JP4037446B2 - 非自己不活化性の発現標的化レトロウイルスベクタ - Google Patents
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Description
発明の背景
レトロウイルスベクタを遺伝子治療に使用することは、これまでに多大な注目を集めてきているが、現在のところ、レトロウイルスベクタの使用は、アメリカ合衆国及びヨーロッパで承認されている種々のプロトコールにおいて、治療用遺伝子の運搬に関しての選択すべき方法である(kotani et al.,1994)。しかしながら、これらのプロトコールの多くにおいては、治療用遺伝子を有するレトロウイルスによる標的細胞の感染をin vitroで行う必要があり、次いでうまく感染した細胞を、影響を受けている患者へ戻すことが必要となる(Rosenberg et al.,1992;レビューに関しては、Anderson et al.,1992を参照されたし)。このような生体外(exvivo)遺伝子治療のプロトコールは、その標的となる細胞(例:リンパ球)が容易に単離できる医学的症状の処置にとって理想的である。更に、標的細胞の生体外感染を、使用する前に厳密に安全性が確かめられた、多量の濃縮ウイルスで行うことが可能である。
標的細胞が容易に単離でき、培養されて、再導入されるのは、残念ながら遺伝子治療の可能な対象のほんの一部でしかない。更に、生体外遺伝子治療での高額な費用と複雑な技術により、世界規模での使用が阻まれている。将来における、容易で対費用効果のよい遺伝子治療には、ウイルスベクタや、ウイルスベクタを産生する細胞を、患者に対して注射するか、またはレトロウイルスベクタ産生細胞の簡単な移植を行うといったどちらかの形態で直接的に投与する、in vivo的方法が必要とされるであろう。この種のin vivo的方法ではもちろん、多種の問題が生じる。何よりも第一に、安全性に関しての考慮がなされなくてはならない。ウイルスが、おそらくウイルス産生細胞より産生されるが、この産生されたウイルスを予め調べることはできない。このような系を使用する際には、危険性があることを知っておくことと、またこの危険性を低減させる新たな系を作りだすことを知っておくことも同様に重要である。
レトロウイルスベクタ系は、以下の二つの組成物よりなっている(図1)。
1)レトロウイルスベクタはそれ自体で修飾済みレトロウイルス(ベクタプラスミド)であり、この中で、ウイルスタンパク質をコードしている遺伝子が、標的細胞へ形質移入される治療用遺伝子、及びマーカ遺伝子と置換されている。ウイルスタンパク質をコードする遺伝子を置換すると、ウイルスを効果的に不具にするので、修飾済みウイルスで損なわれているウイルスタンパク質を提供する系内の第二の組成物でレスキューする必要がある。
第二の組成物とは、
2)多量のウイルス性タンパク質を産生するが、複製適格性(replicationcompetent)のウイルスを産生する能力がない細胞株である。この細胞株は、パッケージング細胞株として知られていて、また修飾済みウイルスベクタをパッケージングさせることが可能な遺伝子を有する、第二のプラスミドで形質移入されている細胞株からなるものである。パッケージングされたベクタを産生するには、ベクタプラスミドをパッケージング細胞株へ形質移入する。この条件下では、挿入された治療用遺伝子及び標識遺伝子を含んだ、修飾済みレトロウイルスのゲノムは、ベクタプラスミドから転写されて、修飾済みのウイルス粒子(組み換えウイルス粒子)内へパッケージングされる。この組み換えウイルス粒子を次いで、標的細胞へ感染に使用して、ベクタゲノムと、運搬されるどのような標識遺伝子及び治療用遺伝子もが標的細胞のDNAへ挿入される。このような組み換えウイルス粒子に感染した細胞は、これらの細胞内にウイルスタンパク質が全くないため、新たなベクタウイルスを産生することができない。しかしながら、治療用遺伝子、及び標識遺伝子を有するベクタのDNAは、細胞のDNAへ挿入されて、今度は感染細胞内で発現できるようになる。感染細胞のゲノム中では、レトロウイルスのプロウイルスの形で、本質的にランダムな挿入がおこることから、挿入活性化によって、数多くの細胞性プロトオンコジーンが同定されるに至った(Varmus,1988;van Lohuizen and Berns,1990)。予め存在していたその他の医学的症状の治療を目的とした治療用遺伝子を有するレトロウイルスベクタで治療した患者において、同様の機序で癌が引き起こされる可能性により、倫理的な問題が再発した。多くの研究者達は、現在使用されているような複製不適格性レトロウイルスが、細胞の増殖を制御するのに関わる細胞性遺伝子内、またはその近傍へ組み込まれることの可能性は、極端に低いと認めるであろう。しかしながら、一般的にはさらに、単一の感染で複製適格性のレトロウイルスのポピュレーションが爆発的におこると十分な組み込みがおこり、結果としてこのような表現型の組み込みが非常に現実的なものとなる。
レトロウイルスベクタ系は、複製適格性のウイルスが存在する可能性を最小限にするように最適化される。しかしながら、レトロウイルス系の構成物の間での組み換えにより、潜在的に病原性のある複製適格性ウイルスが産生されることについては、よく考証されていて、この組み換えの危険性を減少させる、数多くのベクタ系が構築されている(レビュー:Salmons and Gunzburg,1993)。
in vivoでの遺伝子治療を考える際に更に、安全性、及び純粋な実用上の観点から考慮すべきことは、レトロウイルスベクタの標的化である。ベクタが有する治療用遺伝子は全ての組織及び細胞で無差別的に発現すべきではなく、必須の標的細胞のみで発現すべきであることは明らかである。このことは、、トランスファーされる遺伝子が、除去される腫瘍細胞に向けられている毒性遺伝子である場合には、特に重要である。標的としていないその他の細胞を除去することは、明らかに望ましくない。
運搬される治療用遺伝子の標的化を許容するような、数多くのレトロウイルスベクタ系がこれまでに記載されている(Salmons and Gruzburg,1993)。これらの多くの方法には、予め決めておいた細胞種に感染を限定するか、または異種プロモータを利用して、それにリンクした異種の治療用もしくは標識遺伝子の発現を特異的細胞種に限定するかの何れかが、含まれる。異種プロモータとしては、このプロモータが通常、活性を有する細胞種のみにおいて、リンクした遺伝子の発現を起こさせるものが使用される。このようなプロモータは以前に、gag,pol,env遺伝子の代わりに、レトロウイルス中で標識遺伝子または治療用遺伝子と組み合わせて挿入されていた。
上記遺伝子の側面にある、レトロウイルスのロングターミナルリピート(LTR)中には、レトロウイルスプロモータがあるが、これは通常、多くの異なる細胞種において発現を行わせることが可能であるという点において、非特異的である(Majors,1990)。LTRプロモータと、上記したような組織特異的プロモータのような、異種の内在性プロモータとの間のプロモータ干渉が、以前より記載されている。更に、レトロウイルスLTRは、レトロウイルスのプロモータと一緒に、または独立して、レトロウイルスの挿入部位近傍の細胞性遺伝子の発現に影響を与えることができる、強力なエンハンサを有している。この機序は、動物において腫瘍形成能に寄与していることが示されている(van Lohuizen and Berns)。これら二つの観察により、レトロウイルスのプロモータが、標的細胞内で機能的に不活化された自己不活性化ベクタ(SIN:self-inactivating-Vectors)の開発が推奨された(PCTWO94/29437)。これらのベクタの更なる修飾には、LTR領域内へのプロモータ遺伝子の挿入によるダブルコピーベクタの創出が含まれる(PCT.WO89/11539)。しかしながらこれらのベクタにおいては、ベクタ本体、またはLTR領域内へ挿入された異種プロモータは、標識/治療用遺伝子に直接リンクされている。
3′LTRを欠損した、上記の既知SINベクタ(PCT WO94/29437)は、レトロウイルスの5′LTRプロモータ(U3欠損5’LTR)の代わりに、サイトメガロウイルス(CMV)のプロモータのような強力なプロモータを更に利用していて、パッケージング細胞株内でのベクタ構築物の発現を行わせている。異種のポリアデニレーションシグナルもまた、3′LTRに含まれている(PCT WO94/29437)。
本発明の目的は、標的遺伝子治療のために、安全な遺伝子トランスファー用運搬体として利用できて、パッケージング構築物との組み換えを起こす可能性が低減された、新規のレトロウイルスベクタを構築することである。この新規のベクタには、感染後に複製されて、標的細胞内で5’LTRに転座され、結果的にプロモータには直接リンクしていないがベクタ本体に挿入されている標識/治療用遺伝子の発現を制御する、異種のプロモータ、及び/または制御配列が3’LTRに保持されている。このベクタは自己不活性化を起こさないが、そのかわり、プロモータが交換されて、プロモータ転換という意味のProConという名のものになる。
プロモータ転換は自己不活性化を起こさないので、レトロウイルスベクタは、標的細胞内で転写的に活性である。しかし両方のLTRは標的細胞内では、大部分が異種のプロモータ/エンハンサ配列からなっている。このことは、標的細胞内に組み込まれたベクタが、通常のベクタに関して記載されているような、長期間での不活化を受ける可能性を減少させるであろうし(Xu et al.,1989)、また内在性のレトロウイルス配列との組み換えによる、潜在的に病原性の複製適格ウイルスの産生の可能性を減少して、系の安全性を高めるであろう。
本発明においては、レトロウイルス構築物の5′LTRは、修飾を受けておらず、またパッケージング細胞内でのウイルスベクタの発現は、通常のレトロウイルスのU3プロモータにより行なわれている。通常のレトロウイルスポリアデニレーションは許容され、また異種のポリアデニレーションシグナルは3′LTRに含まれていない。このことは、in vivo遺伝子治療方法の開発にとっては重要であるが、それは通常のウイルスプロモータによる、ウイルスの通常の生理学的制御と、おそらくはポリアデニレーションに関しての正常な、ウイルスによる制御に関わるものは、in vivoで長期間にわたって行き渡り、一方パッケージング細胞では組み換えウイルスを産生するためである。
この新規のレトロウイルスベクタの修飾は、異種プロモータ及び/または制御配列の代わりに、細胞性配列をも含むであろう。これは、細胞性配列との特異的組み換えに関しての高度の選択性を可能にして、レトロウイルスベクタを宿主細胞ゲノムの特異的部位への標的化組み込みを行う(Saller,1994)。
上記の、及びその他の目的を達成するために、本発明は、プロモータ転換を起こすレトロウイルスベクタであって、以下のものを具備したレトロウイルスベクタを提供する:U3-R-U5構造の5′LTR領域;コード領域及び非コード領域より選択した一つ以上の配列;及びU3領域が完全に、または一部が欠損した3’LTR領域であって、該欠損U3領域がポリリンカ配列で置き換えられていて、その後にRとU5領域が続くもの。
前記のポリリンカ配列は、少なくとも一つの制限部位を有し、また好ましくは少なくとも一つの異種DNA断片を含んでいる。該異種DNA断片は好ましくは制御配列及びプロモータから選択され、これらはその発現において標的細胞特異的であることが好ましい。しかしこれらは制御機能を全く有さないDNA断片であってもよい。
上記の異種DNA断片は好ましくは一つ以上の細胞性配列に対して相同性である。制御配列及びプロモータは好ましくはトランスアクティング分子で制御される。
更なる目的、特徴、及び利点は、以下に記載する本発明の好ましい態様から自明である。
標的細胞特異的な、制御配列及びプロモータは、以下のものよりなる群の一つ以上から選択される:乳清酸性タンパク質(WAP);マウス乳がんウイルス(MMTV);β−ラクトグロブリン、及びカゼイン特異的な、制御配列及びプロモータ;すい臓特異的な、制御配列及びプロモータ(カルボニック脱水酵素II、及びβグルコキナーゼ制御配列及びプロモータを含む);リンパ球特異的な、制御配列及びプロモータ(免疫グロブリン及びMMTVリンパ球特異的な、制御配列及びプロモータを含む)、並びにグルココルチコイドホルモンへの応答性を与えるか、乳腺での発現を行わせる、MMTV特異的制御配列。該制御配列及びプロモータは、該レトロウイルスベクタ中の少なくとも一つのコード領域の発現を好ましく制御する。LTR領域は以下のものよりなる、少なくとも一つの配列から選択される:マウス白血病ウイルス(MLV);マウス乳がんウイルス(MMTV);マウス肉腫ウイルス(MSV);サル免疫不全症ウイルス(SIV);ヒト免疫不全症ウイルス(HIV);ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV);ネコ免疫不全症ウイルス(FIV);ネコ白血病ウイルス(FELV);ウシ白血病ウイルス(BLV);メイソンーパイツァ−サルウイルス(MPMV)。
レトロウイルスベクタは、好ましくはBAGベクタ(Price et al.,1987)、またはLXSNベクタ(Miller and Rosman,1989)のどちらかに基づいている。
コード配列は、好ましくは、標識遺伝子、治療用遺伝子、抗ウイルス遺伝子、抗腫瘍遺伝子、サイトカイン遺伝子からなる群の一つ以上の配列から選択される。
前記の標識及び治療用遺伝子は、好ましくは、以下のものからなる群の一つ以上の配列より選択される:βガラクトシダーゼ;ネオマイシン遺伝子;単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ;ピューロマイシン遺伝子;シトシンデアミナーゼ遺伝子;ハイグロマイシン遺伝子;分泌性アルカリホスファターゼ遺伝子;グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(gpt);アルコール脱水素酵素遺伝子;及びヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子。
本発明の別の態様は、レトロウイルスの組み込みに必要な少なくとも一つのレトロウイルス性配列が変化しているか、部分的に欠損しているものを予見する。
本発明の更なる態様においては、第一構成物として、上記したレトロウイルスベクタ、並びに該レトロウイルスのパッケージングに必要なタンパク質をコードした、レトロウイルス、または組み換えレトロウイルス構築物を少なくとも一つ有する、パッケージング細胞を具備するレトロウイルスベクタ系が提供される。
前記パッケージング細胞は、上記のレトロウイルスベクタにはコードされていないレトロウイルスタンパク質をコードした、レトロウイルス構築物、または組み換えレトロウイルス構築物を有している。
パッケージング細胞株は、好ましくは、以下のものからなる群の配列より選択される:プサイ-2;プサイ−Crypt;プサイ−AM;GP+E-86、PA317;GP+envAM-12;上記のものであってその他のエンベロープ型ウイルスの表面タンパク質の発現を許容する組み換え構築物で過剰に形質移入されたもの。
本発明の別の態様は、インテグレーゼ機能が欠損した組み換えレトロウイルス構築物を有するパッケージング細胞株の使用に関わる。
本発明のレトロウイルスベクタを、上記したようにしてレトロウイルスパッケージング細胞株へ導入し、標的細胞を感染させると、上記したようにして、レトロウイルスのプロウイルスが提供されるが、このプロウイルス内では前記のポリリンカ、及び3’LTR内の該ポリリンカ内へ挿入された如何なる配列も、感染した標的細胞内での逆転写のプロセス中に複製されて、また得られるウイルスの3’LTR内と同様に、5’LTR内にも現れる。
本発明はまた、本発明のレトロウイルス性プロウイルスのmRNAと、本発明のレトロウイルス性ベクタ由来の如何なるmRNAとが含まれる。
本発明の更なる態様は、相同性及び/または異種性のヌクレオチド配列を、ヒトまたは動物の細胞へin vivoまたはin vitroで導入する、非治療性の方法であって、本発明のレトロウイルスベクタ系のパッケージング細胞株を、本発明のレトロウイルスで形質移入することと、該パッケージング細胞株が産生した組み換えレトロウイルスで、標的細胞ポピュレーションを感染させることとを具備した、上記の非治療性の方法を提供する。該ヌクレオチド配列は、タンパク質をコードする遺伝子若しくはその一部、制御配列、及びプロモータからなる群の一つ以上の配列より選択される。
レトロウイルスベクタ、レトロウイルスベクタ系、及びレトロウイルス性プロウイルスは、そのRNAと同様に、ヒトを含む哺乳類での遺伝子治療用の薬学的組成物を調製するのに使用される。更に、これらは、相同性の細胞配列への標的組み込みに使用される。
プロモータ転換
本発明はレトロウイルスに特有のプロモータ転換の原理を利用している。
レトロウイルスゲノムは、R-U5-gag-pol-env-U3-Rの構造を有するRNAからなる(図2を参照)。逆転写のプロセスの間、該U5領域は複製されて、生成されるDNA分子の右側末端に位置するようになり、一方該U3領域は複製されて生成されるDNA分子の左側末端に位置するようになる(図2を参照)。この生成したU3-R-U5構造はロングターミナルリピート(LTR)と呼ばれ、故に相同であり、またDNA構造またはプロウイルスの両方の末端で繰り返されている(Varmas,1988)。プロウイルスの左側末端の該U3領域にはプロモータがある(以下参照)。このプロモータは、左腕のU3及びR領域の間の境界部分で始まって、RとU5との間の境界領域で終結するRNA転写産物の合成を起こさせる(図2)。このRNAはレトロウイルス粒子内へパッケージングされて、感染させる標的細胞内へ輸送される。標的細胞内では、このRNAゲノムは再び、上記したようにして逆転写される。
本発明では、レトロウイルスベクタは、右腕のU3領域が変異するようにして構築されるが(図3)、正常な左腕U3領域は保存される(図3)。そしてこのベクタは通常は、左腕のU3領域内に位置する正常なレトロウイルスプロモータを利用して転写される(図3)。しかしながら生成されたRNAは変異した右腕U3構造を有するのみであろう。感染した標的細胞においては、逆転写後に、上記のU3構造がレトロウイルス構造の両末端に位置するようになる(図3)。
変異した領域に、U3領域の代わりにポリリンカがもしあるならば(以下参照)、どのようなプロモータ(WAPプロモータ(以下参照)のような組織特異的発現を行わせるものを含む)も、容易に挿入することができる。次いでこのプロモータは、レトロウイルスベクタが有するリンクした遺伝子の、標的細胞内での独占的な発現に使用されるであろう。あるいは、若しくはこれに加えて、細胞性配列の一つ以上に相同的なDNA断片を、相同性組み換え(以下参照)により、遺伝子標的化のためにポリリンカ内へ挿入することが可能である。
本発明では、「ポリリンカ」という用語は、人工的に合成された、短い長さのDNAであって、多くのユニークな制限部位を有していて、これにより如何なるプロモータやDNA配列をも容易に挿入できるようにするものを意味するものとして使用される。「異種性」という用語は、天然には、通常見られないDNA配列のどのような組み合わせも意味するものとして使用される。
遺伝子発現は、プロモータにより制御されている。プロモータ機能がないと、遺伝子は発現されない。通常のMLVレトロウイルスプロモータは、多くの細胞種で活性であるという点において、かなり非特異的である(Majors,1990)。しかしながら、非常に特異な細胞種のみにおいて活性を示す、多くのプロモータが存在する。このような組織特異的プロモータはレトロウイルスベクタでの遺伝子発現の制御を行い、治療用遺伝子の発現を特異的標的細胞内に限定するのにとって、理想的な候補である。
パッケージング細胞株内では、レトロウイルスベクタの発現は、U3領域に含まれている通常の非選択的なレトロウイルスプロモータにより制御されている。しかしながら、ベクタが標的細胞に入るやいなや、プロモータ転換が起きて例えばβガラクトシダーゼのような治療用または標的遺伝子の発現が、ポリリンカへ挿入した組織特異的な、選択したプロモータから起きる(図3)。実質的に全ての組織特異的プロモータがこの系に含まれるのみならず、多様な異なる細胞種の選択的標的化が提供されるが、更に変換が後から起きるので、レトロウイルスベクタの構造と特徴は、ウイルスのものには似付かない。このことはもちろん、安全性の観点からは非常に重要であるが、これは通常のまたは従来の技術におけるレトロウイルスベクタは、レトロウイルスパッケージング構築物、及び/または内在性レトロウイルスと遺伝的組み換えを起こして、潜在的に病原性のあるウイルスを産生するためである。プロモータ転換(ProCon)ベクタは、レトロウイルスには似ていないが、これは変換後にはU3レトロウイルスプロモータを保持しておらず、遺伝的組み換えの可能性が低減されているためである。
レトロウイルスのプロモータ構造は、LTRのU3領域内に保持されている。LTRは、それ自身を標的細胞内へ組み込むシグナルを有している。レトロウイルス性プロウイルスの組み込みはまた、病原性の変化にも貢献している(Lohuizen and Berns,1990)。本発明の一つの態様においてProConベクタは、組み込みに必要なシグナルをもはや有さない修飾済みLTRを有することが可能である。繰り返すと、これは上記のベクタ系の潜在的安定性を増大させる。
遺伝子標的化
本発明の別の側面において、レトロウイルスベクタは標的細胞への標的組み込みに使用される。レトロウイルスゲノムのプロウイルスDNA版の、標的細胞への組み込みは、アデノウイルスなどの他のウイルスと比較したときには、レトロウイルスをベクタとして使用することの主要な進歩点となるが、それはトランスファーした遺伝子の、長期間にわたる安定な発現が許容されるためである。しかしながらこの組み込みのランダムさのため、レトロウイルスを使用することにはおおきな不利益があるが、それは細胞性腫瘍抑制遺伝子、またはプロトオンコジーンの組み込み活性化の可能性があり、故に腫瘍の誘導がおきるためである(van Lohuizen and Berns,1990)。
相同組み換えを利用して、形質移入またはマイクロインジェクションされたDNAを特異的DNA座へ標的化するのに成功しており、これは「ノックアウト」のトランスジェニックマウスやトランスジェニック動物の構築に使用されている(レビュー:Capecchi,1989;Bradley et al.,1992;Morrow and Kucherlapati,1993)。残念なことに、このような純粋に物理的な方法によるDNAのトランスファーの効率は、極めて低い。これとは対照的に、レトロウイルス仲介性の遺伝子トランスファーは非常に効率が良く、細胞ポリュレーションのほぼ100%が感染可能である。レトロウイルス遺伝子トランスファーと相同性組み換えの組み合わせにより、遺伝子座特異的組み込みにとって理想的な系の構築が許容される。
出願人は長い均一なDNA片をレトロウイルスベクタの異なる部位へ組み込んで、相同性組み換えによる組み込みを促進させることが行える可能性を調査した(Saller,1994)。遺伝子変換と相同性組み換えの両方を評価した。単一コピーのHSV-tk遺伝子を有する細胞株を利用して、出願人は、以前他の者が報告していたものよりも15倍の頻度で標的を阻害することができた(Ellis and Bernstein,1989)。DNAの組み換え断片をクローニングすることで、標的のtk配列と、レトロウイルスベクタとが存在することが明らかになった(Saller,1994)。
標的化した組み込みのために、細胞性配列に相同的なDNA断片は、ProConベクタのポリリンカへ挿入される。標的細胞の感染、及び逆転写の後、これらの配列はプロウイルスの5’末端に現れるであろう。末端の相同性は相同組換えに対して(Bradley,1991)、また同質遺伝子的な配列に対して(Bradley,1991)好ましいことが示されている。修飾された相同性配列を有する標的細胞を感染させると、組み換えが起こり、故に修飾した配列の修復が起こるはずである。相同性配列が細胞のゲノムと組み換えを起こすか、または完全なベクタが挿入されるかの何れかである(Saller,1994)。このベクタクラスは、遺伝子修復での使用の潜在性のみならず、治療用遺伝子を有するレトロウイルスベクタを、活性遺伝子を有さないことが知られるゲノム中の特異的な遺伝子座に組み込むのに使用することも可能である。これにより、上記したような挿入活性化または不活性化の可能性をかなり減少させ、よってレトロウイルスベクタの使用に関しての安全性に寄与する。
以下の例は、本発明を更に例示する。しかしながら明白な修飾はあきらかであるので、これらの例は、本発明の範囲を限定するためものでは決してなく、また当業者には他の修飾や置換も明らかである。
本発明を実施するにあたって採用される組み換えDNA法は、当業者に良く知られる標準的な方法で、例えば″Molecular Cloning″(Sambrook et al.,1989)、及び″A Practical Guide to Molecular Cloning″(Perbal,1984)に詳しく記載されているものである。
以下の例で参照する図面の簡単な説明
図1:レトロウイルスベクタ系。
図2:レトロウイルスゲノム、逆転写。
図3:ProConの原理。
図4:PCR分析、MLVプローブ。
図5:PCR分析、MMTVプローブ。
図6:感染済みNIH及びEF43細胞における、β−ガラクトシダーゼ発現。
図7:妊娠マウス由来の、感染済み初代乳腺細胞における、β−ガラクトシダーゼ発現。
図8:妊娠Balb/cマウス由来の、感染済み、皮膚及び乳腺における、β−ガラクトシダーゼ発現。
図9:感染済み乳がん細胞におけるβ−ガラクトシダーゼの発現。
図10:相同組換えによる、レトロウイルスべくたの標的化組み込み。
例1
哺乳類特異的プロモータを有するProConベクタによる感染後の、乳腺特異的発現
BAGとして知られる、マウス白血病ウイルス(MLV)レトロウイルスベクタにおいては、βガラクトシダーゼ遺伝子は、LTRのU3領域中の乱雑な(すなわち組織非特異性)MLVプロモータで制御されている(図3)。本発明では、3′LTR内に位置するMLVプロモータ(U3)が欠失されて、異種プロモータの挿入を容易にするポリリンカで置換された、BAGベクタの誘導体が構築されてた。この、U3を欠失したBAGベクタは、パッケージング細胞へ導入されると、5’LTR内のMLVプロモータ(U3)より発現される。その生活環の間にレトロウイルスゲノムで起こる再構成の結果、標的細胞の感染に続いて、ポリリンカが、上記したようにレトロウイルスゲノムの両末端で複製する。それにより、BAGのβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の発現が、標的細胞内のポリリンカへ挿入されたどのような異種プロモータによっても制御される、レトロウイルスベクタが構築されるであろう(図3)。
上記した原理により、以下の特異的プロモータは、修飾したBAGベクタのポリリンカへ挿入される:
マウス乳がんウイルス(MMTV)プロモータの幾つかのサブ領域(グルココルチコイドホルモンへの応答性を与える領域と、乳腺での発現を行わせる配列を有する領域とを含む);
乳清酸性タンパク質(WAP)プロモータ:このプロモータはWAPの発現を制御して、妊娠中、及び乳中のげっ歯類の乳腺のみにおいて産生されるようにする。
ポリリンカに挿入されたプロモータにより発現されるβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の制御は、構築したMMTVとWAPレトロウイルスベクタを使用した、種々の細胞への感染実験により確証された。
MMTV及びWAP ProConベクタを、パッケージング細胞株GP+E86へ形質移入して、レトロウイルスの粒子が作成されている(Markowitz et al.,1988)。ネオマイシン抵抗性(ベクタにコードされている)での選択後に、安定なポピュレーション、及び組み換え型のProConウイルス産生細胞のクローンを得た。該ポピュレーション由来の、ウイルスを含む上清を使用して、マウス線維芽細胞株(Jainchill et al.,1969)と同様に、マウス乳腺細胞株EF43(Gunzburg et al.,1988)を感染させた。感染後4日間で標的細胞を溶解し、定量的βガラクトシダーゼアッセイを行ったが、WAPを有するProConベクタで感染した細胞ではどちらも発現が起こらず、一方、MMTVを有するProConベクタでかんせんした細胞では、そのどちらでも発現が良く起きたことが判明した(図6)。この結果は、WAPプロモータが、in vivoでは妊娠後期及び授乳期間中のみに機能し、in vitroではEF43細胞に代表されるような、哺乳類細胞培養系では機能しないことと一致する。WAPを有するProConベクタが、乳腺由来の複雑な初代細胞培養系で活性であるかどうかを調査するために、妊娠8−10日のマウス、または乳がん由来の、初代原形質類器官を培養して、形質移入細胞株で安定に形質移入されたポピュレーション由来の上清で感染させた。WAP、及びMMTVのプロモータ断片を有するProConベクタの両方は、β−ガラクトシダーゼ活性で論証されるように、上記の初代細胞内(図7)、及び乳がん由来細胞(図9)では活性であった。
WAP、及びMMTVを有するProConベクタがin vivoで活性であるかどうか、またβ−ガラクトシダーゼの発現がin vivoの乳腺のみに限定されるのかどうかを調べるために、組み換えProConウイルスを含む培地でin situで、妊娠8−10日のマウスの乳腺、または皮膚に接種した。5日後、マウスを犠牲にして細胞抽出液を調製し、β−ガラクトシダーゼアッセイを行った。WAP及びMMTVの両方を有するProConベクタは、妊娠中の乳腺のみで発現し、皮膚では発現しなかった(図8のM及びSを参照)。故にin vivoでは、両方のプロモータ由来の制御配列は、乳腺での発現に限定され、一方in vitroではWAPプロモータ由来の制御配列はその厳密な組織特異的性を維持するが、MMTVのそれは維持しない。
組織特異的プロモータ、及び制御配列を有する上記のProConベクタは、予め決めておいた細胞、組織及び器官のタイプにおいて治療用遺伝子を発現させるのに有益であろう。潜在的な治療用遺伝子には、抗−HIV及び抗腫瘍効果のあるメリチン(melittin)、並びにSDI/WAF-1/CIP-1のように細胞周期に関わる遺伝子と同様に、チミジンキナーゼ、グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、及びシトシンデアミナーゼ等の遺伝子、及びチトクロームP450を含む、細胞死に向かわせる遺伝子が含まれる。
例2
3′LTR内にMMTVプロモータを元々有するProConベクタで感染した細胞におけるプロモータ転換の確証
マウス乳がんウイルス(MMTV)由来のプロモータ領域を有するProConベクタを、パッケージング細胞株内で形質移入し、得られた組み換えベクタ粒子を使用して、確立したヒト膀胱癌細胞株(EJ)を感染した。感染した細胞株を、ネオマイシンの類縁体G-418を有する培地で選択した(このベクタは、内部のSV40プロモータから発現されるネオマイシン抵抗性遺伝子を有しているので)。DNAを感染クローン、または非感染の親EJ細胞の一つより調製して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に用いた。PCR法は、LTRの、MMTV配列(図4と5のAとB)、またはMLV R 領域(図4のC)を特異的に認識して結合する二つのプライマのうち一つを、標識遺伝子内に位置するプライマ(図4と5)とともに使用して行った。標識遺伝子のプライマは、MMTV(またはMLVのR領域)配列の下流のみに位置するので、もしプロモータ転換が起きると、標識遺伝子プライマとの組み合わせでMMTVプライマとともに得られる陽性のPCRシグナルは、このことを示すものである。図4では、MLV配列由来の標識化断片へのハイブリダイゼーション後の、プライマA,B,またはCを用いたときのPCR産物を示しており、3つ全てのPCR産物がMLV起源であることを論証している。断片のサイズは、プロモータ転換が起きたことを証明している。図5は、プライマAまたはBを用いてPCRを行い、MMTV特異的なプローブへのハイブリダイゼーションを行った産物を示しており、再びプロモータ転換が起きたことを論証している。
例3
標的化組み込み用のProConベクタの構築
上の例1と同じBAGベクタを使用して、細胞性配列と相同性を有するDNA配列がLTRへ挿入されたレトロウイルスベクタを構築することができる。得られるベクタは、ベクタ中へ挿入された相同性配列、またはベクタの全体若しくはその一部を、宿主ゲノム中にある相同性配列へ組み込む標的に使用することが可能である。
上記した原理によって、単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ(tk)遺伝子が、修飾済みBAGベクタのポリリンカ領域へ挿入された(図10のtk変異体;Saller,1994)。
哺乳類のtk遺伝子の機能性コピーが全くなく、その代わりにHSV-tk遺伝子の1コピーを有する細胞株が確立されている(Saller,1994)。この細胞株を、tkを有するBAGベクタで感染して、HSV-tk遺伝子が損なわれた細胞を選択した(図10)。
上記の例は本発明のプロモータ転換の原理の結果を例示している。
Claims (24)
- 以下のものを具備し、プロモータ転換を起こすレトロウイルスベクタ:
a)U3−R−U5構造の5’LTR領域;
b)コード配列及び非コード配列より選択した1以上の配列;並びに
c)完全に又は部分的に欠失したU3領域を含むU3−R−U5構造の3’LTR領域であって、該欠失U3領域が、レトロウィルスベクタとは関連しない異種プロモータを含むポリリンカ配列により置換され、前記プロモータは、標的細胞の感染後、ベクタ本体に挿入されている1以上のコード配列の発現を制御する3’LTR領域. - 前記ポリリンカ配列が、少なくとも一つのユニークな制限部位を有することを特徴とする、請求項1に記載のレトロウイルスベクタ。
- 前記ポリリンカ配列が、更に制御配列を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のレトロウイルスベクタ。
- 前記制御配列及びプロモータが、発現において標的細胞特異的であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクタ。
- 前記の、標的細胞特異的制御配列及びプロモータが、以下のものからなる群の一つ以上の配列より選択されることを特徴とする、請求項4に記載のレトロウイルスベクタ:
WAP;MMTV;b−ラクトグロブリン及びカゼインに特異的な制御配列及びプロモータ;カルボニック・アンヒドラーゼII、及びb−グルコキナーゼの制御配列及びプロモータを含む、すい臓特異的制御配列及びプロモータ;免疫グロブリン及びMMTVリンパ球に特異的な制御配列及びプロモータを含む、リンパ球特異的制御配列及びプロモータ;並びに、グルココルチコイドホルモンへの応答性を付与する、または乳腺への発現を指揮するMMTV特異的制御配列及びプロモータ。 - 前記LTR領域が以下のLTRからなる群の一以上の配列より選択されることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ:MLV、MMTV、MSV、SIV、HIV、HTLV、FIV、FeLV、BLV、及びMPMV。
- 前記のレトロウイルスベクタがBAGベクタであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクタ。
- 前記のコード配列が、マーカ遺伝子、治療性遺伝子、抗ウイルス遺伝子、抗腫瘍遺伝子、サイトカイン遺伝子からなる群の一つ以上の配列より選択されることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクタ。
- 前記のマーカ遺伝子又は治療性遺伝子が、以下のものからなる群の一つ以上の配列より選択されることを特徴とする、請求項8に記載のレトロウイルスベクタ:
β−ガラクトシダーゼ遺伝子、ネオマイシン遺伝子、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子、ピューロマイシン遺伝子、シトシンデアミナーゼ遺伝子、ハイグロマイシン遺伝子、分泌性アルカリホスファターゼ遺伝子、グアニンホスオリボシルトランスフェラーゼ(gpt)遺伝子、アルコール脱水素酵素遺伝子、及びハイポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子。 - 前記コード配列の中でレトロウイルスタンパク質に関する少なくとも一つが変異しているか、または少なくとも一部が欠失している、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクタ。
- 1または2以上のレトロウイルスの宿主細胞のDNA配列またはその一部と相同な異種DNA断片を含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクタ。
- 前記の制御配列が、トランスアクテイング分子で制御可能であることを特徴とする、請求項3に記載のレトロウイルスベクタ。
- 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のウイルスベクタを第一構成要素として具備し、また該レトロウイルスベクタのパッケージングに必要なタンパク質をコードした、レトロウイルス構築物、または組み替えレトロウイルス構築物を保持したパッケージング細胞を更に具備する、レトロウイルスベクタ系。
- 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のウイルスベクタにはコードされていないレトロウイルス性タンパク質をコードした、レトロウイルス構築物、または組み替えレトロウイルス構築物を、前記のパッケージング細胞が保持することを特徴とする、請求項13に記載のレトロウイルスベクタ系。
- 前記パッケージング細胞が、以下のものからなる群より選択されることを特徴とする、請求項13又は14に記載のレトロウイルスベクタ系:
プサイ−2、プサイ−Crypt、プサイ−AM、GP+E−86、PA317、及びGP+envAM−12. - 相同または異種ヌクレオチドを、ヒト又は動物細胞へ、in vitroで導入するための方法であって、請求項13乃至15の何れか1項に記載のレトロウイルス系のパッケージング細胞を、請求項1乃至12の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタで形質移入し、該パッケージング細胞株で産生された該組み換えレトロウイルスで単離された標的細胞ポピュレーションを感染させることを具備する方法。
- 前記のヌクレオチドが、タンパク質をコードしている遺伝子、若しくはその一部、制御配列、及びプロモータからなる群の一つ以上より選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
- 請求項13乃至15の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ系において、請求項1乃至12の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタを複製させることにより作成される、レトロウイルス性プロウイルスであって、前記のポリリンカ、及び3’LTR中の該ポリリンカへ挿入される如何なる配列もが、感染した標的細胞内での逆転写中に複製され、得られるプロウイルスの3’LTRと同様に5’LTR中にも現れることを特徴とする、上記のレトロウイルス性プロウイルス。
- 請求項13乃至15の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ系のパッケージング細胞株を、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクタで形質移入して、該細胞を適切な条件下で培養することにより得られる、組み換え型レトロウイルス粒子。
- ヒトを含む哺乳類における遺伝子治療用の薬学的組成物を産生させるための請求項1乃至12の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ、請求項13乃至15の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ系、請求項18に記載のレトロウイルス性プロウイルス、及び/又は請求項19に記載の組み換え型レトロウイルス粒子の使用。
- 宿主細胞のDNA配列におけるin vitroでの標的挿入のための請求項1乃至12の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ、請求項13乃至15の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ系、請求項18に記載のレトロウイルス性プロウイルス、及び/又は請求項19に記載の組み換え型レトロウイルス粒子の使用。
- 請求項18に記載のレトロウイルス性プロウイルスのmRNA。
- 請求項1乃至12の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタのRNA。
- 請求項1乃至12の何れか1項に記載の組み換え型レトロウイルスベクタ、請求項13乃至15の何れか1項に記載のレトロウイルスベクタ系、請求項18に記載のレトロウイルス性プロウイルス、及び/又は請求項19に記載の組み換え型レトロウイルス粒子を、治療上効果的な量で含む薬学的組成物。
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