに設置した蒸発器を、冷媒配管を介して圧縮機に並列接続して、冷凍サイクルを構成している。
従って、店舗の規模が大きくなってショーケースの台数が増えると、ショーケースと冷凍機の組み合わせも多数存在することになる。
【0005】
このような低温ショーケースが何らかの原因で故障して、庫内の食品を適切な温度で保存出来なくなると、食品の品質が劣化して、販売に供することが出来なくなり、店舗に多大な損害が生じる。従って、ショーケースや冷凍機の故障発生を早期に発見することは、これによって食品の一時待避や機器の修理を迅速に行なうことが可能となるため、食品の品質維持の点から極めて重要である。
【0006】
そこで、ショーケースの故障を早期に検出し、或いは故障を予測することが可能な運転状態管理装置が提案されている(特開平10−238920号)。
該装置は、過去の運転状態に関するデータ(運転状態データ)を運転条件毎に分類して保存することにより、過去の運転状態に関するデータベースを構築し、現在の運転状態データと、同一の運転条件におけるデータベース内の過去の運転状態データとを比較することによって、故障の発生を予測し、或いは早期に故障を発見するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の如きケース冷却系の故障の原因としては、まず蒸発器の着霜が考えられる。これは、蒸発器内部に設けられた冷媒配管が霜によって覆われ、この結果、蒸発器における熱交換効率が低下する故障である。
通常は、蒸発器に多少の霜が付着したとしても、定期的に行なわれる霜取り運転によって霜は除去されるので、熱交換効率は殆ど低下しない。しかし、霜の発生量が増大する等、何らかの原因で、1回の霜取り運転では霜を完全に除去することが出来なくなり、その状況が続くと、次第に霜の付着量が増加していくこととなり、その結果、熱交換効率に大きな低下が生じる。
【0008】
又、その他の故障の原因として、冷媒配管からの冷媒漏れが考えられる。これは、配管の接続部等におけるシール状態が何らかの原因で不良となり、冷媒が配管から漏出することによって、ショーケースに供給される冷媒量が減少して、結果として熱交換効率が低下するものである。
【0009】
しかしながら、ショーケースの故障検出を可能とした従来の運転状態管理装置では、上述の如き故障原因を推定することは出来なかった。故障検出と同時に、その故障原因を特定することが出来れば、迅速且つ適切なメンテナンスを行なうことが出来、これによって故障を未然に防止することが可能となる。
【0010】
そこで本発明の目的は、上述の如きケース冷却系に故障が発生し、若しくは故障の発生が予測されたときに、その故障の原因を推定することが可能な装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係るケース冷却系の第1の故障原因推定装置は、
各ケースについて、霜取り運転における霜取りヒータに対する通電時間を計測する通電時間計測手段と、
前記計測された通電時間が所定の通電最長時間に達したかどうかを判断する判断手段と、
判断手段による過去複数回分の判断結果を更新しつつ記憶するメモリ手段と、
メモリ手段に記憶されている判断結果に基づいて、蒸発器における着霜を故障の原因として推定する故障原因推定手段
とを具えている。
【0012】
上記本発明の第1の故障原因推定装置が故障原因推定の対象とするケース冷却系においては、冷媒供給源から冷媒配管を経て各ケースの蒸発器へ冷媒を供給する冷却運転と、霜取りヒータに通電して蒸発器に付着した霜を除去する霜取り運転とが行なわれる。ここで、所定の霜取り運転開始時刻になると、冷却運転が中止されると同時にヒータが通電されて、霜取り運転が開始される。これによって、ケース内の温度が上昇するので、その温度が所定値に達した時点で、ヒータへの通電が停止される。その後、冷却運転が再開される。
【0013】
霜取り運転においては、蒸発器における霜の付着量が多いほど霜の除去に時間がかかるので、ケース内の温度が前記所定値に達するまでに時間がかかり、結果としてヒータ通電時間が長くなる。但し、ヒータ通電時間にはケース毎に最長時間が予め設定されており、霜取り運転開始後、ヒータ通電時間が通電最長時間に達したとき、ケース内の温度が所定値に達していなくても、ヒータに対する通電は停止される。
従って、ヒータ通電時間が通電最長時間に達した場合は、蒸発器に多量の霜が付着しており、これが原因で熱交換効率の低下を来たすものと考えることが出来る。
【0014】
そこで、上記本発明の第1の故障原因推定装置においては、各ケースについて、霜取り運転におけるヒータ通電時間を計測し、この計測値が所定の通電最長時間に達したかどうかを判断し、所定の通電最長時間に達する事態が最近の複数回の霜取り運転で発生した場合は、蒸発器における着霜を故障の原因として推定するのである。
【0015】
本発明に係る第2の故障原因推定装置は、
ケース内の空気温度と、ケース外の空気温度と、霜取りヒータに対する通電時間とを計測する計測手段と、
冷却運転中におけるケース外空気温度の計測データに基づいて、霜の付着量に関係する霜付着量データを算出する手段と、
霜取り運転開始時のケース内空気温度と、当該霜取り運転の前の冷却運転における霜付着量データとをパラメータとして、当該霜取り運転における霜取りヒータ通電時間を記憶するメモリ手段と、
霜取りヒータ通電時間の計測データが、メモリ手段に記憶されている同一のケース内空気温度及び霜付着量データに対する霜取りヒータ通電時間よりも長くなったかどうかを判断する判断手段と、
判断手段による過去複数回分の判断結果を更新しつつ記憶する第2メモリ手段と、
第2メモリ手段に記憶されている判断結果に基づいて、蒸発器における着霜を故障の原因として推定する故障原因推定手段
とを具えている。
【0016】
霜取り運転においては、霜取り運転開始時の霜の付着量が同じであれば、ヒータの通電時間は略同じになると考えられる。従って、ヒータ通電時間が従来よりも長くなった場合には、霜の付着量が増加したものと推定することが出来る。但し、霜の付着量は、当該霜取り運転開始前の冷却運転における熱負荷と、ヒータ通電開始時のケース内の温度によって左右されるので、推定にはこれらの値を考慮する必要がある。
【0017】
そこで、上記本発明の第2の故障原因推定装置においては、ケース内空気温度と、ケース外空気温度と、霜取りヒータに対する通電時間とを計測し、冷却運転中におけるケース外空気温度の計測データに基づいて、霜の付着量に関係する霜付着量データを算出する。ここで、霜の付着量を左右する冷却運転の熱負荷は、冷却運転中における空気エンタルピの平均値で表わすことが出来るので、霜付着量データとして、冷却運転中における空気エンタルピの平均値を採用することが出来る。
【0018】
従って、霜取り運転開始時のケース内空気温度と霜付着量データとをパラメータとして、霜取り運転におけるヒータ通電時間を蓄積することにより、ケース内空気温度と霜付着量データによって決まる霜の付着量と、過去のヒータ通電時間との関係を、データベース化することが出来る。
そして、ヒータ通電時間の計測値が同一のケース内空気温度及び霜付着量データに対する過去のヒータ通電時間よりも長くなったかどうかを判断し、ヒータ通電時間の計測値が過去のヒータ通電時間を越える事態が、最近の複数回の霜取り運転で発生した場合に、蒸発器における着霜を故障の原因として推定するのである。
【0019】
本発明に係る第3の故障原因推定装置は、
冷媒供給源と複数のケースとの間の冷媒配管による接続状態に関する情報が格納されている第1メモリ手段と、
各ケースについて、過去における故障の発生、若しくは故障発生の予測結果が格納されている第2メモリ手段と、
何れかのケースについて故障が発生し、若しくは故障の発生が予測されたとき、第1メモリ手段の情報に基づいて、当該ケースと共通の冷媒配管に接続されている他のケースを特定し、第2メモリ手段の情報から、当該他のケースについても故障が発生し、若しくは故障の発生が予測されていると判断される場合に、冷媒配管の不良を故障の原因として推定する故障原因推定手段
とを具えている。
更に、何れかのケースについて故障が発生し、若しくは故障の発生が予測されたとき、第1メモリ手段の情報に基づいて、冷媒配管の不良箇所を推定する手段を具えることが出来る。
【0020】
冷媒配管からの冷媒漏れが原因で冷却能力が低下して、故障が生じる場合には、配管系を共通とする同一グループ内の他のケースにおいても、該冷媒漏れによる冷媒不足のため、冷却能力に低下が生じる可能性が高い。
従って、配管系を共通とする同一グループ内において、2台以上のケースで故障が検出された場合は、冷媒配管の異常を故障原因として推定することが出来る。又、冷媒配管の接続状態に関する情報から、冷媒配管の不良箇所を特定することが出来る。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る故障原因推定装置によれば、ケース冷却系に故障が発生し、若しくは故障の発生が予測されたとき、その故障の原因を推定することが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を低温ショーケースの冷却系に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
【0023】
ケース冷却系の構成及び動作
図1に示す如く、店舗内には11台のショーケース(3)が配備されており、この内、No.1〜No.3の3台のショーケース(3)(3)(3)が冷媒供給配管A及び冷媒戻り配管Aを介してNo.1のコンデンシングユニット(1)に接続され、No.4〜No.6の3台のショーケース(3)(3)(3)が冷媒供給配管B及び冷媒戻り配管Bを介してNo.1のコンデンシングユニット(1)に接続されている。又、No.7及びNo.8の2台のショーケース(3)(3)が冷媒供給配管C及び冷媒戻り配管Cを介してNo.2のコンデンシングユニット(2)に接続され、No.9〜No.11の3台のショーケース(3)(3)(3)が冷媒供給配管D及び冷媒戻り配管Dを介してNo.2のコンデンシングユニット(2)に接続されている。
尚、コンデンシングユニット(1)(2)はそれぞれ圧縮機と凝縮器を具え、各ショーケース(3)に蒸発器(図示省略)が配備されている。
【0024】
冷却運転においては、コンデンシングユニット(1)から、冷媒供給配管Aを経て、第1のグレープとなるNo.1〜No.3の3台のショーケース(3)(3)(3)へ冷媒が供給されると同時に、冷媒供給管Bを経て、第2のグループとなるNo.4〜No.6の3台のショーケース(3)(3)(3)へ冷媒が供給される。又、コンデンシングユニット(2)から、冷媒供給配管Cを経て、第3のグループとなるNo.7及びNo.8の2台のショーケース(3)(3)へ冷媒が供給されると同時に、冷媒供給管Dを経て、第4のグループとなるNo.9〜No.11の3台のショーケース(3)(3)(3)へ冷媒が供給される。
又、各グループのショーケース(3)から夫々の冷媒戻り配管を経て、夫々のコンデンシングユニット(1)(2)へ冷媒が戻ることになる。
【0025】
この様に、コンデンシングユニット(1)(2)と各ショーケース(3)の間で冷媒が循環することによって、各ショーケース(3)の内部が冷却されるのである。
尚、各ショーケース(3)の蒸発器の入口には、冷媒の供給をON/OFFするための遮断弁(図示省略)が取り付けられており、該遮断弁のON/OFF制御によって、ショーケース(3)の内部温度が目標温度範囲に維持される。
【0026】
上述の冷却運転によって各ショーケース(3)の蒸発器に霜が付着すると、蒸発器の熱交換効率が低下するため、各ショーケース(3)に配備した霜取りヒータ(図示省略)に定期的に、例えば24時間毎に通電して、霜を溶解除去することが行なわれる。
【0027】
一般に、ショーケースの霜取り運転は以下の手順で行なわれる。尚、同じ配管に接続された同一グループのショーケース(3)は全て同時に霜取り運転が開始される。
図2に示す如く所定の霜取り運転開始時刻になると、遮断弁が閉じて各ショーケース(3)への冷媒の流入が遮断され、冷却運転が中止される。但し、ファンによって蒸発器内部に風を送り込む動作は継続される。そして、冷却運転の中止と同時に、霜取りヒータが通電される。
【0028】
その後、ヒータの加熱によって、ショーケース内の温度が上昇し、冷気吹き出し口における温度(庫内制御温度)が上昇するので、その温度が所定値に達した時点で、ヒータに対する通電を停止する。そして、霜が溶けて生成された水を蒸発させるための短い待機時間(水切り時間)を経た後、遮断弁を開くことによって、同じ配管グループのすべてのショーケースに対して同時に冷媒が供給され、冷却運転が再開される。
霜取り運転終了後、庫内制御温度は冷却運転の再開によって徐々に下降し、所定温度まで低下した後は、電磁弁のON/OFF制御によって、庫内制御温度が目標温度範囲内に維持される。
【0029】
上記の如きケース冷却系を対象として故障の検出及び故障原因の推定を行なう場合、ショーケース毎に個別の故障原因推定装置を搭載することも可能であるが、本実施例では、店内に設置された全てのショーケースの運転データを収集・分析する監視システムに後述の故障原因推定のためのソフトウェアを搭載して、故障原因推定装置を構成し、各ショーケースの故障の検出及び故障原因の推定を行なう。
【0030】
故障原因推定装置の第1の構成
図1に示す如きケース冷却系においては、蒸発器における霜の付着量が多いほど、霜を溶解させるのに長い時間がかかるので、冷気吹き出し口における庫内制御温度が所定温度に達する時期が遅くなり、結果としてヒータ通電時間が長くなる。但し、同時に霜取り運転を行なう他ケースとの関係から、霜取り運転の時間を無制限に長くすることは出来ないので、ヒータ通電時間には、ショーケース毎に通電最長時間が設定されている。
【0031】
このため、霜取り運転開始後、ヒータ通電時間が通電最長時間を経過した場合は、庫内制御温度が所定値に達していなくても、霜取りヒータに対する通電が停止される。従って、熱交換効率が低下して故障状態に至るほどの霜が付着している場合には、ヒータ通電時間が最長時間になる可能性が高い。
【0032】
そこで、ヒータ通電最長時間を用いて、蒸発器の着霜を故障原因と推定するべく、図3に示す如き情報処理装置(4)を構成する。尚、情報処理装置(4)は、後述の故障検出用ソフトウェアを搭載したパーソナルコンピュータによって構成されている。
情報処理装置(4)のCPU(5)は、店内の各ショーケース(3)から個々の霜取り制御信号を取り込み、ショーケースが霜取り運転中であるか、冷却運転中であるかを判別する。霜取り運転中の場合には更に、各ショーケース(3)からヒータ制御信号を取り込み、ヒータが通電中であるか否かを把握する。そして、内蔵せるタイマ(7)を用いて、霜取り運転中における通電開始から通電停止までのヒータ通電時間を算出する。
【0033】
又、ショーケース(3)毎に設定されたヒータ通電最長時間が、予めメモリ(6)の霜取り運転制御設定部(61)に格納されている。尚、図3においては、メモリ内部の構造を、No.1のショーケース(3)についてのみ図示しているが、実際には同様のデータ格納構造がショーケースの数だけ存在することになる。
【0034】
霜取り運転においては、CPU(5)によって、ヒータ通電時間が通電最長時間に達したかどうかが判断され、その判断結果がメモリ(6)の霜取り判定結果記録部(62)に格納される。尚、霜取り判定結果記録部(62)には、過去の4回分の判定結果を書き込むためのアドレスが用意されており、判定結果の書込みにおいては、最も古いデータを消去した上で最新のデータを書き込むことによって、常に最新の4回分の判断結果を保持する様にする。
【0035】
そして、何れかのショーケース(3)について故障が発見された場合、該ショーケース(3)についての霜取り判定結果記録部(62)に例えば2回以上に亘って、ヒータ通電時間がヒータ通電最長時間を越えた旨の判定結果が書き込まれているときは、蒸発器に多量の霜が付着していることが故障の原因であると推定するのである。
【0036】
故障原因推定装置の第2の構成
上述の如きケース冷却系においては、霜取り運転開始時における霜の付着量が同じであれば、ヒータの通電時間は略同じになると考えられる。従って、ヒータ通電時間が従来よりも長くなった場合には、霜の付着量が増加したものと推定することが出来る。但し、霜の付着量は、霜取り運転を開始する前の冷却運転における熱負荷と、ヒータ通電を開始した際の庫内制御温度とが関係するので、これらの値を考慮して、故障原因の推定を行なう必要がある。
【0037】
そこで、冷却運転中における熱負荷条件とヒータ通電時間などを用いて、蒸発器の着霜を故障原因と推定するべく、図4に示す情報処理装置(4)を構成する。情報処理装置(4)のCPU(5)は、各ショーケース(3)から霜取り制御信号とヒータ制御信号を取り込んで、内蔵せるタイマ(7)によって、霜取り運転中におけるヒータ通電時間を算出する。
【0038】
ところで、霜取り運転開始時における霜の付着量は、前回の霜取り運転終了から今回の霜取り運転開始までの冷却運転期間における熱負荷量に依存する。この熱負荷の主なものとしては、ショーケース周辺の気温と湿度が挙げられる。そこで、各ショーケース(3)の周辺に温度センサ(32)と湿度センサ(33)を設置し、これらのセンサから情報処理装置(4)に気温データと湿度データを取り込むようにする。
又、各ショーケース(3)の冷気吹き出し口に温度センサ(31)を設置して、該温度センサ(31)から情報処理装置(4)に、霜取り運転開始時における庫内制御温度を取り込むようにする。
【0039】
情報処理装置(4)のCPU(5)は、温度センサ(32)及び湿度センサ(33)による測定データから、冷却運転期間における気温と湿度の平均値を算出する。尚、気温と湿度の測定は、各ショーケース(3)に設置したセンサーによって行なう構成に限らず、店内の適当な1箇所に設置したセンサーによって行なうことも可能である。
【0040】
霜取り運転開始時における霜の付着量は、上記の様にして算出された気温平均値と湿度平均値から求まる空気エンタルピの平均値に略依存する。但し、その依存特性は機種や設置環境条件などによって、店内のショーケース毎に異なるので、個別に把握する必要がある。
【0041】
霜取り運転中におけるヒータ通電時間は、霜の付着量と霜取り運転開始時の庫内制御温度に依存するが、上述の如くヒータ通電時間と庫内制御温度は直接に測定し、霜の付着量は冷却運転中における空気エンタルピの平均値で代用することとして、これら3者のデータの依存関係を把握する。
即ち、情報処理装置(4)のメモリ(6)に霜取り運転情報記録部(63)を設け、平均空気エンタルピと庫内制御温度をパラメータとして通電時間の測定値を記録する。具体的には、予めメモリ(6)内に、平均空気エンタルピと庫内制御温度の測定値により異なる複数の書込みエリアを確保しておき、通電時間の測定値を所定の書き込みエリアに記録する。
尚、図4では、メモリ内部の構造をNo.1のショーケース(3)についてのみ図示しているが、実際には同様のデータ格納構造が店内のショーケースの数だけ存在することになる。
【0042】
上記3者のデータの関係は、ショーケースが正常な期間には基本的に変化しないので、一旦記録したデータについては更新の必要はないが、冷却運転及び霜取り運転の繰り返しによって、様々な値の庫内制御温度と平均空気エンタルピが測定されるので、図4に示す霜取り運転情報記録部(63)の複数の書込みエリアには、ヒータ通電時間の測定値が次第に記録されていくことになる。
【0043】
ある霜取り運転について庫内制御温度と平均空気エンタルピの測定値に対応する書込みエリアに、新たに測定されたヒータ通電時間を記録する際、その書込みエリアに既に過去の通電時間が記録されている場合は、その記録されている通電時間と新たに測定された通電時間とを比較し、新たに測定された通電時間が記録されている通電時間より長くなっているかどうかを判定し、その判定結果を、メモリ(6)に設けた霜取り判定結果記録部(64)に記録する。
尚、霜取り判定結果記録部(64)には、過去の4回分の判定結果を書き込むためのアドレスが用意されており、判定結果の書込みにおいては、最も古いデータを消去した上で最新のデータを書き込むことによって、常に最新の4回分の判断結果を保持する様にする。
【0044】
そして、何れかのショーケース(3)について故障が発見された場合、該ショーケース(3)についての霜取り判定結果記録部(64)に例えば2回以上に亘って、ヒータ通電時間が長くなった旨の判定結果が書き込まれているときは、蒸発器に多量の霜が付着していることが故障の原因であると推定するのである。
【0045】
尚、図4に示す霜取り運転情報記録部(63)の平均空気エンタルピに代えて、平均店内気温で代用することも可能であって、この場合、湿度を測定する必要はない。
【0046】
故障原因推定装置の第3の構成
上述の如きケース冷却系において、冷媒配管からの冷媒漏れにより冷却能力が低下して故障が生じる場合には、配管系統が共通の同一グループ内の他のショーケースにおいても、冷却能力の低下が生じる可能性が高い。従って、共通の配管系統により相互に接続された同一グループ内のショーケース(3)において、2台以上で故障が検出された場合は、冷媒配管の異常を故障原因として推定することが出来る。
【0047】
又、冷媒配管の接続状態に関する情報から、冷媒配管の不良箇所を特定することも可能である。例えば、図1に示す冷媒配管の接続状態において、配管AのA2で示す箇所で冷媒漏れが発生した場合、それよりも下流側に配置されたNo.1のショーケース(3)とNo.2のショーケース(3)が故障状態になると考えられる。これに対し、A1の箇所で冷媒漏れが発生した場合には、冷却能力の低下はNo.1のショーケース(3)にのみ生じる。但し、冷媒漏れがその後も続いた場合は、配管全体で冷媒量が徐々に減少するので、No.2及びNo.3の2台のショーケース(3)(3)においても冷却能力が次第に低下することになる。
【0048】
そこで、冷媒の漏出等の冷媒配管の不良を故障原因として推定するべく、図5に示す情報処理装置(4)を構成する。
情報処理装置(4)のCPU(5)は、霜取り運転中であるか、冷却運転中であるかを判別するために、ショーケース(3)毎に霜取り制御信号を読み込む。
【0049】
情報処理装置(4)のメモリ(6)には、店内に設置されている全てのショーケース(3)について、それらの接続状態に関する情報を格納した配管接続設定部(65)が設けられている。図1に示す接続状態については、図5に示す如き情報が格納される。但し、各ショーケース(3)には、図1に示すように、連続する番号が付与されているものとする。又、配管箇所を特定するために、コンデンシングユニットとショーケースの間、及びショーケース間を接続する配管には、図1に示す如く、配管の系統毎に、連続する配管番号(A1、A2、…、D3)が付与されている。
【0050】
メモリ(6)の配管接続設定部(65)には、ケース番号(No.1、No.2、…、No.11)の夫々に対して、同一グループにおけるショーケースの個数(接続ケース数)と、同一グループ内の最も若いケース番号(代表ケース番号)を記録しておく。同一グループ内でケース番号は連続しているから、代表ケース番号と接続ケース数により、同一グループに含まれるショーケースのケース番号を特定することが出来る。また同様に、配管位置を特定するため、コンデンシングユニット側の配管の番号を記録しておく。
【0051】
メモリ(6)には故障検出結果記録部(66)を設けて、従来の故障検出技術を用いた故障検出結果を記録する。図5の例では、過去に故障が検出されたショーケースについては“1”を、過去に故障が検出されていないショーケースについては“0”を記録することとしている。
従って、故障検出結果記録部(66)に記録されている情報に基づいて、同一グループ内で複数台のショーケースで故障が検出されているかどうかを判別することが出来る。
【0052】
そして、同一グループ内の2台以上のショーケース(3)で故障が検出されていると判定されたとき、CPU(5)は、冷媒配管の異常を故障原因として推定するのである。又、CPU(5)は、冷媒配管の接続状態に関する情報から、冷媒配管の不良箇所も特定する。
【0053】
次に、上述の各故障原因推定装置の構成において、故障原因推定のための具体的な手続きについて説明する。
【0054】
基本処理フロー
図6は、従来の故障検出処理と本発明に係る故障原因推定のための基本的な処理(故障検出ソフトウエア)の手順を表わしている。尚、故障検出ソフトウエアは、店内の全てのショーケースが冷却運転を行なっている期間に起動されるものとする。
【0055】
図6に示す如く、故障検出ソフトウエアの起動後、ヒータ通電フラグをまず0にリセットしておく(ステップS1)。このヒータ通電フラグは、霜取り運転中においてヒータが通電中であることを検知したかどうかを示すものである。故障検出処理は、冷却運転中に実施し、霜取り運転中には実施しない。
【0056】
故障検出の処理周期は例えば1分間に設定しておく。故障検出ソフトウエアの起動後は、その処理周期で処理タイミングに待機し、処理タイミング毎に以下の一連の処理を行なう。この際、店内の全てのショーケースについて、基本的に同一の処理を一度実行することとする。処理を実行すべきショーケースの順番も予め設定しておく。
【0057】
処理タイミングが到来したとき、故障検出フラグを0にリセットする(ステップS2〜S3)。この故障診断フラグは、店内の全てのショーケースの中で1台でも故障を検出したかどうかを示すものである。
次に、所定の順番に従って以下の処理を行なうべきショーケースを決定する(ステップS4)。その後、そのショーケースに関して、故障原因の推定に関する情報収集及び故障検出処理を実行する(ステップS5)。この場合、霜取り制御信号から各ショーケースが冷却運転中であるか、霜取り運転中であるかを判別し、前者の場合には故障検出処理を、後者の場合には霜取り運転に関する情報処理を実行する。但し、故障検出処理において故障を検出した場合には、故障検出フラグを1に書き換える。そして、店内の全てのショーケースについて所定の順番で同様の処理を繰り返す(ステップS6)。
【0058】
店内の全てのショーケースについて処理が終了した後、故障検出フラグに基づいて、故障の検出されたショーケースがあったかどうかをチェックする(ステップS7)。故障検出フラグが0、即ち1台も故障が検出されなかった場合は、最初の処理タイミングの検出に戻る。故障検出フラグが1、即ち1台でも故障が検出されたショーケースがあった場合には、所定の順番で1台毎に本発明に係る故障原因推定処理を実行し(ステップS8〜S9)、店内の全てのケースについて処理が終了するまで、同様の処理を繰り返すのである(ステップS10)。
【0059】
図7〜図10は、上述の第1乃至第3の構成における、情報収集と故障検出処理(図6のステップS5)の具体的な手順を表わしている。
【0060】
第1の構成における情報収集・故障検出処理
図7は、上述の第1の構成における、ヒータ通電最長時間を基準とする着霜による故障原因推定のための、情報収集と故障検出処理の手順を表わしている。
先ず、霜取り制御信号を読み取って(ステップS11)、冷却運転中であるか、霜取り運転中であるかを判別する(ステップS12)。前述の如く故障検出ソフトウエアは冷却運転中に起動されるので、起動後の最初の処理では冷却運転中であると判別される。そして、この場合には故障検出処理(ステップS24)を実行し、故障を検出した際は故障検出フラグを1に書き換えた後、図6の基本フローに戻る。
【0061】
その後、霜取り制御信号によって、霜取り運転が開始されたことが判別されたときは、ヒータ制御信号を読み取って(ステップS13)、ヒータが通電中であるかどうかを判別する(ステップS14)。霜取り運転開始当初は、ヒータ通電中であるから、通電中であると判別される。次にヒータ通電フラグをチェックする(ステップS15)。霜取り運転開始後における最初の処理タイミングでは、ヒータ通電フラグは0にリセットされているので、タイマを用いたヒータ通電時間の計測を開始し、ヒータ通電フラグを1にセットして(ステップS16)、情報収集・故障検出処理を終了する。
【0062】
次の処理タイミングで、ヒータが依然として通電中であることを検出した場合は、ヒータ通電フラグが既に1になっているので、特に新たな情報処理を実行することなく、情報収集・故障検出処理を終了する。以後の処理タイミングでは、ヒータ通電が終了するまで同様の処理を繰り返す。
【0063】
霜取り運転において、庫内制御温度が所定値に達し、或いはヒータ通電時間が通電最長時間に達したとき、ヒータの通電は停止される。但し、ヒータの通電が停止されても、水切り時間が終了して、同一グループ内の複数台のショーケースで同時に冷却運転が開始されるまでは、霜取り運転が継続される。このため、ヒータ通電終了後でも当初は、霜取り制御信号により霜取り運転中と判別され、ヒータ制御信号の読み取り(ステップS13)によって、ヒータ通電中でないと判別される(ステップS14)。そしてこの場合にも、ヒータ通電フラグが1であるかどうかをチェックする(ステップS17)。
【0064】
通電終了後、最初の処理タイミングでは、ヒータ通電フラグは1であるので、このときはヒータ通電時間の計測を終了する(ステップS18)。これによって、霜取り運転中におけるヒータ通電時間が計測されたことになる。そして、ショーケース毎に設定されているヒータ通電最長時間を、メモリの霜取り運転制御設定部から読み込む(ステップS18)。
【0065】
その後、ヒータ通電フラグを0にリセットすると共に、ヒータ制御フラグも0にリセットする(ステップS19)。このヒータ制御フラグは、ヒータ通電時間が通電最長時間に達したかどうかの結果を示す。次に、実際にヒータ通電時間が最長時間に達しているかどうかをチェックし(ステップS20)、達している場合はヒータ制御フラグを1にセットする(ステップS21)。
【0066】
次に、ヒータ制御フラグを記録すべき霜取り判定結果記録部の書込みアドレスを更新する(ステップS22)。図3に示す例の場合、故障検出ソフトウエア起動時には、書込みアドレスの初期値を(N−1)にセットしておく。そして、このステップの更新によって、アドレスを(N)にインクリメントする。以後の処理においても同様の更新を実行するが、インクリメントにより(N+5)になった場合は、(N)に戻す。そして、更新されたアドレスにヒータ制御フラグを書き込み(ステップS23)、情報収集・故障検出処理を終了する。
【0067】
水切り運転中の次の処理タイミングでは、霜取り制御信号により霜取り運転と判別され、ヒータ制御信号の読み取り(ステップS13)によりヒータが通電中ではないと判別された後、ヒータ通電フラグも1ではないと判別されて(ステップS17)、情報収集・故障検出処理を終了する。
水切り時間が終了して、同一グループ内の全てのショーケースにおいて冷却運転が開始されるまで、同様の処理が繰り返される。そして、霜取り運転終了後、冷却運転の際の処理が繰り返される。
【0068】
第2の構成における情報収集・故障検出
図8及び図9は、冷却運転中における熱負荷条件とヒータ通電時間に基づいて着霜による故障原因を推定するための、情報収集と故障検出処理の手順を表わしている。
先ず、冷却運転中であるか、霜取り運転中であるかを判別するために、霜取り制御信号を読み取る(ステップS31)。前述の如く故障検出ソフトウエアは冷却運転中に起動されるので、起動後の最初の処理では冷却運転中と判別される。そして、この場合は気温と湿度の測定値を読み込み、各測定値を積算する(ステップS49)。これは、冷却運転期間中における気温と湿度の平均値を算出するための処理である。但し、故障検出ソフトウエア起動後、最初の霜取り運転が終了するまでは、この積算処理は行なわない。
又、冷却運転時には故障検出処理を実行し(ステップS50)、故障を検出したときは故障検出フラグを1に書き換える。そして、故障検出処理後、図6の基本フローに戻る。
【0069】
その後、霜取り制御信号によって、霜取り運転が開始されたことが判別されたときは、次にヒータ制御信号を読み取って(ステップS33)、ヒータが通電中であるかどうかを判別する(ステップS34)。霜取り運転開始当初はヒータは通電中であるから、イエスと判別されて、次に、ヒータ通電フラグがチェックされる(ステップS35)。霜取り運転開始後における最初の処理タイミングでは、ヒータ通電フラグは0にリセットされているので、タイマを用いたヒータ通電時間の計測を開始すると共に、霜取り開始時点での庫内制御温度を読み取る(ステップS36)。
そして、ヒータ通電フラグを1にセットした後(ステップS37)、情報収集・故障検出処理を終了する。
【0070】
次の処理タイミングで、ヒータが依然として通電中であることが検出された場合は、ヒータ通電フラグは既に1になっているので、特に新たな情報処理を行なうことなく、情報収集・故障検出処理を終了する。以後の処理タイミングでは、ヒータ通電が終了するまで同様の処理を繰り返す。
【0071】
霜取り運転において、庫内制御温度が所定値に達するか、あるいはヒータ通電時間が最長時間に達すれば、ヒータの通電は停止される。但し、ヒータの通電が停止されても、水切り時間が終了して、同一グループ内の複数台のショーケースで同時に冷却運転が開始されるまでは、霜取り運転が継続されるので、ヒータ通電終了後でも当初は、霜取り制御信号により霜取り運転と判別され、ヒータ制御信号により、ヒータ通電中ではないと判別される。そしてこの場合にも、ヒータ通電フラグが1であるかどうかをチェックする(ステップS38)。通電終了後、最初の処理タイミングでは、ヒータ通電フラグは1であるので、このときはヒータ通電時間の計測を終了し、ヒータ通電フラグを1にリセットしておく(ステップS39)。
【0072】
そして、霜取り運転が始まる前の冷却運転期間中における気温と湿度の積算値から、その期間における夫々の平均値を算出し、更に、算出した気温と湿度の平均値から、冷却運転期間における空気エンタルピの平均値を算出する(ステップS40)。その後、気温と湿度の積算値をクリアし、霜取り判定フラグを0にセットする(ステップS41)。この霜取り判定フラグは、平均空気エンタルピと庫内制御温度の2つの条件が略同じであるにも拘わらずヒータ通電時間が長くなったかどうかを示すものである。
【0073】
次に、算出した平均空気エンタルピと霜取り運転開始時点での庫内制御温度に基づいて、メモリの霜取り運転情報記録部に対するヒータ通電時間の書込みアドレスを決定する(ステップS42)。故障検出ソフトウエアの起動当初は、この記録部には何らのデータも書き込まれていないが、故障検出ソフトウエアが継続して動作することによって、次第にデータが書き込まれていくことになる。
【0074】
そして、書き込みアドレスの決定後、そのアドレスに既にデータが記録されているかどうかをチェックする(ステップS43)。記録がない場合には、計測したヒータ通電時間をそのアドレスに記録する(ステップS44)。但し、故障検出ソフトウエアの起動後で最初の霜取り運転の場合には、この書き込み処理は行なわない。
【0075】
次に、メモリの霜取り判定記録部に対する霜取り判定フラグの書込みアドレスを更新する(ステップS47)。図4に示す例の場合、故障検出ソフトウエア起動時には、書込みアドレスの初期値を(N−1)にセットしておく。そして、このステップの更新によって、アドレスを(N)にインクリメントする。以後の処理においても同様の更新を実行するが、インクリメントにより(N+5)になった場合は、(N)に戻す。そして、更新されたアドレスに霜取り判定フラグを書き込み(ステップS48)、情報収集・故障検出処理を終了する。
【0076】
一方、霜取り運転情報記録部の書き込みアドレスに既にデータが記録されている場合は、その記録データ、即ち従来のヒータ通電時間よりも今回の霜取り運転の際に計測した通電時間の方が長いかどうかをチェックする(ステップS45)。そして、長いと判断された場合は霜取り判定フラグを1にセットする(ステップS46)。
【0077】
そして、メモリの霜取り判定結果記録部に対する霜取り判定フラグの書込みアドレスを更新して(ステップS47)、更新されたメモリアドレスに霜取り判定フラグを書き込んだ後(ステップS48)、情報収集・故障検出処理を終了する。
水切り運転中の次の処理タイミングでは、霜取り制御信号により霜取り運転と判別され、更にヒータ制御信号によりヒータ通電中ではないと判別された後、ヒータ通電フラグも1ではないと判別されるので、この場合には特別な処理を行なうことなく、情報収集・故障検出処理を終了する。
水切り時間が終了して、同一グループ内の全てのショーケースにおいて冷却運転が開始されるまでは、同様の処理が繰り返される。そして、霜取り運転終了後、冷却運転の際の処理が繰り返される。
【0078】
第3の構成における情報収集・故障検出
図10は、各ショーケースの接続状態に関する情報に基づいて冷媒配管に関する故障原因を推定するための、情報収集と故障検出処理の手順を表わしている。
先ず、霜取り制御信号を読み取って(ステップS51)、冷却運転中であるか、霜取り運転中であるかを判別し(ステップS52)、霜取り運転中の場合には、特に処理を行なうことなく、情報収集・故障検出処理を終了する。一方、冷却運転中の場合には、所定の故障検出処理(ステップS53)を実行し、故障検出の有無を判断する(ステップS54)。そして、故障が検出された場合は、図5に示す故障検出結果記録部(66)の各エリアの内、現在処理中のショーケースのケース番号に対応するエリアを1に書き換えた後(ステップS55)、情報収集・故障検出処理を終了する。
【0079】
故障原因推定処理
図11は、故障原因推定処理(図6のステップS9)の具体的な手順を表わしている。
まず、図5に示す故障検出結果記録部(66)から記録情報を読み取ることによって(ステップS61)、故障原因の推定を行なうべきショーケースについて故障を検出しているかどうかをチェックする(ステップS62)。故障を検出していない場合には、故障原因推定処理をを終了する。
【0080】
一方、故障を検出している場合には、図3の霜取り判定結果記録部(62)或いは図4の霜取り判定結果記録部(64)の記録情報を読み取る(ステップS63)。そして、最近の過去4回の霜取り運転におけるヒータ通電時間に関する判定結果を、総合的に判断する。
【0081】
例えば、ヒータ通電時間が通電最長時間に達したかどうかで故障原因を推定する場合には、最近の過去4回の霜取り運転におけるヒータ制御フラグが霜取り判定結果記録部に書き込まれているので、その値を読み取って、所定の回数以上、例えば2回以上に亘ってフラグが1になっているか否かをチェックする(ステップS64)。チェックの結果がイエスの場合は、最近の過去4回の霜取り運転においてヒータ通電時間が最長時間に達する事態が2回以上発生していることになるので、蒸発器での着霜が故障の原因と推定した後(ステップS65)、故障原因推定処理を終了する。
【0082】
一方、冷却運転期間中の平均空気エンタルピと霜取り運転開始時の庫内制御温度が略同じ条件の下で、ヒータ通電時間が従来よりも長くなったかどうかで故障原因を推定する場合には、最近の過去4回の霜取り運転におけるヒータ制御フラグが霜取り判定結果記録部に書き込まれているので、その値を読み取って、所定の回数以上、例えば2回以上に亘ってフラグが1になっているか否かをチェックする(ステップS64)。チェックの結果がイエスの場合は、最近の過去4回の霜取り運転においてヒータ通電時間が従来よりも長くなる事態が2回以上発生していることになるので、蒸発器での着霜が故障の原因と推定した後(ステップS65)、故障原因推定処理を終了する。
尚、着霜を故障原因として推定する上記2つの方法は併用することも可能である。
【0083】
霜取り判定結果記録部に記録されている4個のフラグの内、2個以上のフラグが1になっていない場合は、次に、冷媒配管が故障原因でないかどうかをチェックする。
先ず、図5に示す配管接続設定部(65)から、接続ケース数と代表ケース番号の情報を読み取って(ステップS66)、その接続ケース数と代表ケース番号に基づいて、故障原因推定の対象となっているショーケースと同一グループのショーケースのケース番号を把握する。そして、図5の故障検出結果記録部(66)から同一グループのショーケースに関する記録情報を読み取って(ステップS67)、同一配管グループのショーケースで故障が検出されているものがあるかどうかを判断し(ステップS68)、故障の検出されているショーケースが存在する場合は、冷媒配管の異常を故障原因として推定する(ステップS69)。
【0084】
そして、同一グループ内で故障の発生している最も大きいケース番号について、該ケース番号に対応する配管番号を配管接続設定部(65)から読み出して、その配管箇所を不良箇所として推定した後(ステップS70)、故障原因推定処理を終了する。
これに対し、同一グループ内で、複数のショーケースに故障が発生していない場合は、故障原因を「その他」として(ステップS71)、故障原因推定処理を終了する。
【0085】
上述の如く、本発明の故障原因推定装置によれば、ショーケースの冷却系に関する故障発生の早期検出及び故障予知を行なう従来技術に対して、「蒸発器での着霜」あるいは「配管関連の異常」という二つの故障原因の推定を行なうことが出来ると共に、故障個所の特定を行なうことが出来るので、迅速且つ適正なメンテナンスを行なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ショーケース及びコンデンシングユニットの接続状態を示すブロック図である。
【図2】霜取り運転の動作を説明するグラフである。
【図3】ヒータ通電最長時間によって着霜を故障原因と推定する情報処理装置の構成を表わすブロック図である。
【図4】ヒータ通電時間の変化によって着霜を故障原因と推定する情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】冷媒配管を故障原因として推定する情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】故障検出ソフトウエアを表わすフローチャートである。
【図7】ヒータ通電最長時間による故障原因推定のための情報収集・故障検出処理を表わすフローチャートである。
【図8】ヒータ通電時間の変化による故障原因推定のための情報収集・故障検出処理の前半を表わすフローチャートである。
【図9】同上処理の後半を表わすフローチャートである。
【図10】各ショーケースの接続状態から故障原因を推定するための情報収集・故障検出処理を表わすフローチャートである。
【図11】故障原因推定処理を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
(1) コンデンシングユニット
(2) コンデンシングユニット
(3) ショーケース
(4) 情報処理装置
(5) CPU
(6) メモリ
(61) 霜取り運転制御設定部
(62) 霜取り判定結果記録部
(63) 霜取り運転情報記録部
(64) 霜取り判定結果記録部
(65) 配管接続設定部
(66) 故障検出結果記録部
(7) タイマ

Claims (2)

  1. 冷却対象の物品を収容すべき複数台のケースが、冷媒配管を介して冷媒供給源に接続され、冷媒供給源から各ケースに配備されている蒸発器に冷媒を供給して、ケース内を冷却する冷却運転と、霜取りヒータに通電して、蒸発器に付着した霜を除去する霜取り運転とが可能なケース冷却系において、故障が発生し、若しくは故障の発生が予測されたときに、その故障の原因を推定する装置であって、
    ケース内の空気温度と、ケース外の空気温度と、霜取りヒータに対する通電時間とを計測する計測手段と、
    冷却運転中におけるケース外空気温度の計測データに基づいて、霜の付着量に関係する霜付着量データを算出する手段と、
    霜取り運転開始時のケース内空気温度と、当該霜取り運転の前の冷却運転における霜付着量データとをパラメータとして、当該霜取り運転における霜取りヒータ通電時間を記憶するメモリ手段と、
    霜取りヒータ通電時間の計測データが、メモリ手段に記憶されている同一のケース内空気温度及び霜付着量データに対する霜取りヒータ通電時間よりも長くなったかどうかを判断する判断手段と、
    判断手段による過去複数回分の判断結果を更新しつつ記憶する第2メモリ手段と、
    第2メモリ手段に記憶されている判断結果に基づいて、蒸発器における着霜を故障の原因として推定する故障原因推定手段
    とを具えているケース冷却系の故障原因推定装置。
  2. 霜付着量データは、冷却運転中における空気エンタルピの平均値である請求項に記載の故障原因推定装置。
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