JP4035880B2 - 耐熱性カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界放射型ディスプレイ、蛍光表示装置、放電表示パネル及びカラー液晶ディスプレイ等の表示装置や固体撮像素子に適用され、反射率の低減、コントラストの改善、分光特性制御のために用いられる耐熱性カラーフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記カラー液晶ディスプレイにおいては、カラー画像の表示を行うために所望色光の分光特性を有するカラーフィルタを用いている。これらは、染色法や顔料分散法、又は印刷法等により、有機顔料や有機染料で着色された樹脂層をカラーフィルタとして用いている。(M.Tani,et al:”LCD Color Filters:Characteristics and Future Issues”,SID 95 SEMINAR LECTURE(1995)等参照)
【0003】
又、陰極線管表示装置(CRT)、低速電子線蛍光表示パネル、放電表示パネル等においても、画像を表示した際の反射率の低減、コントラスト向上のためにカラーフィルタを用いることが提案されている。(T.Ito,et al:”MicrofilterTM”Color CRT,SID 95 Digest,p.25(1995)等参照)
【0004】
このように表示装置や固体撮像素子等において、反射率の低減、分光特性を制御する目的でカラーフィルタを用いることは、カラーの表示画質を向上させるために有用な手段とされている。
【0005】
ところで、電界放射型ディスプレイの場合、その作製プロセスでは400℃以上で低融点ガラスを溶融して2枚のガラス基板を封着するプロセスが用いられている。そのため、電界放射型ディスプレイ用カラーフィルタとして液晶ディスプレイ用のカラーフィルタを用いた場合においては、カラーフィルタを構成する有機材料が高温の作製プロセスによって、燃焼、分解等の反応を起こし、カラーフィルタの特性を得られず、表示コントラストの改善、反射率の低減、分光特性制御といった目的を達成することが出来ない。
【0006】
この問題を解決する1つの方法として、低融点ガラス中に無機顔料を分散させて、高温の製造プロセスに対応できるカラーフィルタが提案されている。
(坂井 他:”超低反射率カラー表示放電パネル(3)”テレビジョン学会技術報告、ED993、IPD113−8(1986−11)等参照)
【0007】
上記カラーフィルタ層を構成する材料としては、一般に無機着色顔料を分散させたガラス材料が適用されている。そのパターン形成方法としては、低融点ガラス粉末、無機顔料、並びにこれらの材料を透明基板に一時的に固定する樹脂バインダ等から成るペーストを上記透明基板上の画素部位にスクリーン印刷し、この印刷されたパターン層を約600℃で焼成する。この樹脂バインダ等の成分を焼失させると共に、低融点ガラス粉末を溶融させて無機顔料を透明基板に被覆、固着する方法により、上記カラーフィルタ層を得ている。この場合、カラーフィルタ層は、全て無機材料により構成されているため、製造に関わる高温プロセスの耐久性を備えることができる。
【0008】
上記カラーフィルタ層を形成する方法として用いられるスクリーン印刷法は、所定パターンの開口部を有するスクリーン印刷版上に上記ペーストを供給し、かつ、柔軟性のあるスキージでこすって上記開口部からペーストを押し出してガラス透明基板上に印刷する方式である。そのため、印刷機周囲の温度、湿度、スキージに加えられる圧力やスキージの移動速度等の条件に応じてスクリーン版が伸縮し、上記開口部が変形しやすく、形成されるパターンは歪みやすいという欠点がある。しかも、カラーフィルタのように精度が要求されるパターンを、一回の印刷で膜厚やパターン形状等を制御して形成できる印刷被膜の厚みは約10μmが限界であり、これ以上の厚さの被膜を形成するためには、同一パターンを繰り返して印刷する必要がある。しかし、スクリーン印刷を行う度に上記印刷条件の相違が生じて開口部が変形しやすく、印刷位置が完全に一致したパターンを重ねて印刷することは、通常困難である。
【0009】
更に、上記カラーフィルタは、それを構成する低融点ガラス及び顔料により、その厚さが10μm程度に及び、透明基板上にはその厚さ分の段差が生じ、後に形成される電極等の断線等の原因となりやすい。このため、多数回の印刷により得られたパターンは、解像性、寸法精度だけでなく、生産性についても問題が生じることになる。
【0010】
パターンの解像度に関する問題点を解決するためには、着色顔料と低融点ガラスから成る感光性ペーストを用いてフォトリソグラフィのプロセスでパターン形成すれば、パターンの解像性を向上させることが可能となる。しかし、スクリーン印刷で使用するペースト同様に、得られるパターンは低融点ガラス及び顔料により一定の厚さを有するため、基板表面の段差を解消することは困難である。
【0011】
このような技術的背景の下、本出願人等は、先にカラーフィルタ及びその製造方法に関する出願を行っている。これは、透明基板上にカラーフィルタの構成材料のうち顔料のみを所定の形状にパターンを形成した後、パターン形成された顔料及びその周辺部に光透過性を有するオーバーコート層を設けて平坦化することによりカラーフィルタを構成することを特徴とするものである。(特願平7−298200号参照)
【0012】
この方法によれば、カラーフィルタ層は、所望の色の分光特性を示す顔料とその周辺部に設けられる光透過性を有するオーバーコート材料により構成されるため、カラーフィルタとしての膜厚は、顔料の粒径及び顔料及びその周辺部に設けられる光透過性を有するオーバーコート層の膜厚に依存し、透明基板上の段差を小さくすることが可能になる。つまり、無機の着色顔料等を分散させたガラス材料をパターン形成した後に焼成してカラーフィルタを得る従来方法と比較して、カラーフィルタを形成した部分と形成されていない部分の段差が小さくなる。そのため、電界放射型ディスプレイをはじめとして、透明基板上にカラーフィルタ層を形成した後、その上に電極や誘電体層を形成する場合において、断線や欠陥を防ぐことができ、又、電極がカラーフィルタの下層に形成される場合においても、カラーフィルタの上層に形成される誘電体層が平滑に形成することができ、カラーフィルタの品質、及び生産性を向上させることが可能になる。
【0013】
この段差の少ないカラーフィルタを形成するためには、顔料のみから成るパターンを形成する必要がある。このパターン形成を設計通りのパターン形状及び、パターン形成位置に行うためには、着色感光性組成物をフォトリソグラフィによってパターンを形成することが望ましく、バインダ樹脂等は焼成時にパターンの収縮や剥がれを生じさせずに燃焼除去され、着色顔料だけのパターンを形成されることが必要である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法において透明基板上に予めブラックマトリクスを形成した後にカラーフィルタを形成する場合、特にブラックマトリクスを着色材を用いて形成する場合にはブラックマトリクス部分とカラーフィルタ部分には間隙が存在しないため(図1参照)、基板とオーバーコート層との密着が充分ではなく、後工程における密着性を十分に有しない場合があり、オーバーコート層が剥離して欠陥の原因となるため、基板とオーバーコート層の密着力を上げる必要がある。
【0015】
そこで、本発明の課題とするところは、製造プロセスにおいて高温プロセスがあるディスプレイに用いられる色分解、反射防止、表示コントラスト改善に使用される平滑性に優れると共に、基板密着性を向上させた耐熱性カラーフィルタを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
つまり、本発明はフォトリソグラフィを用いて形成される耐熱性を有するカラーフィルタ、特に着色感光性組成物を透明基板上に塗布してパターン化した後、このパターン上に光透過性を有するオーバーコート層を形成してパターンを焼成固着し、この固着パターンが形成された基板上に着色感光性組成物を塗布した後に露光、現像することによりパターン形成し、これら形成されたパターン上に光透過性を有するオーバーコート層を形成することを特徴とする耐熱性カラーフィルタである。
【0017】
請求項1に係る発明は、着色感光性組成物1を透明基板8上に塗布して露光、現像してさらには焼成して固着パターン4を形成した後、この固着パターン4上に光透過性を有するオーバーコート層3を形成して固着パターン4を被覆した後、焼成固着し、この固着パターン4が形成された透明基板8のさらに上に着色感光性組成物5を全面に塗布した後にフォトマスクによりパターン露光し、現像することを、赤色、青色、緑色ごとに行った後、さらには焼成することにより着色パターン6を形成し、これら固着パターン4上のオーバーコート層3並びに着色パターン6上に光透過性を有するオーバーコート層7を焼成することによって形成することを特徴とする、耐熱性カラーフィルタの製造方法である。
そして、係る発明において、着色感光性組成物を透明基板上に塗布して露光、現像してパターン化した後、このパターン上に光透過性を有するオーバーコート層を形成してパタ ーンを焼成固着する場合、着色感光性組成物は着色材のみである状態であることがパターンを固着する上で好ましく、特に着色感光性組成物によるパターンを焼成して着色材のみで構成されることが望ましい。
【0018】
請求項2に係る発明は、上記請求項1記載の耐熱性カラーフィルタの製造方法において、光透過性を有するオーバーコート層3として固着パターン4を焼成固着する材料に低融点ガラス、又は金属アルコキシドを用いることを特徴とする、耐熱性カラーフィルタの製造方法である。ここで透明基板に形成されたパターン上に形成するオーバーコート材料はパターンを固着し、パターンの基板に対する密着性を向上するものである。ここで、高温でのパターンの固着をより強固で安定したものとするため、あらかじめ高温での焼成を行うことが必要であり、耐熱性カラーフィルタとして高温焼成による耐性と共に、光透過性を有することが必要である。そのため、適用する材料としては無機材料が好ましく、特には低融点ガラス、又は金属アルコキシドを用いて焼成固着を行うことが好ましい。
【0019】
又、請求項3に係る発明は、請求項1記載の耐熱性カラーフィルタの製造方法において、前記オーバーコート層3の膜厚を10μm以下とすることを特徴とする耐熱性カラーフィルタの製造方法である。
ここで、形成されたパターン上に光透過性を有するオーバーコート層3を形成してパターンを焼成固着する材料は、パターンが形成されていない部分にも塗布されるため、高い光透過性を有することが望ましい。特に、パターンを焼成固着する材料の低融点ガラス、又は金属アルコキシドの焼成後膜厚が10μmを越える場合には、耐熱性カラーフィルタの表示色光波長における透過率が大幅に低下して不十分なものとなり、カラーフィルタの要求特性を満たすことは困難である。更に、カラーフィルタが既に電極等が形成された基板に形成される際、パターンを焼成固着する材料の低融点ガラス、又は金属アルコキシドの焼成後膜厚が10μmを越える場合には、安定して画像表示するために必要な電極間距離並びに誘電体層の誘電率を確保することが難しい。そのため、パターン上に光透過性を有するオーバーコート層を形成してパターンを固着する材料の低融点ガラス、又は金属アルコキシドの焼成後膜厚は10μm以下であることがカラーフィルタの透過率、パターン平滑性を確保する上で望ましい。
【0020】
更に、請求項4に係る発明は、上記請求項1記載の耐熱性カラーフィルタの製造方法において、固着パターン4とその上のオーバーコート層3の部分の光学濃度が0.3以上であることを特徴とする耐熱性カラーフィルタである。ここで、着色材パターン上に光透過性を有するオーバーコート層3を形成して焼成固着されたパターンの光学濃度が0.3未満である場合、パターンの遮光性能が十分ではなく、カラーフィルタパターン部分とのコントラスト差を十分に確保できないため、カラーフィルタの性能向上を図ることが難しい。そのため、十分なコントラスト差を確保し、カラーフィルタの要求性能を得るために、該着色材パターン上に光透過性を有するオーバーコート層を形成して焼成固着されたパターンの光学濃度は0.3以上であることが好ましい。
【0021】
更に、請求項5に係る発明は、上記請求項1記載の耐熱性カラーフィルタの製造方法において、オーバーコート層7が0.1μm以上形成されたことを特徴とする耐熱性カラーフィルタである。ここで、形成された固着パターン並びに着色パターン上に光透過性を有するオーバーコート層が膜厚0.1μm未満で形成された場合、固着パターン並びに着色パターンを十分に覆われない部分が生じ、その覆われない部分は欠陥となり、後工程におけるオーバーコート層の誘電体層との密着性低下の原因となりやすい。又、電極等がこのオーバーコート層上に形成される場合には、電極形成時にカラーフィルタ部分の段差による断線の原因となりやすいため、固着パターン並びに着色パターン上に形成される光透過性を有するオーバーコート層は0.1μm以上形成して、パターン段差を平滑化することが望ましい。
【0022】
【0023】
【発明の実施の形態】
【0024】
この発明におけるカラーフィルタの形態は、透明基板8と、該透明基板8上に一定の間隔で形成された固着パターン4と、該透明基板8と該固着パターン4を、上から覆うように形成したオーバーコート層3と、該オーバーコート層3上にあり固着パターン4の間に形成された着色パターン6と、固着パターン4上の該オーバーコート層3と着色パターン6の上に形成されたオーバーコート層7とを有することを特徴とする、耐熱性カラーフィルタである。
【0025】
そして、この発明におけるカラーフィルタの形態は、オーバーコート層3の膜厚が10μm以下の耐熱性カラーフィルタである。このオーバーコート層はパターンを焼成固着する際に固着パターン4が形成されていない部分にも塗布形成されるため、高い光透過性を有することが望まれ、これらの焼成後膜厚が10μmを越える場合には、耐熱性カラーフィルタの表示色光波長における透過率が大幅に低下し、カラーフィルタの特性を満たすことが難しくなる。そして、このパターンが形成されていない部分にはカラーフィルタが後に形成されるため、そのカラーフィルタの透過率、パターン平滑性を確保する上で焼成後膜厚は10μm以下であることが求められる。
【0026】
又、この発明におけるカラーフィルタの形態は、着色材パターン(固着パターン4)上に光透過性を有するオーバーコート層3を形成して焼成固着されたパターンの光学濃度が0.3以上である耐熱性カラーフィルタである。光学濃度が0.3以上では焼成固着されたパターンが十分な遮光性能を有し、所望のカラーフィルタ部分とのコントラスト差を確保した耐熱性カラーフィルタを形成できる。
【0027】
更に、この発明におけるカラーフィルタの形態は、オーバーコート層7が0.1μm以上形成されたことを特徴とする耐熱性カラーフィルタである。ここでオーバーコート層が膜厚0.1μm以上で形成された場合、固着パターン4並びに着色パターン6が十分に覆われてパターン段差が平滑化されて欠陥が生じにくくなり、後工程におけるオーバーコート層7と誘電体層の密着性が向上できるカラーフィルタとなる。
【0028】
この発明の耐熱性カラーフィルタは、着色感光性組成物1を透明基板8上に塗布して露光、現像してさらには焼成して固着パターン4を形成した後、この固着パターン4上に光透過性を有するオーバーコート層3を形成して固着パターン4を被覆、焼成固着し、この固着パターン4が形成された透明基板8のさらに上に着色感光性組成物5を全面に塗布した後にフォトマスクによりパターン露光し、現像することを、赤色、青色、緑色ごとに行った後、さらには焼成することにより着色パターン6を形成し、これら固着パターン4上のオーバーコート層3並びに着色パターン6上に光透過性を有するオーバーコート層7を焼成することによって形成することを特徴とする、耐熱性カラーフィルタの製造方法である。すなわち、着色感光性組成物1を透明基板上に塗布してパターン化した後、光透過性を有するオーバーコート材料で焼成固着するため、パターンと基板の密着性が向上したカラーフィルタを形成することができる。又、着色感光性組成物は感光性樹脂の現像性、塗布性、膜硬度等がパターン形成に好適であればその種類、組成比率を問わずに用いることができる。
【0029】
更に、この発明は、着色感光性組成物1を透明基板上に塗布してパターン形成した後、この固着パターン4上に光透過性を有するオーバーコート層3を形成してパターンを焼成固着する。ここで用いるオーバーコート材料は高温でのパターンの焼成固着をより強固なものとするため、高温焼成では安定である無機材料であって、所望光透過性を有するものである。材料としては、低融点ガラス、又は金属アルコキシドを用いることができる。
【0030】
又、本発明に係る耐熱性カラーフィルタを製造する方法としては、まず、透明基板上に着色感光性組成物1を塗布し、所望パターンを露光、現像して形成する。次に、この形成された固着パターン4及びその周辺部に高温で焼成することで光透過性を有するオーバーコート層3を設けて固着パターン4を焼成固着する。そしてこの固着パターン4が形成された基板上に着色感光性組成物5を塗布し、所望着色パターン6を露光、現像さらには現像してパターン化した後、固着パターン4並びに着色パターン6上に高温で焼成することで光透過性を有するオーバーコート層7を形成し、これらを焼成することにより、各色画素間の段差がなく、表面が平滑なカラーフィルタを製造できる。
【0031】
更に、本発明に係る耐熱性カラーフィルタでは黒色、緑色、青色、赤色の着色顔料を適宜使用する。そのため、該耐熱性カラーフィルタを適宜の膜厚で形成した場合には、電界放射型ディスプレイ、蛍光表示装置、放電表示パネル及びカラー液晶ディスプレイ等の表示装置や固体撮像素子等のカラーフィルター層に適用することができ、高温の熱処理を行っても色特性に変化を生じず、色純度、コントラスト等の品質を向上させたカラーフィルタを製造することが可能となる。
【0032】
【実施例】
以下に図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0033】
<実施例1>
まず、メタクリル酸ブチル55重量%、メタクリル酸メチル20重量%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15重量%、アクリル酸メチル10重量%を2−(2−エトキシエトキシ)エタノールを溶媒として共重合させ、アクリル樹脂が40重量%、溶媒が60重量%の比率になるよう調製した。そして、このアクリル樹脂を使用して以下の配合比率で黒色の着色感光性組成物1を調製した。
【0034】
(着色感光性組成物)
アクリル樹脂 8.2重量%
多官能オリゴエステルアクリレート
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.9重量%
光重合開始剤
ピペロニルトリクロロメチルS−トリアジン 1.0重量%
希釈溶剤
2−(2−エトキシエトキシ)エタノール 56.4重量%
着色顔料
黒色顔料(アサヒ化成工業株式会社製
:BLACK #3247) 29.5重量%
この着色感光性組成物1を遮光層としてのブラックマトリックス層を形成するため、透明ガラス基板8上に325メッシュ、版厚80μmのステンレス製スクリーン版を使用してスクリーン印刷し、常温で5分間放置して膜表面が乾燥した後、70℃、20分間乾燥して、着色感光性組成物層を形成した。得られた着色感光性組成物層の厚みは2.7μmで全面一様な膜厚を有し、表面状態は平滑であった。(図2参照)
【0035】
次に、縦200mm×横210μmのストライプパターンがピッチ450μmで繰り返し形成された遮光膜を有するフォトマスクを上記着色感光性組成物層に密着し、超高圧水銀灯により、露光量400mJ/cm2の条件で密着露光した。露光後、温度20℃のアルカリ現像液を噴出圧力1kg/cm2でスプレー現像を90秒行い、未露光部位の着色感光性組成物層を除去してガラス基板8を露出させた。現像処理後の基板を乾燥した後、230℃で1時間加熱し、硬膜処理をした。硬膜後のパターン化された着色感光性組成物層の厚みは2.4μmであった。
【0036】
そして、このガラス基板1を4℃/分の昇温速度で大気雰囲気下で加熱し、温度420℃で60分間焼成した後、連続して580℃まで更に加熱し、580℃の温度で30分間焼成後、4℃/分の降温速度で基板を冷却し、着色感光性組成物層の有機樹脂成分が燃焼除去され、顔料から成る固着パターン4となった。(図3参照)そして、この基板を焼成後、この透明ガラス基板8上に325メッシュ版厚80μmのステンレス製スクリーン版を使用して低融点ガラスペースト(日本電気硝子株式会社製 LF−01)をスクリーン印刷し、常温で10分間放置して膜表面が乾燥した後、更にもう一度印刷を繰り返し、90℃、15分間乾燥後、低融点ガラスペースト層を形成した。
【0037】
このガラス基板を、上記同様4℃/分の昇温速度で大気雰囲気下で加熱し、温度420℃で60分間焼成した後、連続して580℃まで更に加熱し、580℃の温度で30分間焼成後、4℃/分の降温速度で基板を冷却した。この条件で焼成処理することにより、低融点ガラスが光透過性を有するオーバーコート層3となり、遮光層であるブラックマトリックスの顔料成分が溶融した低融点ガラスによって焼成固着された。(図4参照)この形成されたブラックマトリックスの光学濃度は1.2であった。
【0038】
次に、このブラックマトリックスが形成された基板に、前記同様の組成である以下の赤色着色感光性組成物5を前記同様の条件で膜厚4.7μm塗布し(図5参照)、縦200mm×横450μmのストライプパターンがピッチ450μmの開口部が繰り返し形成された遮光膜を有するフォトマスクを下記着色感光性組成物層に密着し、超高圧水銀灯により、露光量300mJ/cm2の条件で密着露光した。
【0039】
(着色感光性組成物)
アクリル樹脂 8.2重量%
多官能オリゴエステルアクリレート
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.9重量%
光重合開始剤
ピペロニルトリクロロメチルS−トリアジン 1.0重量%
希釈溶剤
2−(2−エトキシエトキシ)エタノール 56.4重量%
着色顔料
赤色顔料(大日精化工業株式会社製
:TRANS OXIDE RED;Fe2O3) 29.5重量%
露光後、温度20℃のアルカリ現像液を噴出圧力1kg/cm2でスプレー現像を60秒行い、未露光部位の着色感光性組成物層を除去してガラス基板8を露出させた。現像処理後の基板を乾燥した後、230℃で1時間加熱し、硬膜処理をした。硬膜後のパターン化された着色感光性組成物層の厚みは4.4μmであった。(図6参照)
【0040】
上記赤色パターンの形成と同様にして、青色、緑色の着色感光性組成物を用いて緑色パターンと青色パターンを形成し、カラーフィルタ基板を作製した。(図7参照)
【0041】
更に、このように作製された基板を4℃/分の昇温速度で大気雰囲気下で加熱し、温度420℃で60分間焼成した後、連続して580℃まで更に加熱し、580℃の温度で30分間焼成後、4℃/分の降温速度で基板を冷却し、着色感光性組成物層の有機樹脂成分等が燃焼除去され顔料から成るパターンとなった。そして、この基板を焼成後、このように作製された基板上に325メッシュ版厚80μmのステンレス製スクリーン版を使用して低融点ガラスペースト(日本電気硝子株式会社製 LF−01)をスクリーン印刷し、常温で10分間放置して膜表面が乾燥した後、更にもう一度印刷を繰り返し、90℃、15分間乾燥後、低融点ガラスペースト層を形成した。
【0042】
このように作製された基板を、上記同様4℃/分の昇温速度で大気雰囲気下で加熱し、温度420℃で60分間焼成した後、連続して580℃まで更に加熱し、580℃の温度で30分間焼成後、4℃/分の降温速度で基板を冷却した。この条件で焼成処理することにより、低融点ガラスは光透過性を有するオーバーコート層7となり、感光性着色組成物層の顔料成分は溶融した低融点ガラスによって被覆され、カラーフィルタ層として形成された。(図8参照)このカラーフィルタのパターン形状、形成位置は共にフォトマスクの遮光膜パターンを正確に反映したものであり、カラーフィルタの分光透過率は所望の値を示していた。(図9参照)
【0043】
<実施例2>
上記実施例1と同一組成で黒色の感光性着色組成物を調製し、上記同様の条件でパターン形成し、膜厚2.3μmのブラックマトリックスパターンを形成し、このガラス基板を上記同様の条件で焼成し、着色感光性組成物層の有機樹脂成分が燃焼除去され顔料から成る固着パターン4が形成された。そして、この基板を焼成後、このように作製された基板上に325メッシュ版厚80μmのステンレス製スクリーン版を使用して顔料から成るパターンを固着させるために、金属アルコキシド材料(日本曹達株式会社製:アトロンNSi−500)をスクリーン印刷し、常温で10分間放置して膜表面が乾燥した後、90℃、15分間乾燥後、金属アルコキシド材料のゾル膜を形成した。
【0044】
このように作製された基板を、上記同様4℃/分の昇温速度で大気雰囲気下で加熱し、温度420℃で60分間焼成した後、4℃/分の降温速度で基板を冷却した。この条件で焼成処理することにより、金属アルコキシドのゾル膜が脱水反応と、脱アルコール反応による縮重合反応が促進され、ゲル化した金属酸化膜が形成された。このゲル化した金属酸化膜により、顔料から成るブラックマトリックスパターンがガラス基板上に焼成固着された。
【0045】
次に、上記同様にブラックマトリックスが形成された基板に、前記同様の赤色の着色感光性組成物を前記同様の条件で膜厚3.5μm塗布し、露光、現像、加熱硬膜を行い、その後の膜厚は2.9μmであった。
【0046】
上記赤色パターンの形成と同様にして、青色、緑色の着色感光性組成物を用いて緑色パターンと青色パターンを形成し、カラーフィルタ基板を作製した。
【0047】
更に、このように作製された基板上に325メッシュ、版厚80μmのステンレス製スクリーン版を使用して低融点ガラスペースト(日本電気硝子株式会社製 LF−01)をスクリーン印刷して、低融点ガラスペースト層を形成した。
【0048】
このように作製された基板を、上記同様4℃/分の昇温速度で大気雰囲気下で加熱し、温度420℃で60分間焼成した後、連続して580℃まで更に加熱し、580℃の温度で30分間焼成後、4℃/分の降温速度で基板を冷却した。この条件で焼成処理することにより、感光性着色組成物層の顔料成分は溶融した低融点ガラスによって被覆されたカラーフィルタ層として得られ、所望の分光透過率を有する耐熱性カラーフィルタが得であった。(図10参照)
【0049】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の耐熱性カラーフィルターの製造方法によれば、着色感光性組成物を透明基板上に塗布して露光、現像してパターン化した後、このパターン上に光透過性を有するオーバーコート層を形成してパターンを焼成固着することで、形成されたパターン部分の基板に対する密着力を向上させることができる。その後、固着されたパターン上に着色感光性組成物を塗布して所望パターンを露光、現像することにより固着パターン以外の部分に所望着色パターンを形成し、これら形成された固着パターン及び着色パターン上に光透過性を有するオーバーコート層が形成された耐熱性カラーフィルタは、焼成固着されたブラックマトリックス部分とその上に形成されるオーバーコート層が密着し、ブラックマトリックス間に形成されるカラーフィルタ部分を被覆するため、オーバーコート層全体の密着性を向上させることが可能となる。
【0050】
又、請求項2に係る発明の耐熱性カラーフィルターの製造方法によれば、着色感光性組成物により形成されたパターン上に光透過性を有するオーバーコート層を形成したパターンを焼成固着する材料として、低融点ガラス、又は金属アルコキシドを用いる。これらの焼成固着に用いる材料は、高温の焼成を行っても焼損することなく安定であり、所望光透過性を有するものであり、パターンが基板に強固に固着され、パターン密着性が向上する。
【0051】
更に、請求項3に係る発明によれば、透明基板8と、該透明基板8上に一定の間隔で形成された固着パターン4と、該透明基板8および該固着パターン4上に形成されたオーバーコート層3と、固着パターン4の間に形成された着色パターン6と、固着パターン4上の該オーバーコート層3と着色パターン6の上に形成されたオーバーコート層7とを有することを特徴とする、耐熱性カラーフィルタを提供することができる。
【0052】
更に、請求項4に係る発明によれば、オーバーコート層3の膜厚が10μm以下である場合には、耐熱性カラーフィルタの表示色光波長における透過率が十分なものとなり、カラーフィルタの特性を満たす。そして、カラーフィルタが既に形成された電極基板に形成される場合、パターンを焼成固着する材料の低融点ガラス、又は金属アルコキシドの焼成後膜厚が10μm以下であるため、安定して画像表示するために必要な電極間距離並びに誘電体の誘電率の設定をすることが
容易となる。
【0053】
又、請求項5に係る発明によれば、透明基板上に塗布してパターン化される該着色感光性組成物が黒色を主とする着色材を使用して形成され、該着色材パターン上に光透過性を有するオーバーコート層を形成して被覆、焼成固着されたパターンの光学濃度が0.3以上であるため、パターンの遮光性能が十分なものとなり、着色パターンとのコントラスト差を十分に確保でき、カラーフィルタの特性を向上することが可能となる。
【0054】
更に、請求項6に係る発明によれば、オーバーコート層7が0.1μm以上形成されるため、固着パターン並びに着色パターン上に光透過性を有するオーバーコート層が十分に覆われ、欠陥となる部分の発生を抑制することが可能になる。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】パターン形成された顔料及びその周辺部に光透過性を有するオーバー
コート層を設けて平坦化した従来のカラーフィルタの概略断面図。
【図2】実施例1に係るカラーフィルタの着色感光性組成物を塗布し乾燥させた
あとの状態の断面図を示す。
【図3】実施例1に係るカラーフィルタのブラックマトリクスパターン焼成後
の断面図。
【図4】実施例1に係るブラックマトリックスパターン焼成固着後の断面図。
【図5】実施例1に係る着色パターン形成用着色感光性組成物を塗布した後の断
面図。
【図6】実施例1に係る1色の着色パターン形成後の断面図。
【図7】実施例1に係る3色(R,G,B)の着色パターン形成後の断面図。
【図8】実施例1に係る耐熱性カラーフィルタの断面図。
【図9】実施例1によって作製された耐熱性カラーフィルタの分光透過率曲線。
【図10】実施例2によって作製された耐熱性カラーフィルタの分光透過率曲線。
【符号の説明】
1・・・着色感光性組成物
2・・・ブラックマトリックスパターン
3・・・オーバーコート層
4・・・固着パターン
5・・・着色感光性組成物
6・・・着色パターン
7・・・オーバーコート層
8・・・ガラス基板
9・・・カラーフィルタ
10・・・低融点ガラス
Claims (5)
- 着色感光性組成物1を透明基板8上に塗布して露光、現像してさらには焼成して固着パターン4を形成した後、
この固着パターン4上に光透過性を有するオーバーコート層3を形成して固着パターン4を被覆した後、焼成固着し、
この固着パターン4上のオーバーコート層3のさらに上に着色感光性組成物5を全面に塗布した後にフォトマスクによりパターン露光し、現像することを、赤色、青色、緑色ごとに行った後、さらには焼成することにより着色パターン6を形成し、
これら固着パターン4上のオーバーコート層3並びに着色パターン6上に光透過性を有するオーバーコート層7を焼成することによって形成することを特徴とする、耐熱性カラーフィルタの製造方法。 - 上記請求項1記載の耐熱性カラーフィルタの製造方法において、光透過性を有するオーバーコート層3として固着パターン4を焼成固着する材料に低融点ガラス、又は金属アルコキシドを用いることを特徴とする、耐熱性カラーフィルタの製造方法。
- 上記請求項1記載の耐熱性カラーフィルタの製造方法において、前記オーバーコート層3の膜厚を10μm以下とすることを特徴とする耐熱性カラーフィルタの製造方法。
- 上記請求項1記載の耐熱性カラーフィルタの製造方法において、前記固着パターン4と前記オーバーコート層3からなる部分の光学濃度が0.3以上とすることを特徴とする耐熱性カラーフィルタの製造方法。
- 上記請求項1記載の耐熱性カラーフィルタの製造方法において、オーバーコート層7を0.1μm以上形成することを特徴とする耐熱性カラーフィルタの製造方法。
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| JP6843146B2 (ja) * | 2016-09-30 | 2021-03-17 | 富士フイルム株式会社 | 構造体、カラーフィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、構造体の製造方法および有機物層形成用組成物 |
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