JP4030633B2 - 防菌防黴剤の吸着量の低減方法 - Google Patents
防菌防黴剤の吸着量の低減方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防菌防黴剤を含有する水性組成物が繊維集合体と共存する際に、防菌防黴剤の添加効果が低下するのを防止する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ウエットワイパーあるいは化粧品濡れティッシュ類のように、水性組成物を紙、不織布等に含浸させて使用することが多くなってきている。このような繊維集合体と水性組成物とが共存する製品(以下「ウエットティッシュ類」と記載することもある)は、雑菌あるいは黴等にとって好適な培地であることから、これらの繁殖を防止するために防菌防黴剤を配合すること必要になる。
【0003】
一方、ウエットティッシュ類は、体表面の清拭等に使用されることから、人体に対する安全性が高いことが必要であり、こうした観点からすると防菌防黴剤はできるだけ少なくすることが望ましい。
【0004】
このような防菌防黴剤の適性使用量は、寒天培地等による培養試験結果を基にして決定される。
しかしながら、ウエットティッシュ類の場合には、こうした適性使用量の範囲内で、防菌防黴剤を使用したとしても、予定している程の防菌効果、防黴効果が発現しないことが多い。このためウエットティッシュ類を形成する水性組成物には、防菌防黴剤として適性使用量であるとされている量よりも多量の防菌防黴剤を配合しなければならなかった。
【0005】
【発明の目的】
本発明者は、繊維集合体が防菌防黴剤と共存する系であるウエットティッシュ類においては、防菌防黴剤の相当部分が繊維に吸着され、こうして吸着された防菌防黴剤はもはや防菌防黴剤としては機能しないという知見を得、こうした繊維の吸着の防止にはある種の界面活性剤が有効であるとの知見を得て本発明を完成するに到った。即ち、本発明は、繊維集合体が共存する系において、防菌防黴剤が繊維に吸着されるのを防止する方法を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、パラオキシ安息香酸エステルおよび塩化セチルピリジニウムからなる防菌防黴剤を0 . 01〜0.5重量%の量で含有する水性組成物に、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルセチルエーテル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびモノラウリン酸ソルビタンよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のノニオン系界面活性剤を、該水性組成物中に0 . 1〜0.5重量%の量で配合し、かつ該水性組成物中にキレート剤を0 . 001〜2 . 00重量%の量で含有させて防菌防黴剤のセルロース系不織布への吸着率を低減する方法である。
【0007】
このように繊維が共存する系において、水性組成物中に特定のノニオン系界面活性剤を配合することにより、防菌防黴剤が繊維へ吸着する量を低減することができる。
【0008】
【発明の具体的説明】
次に本発明の方法について具体的に説明する。
本発明の方法は、水性組成物と繊維集合体とが共存する系において使用される。
【0009】
本発明において、繊維集合体は、繊維の織布、不織布のように繊維が集合して所定の形態を形成しているものである。具体的には、セルロース繊維の不織布である紙、綿繊維の集合であるコットン綿、パルプからできた紙、絹糸からできた絹集合体などを挙げることができる。これらの中でも、セルロース繊維の不織布あるいは綿繊維の集合であるコットン綿等において本発明の有用性が高い。
【0010】
本発明において、水性組成物は、アニオン系界面活性剤と防菌防黴剤とを含有する。
本発明において、防菌防黴剤としては、化粧品に通常使用されている防菌防黴剤を使用することができる。このような防菌防黴剤の例としていは、パラオキシ安息香酸とパラオキシ安息香酸エステル(例;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル);
塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウムの他;
パラオキシ安息香酸メチルナトリウム、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラフェノールスルホン酸およびその塩(例;パラフェノールスルホン酸ナトリウム)、
フェノール、パラクロロフェノール、パラクロロメタクレゾール、パラクロロメタキシレノール、ジクロロキシレノール;
イソプロピルメチルフェノール、レゾルシン、レゾルシンモノアセテート、オルトフェニルフェノール;
チオビスクロロフェノール、オルトフェノールナトリウム、ナトリウムフェノキシド、クロロフェネシン、フェノキシエタノール、チモール、クロロチモール;
ピロガロール、クレゾール、ヒノキチオールおよびヒドロキシベンゾサチオール等のフェノール類;
安息香酸およびその塩類、サリチル酸およびその塩類;
デヒドロ酢酸およびその塩類、ソルビン酸およびその塩類、硼酸などの酸類;
ヘキサクロロフェノン、2,4,4'-トリクロロ-2'-ハイドロキシジフェニルエーテル等のハロゲン化ビスフェノール、
3,4,4'-トリクロロカルバアニリド、3-トリフルオロメチル-4,4'-ジクロロカルバニリド、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、クロロアセタミド等のアミド類;
臭化ドミフェン、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム類;
セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウリルピリジニウム、塩化ラウリルコラミノホルムルメチルピリジニウム、塩化デカニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム;
塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム化合物;
ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、ラウリルアミノエチルグリシン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等の両イオン性化合物;
クロロヘキシジン、ジイセチオン酸ジブロモプロパミジン;
グルコン酸クロロヘキシジン;
フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、ジクロロベンジルアルコール、グルタルジアルデヒド、クロラミンT、ジンクピリチオン、ピリチオンナトリウム、フルフラール、プラトリン、ピオニン、ルミネキス、ヨウ化パラジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾニウム;
5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;
テトラメチルチウラムジサルファイド、1-ハイドロキシピリジン-2-チオン、イミダゾイルウレア化合物、N-トリクロロメチル・メルカプト-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシイミド、塩化リゾチウム、クロロブタノール、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、6-アセトキシ-2,4-ジメチル-m-ジオキサン、ピロ炭酸ジエチル、エチレンオキサイドおよびβ-プロピオラクトンを挙げることができる。このような防菌防黴剤の中で、本発明の方法は、パラオキシ安息香酸エステル、塩化セチルピリジニウムの吸着防止に特に有効性が高い。
【0011】
繊維の存在しない条件において、上記のような防菌防黴剤の配合量は、種類によりその防菌防黴効果が異なるが、包括的にみて、通常は0.00001〜5重量%、好ましくは0.0001〜2.0重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。
【0012】
ところが、繊維が存在する条件下においては、上記のような防菌防黴剤を通常用いられている量で配合しても、同等の防菌、防黴効果は発現しない。このような効果の低下は、防菌防黴剤が繊維に吸着されるために生ずるものと解される。そして、繊維に吸着した防菌防黴剤は、もはや防菌防黴剤としてほとんど機能しない。従って、繊維が共存する条件では、防菌防黴剤は、繊維が存在しない場合の使用量よりも多量に使用するのが一般的である。本発明は、このような繊維と防菌防黴剤が共存する状態において、繊維に吸着される防菌防黴剤の量を特定のノニオン系界面活性剤を配合することにより低減している。
【0013】
このような繊維に吸着される防菌防黴剤の量を低減するために用いられるノニオン系界面活性剤は、
ポリオキシエチレンエーテル型ノニオン系界面活性剤、
ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤、
多価アルコール脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤、
多価アルコールアルキルエーテル型プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤
および
アルキルジアルキルアミンオキシド系型ノニオン系界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも一種類のノニオン系界面活性剤である。
【0014】
ここでポリオキシエチレンエーテル型ノニオン系界面活性剤の例としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤[1-▲1▼]、
ポリオキシエチレンアルキルフェニル型ノニオン系界面活性剤[1-▲2▼]、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤[1-▲3▼]を挙げることができる。
【0015】
また、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤およびポリオキシエチレン脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤の例としては、
ポリオキシエチレン脂肪酸型ノニオン系界面活性剤[2-▲1▼]、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸型ノニオン系界面活性剤[2-▲2▼]、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油型ノニオン系界面活性剤[2-▲3▼]、
ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[2-▲4▼]を挙げることができる。
【0016】
さらに、多価アルコール脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤および多価アルコールアルキルエーテル型プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤の例としては、
グリセリンエステル型ノニオン系界面活性剤[3-▲1▼]、
ソルビタン脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[3-▲2▼]、
ポリグリセリン脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[3-▲3▼]、
ショ糖脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[3-▲4▼]、
アルキルポリグリコシド型ノニオン系界面活性剤[3-▲5▼]を挙げることができる。
【0017】
また、アルキルジアルキルアミンオキシド系型ノニオン系界面活性剤は、カチオン性ノニオン界面活性剤であり、この例としては、N-アルキルジメチルアミンオキシド[4-▲1▼]を挙げることができる。
【0018】
本発明で使用するノニオン系界面活性剤であるの例としては、を挙げることができる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤[1-▲1▼]の例としては、ポリオキシエチレン(10)アルキル(C12,13)エーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン(3,7,12)アルキル(C12〜14)エーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレン-sec-アルキル(C14)エーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2,10,20)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)アラキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルを挙げることができる。
【0019】
ポリオキシエチレンアルキルフェニル型ノニオン系界面活性剤[1-▲2▼]の例としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテルを挙げることができる。
【0020】
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤[1-▲3▼]の例としては、ポリオキシエチレン(1〜20)ポリオキシプロピレン(1〜8)セチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(34)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ポリオキシプロピレン(30)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(34)ポリオキシプロピレン(23)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテルを挙げることができる。
【0021】
ポリオキシエチレン脂肪酸型ノニオン系界面活性剤[2-▲1▼]の例としては、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、エチレングリコール脂肪酸エステル、自己乳化型モノステアリン酸エチレングリコール、ラウリン酸ジエチレングリコール、ミリスチン酸ポリエチレングリコール、パルミチン酸ポリエチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、自己乳化型モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジラウリン酸ジエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール(150)、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジオレフィン酸ポリエチレングリコール、ジリシノレイン酸ポリエチレングリコールおよびポリオキシエチレン(40)ステアリン酸エステルを挙げることができる。
【0022】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸型ノニオン系界面活性剤[2-▲2▼]の例としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン、トリオレイン酸ポリエチレン(20)ソルビタン、ポリオキシエチレン(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(10〜80)ソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(150)ソルビタン、ポリオキシエチレン(20)オレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン(20)パルミチン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン(20)ステアリン酸ソルビタンおよびポリオキシエチレン(20)トリステアリン酸ソルビタン
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油型ノニオン系界面活性剤[2-▲3▼]の例としては、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を挙げることができる。
【0023】
ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[2-▲4▼]の例としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(3)ソルビット、オレイン酸ポリオキシエチレン(40)ソルビット、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(3)ソルビットを挙げることができる。
【0024】
グリセリンエステル型ノニオン系界面活性剤[3-▲1▼]の例としては、親油型モノステアリン酸グリセリン、親油型モノオレイン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、ヤシ油脂肪酸グリセリン、ミリスチン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリン、リノール酸グリセリル、リシノレイン酸グリセリル、エルカ酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、小麦胚芽油脂肪酸グリセリド、サフラワー油脂肪酸グリセリル、水素添加大豆脂肪酸グリセリル、飽和脂肪酸グリセリド、綿実油脂肪酸グリセリル、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、モノ牛脂肪酸グリセライド、モノラノリン脂肪酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリルを挙げることができる。
【0025】
ソルビタン脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[3-▲2▼]の例としては、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリスステアリン酸ソルビタン、トリスオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタンを挙げることができる。
【0026】
ポリグリセリン脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[3-▲3▼]の例としては、イソパルミチン酸ジグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4〜10)グリセリル、モノミリスチン酸ポリ(10)グリセリル、モノステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、モノイソステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、モノオレイン酸ポリ(2〜10)グリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6〜10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリオレイン酸ポリ(10)グリセリル、テトライソステアリン酸ポリ(2)グリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸ポリ(6〜10)グリセリル、ヘプタステアリン酸ポリ(10)グリセリル、デカステアリン酸デカグリセリル、デカオレイン酸ポリ(10)グリセリル、縮合リシノレイン酸ポリ(6)グリセリルを挙げることができる。
【0027】
ショ糖脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[3-▲4▼]の例としては、ショ糖脂肪酸エステル、ヤシ油脂肪酸ショ糖エステルを挙げることができる。
アルキルポリグリコシド型ノニオン系界面活性剤[3-▲5▼]の例としては、炭素数10〜18のアルキル基を有するアルキルポリグルコシドを挙げることができる。
【0028】
N-アルキルジメチルアミンオキシド[4-▲1▼]の例としてはヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシジエチルラウリルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、オレイルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0029】
上記のようなノニオン系界面活性剤の中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤[1-▲1▼]、ポリオキシエチレンアルキルフェニル型ノニオン系界面活性剤[1-▲2▼]、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤[1-▲3▼]、ポリオキシエチレン脂肪酸型ノニオン系界面活性剤[2-▲1▼]、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸型ノニオン系界面活性剤[2-▲2▼]、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油型ノニオン系界面活性剤[2-▲3▼]、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[2-▲4▼]、ポリグリセリン脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[3-▲3▼]、ショ糖脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤[3-▲4▼]が防菌防黴剤の吸着量低減に有効性が高く、さらに、これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤[1-▲1▼]、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤[1-▲3▼]、ポリオキシエチレン脂肪酸型ノニオン系界面活性剤[2-▲1▼]、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸型ノニオン系界面活性剤[2-▲2▼]、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油型ノニオン系界面活性剤[2-▲3▼]が、特に好ましい。
【0030】
このようなノニオン系界面活性剤は、防菌防黴剤の繊維への吸着を防止するためには、水性組成物中に通常は0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%の量で使用される。
【0031】
上記のような量でノニオン系界面活性剤を使用することにより、防菌防黴剤の繊維への吸着量は、通常は90重量%以上、好適な組み合わせを設定することにより75重量%以上、さらに好ましくは50〜75重量%の範囲内で低減される。
【0032】
上記のような量でノニオン系界面活性剤を配合することにより、防菌防黴剤の繊維への吸着は有効に防止できるが、この量を超えてノニオン系界面活性剤を配合したとしても、防菌防黴剤の繊維への吸着率の増加を抑制するという作用はほとんど向上しないが、またこの抑制作用の低下も見られない。ノニオン系界面活性剤は、洗浄成分としても機能することから、上記規定する範囲を超える量を水性媒体中に配合しても、本発明の防菌防黴剤の繊維への付着を抑制するとの目的は達成される。従って、上記記載した量は防菌防黴剤の繊維への付着を抑制するために有効な配合量であって、例えば、上記特定のノニオン系界面活性剤と防菌防黴剤を含有する水性組成物を清拭剤あるいは洗浄剤として使用する場合に、ノニオン系界面活性剤が上記範囲を超えて含有されていてもよい。
【0033】
このような特定のノニオン系界面活性剤が防菌防黴剤の繊維への吸着を防止するという機構に関しては、必ずしも明らかではないが、上記特定のノニオン系界面活性剤の繊維に対する親和性が、防菌防黴剤よりも勝っており、繊維に対して優先的にこれらのノニオン系界面活性剤が吸着し、防菌防黴剤の吸着を抑制しているものと考えられる。従って、上記記載した特定のノニオン系界面活性剤以外のノニオン系界面活性剤は、防菌防黴剤の繊維への吸着抑制効果がほとんどないかその添加効果が確認できない。
【0034】
本発明の方法は、上記のように特定のノニオン系界面活性剤を用いて防菌防黴剤が繊維に吸着するのを抑制する方法であるが、この抑制効果は、上記のように特定のノニオン系界面活性剤に加えてキレート剤を配合することによりさらに向上する。
【0035】
本発明で使用されるキレート剤は、多価金属が存在するとこの多価金属とキレート結合して金属キレート化合物を形成し得る化合物である。
このようなキレート剤の代表的な例としてコンプレキサンを挙げることができる。コンプレキサンは、通常、置換されたアミノ基とカルボキシル基を持つ多塩基酸の総称であり、両性(amphoteric)であり、中性ないしアルカリ性溶液、および鉱酸溶液に可溶である。
【0036】
本発明で使用することができるコンプレキサンの例としては、
アミノ二酢酸(IDA)、N-メチルイミノ二酢酸(MIDA)、
N-シクロヘキシルイミノ二酢酸、
N-フェニル二酢酸、
ベンジルアミノ-N,N-二酢酸、
N-(2-フリルメチル)イミノ二酢酸、
N-(2-テトラヒドロピラニルメチル)イミノ二酢酸、
2-アミノメチルピリジン-N,N-二酢酸、
N-(2-メトキシエチル)イミノ二酢酸、
N-(2-メチルチオエチル)イミノ二酢酸、
N-2-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、
N-(3-ヒドロキシプロピル)イミノ二酢酸、
N-(2-ヒドロシクロヘキシル)イミノ二酢酸、
N-(o-ヒドロキシフェニル)イミノ二酢酸、
o-ヒドロキシベンジルアミン-N,N-二酢酸、
N-2-メルカプトエチルイミノ二酢酸、
N-(o-メルカプトフェニル)イミノ二酢酸、
N-シアノメチルイミノ二酢酸、
N-(2-アミノエチル)イミノ二酢酸;[(U-EDDA)エチレンジアミン-N,N-二酢酸]、
N-(カルバモイルメチル)イミノ二酢酸;[(AADA)N-(アセトアミド)イミノ二酢酸]、
アミノアセトン-N,N-二酢酸;[1-アミノプロパン-2-オン-N,N-二酢酸]、
ω-アミノアセトフェノン-N,N-二酢酸、
N-(o-カルボキシフェニル)イミノ二酢酸、
ニトリロ三酢酸(NTA)、
ニトリロ二酢酸メチレンスルホン酸;[N-ホスホノメチルイミノ二酢酸]、
および、
ニトリロ酢酸-ジ(メチレンスルホン酸);[N,N-ジ(ホスホノメチル)グリシン]などのN1化合物およびこれらのアルカリ金属塩:
エチレンジアミン-N,N'-二酢酸(EDDA)、
エチレンジアミン-N,N'-ジ-α-プロピオン酸;[(EDDMA) エチレンジアミン-N,N'-ジ-C-メチル酢酸]、
エチレンジアミン-N,N'-ジ-プロピオン酸(EDDP)、
N,N-エチレン-ビス(α-o-ヒドロキシフェニル)グリシン(EHPG)、
N,N'-ジ(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N'-二酢酸;[(HBED) エチレンジニトリロ-N,N'-ビス(2-ヒドロキシベンジル)-N,N'-二酢酸]、
N,N'-エチレン-ビス(2-アミノメチルピリジン)-N,N'-二酢酸;[エチレンジニトリロ-N,N'-ビス(2'-ピリジンメチル)-N,N'-二酢酸]、
エチレンジアミン-N,N'-二酢酸-N,N'-ジアセトヒドロキサム酸(EDTA-DX)、
N-ブチルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸、
N-シクロヘキシルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸、
N-オクチルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸、
N-エイコシルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸、
N-ベンジルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸、
N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸(HEDTA)、
エチレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(EDTA)、
1,2-プロピレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸;[1,2-ジアミノプロピン-N,N,N',N'-四酢酸](C-MeEDTA)、
d,l-2,3-ジアミノブタン-N,N,N',N'-四酢酸(d,l-DIMEDTA)、
meso-2,3-ジアミノブタン-N,N,N',N'-四酢酸(meso-DIMEDTA)、
1-フェニルエチレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(C-PhEDTA)、
d,l-1,2-ジフェニルエチレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(d,l-DPEDTA)、
1,3-ジアミノプロパン-N,N,N',N'-四酢酸、
1,4-ジアミノブタン-N,N,N',N'-四酢酸;[テトラメチレンジアミン四酢酸](TETA)、
1,5-ジアミノペンタン-N,N,N',N'-四酢酸、
1,6-ジアミノヘキサン-N,N,N',N'-四酢酸、
1,8-ジアミノオクタン-N,N,N',N'-四酢酸、
trans-シクロブタン-1,2-ジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(CBDTA)、
trans-シクロペンタン-1,2-ジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(trans-CPDTA)、
trans-シクロヘキサン-1,2-ジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(trans-CyDTA)、
cis-シクロヘキサン-1,2-ジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(cis-CyDTA)、
シクロヘキサン-1,3-ジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(1,3-CyDTA)、
シクロヘキサン-1,4-ジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(1,4-CyDTA)、
o-フェニレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(o-PDTA)、
cis-1,4-ジアミノブテン-N,N,N',N'-四酢酸(cis-BDTA)、
trans-1,4-ジアミノブテン-N,N,N',N'-四酢酸(trans-BDTA)、
α,α'-ジアミノ-o-キシレン-N,N,N',N'-四酢酸(o-XyDTA)、
2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(HPDTA)、
2,2'-オキシ-ビス(エチルイミノ二酢酸);[エチルエーテルジアミン-N,N,N',N'-四酢酸](EEDTA)、
2,2'-エチレンジオキシ-ビス(エチルイミノ二酢酸);[グリコールエーテルジアミン-N,N,N',N'-四酢酸](GEDTA)、
3,3'-オキシ-ビス(プロピルイミノ二酢酸);[プロピルエーテルジアミン-N,N,N',N'-四酢酸]、
2,2'-チオ-ビス(エチルイミノ二酢酸);[エチルチオエーテルジアミン-N,N,N',N'-四酢酸]、
2,2'-エチレン-ビス-チオ(エチルイミノ二酢酸);[グリコールチオエーテルジアミン-N,N,N',N'-四酢酸]、
N,N'-グリシルエチレンジアミン-N'',N'',N''',N'''-四酢酸、
エチレンジアミン-N,N'-二酢酸-N,N'-ジ-α-プロピオン酸(EDDADP)、
エチレンジアミン-N,N'-二酢酸-N,N'-ジ-β-プロピオン酸(EDPA)、
エチレンジアミン-N,N,N',N'-テトラプロピオン酸(EDTP)、
エチレンジアミン-N,N'-ジ(アセチルグリシン)-N,N'-二酢酸、
および、
エチレンジアミン-N,N'-二酢酸-N,N'-ジ(メチレンホスホン酸)などのN2化合物およびこれらのアルカリ金属塩:
ならびに
ジエチレントリアミン-N,N,N',N'',N''-五酢酸(DTPA)、
トリエチレンテトラミン-N,N,N',N'',N''',N'''-六酢酸(TTHA)、
1,2,3-トリアミノプロパン-N,N,N',N',N'',N''-六酢酸(TAPHA)、
ニトリロトリ(メチレンホスホン酸)、
エチレンジアミン-N,N'-ジ(メチレンホスフィン酸)(EDDPI)、
エチレンジアミン-N,N'-ジ(メチレンホスホン酸)(EDDPO)、
エチレンジアミン-N,N,N',N'-テトラ(メチレンホスフィン酸)(EDTPI)、
エチレンジアミン-N,N,N',N'-テトラ(メチレンホスホン酸)(EDTPO)、
シクロヘキサン-1,2-ジアミン-N,N,N',N'-テトラ(メチレンホスホン酸)、
N,N'-ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N'-ビス(メチレンホスホン酸)、
3-(ジフェニルホスフィン)プロピオン酸、
3-(ジフェニルアルシン)プロピオン酸、
As-フェニルアルシン二酢酸、
As-(p-クロロフェニル)アルシンジプロピオン酸などのN3以上の化合物およびこれらのアルカリ金属塩を挙げることができる。
【0037】
さらに、上記コンプレキサン以外のキレート剤の例としては、ヒドロキシエタンジホスホン酸およびこのアルカリ金属塩(例:ヒドロキシエタンジホスホン酸4ナトリウム)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸とその塩類を挙げることができる。
【0038】
さらに、上記以外のキレート剤の例としては、有機酸およびこの金属塩(例:クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム塩、コハク酸とその塩類、ポリリン酸とその塩類、グルコン酸とその塩類を挙げることができる。
【0039】
特に、本発明では、キレート剤として、ヒドロキシエタンジホスホン酸4ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸、上記N1化合物およびN2化合物、特にエチレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(EDTA)(エデト酸)、エチレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸4ナトリウム(エデト酸ナトリウム)、ならびにクエン酸、クエン酸ナトリウムを使用することが好ましい。これらのキレート剤は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0040】
本発明の方法において、上記キレート剤は、通常は0.001〜2.00重量%、好ましくは0.02〜0.12重量%、さらに好ましく0.04〜0.11重量%の量で使用される。キレート剤の量が0.001重量%より少ないとキレート剤の配合による防菌防黴剤の繊維に対する吸着率の低減補助効果が認識できる程度に発現しない傾向がある。また2.00重量%より多量に配合することは可能であるが、多量に配合しても配合量の増加による防菌防黴剤の配合による吸着率が低下補助効果が低くなると共に、かえってキレート剤による皮膚への新たな刺激が発現する可能性が高くなる。
【0041】
また、本発明の方法を実施する際に用いられる水性組成物には、上記防菌防黴剤、特定のノニオン系界面活性剤、さらに必要により配合されるキレート剤の他に、可溶化剤、保湿剤、pH調整剤、増粘剤、エモリエント剤、収れん剤、消炎剤、賦活剤、美白剤、動植物エキス、香料、色素などが配合されていてもよい。
【0042】
ここで使用される可溶化剤は、防菌防黴剤、特定のノニオン系界面活性剤、さらに必要により配合されるキレート剤などが水性媒体し易くするためのものであり、さらに、このような成分を含有する水性組成物を、繊維集合体と共に皮膚の清拭に使用する場合に汚れを水性組成物に溶解させるためのものである。
【0043】
このような可溶化剤の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタノール、エタノール、イソプロパノールを挙げることができる。
また、保湿剤は、本発明の方法を実施する際に用いられる水性組成物を繊維集合体と共に皮膚の清拭用として用いた場合に、皮膚表面に残存して皮膚の乾燥を防止する為のものであり、化粧品においていわゆるモイスチャー成分として使用されるものである。
【0044】
また、本発明の方法を実施する際に水性組成物中には、他のノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤など他の界面活性剤が配合されていてもよい。
【0045】
本発明の方法を実施する際に用いられる水性組成物は、上記のような成分が水性媒体に溶解もしくは分散された状態のものであり、ここで水性媒体としては水、または水とアルコールとの混合媒体が使用される。
【0046】
上記のような水性組成物は、各成分を水性媒体に投入して撹拌することにより製造することができる。
本発明の防菌防黴剤の吸着量を低減する方法では、防菌防黴剤と特定のノニオン系界面活性剤とを含有する水性組成物を繊維集合材料と共に使用する。水性組成物は、繊維集合材料100重量部に対して、通常は、100〜500重量部、好ましくは200〜300重量部の量で使用される。
【0047】
こうした量で繊維集合材料に水性組成物を含浸させても、水性組成物中の防菌防黴剤は、繊維集合材料の吸着されにくいので、予め水性組成物を調製する際に配合する防菌防黴剤の量を低減することができる。従って、繊維集合材料に含浸される水性組成物中の防菌防黴剤に起因する刺激性を低減することができ、安全性が高く、また、余剰の防菌防黴剤を配合しなくとも、雑菌、黴等の繁殖を有効に防止することができる。
【0048】
本発明の方法は、例えば水性媒体をコットン等に浸漬して使用する清拭剤(例えばウエットティシュ)等で利用することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の防菌防黴剤の吸着量の低減方法によれば、特定のノニオン系界面活性剤を用いることにより、繊維に吸着される防菌防黴剤の量を低減することができる。従って、従来は、繊維集合材料が共存する系において、余裕を見て規定量よりも多量に配合されていた防菌防黴剤の配合量を低減することができる。このように防菌防黴剤の配合量を低減することによって、本発明の方法を実施するための水性媒体が例えば清拭剤等、人の体に接する液剤である場合には、人の皮膚に対する刺激が低減される。また、防菌防黴剤の配合量を低減することによっても、防菌防黴剤として実際に作用する防菌防黴剤の量は低下しないので、防菌効果、防黴効果が低下することはない。また、防菌防黴剤は、高価な薬剤であり、本発明の方法を利用して防菌防黴剤の使用量を低減すれば、安価な製品を提供することができる。
【0050】
【実施例】
次に本発明の方法を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0051】
【参考例1〜10】
防菌防黴剤として塩化セチルピリジニウム0.05重量%と、表1に示すノニオン系界面活性剤0.5重量%と、残部が精製水である水性組成物を調製した。
【0052】
この水性組成物をレーヨン系不織布重量の3倍量を用い、レーヨン系不織布に含浸させて室温密閉した状態で24時間放置し、その後、この水性組成物含浸繊維集合体を専用容器に入れ、一定条件下で遠心分離機で含浸されている水性組成物を分離した。こうして得られた分離液に含有されている塩化セチルピリジニウムの量を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量し、繊維集合体に吸着された塩化セチリピリジニウムの量を測定し得た。
【0053】
ノニオン系界面活性剤を使用しなかった以外は、同様にして調製した水性組成物を同様にレーヨン系不織布に含浸させて24時間放置したときの繊維への塩化セチルピリジニウムの吸着量を100重量%として、ノニオン系界面活性剤を配合した水性組成物における塩化セチルピリジニウムの相対的吸着量を表1に示す。
【0054】
【比較例1】
参考例1において、界面活性剤としてオレイン酸カリウムを使用した以外は同様にして繊維に吸着された塩化セチルピリジニウムの吸着量を測定した。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【参考例11〜16】
参考例1〜10において、防菌防黴剤として、パラオキシ安息香酸メチル0.12重量%、パラオキシ安息香酸エチル0.06重量%、塩化セチルピリジニウム0.05重量%を使用し、可溶化剤としてプロピレングリコール5.00重量%を使用し、表2に示すように、ノニオン系界面活性剤の使用量を0.20重量%に変えた以外は同様にして水性組成物を調製した。ノニオン系界面活性剤を添加しない組成物に含有される塩化セチルピリジニウムの繊維に対する吸着量を100重量%として、ノニオン系界面活性剤を配合した水性組成物における塩化セチルピリジニウムの相対的吸着量を表2に示す。
【0057】
【比較例2】
参考例11において、界面活性剤としてオレイン酸カリウムを使用した以外は同様にして繊維に吸着された塩化セチルピリジニウムの吸着量を測定した。結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
【実施例17〜21】
参考例1〜10において、防菌防黴剤として、パラオキシ安息香酸メチル0.12重量%、パラオキシ安息香酸エチル0.06重量%、塩化セチルピリジニウム0.05重量%を使用し、可溶化剤としてプロピレングリコール5.00重量%を使用し、キレート剤として、ヒドロキシエタンジホスホン酸0.04重量%、ヒドロキシエタンジホスホン酸4ナトリウム0.16重量%を使用し、表3に示すように、ノニオン系界面活性剤の使用量を0.20重量%に変えた以外は同様にして水性組成物を調製した。ノニオン系界面活性剤およびキレート剤を添加しない組成物に含有される塩化セチルピリジニウムの繊維に対する吸着量を100重量%として、ノニオン系界面活性剤を配合した水性組成物における塩化セチルピリジニウムの相対的吸着量を表3に示す。
【0060】
【比較例3】
実施例17において、界面活性剤としてオレイン酸カリウムを使用した以外は同様にして繊維に吸着された塩化セチルピリジニウムの吸着量を測定した。結果を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【参考例22、実施例23、参考例24〜25、比較例5,6】
次表4に示す割合で防菌防黴剤、ノニオン系界面活性剤、キレート剤、保湿剤を加え、これに精製水を加えて全体を100重量部とした。
【0063】
こうして得られた溶液について実施例1と同様にして対照4および対照5を基準として相対的な繊維への吸着量を測定した。
結果を表4に示す。
【0064】
また、参考例22、実施例23、参考例24〜25、比較例5,6について、Aspergillus niger およびPseudomonas aeruginosa を用いて防菌防黴効果を表5、表6に示す。
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
Claims (4)
- パラオキシ安息香酸エステルおよび塩化セチルピリジニウムからなる防菌防黴剤を0 . 01〜0.5重量%の量で含有する水性組成物に、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルセチルエーテル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびモノラウリン酸ソルビタンよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のノニオン系界面活性剤を、該水性組成物中に0 . 1〜0.5重量%の量で配合し、かつ該水性組成物中にキレート剤を0 . 001〜2 . 00重量%の量で含有させて防菌防黴剤のセルロース系不織布への吸着率を低減する方法。
- 上記水性組成物中における防菌防黴剤とノニオン系界面活性剤との配合比率が、1:9〜9:1の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の方法。
- 上記キレート剤が、ヒドロキシエタンジホスホン酸4ナトリウムおよび/またはヒドロキシエタンジホスホン酸であることを特徴とする請求項第2項または第3項記載の方法。
- 上記水性組成物が、さらに可溶化剤を含むことを特徴とする請求項第1項乃至第3項のいずれかの項記載の方法。
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