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JP4042008B2 - セメントダストの処理方法およびその装置 - Google Patents
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JP4042008B2 - セメントダストの処理方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメントダストの処理方法およびその装置に関し、さらに詳細には、セメントダストから有害重金属成分を分離する際の、不溶化せしめられた有害重金属成分を含有するスラリーからの固形物の分離が容易とされたセメントダストの処理方法およびその装置に係わる。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
セメントは生コン、各種セメント製品、建築、土木、道路、橋梁、鉄道、港湾および家庭用などに広く使用され、その生産量および使用量も増加しつつある。
ポルトランドセメントに代表されるセメントは、通常は、主原料である石灰石および粘土に珪石、鉄鋼スラグおよびフライアッシュなどの各種の混和材を混合して、この混合物を微粉砕、熔融を経由せしめてクリンカーを得、このクリンカーを急冷した後に少量の石膏を混合し、この混合物を微粉砕して得られている。
【0003】
このセメントの製造において、その主原料に多量に含有されている塩素成分およびアルカリ成分などのそれぞれがクリンカーに悪影響を与え、また、製造工程においてその低温個所における凝縮などの各種のトラブルが発生することは早くから知られている。さらに主原料に含有されているカドミウム成分および鉛成分などの重金属成分が、焼成炉からの抽気の際に同伴するダスト(以下 抽気同伴ダスト と記す)に混入し、このダストの処理に際して環境が汚染されることになる。
【0004】
前記のようにセメントの生産量の増加に伴って、主原料の石灰の使用量も増加の一途を辿っている。
従って、近時、省資源、廃棄物の有効利用および廃棄物処分場の利用期間の長期化を図るために、産業廃棄物および都市ごみ廃棄物などの各種廃棄物の焼却灰類が大量に主原料に混入されて使用されている。
このような各種廃棄物の焼却灰類の大量の混入に伴って、この焼却灰類に含有されている塩素成分、アルカリ成分および重金属成分などに起因して、前記の抽気同伴ダストの塩素成分、アルカリ成分および重金属成分などの含有量も増加している。
【0005】
抽気同伴ダストから、これに含有されているアルカリ成分および塩素成分を除去するために、通常は、抽気同伴ダストを水洗している。この水洗排液は、通常は、そのpHが12〜13程度の強アルカリ性である。従って、抽気同伴ダストに含有されていたカドミウム成分はそのほぼ全量が前記の水洗において不溶化せしめられて沈殿して該水洗排液の溶存カドミウムの濃度は極めて低くなり廃水規制値未満となっている。
【0006】
他方、鉛の溶解度はpH12〜13程度では大きいので、前記の水洗排液では不溶化されることなく多量に溶存しており、水洗排液の鉛の溶存濃度は廃水規制値の0.1mg/lを越えこととなる。従って、水洗排液中に溶存している鉛成分は、該水洗排液のpHを約9程度に調整して鉛成分を不溶化して沈殿せしめて除去されている。
抽気同伴ダストを水洗して該抽気同伴ダストに含有されている塩素成分、アルカリ成分および重金属成分などを除去する方法として、たとえば、特開平6−157089号公報および特開平9−295841号公報のそれぞれに記載されている方法がある。
【0007】
特開平6−157089号公報には、セメントキルンの抽気同伴ダストを、該抽気同伴ダスト中の、たとえば、カドミウムのような第1障害物質の沈殿に最適なpHに調整した1次スラリーにする工程と、該1次スラリーの液分を、たとえば、鉛のような第2障害物の沈殿に最適なpHに調整した第2スラリーにする工程とを備えていることを特徴とし、さらに、所望により、第1次スラリーに、たとえば、硫化ソーダおよび硫化水素のような沈殿促進剤をさらに添加するキルンダストの処理システムが記載されている。
【0008】
特開平9−295841号公報には、特定量以上の硫黄を硫化物として原始的に含有している抽気同伴ダストに水を加えてスラリー化し、硫化物の量に応じて該スラリーを固液分離した後の液相、または、固液分離しないままのスラリー自体をpH8.5〜11.0に調整して溶存する鉛などの有害物質を沈殿させた後、固液分離を行なうことを特徴とする抽気ダストの処理方法が記載されている。しかして、この方法は、前記の特開平6−157089号公報記載のキルンダストの処理システムでは、所望により、たとえば、硫化ソーダおよび硫化水素のような沈殿促進剤を添加する場合にはそのための装置および費用などを必要とする欠点があるとして、この欠点を解消するための方法であって、この方法における硫化物は、意図的に添加された硫化ソーダおよび硫化水素などの硫化物ではなく、セメントの主原料に含有されている硫黄酸化物の一部が還元雰囲気中で還元されて生成されたものであり、その量は抽気ガスに同伴してくる酸化カルシウムの量をコントロールすることによってコントロールされるものであるとしている。
【0009】
本発明者らは、抽気同伴ダストなどのセメントダストを水洗して得られたスラリーからカドミウム成分および鉛成分などの有害な重金属成分を不溶化せしめて沈殿となし、該沈殿を分離・除去して、廃水中のこれらの重金属成分の濃度を規制値未満とするために、前記のような従来技術について検討を加えた。その結果、セメントダストを水洗して得られたスラリーから分離された液分のpHをほぼ中性乃至弱アルカリ性に調整し、その後、硫化剤と混合して、該液分に溶存している鉛成分などの重金属成分を不溶化せしめて固形物となして、この液分をスラリーに変換せしめ、このスラリーから固液分離によって前記固形物を分離する際に、不溶化せしめられた重金属成分を含有する固形分の性質に起因して、スラリーからの固形物の分離・除去が困難であるが、このようなスラリーから液分が分離された濃縮物と、前記のセメントダストを水洗して得られたスラリーから液分が分離された濃縮物とを混合することによって、この固形物のスラリーからの分離・除去を容易とすることができるとの新知見を得、この新知見に基づいて本発明に到達した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本第一発明は、セメントダストを水洗して得られたスラリーを固液分離し、該固液分離で分離された液分をpH7〜9に調整し、かつ、pH調整された液分に硫化剤を添加して該液分に溶存している重金属成分を不溶化して固形物となして前記の液分をスラリーとなし、該スラリーから液分が分離された濃縮物と前記のセメントダストを水洗して得られたスラリーから液分が分離された濃縮物とを混合し、該混合物を固液分離することを特徴とするセメントダストの処理方法である。
【0011】
本第二発明は、前記の本第一発明のセンメントダストの処理方法に使用するための装置である。
すなわち、セメントダスト水洗槽からのスラリーのための第1段固液分離手段、該第1段固液分離手段からの液分のpHを7〜9に調整し、かつ、硫化剤と混合して、該液分に溶存している重金属成分を不溶化せしめる不溶化槽および該不溶化槽からのスラリーのための第2段固液分離手段が順次連設せしめられ、該第1段固液分離手段の濃縮物移送手段と該第2段固液分離手段の濃縮物移送手段とが会合せしめられて統合手段とされ、該統合手段が固液分離手段に接続せしめられていることを特徴とするセメントダスト処理装置である。
【発明の実施の形態】
【0012】
本発明におけるセメントダストは、セメント製造装置から発生し、少なくとも、アルカリ成分、塩素成分ならびにカドミウム成分および鉛成分などの重金属成分などを含有しているダストであればよく、抽気同伴ダストが特に好適に処理されるが、セメント製造装置のクーラーおよび粉砕機などのそれぞれから排出せしめられたダストも好適に処理される。
【0013】
セメントダストは常法によって水洗される。この水洗によって得られた液は、そのpHが、通常は、12〜13程度であり、セメントダストに含有されていたアルカリ成分および塩素成分ならびに鉛成分などを高濃度で溶存せしめており、カドミウム成分は不溶化せしめられて固形分として含有せしめられたスラリー(このスラリーを以下 第1段スラリー と記す)である。
【0014】
前記の第1段スラリーは、好適には、凝集沈降装置および重力沈降装置などの固液分離手段によって液分を分離して濃縮物とされる(これらの液分および濃縮物のそれぞれをを以下 第1段液分および第1段濃縮物 と記す)。第1段濃縮物は固形物濃度が高いスラリーである。
第1段液分は、これに酸性物質を添加してpH7〜9程度の中性乃至弱アルカリ性に調整される。酸性物質には特に制限はなく、有機酸および鉱酸のそれぞれが好適に使用され、鉱酸が特に好ましい。有機酸の代表例としてしゅう酸および酢酸を、また鉱酸の代表例として、塩酸、硝酸および硫酸などのそれぞれを挙げることができる。就中、硫酸が最も好ましい。
【0015】
所定のpHに調整された第1段液分に沈殿促進剤として硫化剤が添加され、該液に溶存している鉛成分などの重金属成分(この重金属成分を以下 第二重金属成分 と記す)は硫化せしめられて不溶化され、該液分は不溶化された第二重金属成分を含有するスラリー(このスラリーを以下 第2段スラリー と記す)とされる。この際のpHが7〜9の範囲外である場合には、第二重金属成分の不溶化は不十分となる。
【0016】
この硫化剤は第二重金属成分を硫化せしめて不溶化し得る物質であればよく、特に制限はないが、硫化水素およびアルカリ金属の硫化物などが好適に使用される。なお、アルカリ金属の硫化物には水硫化物も包含される。硫化物の代表例として、硫化ナトリウムNa2Sおよび水硫化ナトリウムNaHSなどがある。
【0017】
硫化剤の使用量は、第1段液分に溶存している第二重金属成分の種類よび濃度ならびに硫化剤の種類などによって異なり一概に特定し得ないが、前記の第1段液分に溶存している第二重金属成分の重量に対して化学量論以上でなければならない。たとえば、第二重金属成分が鉛成分であり、硫化剤がアルカリ金属の硫化物である場合には、通常は、アルカリ金属の硫化物の使用量は前記の液分の重量に対して0.1〜2重量%程度とされる。
このpH調整および不溶化は、通常は、室温乃至常温で行なわれるが、加熱下および冷却下のいずれでも行なうことを妨げない。
【0018】
第2段スラリーは、その液分が分離されて濃縮物とされる(これらの液分および濃縮物のそれぞれを以下 第2段液分および第2段濃縮物 と記す)。この第2段液分の分離には、凝集沈降装置または重力沈降装置が好適に使用される。この際の沈降を促進するために第2段スラリーに高分子凝集剤を添加することが好ましい。高分子凝集剤としてそれ自体公知のものを使用し得るが、たとえば、アクリルアミド系のカチオン系高分子凝集剤が最も好ましい。このようにして得られた第2段濃縮物は固形物濃度が高いスラリーである。
【0019】
この第2段液分は、通常は、各種の規制値の全てを満足しているので、そのまま廃水として放流することができる。しかしながら、第2段液分が各種の規制値のいずれかを満足していない場合には、これらの規制値を満足させるべく濾過などの各種の処理を経た後に廃水として放流することができ、また、そのまま、または、処理後に不溶化の工程に戻すともできる。
第2段濃縮物は、その全量が、前記の第1段濃縮物の全量と混合され両濃縮物の混合物(以下 混合濃縮物 と記す)とされ、この混合濃縮物は固形物と液とに分離される。
【0020】
前記の混合濃縮物からの固形物と液との分離には、たとえば、遠心分離機および濾過装置などの固液分離手段が好適に使用され、混合濃縮物から分離して得られる固形物(以下 混合固形物 と記す)は、含水率が低いケーキである。
混合固形物の無機塩類の含有率が高い場合には、この無機塩類の濃度を低下せしめる目的で、該混合固形物を水洗することが好ましく、多段洗浄することが特に好ましい。混合固形物を水洗した際の洗浄排水は、セメントダスト水洗用洗浄水として使用することにより、新しい洗浄水の量を節減できるので好ましい。
【0021】
混合濃縮物から分離された混合固形物は、通常は、その全量がセメントの主原料と混合されて再使用される。
また、混合濃縮物から分離された液は、通常は、第1段液分と混合されるが、この液が各種の規制値の全てを満足している場合にはそのまま廃水として放流することもできる。
【0022】
本発明の装置において第1段固液分離手段および第2段固液分離手段は、それぞれ、好適には、たとえば、凝集沈降装置および重力沈降装置などの沈降装置である。さらに、統合手段に接続せしめられ混合濃縮物を固液分離するための固液分離手段は、好適には、たとえば、遠心分離機および濾過装置などである。これらの機器は連続式または回分式のいずれであってもよく、それ自体公知のものを使用できる。濾過装置として、フィルタープレスのような回分式濾過装置および水平ベルト式濾過装置のような連続式濾過装置のいずれでもよいが、後者が好ましい。
本発明の装置における不溶化槽は槽型および塔型のいずれであってもよい。
【0023】
本発明の装置において、液体を移動せしめる手段(移動せしめる手段を以下 移送手段 と記す。また、液体の移送手段を以下 液体移送手段 と記す)として、通常は、パイプが使用され、このパイプには、所望により、たとえば、ターボ型ポンプのようなポンプを介在せしめることができる。また、濃縮物である固形物濃度が高いスラリーの移送手段(以下 スラリー移送手段 と記す)としては、通常は、パイプが使用され、パイプには、所望により、たとえば、ターボ型ポンプまたは容積型ポンプ乃至スラリーポンプなどを介在せしめることができる。さらに、濃縮物である含水率の低いケーキおよび固形物のそれぞれの移送手段(以下 固形物移送手段 と記す)として、通常は、ベルトコンベヤ、バケットコンベヤおよびスクリューコンベヤなどのコンベヤが使用される。
【0024】
統合手段は、混合濃縮物がスラリーであるので、スラリー移送手段とされる。また、統合手段としての移送手段に槽類を介在せしめることができる。
これらの移送手段は、液体、スラリー、濃縮物、ケーキおよび固形物などの被移動物を連続的に移動せしめるために好適に使用されるが、被移動物を回分的に移動せしめる場合にも使用することができる。
【0025】
混合濃縮物を固液分離するための固液分離手段は、その液排出口と第1段液分移送手段とが液移送手段によって接続せしめられ、また、所望により排水管と接続せしめられている。他方、その固形物排出口は、固形物移送手段によってセメント製造装置に接続せしめられている。さらに、この固液分離手段で得られた固形物は所望によって水洗されるが、この固液分離手段の洗浄排水の排水口はセメントダスト水洗槽と液移送手段である液移送管によって接続せしめられてもよく、かつ、好ましい。
【0026】
また、第2段固液分離手段において、第2段液分排出口は、液移送手段によって、排水管に最終的に接続されている。この液移送手段に、貯槽および濾過装置などの各種の清浄機などを介在せしめることができる。この濾過装置としてはオートサンドフィルタ(商品名 月島機械株式会社の商品)が最も好ましい。また、この第2段液分排出口は液体移送手段によって最終的に不溶化槽に接続せしめることができる。
本発明の装置は連続的にまたは回分的に操作することができる。
【0027】
本発明において、最終的には各種の規制値を満足せしめられた排水が廃水として排出されるのみであり、不溶化された重金属成分を含有する固形物の全量はセンメントの主原料と混合して再使用され、セメント製造装置外およびセメントダスト処理装置外へ排出せしめられることはないので、環境を汚染する危険性は全くない。
【0028】
【実施例】
本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
本発明のセメントダスト処理装置の代表例を図面により説明する。
図1は本発明のセメントダスト処理装置の代表例のフローシートである。
【0029】
すなわち、セメントダスト水洗槽 1、第1段固液分離手段である凝集沈降槽 2、不溶化槽 3および第2段固液分離手段である凝集沈降槽 4が順次、直列に連設せしめられている。
セメントダスト水洗槽 1にはセメントダスト供給管11、給水管12および第1段スラリー排出口13が配設されている。しかして、第1段スラリー排出口13はスラリー移送手段であるスラリー移送管14によって凝集沈降槽 2に接続されている。また、セメントダスト水洗槽 1の内部には電動機 Mで駆動される攪拌機15が装着されている。
【0030】
凝集沈降槽 2には第1段液分排出口21および第1段濃縮物排出口22がそれぞれ配設されている。第1段液分排出口21は液体移送手段である液分移送管23によって不溶化槽 3に接続されている。液分移送管23には酸性物質供給管231が取付けられている。また、第1段濃縮物排出口22にはスラリー移送手段である濃縮物移送管24が接続されている。しかして、凝集沈降槽 2の内部には電動機 Mで駆動される集泥レーキ25が装着されている。
【0031】
不溶化槽 3には硫化剤供給管31および第2段スラリー排出口32が配設されている。この第2段スラリー排出口32はスラリー移送手段であるスラリー移送管33によって凝集沈降槽 4に接続されている。しかして、不溶化槽 3の内部には電動機
Mで駆動される攪拌機34が装着されている。
【0032】
凝集沈降槽 4には第2段液分排出口41および第2段濃縮物排出口42がそれぞれ配設されている。第2段液分排出口41には液体移送手段である液分移送管43が接続されている。第2段濃縮物排出口42にはスラリー移送手段である濃縮物移送管44が接続されている。濃縮物移送管44にはポンプ441が介在せしめられている。しかして、凝集沈降槽 4の内部には電動機 Mで駆動される集泥レーキ45が装着されている。
【0033】
前記の濃縮物移送管24と濃縮物移送管44とは互いに会合せしめられて統合手段である管 5とされている。管 5はポンプ 51を介して固液分離手段である濾過機 6に接続されている。濾過機 6には液排出口61および固形物排出口62が設けられている。液排出口61および固形物排出口62には、液体移送手段である液移送管63および固形物移送手段であるコンベヤ64がそれぞれ接続されている。
また、濾過機 6には洗浄給水管65が接続されている。他方、この固形物を水洗した洗浄排水の排水口は66はセメントダスト水洗槽 1と液移送管661によって接続されている。
【0034】
液移送管63は、さらに、分岐せしめられて分岐管631および分岐管632とされている。これらの分岐管631および分岐管632には弁6311ならびに弁6321および弁6322がそれぞれ設けられている。濾過機 6の液排出口61は液移送管63および分岐管631によって、最終的には、液分移送管23と接続せしめられており、他方、液移送管63および分岐管632によって、最終的には、排水管 8に接続せしめられている。また、濾過機 6の固形物排出口62はコンベヤ64によってセメント製造装置に接続せしめられている。但し、セメント製造装置は図示されていない。濾過機 6には洗浄水供給管65が設けられている。他方、この固形物を水洗した洗浄排水の排水口66はセメントダスト水洗槽 1と液移送管661によって接続されている。
【0035】
液分移送管43には、貯槽431、ポンプ432および管433が逐次介在せしめられ、管433は濾過機であるオートサンドフィルタ 7に接続せしめられている。また、管433から分岐管434が分岐せしめられており、管433は分岐管434によって、最終的に、排水管 8に接続せしめられている。分岐管434 には弁4341が設けられている。
【0036】
さらに、管433から分岐管435が分岐せしめられている。管433および分岐管435には分岐管435との分岐点よりも下流側に弁4331および弁4351がそれぞれ設けられている。
オートサンドフィルタ 7には洗浄排水口71および濾過水排出口72がそれぞれ配設されている。洗浄排水口71には洗浄排水管73が接続されており、洗浄排水管73には弁731が設けられている。
【0037】
濾過水排出口72には排水管 8が接続されており、排水管 8には弁81が設けられている。排水管 8からは弁81の下流側で分岐管82が分岐せしめられており、分岐管82には弁821が設けられている。凝集沈降槽 4の第2段液分排出口41は最終的には排水管 8に接続せしめられている。排水管 8は分岐管82によって不溶化槽 3に接続せしめられている。管433は分岐管435によって分岐管82に接続せしめられている。オートサンドフィルタ 7の洗浄排水口71は洗浄排水管73によって分岐管82に接続せしめられている。
【0038】
このセメント装置を使用する本発明のセンメント処理方法について説明する。すなわち、セメント製造装置からのセメントダストがセメントダスト供給管11からセメントダスト水洗槽 1に供給される。セメントダスト水洗槽 1においてこのセンメントダストは給水管12から供給された洗浄水によって攪拌下で水洗され、カドミウム成分の沈殿を含有し、鉛成分のような第二重金属成分を溶存せしめている第1段スラリーがセメントダスト水洗槽 1からスラリー排出口13を経由して排出される。この第1段スラリーはスラリー移送管14によって凝集沈殿槽 2に送られる。
【0039】
凝集沈殿槽 2において緩い攪拌下で第1段スラリーは第1段液分と第1段濃縮物とに分離される。第1段液分は第1段液分排出口21から液分移送管23によって不溶化槽 3に送られる。他方、第1段濃縮物は第1段濃縮物排出口22から濃縮物移送管24を経由して排出せしめられる。また、前記の第1段液分に酸性物質供給管231から硫酸のような酸性物質が添加され第1段液分は、pH7〜9の範囲内の所定のpHに調整される。
【0040】
所定のpHに調整され不溶化槽 3へ送られた第1段液分に、硫化剤供給管31から供給された硫化水素ナトリウムのような硫化剤が添加され攪拌によって混合されて、第1段液分に溶存していた第二重金属成分は不溶化せしめられ、第1段液分は不溶化せしめられた第二重金属成分を含有する第2段スラリーとされる。
第2段スラリーは、所望により、高分子凝集剤が添加され、第2段スラリー排出口32からスラリー移送管33によって凝集沈降槽 4に送られる。
【0041】
凝集沈殿槽 4において緩い攪拌下で第2段スラリーは第2段液分と第2段濃縮物とに分離される。第2段液分は第2段液分排出口41から液分移送管43によって排出せしめられる。他方、第2段濃縮物は第2段濃縮物排出口42からポンプ441を経由し濃縮物移送管44によって排出せしめられる。
【0042】
濃縮物移送管44によって排出せしめられた第2段濃縮物と前記の濃縮物移送管24によって排出せしめられた第1段濃縮物とはポンプ51を経由せしめられて管 5によって濾過機 6に送られるまでに互いに混合され混合濃縮物とされる。混合濃縮物は濾過機 6に送られ、ここで液と混合固形物とに分離される。濾過機 6では、混合固形物は、所望により、洗浄水供給管65から供給された水で洗浄して脱塩される。
【0043】
濾過機 6で分離された液は液排出口61から液移送管63によって排出せしめられ、さらに弁6311を経由して、分岐管631によって液分移送管23に送られる。また、液移送管63によって排出せしめられた液が各種の規制値を満足する場合には、この液を弁6321および弁6322を順次経由せしめて分岐管632と接続せしめられた排水管 8から廃水として放流することができる。
また、濾過機 6で分離された混合固形物は、所望により、洗浄給水管65から供給された水で水洗された後に固形物排出口62から排出せしめられ、その全量がコンベヤ64によってセメント製造装置に送られる。混合固形物を水洗した洗浄排水は排水口66から液移送手段661を経由してセメントダスト水洗槽 1に供給される 。
【0044】
第2段液分は液分移送管43、貯槽431、ポンプ432、管433、弁4331およびオートサンドフィルタ 7を順次経由せしめられ、各種の規制値を満足せしめられた濾過水は濾過水排出口72、弁81を経由して排水管 8から廃水として放流される。また、この濾過水は弁821を経由せしめ分岐管82によって不溶化槽 3へ戻すこともできる。オートサンドフィルタ 7での少量の固形物を含有する洗浄排水は、オートサンドフィルタ 7の洗浄排水口71から排出され弁731を経由せしめ洗浄排水管73および分岐管82によって不溶化槽 3へ戻される。また、管433で送られた第2段液分を、オートサンドフィルタ 7を経由せしめずに、弁4351を経由せしめ分岐管435によって分岐管82に送り、最終的には、不溶化槽 3に戻すこともできる。さらに、第2段液分が各種の規制値を満足している場合には、ポンプ432から排出せしめられた第2段液分を弁4341が介在せしめられている分岐管434およびおよび弁6322が介在せしめられている分岐管632を順次経由せしめ、直接、廃水として排水管 8から放流することもできる。
【0045】
実施例2
セメントダスト10重量部を水洗して第1段スラリー110重量部を得た。
この第1段スラリーを沈降凝集槽によってpH13.0の第1段液分91重量部と第1段濃縮物19重量部とに分離した。第1段濃縮物は固形物濃度が高く流動性が小さいスラリーであった。前記第1段液分と混合濃縮物から分離された液分の全量11重量部との混合液を硫酸によってpH8.8に調整し、5%水硫化ナトリウム水溶液4重量部を添加して第2段スラリー106重量部を得た。ここで使用された硫酸の量は0.43重量部であった。
【0046】
この第2段スラリー全量を沈降凝集槽によって第2段液分105重量部と第2段濃縮物1重量部とに分離した。この第2段液分のpHは8.53であった。また、第2段濃縮物は、固形物濃度が低く流動性が比較的大きいスラリーであった。前記の第1段濃縮物の全量と第2段濃縮物の全量とを混合して混合濃縮物とし、この混合濃縮物を濾過機によって液と混合固形物とに分離しつつ、この混合固形物を水洗して液22重量部および固形物8.3重量部を得た。
セメントダスト、第1段液分、第1段濃縮物、第2段液分、第2段濃縮物ならびに混合濃縮物からの液および混合固形物を水洗脱塩した後の固形物のそれぞれの組成を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004042008
【0048】
表1に示されているように、第2段液分は各種の規制値を満足しているので、廃水としてそのまま放流することができる。
【0049】
比較例1
実施例1で得られた第2段濃縮物を、実施例1において混合濃縮物の固液分離に使用した濾過機で固液分離を試みたが、該第2段濃縮物に含有されている固形分の性質に起因して固液分離が困難であった。
さらに、濾過機以外の各種の固液分離手段を使用して前記の第2段濃縮物の固液分離を試みたが、矢張り、固液分離が困難であった。
【0050】
【発明の効果】
本発明によって不溶化された鉛成分などの第二重金属成分を含有するスラリーから、不溶化された鉛成分などの第二重金属成分を通常の固液分離手段のみによって容易に分離することができ、しかも各種の規制値を満足する排水しか排出されないので、環境を汚染する危険性は全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセメントダスト処理装置の代表例のフローシートである。
【符号の説明】
1 セメントダスト水洗槽
11 セメントダスト供給管
12 給水管
13 第1段スラリー排出口
14 スラリー移送管
15 攪拌機
2 凝集沈降槽
21 第1段液分排出口
22 第1段濃縮物排出口
23 液分移送管
231 酸性物質供給管
24 濃縮物移送管
25 集泥レーキ
3 不溶化槽
31 硫化剤供給管
32 第2段スラリー排出口
33 スラリー移送管
34 攪拌機
4 凝集沈降槽
41 第2段液分排出口
42 第2段濃縮物排出口
43 液分移送管
431 貯槽
432 ポンプ
433 管
4331 弁
434 分岐管
4341 弁
435 分岐管
4351 弁
44 濃縮物移送管
441 ポンプ
45 集泥レーキ
5 管
51 ポンプ
6 濾過機
61 液排出口
62 固形物排出口
63 液移送管
631 分岐管
6311 弁
632 分岐管
6321 弁
6322 弁
64 コンベヤ
65 洗浄水供給管
66 排水口
661 液移送管
7 オートサンドフィルタ
71 洗浄排水口
72 濾過水排出口
73 洗浄排水管
731 弁
8 排水管
81 弁
82 分岐管
821 弁
M 電動機

Claims (4)

  1. セメントダストを水洗して得られたスラリーを固液分離し、該固液分離で分離された液分をpH7〜9に調整し、かつ、pH調整された液分に硫化剤を添加して該液分に溶存している重金属成分を不溶化して固形物となして前記の液分をスラリーとなし、該スラリーから液分が分離された濃縮物と前記のセメントダストを水洗して得られたスラリーから液分が分離された濃縮物とを混合し、該混合物を固液分離することを特徴とするセメントダストの処理方法。
  2. 不溶化される重金属成分が鉛成分である請求項1記載のセメントダストの処理方法。
  3. セメントダスト水洗槽からのスラリーのための第1段固液分離手段、該第1段固液分離手段からの液分のpHを7〜9に調整し、かつ、硫化剤と混合して、該液分に溶存している重金属成分を不溶化せしめる不溶化槽および該不溶化槽からのスラリーのための第2段固液分離手段が順次連設せしめられ、該第1段固液分離手段の濃縮物移送手段と該第2段固液分離手段の濃縮物移送手段とが会合せしめられて統合手段とされ、該統合手段が固液分離手段に接続せしめられていることを特徴とするセメントダスト処理装置。
  4. 不溶化槽において不溶化せしめられる重金属成分が鉛成分である請求項3記載のセメントダスト処理装置。
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