JP4036591B2 - 通信装置及びネットワーク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はネットワークに関し、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)などのコンピュータネットワークにおいて、MAC(メディアアクセスコントロール)制御を行う場合に適用し得るものである。
【0002】
また、本発明は、かかるネットワークの構成要素としての通信装置に関し、例えばインターネット電話機などに適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
通常の電話機が交換機に接続されるのに対して、インターネット電話機はコンピュータネットワークに接続される。このためインターネット電話機には、コンピュータネットワーク接続用のLANコネクタが装備されるのが普通である。
【0004】
一方、コンピュータが普及した今日においては、特にビジネス環境下においては、一人一台のパーソナルコンピュータが常識となっている。しかしながら現在の装置では、インターネット電話機用とコンピュータ用とで別のLANケーブルを配線しなければならないため、ネットワーク設備が増大する傾向があった。
【0005】
このような傾向に対応するためには、図3に示すように、電話機1とパーソナルコンピュータ15とを1本のLANケーブル11に収容することが有効である。
【0006】
すなわち、1本のLANケーブル11でネットワーク10に接続された電話機1が、さらにパーソナルコンピュータ15をLANケーブル17で接続する接続形態を取ることである。
【0007】
【発明が解決使用とする課題】
ところが、この接続形態を取る場合、ハードウエア的にもソフトウエア的にも制約の多いインターネット電話機1が自身の通信だけでなく、パーソナルコンピュータ15の通信まで処理しなければならないために、いくつかの問題が発生する。
【0008】
その1つは、パーソナルコンピュータ15が当該コンピュータネットワーク10(の集線装置(スイッチングHUB)16)に送信するコンピュータ通信用パケットの量が多いと、当該インターネット電話機1自体がコンピュータネットワーク10に送信する音声パケットの送信が中断される可能性があることである。
【0009】
この中断により、当該インターネット電話機1と通話中の相手(例えば図中の電話機4のユーザ)は、途切れた音声を聴かされることになり、快適な通話を継続することができない。
【0010】
この問題を解決するために、電話機1内のMAC(メデイアアクセスコントローラ)が、常に、音声パケットの方をコンピュータ通信用パケットよりも優先してコンピュータネットワーク10に送出することで、音声の途切れを無くすことも考えられる。
【0011】
ところがこの場合、図2に示すような内部構成を有する電話機1は、前記パーソナルコンピュータ15側から当該電話機1に入力されるパケットを、常にスイッチングHUB16側のみに送出し、電話機1自身はパーソナルコンピュータ15側からのパケットを受信することができない。
【0012】
すなわち電話機1は、単にコンピュータ15とスイッチングHUB16とのパケットのやり取りを経路TR2で仲介しているだけであり、コンピュータ15から当該電話機1に入力されたパケットが当該電話機1に宛てたものであっても、電話機1が直接、当該パケットを受信することはできなかった。
【0013】
このように、電話機1とコンピュータ15が通信する必要が生じるのは、電話機1とパーソナルコンピュータ15が連動する形態のアプリケーションにおいてである。
【0014】
例えば、パソコン15より電話機1にダイヤル発信を行わせるアプリケーションや、電話機1が着信していることをパーソナルコンピュータ15にポップアップ表示させるアプリケーションや、電話機1の細かな設定をパーソナルコンピュータ15から行うアプリケーション等を使用する場合である。
【0015】
このようなアプリケーションを使用する場合には、コンピュータ15が当該電話機1に宛てて送信したパケットの伝送経路は、コンピュータ15→ケーブル17→電話機1→LANケーブル11→スイッチングHUB16→LANケーブル11→電話機1となって、冗長化してしまう。
【0016】
ただしこれは、スイッチングHUB16が、同一ポートに複数の通信装置(ここではインターネット電話機31とパーソナルコンピュータ15)が接続されていることを認識できる機能、および、当該複数通信装置間の通信を可能にする機能を装備している場合であり、一般的なスイッチングHUBではそのような機能を装備していない方が普通である。
【0017】
スイッチングHUB16はそのような機能を装備しているとした場合、そのような機能を発揮すること自体がスイッチングHUB16に多大な負荷をかけることになるし、スイッチングHUB16の内部状態(パケットの輻輳度など)によっては、パケットの損失が生じる可能性も高まり、通信品質や通信の効率性の観点からも不利である。
【0018】
この問題を回避する為、例えば、電話機1の内部構成を図2から図4に示すように改変し、パーソナルコンピュータ15、電話機1自身、スイッチングHUB16(HUBポート)を、電話機1に内蔵した集線装置(HUB、スイッチングHUB)で接続することが考えられる。
【0019】
しかしながら1つの電話機に、HUBやスイッチングHUBを内蔵したのでは、当該電話機1の価格は非常に高価なものとなってしまい、現実的でない。
【0020】
一方、電話機1のCPU22に、コンピュータ15から送信されて電話機1内を通過するパケットの宛先を解釈させて、自電話機1宛てのパケットとそれ以外のパケットで異なる取り扱いをすることも考えられる。
【0021】
しかしながらそれでは、CPU22に過大な負荷をかけることになってしまい、本来、電話機1自体の通信のために使われる処理能力が消費され、電話機1の通信に支障が出る可能性が高まる。
【0022】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明では、ネットワークに接続するための第1のインタフェース手段と、音声パケット送受信用の第2のインタフェース手段と、コンピュータデータ通信用の第3のインタフェース手段と、前記第2のインタフェース手段に接続された中央処理装置とを備えた通信装置において、(1)前記第1のインタフェース手段と第2のインタフェース手段を接続する第1の媒体アクセス制御部と、(2)前記第3のインタフェース手段と第2のインタフェース手段を接続する第2の媒体アクセス制御部と、(3)当該第2の媒体アクセス制御部の内部と、前記第1の媒体アクセス制御部の内部を接続することで、第1のインタフェース手段と第3のインタフェース手段の間を第2のインタフェース手段を介するよりも短経路で接続するバイパス手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
また、第2の発明では、ネットワークに接続するため、データ転送容量に関する条件を含む第1の通信モードで通信し得る第1のインタフェース手段と、音声パケット送受信用の第2のインタフェース手段と、コンピュータデータ通信のため、第1の通信モードに比べて少なくともデータ転送容量が小さな第2の通信モードで通信する第3のインタフェース手段と、第1のインタフェース手段と第3のインタフェース手段の間を伝送されるデータを一時的に蓄積するための一時記憶手段とを備え、第1のインタフェース手段と第3のインタフェース手段を用いて行われるコンピュータデータ通信を仲介し得る通信装置において、前記第3のインタフェース手段に接続されたコンピュータ端末とネットワークとの間で、前記コンピュータデータ通信が行われる際には、前記第1の通信モードを第2の通信モードに対応させるように変更する通信モード変更手段を備えたことを特徴とする。
【0024】
さらに、第3の発明にかかるネットワークでは、(1)請求項1〜3のいずれかの通信装置と、(2)当該通信装置の第1のインタフェース手段に接続された集線装置と、(3)当該通信装置の第3のインタフェース手段に接続された通信用のコンピュータ端末とを備えることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明の通信装置及びネットワークを、インターネット電話機と当該インターネット電話機を含むLANに適用した場合を例に、第1および第2の実施形態について説明する。
【0026】
本実施形態は、内蔵された2つのMAC(メディアアクセスコントローラ)の送受信回路同士が互いにバイパスするルートと、自アドレスを送信先として指定するパケットのみをCPU側に伝達するルートとを切替え可能なMAC装置を備えたことを特徴とする。
【0027】
(A−1)第1の実施形態の構成
本実施形態のLAN30の構成は、図3に示したコンピュータネットワーク10と同じである。したがって図3はそのまま、本実施形態の説明図ともなっている。
【0028】
すなわち、本実施形態のLAN30は、図3に示すように、電話機31および2〜4と、LANケーブル11〜14および17と、パーソナルコンピュータ15と、スイッチングHUB16とを備えている。
【0029】
このうちインターネット電話機31は、図2や図4と異なり、図5に示す内部構成を備えている。
【0030】
(A−1−1)インターネット電話機の内部構成
図5において、インターネット電話機31は、コーデック(CODEC)20と、メモリ21と、CPU22と、PHY((物理層プロトコル:Physical Layer Protocol)処理部)24,25と、MAC装置32と、HUBポート50と、パーソナルコンピュータポート51とを備えている。
【0031】
このうち、図2と同一の符号を付した構成要素20,21,22,24,25自体の機能は、従来とまったく同一であってよい。
【0032】
したがって本実施形態のインターネット電話機31と従来の電話機1との相違点は、主としてMAC装置32に関連する部分に限られる。
【0033】
MAC装置32は、各通信プロセスのメディア層における処理を担当し、バスBA1、スイッチングHUB接続用のPHY24、パーソナルコンピュータ15接続用のPHY25の3者間で、パケットを送受する。
【0034】
すなわち、MAC装置32は、パーソナルコンピュータ15とスイッチングHUB16間のパケットのやり取りを仲介するほか、マイクロホン20Aから入力された音声信号をコーデック20が符号化することによって得られた音声パケットを受信してスイッチングHUB16に送信したり、CPU22とパーソナルコンピュータ15間で双方向にやり取りされるパケットの仲介処理などを行う機能などを装備している。
【0035】
当該MAC装置32の内部構成は、図1に示す。
【0036】
(A−1−2)MAC装置32の内部構成
図1において、MAC装置32は、2つの要素MAC33,34と、FIFO(先入れ先出しタイプのメモリ)35と、バスインタフェース36とを備えている。
【0037】
このうちバスインタフェース36は、コーデック20やCPU22などに接続されたバスBA1に対するインタフェースである。
【0038】
また、要素MAC33は、FIFO40Aと、優先制御回路41Aと、送受信回路42Aとを備えている。
【0039】
FIFO40Aはバスインタフェース36との間でパケットの受け渡しを行うとともに、送受信回路42Aからパケットを受け取り、優先制御回路41Aにパケットを送出するためのバッファである。
【0040】
優先制御回路41Aは、当該FIFO40Aから送出されるパケット(音声パケット)とFIFO35から送出されるパケットの送信要求が競合した場合、FIFO40Aから送出される音声パケットの方を優先して、当該送信要求に許可を与える制御回路である。この優先制御回路41Aのはたらきにより、音声パケットが優先的に送受信回路42Aから外部に送り出され、当該インターネット電話機31と通話している相手は、音声の途切れのない快適な通話を行うことができる。
【0041】
もう1つの要素MAC34も、この要素MAC33と同じ構成を持ち、FIFO40Bと、優先制御回路41Bと、送受信回路42Bとを備えている。当該FIFO40Bは前記FIFO40Aに対応し、当該優先制御回路41Bは前記優先制御回路41Aに対応し、当該送受信回路42Bは前記送受信回路42Aに対応する。
【0042】
ただし優先制御回路41Bの技術的な意味は、通常、前記優先制御回路41Aと相違する。当該インターネット電話機31とパーソナルコンピュータ15が、電話ソフトを用いた通話を行うようなケースを除き、パーソナルコンピュータ15とインターネット電話機31とのデータ通信におけるリアルタイム性の要求水準は高くなく、これを優先しなかったからといって、上述した音声の途切れのような、ユーザに体感されるほどの顕著な不都合が生じることは考えにくいからである。
【0043】
したがって、優先制御回路41Bの優先制御が、FIFO2から送出されるパケットの送信要求とFIFO35から送出されるパケットの送信要求が競合した場合どちらを優先させるかは、パーソナルコンピュータ15と連動しているアプリケーションが求める通信のリアルタイム性の程度が高いか低いかに応じて変更するようにしてもよい。
【0044】
ただし本実施形態では、第3者とパーソナルコンピュータ15の通信よりも、当該インターネット電話機31とパーソナルコンピュータ15の通信の方を優先するという意味から、FIFO40Bから出された送信要求の方をFIFO35から出された送信要求よりも優先して許可するものとする。
【0045】
基本的には、前記要素MAC33はPHY24を介して接続されたスイッチングHUB16と、バスインタフェース36とを接続する回路であり、当該要素MAC34は、PHY25を介して接続されたパーソナルコンピュータ15と、バスインタフェース36とを接続する回路であるが、FIFO35を介することによって、別な接続関係もサポートする。
【0046】
すなわち、パーソナルコンピュータ15とスイッチングHUB16間のパケット通信も、当該FIFO35を介することにより、要素MAC33,34によってサポートされる。
【0047】
パーソナルコンピュータ15とスイッチングHUB16間の伝送経路をバイパスするのに有効なバッファメモリである当該FIFO35は、FIFO40A等におけるようなパケットフィルタリングは行わず、全てのパケットを蓄積し、優先制御回路41B(または41A)へ送信要求を行い、優先制御回路41B(または41A)からの許可を得て、各送受信回路42A、42Bへパケットを送出する。
【0048】
要素MAC34内の送受信回路42Bは、パーソナルコンピュータ15から当該電話機31に供給されたパケットの宛先アドレスを解釈して、インターネット電話機31宛てであると判定したパケットに関してだけ、アクセプト(accept)信号を能動状態にしてFIFO40Bへの書き込みを許容する。すなわち、送受信回路42Bはフィルタリング(受信フィルタリング機能)を実行して、当該インターネット電話機31宛てのパケットだけがFIFO40Bからバスインタフェース36に供給されるようにする。
【0049】
要素MAC33内の送受信回路42Aも同様のフィルタリングを行い、当該インターネット電話機31宛てのパケットだけがFIFO40Aからバスインタフェース36に供給されるようにする。
【0050】
これらのフィルタリングとバイパス用のFIFO35によって、CPU22は、送信先(アドレス)または送信元(アドレス)が、自インターネット電話機31であるパケットだけを処理すればよくなり、その処理能力を、自身が直接関係する通信のためだけに使用することができる。
【0051】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について説明する。
【0052】
(A−2)第1の実施形態の動作
LAN30内で通信されるパケットのうち、インターネット電話機31が関係するすべてのパケットは、その送信先アドレスD、送信元アドレスGの観点から、図6に示す6種類に分類することができる。
【0053】
図6中、Sは当該インターネット電話機31からみてスイッチングHUB16側、例えば電話機4などを指定するアドレスであり、Iは当該インターネット電話機31自身を指定するアドレスであり、Pはパーソナルコンピュータ15を指定するアドレスである。
【0054】
図6において、パケットP1(S、I)は、送信先がSで送信元がI、すなわちインターネット電話機31がスイッチングHUB16側に向けて送信するパケットを示す。
【0055】
同様に、P2(P、I)は送信先がPで送信元がIのパケットを示し、P3(I、S)は送信先がIで送信元がSのパケットを示し、P4(P、S)は送信先がPで送信元がSのパケットを示し、P5(I、P)は送信先がIで送信元がPのパケットを示し、P6(S、P)は送信先がSで送信元がPのパケットを示す。
【0056】
なお、各パケットP1〜P6のデータ部DTの内容は、通信の目的となるユーザデータであってもよく、当該通信を制御する制御用のデータであってもよい。
【0057】
さて、当該インターネット電話機31のCPU22が、パケットを送信しようとする場合、バスインタフェース36に送信パケットを書き込む。このとき、当該送信パケットは、P1かP2のどちらかである。
【0058】
これを受けてバスインタフェース回路36は、そのデータをFIFO40Aおよび40Bの双方に書き込む。
【0059】
FIFO40A、40Bは、各要素MAC33または34内の優先制御回路42A、42Bに対し、送信要求を行い、優先制御回路41A、41Bからの許可を得た後、送信パケットを送出し始める。
【0060】
送受信回路42A、42Bが外部から受信したパケットに対する上述した受信フィルタリング機能と同様なフィルタリング機能(送信フィルタリング機能)を、内部から外部へ送信する送信パケットに対しても発揮できる場合、当該送信パケットがP1(S、I)なら送受信回路42Aからだけパケットが送信され、送受信回路42Bからはパケットの送信は行われないようにすることも考えられる。
【0061】
しかしながら本実施形態では、インターネット電話機31のハードウエアやソフトウエアを節約するために、そのような送信フィルタリング機能を実装しないものとする。
【0062】
したがって本実施形態では、当該送信パケットP1(S、I)は、本来必要な送受信回路42Aだけでなく送受信回路42Bからも送信され、パーソナルコンピュータ15が当該パケットをフィルタリングすることになる。
【0063】
送信パケットがP2(P、I)の場合もインターネット電話機31内の処理は同様である。そしてこのパケットP2(P、I)を本来受け取るべきパーソナルコンピュータ15は、当該パケットP2を受信処理し、本来受け取るべきでないスイッチングHUB16などはフィルタリング処理を行うことになる。
【0064】
次にインターネット電話機31がパケットを受信する場合について説明する。インターネット電話機31が受信するパケットは、図6のP3〜P6のいずれかである。
【0065】
P3〜P6のうち、HUBポート50に接続された送受信回路42Aが受信するパケットは、P3またはP4である。
【0066】
P3、P4のいずれのパケットを受信した場合でも、送受信回路42Aは、当該受信パケットを、FIFO40Aおよびバイパス用のFIFO35の双方に供給する。
【0067】
FIFO40Aにおいては、当該受信パケットがP3(I、S)である場合、送受信回路42Aがアクセプト信号を能動状態として受信フィルタリングを行わないため、当該受信パケットP3はFIFO40Aからバスインタフェース36に供給される。
【0068】
そしてFIFO35に書き込まれた方の受信パケットP3は、パーソナルコンピュータ15まで到達したあと、パーソナルコンピュータ15によってフィルタリングされて廃棄されることになる。
【0069】
一方、当該受信パケットがP4(P、S)である場合、送受信回路42Aがアクセプト信号を非能動状態として受信フィルタリングを行い、廃棄するため、当該受信パケットP4はFIFO40Aからバスインタフェース36に供給されることはない。
【0070】
そしてFIFO35に書き込まれた方の受信パケットP4は、パーソナルコンピュータ15まで到達したあと、パーソナルコンピュータ15によってフィルタリングされることなく受信処理される。このようにして、インターネット電話機31内のバイパス経路を通ってスイッチングHUB16側からパーソナルコンピュータ15へのパケット転送が行われる。
【0071】
また、送受信回路42Bが受信する受信パケットは、前記P5またはP6のいずれかである。
【0072】
P5、P6のいずれのパケットを受信した場合でも、送受信回路42Bは、当該受信パケットを、FIFO40Bおよびバイパス用のFIFO35の双方に供給する。
【0073】
当該受信パケットがP5(I、P)である場合、送受信回路42BがFIFO40Bに供給するアクセプト信号は能動状態であり、FIFO40Bが当該P5を蓄積するので、当該受信パケットP5はFIFO40Bからバスインタフェース32に供給される。
【0074】
FIFO35を介してスイッチングHUB16側に送信されたパケットP5がスイッチングHUB16などによってフィルタリングされて廃棄される点は、すでに述べた通りである。
【0075】
反対に、当該受信パケットがP6(S、P)である場合、送受信回路42BがFIFO40Bに供給するアクセプト信号は非能動状態であり、FIFO40Bが当該P5を廃棄するので、当該受信パケットP5はFIFO40Bからバスインタフェース32には供給されない。
【0076】
FIFO35に供給され蓄積された受信パケットP6の方は、優先制御回路41A、送受信回路42Aを介してスイッチングHUB16に送信され、スイッチングHUB16のスイッチング機能によって、当該パケットP6の送信先アドレスSの指定する送信先、例えば電話機4に送達される。
【0077】
すなわち、前記パケットP6を転送することにより、インターネット電話機31内のバイパス経路を通ってパーソナルコンピュータ15がスイッチングHUB16側にパケットを送信することができ、前記パケットP4を転送することにより、反対に、インターネット電話機31内のバイパス経路を通ってパーソナルコンピュータ15がスイッチングHUB16側からパケットを受信することができる。
【0078】
(A−3)第1の実施形態の効果
本実施形態によれば、インターネット電話機の様に2ポート程度のスイッチングHUBの機能を内蔵する際にCPU(22)に余計な負荷をかけず、また、高価なスイッチLSI(大規模集積回路)を用いずに、インターネット電話機自体が簡易的なスイッチ動作を行うことが可能になる。
【0079】
また、本実施形態のCPUは、送信先アドレスまたは送信元アドレスが自身を指定するパケットのみを処理すればよいため、処理能力の消費を最小限に抑制することができ、なおかつパーソナルコンピュータは、インターネット電話機(31)を介してスイッチングHUBに接続された他の機器と通信を行うことができる。
【0080】
さらに、本実施形態では、パーソナルコンピュータとCPU間でも、第3者を介することなく直接的にパケット通信を行うことが可能になり、通信の効率が高まる。
【0081】
(B)第2の実施形態
一般のスイッチングHUBでは、HUBポートとそれに接続する機器との間で通信モードのネゴシエーション(MII(Media Independent Interface)マネージメント機能)を行い、最適かつ効率的なデータ伝送が行えるモードを選択する。
【0082】
第1の実施形態のインターネット電話機31に搭載したMAC装置32の機能は、極めて簡易なスイッチングHUBととらえることもできるので、当該MAC装置32がこのような一般的なスイッチングHUBの範疇に属するものとすると、当該電話機31の通信モード設定は、図3に示すように、HUB16側とは100M全二重通信となり、パーソナルコンピュータ15とは10M半二重通信となる。
【0083】
なお、全二重通信とは、送信と受信を同時並列的に行うことができる完全な双方向通信で、半二重通信とは、同時には送信または受信のどちらか一方しか行えないが、これらを時間的に切り替えることによって実現される双方向通信である。
【0084】
HUB16側が100M全二重通信、パーソナルコンピュータ15側が10M半二重通信の設定の下で、仮にパーソナルコンピュータ15と電話機2が通信した場合、電話機2から送信したパケットは電話機31を介してパーソナルコンピュータ15に送られる。
【0085】
ところが、電話機31とパーソナルコンピュータ15との間のスループットは10Mbpsであるため、電話機31−電話機2間の100Mbpsに比べてはるかに小さく、このような通信の継続中は、電話機31内のFIFO35に、送信しきれないパーソナルコンピュータ15宛てのパケットがどんどん蓄積されて行く。
【0086】
また、電話機31とパーソナルコンピュータ15との間の通信が半二重で、電話機31とスイッチングHUB16との間の通信が全二重であることも、このようなスループットのギャップを実質的に拡大する要因である。
【0087】
スイッチングHUB16などの多数のLANポートを搭載した一般のスイッチングHUBでは、この様なことを想定してパケットのオーバーフローが生じない程度の大規模なメモリを搭載することもできる。
【0088】
しかしながら、HUBポート50とパーソナルコンピュータポート51の2つのLANポートしか搭載していない電話機31で、FIFO35の規模をパケットのオーバーフローを防止できる十分な大きさにすると、電話機31の価格が割高なものとなって好ましくない。
【0089】
そこで、本実施形態は、電話機31における2つのLANポートの通信モードを同一に設定して双方のスループットを強制的に均一化することで、小規模なFIFO35を用いてこの問題に対応することを特徴とする。
【0090】
(B−1)第2の実施形態の構成および動作
本実施形態のハードウエア的な構成は第1の実施形態と同じである。
【0091】
したがって、図1、図3、図5はそのまま、本実施形態の説明図ともなっている。
【0092】
すなわち、本実施形態と第1の実施形態は、構成および動作のほとんどが同じである。したがって本実施形態で使用されるパケットも、図6に示したP1〜P6と同じである。
【0093】
以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0094】
実質的にこの相違点は、2つのLANポート50,51に関する通信モードの設定に関連する部分に限られる。
【0095】
本実施形態の通信モード設定に関するフローチャートを図7に示す。
【0096】
このフローチャートは、S1〜S6の6つのステップから構成されている。
【0097】
本実施形態でLANの通信モードを設定するには、上述したMIIマネージメント機能を用いる(IEEE802.3u)。
【0098】
この機能は、LINKが成立した時点で共に接続されたPHY同士が自分の通信能力を伝え合い、最良の通信モードを自動的にネゴシエーションする機能である。MIIインタフェースは物理層の構成に依存しない各種構成に共通のインタフェースである。
【0099】
図7において、電話機31がスイッチングHUBに接続され(S1)、スイッチングHUB16と電話機31のHUBポート50の間でMIIによるネゴシエーションが行われ、通信モードとして100M全二重が選択されたとする(S2)。
【0100】
このネゴシエーションが、例えば電話機31と電話機4のあいだの通信のために行われたものである場合、パーソナルコンピュータ15と電話機31のあいだにはリンクが確立されておらず、100Mbps全二重の当該通信モードで、前記パケットP1(S、I)、P3(I、S)がやり取りされることになる(S3)。
【0101】
一方、このネゴシエーションが、例えばパーソナルコンピュータ15と電話機4のあいだの通信のために行われたものである場合には、ステップS3はスキップされてステップS4に進む。
【0102】
このとき、電話機31とスイッチングHUB16とのあいだだけでなく、パーソナルコンピュータ15と電話機31のあいだにもリンクが確立されており、PCポート(すなわちパーソナルコンピュータポート)51にはPC(パーソナルコンピュータ)15が接続されていることが認識され、ステップS4のY(Yes)側の分岐が選択される。
【0103】
これを受けて、ステップS5においては、MIIマネージメント機能により、パーソナルコンピュータ15と電話機31のあいだの通信モードと、電話機31とスイッチングHUB16のあいだの通信モードが、10M半二重に設定される。
【0104】
そして次のステップS6では、10M半二重で、パーソナルコンピュータ15と電話機4とのあいだの通信が電話機31を介して行われる。
【0105】
この通信ではポート間の通信モードがともに10Mbps、半二重で均一化されているので、パーソナルコンピュータ15と電話機4のあいだでやり取りされる前記パケットP4(P、S)、P6(S、P)がFIFO35に蓄積される量は、必要最小限に抑制され、小容量のFIFO35でもパケットのオーバーフローが生じにくい。
【0106】
(B−2)第2の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同一の効果を得ることができる。
【0107】
加えて、本実施形態では、MAC装置に内蔵されたメモリ容量(FIFO35の容量)を小さくしてもパケットの損失が生じにくく、パケット仲介時の通信品質が高い割に低コストのインターネット電話機を提供することができる。
【0108】
また、メモリ容量を小さくできるということは、MAC装置(32)をLSI化する際に、外付けのメモリを用いず、内蔵された小さなメモリで容易に要求された機能を達成することができるということである。
【0109】
(C)他の実施形態
なお、第1および第2の実施形態では、アップリンクLANポートとパーソナルコンピュータ用のLANポートの双方を装備するインターネット電話機を例に説明したが、本発明はインターネット電話機以外にも適用することができる。
【0110】
例えば、2つのLANポートを搭載したターミナルアダプタなどにも適用可能である。
【0111】
また、搭載するLANポートの数も2つに限定せず、例えば3つ程度であってもかまわない。
【0112】
さらに、LANポートの具体例としては、10BASE−T、100BASE−T等を用いることができるほか、光ファイバ分散インタフェース(FDDI:Fiber Distributed Data Interface)系、100VG−AnyLAN、ATM−LANその他のネットワークに適したポート構成を用いることができる。
【0113】
また、第2の実施形態の要点は、インターネット電話機31の搭載した2つのLANポートの通信モードを均一化したことであるが、当該要点は、インターネット電話機31以外に適用することも可能であり、その場合でも有用性を失わない。
【0114】
例えば、発明が解決しようとする課題の欄で述べた音声パケットの方をコンピュータ通信用パケットよりも優先してコンピュータネットワーク10に送出する電話機1に、この要点を適用してもよく、その場合には、MAC23内のバッファメモリ(電話機31のFIFO40A、40Bに相当する)の容量を低減することが可能になる。
【0115】
すなわち本発明は、ネットワークに接続するための第1のインタフェース手段と、音声パケット送受信用の第2のインタフェース手段と、コンピュータデータ通信用の第3のインタフェース手段と、前記第2のインタフェース手段に接続された中央処理装置とを備えた通信装置、及び、ネットワークに接続するため、データ転送容量に関する条件を含む第1の通信モードで通信し得る第1のインタフェース手段と、音声パケット送受信用の第2のインタフェース手段と、コンピュータデータ通信のため、第1の通信モードに比べて少なくともデータ転送容量が小さな第2の通信モードで通信する第3のインタフェース手段と、第1のインタフェース手段と第3のインタフェース手段の間を伝送されるデータを一時的に蓄積するための一時記憶手段とを備え、第1のインタフェース手段と第3のインタフェース手段を用いて行われるコンピュータデータ通信を仲介し得る通信装置、並びに、これらの通信装置を用いたネットワークについて、広く適用することができる。
【0116】
【発明の効果】
以上に説明したように、第1の発明によれば、低価格、小規模な構成で、簡易的なスイッチ動作を行うことができる。
【0117】
また、第1の発明によれば、第3者を介することなく、なおかつ、通信装置の中央処理装置に余計な負荷をかけることなく、当該通信装置が、収容しているコンピュータ(端末)とデータ通信を行うことも可能になる。
【0118】
さらに、第2の発明によれば、第1のインタフェース手段と第3のインタフェース手段の間を伝送されるデータを一時的に蓄積するための一時記憶手段の容量を小さくしても、データの損失率を低く維持することができ、規模が小さい割に通信品質が高い。
【0119】
また、第3の発明にかかるネットワークは、第1、第2の発明の通信装置が持つ利点を享有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1および第2の実施形態に係るインターネット電話機に内蔵されたMAC装置の内部構成を示す概略図である。
【図2】従来のインターネット電話機の内部構成および動作を示す概略図である。
【図3】従来および実施形態のコンピュータネットワークの全体構成を示す概略図である。
【図4】もう1つの従来のインターネット電話機の内部構成および動作を示す概略図である。
【図5】第1および第2の実施形態にかかるインターネット電話機の内部構成を示す概略図である。
【図6】第1および第2の実施形態にかかるインターネット電話機で処理されるパケットを示す概略図である。
【図7】第2の実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1〜4、31…電話機(インターネット電話機)、10、30…コンピュータネットワーク、11〜14,17…LANケーブル、15…パーソナルコンピュータ端末、16…スイッチングHUB、22…CPU、24,25…PHY、32…MAC装置、33,34…要素MAC、35、40A、40B…FIFO、36…バスインタフェース、41A、41B…優先制御回路、50、51…LANポート。
Claims (4)
- ネットワークに接続するための第1のインタフェース手段と、音声パケット送受信用の第2のインタフェース手段と、コンピュータデータ通信用の第3のインタフェース手段と、前記第2のインタフェース手段に接続された中央処理装置とを備えた通信装置において、
前記第1のインタフェース手段と第2のインタフェース手段を接続する第1の媒体アクセス制御部と、
前記第3のインタフェース手段と第2のインタフェース手段を接続する第2の媒体アクセス制御部と、
当該第2の媒体アクセス制御部の内部と、前記第1の媒体アクセス制御部の内部を接続することで、第1のインタフェース手段と第3のインタフェース手段の間を第2のインタフェース手段を介するよりも短経路で接続するバイパス手段とを備えたことを特徴とする通信装置。 - 請求項1の通信装置において、
前記第1及び第2の媒体アクセス制御部は、
第3のインタフェース手段から供給されるコンピュータデータ通信用のパケットよりも、第2のインタフェース手段から供給される音声パケットを優先して、送出先の第1又は第3のインタフェース手段に送出する優先制御手段を備えることを特徴とする通信装置。 - ネットワークに接続するため、データ転送容量に関する条件を含む第1の通信モードで通信し得る第1のインタフェース手段と、音声パケット送受信用の第2のインタフェース手段と、コンピュータデータ通信のため、第1の通信モードに比べて少なくともデータ転送容量が小さな第2の通信モードで通信する第3のインタフェース手段と、第1のインタフェース手段と第3のインタフェース手段の間を伝送されるデータを一時的に蓄積するための一時記憶手段とを備え、第1のインタフェース手段と第3のインタフェース手段を用いて行われるコンピュータデータ通信を仲介し得る通信装置において、
前記第3のインタフェース手段に接続されたコンピュータ端末とネットワークとの間で、前記コンピュータデータ通信が行われる際には、前記第1の通信モードを第2の通信モードに対応させるように変更する通信モード変更手段を備えたことを特徴とする通信装置。 - 請求項1〜3のいずれかの通信装置と、
当該通信装置の第1のインタフェース手段に接続された集線装置と、
当該通信装置の第3のインタフェース手段に接続された通信用のコンピュータ端末とを備えることを特徴とするネットワーク。
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