JP4036036B2 - オイルスキマー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削液等の液体の入ったタンクから液面に浮遊するオイルを回収するためのオイルスキマー装置に関し、特に、床下に複数のタンクが設けられている環境下で用いて好適のオイルスキマー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
切削加工時には、加工部の潤滑や洗浄のために切削液が用いられる。通常、切削液はタンク内に蓄えられており、タンクから切削機に送られ、切削機での使用後は再びタンクに戻されて再使用される。切削機では潤滑油等のオイルも使用されているために、切削機からタンクへ戻される切削液には多少のオイルが混じっている。オイルの混入は加工精度を低下させたり切削液の腐敗の原因にもなるため、切削液の劣化を防止して再使用できるようにするためには、不純物であるオイルを切削液から取り除く必要がある。そこで、従来、切削液を溜めるタンクには、特開平10−34144号公報や特開平11−17935号公報に開示されているような、タンク内の切削液からオイルを取り除くためのオイルスキマー装置が取り付けられている。
【0003】
オイルスキマー装置はフェルト等の多孔質材でできた無端ベルトを備えており、このベルトの一部をタンク内に潜らせながらモータでベルトを回転させることで、液面に浮遊しているオイルを切削液とともにベルトに付着させてタンク外に引き出すようになっている。そして、ベルトに付着した液を分離槽に受け渡し、分離槽にて切削液とオイルとを分離させた後、切削液はタンク内に戻してオイルのみを回収するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、切削液を蓄えるタンクは切削機等の加工機械が配置されている床の床下に設けられ、オイルスキマー装置はタンクの上蓋に固定されている。したがって、比較的大きな工場のように、複数の切削機が配置されて床下の複数箇所にタンクが設けられている場合には、オイルスキマー装置も複数箇所に設ける必要がある。
【0005】
しかしながら、タンク毎にオイルスキマー装置を設けるとなると、多くの費用がかかるとともに、設置のための面積も広く占有することになる。また、オイルスキマー装置によるオイルの回収は常に行われているのではなく、オイルスキマー装置の稼動時間は工場全体の稼動時間のうちの比較的短い時間に限られているので、オイルスキマー装置を全てのタンクに設けることは、設置費用の面においても設置面積の面においても無駄が多い。したがって、複数のタンク間で一つのオイルスキマー装置を共用できれば、オイルスキマー装置の稼働率を上げることができ、設置費用も設置面積も少なくてすむ。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、複数のタンク間で共用できるようにした、オイルスキマー装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のオイルスキマー装置は、従来のようにタンクの上蓋に固定されるのではなく、床上を自由に移動できるような構成をとった。すなわち、移動用車輪を備えて床上を移動可能な台車に無端ベルトを回転自在な状態で吊り下げ、この台車に無端ベルトを回転させる回転装置と無端ベルトに付着したオイルを無端ベルトから回収する回収装置とを設けるとともに、無端ベルトを使用しない時には無端ベルトを台車上に引き上げて収容するベルト収容装置と無端ベルトの使用時に無端ベルトが台車から垂れ下がる深さを調整する調整装置とを設けている。このような構成によれば、床下に設けられたタンクの上まで台車を運び、無端ベルトの一部をタンク内に潜らせて回転させることで、タンクの液面に浮遊するオイルを無端ベルトに付着させて回収することができる。また、オイルの回収後は、ベルト収容装置によって無端ベルトを台車上に引き上げて収容することで、別のタンクの上まで台車を移動させてそのタンク内のオイルも回収することができる。つまり、本発明のオイルスキマー装置によれば、一つのオイルスキマー装置を複数のタンク間で共用することができる。また、無端ベルトが台車から垂れ下がる深さを調整可能にすることで、床面からタンク内の液面までの距離にばらつきがある場合でも、無端ベルトをタンク内に確実に浸すことができる。なお、無端ベルトが台車から垂れ下がる深さは、例えば、無端ベルトを案内するガイドローラの位置を変更することで容易に調整することができる。
【0008】
ベルト収容装置としては、台車に取り付けられた回転軸を中心にして無端ベルトの回転平面に略平行な面内で回転する回転体を設け、この回転体に回転軸と無端ベルトを挟むようにしてガイド部材を固定した構成を採用してもよい。このような構成によれば、回転体が回転することにより無端ベルトはガイド部材と回転軸とに巻き掛けられて台車上に巻き上げられる。
【0010】
より好ましくは、上記の構成に加えて、無端ベルトの懸垂部に動滑車を吊るす。これによれば、動滑車の自重によって無端ベルトにテンションをかけることができ、無端ベルトの弛みを抑制して無端ベルトをタンク内に確実に浸すことができる。また、テンションをかけることで回転時の無端ベルトの挙動変化を抑えることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態としてのオイルスキマー装置の構成について示す模式図である。図1に示すように、本実施形態のオイルスキマー装置1は、その本体1aがキャスター(移動用車輪)3を備えた台車2と一体化されている。台車2にはハンドル2aが取り付けられており、オペレータがハンドル2aを押すことで、床30の上を自由に移動させることができるようになっている。
【0013】
図1では本実施形態のオイルスキマー装置1の内部が図示されている。本体1aの上部には、アジャストローラ5が備えられている。アジャストローラ5の軸の左右両端にはハンドル(レベル調整ハンドルという)6が取り付けられており、このレベル調整ハンドル6は本体1aの左右の側面プレート20,20に形成された溝21,21に掛けられている(図中では一方の側面プレート20のみを示している)。溝21は斜め上方に向いて開口した形状であり、上下方向に複数(図中では4つ)設けられている。レベル調整ハンドル6はどの溝21にも掛けることができ、レベル調整ハンドル6を掛ける溝21を替えることで、アジャストローラ5の上下位置が変更される。
【0014】
タンク31からオイルを回収するベルト4は、上記のアジャストローラ5から下方に吊り下げられている。ベルト4は無端状であり、その懸垂部には動滑車であるテンションプーリ8が掛けられ、テンションプーリ8の自重によってベルト4は鉛直方向に引っ張られている。ベルト4の材質としては、フェルト等の多孔質材やワイヤーネット,ナイロンネット等の網材のようにオイルを吸収或いは付着させやすい材質のものが好ましい。ベルト4の長さは、テンションプーリ8がタンク31内の切削液の液面32よりも下に沈むように調整されている。
【0015】
ベルト4の回転駆動は、本体1a内のアジャストローラ5の下方に設けられた一対の絞りローラ9,10の回転によって行われる。二つの絞りローラ9,10は近接して配置されており、ベルト4は二つの絞りローラ9,10にS字状に巻きかけられて絞りローラ9,10間のニップ部で挟み込まれている。一方の絞りローラ(駆動側絞りローラ)9は駆動モータ11とチェーン12で接続されており、駆動モータ11の回転に連動して回転するようになっている。他方の絞りローラ(従動側絞りローラ)10は、駆動側絞りローラ9にベルト4を挟んで圧接され、ベルト4を介して駆動側絞りローラ9から伝達される駆動力をうけて回転するようになっている。
【0016】
絞りローラ9,10は、ベルト4を回転駆動する回転装置としての機能に加え、ベルト4に含まれるオイル混じりの切削液をベルト4から絞り出して回収する回収装置としての機能も有している。絞りローラ9,10が回転すると、ベルト4はタンク31内を潜りながら図中の矢印の方向に回転する。このとき、ベルト4には液面に浮遊しているオイルが切削液とともに付着するが、絞りローラ9,10によりベルト4が表裏から圧縮されることにより、ベルト4に付着したオイル混じりの切削液はベルト4から絞り出される。絞り出されたオイル混じりの切削液は絞りローラ9,10の下方に配置されたシュート13で受けられ、シュート13を介してハンドル2aの下に設けられた分離槽14に流し込まれる。分離槽14ではオイルが切削液から分離され、切削液はタンク31に戻されてオイルのみが回収される。
【0017】
また、オイルスキマー装置1の本体1aの下部には、ベルト4の回転面と平行な面内で回転するベルト巻上ドラム15が配置されている。ベルト巻上ドラム15は、本体1aの左右の側面プレート20,20で支持されているシャフト(回転軸部材)16と、シャフト16と一体となって回転する回転板(回転体)17と、回転板17の外周部にシャフト16と平行に取り付けられた3つのガイドローラ(ガイド部材)18A,18B,18Cとから構成されている。図では省略しているが回転板17はベルト4を左右両側から挟むように一対備えられており、各ガイドローラ18A,18B,18Cは左右の回転板17,17に連結されている。二つのガイドローラ18A,18Bは近接して配置され、これらのガイドローラ18A,18Bと離れてもう一つのガイドローラ18Cが配置されている。ベルト4は近接している2つのガイドローラ18A,18Bとシャフト16との間に通されている。なお、シャフト16には図示しないハンドルがウォームギヤを介して連結されており、ハンドルを回すことでベルト巻上ドラム15を任意の方向に回転させることができるようになっている。
【0018】
ベルト巻上ドラム15は、ベルト4を本体1a内に収容するベルト収容装置として機能する。図2はベルト巻上ドラム15を用いてベルト4を本体1a内に収容したときの形態を示す側面図である。ベルト巻上ドラム15を図1中において反時計回りに回転させると、まず、ガイドローラ18Aにベルト4が掛かり、次に、シャフト16にもベルト4が掛かる。そして、シャフト16の周りを上方に回転するガイドローラ18Aによってベルト4は引き上げられていき、さらにベルト巻上ドラム15を回転させると、ベルト4はガイドローラ18B,18Cにも巻き掛かる。ベルト4はガイドローラ18A,18B,18Cのシャフト16周りの回転に伴ってさらに上方まで引き上げられて、図2に示すようにテンションプーリ8とともに本体1a内に収容される。なお、台車2の底部には着脱自在なオイルパン19が備えられており、ベルト4を本体1a内に収容した後にオイルパン19で蓋をすることで、ベルト4から床30への液ダレを防止できるようになっている。
【0019】
次に、オイルスキマー装置1の使用方法について図1及び図2を用いて説明する。このオイルスキマー装置1は、床30の下に複数のタンク31が設けられている現場における使用に適している。まず、図2に示すようにベルト4を本体1a内に収容した状態で床30の上を移動させ、オイルの回収を行うタンク31の上にオイルスキマー装置1を持ってくる。オイルスキマー装置1はキャスター3が付いた台車と一体化されているので、オペレータがハンドル2aを持って押すだけで床30の上を自由に且つ楽に移動させることができる。
【0020】
オイルスキマー装置1をタンク31の上まで持って来たら、タンク31の上蓋33を外すとともに、オイルスキマー装置1のオイルパン19を外す。そして、ベルト巻上ドラム15を図2中の時計回り方向に回転させ、ベルト4をタンク31内へ下降させていく。ベルト4はテンションプーリ8の自重によって鉛直方向に引っ張られているので、弛むことなく下降していく。
【0021】
ベルト巻上ドラム15を規定量回転させてベルト4を完全に下降させたら、図1に示すように、アジャストローラ5の上下位置を調整して台車2から垂れ下がりタンク31内に挿入されたベルト4の長さを調整する。タンク31内の液面32のレベルはタンク31毎に異なる場合があるので、テンションプーリ8が液面32の下に沈むようにアジャストローラ5の上下位置を調整する。アジャストローラ5の上下位置は、レベル調整ハンドル6を掛ける溝21を替えることで調整することができる。すなわち、これらアジャストローラ5,レベル調整ハンドル6,及び複数の溝21により、ベルト4が台車2から垂れ下がる深さを調整する調整装置が構成されている。
【0022】
アジャストローラ5の上下位置の調整が完了したら、駆動モータ11を作動させてベルト4を回転させ、タンク31からのオイルの回収を行う。このとき、ベルト4はテンションローラ8によってテンションをかけられているので、弛みが抑制されるとともに回転時の挙動変化を抑えられる。また、ベルト4が液面32の下に浸かる長さは、アジャストローラ5の上下位置によって適宜の長さに調整されているので、液面32に浮遊するオイルを確実に回収することができる。
【0023】
オイルの回収が済んだら、駆動モータ11を停止させてベルト4の回転を止める。そして、レベル調整ハンドル6を最上段の溝21に掛けてベルト巻上ドラム15を図中の反時計回り方向に回転させ、ベルト4をオイルスキマー装置1の本体1a内に巻き上げる。ベルト4が完全に巻き上げられて本体1a内に収容されたら、台車2の底部にオイルパン19を取り付けで蓋をするとともに、タンク31の開口部も上蓋33で蓋をする。
【0024】
以上で当該タンク31でのオイル回収作業が完了する。床30の下にタンク31が複数設けられている場合には、次にオイル回収を行うタンク31の上までオイルスキマー装置1を移動させ、上述の動作を再び実施する。本実施形態のオイルスキマー装置1によれば、ベルト4を本体1a内に収容して床30の上を移動させることができるので、一つのオイルスキマー装置1を複数のタンク31間で共用することができる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施しうるものである。例えば、実施形態では移動用車輪としてキャスターを備えて床上を自由に移動できるようにしているが、床にタンクを結ぶレールを敷いて車輪がレールに沿って移動するようにしてもよい。また、本実施形態ではオペレータがハンドルを押してオイルスキマー装置を移動させるようになっているが、モータ等の動力装置をオイルスキマー装置に備えてオイルスキマー装置が自走できるようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のオイルスキマー装置によれば、ベルト収容装置によって無端ベルトを台車上に引き上げて収容することで、別のタンクの上まで台車を移動させてそのタンク内のオイルも回収することができるので、一つのオイルスキマー装置を複数のタンク間で共用することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるオイルスキマー装置のオイル回収時の形態を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるオイルスキマー装置のベルト収容時の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 オイルスキマー装置
1a オイルスキマー装置本体
2 台車
2a ハンドル
3 キャスター
4 ベルト
5 アジャストローラ
6 レベル調整ハンドル
8 テンションプーリ
9,10 絞りローラ
11 駆動モータ
13 シュート
14 分離槽
15 ベルト巻上ドラム
16 シャフト
17 回転板
18A,18B,18C ガイドローラ
19 オイルパン
20 側面プレート
21 溝
30 床
31 タンク
Claims (3)
- 床下に設けられたタンクに、回転する無端ベルトの一部を潜らせ、上記タンクの液面に浮遊するオイルを上記無端ベルトに付着させて回収するオイルスキマー装置において、
上記無端ベルトが回転自在な状態で吊り下げられた、移動用車輪を備えて上記床上を移動可能な台車と、
上記台車に設けられて上記無端ベルトを回転させる回転装置と、
上記台車に設けられて上記無端ベルトに付着したオイルを上記無端ベルトから回収する回収装置と、
上記台車に設けられて上記無端ベルトを使用しない時には上記無端ベルトを上記台車上に引き上げて収容するベルト収容装置と、
上記無端ベルトの使用時に上記無端ベルトが上記台車から垂れ下がる深さを調整する調整装置とを備えたことを特徴とする、オイルスキマー装置。 - 上記ベルト収容装置は、
上記台車に取り付けられた回転軸部材と、
上記回転軸部材を中心にして上記無端ベルトの回転平面に略平行な面内で回転する回転体と、
上記回転軸部材と上記無端ベルトを挟むようにして上記回転体に固定されたガイド部材とからなり、
上記回転体が回転することにより上記無端ベルトが上記ガイド部材と上記回転軸部材とに巻き掛けられて上記台車上に巻き上げられるように構成されていることを特徴とする、請求項1記載のオイルスキマー装置。 - 上記無端ベルトの懸垂部に動滑車が吊るされていることを特徴とする、請求項1又は2記載のオイルスキマー装置。
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| JP2002167322A JP4036036B2 (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | オイルスキマー装置 |
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