JP4033006B2 - 画像処理装置及び方法並びにプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体が撮影された画像から被写体部分だけを切り出し、別の2次元の画像上に被写体を合成する画像処理方法及び画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮影した被写体の画像を、全く別の背景画像上に合成する処理は、映画やテレビ等、また、被写体をあらゆる方向から撮影することにより3次元画像を得る場合等によく使われている。この処理では、撮影した被写体画像から背景の画像を除去するセグメント処理が必要である。
【0003】
一般的なセグメンテーション手法の一つに、クロマキー手法がある。これは、背景をある決められた単色にして撮影して、背景と同色の部分を切り取る手法である。しかしながら、このクロマキー手法では、撮影環境等により背景に色むらが生じたり、また、被写体に背景色に近い色が使われている場合、うまく切り出せない問題がある。
【0004】
また、被写体を置かない状態で、予め背景を撮影しておき、その画像と被写体が写っている画像とを比較して、抜き出す手法もある。この抜き出す手法では、背景が単色でなくても抜き出しが行えるメリットがあるが、クロマキー手法と同様、被写体の影等が背景に写った場合や、背景と同様な部分が物体にある場合には、うまく抜き出すことができない。
【0005】
また、特開2001−148021号公報(特許文献1)の手法では、背景を変えた複数の画像を用いることにより、上記セグメンテーション手法の問題を解決している。しかしながら、この手法でも、被写体の表面反射が強く背景が写り込む場合や、被写体が半透明で背景が透けて見える場合は、被写体に欠けが生じ、背景画像と合成した場合、被写体に不自然な欠けが生じるという問題が生じる。
【0006】
また、特開2001−143085号公報(特許文献2)では、白黒のストラップの背景を用いて、被写体表面の透明度を求める手法が提案されているが、この手法は被写体表面の透明度が均一である場合に限られている。
【0007】
その他、画像から被写体部分を切り出すことに関連する技術として特許文献3、非特許文献1に記載された技術がある。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−148021号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2001−143085号公報
【0010】
【特許文献3】
米国特許第6377269号公報
【0011】
【非特許文献1】
H. Matsuoka, T. Takeuchi, H. Kitazawa and A. Onozawa, “Representation of Pseudo Inter-reflection and Transparency by Considering Characteristics of Human Vision", Proceedings of Eurographics 2002, pp503-510.
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のセグメンテーション手法では、被写体が半透明であったり、表面反射の強い物体では、被写体の切り出し画像に不自然に欠けが生じ、正確に、背景と被写体を切り分けることができず、その画像を、他の画像上に合成する場合、醜い画像となるという問題があった。
【0013】
本発明は、上記条件でも正確に被写体部分を抽出し、他の画像等と合成した場合に、半透明性や反射性を再現し、自然な画像を得ることを可能とし、また、被写体が動物体の場合にも適用できる画像処理方法とその装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、被写体の画像を別の画像に合成する画像処理装置であって、背景部分の画像に差が出るように異なる偏光条件で撮影された2枚の画像を入力する手段と、その2枚の画像を用いて被写体の透明度画像を求める手段と、その透明度画像を用いて、前記2枚の画像のうちの1枚の画像と背景画像とを合成する手段とを有し、前記被写体の透明度画像を求める手段は、前記2枚の画像を画像P1及び画像P2とし、画像P1上のある1点(x,y)の画素値をP1(x,y)、画像P2上のその点の画素値をP2(x,y)とし、その差の絶対値|P1(x,y)−P2(x,y)|の全画素における最大値をPPMAXとしたときに、前記透明度画像上の各画素の画素値PT(x,y)を、PT(x,y)=1−|(P1(x,y)−P2(x,y))|/PPMAXの式により求め、前記合成する手段は、前記透明度画像上の各画素の画素値である透明度に基づく比率で、前記2枚の画像のうちの1枚の画像と前記背景画像とを合成して合成画像を求めることを特徴とする画像処理装置により解決される。
【0015】
本発明によれば、背景の異なる2枚の画像を入力とすることから、マスク画像として透明度画像を求めることができ、透明度画像を用いることにより半透明性や反射性を再現し、自然な画像を得ることが可能となる。また、偏光条件を異ならせることにより背景を異ならせるようにしたので、例えば、ビームスプリッタを用いることにより、背景の異なる画像を1度に撮影できる。従って、被写体が動物体の場合にも適用できる。
【0018】
前記2枚の画像は、偏光を発する背景部分を含む被写体を撮影した画像と、同じ背景部分と被写体を、その偏光を遮断する偏光フィルタを介して撮影した画像であるとすることができる。
【0019】
また、前記2枚の画像は、異なる偏光条件で撮影された3枚以上の画像うちの、背景部分の輝度の差が最大の2枚の画像とすることができる。これにより、合成画像を生成するのに最適な2枚の画像を容易に選択することができる。
【0020】
また、上記の課題は、被写体の画像を別の画像に合成する画像処理装置であって、被写体が無い状態でn台の撮影装置C1〜Cnにより異なる偏光条件で撮影を行ったn枚の画像PE1〜PEnと、被写体を置いてn台の撮影装置C1〜Cnで被写体が無い状態と同じ偏光条件で撮影を行ったn枚の画像P1〜Pnを入力する手段と、各画像の1点(x、y)における画像PEk(1≦k≦n)の画素値をPEk(x,y)、画像Pkの画素値をPk(x,y)とし、画素値PE1(x,y)〜PEn(x,y)のうちの全ての組み合わせの中で、画素値の差分が最大となる2枚の画像をPEa、PEbとし、これらに対応する画像P1〜Pnの中の画像PaとPbの画素値をPa(x,y)とPb(x,y)としたときに、1−|Pa(x,y)−Pb(x,y)|/|PEa(x,y)−PEb(x,y)|の式を用いて透明度画像の各画素の画素値AP(x,y)を計算する処理を、全ての画素に対して行うことにより透明度画像を求める手段と、前記透明度画像上の各画素の画素値である透明度に基づく比率で、画像P1〜Pnのうちの1枚の画像と背景画像とを合成して合成画像を求める手段とを有することを特徴とする画像処理装置によっても解決される。
【0021】
すなわち、本発明によれば、偏光が画像内で一様でない場合でも、画素毎に、背景の差が最大となる偏光条件の2枚の画像を選択して透明度画像を求めるので、正確な合成画像を求めることができる。
【0022】
また、上述した2枚の画像は、偏光を発生させる背景表示装置と、背景表示装置の前に置かれた被写体からの光を二つに分けるビームスプリッタと、ビームスプリッタの一方の出力光を撮影する第1の撮影装置と、ビームスプリッタの他方の出力光を撮影する第2の撮影装置と、ビームスプリッタと第1の撮影装置との間に備えられた偏光フィルタとを有する撮影システムを用いて取得することができる。
【0023】
また、上記のn枚の画像は、偏光を発生させる背景表示装置と、背景表示装置の前に置かれた被写体からの光を3つ以上に分割するビームスプリッタと、ビームスプリッタからの各出力光を撮影する複数の撮影装置と、各撮影装置とビームスプリッタ間に設けられたそれぞれ偏光方向が異なる偏光フィルタとを有する撮影システムを用いて取得することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
図1に、本発明の実施の形態における画像処理の対象となる複数の画像を撮影するための撮影システムの構成図を示す。図1に示すように、この撮影システムは、発光する背景表示装置1、背景表示装置1からの光を偏光にする偏光フィルタA2、被写体3及び背景表示装置1の発光面を撮影する撮影装置A4と撮影装置B5、ビームスプリッタ6、撮影装置A4とビームスプリッタ6との間に挿入される偏光フィルタB7を有している。また、撮影装置A4、撮影装置B5により撮影された画像を、本発明の処理手順に従って処理する画像処理装置8を有している。なお、背景表示装置1と偏光フィルタA2とを合わせて背景表示装置とすることもできる。
【0026】
ビームスプリッタ6は、光線のある部分は反射し、他の部分は透過する反射鏡あるいは光学素子である。また、偏光フィルタA2と偏光フィルタB7の偏光方向は直交している。
【0027】
図2は図1の撮影システムを真上から見た場合の図であり、矢印が光の進行方向を示している。
【0028】
背景表示装置1から出力した光は偏光フィルタA2を通して偏光となる。背景表示装置1からの偏光及び被写体3からの光は、ビームスプリッタ6により二分され、撮影装置A4、撮影装置B5方向に同一の光が出される。そして、撮影装置A4には二分された光のうちの一つがそのまま入射し、撮影装置B5には、二分された光のうちの一つが偏光フィルタB7を介して入射する。
【0029】
このように、撮影装置A4にはビームスプリッタ6から直接光が入射するので、撮影装置A4により撮影された画像は、図3(a)に示すように背景が明るい画像となる。一方、撮影装置B5には、偏光フィルタB7を介してビームスプリッタ6からの光が入射する。すなわち、背景表示装置1からの光は、偏光フィルタA2と偏光フィルタB7を介して撮影装置B5に達することになる。ここで、偏光フィルタA2とB7の偏光方向が直交しているので、背景表示装置1からの光は偏光フィルタB7により遮断され、撮影装置B5により撮影された画像は、図3(b)に示すように背景が暗い画像となる。
【0030】
なお、背景表示装置1と同様の光を発生させるテーブルを用い、その表面に偏光フィルタA2と同じ偏光方向の偏光フィルタを設け、被写体3をそのテーブルの上に置いて撮影装置A4及び撮影装置B5を用いて撮影を行うようにしてもよい。
【0031】
上記背景表示装置1、及び上記テーブルを構成するものとしては、例えば、ELパネル、液晶パネル、液晶シャッター、投影型スクリーン、プラズマディスプレイ、CRTなどを使用することができる。
【0032】
上記のようにして得られた、背景の明るい画像の画素値(例えば、輝度値)と背景の暗い画像の画素値との差分をとり、その差分が予め定めた閾値より小さい部分を被写体の部分とし、例えば、被写体の部分を1、背景の部分を0として2値化を行えば、図3(c)に示すような、被写体部分を示す2値マスク画像を生成することができる。そして、被写体部分を示す2値マスク画像を用いることにより、被写体画像と別の背景画像との合成を行うことができる。
【0033】
ただし、2値化されたマスク画像では、ガラスのような透明な物や反射を表現することができない。そこで、2値化されたマスク画像ではなく、多値からなるマスク画像である透明度画像を生成し、その透明度画像を用いて、被写体と別の背景画像との合成を行うこともできる。以下、透明度画像を用いて、被写体と別の背景画像との合成を行う場合について説明する。なお、図4に記載の画像処置装置は、透明度画像を用いる方法の他、上記のように2値マスク画像を用いる方法にも適用できる。
【0034】
図4に、本発明の実施の形態における画像処理装置8の構成を示す。画像処理装置8は画像入力部11、画像処理部12、画像出力部13を有している。また、画像処理装置8には必要に応じて撮影装置A4、撮影装置B5と画像表示装置20が接続される。また、図示していない格納装置を有しており、合成の際に使用する背景画像などを格納する。なお、合成の際に使用する背景画像は、必要に応じて画像入力部11から入力してもよい。
【0035】
画像処理装置8は例えば画像入出力インタフェースを有するコンピュータを用いて構成することができ、その場合、画像処理部12はコンピュータが有するCPU、記憶装置、及び本発明の方法における各ステップを実行する処理を行うプログラムなどにより実現される。また、そのプログラムはCD−ROMなどの記録媒体に格納することができる。
【0036】
画像処理装置8は撮影装置A4により撮影した画像と撮影装置B5により撮影した画像とを入力し、画像処理部12で画像処理を施し、画像出力部13から被写体と背景画像とを合成した合成画像を出力する。なお、本明細書における“画像”とは、処理の対象となる画像データの意味を含む。
【0037】
図5に、画像処理装置における処理のフローチャートを示す。
【0038】
まず、図1、2に示した撮影システムで撮影された2枚の画像を画像入力部11から入力する(ステップS1)。次に、2枚の画像を用いて透明度画像を生成する(ステップS2)。そして、透明度画像を用いて、撮影システムで撮影した画像のうちの1枚と別の背景画像とを合成した合成画像を生成する(ステップS3)。最後に、生成した合成画像を出力する(ステップS4)。ステップS2とS3が上記の画像処理に対応する。なお、2値マスク画像を用いる場合には、被写体の2値マスク画像を求めて、当該2値マスク画像を用いて、撮影画像と背景とを合成する処理が上記の画像処理に対応する。
【0039】
上記の透明度画像は次のような計算を行うことにより生成する。
【0040】
撮影装置A4により撮影された画像を画像Aとし、撮影装置B5により撮影された画像を画像Bとする。画像A、B各々の横の画素数をw、縦の画素数をhとし、画像A及び画像Bの対応する点(x,y)(0≦x<w,0≦y<h)における画像Aの画素値(本実施の形態では輝度値)をP1(x,y)、画像Bの画素値をP2(x,y)とする。そして、画像A及び画像Bの対応する全画素でP1(x,y)−P2(x,y)の値の絶対値が最大となるときその絶対値(PPMAXとする)を求める。
【0041】
そして、透明を0、不透明を1とし、透明度を0から1の実数で表すとき、透明度画像上の1点PT(x,y)の値を、
1−|(P1(x,y)−P2(x,y))/PPMAX|
の式により求める。すなわち、P1(x,y)とP2(x,y)の違いが大きいほどPT(x,y)の値は0に近づき、その部分に対応する被写体は透明に近いことがわかる。また、P1(x,y)とP2(x,y)の違いが小さいほどPT(x,y)の値は1に近づき、その部分に対応する被写体は不透明に近いことがわかる。そして、画像上の全ての画素について上記式で計算を行うことにより、透明度画像を求めることができる。求めた透明度画像の例を図6(a)に示す。
【0042】
図5のフローチャートにおけるステップS3の合成画像は、透明度の比率でブレンディンクを行う一般的な式である、
PS(x,y)=PT(x,y)×PC(x,y)+(1−PT(x,y))×PZ(x,y)
の式を用いることにより、計算することができる。ここで、PC(x,y)は、画像P1又はP2の色彩画素値を示し、PZ(x,y)は背景画像の画素値を示す。
【0043】
上記の式を用いて、図6(b)に示す背景画像と、撮影装置A4の撮影画像である図3(a)に示す画像とを、透明度画像図6(a)を用いて合成した例を図6(c)に示す。図中のガラスコップの透明感が表現されていることが分る。
【0044】
上記の実施の形態では、撮影装置の手前に配置する偏光フィルタの有無で背景の輝度が異なる画像の取得している。しかし、偏光フィルタはランダム偏光も50%減衰させるので、撮影装置A4、B5により撮影された2枚の撮影画像に写っている被写体の輝度も異なることになり、正確な合成画像を得られない場合が生じ得る。
【0045】
そこで、ビームスプリッタ6と撮影装置A4との間に偏光フィルタCを付加し、偏光フィルタCの偏光方向を偏光フィルタB7と直交させることにより、2画像間での被写体の輝度の変化を抑えることができる。
【0046】
また、上記手法では偏光フィルタA2と偏光フィルタB7の偏光方向を直交させる必要がある。しかし、背景としてのテーブルに回転台などを用いることにより偏光方向が一様に定まらない場合には、背景がうまく除去できない場合がある。
【0047】
そこで、このような場合には、背景及び被写体からの光を3以上に分光することができるビームスプリッタを用い、それぞれの光を分光の数と同じ台数の撮影装置で撮影する。このとき、各撮影装置とビームスプリッタとの間には、それぞれ異なる偏光方向の偏光フィルタを配置する。そして、複数の撮影装置で撮影された複数画像の中から、背景部分の輝度差が最大となる2枚の画像を選び、その2枚の画像に対してこれまでに説明した方法で2値マスク画像や透明度画像を求める処理を行えばよい。
【0048】
また、どの2台の撮影装置から撮影された2枚の画像を選択するかを、画像の画素毎に行うことにより、背景からの光の偏光方向が様々であっても、正確に処理することができる。
【0049】
この場合、ある1つの画素に対して、被写体が無い状態で撮影した複数の画像から、どの2台の撮影装置から撮影した2枚の画像を選ぶかを判断し、その2枚の画像に対応する被写体を置いて撮影した2枚の画像を用いて、背景か被写体かの判断、もしくは透明度画像の計算を行う。この処理を全ての画素に対して行う。
【0050】
より詳細には、図4に示す画像処理装置8に、被写体が無い状態でn台の撮影装置C1〜Cnで撮影したn枚の画像PE1〜PEnと、被写体を置いてn台の撮影装置C1〜Cnで撮影したn枚の画像P1〜Pnを入力する。そして、これら画像の横の画素数をw、縦の画素数をhとし、各画像の1点(x、y)(0≦x<w、0≦y<h)における画像PEk(1≦k≦n)の画素値(輝度値)をPEk(x, y)、画像Pkの画素値をPk(x, y)とし、画素値PE1(x,y)〜PEn(x,y)のうちの全ての組み合わせの中で、その画素値の差分が最大となる2枚の画像をPEa、PEbとすると、これらに対応する画像P1〜Pnの中の画像PaとPbの画素値Pa(x,y)と画素値Pb(x,y)の差が閾値より少なければ、その部分を被写体の部分とする処理を行う。この処理をすべての画素に対して行い、2値マスク画像を作成し、2値マスク画像を用いて被写体部分と、別の背景との合成画像を求めて出力する。
【0051】
透明度画像を計算する場合には、上記の処理において、画像PaとPbを選択した後に、透明度画像の画素値をAP(x,y)として、AP(x,y)=1−|Pa(x,y)−Pb(x,y)|/|PEa(x,y)−PEb(x,y)|により透明度画像の画素値を計算する。上記の処理を全ての画素に対して行い、透明度画像を求め、上述したブレンディングの式を用いて被写体と別の背景との合成を行い、合成画像を出力する。
【0052】
なお、上記の実施の形態のように偏光フィルタを用いて背景の異なる複数枚の画像を得る方法の他に、偏光フィルタを用いないで、背景を替えて異なる複数の画像を撮影する方法も考えられる。しかし、この手法では、背景が異なる被写体が同じ位置で写った2枚の画像が必要であり、背景を変えて2枚撮影する必要がある。このため、人や動物など動く被写体は、背景を変えている間に被写体の位置や形が変わるため、正確な2値マスク画像や透明度画像を得ることができない。従って、この方法では被写体は静止物に限られる。
【0053】
一方、本実施の形態で説明したような偏光フィルタを用いる方法では、背景の異なる複数枚の画像を1回の撮影で得ることが可能になるので、被写体は静止物に限られることはなく、動物体でもよい。
【0054】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明を用いることにより、被写体が動物体でかつ半透明または表面反射の強い物体でも、被写体の切出し画像に不自然に欠けが生じたりすることがなく、正確に、背景と被写体を切り分けることができ、他の画像等と合成した場合に、半透明性や反射性を再現し、自然な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における撮影システムの構成図である。
【図2】図1の撮影システムを真上から見た図である。
【図3】 (a)は撮影装置A4により撮影された画像例を示し、(b)は撮影装置B5により撮影された画像例を示し、(c)は被写体部分を示す2値マスク画像の例を示す。
【図4】本発明の実施の形態における画像処理装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における画像処理装置における処理のフローチャートである。
【図6】 (a)は透明度画像の例を示し、(b)は背景画像の例を示し、(c)は合成画像の例を示す。
【符号の説明】
1 背景表示装置
2 偏光フィルタA
3 被写体
4 撮影装置A
5 撮影装置B
6 ビームスプリッタ
7 偏光フィルタB
8 画像処理装置
11 画像入力部
12 画像処理部
13 画像出力部
20 画像表示装置
Claims (20)
- 被写体の画像を別の画像に合成する画像処理装置であって、
背景部分の画像に差が出るように異なる偏光条件で撮影された2枚の画像を入力する手段と、
その2枚の画像を用いて被写体の透明度画像を求める手段と、
その透明度画像を用いて、前記2枚の画像のうちの1枚の画像と背景画像とを合成する手段とを有し、
前記被写体の透明度画像を求める手段は、前記2枚の画像を画像P1及び画像P2とし、画像P1上のある1点(x,y)の画素値をP1(x,y)、画像P2上のその点の画素値をP2(x,y)とし、その差の絶対値|P1(x,y)−P2(x,y)|の全画素における最大値をPPMAXとしたときに、前記透明度画像上の各画素の画素値PT(x,y)を、
PT(x,y)=1−|(P1(x,y)−P2(x,y))|/PPMAX
の式により求め、
前記合成する手段は、前記透明度画像上の各画素の画素値である透明度に基づく比率で、前記2枚の画像のうちの1枚の画像と前記背景画像とを合成して合成画像を求める
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記合成する手段は、画像P1又は画像P2のある 1 点(x,y)の色彩画素値をPC(x,y)、前記背景画像のその点の画素値をPZ(x,y)としたときに、前記合成画像を、
PT(x,y)×PC(x,y)+(1−PT(x,y))×PZ(x,y)
の式を用いることにより求める請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記2枚の画像は、偏光を発する背景部分を含む被写体を撮影した画像と、同じ背景部分と被写体を、その偏光を遮断する偏光フィルタを介して撮影した画像である請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 前記2枚の画像は、異なる偏光条件で撮影された3枚以上の画像のうちの、背景部分の輝度の差が最大の2枚の画像である請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 被写体の画像を別の画像に合成する画像処理装置であって、
被写体が無い状態でn台の撮影装置C1〜Cnにより異なる偏光条件で撮影を行ったn枚の画像PE1〜PEnと、被写体を置いてn台の撮影装置C1〜Cnで被写体が無い状態と同じ偏光条件で撮影を行ったn枚の画像P1〜Pnを入力する手段と、
各画像の1点(x、y)における画像PEk(1≦k≦n)の画素値をPEk(x,y)、画像Pkの画素値をPk(x,y)とし、画素値PE1(x,y)〜PEn(x,y)のうちの全ての組み合わせの中で、画素値の差分が最大となる2枚の画像をPEa、PEbとし、これらに対応する画像P1〜Pnの中の画像PaとPbの画素値をPa(x,y)とPb(x,y)としたときに、
1−|Pa(x,y)−Pb(x,y)|/|PEa(x,y)−PEb(x,y)|
の式を用いて透明度画像の各画素の画素値AP(x,y)を計算する処理を、全ての画素に対して行うことにより透明度画像を求める手段と、
前記透明度画像上の各画素の画素値である透明度に基づく比率で、画像P1〜Pnのうちの1枚の画像と背景画像とを合成して合成画像を求める手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記合成画像を求める手段は、画像P1〜Pnのうちの1枚の画像のある 1 点(x,y)の色彩画素値をPC(x,y)、前記背景画像のその点の画素値をPZ(x,y)とし たときに、前記合成画像を、
AP(x,y)×PC(x,y)+(1−AP(x,y))×PZ(x,y)
の式を用いることにより求める請求項5に記載の画像処理装置。 - 偏光を発生させる背景表示装置と、背景表示装置の前に置かれた被写体からの光を二つに分けるビームスプリッタと、ビームスプリッタの一方の出力光を撮影して画像P1を取得する第1の撮影装置と、ビームスプリッタの他方の出力光を撮影して画像P2を取得する第2の撮影装置と、ビームスプリッタと第1の撮影装置との間に備えられた偏光フィルタと、画像処理装置とを有する撮影システムであって、前記画像処理装置は、
背景部分の画像に差が出るように異なる偏光条件で撮影された画像P1と画像P2を入力する手段と、
画像P1と画像P2とを用いて被写体の透明度画像を求める手段と、
その透明度画像を用いて、画像P1又は画像P2と背景画像とを合成する手段とを有し、
前記被写体の透明度画像を求める手段は、画像P1上のある1点(x,y)の画素値をP1(x,y)、画像P2上のその点の画素値をP2(x,y)とし、その差の絶対値|P1(x,y)−P2(x,y)|の全画素における最大値をPPMAXとしたときに、前記透明度画像上の各画素の画素値PT(x,y)を、
PT(x,y)=1−|(P1(x,y)−P2(x,y))|/PPMAX
の式により求め、
前記合成する手段は、前記透明度画像上の各画素の画素値である透明度に基づく比率で、前記2枚の画像のうちの1枚の画像と前記背景画像とを合成して合成画像を求める
ことを特徴とする撮影システム。 - 前記合成する手段は、画像P1又は画像P2のある 1 点(x,y)の色彩画素値をPC(x,y)、前記背景画像のその点の画素値をPZ(x,y)としたときに、前記合成画像を、
PT(x,y)×PC(x,y)+(1−PT(x,y))×PZ(x,y)
の式を用いることにより算出する請求項7に記載の撮影システム。 - 前記ビームスプリッタと前記第2の撮影装置との間に前記偏光フィルタと異なる偏光方向を有する偏光フィルタを備えた請求項7又は8に記載の撮影システム。
- 被写体を置くためのテーブルを更に備え、
そのテーブルは前記背景表示装置と同様の偏光を発生する請求項7ないし9のうちいずれか1項に記載の撮影システム。 - 前記背景表示装置及び前記テーブルを、ELパネル、液晶パネル、液晶シャッター、投影型スクリーン、プラズマディスプレイ、又はCRTと、その表面に偏光フィルタを備えて構成した請求項10に記載の撮影システム。
- 偏光を発生させる背景表示装置と、背景表示装置の前に置かれた被写体からの光を3つ以上に分割するビームスプリッタと、ビームスプリッタからの各出力光を撮影する複数の撮影装置C1〜Cnと、各撮影装置とビームスプリッタ間に設けられたそれぞれ偏光方向が異なる偏光フィルタと、画像処理装置とを有する撮影システムであって、前記画像処理装置は、
被写体が無い状態でn台の前記撮影装置C1〜Cnにより異なる偏光条件で撮影を行ったn枚の画像PE1〜PEnと、被写体を置いてn台の撮影装置C1〜Cnで被写体が無い状態と同じ偏光条件で撮影を行ったn枚の画像P1〜Pnを入力する手段と、
各画像の1点(x、y)における画像PEk(1≦k≦n)の画素値をPEk(x, y)、画像Pkの画素値をPk(x, y)とし、画素値PE1(x,y)〜PEn(x,y)のうちの全ての組み合わせの中で、画素値の差分が最大となる2枚の画像をPEa、PEbとし、これらに対応する画像P1〜Pnの中の画像PaとPbの画素値をPa(x,y)とPb(x,y)としたときに、
1−|Pa(x,y)−Pb(x,y)|/|PEa(x,y)−PEb(x,y)|
の式を用いて透明度画像の各画素の画素値AP(x,y)を計算する処理を、全ての画素に対して行うことにより透明度画像を求める手段と、
前記透明度画像上の各画素の画素値である透明度に基づく比率で、画像P1〜Pnのうちの1枚の画像と背景画像とを合成して合成画像を求める手段とを有する
ことを特徴とする撮影システム。 - 前記合成画像を求める手段は、画像P1〜Pnのうちの1枚の画像のある 1 点(x,y)の色彩画素値をPC(x,y)、前記背景画像のその点の画素値をPZ(x,y)としたときに、前記合成画像を、
AP(x,y)×PC(x,y)+(1−AP(x,y))×PZ(x,y)
の式を用いることにより算出する請求項12に記載の撮影システム。 - 被写体の画像を別の画像に合成する画像処理装置における画像処理方法であって、
背景部分の画像に差が出るように異なる偏光条件で撮影された2枚の画像を入力するステップと、
その2枚の画像を用いて被写体の透明度画像を求めるステップと、
その透明度画像を用いて、前記2枚の画像のうちの1枚の画像と背景画像とを合成するステップとを有し、
前記被写体の透明度画像を求めるステップにおいて、前記画像処理装置は、前記2枚の画像を画像P1及び画像P2とし、画像P1上のある1点(x,y)の画素値をP1(x,y)、画像P2上のその点の画素値をP2(x,y)とし、その差の絶対値|P1(x,y)−P2(x,y)|の全画素における最大値をPPMAXとしたときに、前記透明度画像上の各画素の画素値PT(x,y)を、
PT(x,y)=1−|(P1(x,y)−P2(x,y))|/PPMAX
の式により求め、
前記合成するステップにおいて、前記画像処理装置は、前記透明度画像上の各画素の画素値である透明度に基づく比率で、前記2枚の画像のうちの1枚の画像と前記背景画像とを合成して合成画像を求める
ことを特徴とする画像処理方法。 - 前記合成するステップにおいて、前記画像処理装置は、画像P1又は画像P2のある 1 点(x,y)の色彩画素値をPC(x,y)、前記背景画像のその点の画素値をPZ(x,y)としたときに、前記合成画像を、
PT(x,y)×PC(x,y)+(1−PT(x,y))×PZ(x,y)
の式を用いることにより算出する請求項14に記載の画像処理方法。 - 前記2枚の画像は、偏光を発する背景部分を含む被写体を撮影した画像と、同じ背景部分と被写体を、その偏光を遮断する偏光フィルタを介して撮影した画像である請求項14又は15のうちいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 前記2枚の画像は、異なる偏光条件で撮影された3枚以上の画像うちの、背景部分の輝度の差が最大の2枚の画像である請求項14又は15のうちいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 被写体の画像を別の画像に合成する画像処理装置における画像処理方法であって、
被写体が無い状態でn台の撮影装置C1〜Cnにより異なる偏光条件で撮影を行ったn枚の画像PE1〜PEnと、被写体を置いてn台の撮影装置C1〜Cnで被写体が無い状態と同じ偏光条件で撮影を行ったn枚の画像P1〜Pnを入力するステップと、
各画像の1点(x、y)における画像PEk(1≦k≦n)の画素値をPEk(x,y)、画像Pkの画素値をPk(x,y)とし、画素値PE1(x,y)〜PEn(x,y)のうちの全ての組み合わせの中で、画素値の差分が最大となる2枚の画像をPEa、PEbとし、これらに対応する画像P1〜Pnの中の画像PaとPbの画素値をPa(x,y)とPb(x,y)としたときに、
1−|Pa(x,y)−Pb(x,y)|/|PEa(x,y)−PEb(x,y)|
の式を用いて透明度画像の各画素の画素値AP(x,y)を計算する処理を、全ての画素に対して行うことにより透明度画像を求めるステップと、
前記透明度画像上の各画素の画素値である透明度に基づく比率で、画像P1〜Pnのうちの1枚の画像と背景画像とを合成して合成画像を求めるステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 前記合成画像を求めるステップにおいて、前記画像処理装置は、画像P1〜Pnのうちの1枚の画像のある 1 点(x,y)の色彩画素値をPC(x,y)、前記背景画像のその点の画素値をPZ(x,y)としたときに、前記合成画像を、
AP(x,y)×PC(x,y)+(1−AP(x,y))×PZ(x,y)
の式を用いることにより算出する請求項18に記載の画像処理方法。 - 請求項14ないし19のうちのいずれか1項に記載の画像処理方法における各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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