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JP4031482B2 - シューズ用ソール構造体 - Google Patents
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JP4031482B2 - シューズ用ソール構造体 - Google Patents

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本発明は、シューズ用ソール構造体に関し、詳細には、着地フィーリングを向上させるための構造の改良に関する。
シューズのソール構造体として、特開平11−203号公報に示すようなソール構造体が提案されている。このソール構造体は、シューズの少なくとも踵部に設けられており、軟質弾性部材製の上部ミッドソールおよび下部ミッドソールと、これらの間に介装されて両ミッドソールに接着された波形シートとから構成されている。
この場合には、軟質弾性部材製の上下部ミッドソールにより、シューズ着地時の衝撃を緩和して着地時のクッション性(つまり衝撃緩和性)を確保できるとともに、上下部ミッドソール間に挟持された波形シートにより、踵部の不必要な沈み込みを抑制して着地時の安定性を確保できる。
しかしながら、前記従来の構造では、上下部ミッドソールとは別個に波形シートを設ける必要があり、このため、部品点数が多く、構造が複雑である。また、波形シートを用いることでシューズ全体の重量が増加している。
特開平11−203号公報
本発明が解決しようとする課題は、着地時にシューズ着用者が体感する着地感(着地フィーリング)を向上できるソール構造体を軽量かつ簡単な構造で実現することにある。
本発明は、上下に配置された第1および第2の軟質弾性部材を100μm以上、より好ましくは200μm以上の厚みの接着層を介して接着したことを最も主要な特徴とする。
ここで、発泡体に対して、落下沈下試験を行った結果を図1に示す。落下沈下試験とは、一定の重量のおもりを一定の高さから落下させて発泡体に衝突させた際に発泡体の沈下量(沈み込み量)を測定する試験である。実験に使用された発泡体は、上下2層の発泡体を接着層を介して接着した構造を有しており、図1では、接着剤の引張弾性率が38Mpaである接着層を有する発泡体について、接着層の厚みを種々異ならせて実験を行なった結果を示している。図1の縦軸は、接着層を有しない、つまり接着層の厚みが零の発泡体の場合の発泡体の沈下量を100とした場合の比較値(ここでは「沈下量指数」と呼称する)で表している。なお、実験では、接着層を含む発泡構造体全体の厚みを、接着層を有しない発泡体の厚みと同じにした。
その一方、沈下量が少なくとも5%低下すれば、シューズ着用者が着地時の安定性の向上を実際に体感できることが経験的に分かっている。このような観点から図1を見ると、発泡体の沈下量指数が100から5%低下した値は95であり、沈下量指数が95以下となるような接着層の厚みは、100μm以上であることが分かる。
本願の第1の発明は、このような着眼点に基づいて考案されたものであって、本願の請求項1の発明に係るシューズ用ソール構造体は、当該ソール構造体の上側に配置され、波形状の下面を有する第1の軟質弾性部材と、第1の軟質弾性部材の下方に配置され、第1の軟質弾性部材の下面の波形状に対応する波形状の上面を有する第2の軟質弾性部材と、第1の軟質弾性部材の下面および第2の軟質弾性部材の上面の間に配置され、引張弾性率が20〜5000Mpaの接着剤からなり、第1および第2の軟質弾性部材の対応する各波形状面を互いに接着する波形シート状の接着層とを備えており、接着層の厚みが100μm以上1000μm以下になっている
請求項1の発明によれば、接着層の厚みを100μm以上としたので、図1を用いて説明したように、当該ソール構造体の沈下量指数を、第1および第2の軟質弾性部材からなりかつ接着層を有しない同じ厚みの構造体に比べて、5%以上低下できる。これにより、着地フィーリングの一つである着地時の安定性を確保できる。しかも、この場合には、波形シートのような別個の部材を必要としないので、構造を簡略化できるとともに、重量を軽減できる。なお、接着層の厚みは、構造体全体の軽量化の観点からは、1000μm(つまり1mm)以下であるのが好ましい。
また、接着剤の引張弾性率は、20〜5000Mpaが好ましい。ここで、接着層の厚みがそれぞれ220μm,360μm,530μmである3種類の発泡体のそれぞれについて、接着層を構成する接着剤の引張弾性率を種々異ならせて落下衝撃試験を行なった結果を図3に示す。落下衝撃試験とは、一定の重量のおもりを一定の高さから落下させて発泡体に衝突させた際におもりに生じる加速度を測定する試験である。図3の縦軸の最大衝撃値指数は、接着層を有しない(つまり接着層の厚み=0の)発泡体の場合のおもりの加速度を100とした場合の比較値で表している。
図3から分かるように、いずれの引張弾性率の接着層においても、接着層の引張弾性率が20Mpa以上になると、最大衝撃値指数が急激に低下しており、衝撃緩和効果が飛躍的に増大している。
このような実験結果に鑑みて、請求項1の発明では、接着剤の引張弾性率を20Mpa以上とした。また、接着剤の引張弾性率の上限を5000Mpaとしたのは、入手可能な接着剤の上限と考えられるためである。
また、この場合には、接着層が波形シート形状を有しているので、衝撃荷重の作用時には、第1および第2の軟質弾性部材のせん断変形に加えて、接着層が波形シートと同様の機能を発揮する。これにより、とくに着地時の安定性をさらに向上できる。
次に、発泡体に対して、落下衝撃試験を行った結果を図2に示す。実験に使用された発泡体は、上下2層の発泡体を接着層を介して接着した構造を有しており、図2では、接着剤の引張弾性率がそれぞれ38Mpa,236Mpa,480Mpaである3種類の接着層を有する発泡体のそれぞれについて、接着層の厚みを種々異ならせて実験を行なった結果を示している。図2の縦軸は、接着層を有しない、つまり接着層の厚みが零の発泡体の場合のおもりの加速度を100とした場合の比較値(ここでは「最大衝撃値指数」と呼称する)で表している。なお、実験では、接着層を含む発泡構造体全体の厚みを、接着層を有しない発泡体の厚みと同じにした。
その一方、最大衝撃値が少なくとも10%低下すれば、シューズ着用者が衝撃緩和性の向上を実際に体感できることが経験的に分かっている。このような観点から図2を見ると、発泡体の最大衝撃値指数が100から10%低下した値は90であり、3種類すべての接着層について最大衝撃値指数が90以下となるような接着層の厚みは、200μm以上であることが分かる。
本願の第2の発明は、このような着眼点に基づいて考案されたものであって、本願の請求項2の発明に係るシューズ用ソール構造体は、当該ソール構造体の上側に配置された第1の軟質弾性部材と、第1の軟質弾性部材の下方に配置された第2の軟質弾性部材と、第1および第2の軟質弾性部材の間に配置され、第1および第2の軟質弾性部材を互いに接着するための接着剤からなる接着層とを備えており、接着層が200μm以上1000μm以下の厚みを有している。
請求項2の発明によれば、接着層の厚みを200μm以上としたので、図2を用いて説明したように、当該ソール構造体の最大衝撃値指数を、第1および第2の軟質弾性部材からなりかつ接着層を有しない同じ厚みの構造体に比べて、10%以上低下できる。これにより、着地フィーリングの一つである衝撃緩和性を確保できる。しかも、この場合には、波形シートのような別個の部材を必要としないので、構造を簡略化できるとともに、重量を軽減できる。なお、接着層の厚みは、構造体全体の軽量化の観点からは、1000μm(つまり1mm)以下であるのが好ましい。
ところで、従来構造において用いられていた接着層の厚みは約50μmである。上下部ミッドソール間に厚み50μmの接着層を形成した構造体の最大衝撃値指数は、図2より96〜98であり、接着層を有しない同じ厚みの構造体の最大衝撃値指数100に比べて2〜4%低下しているにすぎない。したがって、従来構造においては、接着層が衝撃緩和効果に与える影響は小さいことが分かる。これに対して、接着層の厚みを200μmにすると、最大衝撃値指数が急激に低下しており(図2参照)、衝撃緩和効果が飛躍的に増大していることが分かる。
接着剤は、請求項3の発明に記載されているように、ウレタン系の接着剤が好ましい。これは、接着後に比較的短時間で所望の接着強度が得られることなどがその主な理由である。
請求項の発明においては、接着層が、第1および第2の軟質弾性部材の互いの合わせ面の全面に形成されている。この場合には、第1、第2の軟質弾性部材の合わせ面の全面において、着地フィーリングを向上できる。
請求項の発明においては、接着層が、第1および第2の軟質弾性部材の互いの合わせ面の一部の面に形成されている。この場合には、第1、第2の軟質弾性部材の合わせ面の一部の面において、着地フィーリングを向上できる。
請求項の発明においては、波形状面を形成する波の進行方向がシューズの前後方向および幅方向の双方に延びている。
従来の波形シートのように、波の進行方向がシューズの前後方向にのみ延びている場合には、波形状の山の稜線および谷の線がシューズ幅方向に直線状に延びているが、請求項の発明では、このような波形状における山の稜線および谷の線がさらに波形状を有している。言い換えれば、この場合には、第1の軟質弾性部材の下面、第2の軟質弾性部材の上面および接着層がいずれも三次元的な波形状面を有している。
従来の波形シートは、樹脂の射出成形品であるため、このような三次元的な波形状面の成形はとくにコスト面から容易ではないが、請求項の発明では、第1の軟質弾性部材の下面および第2の軟質弾性部材の上面に接着剤を塗布することにより、三次元的な波形状面を有する接着層を形成するので、三次元的な波形状面の形成が容易である。また、このような三次元的な波形状面を第1、第2の軟質弾性部材および接着層に形成することにより、どのような方向から衝撃荷重が作用した場合でも、良好な着地安定性を効果的に発揮できる。
請求項7の発明においては、接着層が、塗料の塗布により形成された塗膜層を含んでいる。
この場合には、塗膜層により、着地安定性および(または)衝撃緩和性のより細やかな制御を行なえるようになる。
請求項の発明においては、接着層が、第1または第2の軟質弾性部材の側面の上方または下方に張り出す張出部を有している。この場合には、張出部により各軟質弾性部材が側方から支持されることによって、各軟質弾性部材の横ずれを防止でき、とくに着地安定性をさらに向上できる。また、張出部に塗料を塗布することにより、横ずれ防止機能を有する張出部に対する視認性を向上できる。
請求項の発明においては、第1および第2の軟質弾性部材がJIS K 7312型で30〜75の硬度を有している。
請求項10の発明においては、ソール構造体がミッドソール構造体であって、第1の軟質弾性部材が上部ミッドソールであり、第2の軟質弾性部材が下部ミッドソールである。また、請求項11の発明では、上部ミッドソールおよび下部ミッドソールがシューズの踵部に配置されており、請求項12の発明では、上部ミッドソールおよび下部ミッドソールがシューズの前足部に配置されている。
請求項13の発明では、ソール構造体がインソール構造体(つまり中敷構造体)であって、第1の軟質弾性部材が上部インソールであり、第2の軟質弾性部材が下部インソールである。
請求項14の発明では、ソール構造体が、シューズに対して着脱自在に設けられたカセット式構造体である。
本発明によれば、着地時にシューズ着用者が体感する着地フィーリングを向上できるソール構造体を軽量かつ簡単な構造で実現できる。
以下の図4〜図15に示す各実施例では、接着層がシューズのミッドソールに設けられている例を示している。すなわち、本発明によるソール構造体がシューズのミッドソール構造体である例を示している。
<第1の実施例>
図4は、本発明の第1の実施例によるミッドソール構造体の底面図およびその外甲側側面部分図である。このミッドソール構造体1は、上側に配置された第1の軟質弾性部材としての上部ミッドソール2aと、その下方に配置された第2の軟質弾性部材としての下部ミッドソール2bと、上下部ミッドソール2a,2bを接着する接着層3とから構成されている。なお、同図では、接着層3の厚みをやや誇張して描いている。また、同図中、網かけ領域30は接着領域を表している。
図4に示すように、上部ミッドソール2aの下面および下部ミッドソール2bの上面には、互いに対応する波形状面が形成されており、これらの波形状面が厚み200μm以上(たとえば厚み220μm)の接着層を介して互いに接合されている。
上下部ミッドソール2a,2bは、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂の発泡体やポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂の発泡体、またはブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー素材の発泡体のような軟質弾性部材から構成されている。上下部ミッドソール2a,2bの硬度としては、JIS K 7312型で30以上75以下の硬度が用いられる。
接着層3を構成する接着剤は、ウレタン系のものが好ましい。これは、接着後に比較的短時間で所望の接着強度が得られることなどがその主な理由である。また、接着剤の引張弾性率としては、20〜5000Mpaが好ましい。
厚み200μm以上の接着層3は、上下部ミッドソール2a,2bの合わせ面のうち踵領域の全面に設けられており(網かけ領域30参照)、各ミッドソール2a,2bの中足部における合わせ面には、従来と同様に約50μmの厚みの接着層が形成されている。
この場合には、シューズの踵部において上下部ミッドソール2a,2b間に厚み200μm以上の接着層3を形成したので、図2を用いてすでに説明したように、落下衝撃試験を行なった際に最大衝撃値指数を90以下にすることができる。これにより、シューズの踵部において着地フィーリングの一つである衝撃緩和性を確保できる。しかも、この場合には、波形シートのような別個の部材を必要としないので、構造を簡略化でき、重量を軽減できる。
さらに、この場合には、厚み200μm以上の接着層3を形成したことにより、図1を用いてすでに説明したように、落下沈下試験を行なった際に沈下量指数を95以下にすることができる。これにより、シューズの踵部において着地フィーリングの一つである着地安定性を確保できる。
なお、着地フィーリングのうちの着地安定性のみを重視するのであれば、図1を用いてすでに説明したように、接着層3の厚みは少なくとも100μmあれば十分であるといえる。この点は、以下に説明する各実施例においても同様である。
また、接着剤の引張弾性率を20Mpa以上としたのは、図3を用いてすでに説明したように、この場合には、落下衝撃試験を行なった際に最大衝撃値指数を急激に低下させることができ、衝撃緩和効果を飛躍的に増大させることができるからである。また、接着剤の引張弾性率の上限を5000μmとしたのは、入手可能な接着剤の上限と考えられるためである。
<第2の実施例>
図5は、本発明の第2の実施例によるミッドソール構造体の底面図およびその外甲側側面部分図である。この第2の実施例が前記第1の実施例と異なる点は、前記第1の実施例では、本発明による接着領域がシューズの踵部に設けられていたのに対し、第2の実施例では、本発明による接着領域がシューズの前足部に設けられている点である。すなわち、同図中、網かけ領域31は接着領域を表わしている。また、同図中、図4と同一符号は同一または相当部分を示している。
この第2の実施例では、厚み200μm以上(たとえば厚み220μm)の接着層3が、シューズの前足部において上下部ミッドソール2a,2bの合わせ面の全面に設けられている(網かけ領域31参照)。接着層3を構成する接着剤の引張弾性率は、前記第1の実施例と同様に、20〜5000Mpaが好ましい。
この場合には、シューズの前足部において上下部ミッドソール2a,2b間に厚み200μm以上の接着層3を形成したので、落下沈下試験を行なった際に沈下量指数を95以下にすることができるとともに(図1参照)、落下衝撃試験を行なった際に最大衝撃値指数を90以下にすることができる(図2参照)。これにより、シューズの前足部における着地安定性および衝撃緩和性を確保して、着地フィーリングを向上できる。しかも、この場合には、波形シートのような別個の部材を必要としないので、構造を簡略化でき、重量を軽減できる。
<第3の実施例>
図6は、本発明の第3の実施例によるミッドソール構造体の底面図およびその後端側端面図である。同図中、図4と同一符号は同一または相当部分を示している。この第3の実施例が前記第1の実施例と異なる点は、前記第1の実施例では、本発明による接着領域がシューズの踵部の全面に設けられていたのに対し、第3の実施例では、本発明による接着領域がシューズの踵部中央に設けられている点である。すなわち、同図中、網かけ領域30aが接着領域を表わしている。
また、この第3の実施例では、上下部ミッドソール2a,2b間に波形シート4が介装されている点が前記第1の実施例と異なっている。波形シート4は、シューズの踵部外周に沿って配設された底面視U字状の部材であって、実質的にシューズ前後方向に進行する波形状を有している。厚み200μm以上(たとえば厚み220μm)の接着層3の外周縁部は、波形シート4の内周側縁部にオーバラップするように設けられている。なお、シューズの踵部外周部を含むその他の領域における接着層の厚みは、従来と同様に約50μmになっている。
この場合には、シューズの踵部の外周部における着地安定性を波形シート4により維持できるとともに、踵部中央部における着地安定性および衝撃緩和性を接着層3により確保できる。また、この場合には、波形シート4をシューズの踵部の全面に設ける必要がないので、シューズ全体の重量を軽減できる。
<第4の実施例>
図7は、本発明の第4の実施例によるミッドソール構造体の底面図である。同図中、図4と同一符号は同一または相当部分を示している。この第4の実施例では、本発明による厚み200μm以上(たとえば厚み220μm)の接着領域がシューズの踵部の外周部に沿って配設されている。すなわち、同図中、網かけ領域30bは接着領域を表わしている。また、踵部の中央部には、従来と同様に厚み約50μmの接着層が形成されている。
この場合には、シューズの踵部の外周部における着地安定性および衝撃緩和性を接着層により維持できるとともに、波形シートを用いないことにより、構造を簡略化でき、重量を軽減できる。
<第5の実施例>
図8は、本発明の第5の実施例によるミッドソール構造体の底面図である。同図中、図4と同一符号は同一または相当部分を示している。この第5の実施例では、本発明による厚み200μm以上(たとえば厚み220μm)の接着層がシューズの踵部の内甲側に配設されており(網かけ領域30c参照)、踵部の外甲側には波形シート4′が配設されている。接着層の中央側縁部と波形シート4′の中央側縁部とはオーバラップしている。
この場合には、シューズの踵部における着地安定性および衝撃緩和性を接着層および波形シート4’で確保できるとともに、とくに横方向の動きが多いテニスやバスケットボールなどのようなコート系スポーツの場合において、踵からの着地時に踵の横ずれを波形シート4’で効果的に防止できる。また、この場合には、踵全面に波形シートを用いないことにより、重量を低減できる。
<第6の実施例>
図9は、本発明の第6の実施例によるミッドソール構造体の底面図である。同図中、図4と同一符号は同一または相当部分を示している。この第6の実施例では、本発明による厚み200μm以上(たとえば厚み220μm)の接着層がシューズの踵部の外甲側に配設されており(網かけ領域30d参照)、踵部の内甲側には、従来と同様に厚み約50μmの接着層が形成されている。
この場合には、シューズの踵部における着地安定性および衝撃緩和性を接着層で確保できるとともに、とくに横方向の動きが多いテニスやバスケットボールなどのようなコート系スポーツの場合において、踵からの着地時に踵の横ずれを接着層で効果的に防止できる。この場合には、たとえば波形シートのような特別な部材を用意することなく、踵部の内甲側および外甲側の間で接着層の厚みを変えるだけで簡単に着地安定性および衝撃緩和性を調整できる。また、波形シートを用いないことにより、構造を簡略化でき、重量を軽減できる。
<第7の実施例>
図10は、本発明の第7の実施例によるミッドソール構造体の底面図である。同図中、図4と同一符号は同一または相当部分を示している。この第7の実施例では、本発明による厚み200μm以上(たとえば厚み220μm)の接着層がシューズの踵部の後端側から外甲側にかけての領域に配設されており(網かけ領域30e参照)、踵部の内甲側から前端側にかけての領域には波形シート4″が配設されている。接着層の縁部と波形シート4″の縁部とはオーバラップしている。
この場合には、シューズの踵部における着地安定性および衝撃緩和性を接着層および波形シート4″で確保できるとともに、とくに踵の後端側から外甲側にかけての領域で着地して体重が前方に移動していくランニング系スポーツの場合において、踵からの着地時に踵の横ずれを波形シート4″で効果的に防止できる。また、この場合には、踵全面に波形シートを用いないことにより、重量を低減できる。
<第8の実施例>
図11は、本発明の第8の実施例によるミッドソール構造体の底面図である。同図中、図4と同一符号は同一または相当部分を示している。この第8の実施例では、本発明による厚み200μm以上(たとえば厚み220μm)の接着層がシューズの踵部の内甲側から前端側にかけての領域に配設されており(網かけ領域30f参照)、踵部の後端側から外甲側にかけての領域には、従来と同様に厚み約50μmの接着層が形成されている。
この場合には、とくに踵の後端側から外甲側にかけての領域で着地して体重が前方に移動していくランニング系スポーツの場合において、踵からの着地時に踵の横ずれを接着層で効果的に防止できる。また、この場合には、波形シートを用いないことにより、構造を簡略化でき、重量を低減できる。
<第9の実施例>
図12は、本発明の第9の実施例によるミッドソール構造体の底面図である。同図中、図4と同一符号は同一または相当部分を示している。この第9の実施例では、本発明による厚み200μm以上(たとえば厚み220μm)の接着層がシューズの前足部の外甲側の領域に配設されており(網かけ領域31a参照)、前足部のその他の領域には、従来と同様に厚み約50μmの接着層が形成されている。
この場合には、とくに横方向の動きが多いテニスやバスケットボールなどのようなコート系スポーツの場合において、前足部からの着地時に前足部の横ずれを接着層で効果的に防止できる。また、この場合には、波形シートを用いないことにより、構造を簡略化でき、重量を低減できる。
<第10の実施例>
図13は、本発明の第10の実施例によるミッドソール構造体の底面図である。同図中、図4と同一符号は同一または相当部分を示している。この第10の実施例では、本発明による厚み200μm以上(たとえば厚み220μm)の接着層がシューズの前足部の内甲側から中央部にかけての領域(すなわち拇趾球部および拇趾球部下部を含む領域)に配設されており(網かけ領域31b参照)、前足部のその他の領域には、従来と同様に厚み約50μmの接着層が形成されている。
この場合には、とくに踵の後端側から外甲側にかけての領域で着地してから体重が前方に移動していくとともに前足部で着地するランニング系スポーツの場合において、前足部での着地時に前足部の横ずれを接着層で効果的に防止できる。また、この場合には、波形シートを用いないことにより、構造を簡略化でき、重量を低減できる。
<その他の実施例>
1)前記各実施例では、接着層3が単一の接着層から形成されている例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。接着層3は、複数の接着層から構成されていてもよい。なお、ここでいう複数の接着層とは、同種類の接着剤からなる接着層のみならず、異なる種類の接着剤からなる接着層の双方を含んでいる。
ここで、接着層は、塗料の塗布により形成された塗膜層を含んでいてもよい。この場合、引張弾性率の異なる塗膜層により、着地安定性および(または)衝撃緩和性のより細やかな制御を行なえるようになる。
2)前記各実施例において、上下部ミッドソール2a,2bのいずれか一方を上下2層構造にしてこれらの2層構造の合わせ面に、100μm以上または200μm以上の厚みの接着層をさらに形成するようにしてもよい。すなわち、この場合には、ミッドソール2が全体として3層構造を有しており、100μm以上または200μm以上の厚みの接着層が2層形成されることになるので、着地安定性および衝撃緩和性をさらに向上できる。
)前記第1および第2の実施例では、接着層3の波形状を形成する波の進行方向がシューズ前後方向にのみ延びている例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図14に示すように、接着層3の波形状の波の進行方向は、シューズ前後方向Yのみならず、シューズ幅方向Xにも延びていてもよい。
従来の波形シートのように、波の進行方向がシューズの前後方向にのみ延びている場合には、波形状の山の稜線および谷の線がシューズ幅方向に直線状に延びているが、図14に示す例では、このような波形状における山の稜線および谷の線がさらに波形状を有している。言い換えれば、この場合には、上部ミッドソール2aの下面、下部ミッドソール2bの上面および接着層3がいずれも三次元的な波形状面を有している。
従来の波形シートは、樹脂の射出成形品であるため、このような三次元的な波形状面の成形はとくにコスト面から容易ではないが、この図14に示す例では、上部ミッドソール2aの下面および(または)下部ミッドソール2bの上面に接着剤を塗布することにより、三次元的な波形状面を有する接着層3を形成するので、三次元的な波形状面の形成が容易である。また、このような三次元的な波形状面を上下部ミッドソール2a,2bおよび接着層3に形成することにより、どのような方向から衝撃荷重が作用した場合でも、良好な着地安定性を効果的に発揮できる。
)前記各実施例では、本発明による厚み100μm以上または200μm以上の接着層3の厚みが一定の場合を例にとって説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。たとえば、図4に示した第1の実施例において、接着領域30の周辺部(つまり踵周辺部)を比較的厚肉(例:厚み400μm)とし、接着領域30の中央部(つまり踵中央部)を比較的薄肉(例:厚み200μm)とするようにしてもよい。あるいは、接着領域30の外甲側部(つまり踵外甲側部)または内甲側部(つまり踵内甲側部)のいずれか一方を比較的厚肉(例:厚み400μm)とし、残りの部分を比較的薄肉(例:厚み200μm)とするようにしてもよい。
)図15の横断面図に示すように、接着層3は、上部ミッドソール2aの側面の上方に張り出す張出部3aを有していてもよい。この場合には、張出部3aにより上部ミッドソール2aが側方から支持されることによって、上部ミッドソール2aの横ずれを防止でき、着地安定性をさらに向上できる。なお、張出部3aを下部ミッドソール2bの側面の下方に張り出すように設けるようにしてもよく、この場合には、下部ミッドソール2bが側方から支持されることになって、下部ミッドソール2bの横ずれを防止でき、着地安定性をさらに向上できる。
)前記各実施例では、本発明がシューズのミッドソール構造体に適用された例を示したが、本発明によるソール構造体は、シューズのインソール(中敷)にも同様に適用できる。すなわち、この場合には、インソールを上下2層構造にするとともに、これらの層を厚み100μm以上または200μm以上の接着層を介して接着するようにすればよい。
)本発明は、シューズに対して着脱自在に設けられるカセット式の構造体にも同様に適用できる。すなわち、この場合には、上下2層の軟質弾性部材を厚み100μm以上または200μm以上の接着層を介して接着することによりカセット式構造体を構成するとともに、たとえばミッドソールの踵部に凹部を形成して、この凹部内にカセット式構造体を着脱自在に収容するようにしてもよい。
接着層の厚みと沈下量指数との関係を示すグラフである。 接着層の厚みと最大衝撃値指数との関係を示すグラフである。 接着層の引張弾性率と最大衝撃値指数との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施例によるシューズのミッドソール構造体の底面図および外甲側側面図であって、接着層がシューズの踵部に設けられた例を示している。 本発明の第2の実施例によるシューズのミッドソール構造体の底面図および外甲側側面図であって、接着層がシューズの前足部に設けられた例を示している。 本発明の第3の実施例によるシューズのミッドソール構造体の底面図および後端側端面図であって、接着層がシューズの踵部中央に設けられるとともに、波形シートがシューズの踵部外周部に設けられた例を示している。 本発明の第4の実施例によるシューズのミッドソール構造体の底面図であって、接着層がシューズの踵部外周部に設けられた例を示している。 本発明の第5の実施例によるシューズのミッドソール構造体の底面図であって、接着層がシューズの踵部内甲側に設けられるとともに、波形シートがシューズの踵部外甲側に設けられた例を示している。 本発明の第6の実施例によるシューズのミッドソール構造体の底面図であって、接着層がシューズの踵部外甲側に設けられた例を示している。 本発明の第7の実施例によるシューズのミッドソール構造体の底面図であって、接着層がシューズの踵部後端側から外甲側にかけて設けられた例を示している。 本発明の第8の実施例によるシューズのミッドソール構造体の底面図であって、接着層がシューズの踵部内甲側から前端側にかけて設けられた例を示している。 本発明の第9の実施例によるシューズのミッドソール構造体の底面図であって、接着層がシューズの前足部外甲側に設けられた例を示している。 本発明の第10の実施例によるシューズのミッドソール構造体の底面図であって、接着層がシューズの前足部内甲側から中央部にかけて設けられた例を示している。 本発明の第11の実施例によるシューズのミッドソール構造体の斜視部分図であって、下部ミッドソールの上面および接着層が三次元的波形状面を有している例を示している。 本発明の第12の実施例によるシューズのミッドソール構造体の横断面図であって、接着層が上部ミッドソールの側面の上方に張り出している例を示している。
符号の説明
1: ミッドソール構造体
2: ミッドソール
2a: 上部ミッドソール
2b: 下部ミッドソール
3: 接着層
30,31: 接着領域

Claims (14)

  1. シューズ用ソール構造体であって、
    当該ソール構造体の上側に配置され、波形状の下面を有する第1の軟質弾性部材と、
    前記第1の軟質弾性部材の下方に配置され、前記第1の軟質弾性部材の前記下面の前記波形状に対応する波形状の上面を有する第2の軟質弾性部材と、
    前記第1の軟質弾性部材の前記下面および第2の軟質弾性部材の前記上面の間に配置され、引張弾性率が20〜5000Mpaの接着剤からなり、前記第1および第2の軟質弾性部材の対応する各波形状面を互いに接着する波形シート状の接着層とを備え、
    前記接着層の厚みが100μm以上1000μm以下である
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  2. 請求項1において、
    前記接着層が200μm以上1000μm以下の厚みを有している、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  3. 請求項1において、
    前記接着剤がウレタン系の接着剤である、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  4. 請求項1または2において、
    前記接着層が、前記第1および第2の軟質弾性部材の互いの合わせ面の全面に形成されている、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  5. 請求項1または2において、
    前記接着層が、前記第1および第2の軟質弾性部材の互いの合わせ面の一部の面に形成されている、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  6. 請求項において、
    前記波形状面を形成する波の進行方向がシューズの前後方向および幅方向の双方に延びている、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  7. 請求項1または2において、
    前記接着層が、塗料の塗布により形成された塗膜層を含んでいる、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  8. 請求項1または2において、
    前記接着層が前記第1または前記第2の軟質弾性部材の側面の上方または下方に張り出す張出部を有している、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  9. 請求項1において、
    前記第1および第2の軟質弾性部材の硬度が、JIS K 7312型で30〜75である、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  10. 請求項1において、
    前記ソール構造体がミッドソール構造体であって、前記第1の軟質弾性部材が上部ミッドソールであり、前記第2の軟質弾性部材が下部ミッドソールである、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  11. 請求項10において、
    前記上部ミッドソールおよび下部ミッドソールがシューズの踵部に配置されている、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  12. 請求項10において、
    前記上部ミッドソールおよび下部ミッドソールがシューズの前足部に配置されている、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  13. 請求項1において、
    前記ソール構造体がインソール構造体であって、前記第1の軟質弾性部材が上部インソールであり、前記第2の軟質弾性部材が下部インソールである、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
  14. 請求項1において、
    前記ソール構造体が、シューズに対して着脱自在に設けられたカセット式構造体である、
    ことを特徴とするシューズ用ソール構造体。
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