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JP4037164B2 - 手書き文字の対応点マッチング方法、装置及びプログラム - Google Patents
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JP4037164B2 - 手書き文字の対応点マッチング方法、装置及びプログラム - Google Patents

手書き文字の対応点マッチング方法、装置及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力データを形成する所定の時間間隔で順次取り込んだ手書き途中の文字の座標情報を含むデータと、あらかじめ登録したモデルデータを形成するデータとの間のマッチングをおこなう手書き文字の対応点マッチング方法、装置およびプログラムに関し、特に、オンラインサイン照合をおこなう場合に、座標情報を用いて入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータのマッチングを正確かつ迅速にとることができる手書き文字の対応点マッチング方法、装置及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タブレット上で描かれる時系列の電子ペンの位置情報(以下、「入力データ」と言う)等を所定の時間間隔で取り込み、この入力データとあらかじめ登録した時系列の電子ペンの位置情報(以下、「モデルデータ」と言う)を照合するオンラインサイン照合技術が知られている。このオンラインサイン照合技術では、手書き途中の座標情報、筆圧、速度および電子ペンの傾きなどの各種情報をオンラインで順次取り込み、取り込んだ情報を利用してサインが本人のものであるかどうかを調べる技術である。
【0003】
かかるオンラインサイン照合をおこなう際に、入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータを対応付ける必要があるので、音声認識などで用いられているDPマッチングによりデータ間の対応付けをおこなうことが考えられる。
【0004】
たとえば、特開平2−263275号公報には、複数の入力データ間の累積誤差をDPマッチングによる歪関数として求め、この歪関数によって入力データを形状平均そして時間歪平均することにより、入力データを平均化し、本人の特徴をシャープにとらえた仮想的なモデルデータを取得することができる手書き文字の登録パターン作成方式が開示されている。この先行技術は、モデルデータを作成するためのものであるが、この先行技術のDPマッチングの考え方を用いることにより、入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータを対応付けることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際に手書き文字を書く場合に、同じように書いたつもりであってもかなりのばらつきが生じるので、この先行技術を応用してDPマッチングをおこなったとしても、入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータを正確に対応付けることができない。
【0006】
特に、手書き文字の場合には、サイズが異なったり位置ずれが生じやすく、また部分的に間延びしたり位置がずれるという状況が発生するので、単にDPマッチングを用いたとしても、正確にデータを対応付けることができない。
【0007】
その結果、手書き文字の認識精度の劣化を招くことになるので、いかにして入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータを正確に対応付けるかが極めて重要な課題となっている。なお、電子ペンの傾きや速度などの情報を用いれば、比較的正確な対応付けが可能となるが、座標情報以外の情報を用いると、データの対応付けを迅速におこなうことが難しいので、座標情報のみを利用して各点の対応付けをおこなうことが望ましい。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点(課題)を解消するためになされたものであって、オンラインサイン照合をおこなう場合に、座標情報を用いて入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータのマッチングを正確かつ迅速にとることができる手書き文字の対応点マッチング方法、装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る手書き文字の対応点マッチング方法は、入力データを形成する所定の時間間隔で順次取り込んだ手書き途中の文字の座標情報を含むデータと、あらかじめ登録したモデルデータを形成するデータとの間のマッチングをおこなう手書き文字の対応点マッチング装置における対応点マッチング方法であって、前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付け処理をおこなう対応付け処理工程と、前記入力データを前記モデルデータに適合するように線形変換するための時変の変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定処理する変換パラメータ推定工程とを含んだことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明に係る手書き文字の対応点マッチング方法は、請求項1の発明において、前記対応付け処理工程は、時系列のベクトルの対応付けをおこなうDPマッチングにより前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付けをおこなうことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明に係る手書き文字の対応点マッチング方法は、請求項1または2の発明において、前記変換パラメータ推定工程は、前記入力データが前記モデルデータに比して縦横同じ倍率で拡大または縮小された場合に機能する第1の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して水平方向に移動した場合に機能する第2の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して垂直方向に移動した場合に機能する第3の変換パラメータとを推定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項の発明に係る手書き文字照合方法は、手書き途中の文字の座標情報を含むデータを所定の時間間隔で順次取り込んだ入力データと、あらかじめ登録したモデルデータとの照合をおこなう手書き文字照合装置における手書き文字照合方法であって、前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付け処理をおこなう対応付け処理工程と、前記入力データを前記モデルデータに適合するように線形変換するための変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定処理する変換パラメータ推定工程と、前記変換パラメータ推定工程により推定された変換パラメータに基づいて、前記入力データと前記モデルデータの照合をおこなう照合工程とを含んだことを特徴とする。
【0014】
また、請求項の発明に係る手書き文字照合方法は、請求項の発明において、前記照合工程は、前記変換パラメータ推定工程により推定された変換パラメータの時系列ごとの変動が、所定の変動幅よりも小さな場合には前記入力データの筆記者が前記モデルデータの筆記者と同一人であると判定し、前記変動が所定の変動幅以上の場合には、前記入力データの筆記者が前記モデルデータの筆記者と他人であると判定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項の発明に係る手書き文字の対応点マッチング装置は、入力データを形成する所定の時間間隔で順次取り込んだ手書き途中の文字の座標情報を含むデータと、あらかじめ登録したモデルデータを形成するデータとの間のマッチングをおこなう手書き文字の対応点マッチング装置であって、前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付けをおこなう対応付け処理手段と、前記入力データを前記モデルデータに適合するように線形変換するための時変の変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定する変換パラメータ推定手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項の発明に係る手書き文字の対応点マッチング装置は、請求項の発明において、前記対応付け処理手段は、時系列のベクトルの対応付けをおこなうDPマッチングにより前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付けをおこなうことを特徴とする。
【0017】
また、請求項の発明に係る手書き文字の対応点マッチング装置は、請求項6または7の発明において、前記変換パラメータ推定手段は、前記入力データが前記モデルデータに比して縦横同じ倍率で拡大または縮小された場合に機能する第1の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して水平方向に移動した場合に機能する第2の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して垂直方向に移動した場合に機能する第3の変換パラメータとを推定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項の発明に係る手書き文字の対応点マッチングプログラムは、入力データを形成する所定の時間間隔で順次取り込んだ手書き途中の文字の座標情報を含むデータと、あらかじめ登録したモデルデータを形成するデータとの間のマッチングをおこなう手書き文字の対応点マッチング装置に用いる対応点マッチングプログラムであって、前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付け処理をおこなう対応付け処理手順と、前記入力データを前記モデルデータに適合するように線形変換するための時変の変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定処理する変換パラメータ推定手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
また、請求項10の発明に係る手書き文字の対応点マッチングプログラムは、請求項の発明において、前記対応付け処理手順は、時系列のベクトルの対応付けをおこなうDPマッチングにより前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付けをおこなうことを特徴とする。
【0021】
また、請求項11の発明に係る手書き文字の対応点マッチングプログラムは、請求項9または10の発明において、前記変換パラメータ推定手順は、前記入力データが前記モデルデータに比して縦横同じ倍率で拡大または縮小された場合に機能する第1の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して水平方向に移動した場合に機能する第2の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して垂直方向に移動した場合に機能する第3の変換パラメータとを推定することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る手書き文字の対応点マッチング方法、装置及びプログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、タブレットからは手書き途中の電子ペンの座標データが出力されるものとし、この電子ペンの座標データを用いて対応付けをおこなう場合を示すこととする。
【0024】
図1は、本実施の形態に係る対応点マッチング処理部を有するサイン照合装置10の全体構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このサイン照合装置10は、タブレット11と、モデルデータ記憶部12と、対応点マッチング処理部13と、真偽判定処理部14とからなる。ここで、このサイン照合装置10は、モデルデータを登録する登録モードと、入力データの照合をおこなう照合モードとを有し、かかるモード選択は図示しないスイッチなどで切り換えられるものとする。
【0025】
タブレット11は、ペンで書く、描く、指示する、操作するなどの機能を提供するペン入力インターフェースの一つであり、電子ペンを用いて手書き文字を書く際の紙に該当するものである。このタブレットは、所定の時間間隔で電子ペンの座標データ以外に、電子ペンの筆圧、傾きおよび速度などのデータ(4次元あるいは5次元程度のベクトル)を取得することができる。
【0026】
モデルデータ記憶部12は、タブレット11で取得された電子ペンの座標データ、筆圧、傾きおよび速度などを含む元データを記憶する記憶部であり、具体的には、登録モード時にタブレット11上で電子ペンが操作されると、この操作に係る時系列の座標データなどがモデルデータ記憶部12に格納される。なお、対応付け処理部13aは、このモデルデータ記憶部12に格納されたデータのうちの座標データのみを読み取り、真偽判定処理部14は、座標データ以外の筆圧、傾きおよび速度などを読み取ることになる。
【0027】
対応点マッチング処理部13は、照合モード時に受け付けた入力データを形成するデータとモデルデータ記憶部12に格納されたモデルデータを形成するデータ(座標データのみ)のマッチングをとる処理部である。この対応点マッチング処理部13は、筆記の際に部分部分の間隔が変動したり、次第に上下に移動したり、文字が部分的に拡大縮小したような場合であっても、部分部分で線形変換のパラメータを可変にすればこれらを吸収することができる点に着目して時変線形変換を導入するとともに、これらのパラメータを推定しつつ対応付け処理を繰り返すことにより、正確かつ迅速に対応付けをおこなえるようにしている。
【0028】
図1に示すように、この対応点マッチング処理部13は、DPマッチングにより入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータの対応付けをおこなう対応付け処理部13aと、時変線形変換のパラメータを推定する変換パラメータ推定部13bとからなる。なお、この対応付け処理部13aは請求項7の対応付け処理手段に対応し、変換パラメータ推定部13bは請求項7の変換パラメータ推定手段に対応する。
【0029】
ここで、この対応付け処理部13aがおこなうDPマッチングとは、入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータの座標データの誤差をともにして最も誤差が小さくなるような対応関係を求めるために用いる動的マッチングの一手法である。
【0030】
また、変換パラメータ推定部13bは、その詳細については後述するが、カルマンフィルタによる「固定区間スムーザ」を用いて変換パラメータを推定する。具体的には、入力データを形成するデータの座標をp(t),q(t)とし、モデルデータを形成するデータの座標をx(t),y(t)とした場合に、
p(t)=a(t)x(t)+b(t)
q(t)=a(t)y(t)+c(t)
という式で示される時変線形変換を導入する。ここで、a(t)は、入力データがモデルデータに比して縦横同じ倍率で拡大または縮小された場合の時変の変換パラメータであり、b(t)は、入力データがモデルデータに比して水平方向に移動した場合の時変の変換パラメータであり、c(t)は、入力データがモデルデータに比して垂直方向に移動した場合の時変の変換パラメータである。
【0031】
このため、この変換パラメータ推定部13bでは、上記a(t)、b(t)およびc(t)を推定することになる。なお、これらのDPマッチングによる対応付けと変換パラメータの推定は、変換パラメータの値が収束するまで繰り返される。
【0032】
真偽判定処理部14は、入力データの筆記者がモデルデータの筆記者と同一人であるか否かを判定する処理部である。具体的には、この真偽判定処理部14では、対応点マッチング処理部13により位置合わせされた後に、モデルデータ記憶部12に記憶した筆圧や電子ペンの速度などの座標データ以外の元データ(たとえば5次元ベクトル)を用いて、2つのベクトル間の誤差(ユークリッド距離や他の距離関数による求まる距離)を求め、この誤差を使って真偽判定することになる。
【0033】
ただし、この真偽判定処理部14は、変換パラメータ推定部13bにより推定された変換パラメータの時系列ごとの変動などを用いて、真偽判定することもできる。たとえば、推定された変換パラメータの時系列ごとの変動が、所定の変動幅よりも小さな場合には入力データの筆記者がモデルデータの筆記者と同一人であると判定し、この変動が所定の変動幅以上の場合には、入力データの筆記者がモデルデータの筆記者と他人であると判定する。ただし、かかる変換パラメータには冗長性があるので、上記座標データ以外の元データを併用して真偽判定することが望ましい。
【0034】
次に、図1に示したサイン照合装置10による照合モード時の処理手順について説明する。図2は、図1に示したサイン照合装置10による照合モード時の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、このサイン照合装置10は、対応点マッチング処理部13がタブレット11から入力データを受け取ったならば(ステップS101)、対応付け処理部13aがモデルデータ記憶部12からモデルデータを読み込み(ステップS102)、DPマッチングによる対応付けをおこなう(ステップS103)。
【0035】
その後、変換パラメータ推定部13bは、後述するカルマンフィルタによる固定区間スムーザを用いて変換パラメータa(t)、b(t)およびc(t)を推定し(ステップS104)、これらの変換パラメータが収束したかどうかを確認する(ステップS105)。
【0036】
そして、変換パラメータが収束していない場合には(ステップS105否定)、上記ステップS103に移行してDPマッチングによる対応付けおよび変換パラメータa(t)、b(t)およびc(t)の推定を繰り返し、変換パラメータが収束した場合には(ステップS105肯定)、真偽判定処理部14による真偽判定処理をおこなう(ステップS106)。
【0037】
次に、図1に示した変換パラメータ推定部13bによる変換パラメータの推定概念について具体的に説明する。すでに説明した時変線形変換を行列またはベクトルで表現すると、
【数1】
Figure 0004037164
となる。なお、z(t)に含まれる(p(t),q(t))は時刻tにおける入力データの値であり、H(t)に含まれる(x(t),y(t))は、モデルデータの値であり、これらの値はすべて既知である。また、s(t)に含まれる各変換パラメータ(a(t),b(t),c(t))は動的に変化する未知パラメータである。
【0038】
ここで、あまりに大きな変動を認めると、早い段階で一気に近い点に結びついてしまうため、字形がきっちりと形成されないような対応になってしまうという不具合が生ずる。そこで、本実施の形態では、変動を小さくすることによって少しずつ字形に近づけることに着目し、各変換パラメータa(t),b(t),c(t)をいきなり変化させるのではなく、
s(t+1)=s(t)+w(t) …(2)式
という変換パラメータを徐々に変化させるシステム方程式を採用する。ここで、s(t)は(1)式に現れるパラメータベクトルであり、w(t)は同じ次元の雑音成分である。
【0039】
上記(1)式と(2)式においてs(t)を推定する問題は、カルマンフィルタによる「固定区間スムーザ」であり、下記に示す式を用いて容易に計算することができる。ただし、「’」は推定値を意味し、括弧内の縦棒(ストローク)の前の値は推定される時刻を示し、ストロークの後ろの値は最終データの番号である。つまりs’(t+1|t)はsのワンステップ予測値であり、s’(t|t)はフィルタ推定値(ろ波推定値)であり、s’(t|N)は時刻tまでのすべてのデータが分かったときの途中の時刻tにおけるsの推定値すなわちスムージング推定値(この場合はNが固定なので固定区間スムーザと言う)である。Rはe(t)の共分散行列であり、Qはw(t)の共分散行列である。なお、このRは対角行列であり、パラメータの変化で説明できない誤差をここに持たせることになるが、適当な小さめの値にすれば良い。Qは、対角行列であり、何もかもを吸収するほどにパラメータの変動を防ぐために、小さな値とする必要がある。
【0040】
これにより、カルマンフィルタは、
【数2】
Figure 0004037164
の算定式により求めることができ、固定区間スムーザは、
【数3】
Figure 0004037164
の算定式により求められる。
【0041】
次に、この変換パラメータ推定部13bによる変換パラメータの推定処理手順についてさらに具体的に説明する。図3は、図2のステップS104に示した変換パラメータ推定部13bによる変換パラメータの推定処理手順を示すフローチャートである。
【0042】
図3に示すように、まず入力データのデータとモデルデータのデータとが1対Nの関係にあるような場合に、これを1対1の関係となるようにベクトルを作成した後(ステップS201)、t=0の時の初期値を入力して誤差の設定をおこない(ステップS202)、t=0と初期化する(ステップS203)。
【0043】
その後、上記(3)式に示したカルマンフィルタを用いてt=t+1の時の各パラメータを推定した後(ステップS204)、tをインクリメントし(ステップS205)、t=Nとなるまでかかる処理を繰り返す(ステップS206)。
【0044】
その後、いわゆる後ろ向きアルゴリズムと呼ばれる処理をおこなう。具体的には、t=Nとした後(ステップS207)、上記(4)式を用いて各パラメータのスムージング推定をおこない(ステップS208)、tをデクリメントする(ステップS209)一連の処理をt=0となるまで繰り返し(ステップS210)、t=0となった時点で(ステップS210肯定)、データ変換すなわち補正をおこなう(ステップS211)。
【0045】
上記カルマンフィルタおよび後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた一連の処理をおこなうことにより、変換パラメータa(t)、b(t)、c(t)を推定することが可能となる。
【0046】
次に、上記ステップS211のデータ変換(補正)をおこなった実例について説明する。図4および図5は、対応点マッチング処理部13による補正前後の一例を示す図である。
【0047】
具体的には、図4(a)は、図中に破線で示す入力データ42が実線で示すモデルデータ41に比べて斜めにずれている例を示しており、同図(b)は、この場合における2つのデータ間の対応点をプロットした図である。すなわち、横軸にモデルデータの時間軸をとり、このモデルデータを仮に入力データとした場合の時間軸を縦軸にとると、図中の実線43に示すようにモデルデータ41は直線となる。これに対して、横軸をモデルデータ41の時間軸とし、縦軸を入力データ42の時間軸とすると、図中の破線44に示すように破線43とかなり異なる軌跡となる。
【0048】
これに対して、この入力データ42を補正すると図4(c)および(d)に破線で示すように補正後の入力データ45は、かなりモデルデータ41に近づき、局所的な変形がかなり改善されていることが分かる。
【0049】
また、図5(a)は、図中に破線で示す入力データ51が実線で示すモデルデータ41に比べて文字サイズが大きい場合を示しており、同図(b)は、この場合における2つのデータ間の対応点をプロットした図を示している。同図(b)に示すように、この場合にも図中に示す入力データ51に対応する破線52は、モデルデータ41に対応する実線43から部分的にずれた軌跡となる。
【0050】
これに対して、この入力データ51を補正すると図5(c)および(d)に破線で示すように補正後の入力データ53は、かなりモデルデータ41に近づき、局所的な変形がかなり改善されていることが分かる。
【0051】
次に、図1に示した変換パラメータ推定部13bで推定された変換パラメータの変動推移の一例について説明する。図6は、図1に示した変換パラメータ推定部13bで推定された変換パラメータの変動推移の一例を示す図である。ここでは、3種類の変換パラメータa(t),b(t),c(t)のうちのb(t)の変動推移を示している。
【0052】
モデルデータを入力データとした場合には、モデルデータと入力データが完全に一致することになるので、図中に一点破線で示したように変換パラメータb(t)は常に0となる。
【0053】
そして、本人(モデルデータの筆記者)が書いた入力データを受け付けた場合には、図中に実線で示したように変換パラメータb(t)は−20〜+20の変動範囲に収まる傾向にある。なお、図中の縦軸のプラス側は左側への変動を意味し、マイナス側は右側への変動を意味する。これに対して、他人が書いた入力データを受け付けた場合には、図中に破線で示したように変動パラメータb(t)は変動範囲が大きくなる傾向にある。なお、ここでは変動パラメータb(t)について着目したが、変動パラメータa(t)およびc(t)についても同様の傾向が見られる。
【0054】
これらのことから、図1に示した真偽判定処理部14は、かかる変動パラメータの変動幅が所定のしきい値を越えるか否かを判定して、本人のサインであるか他人のサインであるかを判定することができる。
【0055】
上述してきたように、本実施の形態では、対応点マッチング処理部13がタブレット11から入力データを受け取ると、モデルデータ記憶部12に記憶したモデルデータを取り出し、対応付け処理部13aによるDPマッチングによる対応付けと変換パラメータ推定部13bによるカルマンフィルタを用いた固定区間スムーザを用いた変換パラメータの推定を繰り返し、入力データとモデルデータのマッチングをとるよう構成したので、オンラインサイン照合をおこなう場合に、座標情報を用いて入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータのマッチングを正確かつ迅速にとることができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、タブレット11から取得し得る情報のうち電子ペンの座標情報を用いて対応付けをおこなう場合について説明したが、電子ペンの速度や傾きなどを併用して対応付けをおこなうこともできる。
【0057】
また、本実施の形態では、変換パラメータを推定する際にカルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを併用する場合について説明することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、後ろ向きアルゴリズムを用いないカルマンフィルタのみでも変換パラメータを推定することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータの対応付け処理と、入力データをモデルデータに適合するように線形変換するための時変の変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定する処理とをおこなうよう構成したので、オンラインサイン照合をおこなう場合に、座標情報を用いて入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータのマッチングを正確かつ迅速にとることが可能な手書き文字の対応点マッチング方法が得られるという効果を奏する。
【0059】
また、請求項2の発明によれば、時系列のベクトルの対応付けをおこなうDPマッチングにより入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータの対応付けをおこなうよう構成したので、効率良く動的にマッチングをとることが可能な手書き文字の対応点マッチング方法が得られるという効果を奏する。
【0060】
また、請求項3の発明によれば、入力データがモデルデータに比して縦横同じ倍率で拡大または縮小された場合に機能する第1の変換パラメータと、入力データが前記モデルデータに比して水平方向に移動した場合に機能する第2の変換パラメータと、入力データがモデルデータに比して垂直方向に移動した場合に機能する第3の変換パラメータとを推定するよう構成したので、入力データがモデルデータに比して局所的に平行移動および回転している場合であっても、正確にマッチングさせることが可能な手書き文字の対応点マッチング方法が得られるという効果を奏する。
【0061】
また、請求項4の発明によれば、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより変換パラメータを推定するよう構成したので、効率良く変換パラメータを推定することが可能な手書き文字の対応点マッチング方法が得られるという効果を奏する。
【0062】
また、請求項の発明によれば、入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータの対応付け処理と、入力データをモデルデータに適合するように線形変換するための変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定する処理とをおこない、推定された変換パラメータに基づいて入力データとモデルデータの照合をおこなうよう構成したので、変換パラメータを最大限に利用して正確かつ迅速に手書き文字を照合することが可能な手書き文字照合方法が得られるという効果を奏する。
【0063】
また、請求項の発明によれば、推定された変換パラメータの時系列ごとの変動が、所定の変動幅よりも小さな場合には入力データの筆記者がモデルデータの筆記者と同一人であると判定し、この変動が所定の変動幅以上の場合には、入力データの筆記者がモデルデータの筆記者と他人であると判定するよう構成したので、変換パラメータを用いて効率良く手書き文字を照合することが可能な手書き文字照合方法が得られるという効果を奏する。
【0064】
また、請求項の発明によれば、入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータの対応付けと、入力データをモデルデータに適合するように線形変換するための時変の変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定する処理とをおこなうよう構成したので、オンラインサイン照合をおこなう場合に、座標情報を用いて入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータのマッチングを正確かつ迅速にとることが可能な手書き文字の対応点マッチング装置が得られるという効果を奏する。
【0065】
また、請求項の発明によれば、時系列のベクトルの対応付けをおこなうDPマッチングにより入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータの対応付けをおこなうよう構成したので、効率良く動的にマッチングをとることが可能な手書き文字の対応点マッチング装置が得られるという効果を奏する。
【0066】
また、請求項の発明によれば、入力データがモデルデータに比して縦横同じ倍率で拡大または縮小された場合に機能する第1の変換パラメータと、入力データが前記モデルデータに比して水平方向に移動した場合に機能する第2の変換パラメータと、入力データがモデルデータに比して垂直方向に移動した場合に機能する第3の変換パラメータとを推定するよう構成したので、入力データがモデルデータに比して局所的に平行移動および回転している場合であっても、正確にマッチングさせることが可能な手書き文字の対応点マッチング装置が得られるという効果を奏する。
【0068】
また、請求項の発明によれば、入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータの対応付け処理と、入力データをモデルデータに適合するように線形変換するための時変の変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定する処理とをおこなうよう構成したので、オンラインサイン照合をおこなう場合に、座標情報を用いて入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータのマッチングを正確かつ迅速にとることが可能な手書き文字の対応点マッチングプログラムが得られるという効果を奏する。
【0069】
また、請求項10の発明によれば、時系列のベクトルの対応付けをおこなうDPマッチングにより入力データを形成するデータとモデルデータを形成するデータの対応付けをおこなうよう構成したので、効率良く動的にマッチングをとることが可能な手書き文字の対応点マッチングプログラムが得られるという効果を奏する。
【0070】
また、請求項11の発明によれば、入力データがモデルデータに比して縦横同じ倍率で拡大または縮小された場合に機能する第1の変換パラメータと、入力データが前記モデルデータに比して水平方向に移動した場合に機能する第2の変換パラメータと、入力データがモデルデータに比して垂直方向に移動した場合に機能する第3の変換パラメータとを推定するよう構成したので、入力データがモデルデータに比して局所的に平行移動および回転している場合であっても、正確にマッチングさせることが可能な手書き文字の対応点マッチングプログラムが得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る対応点マッチング処理部を有するサイン照合装置の全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示したサイン照合装置による照合モード時の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS104に示した変換パラメータ推定部による変換パラメータの推定処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図1に示した対応点マッチング処理部による補正前後の一例を示す図である。
【図5】図1に示した対応点マッチング処理部による補正前後の一例を示す図である。
【図6】図1に示した変換パラメータ推定部で推定された変換パラメータの変動推移の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 サイン照合装置
11 タブレット
12 モデルデータ記憶部
13 対応点マッチング処理部
13a 対応付け処理部
13b 変換パラメータ推定部
14 真偽判定処理部

Claims (11)

  1. 入力データを形成する所定の時間間隔で順次取り込んだ手書き途中の文字の座標情報を含むデータと、あらかじめ登録したモデルデータを形成するデータとの間のマッチングをおこなう手書き文字の対応点マッチング装置における対応点マッチング方法であって、
    前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付け処理をおこなう対応付け処理工程と、
    前記入力データを前記モデルデータに適合するように線形変換するための時変の変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定処理する変換パラメータ推定工程と
    を含んだことを特徴とする手書き文字の対応点マッチング方法。
  2. 前記対応付け処理工程は、時系列のベクトルの対応付けをおこなうDPマッチングにより前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付けをおこなうことを特徴とする請求項1に記載の手書き文字の対応点マッチング方法。
  3. 前記変換パラメータ推定工程は、前記入力データが前記モデルデータに比して縦横同じ倍率で拡大または縮小された場合に機能する第1の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して水平方向に移動した場合に機能する第2の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して垂直方向に移動した場合に機能する第3の変換パラメータとを推定することを特徴とする請求項1または2に記載の手書き文字の対応点マッチング方法。
  4. 手書き途中の文字の座標情報を含むデータを所定の時間間隔で順次取り込んだ入力データと、あらかじめ登録したモデルデータとの照合をおこなう手書き文字照合装置における手書き文字照合方法であって、
    前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付け処理をおこなう対応付け処理工程と、
    前記入力データを前記モデルデータに適合するように線形変換するための変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定処理する変換パラメータ推定工程と、
    前記変換パラメータ推定工程により推定された変換パラメータに基づいて、前記入力データと前記モデルデータの照合をおこなう照合工程と
    を含んだことを特徴とする手書き文字照合方法。
  5. 前記照合工程は、前記変換パラメータ推定工程により推定された変換パラメータの時系列ごとの変動が、所定の変動幅よりも小さな場合には前記入力データの筆記者が前記モデルデータの筆記者と同一人であると判定し、前記変動が所定の変動幅以上の場合には、前記入力データの筆記者が前記モデルデータの筆記者と他人であると判定することを特徴とする請求項4に記載の手書き文字照合方法。
  6. 入力データを形成する所定の時間間隔で順次取り込んだ手書き途中の文字の座標情報を含むデータと、あらかじめ登録したモデルデータを形成するデータとの間のマッチングをおこなう手書き文字の対応点マッチング装置であって、
    前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付けをおこなう対応付け処理手段と、
    前記入力データを前記モデルデータに適合するように線形変換するための時変の変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定する変換パラメータ推定手段と
    を備えたことを特徴とする手書き文字の対応点マッチング装置。
  7. 前記対応付け処理手段は、時系列のベクトルの対応付けをおこなうDPマッチングにより前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付けをおこなうことを特徴とする請求項に記載の手書き文字の対応点マッチング装置。
  8. 前記変換パラメータ推定手段は、前記入力データが前記モデルデータに比して縦横同じ倍率で拡大または縮小された場合に機能する第1の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して水平方向に移動した場合に機能する第2の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して垂直方向に移動した場合に機能する第3の変換パラメータとを推定することを特徴とする請求項6または7に記載の手書き文字の対応点マッチング装置。
  9. 入力データを形成する所定の時間間隔で順次取り込んだ手書き途中の文字の座標情報を含むデータと、あらかじめ登録したモデルデータを形成するデータとの間のマッチングをおこなう手書き文字の対応点マッチング装置に用いる対応点マッチングプログラムであって、
    前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付け処理をおこなう対応付け処理手順と、
    前記入力データを前記モデルデータに適合するように線形変換するための時変の変換パラメータを、カルマンフィルタと後ろ向きアルゴリズムを組み合わせた固定区間スムーザにより推定処理する変換パラメータ推定手順と
    をコンピュータに実行させることを特徴とする手書き文字の対応点マッチングプログラム。
  10. 前記対応付け処理手順は、時系列のベクトルの対応付けをおこなうDPマッチングにより前記入力データを形成するデータと前記モデルデータを形成するデータの対応付けをおこなうことを特徴とする請求項に記載の手書き文字の対応点マッチングプログラム。
  11. 前記変換パラメータ推定手順は、前記入力データが前記モデルデータに比して縦横同じ倍率で拡大または縮小された場合に機能する第1の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して水平方向に移動した場合に機能する第2の変換パラメータと、前記入力データが前記モデルデータに比して垂直方向に移動した場合に機能する第3の変換パラメータとを推定することを特徴とする請求項9または10に記載の手書き文字の対応点マッチングプログラム。
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