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JP4041364B2 - 生分解性緑化袋を用いた法面緑化工法 - Google Patents
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JP4041364B2 - 生分解性緑化袋を用いた法面緑化工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に土木・建築分野での使用に適した環境保全技術に関し、より詳細には生分解性緑化袋を用いた法面緑化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球規模で環境問題に取り組む中、土木・建築分野についても例外ではなく、その対応技術の開発に力を注ぎ、そしてその技術は進化し続けている。
中でも、土砂や植生基材等を収容する袋体は、破断しないだけの強度を要求されることから、難分解性の普通プラスチック製のものが大半である。
そのため、使用目的を終えた袋体は、収容物と分別し、焼却や埋め立て等の処分によって、有害物質の発生や自然界に未分解のまま残留するという問題が指摘されていた。
そこで、この改善技術として、袋体を土壌内の微生物によって分解可能な、たとえばトウモロコシなどの生分解性素材で形成することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記した生分解性シート及び生分解性緑化袋及びこれを用いた法面緑化工法においては、次のような問題がある。
<イ>従来の生分解性シートは強度的に弱く、特に袋状に形成し土砂など重いものを充填する場合には極端に強度不足となる。そのため、生分解性素材から形成した袋体の使用範囲が軽量物を少量収納する使途に限定される。
<ロ>また、強度面から積み上げ保管にも不向きである。さらには、袋体の保管環境が悪いと袋から分解して、収容物が出てしまう。
<ハ>植生基材の運搬に難分解性の袋体を用いた法面緑化工法においては、植生基材を取りだす分別作業が必要となり作業性が悪く、それに伴い人件費もかかる。
<ニ>環境問題が深刻化している中、産業廃棄物の減量およびリサイクルに注力し、かつ社会的ニーズにより適った新技術の提案が望まれている。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、分解性を阻害することなく、適度の強度を付与できるとともに、収容物の重さや量に制限されることなく、広い範囲において使用可能で、さらに、積上げ保管が可能で、また多少悪い環境下でも耐え得る生分解性緑化袋を法面緑化工法に用いることで、作業性に優れ、植生の環境にも良好となる法面緑化工法を提供することを目的とする。
また、産業廃棄物の減量およびリサイクルに注力し、かつ社会的ニーズに適った生分解性緑化袋を用いた法面緑化工法を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の生分解性緑化袋を用いた法面緑化工法は、層状に吹付けた植生基材により緑化する法面緑化工法において、生分解性素材によりシート状に形成したシート基材と、有機繊維により線材に形成した芯材と、より構成し、前記シート基材は、間隔をおいて配置した芯材と一体を成して補強した生分解性シートを使用し、該生分解性シートを袋状に形成して土木・建築用資材を収容する生分解性緑化袋を使用し、前記生分解性緑化袋内に植生基材を収容して現場へ搬入し、現場で前記生分解性緑化袋と共に植生基材を破砕し、生分解性緑化袋の裁断片の混入した状態で植生基材を吹付けたことを特徴としたものである。
0006
なお、芯材には、断面が円形であるもの、楕円径であるもの等は問わない。
ここで、前記シート基材が芯材と一体を成す形態としては、たとえばシート基材面に接着剤などを介して芯材を貼着する形態や、またシート基材の断面内に芯材を内在させる形態をとることもできる。
0007
また、シート状とは膜体、布若しくは網体などの態様を含み、特に限定されるものではないが、生分解性シートとして芯材と一体をなし、収容物を通過させない構成であればよい。
【0008】
【発明の実施の形態1】
以下図面を参照しながら生分解性シート10について説明する。
【0009】
<イ>生分解性シートの構成(図1、図2)
生分解性シート10は、シート状に形成するシート基材20と、線材を呈し、間隔をおいて配置する芯材30とが一体をなして構成する可撓性の材料である。
芯材30は、接着剤などを介してシート基材20の片面に接着され、シート基材20の強度を高める。
芯材30の配置は、シート基材20全面に亘って均一に配設される。
その結果、シートの強度はどの部位においても同じ物性を示し、応力の偏倚を防止できる。そのため、このような形態においては特に長時間に亘り、使用する際に効果的である。
芯材30の配置に関しては特に制限を受けず、たとえば格子状や単一配向となるように配設させてもよい。芯材30を交差して配設する場合、囲繞して形成される間隙の形状は、正方形に限らず、長方形、菱形であってもよい。
これらのように芯材30が編成してなる場合、生分解性シート10の面方向および面外からの引張力や力に対して強い対抗力を示す。
さらに、生分解性シート10に強い強度を持たせるために、芯材30の離間を小さく、または/および芯材30の断面を大きするなど行ってもよい。
また、生分解性シート10を一時的な用途で使用する場合には所要の強度がえられれば、その他の形態としてもよい。
なお、生分解性シート10の大きさは、必要に応じた大きさとすることができる。
以下、生分解性シート10の各部材の構成について詳しく説明する。
【0010】
<ロ>シート基材(図1)
シート基材20は自由変形が可能でシート状に形成しており、生分解性素材から構成する。
シート基材20は常温で柔軟性に富んだ可撓性材料で、また加熱によって容易に液体へと変化する、加工性に優れたものであれば、なお好ましい。
ここで生分解性素材とは、たとえば従来のナイロン等と同じ機能を保ち、使用後は自然界の土の中や水中に存在する微生物の働きによって、環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解され、最終的に水や二酸化炭素などの無機物に分解される高分子である。
この生分解性素材には、たとえばトウモロコシなどの澱粉からとった乳酸が使用でき、この乳酸においては土中で最終的に消失するほか、焼却しても燃焼熱が低く、有害物質が発生しないなどの利便性も備え持つ。
このほか、サトウキビから砂糖を精製した後に残る廃糖蜜からつくった生分解性ポリウレタンなども使用できる。
【0011】
シート基材20が微生物によって分解される時間は、シート基材20の厚み、密度などに比例するため、所望に応じて任意に調整する。
なお、生分解性素材は上記した素材に限定されることなく、他の素材を使用することもできる。
【0012】
<ハ>芯材(図2)
芯材30はシート基材20の強度を補うもので、シート基材20と相俟って生分解性シート10の強度を高める。
芯材30は線状の形態を呈し、自由変形が可能な有機繊維からなる。ここで、線状とは一本の繊維、数本の繊維を束ねたもの、若しくは撚り合わせたものなどいずれの形態も含む。
芯材30には、たとえば麻、ヤシなどの繊維が使用できるが、好ましくはシート基材10との接着性が良いものとする。
芯材30は生分解性シート10の用途に応じて径太さ、断面形状を自由に設定し、任意の強度に調整することができる。
【0013】
【発明の実施の形態2】
つぎに、生分解性シート10の他の形態について説明する。
図3に示すように、格子状に編成した芯材30の両面にシート基材20、20を配置した、三層よりなる積層構造としてもよい。
芯材30とシート基材20は、たとえば接着剤などを用いて一体化する。
この形態においては、シート基材20、20が二層となって配置するため、シート基材20の一枚が破損しても、もう一枚によって物質の通過を担保する、役割を備える。
【0014】
また、芯材30の配列が小さな格子を形成するように編成し、両部材20、30の一体化に液体を用いず、たとえば結束線などを用いる場合、芯材30は束材としての役割を果たし、芯材30、30およびシート基材20、20で囲繞される部分には空隙ができる(図示せず)。
全面に亘って無数に生じる空隙は、外力に対して弾性効果を発揮する。
また、芯材30およびシート基材20は、それぞれ上記の枚数に限らず、さらに重合させた形態としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態3】
次に、上述した生分解性シート10から生分解性緑化袋40を形成し、この袋体を法面緑化工法で用いる他の実施の形態について説明する。
【0016】
<イ>生分解性緑化袋の形成
前述した実施の形態1または2に記載した何れかの生分解性シート10を使用して、図4に示すように上口のみを開放した生分解性緑化袋40を形成する。
シート10、10を繋ぐ縫合部には、芯材30を利用するとよい。
完成した生分解性緑化袋10の芯材30がおりなす模様は、生分解性緑化袋40の縁端に対し、垂直または斜め等の何れの配置としてもよい。
【0017】
生分解性シート10は、芯材30を全面に配することによって芯材30の軸方向および断面方向の強度性を強めて大きな耐力性を得るから、従来のように収容重量や収容量などの制限を受けにくく、収容物の許容重量や生分解性緑化袋40の大きさは、従来のものより任意とできる。
【0018】
<ロ>現場への搬入
法面に対して吹付ける個々の生育基盤材、浸食防止材、肥料等の植生基材50を生分解性緑化袋40に容れた状態(両方を合わせて詰袋60と称呼する。)で施工現場に持ち込む。
また、複数種の資材を一袋に混入した状態で現場へ搬入してもよい。
【0019】
<ハ>袋体の裁断(図5)
現場に納品された詰袋60は、植生基材50を生分解性緑化袋40に容れたままの状態で、裁断機61内に投入する。
生分解性緑化袋40は裁断機61によって裁断され、小さなシート片または短繊維へと形を変え、袋内に収容する植生基材50と共に混合、撹拌される。
このため、本工法においては従来のように植生基材50を生分解性緑化袋40から取り出す、分別作業が不要となる。
植生基材50の入った詰袋60は重量であり、これを開封する作業は極めて困難で、この作業に多くの人口数および多くの時間が費やされていた。
そのため、この工程が削除されることによる影響は大きく、施工の工期短縮、人件費の軽減に繋がるため非常に経済的である。
また、従来においては、取り分けた空袋は単独で分解できないことから、別途裁断して焼却や埋め立て等の処理作業が必要となるが、本発明では全く不要である。
【0020】
<ニ>吹付け(図5)
その後、撹拌混合した植生基材50に種子51を混合し、これを吹付機72で法面へ向けて吹付けを行う。
なお、吹付機72の仕様は植生基材50を吹付け、或いは散布可能なものであれば、その種類は問わない。
【0021】
<ホ>法面の安定化(図5)
混合撹拌された生分解性シート10のシート片は、植生基材50と共に法面へ吹付けられた後、時間と共に土中でその形態を徐々に変化する。
シート基材20は微生物によって分解され、最終的に水や二酸化炭素などの無機物になる。シート基材20は土壌の水環境、土環境に対して影響を与えることなく、また植物の生育にも障害を与えずに分解される。
シート基材20の消失期間はその肉厚と相関しており、厚みが薄いほど消失は早くなる。また、裁断片が細かいほど分解は早くなる。
芯材20は有機肥料となって、吹付けた土壌に栄養を与え植生の育成の助力となる。
【0022】
裁断片は、植生基材50内に混在して互いに絡み合う。
裁断片は消失するまで植生基材50との間で結合力を生じ、斜面の崩落防止等の効果を示す。
これは、斜面へ吹付けられた直後において、また急勾配の斜面において、より滑落防止の効果が有効となる。
裁断片は時間と共に小さく変形し、やがては消失するが、吹付け斜面もまた時間と共に緑化植物が根付くことにより安定度を増す。
裁断片の大きさは、斜面の安定に必要とされる期間を指標とし、決定するとより効果的である。
これらは、消失過程において何ら悪影響を与えず、最終的にはその原型を留めない。
なお、施工土壌に存する微生物を予め調査し、分解に適した生分解素材を選択するのもよい。
また、生分解性袋40内に入れる資材は、前記した植生基材50に限定されるものではなく、その他の各種緑化材料を単独で、又は混合物を収容して用いてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態4】
上記実施例は生分解性シート10を袋状に形成し、主に運搬用として一時的に使用する場合であるが、まとまった一定期間に亘り使用する、たとえば土嚢などにも利用できる。
この場合、使途に応じて生分解生シート10の消失期間を調整しておくとよい。
【0024】
また、生分解性シート10上へ土および種子を蒔くことによって、植生基盤としても使用できる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>生分解性シートに芯材を配することによりシート基材と相俟って、強い強度を確保することができる。
<ロ>このため、生分解性シートで作る生分解性緑化袋は、収容物の重さや量に制限を受けにくく、使途範囲が広い。
<ハ>また、生分解性緑化袋は保管方法および保管環境においても選択範囲が広くなる。
<ニ>法面緑化工法の植生基材の運搬用として生分解性緑化袋を用いる場合、生分解性緑化袋を分離することなく植生基材と共に破砕し、法面へ吹付けることができるため、施工性に優れ、また人件費の削減にも繋がる。
<ホ>生分解性シートで作る生分解性緑化袋を用いた法面緑化工法は、焼却や埋め立て等の処分を不要なものとし、産業廃棄物の減量、リサイクルという社会の要請に応えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生分解性緑化袋を構成する生分解性シートの実施の形態1の斜視図。
【図2】生分解性緑化袋を構成する実施の形態1の生分解性シート断面図。
【図3】生分解性緑化袋を構成する生分解性シートの実施の形態2の断面図。
【図4】本発明で使用する生分解性緑化袋の斜視図。
【図5】本発明における生分解性緑化袋の裁断方法の一例および法面緑化工法の説明図。
【符号の説明】
10・・・生分解性シート
20・・・シート基材
30・・・芯材
40・・・生分解性緑化袋
50・・・植生基材

Claims (1)

  1. 層状に吹付けた植生基材により緑化する法面緑化工法において、
    生分解性素材によりシート状に形成したシート基材と、有機繊維により線材に形成した芯材と、より構成し、前記シート基材は、間隔をおいて配置した芯材と一体を成して補強した生分解性シートを使用し、該生分解性シートを袋状に形成して土木・建築用資材を収容する生分解性緑化袋を使用し、
    前記生分解性緑化袋内に植生基材を収容して現場へ搬入し、
    現場で前記生分解性緑化袋と共に植生基材を破砕し、生分解性緑化袋の裁断片の混入した状態で植生基材を吹付けたことを特徴とする、
    生分解性緑化袋を用いた法面緑化工法。
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