JP4032405B2 - 液晶配向剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶配向剤に関する。さらに詳しくは、透明性に優れた液晶配向膜を形成し得る液晶配向剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明導電膜を介して液晶配向膜が表面に形成されている2枚の基板の間に、正の誘電異方性を有するネマティック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、前記液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90度捻れるようにしたTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。
【0003】
また、カイラル剤の添加によって当該液晶分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる状態を達成させ、これにより生じる複屈折効果を利用したSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子も存在する。さらに最近においては、対向する基板間に負の誘電異方性を有するホメオトロピック配向状態のネマチック液晶層や螺旋軸が基板法線と平行状態にあるコレステリック液晶層を形成させ、それらの液晶層中に色素を添加したゲスト−ホスト型の反射型液晶表示素子も開発されている。これらの液晶表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理が施された液晶配向膜により発現される。ここに、液晶表示素子を構成する液晶配向膜の材料としては、従来よりポリイミド、ポリアミドおよびポリエステルなどが知られている。特にポリイミドは、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度などに優れているため多くの液晶表示素子に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような液晶表示素子に用いられる液晶配向剤は、従来は芳香環を有するモノマーを多量に用いて合成されたポリアミック酸およびこれを脱水閉環して得られる構造を有するポリイミドを用いて作製されてきた。
芳香環を多量に含むポリマーは耐熱性に優れ剛直になる一方で、短波長光の吸光度が高く、着色するために透明性に劣る。このために芳香環を多量に含むポリマーを用いて配向膜を形成し液晶表示素子を作製すると、光の吸収が生じるために着色して色彩の美しい画像を得ることができなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような実状を鑑み、透明性に優れた液晶配向剤を提供することを目的としてなされたものである。
本発明の他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0006】
本発明の上記目的および利点は、本発明によれば、下記式(A)で表わされる繰返し単位からなるポリアミック酸および/または下記式(B)で表わされる繰返し単位からなるポリイミドを含有しかつ前記ポリアミック酸およびポリイミド中に存在する芳香環量がポリマーの全重量に対して20重量%以下であることを特徴とする、液晶配向剤。
【化11】
(式中、Rは4価の脂肪族基であり、そしてR 1 は2価の脂肪族基と2価の芳香族基からなる2価の有機基である。)
によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるポリアミック酸は、下記式(A)で表される繰り返し単位からなるポリマーである。また本発明で用いられるポリイミドは、下記式(B)で表される繰り返し単位からなるポリマーである。
【0008】
【化1】
(式中、Rは4価の脂肪族基であり、そしてR 1 は2価の脂肪族基と2価の芳香族基からなる2価の有機基である。)
【0009】
上記式(A)および式(B)中、4価の脂肪族基は、鎖状であっても環状であってもよい。本発明で用いられるポリアミック酸および/またはポリイミドは、ポリマー中の全芳香環量がポリマー全重量に対して20重量%以下である。ポリマー中の全芳香環量を減少させることでポリマーの吸光度を下げ、透明性に優れた配向膜を得ることができる。
【0010】
芳香環の具体例としては、ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環などの縮合ベンゼン環;ピリジン環、フラン環などの複素環などが挙げられる。
本発明におけるポリマー中の芳香環量は、ポリマー中の芳香環の分子量(芳香環に結合された有機基の分子量は含まない)をポリマー全体の分子量で割った値として求められる。
例えば、ポリマー中の芳香環部分が
【0011】
【化2】
で表わされる場合、芳香環の分子量はメチル基を除いた部分の分子量75となる。
【0012】
本発明で用いられるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、開環重付加させて得られる。また、本発明で用いられるポリイミドは、当該ポリアミック酸を脱水閉環させて得られる。従って、本発明で用いられるポリアミック酸および/またはポリイミドの合成には、芳香環を有さない脂肪族テトラカルボン酸二無水物および/または脂肪族ジアミン化合物が用いられる。
【0013】
[テトラカルボン酸二無水物]
上記ポリアミック酸の合成に用いられる芳香環を有さない脂肪族のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シス−3,7−ジブチルシクロオクタ−1,5−ジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、下記式(I)および(II)で表される化合物を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0014】
【化3】
(式中、R1およびR3は、脂肪族環を有する2価の有機基を示し、R2およびR4は、水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR2およびR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0015】
これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、シス−3,7−ジブチルシクロオクタ−1,5−ジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物が好ましい。また特に好ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、シス−3,7−ジブチルシクロオクタ−1,5−ジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】
[ジアミン化合物]
上記ポリアミック酸の合成に用いられる、芳香環を有さない脂肪族のジアミン化合物としては、例えば、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1’,3’−シクロヘキサンビス(エチル−1−アミン)、1’,3’−シクロヘキサンビス(エチル−2−アミン)、1’,3’−シクロヘキサンビス(プロピル−1−アミン)、1’,3’−シクロヘキサンビス(プロピル−2−アミン)、1’,3’−シクロヘキサンビス(プロピル−3−アミン)、1,2−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1’,2’−シクロヘキサンビス(エチル−1−アミン)、1’,2’−シクロヘキサンビス(エチル−2−アミン)、1’,2’−シクロヘキサンビス(プロピル−1−アミン)、1’,2’−シクロヘキサンビス(プロピル−2−アミン)、1’,2’−シクロヘキサンビス(プロピル−3−アミン)、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1’,4’−シクロヘキサンビス(エチル−1−アミン)、1’,4’−シクロヘキサンビス(エチル−2−アミン)、1’,4’−シクロヘキサンビス(プロピル−1−アミン)、1’,4’−シクロヘキサンビス(プロピル−2−アミン)、1’,4’−シクロヘキサンビス(プロピル−3−アミン)、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、2,3−ノルボルナンビス(メチルアミン)、2,5−ノルボルナンビス(メチルアミン)、2,6−ノルボルナンビス(メチルアミン)、2,7−ノルボルナンビス(メチルアミン)などの脂環式ジアミン;下記式(III)で表されるジアミノオルガノシロキサンを挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0019】
【化5】
(式中、R9は炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を示し、複数存在するR9は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。)
【0020】
これらのうち、好ましいものとしては脂環式ジアミンが挙げられ、中でも1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1’,3’−シクロヘキサンビス(エチル−1−アミン)、1’,3’−シクロヘキサンビス(エチル−2−アミン)、1’,3’−シクロヘキサンビス(プロピル−1−アミン)、1’,3’−シクロヘキサンビス(プロピル−2−アミン)、1’,3’−シクロヘキサンビス(プロピル−3−アミン)、1,2−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1’,2’−シクロヘキサンビス(エチル−1−アミン)、1’,2’−シクロヘキサンビス(エチル−2−アミン)、1’,2’−シクロヘキサンビス(プロピル−1−アミン)、1’,2’−シクロヘキサンビス(プロピル−2−アミン)、1’,2’−シクロヘキサンビス(プロピル−3−アミン)、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1’,4’−シクロヘキサンビス(エチル−1−アミン)、1’,4’−シクロヘキサンビス(エチル−2−アミン)、1’,4’−シクロヘキサンビス(プロピル−1−アミン)、1’,4’−シクロヘキサンビス(プロピル−2−アミン)、1’,4’−シクロヘキサンビス(プロピル−3−アミン)、2,3−ノルボルナンビス(メチルアミン)、2,5−ノルボルナンビス(メチルアミン)、2,6−ノルボルナンビス(メチルアミン)、2,7−ノルボルナンビス(メチルアミン)、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などが挙げられる。
【0021】
またポリマー中の全芳香環量がポリマー全重量に対して20%以下となる組成内で上記の脂肪族ジアミン化合物と併用される芳香族ジアミン化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−メタキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
【0022】
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンおよび下記式(IV)〜(V)で表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
【0023】
【化6】
(式中、R5は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基を示しそしてXは2価の有機基を示す。)
【0024】
【化7】
(式中、R6は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基を示しそしてXは2価の有機基を示す。但し複数存在するXは、同一でも異なっていてもよい。)
【0025】
下記式(VI)で表されるモノ置換フェニレンジアミン類;
【化8】
(式中、R7は、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、R8は、ステロイド骨格、トリフルオロメチル基およびフルオロ基から選ばれる基を有する1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基を示す。)
【0026】
下記式(9)〜(21)で表される化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【化9】
【0027】
【化10】
(式中、yは2〜12の整数でありそしてzは1〜5の整数である。)
【0028】
<ポリアミック酸>
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.6〜1.4当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、通常−20〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、原料となるジアミン化合物およびテトラカルボン酸二無水物と合成されるポリアミック酸をともに溶解できるものであれば特に制限はなく、好ましいものとして例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、通常、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
【0029】
なお、前記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジアセトンアルコール、炭酸プロピレン、プロピレングリコールモノエチルエーテル、 プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、α−ピネンなどを挙げることができる。
【0030】
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
【0031】
<ポリイミド>
本発明の液晶配向剤を構成するポリイミドは、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより調製することができる。本発明で用いられるポリイミドは、イミド化率が低いものであってもよい。ここで、「イミド化率」とは、重合体におけるアミック酸を形成してなる繰返し単位とイミド環を形成してなる繰り返し単位の総数に対する、イミド環を形成してなる繰り返し単位の数の割合を%で表したものとする。このとき、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。脱水閉環反応の条件を調整することにより、イミド化率を調整することができる。
【0032】
ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは100〜300℃とされ、より好ましくは150〜250℃とされる。反応温度が100℃未満では脱水閉環反応が十分に進行し難く、反応温度が300℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
【0033】
一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。そして、脱水閉環反応の反応温度は、通常0〜180℃、好ましくは10〜150℃とされる。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、ポリイミドを精製することができる。
【0034】
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上記ポリアミック酸および/またはポリイミドが、通常、有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
【0035】
本発明の液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲とされる。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得難い。固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得難く、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣り易くなる。また、本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは、0℃〜200℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
【0036】
本発明の液晶配向剤には、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合物またはエポキシ基含有化合物が含有されていてもよい。かかる官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
【0037】
また、エポキシ基含有化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどを好ましいものとして挙げることができる。これら官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物の配合割合は、重合体100重量部に対して、好ましくは、40重量部以下、より好ましくは0.1〜30重量部である。
【0038】
<液晶表示素子>
本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2 )からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In2O3−SnO2)からなるITO膜などを用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は、好ましくは80〜300℃とされ、より好ましくは120〜250℃とされる。なお、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成するが、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
【0039】
(2)形成された塗膜面を、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。
また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
【0040】
(3)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と一致または直交するように貼り合わせることにより、液晶表示素子が得られる。
【0041】
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマティック型液晶を挙げることができ、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
本明細書の実施例および比較例の液晶配向膜の透明性、並びに作製した液晶表示素子の電圧保持率は以下の方法により評価した。
【0043】
(液晶配向膜の透明性)
石英基板に液晶配向膜を形成し、254nm光の透過率測定により評価し、50%以上を○、50%未満を×とした。
なお、測定装置にはHITACHI U−2010形分光光度計(日立製作所(株)製)を用いた。
(液晶表示素子の電圧保持率)
60℃の高温槽中に液晶表示素子を1ヶ月間放置し、放置後の液晶表示素子の電圧保持率(フレーム周期16.7ms)を「VHR−1」(東陽テクニカ社製)を用いて測定した。
【0044】
合成例1
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)210.37g(1.0モル)を、N−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.90dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−1)」とする。)410gを得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.85dl/g、イミド化率100%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−1)」とする。)17.5gを得た。
【0045】
合成例2
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)105.19g(0.5モル)およびp−フェニレンジアミン54.07g(0.5モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.93dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−2)」とする。)365gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−2)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.82dl/g、イミド化率99%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−2)」とする。)18.0gを得た。
【0046】
合成例3
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)189.33g(0.9モル)および4,4’−メチレンジアニリン19.83g(0.1モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.96dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−3)」とする。)415gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−3)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.85dl/g、イミド化率94%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−3)」とする。)17.6gを得た。
【0047】
合成例4
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)105.19g(0.5モル)、4,4’−メチレンジアニリン39.65g(0.2モル)およびp−フェニレンジアミン32.44g(0.3モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.89dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−4)」とする。)360gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−3)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.77dl/g、イミド化率96%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−4)」とする。)17.6gを得た。
【0048】
合成例5
テトラカルボン酸酸二無水物として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)とジアミン化合物として1,4-ジアミノシクロヘキサン114.19g(1モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.91dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−5)」とする。)311gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−5)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.81dl/g、イミド化率100%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−5)」とする。)18.4gを得た。
【0049】
合成例6
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として1,4-ジアミノシクロヘキサン57.10g(0.5モル)およびp−フェニレンジアミン54.07g(0.5モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.93dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−6)」とする。)302gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−6)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.86dl/g、イミド化率97%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−6)」とする。)18.3gを得た。
【0050】
合成例7
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として1,4-ジアミノシクロヘキサン102.77g(0.9モル)および4,4’−メチレンジアニリン19.83g(0.1モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.92dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−7)」とする。)318gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−7)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.85dl/g、イミド化率95%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−7)」とする。)17.8gを得た。
【0051】
合成例8
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として1,4-ジアミノシクロヘキサン57.10g(0.5モル)、4,4’−メチレンジアニリン39.65g(0.2モル)およびp−フェニレンジアミン32.44g(0.3モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.90dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−8)」とする。)322gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−8)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.79dl/g、イミド化率94%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−8)」とする。)17.8gを得た。
【0052】
合成例9
テトラカルボン酸酸二無水物として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)とジアミン化合物として2,5−ノルボルナンビス(メチルアミン)154.25g(1モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.88dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−9)」とする。)359gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−9)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.82dl/g、イミド化率95%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−9)」とする。)18.0gを得た。
【0053】
合成例10
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として2,5−ノルボルナンビス(メチルアミン)77.13g(0.5モル)およびp−フェニレンジアミン54.07g(0.5モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.90dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−10)」とする。)327gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−10)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.81dl/g、イミド化率97%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−10)」とする。)17.6gを得た。
【0054】
合成例11
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として2,5−ノルボルナンビス(メチルアミン)138.82g(0.9モル)および4,4’−メチレンジアニリン19.83g(0.1モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.88dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−11)」とする。)321gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−11)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.81dl/g、イミド化率92%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−11)」とする。)17.5gを得た。
【0055】
合成例12
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として2,5−ノルボルナンビス(メチルアミン)77.13g(0.5モル)、4,4’−メチレンジアニリン39.65g(0.2モル)およびp−フェニレンジアミン32.44g(0.3モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.88dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−12)」とする。)349gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−12)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.75dl/g、イミド化率96%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−12)」とする。)17.2gを得た。
【0056】
合成例13
テトラカルボン酸酸二無水物として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)とジアミン化合物として1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)142.25g(1モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.85dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−13)」とする。)324gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−13)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.77dl/g、イミド化率95%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−13)」とする。)17.5gを得た。
【0057】
合成例14
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)71.13g(0.5モル)およびp−フェニレンジアミン54.07g(0.5モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.90dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−14)」とする。)310gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−14)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.81dl/g、イミド化率97%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−14)」とする。)17.2gを得た。
【0058】
合成例15
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)128.03g(0.9モル)および4,4’−メチレンジアニリン19.83g(0.1モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.79dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−15)」とする。)351gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−15)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.72dl/g、イミド化率92%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−15)」とする。)17.0gを得た。
【0059】
合成例16
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モル)、ジアミン化合物として1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)71.13g(0.5モル)、4,4’−メチレンジアニリン39.65g(0.2モル)およびp−フェニレンジアミン32.44g(0.3モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.88dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−16)」とする。)343gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−16)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.70dl/g、イミド化率94%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−16)」とする。)17.0gを得た。
【0060】
合成例17
テトラカルボン酸二無水物としてシス−3,7−ジブチルシクロオクタ−1,5−ジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物360.44g(1モル)、ジアミン化合物として4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)105.19g(0.5モル)、p−フェニレンジアミン54.07g(0.5モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.79dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−17)」とする。)482gを得た。
その後ポリアミック酸(Aa−1)に代えてポリアミック酸(Aa−17)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.72dl/g、イミド化率99%のポリイミド(これを「ポリイミド(Ab−17)」とする。)17.5gを得た。
【0061】
比較合成例1
テトラカルボン酸酸二無水物として、ピロメリット酸無水物218.12g(1モル)とジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン108.14g(1モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が1.95dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−17)」とする。)276gを得た。
【0062】
比較合成例2
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物112.09g(0.5モル)およびピロメリット酸無水物109.06g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン108.14g(1.0モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度が0.83dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(Aa−18)」とする。)300gを得た。
【0063】
参考例1
(1)液晶配向剤の調製:
合成例1で得られたポリイミド(Aa−1)4gを、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン20gとγ−ブチロラクトン76gとの混合溶剤に溶解させて、固形分濃度4重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して本発明の液晶配向剤を調製した。
(2) 厚さ1.5mmの石英基板上に、上記のようにして調製された本発明の液晶配向剤をスピンナーを用いて塗布し、180℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚800オングストロームの塗膜を形成した。作製された塗膜の254nm光の透過率測定を行った。結果を表1に示す。
【0064】
(3)液晶表示素子の作製:
▲1▼ 厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、上記のようにして調製された本発明の液晶配向剤をスピンナーを用いて塗布し、180℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚800オングストロームの塗膜を形成した。
▲2▼ 形成された塗膜面を、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いてラビング処理を行い、液晶配向膜とした。ここに、ラビング処理条件は、ロールの回転数400rpm、ステージの移動速度3cm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmとした。
▲3▼ 上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの基板の外縁部に、直径17μmの酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂系接着剤をスクリーン印刷法により塗布した後、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が逆平行となるように2枚の基板を間隙を介して対向配置し、外縁部同士を当接させて圧着して接着剤を硬化させた。
▲4▼ 基板の表面および外縁部の接着剤により区画されたセルギャップ内に、ネマティック型液晶「MLC−2001」(メルク社製)を注入充填し、次いで、注入孔をエポキシ系接着剤で封止して液晶セルを構成し、電圧保持率を測定した。結果を表1に示す。
【0065】
実施例1〜26および参考例1〜8
合成例1〜16で得られたポリアミック酸(Aa−2〜Aa−16)、ポリイミド(Ab−1〜Ab−16)を用い、実施例1と同様にして本発明の液晶配向剤を調製した。次いで、このようにして調製された液晶配向剤を用い、参考例1と同様にして液晶配向膜の透明性、液晶表示素子の電圧保持率を評価した。結果を表1に示す。
【0066】
比較例1〜2
合成例17〜18で得られたポリアミック酸(Aa−17,18)を用い、参考例1と同様にして、比較用の液晶配向剤を調製した。次いで、このようにして調製された液晶配向剤を用い、参考例1と同様にして液晶配向膜の透明性、液晶表示素子の電圧保持率を評価した。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、透明性の優れた液晶配向膜を形成することができる液晶配向剤を提供することができる。
本発明の液晶配向剤により形成される液晶配向膜は、TN型およびSTN型のみならずゲストホスト型液晶表示素子など種々の透過型、反射型液晶表示素子を構成するために好適に使用することができる。また、当該液晶配向膜を備えた液晶表示素子は、画質に優れ、種々の装置に有効に使用することができ、例えば卓上計算機、腕時計、計数表示板、モバイルコンピュータなどの表示装置として好適に用いることができる。
Claims (2)
Priority Applications (3)
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