JP4035897B2 - 変成器回路の検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受変電設備,配電設備のスイッチギヤを製造等する際に、スイッチギヤ本体に設けられた主回路の各計器用変成器の極性,相順等を、スイッチギヤ完成前に、スイッチギヤ本体単独(単体)で自動検査する変成器回路の検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種電力設備のスイッチギヤはスイッチギヤ本体と扉体とからなり、本体は主回路の3相の主回路接点(遮断器接続)及びこの接点の一側又は他側に1次側を接続等した計器用変圧器(VT),接地形計器用変圧器(EVT),計器用変流器(CT),零相変流器(ZCT)等の各種の計器用変成器を設けて形成され、扉体は操作機構及び各計器用変成器の2次側出力を処理して開閉状態の監視等を行う制御処理回路等を設けて形成される。
【0003】
そして、スイッチギヤの製造に際しては、スイッチギヤ本体と扉体とを別個に作製し、本体に扉体を取付け、必要な配線等を行ってスイッチギヤを完成する。
【0004】
ところで、スイッチギヤ本体の主回路の各計器用変成器については、極性,相順等を検査して確認する必要があり、これらの検査は、従来、スイッチギヤの完成後に、つぎのようにして実施される。
【0005】
▲1▼極性検査
作業員が各変成器につき、1つずつ極性チェッカで測定して極性を確認する。
【0006】
▲2▼相順,変成比検査
(イ)VT,EVTの場合
変成器1次側に適当な電圧を印加し、この状態で各相を選択的に欠相等させながら2次側各相の指示計器をスイッチにより切換えて選択し、それらの指示値により目視判定して相順,変成比を確認する。
(ロ)CT,ZCTの場合
スイッチギヤ完成後は変成器1次側に適当な電流を通流させることができないため、従来は、変成比については検査することができず、変成器の2次側に適当な電流を通流させ、この状態で2次側各相の指示計器をスイッチにより切換えて選択し、それらの指示値により目視判定して相順の確認のみを行う。
そして、変成比については銘板の記載から確認する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、前記したようにスイッチギヤ本体の各計器用変成器の極性,相順等の検査が、スイッチギヤの完成後にスイッチギヤ本体に扉体を取付けた状態で行われ、扉体を取付ける前に、スイッチギヤ本体の製造ラインでの検査(ライン検査)等により、スイッチギヤ本体の単体で行うことができない。
【0008】
しかも、それらの検査が作業員の目視により行われるため、検査効率の向上を図ることができない。
【0009】
また、CT,ZCT等の計器用変流器については、変成比の検査が行えない問題点もある。
【0010】
さらに、検査に必要な電源等を操作する作業員と、指示計器の計測値を読取って計測する作業員とが必要であり、1人の作業員では検査することができず、検査の省力化を図ることができない。
【0011】
本発明は、スイッチギヤ本体の単体検査により、その主回路の各計器用変成器の極性,相順及び変成比の検査を自動的に行う新規な変成器回路の検査装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明の変成器回路の検査装置においては、スイッチギヤ本体の主回路の主回路接点の一側の各相端子に着脱自在に接続され,主回路に低電圧の検査電源を給電する検査電源部と、
主回路の主回路接点の他側の各相端子に着脱自在に接続され,主回路の検査電源の通電路を検査に応じて切換える検査電源路制御部と、
各計器用変成器の2次側端子に着脱自在に接続され,各計器用変成器の2次側出力を設定レンジの計測信号に変換する検査計測部と、
検査開始指令の入力により検査シーケンスにしたがって動作し,検査電源部,主回路接点及び検査電源路制御部を制御し,検査計測部の各計測信号を取込んでデジタル信号の計測データに変換するシーケンサ部と、
シーケンサ部と情報をやりとりし,検査時に検査開始指令をシーケンサ部に通知し,各計測データを取込んで解析し,各計器用変成器の極性,相順及び変成比を検査する制御処理部とを備える。
【0013】
したがって、扉体を取付ける前の検査対象のスイッチギヤ本体に検査電源部,検査電源路制御部,検査計測部を着脱自在に接続し、検査開始操作を行うと、制御処理部からの検査開始指令の通知によりシーケンサ部が設定された検査シーケンスを実行する。
【0014】
そして、検査電源部からスイッチギヤ本体に検査に応じた低電圧の検査電源が給電され、検査電源路制御部の通電路の切換えにより、各計器用変成器の1次側に検査に応じた検査電源の通電路が自動的に形成される。
【0015】
また、検査電源の通電に基づく各計器用変成器の2次側出力が、検査計測部によりそれぞれ設定レンジの計測信号に変換され、これらの計測信号がシーケンサ部により計測データに変換されて制御処理部に取込まれる。
【0016】
そして、制御処理部により各計測データを解析して各計器用変成器の極性,相順及び変成比が検査され、スイッチギヤ本体単独でその変成器回路の検査が自動的に行われる。
【0017】
このとき、スイッチギヤ本体の主回路の各計器用変成器の1次側を低電圧の検査電源が通流して検査が行われるため、計器用変成器がCT,ZCT等の計器用変流器であっても、その変成比の検査を行うことができる。
【0018】
そして、いわゆる自動検査であり、検査電源の操作等が不要であるため、1人の作業員で検査することができ、省力化を図ることができ、しかも、自動的に検査結果が得られるため、回路の特性や交流理論等の専門知識のない者でも容易に検査することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の1形態につき、図1を参照して説明する。
図1は検査状態の全体構成を示し、検査対象(供試験品)のスイッチギヤ本体1の主回路2は3相の主回路接点3が設けられ、この接点3の一側から引出された各相線4a,4b,4cに主回路端子台の端子5a,5b,5cが接続され、接点3の他側から引出された各相線6a,6b,6cに主回路端子台の端子7a,7b,7cが接続されている。
【0020】
また、主回路接点3の1次側においては、相線4a,4b,4cに計器用変圧器(VT)8,接地形計器用変圧器(EVT)9の1次側の各相端子が接続され、主回路接点3の2次側においては、相線6a,6b,6cのうちの例えば相線6a,6cに計器用変流器(CT)10,10’が取付けられ、相線6a,6b,6cに零相変流器(ZCT)11が取付けられている。
【0021】
そして、変圧器8,9の2次側出力の各端子に計測端子台の各変圧器端子8t,9tが接続され、変流器10,10’,11の2次側出力の各端子に計測端子台の各変流器端子10t,10t’,11tが接続されている。
【0022】
また、主回路接点3の制御端子が主回路端子台の開閉制御の入力端子3tに接続され、主回路接点3に連動する補助接点12の接点信号(表示信号)の端子が計測端子台の状態表示の出力端子12tに接続されている。
【0023】
つぎに、スイッチギヤ本体1の変成器回路の検査装置は、電源・制御盤ユニット13と操作盤ユニット14とからなる。
【0024】
そして、電源・制御盤ユニット13は検査電源部15,検査電源路制御部16及び検査計測部17,シーケンサ部18,無線送受信部19を備え、検査時、検査電源部15の各相の出力端子がスイッチギヤ本体1の端子5a〜5cに着脱自在にケーブル接続され、検査電源路制御部16の各相の端子がスイッチギヤ本体1の端子7a〜7cに着脱自在にケーブル接続される。
【0025】
また、検査計測部17は複数の回路切換部(マルチプレクサ部)20及びそれらの後段の位相検出用の変換器21,複数の電圧検出用の変換器22,複数の電流検出用の変換器23からなり、各変換器21〜23は後段のシーケンサ部18の入力レンジを考慮して出力レンジが設定され、例えば位相の検出信号については4〜20mA,電圧,電流の検出信号についてはDC0〜10Vの設定レンジに変成してそれぞれシーケンサ部18に出力する。
【0026】
このシーケンサ部18は無線送受信部19の受信情報に基づき、検査時、設定された検査シーケンスを実行し、主回路接点3の開閉,検査電源部15の給電,検査電源路制御部16による主回路各相の接続の切換え等を制御しながら、変換器21〜23の位相,電圧,電流の計測データを取込んで無線送受信部19から操作盤ユニット14に無線伝送する。
【0027】
また、操作盤ユニット14は無線送受信部19と通信する無線送受信部24,この送受信部24に接続されたコンピュータ構成の制御処理部25及びこの制御処理部25により動作制御されて検査結果等をプリントアウトするプリンタ26を備える。
なお、制御処理部25は具体的には、いわゆるパーソナルコンピュータからなる。
【0028】
そして、検査時はスイッチギヤ本体1の各端子5a〜5c,7a〜7c,3t,8t,…,12tに電源・制御盤ユニット13の各部の端子をケーブル接続して図1の検査状態にした後、現場から離れた操作盤ユニット14の作業員がキーボード操作,マウス操作或いは釦操作で制御処理部25に検査開始を指令する。
【0029】
この指令に基づき、制御処理部25は設定された検査プログラムを実行し、無線送受信部24,19を介してシーケンサ部18に検査開始指令を通知する。
【0030】
この通知に基づき、シーケンサ部18は設定された検査シーケンスを実行し、検査電源の交流/直流及び給電相の換え,検査電源の主回路2の通電路のループ/非ループの選択・切換え等を行ってスイッチギヤ本体1の変成器回路の極性検査,相順・変成比検査を順に行う。
【0031】
そして、これらの検査で得られた電圧,電流の各計測データが無線送受信部19,24を介して制御処理部25に伝送され、制御処理部25は受信した各計測データとそれぞれの設定された基準値のデータとの比較等を行って各計測データを解析し、この解析に基づき、スイッチギヤ本体1の各変成器の極性,相順,変成比を検査する。
【0032】
このとき、変流器10,10’,11についても、それらの1次側を検査電源が通流するため、従来は銘板の記載から判断するしかなかった変成比が、1次側と2次側との電流比から実測して検査される。
【0033】
つぎに、極性検査,相順・変成比検査について、具体的に説明する。
▲1▼極性検査
(i)検査開始により、主回路接点3を閉成し、検査電源部15からスイッチギヤ本体1に直流の検査電源を給電する。
(ii)検査電源路制御部16により、主回路2の各相から2相を選択して検査電源の給電ループを形成する。
(iii)各変成器(変圧器8,9,変流器10,10’,11)の2次側各端子に誘起した微小な計測電圧又は電流を各回路切換部20を介して電圧,電流の各変換器22,23に取込み、設定レンジ(例えば0〜10V)の計測信号に変換してシーケンサ部18に供給する。
(iv)シーケンサ部18により各計測信号を計測データにデジタル変換(ビット変換)し、これらの計測データを制御処理部25に無線送信する。
(v)制御処理部25により各計測データとそれぞれの基準データとを比較照合して検査し、良否を判定する。
【0034】
▲2▼相順,変成比検査
(i)極性検査の終了後、検査電源部15からスイッチギヤ本体1に給電する検査電源を、低電圧,小電流(例えば3相220V,10A)の3相交流電源に切換える。
(ii)検査電源路制御部16により相順・変成比検査の3相電源路を形成する。
(iii)検査電源の通電により各変成器の2次側各端子に誘起した微小な計測電圧又は電流を、各回路切換部20を介して位相,電圧,電流の各変換器21,22,23に取込み、設定レンジ(例えば位相:4〜20mA,電圧,電流:0〜10V)の計測信号に変換してシーケンサ部18に供給する。
(iv) シーケンサ部18により各計測信号を計測データに変換し、これらの計測データを制御処理部25に無線送信する。
(v)制御処理部25により各計測データとそれぞれの基準データとを比較照合し、相順,変成比の良否を判定する。
【0035】
そして、各検査の終了毎又は全検査の終了後に、制御処理部25の制御に基づき、プリンタ26が各検査の良否の判定結果等を検査結果としてプリントアウトし、検査結果が自動的に得られる。
【0036】
なお、変成比の計測データが基準データと相違するときは、変成器回路又は検査装置に重大な異常が発生しているおそれがあるため、制御処理部25は直ちに検査を中止して警報を発する。
【0037】
また、検査が終了すると、スイッチギヤ本体1と電源・制御盤ユニット13とのケーブル接続が切離される。
【0038】
したがって、スイッチギヤ本体1の主回路2の変成器回路につき、スイッチギヤ本体1の各端子に検査装置の各端子をケーブル接続して検査開始を指令することにより、スイッチギヤ本体1単体で極性,相順及び変成比を自動的に計測して極めて簡単に検査することができる。
【0039】
このとき、従来は銘板の記載のみから判断していた変流器10,10’,11の変成比についても自動的に検査することができる。
【0040】
そして、検査電源の操作が不要であり、しかも、指示計器等の計測値を読取る必要もないため、1人の作業員で検査をすることができる。
【0041】
しかも、検査結果等がプリンタ26でプリントアウトされるため、検査記録を手書きする必要もない。
【0042】
ところで、前記実施の形態にあっては、シーケンサ部18と制御処理部25との情報のやりとりを無線で行うようにしたため、検査装置の配線の簡素化やユニット13,14の配置の自由度の向上等を図ることができる。
【0043】
そして、シーケンサ部18と制御処理部25とを有線接続し、両部18,25の情報のやりとりを有線で行うようにしてもよい。
また、モニタCRT等を設け、検査進捗状況、検査結果を画面表示にて確認できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以下に記載する効果を奏する。
扉体を取付ける前の検査対象のスイッチギヤ本体1に検査電源部15,検査電源路制御部16,検査計測部17を着脱自在に接続し、検査開始操作を行うと、制御処理部25からの検査開始指令の通知によりシーケンサ部18が設定された検査シーケンスを実行し、検査電源部15からスイッチギヤ本体1に検査に応じた低電圧の検査電源を給電し、検査電源路制御部16の通電路の切換えにより、各計器用変成器(変圧器8,9,変流器10,10’,11)の1次側に検査に応じた検査電源の通電路を自動的に形成することができる。
【0045】
また、検査電源の通電に基づく各計器用変成器の2次側出力が、検査計測部17によりそれぞれ設定レンジの計測信号に変換され、これらの計測信号がシーケンサ部18により計測データに変換されて制御処理部25に取込まれる。
【0046】
そして、制御処理部25により各計測データを解析して各変成器の極性,相順及び変成比が自動的に検査され、スイッチギヤ本体1単独でその変成器回路の検査を自動的に行うことができる。
【0047】
このとき、スイッチギヤ本体1の主回路の各計器用変成器の1次側を低電圧の検査電源が通流して検査が行われるため、計器用変成器が計器用変流器であっても、その変成比の検査を行うことができる。
【0048】
そして、いわゆる自動検査であり、検査電源の操作等が不要であるため、1人の作業員で検査することができ、省力化を図ることができ、しかも、自動的に検査結果が得られるため、回路の特性や交流理論等の専門知識のない者でも容易に検査することができる。
【0049】
したがって、扉体を取付けてスイッチギヤを完成する前に、その本体の製造ライン等において、本体単独で容易に主回路の変成器回路の種々の検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態のブロック結線図である。
【符号の説明】
1 スイッチギヤ本体
2 主回路
3 主回路接点
8,9 変圧器
10,10’,11 変流器
15 検査電源部
16 検査電源路制御部
17 検査計測部
18 シーケンサ部
25 制御処理部
Claims (1)
- 主回路が設けられたスイッチギヤ本体に操作機構及び制御回路等が設けられた扉体を取付ける前に、前記スイッチギヤ本体の単体検査により、前記主回路に1次側を接続した前記スイッチギヤ本体の各計器用変成器の極性、相順等を検査する変成器回路の検査装置において、
前記主回路の主回路接点の一側の各相端子に着脱自在に接続され,前記主回路に低電圧の検査電源を給電する検査電源部と、
前記主回路の前記主回路接点の他側の各相端子に着脱自在に接続され,前記主回路の前記検査電源の通電路を検査に応じて切換える検査電源路制御部と、
前記各計器用変成器の2次側端子に着脱自在に接続され,前記各計器用変成器の2次側出力を設定レンジの計測信号に変換する検査計測部と、
検査開始指令の入力により検査シーケンスにしたがって動作し,前記検査電源部,前記主回路接点及び前記検査電源路制御部を制御し,前記検査計測部の各計測信号を取込んでデジタル信号の計測データに変換するシーケンサ部と、
前記シーケンサ部と情報をやりとりし,検査時に前記検査開始指令を前記シーケンサ部に通知し,前記各計測データを取込んで解析し,前記各計器用変成器の極性,相順及び変成比を検査する制御処理部と
を備えたことを特徴とする変成器回路の検査装置。
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