JP4031659B2 - 列車制御用信号処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車制御用信号処理装置に係り、特に、その列車制御用信号としてデジタル化された信号を用いるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、列車(単一車両を含む。)の走行するレールに列車制御用信号を送出し、車上装置において、そのレールから列車制御用信号を受信し、その受信した信号に基づいて列車速度制御等の所定の列車制御を行うATC(Autmatic Train Control) において用いられる列車制御用信号は、所定周波数の搬送波を列車制御の種別(例えば、列車速度)に応じて振幅変調して得られるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のATCで用いられる列車制御用信号は、搬送波を振幅変調して得ているアナログ信号であるので、その信号により伝送される情報量には限界があり、きめ細かな列車制御ができないという問題があった。
【0004】
この問題を解決するためには、レールに印加する列車制御用信号をデジタル化することが考えられるが、レールの分岐部分において電気的接続が反転する部分があるので、その反転部分において列車制御用信号の極性が反転し、ビットエラーが発生するため、そのままではデジタル化できない。
【0005】
信号の反転について図1の線路図を用いて説明すると、Pは、レールR1 からレールR2 が図示しない転てつ器を介して分岐する分岐部分である。なお、レールR1 ,R2 を区切る短い線は、隣接する軌道回路の列車制御用信号を絶縁する部分で、この部分には、インピーダンスボンドが設けられていて、信号電流は絶縁されるが列車駆動電流は流れるように構成されている。
【0006】
図1中、円囲み+及び円囲み−は、レールR1 ,R2 に流れる信号の極性を表している。また、J,J…は、レールR1 ,R2 間を接続するジャンパ線である。なお、これらジャンパ線J,J…において、最も左側のクロス接続のジャンパ線J,Jは、分岐部分Pから最初の絶縁区間で車上を無信号としないために布設される。そして、次の平行接続のジャンパ線Jは、クロス接続のジャンパ線J,Jから次の(すぐ右側の)インピーダンスボンドまでの区間で車上にATC信号を伝達するために布設される。2つのインピーダンスボンドの2次巻線同士を接続するジャンパ線Jは、直進ルートにおいてATC信号を車上へ伝達し、しかも、列車検知のための軌道回路も直列構成として列車検知を確実なものとするために布設されている。図1から明らかなように、レールR1 から分岐するレールR2 の一部に極性が反転する部分(図1の※参照)が現れる。
【0007】
したがって、このように、列車の走行するレールの一部分に列車制御用信号の極性が反転する部分が存在するので、列車制御用信号をそのままデジタル化することができなかった。このような不都合を解決するために、分岐部分にループコイルを布設し、そのループコイルから車上に向けて信号を送出するようにすることも考えられるが、このようなループコイルを布設するには地上側の設備が複雑化するとともに、そのメンテナンスも大変になるという新たな問題点が発生してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、列車の走行するレールに列車制御用信号の反転する部分があってもデジタル化することのできる列車制御用信号処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る列車制御用信号処理装置は、上記目的を達成するために、地上のデジタル信号送信器からレールに印加される列車制御用デジタル信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した列車制御用デジタル信号を二乗処理する二乗処理手段と、前記二乗処理手段により二乗処理された信号から前記列車制御用デジタル信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記列車制御用デジタル信号に基づいて列車を制御する制御手段とを有して列車に搭載されることを特徴としている。
本発明の好ましい例では、抽出手段は、受信手段が受信した列車制御用デジタル信号の搬送波の入力値が所定値以上のときに列車制御用デジタル信号の抽出を行うことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る列車制御用信号処理装置を適用した線路図である。この線路図の基本的な構成については、上記従来の技術の項で説明したので、その説明は省略する。
【0011】
図1中、1aはデジタル信号送信器であり、デジタル式の列車制御用信号(列車制御用デジタル信号)を生成してレールR 2 側に印加する。1bはデジタル信号受信器であり、レールR1 側に到達する列車制御用デジタル信号を受信して列車の有無を検出する。なお、列車が図1に示される矢印と反対側から進行してくるときは、デジタル信号送信器1a及びデジタル信号受信器1bは、図1に示されている位置と反対に設けられる。
【0012】
図2は、上記図1に示されるレールR1 ,R2 を走行する列車イに搭載された車上装置aに設けられた列車制御用信号処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0013】
車上装置aは、周知のATCの車上装置と同様に、列車イの走行するレールR(図1のレールR1 又はR2 に相当する。)から信号を受信するための受電器(アンテナ)10と、受信した信号をフィルタ処理するバンドパスフィルタ(以下、「BPF」という。)11と、アンプ12a、アッテネータ12b及びリミッター12cからなる信号処理回路12とを有する。
【0014】
図2中、13は、信号処理回路12の出力信号を二乗処理する二乗回路であり、また、14は、信号処理回路12の出力信号中に含まれる搬送波(fc)の搬送波出力値の大きさを検出するための搬送波出力値検出回路(以下、「CD」という。)である。そして、CD14には、図示しないが所定のしきい値で搬送波出力を弁別するコンパレータが含まれており、そのコンパレータが搬送波出力が所定以上と判定したときに、後述する周波数弁別器16にトリガ信号を送出できるように構成されている。
【0015】
二乗回路13の出力信号は、BPF15でフィルタ処理された後、CPUを中心に構成される周波数弁別器16に入力されるように構成されている。周波数弁別器16では、入力した信号を復調処理して地上側(図1の1a参照)から送信されてくるデジタル信号を抽出できるように構成されている。そして、その抽出されたデジタル信号は、制御回路17に入力されるように構成されている。なお、周波数弁別器16は、アナログ回路でも実現することができる。
【0016】
上記構成の列車制御用信号処理装置においては、アンテナ10で受信されたデジタル信号が信号処理回路12で処理された後の信号Yの状態は、図2の丸1に示されるように、レールRに流れる極性に応じて+又は−の状態になる。すなわち、Y=±ACos (ωc +ai ωm )t(但し、Aは振幅、ωc は搬送周波数、ai はデータで「+1」又は「−1」、ωm は周波数偏位及びtは時間である。)で表される。
【0017】
ところが、この極性により+又は−に変化する信号は、図2の丸2に示されるように、二乗回路13で処理されると、±のとれた形となる。すなわち、Y2 =A2 Cos 2 (ωc +ai ωm )t=(A2 /2){1+Cos 2(ωc +ai ωm )t}となる。そして、この出力信号がBPF15で処理された後の信号の状態は、図2の丸3に示されるように、簡素化された形となる。すなわち、Y′2 =(A2 /2)Cos 2(ωc +ai ωm )tとなる。
【0018】
図2の丸3に示される信号は、二乗信号であるため、搬送波(fc)の出力値が小さいときは、周波数弁別器16で抽出されるデジタル信号の出力値が誤る可能性があり、正確なデジタル信号の抽出ができないおそれがある。そこで、好ましい実施の形態においては、周波数弁別器16におけるデジタル信号の抽出は、搬送波(fc)の出力値がある程度大きいときに行われるように、CD14からの信号受信のタイミングで行われる。
【0019】
周波数弁別器16で抽出されたデジタル信号は、制御回路17に入力されて列車の速度制御等の列車イの制御用に供される。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、列車制御用信号処理装置は、デジタル信号送信器からレールに印加される列車制御用デジタル信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した列車制御用デジタル信号を二乗処理する二乗処理手段と、前記二乗処理手段により二乗処理された信号から前記列車制御用デジタル信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記列車制御用デジタル信号に基づいて列車を制御する制御手段とを有するので、レールに信号の極性が反転する部分があっても、地上から送出される列車制御用デジタル信号を正確に受信することができる。また、列車制御用信号にデジタル信号を用いるので、伝送情報量の増大を図ることができるため、きめ細かな列車制御が可能になる。
【0021】
すなわち、従来は、進路中に信号の極性が反転する部分があると、車上では、その地点でビットエラーが発生し、当該受信フレームは廃棄されていた。この事象は、列車が通常走行において、当該地点を通過する毎に、必ず発生するものである。さらに、図1に※印で示した信号反転区間の両端で各1回、位相反転が発生する。したがって、信号反転区間長によっては、2フレームに亘って位相反転が発生し、2フレームとも廃棄される。有効な受信フレームが得られないと、車上では、保安上ブレーキを動作させる。しかし、それでは通常走行において余計なブレーキが入ることとなり、安定輸送の観点からも、乗り心地の観点からも好ましくない。そこで、一定時間は有効情報フレームを受信できなくても、それ以前の情報で走行を継続する、すなわち、落下時素をもたせることにより、動作をスムーズにしている。しかし、落下時素を伸ばすことは、真の障害発生時に、その分だけブレーキ動作を遅らせることとなり、保安上は余り好ましいことではない。本発明によれば、極性反転区間の存在に起因する落下時素の設置は不要となり、保安度を向上させることとなる。
【0022】
また、列車制御用デジタル信号の抽出をその列車制御用デジタル信号の搬送波の入力値が所定値以上のときに行うようにしたときは、列車制御用信号の抽出を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る列車制御用信号処理装置を適用した線路図である。
【図2】 車上装置のブロック図である。
【符号の説明】
1a デジタル信号送信器
1b デジタル信号受信器
a 車上装置
10 受電器
11,15 BPF
13 二乗回路
12 信号処理回路
14 搬送波出力値検出回路(CD)
16 周波数弁別器
17 制御回路
イ 列車
R, R1 ,R2 レール
P 分岐部分
J ジャンパ線
Claims (2)
- 地上のデジタル信号送信器からレールに印加される列車制御用デジタル信号を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記列車制御用デジタル信号を二乗処理する二乗処理手段と、
前記二乗処理手段により二乗処理された信号から前記列車制御用デジタル信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記列車制御用デジタル信号に基づいて列車を制御する制御手段と、
を有して列車に搭載される列車制御用信号処理装置。 - 抽出手段は、受信手段が受信した列車制御用デジタル信号の搬送波の入力値が所定値以上のときに列車制御用デジタル信号の抽出を行うことを特徴とする請求項1に記載の列車制御用信号処理装置。
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| JP2002098998A JP4031659B2 (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 列車制御用信号処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2002098998A JP4031659B2 (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 列車制御用信号処理装置 |
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|---|---|
| JP2003291810A JP2003291810A (ja) | 2003-10-15 |
| JP4031659B2 true JP4031659B2 (ja) | 2008-01-09 |
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2002
- 2002-04-01 JP JP2002098998A patent/JP4031659B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP2003291810A (ja) | 2003-10-15 |
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