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JP4035786B2 - 防腐剤耐性を有する生体成分測定方法およびその試薬 - Google Patents
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JP4035786B2 - 防腐剤耐性を有する生体成分測定方法およびその試薬 - Google Patents

防腐剤耐性を有する生体成分測定方法およびその試薬 Download PDF

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Description

本発明は中性脂肪またはマグネシウムの測定方法およびその試薬に関する。特に臨床診断に用いられる生体成分中の中性脂肪測定試薬またはマグネシウム測定試薬に関する。
臨床検査分野で用いられる診断薬として酵素反応を利用した生化学的測定試薬がある。本試薬では、酵素が溶液中で不安定なため、酵素および酵素以外の不安定物質を凍結乾燥し、使用前に溶解液で溶解し使用していた。このため、製造側では凍結乾燥を行うことからコスト、製造時間がかかり、また使用者側では溶解の手間がかかるという問題があった。これに対し、近年、生化学検査の分野において調製不要の無調製液状試薬が開発され凍結乾燥に伴う問題点を解決した。本液状試薬は種々の方法により原料酵素、補酵素等の安定化を行うことで、溶液状態で長期間保存可能な試薬として完成され、現在では国内の生化学的測定試薬市場では主流になっている。
無調製液状試薬の開発において、従来の凍結乾燥試薬から新たに加えるべき開発のポイントの1つに流通時の防腐能の向上があった。防腐能の向上のためには、種々の添加剤が検討されており成果が報告されている(例えば、特許文献1参照)。ところが、防腐剤の選択においては、抗菌力および防腐剤自身の長期安定性などの防腐性能への配慮もさることながら、一方で、原料酵素、補酵素の安定性への影響が無視できず、実際には防腐剤と酵素の相性により防腐剤が成分酵素等を劣化させ、精密性、正確性などの試薬性能に少なからず影響を与える場合があることがわかってきている。このように、十分な防腐性能と試薬の安定性を両立させることは非常に困難な課題である。
特公平7−78005
防腐剤により測定試薬の性能が劣化する試薬として、中性脂肪測定試薬、マグネシウム測定試薬がある(例えば、特許文献2および3参照。)。中性脂肪の測定は、一般に中性脂肪にリパーゼおよびグリセロールキナーゼを作用させて生成したグリセロリン酸またはADPを測定して行なう。なかでも、グリセロリン酸にグリセロリン酸オキシダーゼを作用させることにより生じた過酸化水素を、ペルオキシダーゼの下で色原体に作用させてキノン色素を生成させる方法が汎用されている。また自動分析機などを用いて2試薬系で測定する場合、第一試薬にアスコルビン酸オキシダーゼを添加しておき、測定を妨害する物質であるアスコルビン酸を消去することも当該分野であればよく行なわれる。また、内因性のグリセロールを消去するためにカタラーゼを添加することも当該分野であればよく行なわれる。
マグネシウムの測定試薬は、一般にマグネシウムにより活性化したグリセロールキナーゼ活性を生成するグリセロリン酸またはADPを測定して行う。
特公昭58−5677 特開昭64−30597
これらの測定試薬においては複数の酵素が用いられるが、ペルオキシダーゼなど相対的に防腐剤からの影響を受けにくいものもあれば、グリセロールキナーゼなど影響を大きく受ける酵素もある。中性脂肪測定試薬のようないわゆる生化学診断薬と呼ばれる試薬群において、ペルオキシダーゼは酵素として単独で用いられることはほとんどなく多段階反応で他の酵素と共役して用いられるため、試薬としての防腐剤耐性は最も耐性のない酵素に依存する。したがって、ペルオキシダーゼのみの防腐剤耐性が高くても試薬としての有用性はない。
本発明が解決しようとする課題は、防腐剤に対して高い耐性を有し、かつその測定試薬の精密性、正確性を長期間維持する中性脂肪測定試薬およびマグネシウム測定試薬を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、試薬中の酵素や色素などの成分と防腐剤との相互作用について考察し、鋭意検討した結果、適切な酵素と防腐剤の組み合わせを選択することにより、試薬中の成分酵素が防腐剤により劣化することで中性脂肪測定試薬においては保存中に濁りが発生する、反応中に試薬ブランクが上昇する、内因性の遊離グリセロールの消去能が低下する、高値測定限界が低下することで、マグネシウム測定試薬においては保存中に濁りが発生する、反応中に試薬ブランクが上昇する、感度が低下する、高値測定限界が低下することで測定試薬の精密性、正確性を低下させていることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
(1)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に濁りが発生しないことを特徴とする中性脂肪測定方法
(2)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に試薬ブランクの上昇がないことを特徴とする中性脂肪測定方法
(3)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的にグリセロール消去能が低下しないことを特徴とする中性脂肪測定方法
(4)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に高値測定限界が低下しないことを特徴とする中性脂肪測定方法
(5)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に濁りが発生しないことを特徴とするマグネシウム測定方法
(6)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に試薬ブランクの上昇がないことを特徴とするマグネシウム測定方法
(7)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に感度が低下しないことを特徴とするマグネシウム測定方法
(8)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に濁りが発生しないことを特徴とする中性脂肪測定試薬
(9)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に試薬ブランクの上昇がないことを特徴とする中性脂肪測定試薬
(10)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的にグリセロール消去能が低下しないことを特徴とする中性脂肪測定試薬
(11)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に高値測定限界が低下しないことを特徴とする中性脂肪測定試薬
(12)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に濁りが発生しないことを特徴とするマグネシウム測定試薬
(13)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に試薬ブランクの上昇がないことを特徴とするマグネシウム測定試薬
(14)防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に感度が低下しないことを特徴とするマグネシウム測定試薬
別の表現では、本発明は以下のような構成からなる。
[1]
防腐剤の存在下において、保存中に継続して、防腐性能効果と試薬性能低下の抑制が両立していることを特徴とする、中性脂肪測定方法
[2]
試薬性能低下の抑制が、次から選ばれる少なくとも1つである、[1]の方法
(1)実質的に濁りが発生しないこと
(2)実質的に試薬ブランクの上昇がないこと
(3)実質的にグリセロール消去能が低下しないこと
(4)実質的に高値測定限界が低下しないこと
(5)実質的に試薬に含まれる酵素活性が低下しないこと
[3]
防腐剤の存在下において、保存中に継続して、防腐性能効果と試薬性能低下の抑制が両立していることを特徴とする、マグネシウム測定方法
[4]
試薬性能低下の抑制が、次から選ばれる少なくとも1つである、[3]の方法
(1)実質的に試薬ブランクの上昇がないこと
(2)実質的に感度が低下しないこと
(3)実質的に試薬に含まれる酵素活性が低下しないこと
[5]
防腐剤が、蛋白質に直接作用する防腐剤である、[1]〜[4]のいずれか1に記載の方法
[6]
防腐剤の存在下において、保存中に継続して、防腐性能効果と試薬性能低下の抑制が両立していることを特徴とする、中性脂肪測定試薬
[7]
防腐剤の存在下において、保存中に継続して、防腐性能効果と試薬性能低下の抑制が両立していることを特徴とする、マグネシウム測定試薬
本発明により、防腐剤に対して高い耐性を有し、かつその測定試薬の精密性、正確性を長期間維持する中性脂肪測定試薬およびマグネシウム測定試薬を提供できる。
本発明の一実施態様は、第一試薬としてグリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ等を含有し、第二試薬としてリパーゼ、ペルオキシダーゼ等を含有する2試薬系からなる中性脂肪測定試薬であって、防腐剤に対する高い耐性があり、かつ保存中に濁りが発生しない中性脂肪測定方法である。
防腐剤として抗生物質を使用する場合、微生物が比較的容易に、当該物質の膜透過性を抑制したり、当該物質を分解し無毒化する能力を獲得することができるため、耐性菌の発生を招き、実質的に試薬の防腐効果を失うことがよくあると考えられる。一方、蛋白質に直接作用することができる防腐剤は、微生物が耐性を得ることが難しいと考えられる点でより好ましく、今後汎用されていく可能性が高い。しかし、このような蛋白質に直接作用する防腐剤は当然、共存する酵素蛋白質にも作用するため、蛋白質の構造によっては不安定化を招く可能性がある。このように、防腐剤に対する耐性は、その防腐剤の作用機構と蛋白質の構造の両面に起因すると考えられる。
このような防腐剤としては、特に限定されるものではないが、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン−ヒドロクロリド(N−メチルイソチアゾロン(N−Methylisothiazolone)とも称する。略称MIT)などのイソチアゾリン系化合物、2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド(略称HPO)、クロルアセトアミド(略称CAA)、{N,N−メチレン−ビス[(N−1−ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]}−尿素(略称IZU)及び5−ブロム−5−ニトロ−1,3−ジオキサン(略称BND)などが挙げられる。
これらを用いる場合は、できるだけ少ない種類を用いることが好ましい。より好ましくは1種類を用いることが好ましい。理由は、中性脂肪測定試薬やマグネシウム測定試薬のような多段階の反応を追随させる測定系においては多くの酵素や色素などの要素を必要とするが、防腐剤が各要素に与える影響はそれぞれの防腐剤によって異なると考えられるため、影響を受ける要素数をできるだけ少なくするためである。
たとえば中性脂肪測定試薬の場合、BNDやMITが共存するとグリセロールキナーゼがダメージを受ける場合がある。また、IZUが共存するとグリセロリン酸オキシダーゼがダメージを受ける場合がある。また、HPOが共存するとアスコルビン酸オキシダーゼがダメージを受ける場合がある。また、CAAが共存すると発色反応のタイムコースに影響が出る場合があるがこれは4−アミノアンチピリンを劣化させるためであると考えられる。したがって、例えば上記MIT、HPO、CAA、IZUおよびBNDの中から適切な防腐剤を選択する場合、複数の防腐剤を用いるとすると多くの要素に与える影響に対処しなければならないが、1種のみ使用する場合は1つの要素に対処するだけでよい。例えばMITを使用する場合は、グリセロールキナーゼへの対処だけで済む。他の防腐剤についても同様である。
本発明において特に好ましい防腐剤として、蛋白質のSH基やアミノ基に作用すると言われているイソチアゾリン系化合物が挙げられる。例えば2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(または、N−メチルイソチアゾロン(N−Methylisothiazolone、略称MIT))、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CMIT)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)等や、その誘導体などが挙げられる。これらは、混合物としてプロクリン150(スペルコ製)、プロクリン300(スペルコ製)、アクチサイドMBS(ソー・ジャパン製)、単一製品としてアクチサイドB20(N)(ソー・ジャパン製)、MIT(ロシュ製、シグマ製)等が一般に市販されている。なお、既述の理由により試薬中にイソチアゾリン系化合物以外の防腐剤を添加しない態様がさらに好ましい。本発明の中性脂肪測定方法において、イソチアゾリン系化合物は防腐能、試薬の安定性に与える影響のいずれの点においても優れている。
本発明に用いる防腐剤とは、試薬を保存している間の微生物の増殖を抑制することを目的として、試薬に添加される物質をいう。このときの防腐剤の添加濃度は特に限定されるものではないが、十分な防腐性能効果が得られる濃度であることが望ましい。防腐剤の添加濃度は、防腐剤の種類や添加する試薬の組成などによって異なるのは当然であり、適当な添加濃度の決定は当業者が適宜実施できることである。十分な防腐能を有し診断薬用途に用いられる濃度範囲であれば特に限定されないが、例えば溶液中の下限濃度として0.0001%、好ましくは0.001%、更に好ましくは0.01%である。上限濃度として1%、好ましくは0.5%、更に好ましくは0.1%である。
十分な防腐性能効果とは、例えば次の抗菌試験により菌の増殖がないことで効果をみることができる。抗菌試験方法は、被検試薬として防腐剤を添加した測定試薬を用い、これを35℃、1週間または2週間保存する。本試薬にブレインハートインフュージョン(Difco Laboratories社製)を終濃度で39g/Lになるように添加混合し被検試薬とする。菌液はPseudomonas属、Stenotrophomonas属、Enterobacter属、Proteus属、Klebsiella属、Escherichia属、Bacillus属、Criptococcus属、Candida属、Aspergillus属等の標準菌株または抗生物質に対する耐性を獲得した菌株を生理食塩水に懸濁し目安として660nmの吸光度が0.5Absになるように調製する。本菌液を被検試薬4mLに対し50μL接種した後、25または37℃で3日間振とうする。判定は被検試薬の660nmにおける吸光度を保存前後で比較し有意に吸光度の増加がある場合を防腐効果なしと判定し、吸光度の変動に有意差がない場合、菌の増殖がないと判断し防腐効果ありと判定する。
防腐剤に対する高い耐性とは、防腐剤の存在下において、保存中に継続して、防腐性能効果と試薬性能低下の抑制が両立していることを指す。例えば、ある組成物に、耐性を試験したい防腐剤を添加し、保存中に、実質的に正確性、精密性、測定レンジなどの試薬性能低下が抑制され、かつ、実質的に浮遊物や沈殿物の発生が抑制されている状態であれば、その試薬は該防腐剤に対して高い耐性を有すると言える。この定義において、保存温度、保存期間は、当業者の常識の範囲で任意に設定できる。通常、2〜10℃で0.5年以上、好ましくは1年以上、さらに好ましくは1.5年以上、あるいは室温(25℃付近)で0.5年以上で行うことが好ましいが、評価を実施する場合は加速試験として、35〜37℃で1週間以上で代替することも可能である。その場合、試験の条件、期間は、必要により適宜変更することができる。
防腐剤共存下における試薬性能の低下により、中性脂肪測定試薬においては、保存中に濁りが発生する、反応中に試薬ブランクが上昇する、内因性の遊離グリセロールの消去能が低下する、高値測定限界が低下することなどが、現象としてみられる。マグネシウム測定試薬においては、保存中に濁りが発生する、反応中に試薬ブランクが上昇する、感度が低下する、高値測定限界が低下する、などの現象がみられる。防腐剤に対する耐性のうち試薬性能低下が抑制されているかどうかは、これらの現象の推移を見ることによって評価できる。
これらの現象は酵素や色素など種々の要素の劣化によりもたらされると考えられる。内因性の遊離グリセロールの消去能低下や、高値測定限界の低下は、酵素の失活により多段階の酵素反応の少なくとも1つの反応の速度が遅くなることにより、反応の追随が遅れることが主な原因である。中性脂肪測定試薬では、グリセロール消去に関与する酵素はグリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ、カタラーゼが例示される。また、測定に関与する酵素は、リパーゼ、グリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼが例示される。また、保存中の濁り発生、反応中の試薬ブランク上昇は、酵素蛋白質が失活により変性し不溶化することが主な原因であるが、濁りの場合はさらに界面活性剤や塩類など他の物質が防腐剤の作用を受け不溶化している場合もありうるし、ブランク上昇の場合はさらに色素類が防腐剤の作用を受け自己縮合している場合もありうる。
従来、防腐剤としてイソチアゾリン系化合物を用いた場合は、主として、グリセロールキナーゼが防腐剤により劣化することによりもたらされてきたと考えられる。したがって、例えば本発明において防腐剤としてイソチアゾリン系化合物を用いた場合、防腐剤に対する耐性のうち試薬性能低下が抑制されているかどうかは、濃度が0.1〜20U/mLのグリセロールキナーゼの、防腐剤による劣化を見ることによっても評価できる。試薬性能低下が抑制されているかどうかは、「実質的に試薬に含まれる酵素活性が低下しない」かどうかで判断する。防腐剤100mg/Lの濃度で25℃、1週間共存させた時のグリセロールキナーゼ活性残存率が70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。特定の防腐剤に対する効果を評価したい場合は、評価対象の試薬組成物に上記濃度の防腐剤を添加した後、上記条件で保存した前後の酵素活性を比較すればよい。
上記のように、使用する防腐剤の種類によって、酵素に与える影響がそれぞれ異なることから、防腐剤に対する耐性のうち試薬性能低下が抑制されているかどうかは、当該防腐剤が影響を与える酵素を適宜選択してグリセロールキナーゼと同様に評価することができる。指標となる酵素としては、特に限定されないが、中性脂肪測定試薬においては、リパーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ等が好ましく選択可能である。試薬性能低下が抑制されているかどうかは、防腐剤100mg/Lの濃度で25℃、1週間共存させた時の酵素活性残存率が70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。以上のことはマグネシウム測定試薬についても同様である。
本発明において、「実質的に濁りが発生しない」とは、全く濁りが生じないか又はほとんど濁りが生じず、一定のレベル以下に抑えられていることを意味する。「一定レベル」は当業者常識により適宜決定されるが、一般には、試薬の規格(製品規格、出荷規格など)を満足するレベルであればよい。保存中の濁りを評価する方法としては、目視、660nmの吸光度測定、あるいは、パーティクルカウンター(クラボウ社製)による測定などにより評価することができる。中でも最小検出感度の観点からパーティクルカウンターが好ましい。パーティクルカウンターでの5〜150μmの総カウント数は1000個/mL以下、好ましくは500個/mL以下、更に好ましくは100個/mL以下が良い。測定結果の判定には、定量検査や分析化学の領域で用いられている評価法等、従来用いられている任意の検定方法を適宜採用することができる。
本発明の一実施態様は、第一試薬としてグリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ等を含有し、第二試薬としてリパーゼ、ペルオキシダーゼ等を含有する2試薬系からなる中性脂肪測定試薬であって、防腐剤に対する高い耐性があり、かつ保存中に試薬ブランクの上昇がない中性脂肪測定方法である。
本発明において、試薬ブランクは、精製水または測定対象を含まない試料を測定した時の測定終了時点の、測定波長により測定された吸光度をいう。「実質的に試薬ブランクの上昇がない」とは、全くブランクの上昇がないか又はほとんど上昇がなく、一定のレベル以下に抑えられていることを意味する。本発明における試薬ブランクの保存前に対する保存後の上昇は0.1Abs以下であるが、好ましくは0.05Abs以下、更に好ましくは0.01Abs以下である。測定結果の判定には、定量検査や分析化学の領域で用いられている評価法等、従来用いられている任意の検定方法を適宜採用することができる。
本発明の一実施態様は、第一試薬としてグリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ等を含有し、第二試薬としてリパーゼ、ペルオキシダーゼ等を含有する2試薬系からなる中性脂肪測定試薬であって、防腐剤に対する高い耐性があり、かつ保存中にグリセロール消去能が低下しない中性脂肪測定方法である。
本発明において、グリセロール消去能は、中性脂肪の測定において試料中に含まれると妨害要因となる遊離のグリセロールを中性脂肪の測定の前に反応に関与しない物質に変換する(消去)する能力のことをいう。「実質的にグリセロール消去能が低下しない」とは、全く消去能が低下しないか又はほとんど低下せず、一定のレベル以上に抑えられていることを意味する。「一定レベル」は当業者常識により適宜決定されるが、一般には、試薬の規格を満足するレベルであればよい。通常トリオレイン換算で100mg/dLあれば十分だが、好ましくは2000mg/dL以上であり、更に好ましくは3500mg/dL以上である。この条件下で、本発明におけるグリセロール消去能の保存前に対する保存後の低下は30%以下であるが、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。
グリセロール消去能は、好ましくは次のように判断する。
(1)グリセロール(ナカライテスク社製)を精製水で濃度が等間隔になるよう希釈し10水準以上の希釈系列を作製する。
(2)中性脂肪測定試薬を用いて上記の試料を各2回以上ずつ測定し平均値を算出する。測定は日立7170形自動分析機を用いる。試料2.1μLに第一試薬 180μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とする。その後第二試薬を90μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とする。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとり2ポイントエンド法で600nmにおける吸光度を測定する。吸光度測定結果は、精製水および200mg/dLトリオレイン水溶液の測定吸光度より算出し中性脂肪濃度として求める。
(3)完全に消去されていれば測定値はゼロになるはずである。各水準のトリオレインの測定値をプロットして、どこまでゼロを保っているかをみる。測定値が10mg/dLを超えた場合(200mg/dLトリオレインの5%)はこの濃度水準を含めそれ以上の濃度ではグリセロール消去能がないと判定し、1水準下の濃度をグリセロール消去能とする。
本発明の一実施態様は、第一試薬としてグリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ等を含有し、第二試薬としてリパーゼ、ペルオキシダーゼ等を含有する2試薬系からなる中性脂肪測定試薬であって、防腐剤に対する高い耐性があり、かつ高値測定限界が低下しない中性脂肪測定方法である。
本発明において、高値測定限界は、中性脂肪高値試料を段階希釈した試料を測定した場合、その測定値が希釈系列に対し比例関係にある濃度の最高値のことをいう。
「実質的に高値測定限界が低下しない」とは、全く測定限界が低下しないか又はほとんど低下せず、一定のレベル以上に抑えられていることを意味する。「一定レベル」は当業者常識により適宜決定されるが、一般には、試薬の規格を満足するレベルであればよい。通常トリオレイン換算で1500mg/dLあれば十分だが、好ましくは2000mg/dL以上であり、更に好ましくは2500mg/dL以上である。この条件下で、本発明における高値測定限界の保存前に対する保存後の低下は30%以下である、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。
高値測定限界は、好ましくは次のように判断する。
(1)トリオレイン(ナカライテスク社製)を精製水で濃度が等間隔になるよう希釈し10水準以上の希釈系列を作製する。
(2)中性脂肪測定試薬を用いて上記の試料を各2回以上ずつ測定し平均値を算出する。測定は日立7170形自動分析機を用いる。試料2.1μLに第一試薬 180μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とする。その後第二試薬を90μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とする。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとり2ポイントエンド法で600nmにおける吸光度を測定する。吸光度測定結果は、精製水および200mg/dLトリオレイン水溶液の測定吸光度より算出し中性脂肪濃度として求める。
(3)各水準のトリオレインの測定値を第一水準の測定値で割った値をプロットして、どこまで比例関係を保っているかをみる。理論値の±5%を外れたときはこの濃度水準を含めそれ以上の濃度では直線性がないと判定し、1水準下の濃度を高値測定限界とする。
また、本発明の一実施態様は、第一試薬としてグリセロリン酸オキシダーゼ等を含有し、第二試薬としてグリセロールキナーゼ、グリセロール等を含有する2試薬系からなるマグネシウム測定試薬であって、防腐剤に対する高い耐性があり、かつ保存中に濁りが発生しないマグネシウム測定試薬である。
また、本発明の一実施態様は、第一試薬としてグリセロリン酸オキシダーゼ等を含有し、第二試薬としてグリセロールキナーゼ、グリセロール等を含有する2試薬系からなるマグネシウム測定試薬であって、防腐剤に対する高い耐性があり、かつ保存中に試薬ブランクの上昇がないマグネシウム測定試薬である。
本発明における試薬ブランクの保存前に対する保存後の上昇は0.1Abs以下であるが、好ましくは0.05Abs以下、更に好ましくは0.01Abs以下である。
また、本発明の一実施態様は、第一試薬としてグリセロリン酸オキシダーゼ等を含有し、第二試薬としてグリセロールキナーゼ、グリセロール等を含有する2試薬系からなるマグネシウム測定試薬であって、防腐剤に対する高い耐性があり、かつ保存中に感度が低下しないマグネシウム測定試薬である。
本発明において、感度とは、定量性が保証される範囲の既知濃度の試料を測定した場合の吸光度から試薬ブランク吸光度を差し引いた吸光度のことをいう。
「実質的に感度が低下しない」とは、全く感度が低下しないか又はほとんど低下せず、一定のレベル以上に抑えられていることを意味する。「一定レベル」は当業者常識により適宜決定されるが、一般には、試薬の規格を満足するレベルであればよい。この条件下で、本発明における感度の保存前に対する保存後の低下は30%以下であるが、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。
さらに、本発明の一実施態様は、第一試薬としてグリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ等を含有し、第二試薬としてリパーゼ、ペルオキシダーゼ等を含有する2試薬系からなる中性脂肪測定方法であって、防腐剤に対する高い耐性があり、かつ、さらに次の[1]〜[4]のうち2つ以上を満たす中性脂肪測定方法である。[1]保存中に実質的に濁りが発生しない、[2]保存中に実質的に試薬ブランクの上昇がない、[3]保存中に実質的にグリセロール消去能が低下しない、[4]保存中に実質的に高値測定限界が低下しない。
また、本発明の一実施態様は、第一試薬としてグリセロリン酸オキシダーゼ等を含有し、第二試薬としてグリセロールキナーゼ、グリセロール等を含有する2試薬系からなるマグネシウム測定試薬であって、防腐剤に対する高い耐性があり、かつ、さらに次の[1]〜[3]のうち2つ以上を満たすマグネシウム測定方法である。[1]保存中に実質的に濁りが発生しない、[2]保存中に実質的に試薬ブランクの上昇がない、[3]保存中に実質的に感度が低下しない。
本発明に用いるグリセロールキナーゼとは、EC2.7.1.30に分類される以下の反応を触媒する酵素が含まれる。
グリセロール+ATP+Mg→グリセロール−3−ホスフェート+ADP+Mg
本発明に用いるグリセロールキナーゼとして好ましいのは、防腐剤に対する耐性が防腐剤100mg/Lの濃度で25℃、1週間共存させた時のグリセロールキナーゼ活性残存率が70%以上100%以下、好ましくは80%以上100%以下、更に好ましくは90%以上100%以下のものである。
このような酵素は、その起源は特に限定されない。動物起源であれば、ヒト、ラット肝、ハト肝などが例示される。また、酵母・微生物などの微生物であれば、サッカロマイセス属(例えばサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))、キャンディダ属(例えばキャンディダ・ミコデルマ(Candida mycoderma))、バチルス属(例えばバチルス・ズブチルス(Bacillus subtilis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus))、サーマス属(例えばサーマス・フラーバス(Thermus flavus))、セルロモナス属(例えばセルロモナス・フラビゲナ(Cellulomonas flavigena)、セルロモナス・エスピー(Cellulomonas sp.))、エシェリヒア属(例えばエシェリヒア・コリ(Escherichia coli))、アースロバクター属(例えばアースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.))、フラボバクテリウム属(例えばフラボバクテリウム・メニンゴセプティクム(Flavobacterium meningosepticum))、ストレプトマイセス属(例えばストレプトマイセス・カヌス(Streptmyces canus))、ジオトリカム・キャンディダム(Geotricum candidum)などが挙げられる。これらはいずれも市販のものなどを使用することができる。
これらのうち、防腐剤、特に蛋白質に直接作用する防腐剤と共存していても試薬の安定性を維持すると言う点で好ましく用いられるのは、セルロモナス属、フラボバクテリウム属(フラボバクテリウム・メニンゴセプティクム)、アースロバクター属(アースロバクター・エスピー)、サーマス属、バチルス属(バチルス・ステアロサーモフィラス)のものである。さらに好ましくは、セルロモナス属、サーマス属、バチルス属(バチルス・ステアロサーモフィラス)のものである。最も好ましくは、セルロモナス・エスピーから抽出されたものが用いられる。上記の酵素は、これらの遺伝子を他の微生物に組み込まれた遺伝子組換え微生物より製造されたものを含む。
上記のような差が生じる理由の1つとしては、反応を受けやすい部分、例えば酵素タンパク質がもつシステインやメチオニンなどの含硫アミノ酸残基の、個数とその位置に起因することが考えられる(例えばサーマス・フラバス由来のグリセロールキナーゼのアミノ酸配列については、特許文献4を参照)。このことを示唆するものとして、ザルコシンオキシダーゼにおいて、システイン残基を他のアミノ酸に置換することにより種々の物質に対する安定化を達成している事例が挙げられる(たとえば、特許文献5参照)。したがって、含硫アミノ酸を含む酵素、とくに酵素表面に含硫アミノ酸が存在する場合、とりわけ活性中心や補酵素や基質結合部位近傍に含硫アミノ酸が存在する場合、防腐剤などの化学物質の影響をより受けやすいことが示唆される。また、含硫アミノ酸の個数についてはその他の条件に大きな差がなければ原則として少ない方が防腐剤耐性があると考えられる。
特開平11−9279号公報 特許第3132618号公報
該グリセロールキナーゼの濃度下限は、通常0.05U/mL、好ましくは0.1U/mLである。一方上限は、通常20U/mL、好ましくは5U/mL、さらに好ましくは2U/mLである。
本発明に用いる緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、GOOD緩衝液などが挙げられる。なかでも、トリス緩衝液、リン酸緩衝液は濃度、温度によってpHが変動しやすいが、安価であるという利点がある。一方、pHの変動等が小さいGOOD緩衝液はMES、Bis−Tris、ACES、BES、MOPS、PIPES、TES、HEPES、Tricine、Bicine、POPSO、TAPS、CHES、CAPSなどが例示される。これらはいずれも市販のものなどを使用することができる。
本発明のpHとしては、酵素を不安定化する範囲でなければ特に限定されない。該緩衝液のpH下限は好ましくは5であるが、さらに好ましくは5.5である。pH上限は好ましくは9であるが、さらに好ましくは8である。中性脂肪測定試薬の場合、pH6〜7.5、さらには6〜7の弱酸性域が、グリセロリン酸オキシダーゼおよびアスコルビン酸オキシダ−ゼの反応至適pHであることからさらに好ましい。
本発明の測定試薬には、さらに界面活性剤、糖類、キレート剤、補酵素などを添加してもよい。界面活性剤としては非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤などが挙げられる。糖類としては、マンニトール、ソルビトール、シクロデキストリンおよびその誘導体等が挙げられる。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸およびその塩等が挙げられる。補酵素としては、フラビンアデニンジヌクレオチド等が挙げられる。これらはいずれも市販のものなどを使用することができる。これらの添加目的は特に限定されないが、酵素や試薬の安定化効果を有する種類、濃度であることが好ましい。また、添加物自身が防腐剤による劣化を受けない種類、濃度であることが好ましい。
本発明の測定試薬には測定上必要な他の試薬が含まれていてもよい。中性脂肪測定試薬としては、例えばリパーゼ、グリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ、ATP、マグネシウム、ペルオキシダーゼ、色源体が含有されうる。また、例えばリパーゼ、グリセロールキナーゼ、ATP、ADP依存性ヘキソキナーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドが含有されうる。また、マグネシウム測定試薬としては、一般にグリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ、ATP、キレート剤、ペルオキシダーゼ、色源体が含有されうる。
上記種々の成分の中で、特にリパーゼ、グリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ、ATP、マグネシウム、ペルオキシダーゼ、色源体を用いる中性脂肪測定試薬、グリセロールキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ、ATP、キレート剤、ペルオキシダーゼ、色源体を用いるマグネシウム測定試薬については、本発明により特に好ましい効果が得られる。
さらに、本願発明においては糖類を添加してもよい。糖類としては、単糖、二糖、オリゴ糖、環状オリゴ糖などの中から適宜選択され、特に限定されるものではない。例えばキシロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、シュークロース、ラクトース、トレハロース、マルトース、2−デオキシ−D−グルコース、メリビオース、リビトース、イノシトール、ズルシトール、グルシトール、グルコノ−1,5−ラクトン、G2−β−サイクロデキストリン、シュークロースモノカプレート、シュークロースモノコレート等が挙げられる。中でもシュークロースを骨格とする化合物、例えばシュークロース、ラクトシュークロース、ラフィノース、イヌロオリゴ糖類、シュークロースモノカプレート、シュークロースモノコレート等が好適に用いられる。中でもシュークロースが好ましい。いずれも、市販のものなどを使用することができる。糖類の添加濃度には特に制限はないが、好ましくは、防腐剤に対して、0.01倍量(W/W)以上であり、好ましい下限は0.05倍量(W/W)、好ましい上限は500倍量(W/W)である。とくにイソチアゾリン系化合物を防腐剤として用いる場合に耐性(安定化効果)が高まり、好ましい。
グリセロールキナーゼの活性測定は以下の測定条件で行うのが好ましい。
グリセロールを基質とし、グリセロール−3−リン酸の生成量によって酵素活性を測定した。0.5%4―アミノアンチピリン水溶液0.2ml、1.5%フェノール水溶液0.2ml、グリセロールー3―リン酸酸化酵素200U、ペルオキシダーゼ80U、ATP48.4mgに0.1M HEPES緩衝液(pH7.9)を加え、総量21mlとし、これを以下の測定のための原液とした。各反応は、この測定原液を3ml取り、0.3Mグリセロール水溶液50μl、酵素溶液100μlを添加し、混和後、37℃に制御された分光光度計で500nmの吸光度を3分間記録し、その初期直線部分から1分間当たりの吸光度変化を求めた(ΔODtest)。盲検は酵素溶液の代わりに酵素希釈液(0.2%牛血清アルブミンを含む20mMリン酸カリウム緩衝液,pH7.5)を100μl加え上記同様に操作を行って1分間当りの吸光度変化量を求めた(ΔODblank)。
得られた吸光度変化量より下記計算式に基づきグリセロールキナーゼの酵素活性を算出した。なお上記条件下で1分間に1マイクロモルのグリセロールをリン酸化する酵素量を1単位(1U)とする。
計算式
活性値(U/ml)={ΔOD/min(ΔODtest−ΔODblank)×3.15(ml)×希釈倍率}/{13.3×1/2×1.0(cm)×0.1(ml)}
3.15ml=反応混液液量
13.3=キノン色素の上記測定条件下でのミリモル吸光係数
1/2=酵素反応で生成した過酸化水素の1分子から形成するキノン色素が1/2分子であることによる係数
1.0cm=セルの光路長
0.1ml=酵素サンプル液量
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は実施例により特に限定されるものではない。
(実施例1)
N−メチルイソチアゾロン(ロッシュ社製)、グリセロールキナーゼ(セルロモナス・エスピー由来 東洋紡績社製GYK−301)を添加した下記の中性脂肪測定試薬 第一試液を25℃で1週間保存し、残存活性(溶解直後の活性値に対する保存後の活性値の割合)を検討した。比較例ではグリセロールキナーゼをセルロモナス・エスピー由来にかえてサーマス・フラーバス由来(東洋紡績社製)を用いた。
(試薬の調製)
下記組成からなる中性脂肪測定試薬の第一試薬を調製した。
第一試薬
PIPES−NaOH 50mM pH6.6
MgCl2 0.2g/L
アデノシン3リン酸2Na塩 0.9g/L
エマルゲンA60 2g/L
トリトンX−100 1g/L
4−アミノアンチピリン 0.1g/L
フラビンアデニンジヌクレオチド2Na塩 8μmol/L
グリセロールキナーゼ 3U/mL
グリセロリン酸オキシダーゼ(東洋紡社製G3O−311) 5U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 3U/mL
カタラーゼ(東洋紡社製) 200U/mL
N−メチルイソチアゾロン 100mg/L
Figure 0004035786
結果 表1に示す。比較例では約40%まで活性が低下するのに対し、実施例では保存後も90%以上の良好な安定性を示した。
(実施例2)
N−メチルイソチアゾロン(ロッシュ社製)、グリセロールキナーゼ(セルロモナス・エスピー由来 東洋紡績社製GYK−301)を添加した下記のマグネシウム測定試薬 第二試液を25℃で1週間保存し、残存活性(溶解直後の活性値に対する保存後の活性値の割合)を検討した。比較例ではグリセロールキナーゼをセルロモナス・エスピー由来にかえてサーマス・フラーバス由来(東洋紡績社製)を用いた。
(試薬の調製)
下記組成からなるマグネシウム測定試薬の第二試薬を調製した。
第ニ試薬
PIPES−NaOH 50mM pH6.8
エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム 3g/L
アデノシン2リン酸2Na塩 0.5g/L
4−アミノアンチピリン 0.3g/L
グリセロールキナーゼ 6U/mL
グリセリン 0.4g/L
N−メチルイソチアゾロン 100mg/L
Figure 0004035786
結果 表2に示す。比較例では約60%まで活性が低下するのに対し、実施例では保存後も90%以上の良好な安定性を示した。
(実施例3)
実施例1の中性脂肪測定試薬の第一試液に対し、第二試薬として下記試薬を組み合わせて下記測定法にて各々の試薬にてグリセロール5000mg/dL(トリオレイン換算値)の希釈10水準、および中性脂肪3000mg/dLの希釈10水準を測定し、グリセロール消去能および高値測定限界を算出し、25℃、1週間保存前に対する保存後の性能を相対値(%)で示した。尚、グリセロール消去能の判定は測定値として3mg/dL以下となるグリセロール希釈水準の最高濃度を消去能範囲と判定し、高値測定限界は測定値が真値に対し95〜105%の回収率の範囲となる濃度とした。
(試薬の調製)
下記組成からなる中性脂肪測定試薬の第二試薬をそれぞれ調製した。
第ニ試薬
PIPES−NaOH 50mM pH7.0
塩化マグネシウム・6水和物 0.2g/L
塩化カルシウム 0.1g/L
ADPS 0.3g/L
ペルオキシダーゼ(東洋紡社製PEO−301) 2.9U/mL
リパーゼ(東洋紡社製LPL−314) 2U/mL
(測定法)
日立7170形自動分析機を用いた。試料2.1μLに第一試薬 180μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を90μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で600nmにおける吸光度を測定した。
結果は、精製水および200mg/dLトリオレイン水溶液の測定吸光度より算出し中性脂肪濃度として求めた。
Figure 0004035786
結果 表3に示す。比較例ではグリセロール消去能が40%、高値測定限界は35%の低下を示したのに対し、実施例ではグリセロール消去能が、高値測定限界とも90%以上でほぼ低下はみられなかった。
(実施例4)
実施例2のマグネシウム測定試薬の第一試液に対し、第二試薬として下記試薬を組み合わせて下記測定法にて各々の試薬にてマグネシウム 5mg/dL水溶液を測定し、測定感度を算出し、25℃、1週間保存前に対する保存後の感度を相対値(%)で示した。
(試薬の調製)
下記組成からなるマグネシウム測定試薬の第一試薬をそれぞれ調製した。
第一試薬
PIPES−NaOH 50mM pH6.8
エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム 3g/L
アデノシン3リン酸2Na塩 1.5g/L
トリトンX−100 1g/L
TODB 0.2g/L
フラビンアデニンジヌクレオチド2Na塩 5μmol/L
グリセロリン酸オキシダーゼ(東洋紡社製G3O−311) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
ペルオキシダーゼ(東洋紡社製PEO−301) 3U/mL
(測定法)
日立7170形自動分析機を用いた。試料5.8μLに第一試薬 180μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を90μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で600nmにおける吸光度を測定した。
結果は、精製水および5mg/dLマグネシウム水溶液の測定吸光度より算出しコレステロール濃度として求めた。
Figure 0004035786
結果 表4に示す。比較例では感度が32%低下を示したのに対し、実施例ではほぼ低下はみられなかった。
(実施例5)
実施例3の中性脂肪測定試薬の第一試液、第二試薬を組み合わせて、調製直後、10℃、12ヶ月保存後の管理血清値(LコンセーラNおよびLコンセーラAN)を測定し、保存後の血清値を調製直後の血清値に対する相対値(%)として求めた。
Figure 0004035786
結果 表5に示す。比較例では感度がなくなり血清値の算出は不能であった。実施例ではLコンセーラNで103%、LコンセーラANで99.3%と保存前後の血清値の変動はほぼみられなかった。
(実施例6)
N−メチルイソチアゾロン(ロッシュ社製)、グリセロールキナーゼ(サーマス・フラバス由来 東洋紡績社製GYK−311、ストレプトマイセス・カヌス由来 Genzyme社、ジオトリカム・キャンディダム由来 Roche社、バチルス・ステアロサーモフィラス由来 Roche社)を添加した実施例1の中性脂肪測定試薬 第一試液を9℃および35℃で2週間保存し、残存活性(溶解直後の活性値に対する保存後の活性値の割合)を検討した。試薬に5g/Lのシュークロースを添加した場合と、そうでない場合の2通りで検討し、防腐剤無添加の場合と比較した。
(試薬の調製)
下記組成からなる中性脂肪測定試薬の第一試薬を調製した。
第一試薬
PIPES−NaOH 50mM pH6.6
MgCl2 0.2g/L
アデノシン3リン酸2Na塩 0.9g/L
エマルゲンA60 2g/L
トリトンX−100 1g/L
4−アミノアンチピリン 0.1g/L
フラビンアデニンジヌクレオチド2Na塩 8μmol/L
グリセロールキナーゼ 3U/mL
グリセロリン酸オキシダーゼ(東洋紡社製G3O−311) 5U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 3U/mL
カタラーゼ(東洋紡社製) 200U/mL
N−メチルイソチアゾロン 100mg/L
Figure 0004035786
Figure 0004035786
結果 表6および表7に示す。防腐剤を添加した場合、ジオトリカム・キャンディダム由来の酵素は調製直後にすでに酵素活性を失っていた。9℃保存においては、ストレプトマイセス・カヌス由来の酵素がこの中では比較的安定であった。一方35℃保存においては、サーマス・フラバス由来の酵素とバチルス・ステアロサーモフィラス由来の酵素が比較的安定であった。シュークロースを添加した場合は、とくに35℃におけるサーマス・フラバス由来の酵素とバチルス・ステアロサーモフィラス由来の酵素をさらに安定化する働きが見られた。
本発明の生体成分測定方法および試薬は、防腐剤に対して高い耐性を有し、かつ保存中に実質的に濁りが発生しない等、各種性能低下がないこと等の特性を持つため、臨床検査分野で用いられる診断薬として優れており、産業界に寄与することが大である。

Claims (2)

  1. N−メチルイソチアゾロンの存在下において、保存中に継続して、防腐性能効果と試薬性能低下の抑制が両立しているマグネシウム測定試薬を用いるマグネシウム測定方法であって、
    該マグネシウム測定試薬が、第二試薬に、N−メチルイソチアゾロン、セルロモナス属由来のグリセロールキナーゼを含む、2試薬系からなり、ならびに、
    試薬性能低下の抑制が、次から選ばれる少なくとも1つである、マグネシウム測定方法。
    (1)感度の低下が30%以下であること。
    (2)試薬に含まれる酵素活性の低下が、濃度が0.1〜20U/mLのグリセロールキナーゼを、N−メチルイソチアゾロン100mg/Lの濃度で25℃、1週間共存させた時のグリセロールキナーゼ活性残存率が70%以上であること。
  2. N−メチルイソチアゾロンの存在下において、保存中に継続して、防腐性能効果と試薬性能低下の抑制が両立しているマグネシウム測定試薬であって、第二試薬に、N−メチルイソチアゾロン、セルロモナス属由来のグリセロールキナーゼを含む、2試薬系からなるマグネシウム測定試薬。
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