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JP4042501B2 - 自動遠心分離装置 - Google Patents
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正 大河原
健二 山田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医学・農学・薬学・理学などの分野で細胞・核酸などの有用物質の分離を実行する自動遠心分離装置の信頼性向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
血液の生化学自動分析処理に際して、検体処理の省力化、検査結果のクイックレスポンス、検体への接触処理による感染防止などの要求から、検体が搭載された容器を遠心バケットにローディングし、バケットを吊り下げる回転体を回転させて遠心分離工程を終了した後に、バケットから容器をアンローディングする前処理の自動遠心分離機が開発されてきた。 生化学分野においては、毎日のルーチン業務で使用され、分析機器との組合せで検体容器の形状は一定であり、特開平10−277435の図1・2、特開平11−276933の図7に示すように、検体の搭載された容器をライン上に移動し、特定位置で停止する方法で、容器の位置決めを実施しており、また、検体は血液の入ったチューブでありその容器は特開平11−276933の図3に示すように縦方向にある程度の長さがあり、上部を把持して直接遠心分離機内のバケットに搬入していた。
【0003】
一方、DNA等の遺伝子物質を分離・抽出するには、各種の試薬を注入して化学反応させる工程と遠心分離工程を繰り返す作業があり、各種の分注工程を自動化した自動機(以後自動分注機と呼ぶ)との接続が必要である。また、遺伝子物質の分離はマイクロプレートと呼ばれる検体容器が使用され、自動分注機側から検体容器を特定の場所にセットした後に、特開2000−176317の図1に示すように自動遠心分離装置側のハンドリング機構が、直接容器の搬入、遠心、搬出戻しを実施する工程となる。
【0004】
遺伝子物質の分離・抽出作業は、研究レベルの場合が多く、一社で全体のシステムとして構成される場合が少なく、各社の自動分注機との接続が避けられない状況にある。また、使用する検体容器(マイクロプレート)のウェル(サンプルをいれる穴)が浅いものや深い物があり、高さの違いなどにより、直接把持して遠心分離機内のバケットへの搬入を上方からすることは、困難である。各種の検体容器(マイクロプレート)に対し、バケット内での位置精度を保つために、バケットの底部と検体容器の底部との寸法差は小さくする必要がある一方、逆に検体容器を把持するハンドリング機構の動作量が制限されるために、各種の検体容器を直接上方から把持搬入することは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、各種サイズの異なる検体容器を搬送手段で直接把持して搬入・搬出することは困難である。そこで、各種サイズの異なる検体容器を収容可能な保持容器を用いて搬送する手法は有効である。しかしながら、バケットに水などの液体が溜まった状態で保持容器をバケットから持ち上げようとすると、保持容器の底部とバケットが表面張力で密着してバケットまで持ち上がり、回転体から脱落するという不具合が発生する。この異常事態を知らずに高速回転させると自動遠心分離装置が破壊して破片が飛び散り、人体を傷つけてしまうという大事故になりかねない。
本発明の目的は、表面張力などの影響で保持容器とバケットが密着しないようにすることである。
本発明の他の目的は、保持容器を持ち上げた際に、何らかの原因でバケットが回転体から脱落しても確実に異常状態を検出して、事故を未然に防ぐ信頼性の優れた自動遠心分離装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、複数の被遠心分離検体を納めた検体容器と、該検体容器を収容保持する保持容器と、該保持容器を収容可能なバケットと、該バケットを吊り下げる回転体と、該回転体を回転させて被遠心分離検体を遠心分離し且つ該回転体の位置決めを実行するサーボモータを備えた遠心分離機と、該検体容器と該保持容器を授受する容器ポートと、該容器ポートと該バケットとの間で該保持容器の搬送を行う搬送手段とを有する自動遠心分離装置において、
貫通穴から液体を抜く事と表面張力を下げるために、前記バケットの底部に貫通穴を設け、更に前記保持容器の底面の外側に底面凸部を設けることにより解決できる。
【0007】
また、前記バケットに収容された前記保持容器を前記搬送手段で前記容器ポートへ搬送する工程Aと、工程Aの直後に前記回転体に前記バケットが吊り下げられているかを確認する工程Bを設けることにより解決できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は自動遠心分離装置1の斜視図、図10は自動遠心分離装置1の一部断面図である。自動遠心分離装置1は、遠心分離機4、保持容器10、搬送手段5、ドア7、容器ポート8、冷凍機25、搬入/搬出口26を有した回転体室27などから構成され、操作/制御部6によって制御される。
【0009】
遠心分離機4は回転することにより検体容器22を遠心し検体の分離を行う。
【0010】
搬送手段5は保持容器10を容器ポート8と遠心分離機4内のバケット13との間で搬送する。また、搬送手段5はドア7の開閉、および遠心時にはドア7の風圧による浮き上がりを防止するためドア7を上から押えている。
【0011】
冷凍機25は操作/制御部6からのON・OFF制御(温度制御)により遠心する検体の冷却を行っている。
【0012】
図2は容器ポート8の斜視図である。容器ポート8は図示していない自動分注機との検体容器22の受け渡し場所としての役割をもち、検体容器22をセットする検体容器授受部2、保持容器10をセットする保持容器授受部3、検体容器22のセットを検出する透過形センサー▲1▼9、保持容器10のセットを検出する透過形センサー▲2▼23(保持容器授受部3の下側に固定)から構成されている。
【0013】
図3は保持容器10を示す斜視図である。保持容器10は検体容器22を搭載する役割を持ち、側面穴部11、溝部12を有したフック24、および図6に示すように外側に底面凸部20が設けてある。側面穴部11は遠心によって回転体室27内に発生した風圧による曲げ応力を低減させるために設けてある。また、底面凸部20は、バケット13との接触面積を小さくすることにより、保持容器10搬出の際、バケット13に溜まった液体が原因で発生する表面張力を低減させる役割を持っている。水の場合、底面凸部20の厚みは0.5mm程度以上が好ましく、表面張力の低減効果がある。フック24はフィンガ18にて保持容器10を支持する部位である。
【0014】
図4は遠心分離機4を示す図である。遠心分離機4は回転体15、バケット13から構成されている。バケット13は、回転体15に固定されているピン16により円筒支持されており、図に示していないモータ(サーボモータ)により駆動される。モータの駆動により回転体15は回転し、バケット13は遠心力によりピン16を中心に外周方向にスイングする。また、バケット13には貫通穴部14が設けてある。貫通穴部14は、冷凍機25の冷却による結露水や搬送時において検体容器22からこぼれて溜まったバケット13内の液体を遠心力によってバケット13から外に排出するために設けてある。バケット13は保持容器10を搭載できる。
【0015】
図5は搬送手段5を示す図である。搬送手段5は図10に示してある2個のモータ30a、30bの駆動により左右・上下方向に移動する。またハンド用モータ17の駆動によりカム機構を介して突起部19を有するフィンガ18が開閉する。フィンガ18は図示していないバネで常に閉じる方向へ引っ張られている。このフィンガ18の開閉により、保持容器10を支持、解放する。また、搬送手段5にはフィンガ18の開閉の間隔(ストローク)を検出するセンサ(図示せず)を設けているので、保持容器10を持っている状態、バケット13をつかんでいる状態、全閉状態、全開状態が判るようになっている。
【0016】
保持容器10支持方法は、搬送手段5がフィンガ18を開いた状態で、遠心分離機4内および容器ポート8の保持容器10の掴み・放し位置に移動し、フィンガ18を閉じ上方向に移動する。この時フィンガ18の突起部19は、上方向移動により保持容器10の溝部12に収まり、フィンガ18の上面にて保持容器10のフック24を支持する。また、保持容器10の解放方法は、保持容器10支持方法の逆の手順で行われている。突起部19と溝部12の勘合、及びフィンガ18の閉じる動作により、保持容器10とフィンガ18の位置関係は中心方向に位置決めがなされる構造になっている。また、突起部19と溝部12の勘合により、搬送手段5の移動に伴う慣性力による保持容器の移動を抑えている。
【0017】
図7はドア7の断面図を示す。ドア7には凸部21を設けてある。凸部21はドア7閉鎖時において、回転体室27の搬入/搬出口26に収まり、回転体室27に対してできるだけ凹部が小さく平滑となる形状となっている。これは、遠心時に回転体室27内で発生する空気の攪拌に伴う風損を低減させると共に摩擦熱を防ぐのに有効である。
【0018】
図8はマイクロプレートなどの検体容器22の斜視図である。
【0019】
図9は厚い検体容器22a、および、薄い検体容器22bを搭載した保持容器10の搬送状態を示している。保持容器10を支持して搬送するため、検体容器22の厚さにかかわらず同じ条件での搬送を可能としている。また、検体容器22を2段、3段重ねても搬送可能であることは容易に理解できる。
【0020】
次に装置の具体的な動作例について説明する。先ず、自動遠心分離装置1は検体容器22を自動分注機(図示せず)との間で受け渡しするため、図示していない通信回線で制御可能となる様に接続されている。
【0021】
予め、保持容器10は運転前に予めバケット13に載置しておく。
【0022】
自動分注機側より第1の指令が発せられ、自動遠心分離装置1は、搬送手段5を移動させ、フィンガ18にてドア7をスライドさせて搬入/搬出口26を開放し、図示していないサーボモータで回転体15の位置決め(搬送手段5が保持容器10を取り出す位置に位置決め)を実行する。次に搬送手段5は、バケット13に収容された保持容器10を容器ポート8の保持容器授受部3に搬送する工程Aを実行する。その直後、搬送手段5はバケット13の位置に移動してフィンガ18を閉じて回転体15にバケット13が吊り下げられているかを確認する工程Bを実行する。バケット13が有れば、自動分注機側と干渉しない位置に待機する。もし、バケット13が無ければアラームを発し異常を自動分注機に知らせる。保持容器10を搬送した後、透過型センサー▲2▼23の信号により保持容器10のセットを確認し、自動分注機に対し指令完了を送信する。
【0023】
自動分注機側では、検体容器22を検体容器授受部にセットし、指令2を送信する。
【0024】
自動遠心分離装置1側では、透過型センサー▲1▼9にて検体容器22のセットを確認する。正しくセットされていれば、搬送手段5を用いて保持容器10を遠心分離機4内のバケット13に搬送する。この時に、検体容器授受部2の検体容器22は保持容器10に搭載される。搬送後、搬送手段5は、遠心分離機4およびドア7が干渉しない位置まで移動して指令2完了を送信する。当該第1,2指令に伴う動作を偶数回実施して(回転中心に対して対象となる位置に保持容器10に搭載された検体容器22をセットする)、遠心分離機4内のバランスを保つ。
【0025】
自動分注機側からの第3の指令が発せられると、自動遠心分離装置1は搬送手段5を移動させ、フィンガ18にてドア7をスライドさせて搬入/搬出口26を閉鎖する。閉鎖後、搬送手段5はフィンガ18底面が、ドア7の上面中央部に接触する位置に移動しドア7を押さえる。ドア7押さえ動作は、遠心によって回転室27内に発生する風圧によるドア7浮き上がり防止、および、回転体15駆動に伴う搬送手段5の振動防止の役割を果たしている。次に自動分注機から既に発せられた第3の指令での運転条件(回転速度、遠心速度、設定温度)に従い、遠心を開始する。遠心が終了すると、自動遠心分離装置1は搬送手段5を移動し、フィンガ18にてドア7をスライドさせ、搬入/搬出口26を開放し、第3指令完了を送信する。
【0026】
自動分注機側からの第4指令が発せられると、自動遠心分離装置1は、搬送手段5を用いて、遠心分離機4内のバケット13から保持容器10を容器ポート8の保持容器授受部3に搬送する工程Aを実行する。途中、保持容器10に搭載されている検体容器22は、検体容器授受部2にセットされる。その直後、搬送手段5はバケット13の位置に移動してフィンガ18を閉じて回転体15にバケット13が吊り下げられているかを確認する工程Bを実行する。バケット13が有れば、自動分注機側と干渉しない位置に待機する。無ければ同様にアラームを発する。容器ポート8に設けた透過型センサー▲1▼9及び透過型センサー▲2▼23で、検体容器22と保持容器10が有ることを確認して搬送手段5は自動分注機と干渉しない位置に待機し、自動分注機に対し第4指令完了を送信する。
【0027】
自動分注機側では、検体容器22を検体容器授受部2から搬出し、第5指令を送信する。
【0028】
自動遠心分離装置1は、搬送手段5を用いて、保持容器10を保持容器授受部3から遠心分離機4内のバケット13に搬送し、第5指令完了を送信する。
【0029】
当該第4,5指令を偶数回実施し自動遠心分離装置1側の全容器を処理する。
【0030】
検体容器22が正しくセットされたかどうかの判断に関する本発明の一実施例は、検体容器授受部2に透過型センサー▲1▼9を2段に構成するものである。上段の透過型センサー▲1▼9は検体容器22が正常位置の側面部に信号が発せられる位置にあり、検体容器22の有無を検出することができる。下段の透過型センサー▲1▼9は正常位置から下の部分に信号が発せられ、検体容器22が正常位置にある場合には透過する。しかし、検体容器22が振動および自動分注機側の異常動作で正常にセットされず、保持容器授受部3側に落下状態となった場合、下段の透過センサー▲1▼9の信号が遮断される。上段の透過型センサー▲1▼9の信号が遮断、下側の透過型センサー▲1▼9の信号が透過で正常、上段の透過型センサー▲1▼9の信号に関係なく、下段の透過センサー▲1▼9の信号が遮断のときは異常、上下段の透過型センサー▲1▼9の信号が透過のときは検体容器22が無いと判断できる。上下2段の透過型センサー▲1▼9の信号で検体容器22の有無の確認と、正常位置にセットされたかどうか確認ができ、異常時に対して、確実にアラームを発することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、バケットの底部に貫通穴を設け、更に保持容器の底面の外側に底面凸部を設けたので、貫通穴から液体を抜くことができ、保持容器の搬出の際、バケットに溜まった液体が原因で発生する表面張力を低減させることができたので、バケットの浮き上がりを防止することができる。
また、バケットに収容された保持容器を搬送手段で容器ポートへ搬送する工程Aと、工程Aの直後に回転体にバケットが吊り下げられているかを確認する工程Bを設けたので、信頼性の優れた自動遠心分離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す自動遠心分離装置の斜視図である。
【図2】 本発明の一実施例を示す容器ポートの斜視図である。
【図3】 本発明の一実施例を示す保持容器の斜視図である。
【図4】 本発明の一実施例を示す遠心分離機を示す図である。
【図5】 本発明の一実施例を示す搬送手段である。
【図6】 本発明の一実施例を示す保持容器の側面図である。
【図7】 本発明の一実施例を示すドアの断面図である。
【図8】 本発明の一実施例を示す検体容器の斜視図である。
【図9】 本発明の一実施例を示す検体容器を搭載した保持容器の状態図である。
【図10】 本発明の一実施例を示す自動遠心分離装置の一部断面図である。
【符号の説明】
図において、1は自動遠心分離装置、2は検体容器授受部、3は保持容器授受部、4は遠心分離機、5は搬送手段、6は操作/制御部、7はドア、8は容器ポート、9は透過型センサー▲1▼、10は保持容器、11は保持容器側面穴部、12は保持容器フック溝部、13はバケット、14はバケット貫通穴部、15は回転体、16はピン、17はハンド用モータ、18はフィンガ、19はフィンガ突起部、20は底面凸部、21はドア凸部、22は検体容器、22aは厚い検体容器、22bは薄い検体容器、23は透過型センサー▲2▼、24は保持容器フック部、25は冷凍機、26は回転体室の搬入/搬出口、27は回転体室である。

Claims (1)

  1. 複数の被遠心分離検体を納めた検体容器と、該検体容器を収容保持する保持容器と、該保持容器を収容可能なバケットと、該バケットを吊り下げる回転体と、該回転体を回転させて被遠心分離検体を遠心分離し且つ該回転体の位置決めを実行するサーボモータを備えた遠心分離機と、該検体容器と該保持容器を授受する容器ポートと、該容器ポートと該バケットとの間で該保持容器の搬送を行う搬送手段とを有する自動遠心分離装置において、前記バケットの底部に貫通穴を設け、更に前記保持容器の底面の外側に底面凸部を設けることを特徴とする自動遠心分離装置。
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