JP4043866B2 - ゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法およびゴルフクラブ - Google Patents
ゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法およびゴルフクラブ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフクラブヘッドの各点を打撃手段により打撃した際に、打撃手段の加速度が打撃直後に最初に0になる時間を測定してゴルフクラブヘッドの剛性分布を測定するゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法およびゴルフクラブに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、USGA(全米プロゴルフ協会)はゴルフクラブヘッドのフェース面がゴルフボールを打撃する時に作用する反発係数を測定する測定方法を提案している。図9(a)は、この提案するゴルフクラブヘッドの反発係数を測定する測定装置を示す模式的正面図であり、(b)はその側面図である。なお、図9(b)に示す側面図においては、図9(a)に示すストッパ130および波形解析装置150の図示を省略している。
図9(a)および(b)に示すように、USGAが提案している測定装置100は、載置台102と、支持枠110と、位置決手段120と、ストッパ130と、測定部140とを有する。
支持枠110は、載置台102の上に立設され、位置決手段120を保持するものである。支持枠110においては、1対の第1の支持部材112が載置台102に立設されている。第2の支持部材114が、この第1の支持部材112を支えるように斜めに載置台102の上に設けられており、第1の支持部材112がそれぞれ支持されている。また、第1の支持部材112の間には、その上部に水平方向に延びる梁部116が設けられている。
【0003】
位置決手段120は、ゴルフクラブGをスイングさせるとともに、ゴルフクラブヘッドHのフェース面Fの打撃位置を合わせるものである。位置決手段120においては、梁部116に、ゴルフクラブGを垂直方向に移動させる第1のガイド機構122が設けられている。この第1のガイド機構122には、ハンドル123が設けられており、このハンドル123を回転させることにより、ゴルフクラブGが垂直方向に移動する。また、第1の移動機構122には、ゴルフクラブGを水平方向に移動させる第2のガイド機構124が設けられている。この第2のガイド機構124にもハンドル125が設けられており、このハンドル125を回転させることにより、ゴルフクラブGが水平方向に移動する。このようにして、ゴルフクラブGを水平方向および垂直方向に移動させることができる。
【0004】
第2のガイド機構124には、支持部材128aが設けられ、この支持部材128aに揺動可能に枠部材128bが設けられている。この枠部材128bの枠内には、V字状の溝が形成されたブロックからなる挟持片126が、その溝部を対向させて、1対配置されている。
この枠部材128bには、ねじ軸に直結されたハンドル129が設けられており、このねじ軸は挟持片126の一方を押圧する。このハンドル129を回転させることにより、挟持片126が押圧されてゴルフクラブGのグリップgが溝部に挟持される。この状態でゴルフクラブGは回転可能になる。
【0005】
ストッパ130は、ゴルフクラブヘッドHを所定の高さで固定するものであり、載置台102の端部に設けられた支持台104に設置されている。ストッパ130においては、シャフト134がゴルフクラブGの回転方向と同じ方向に回動可能に可動部材132を介して設けられている。シャフト134の端部には、ゴルフクラブヘッドHのフェース面Fに整合する位置に留部材136が設けられている。可動部材132は係止部材(図示せず)により係止され、シャフト134の延在方向が垂直方向になり、ゴルフクラブGの回転が留部材136により止められる。また、この係止部材による可動部材132の係止を解除することにより、ストッパ130がゴルフクラブGと同じ方向に回動し、ゴルフクラブGがスイングする。
【0006】
測定部140は、ゴルフクラブヘッドHのフェース面Fの応答を測定するものであり、波形解析装置150を有する。測定部140においては、載置台102の上の第1の支持部材112の間に台142が設けられている。台142の上には、支持部材144を介して金属球146が設けられている。ゴルフクラブヘッドHは、そのフェース面Fの中心に金属球146が衝突するように、上述の位置決手段120により調整される。金属球146には、フェース面Fと衝突する面の裏面に加速度センサ148が設けられている。この加速度センサ148は、波形解析装置150に接続されている。この波形解析装置150は、金属球146とフェース面Fとが衝突した際に生じる金属球146の加速度を計測し、衝突してから、加速度が最初に0になる時間を算出し、この情報から反発係数を求める装置である。
【0007】
このゴルフクラブヘッドHのフェース面Fの反発係数の測定方法においては、ゴルフクラブGを位置決手段120で固定するとともに、フェース面Fの打撃位置を合わせる。そして、ゴルフクラブヘッドHを所定の高さにストッパ130で固定し、このストッパ130を解除して、所定の速度で金属球146にゴルフクラブヘッドを衝突させる。そして、金属球146とフェース面Fとが衝突してから、金属球146の加速度が最初に0になる時間を波形解析装置150で算出する。この方法によると、ゴルフクラブヘッドHが異なっていても、同じ速度で金属球146にゴルフクラブヘッドHを衝突させた場合、加速度が最初に0になるまでの時間が短い程、反発係数が高くなるとされている。このため、ゴルフクラブヘッドHのフェース面Fの反発係数を評価することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、提案されているゴルフクラブヘッドのフェース面の反発係数の測定方法においては、ゴルフクラブシャフトを回転可能に支持してゴルフクラブヘッドHを回転させる、いわゆる振り子を用いるために、測定に際して、各ゴルフクラブヘッドのフェース面の打撃位置がばらつき、ゴルフクラブヘッドのフェース面の反発係数について適正に測定できない虞がある。
また、この提案されている反発係数の測定方法においては、測定されるゴルフクラブヘッドの質量により、衝撃力が変化するという問題点もあり、これにより、反発係数を高精度に測定できない虞がある。
【0009】
このように、提案されているゴルフクラブヘッドの反発係数の測定方法では、ゴルフクラブヘッドの反発係数を適正に評価していない虞があり、ゴルフクラブヘッドの反発係数の測定精度を向上させることが望まれている。
【0010】
さらに、提案されているゴルフクラブヘッドの反発係数の測定装置では、ゴルフクラブヘッドの衝突速度を上げるために、測定に際してゴルフクラブヘッドHを持ち上げる必要があり、このため、ストッパのシャフトを長くする必要があるとともに、多くのスペースを必要とする。
ところで、上述の反発係数の大小は、ゴルフクラブのフェース面の剛性の大小と対応する。このため、ゴルフクラブヘッドの剛性を測定する場合に、上記反発係数と同様の問題点が発生する虞がある。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、ゴルフクラブヘッドの剛性分布を簡易に、かつ高精度に測定できるゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法およびゴルフクラブを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、ゴルフクラブヘッドを打撃することによってゴルフクラブヘッドの剛性分布を測定するゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法であって、打撃手段により、前記ゴルフクラブヘッドの複数位置を打撃し、前記複数位置のそれぞれにおける前記打撃手段の加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間を測定する工程と、前記加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間が剛性の違いにより異なり、前記最初に0になる時間が短いと剛性が高いという関係に基づいて、打撃した前記複数位置の各位置において求められた前記加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間から、ゴルフクラブヘッドの剛性分布を求める工程とを有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法を提供するものである。
【0013】
本発明においては、例えば、前記打撃手段は、ハンマであり、前記加速度は、前記ハンマの打撃部分に設けられた加速度センサにより測定される。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドは、直交する3軸方向に移動可能に支持され、前記打撃手段は、金属からなる球体、前記球体に接続された軸、および前記軸を一定速度で移動させて前記球体を前記ゴルフクラブヘッドに衝突させる移動手段を有し、前記加速度は、前記球体に設けられた加速度センサにより測定されることが好ましい。
さらに、本発明においては、打撃直後に最初に0になる時間を測定する工程の後工程に、更に前記加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間が反発係数の違いにより異なり、前記最初に0になる時間が長いと反発係数が高いという関係に基づいて、打撃した前記複数位置の各位置において求められた前記加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間から、ゴルフクラブヘッドの反発係数の分布を求める工程を有することが好ましい。
【0014】
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様のゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法に基づいて設計されていることを特徴とするゴルフクラブを提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法について、添付の図面を基に詳細に説明する。
本願発明者等は、上述の如く、フェース面と金属球とを衝突させて、衝突時点から金属球の加速度が打撃直後に最初に0になる時間を測定する場合、ゴルフクラブヘッドの位置によって、金属球の加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間が違うことを知見した。このように、ゴルフクラブヘッドの位置によって金属球の加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間が異なるのは、ゴルフクラブヘッドのフェース面の剛性の違いによるものであることを見出した。すなわち、ゴルフクラブヘッドと金属球とを衝突させて、衝突時点から金属球の加速度が打撃直後に最初に0になる時間を測定することは、ゴルフクラブヘッドの局所的な剛性を相対的(定性的)に測定することに対応する。
【0016】
図1(a)は、本発明の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法に利用される剛性分布測定装置を模式図であり、(b)は、(a)の剛性分布装置の処理装置を示すブロック図である。
剛性分布測定装置50は、ゴルフクラブヘッドHの剛性分布を測定する装置であって、ゴルフクラブヘッドHの各点を打撃手段により打撃し、このときの打撃手段の加速度の応答信号を取り込み、加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間、すなわち、打撃手段によりゴルフクラブヘッドの各点において、打撃が加えられた時点から打撃直後に最初に加速度が0になる時間を求める。この打撃手段の加速度が打撃直後に最初に0になる時間を、ゴルフクラブヘッドの各点について求め、この加速度が打撃直後に最初に0になる時間に基づいて、ゴルフクラブヘッドの剛性分布を求める。この剛性分布の測定部位は、フェース面に限定されるものではなく、ゴルフクラブヘッドのソール、クラウンおよび側壁などであっても、その剛性分布を測定することができる。
この剛性分布は、例えば、打撃音の改善、および剛性の改善などのゴルフクラブヘッドの設計に反映させることができる。
【0017】
剛性分布測定装置50は、打撃手段であるインパクトハンマ10と、インパクトハンマ10の加速度を測定する加速度センサ14と、この加速度センサ14により得られた加速度信号を処理する処理部とを有する。
インパクトハンマ10は、打撃面に金属球12が設けられている。打撃部分、より詳しくは、打撃面の裏面に、加速度センサ14が設けられている。
加速度センサ14は、例えば、Endevco 社製Model122等小型軽量のものが用いられる。
【0018】
処理部は、加速度センサ14の加速度信号が入力されるアンプ16と、この加速度信号を取り込むアナログ入出力カード20と、アナログ入出力カード20から供給される増幅された加速度信号を用いて、ゴルフクラブヘッドの剛性の特性を評価するモバイル型のコンピュータ22と、を有して構成される。
アンプ16は、加速度センサ14から取り込まれた加速度信号を増幅するものであり、加速度センサ14に接続される接続端子16aと、アナログ入出力カード20に接続される接続コネクタ18とが設けられている。接続コネクタ18は、例えばD−sub37ピンコネクタが用いられる。
アナログ入出力カード20は、コンピュータ22の所定のスロットに装着され、アンプ16で増幅されたアナログ信号である加速度信号をデジタル信号に変換する装置である。このアナログ入出力カード20は、例えば、CONTEC社製、AD-12-8 (PM)等が用いられる。
アナログ入出力カード20は、コンピュータ22の所定の位置に挿入されて、コンピュータ22と一体化されている。
【0019】
図1(b)に示すように、コンピュータ22には、インパクトハンマ10の加速度信号を波形解析する波形解析ユニット22aと、加速度信号の波形から、インパクトハンマ10でフェース面Fを打撃してから、インパクトハンマ10の加速度が0になる時間を算出する減衰時間測定ユニット22bと、加速度信号の波形、および加速度が打撃直後に最初に0になるまでの時間などを表示するディスプレイ22cとを有して構成される。
なお、波形解析ユニット22aと、減衰時間算出ユニット22bとは所定のプログラムを実行することで機能を発揮する。すなわち、ソフトウェア処理によって機能を発揮するユニットである。なお、本実施形態においては、アナログ入出力カード20に変えて、アンプ14より出力された加速度信号をFFT(Fast Fourier Transformation)アナライザを用いて上述の波形解析をしてもよい。
【0020】
インパクトハンマ10は、例えば、ゴルフクラブヘッドHのフェース面Fを打撃することにより振動する。この振動によって発生する加速度は、加速度センサ14により加速度信号に変換され、アンプ16で増幅され、さらに、アナログ入出力ボード20を介してコンピュータ22に取り込まれる。
なお、インパクトハンマ10の打撃面に設けられた金属球12は、例えば、鋼製であり、直径が15mm〜25mmのものが用いられる。インパクトハンマ10による打撃は、一定の速度で行う必要がある。
打撃を受けるゴルフクラブヘッドHは、例えば、ゴルフクラブ12のシャフトSが軽く固定支持されるか、または、天井よりホゼール部が宙づり状態とされて自由端を形成する。いずれにしても、ゴルフクラブヘッドHにインパクトハンマ10で打撃を与えることができる固定方法であればよい。
【0021】
波形解析ユニット22aは、アンプ14より入力された加速度信号を時間系列に配置し、加速度波形を得るものである。
図2は、横軸に時間をとり、縦軸に加速度をとって、フェース面Fをインパクトハンマで打撃した場合のインパクトハンマから得られる加速度波形を模式的に示すグラフである。なお、図2に示す時間軸における時間が0とは、インパクトハンマ10によりフェース面Fが打撃された時点を示す。
図2に示すように、フェース面Fをインパクトハンマ10で打撃することにより、例えば、加速度波形A、Bを得ることができる。加速度波形Aおよび加速度波形Bは、インパクトハンマ10で、フェース面Fの異なる箇所を同じ速度で打撃することにより得られたものである。
また、図1(b)に示すように、減衰時間算出ユニット22bは、波形解析ユニット22aにより得られた図2に示す加速度波形Aおよび加速度波形Bから、加速度が打撃直後に最初に0になる時間t1 、t2 を算出するものである。加速度が打撃直度に最初に0になる時間が短い方が剛性が定性的に高い。
【0022】
ディスプレイ22cは、図2に示す加速度波形Aおよび加速度波形B、ならびに加速度が打撃直後に最初に0になる時間t1 、t2 などを表示するものであり、特に限定されるものではなく、液晶表示装置、CRT、およびプラズマ表示装置などが挙げられる。また、ディスプレイ22cに、後述するように、フェース面Fを格子状に区切り、その格子点における加速度が打撃直後に最初に0になる時間を測定することによって剛性分布を測定した場合、剛性分布を各格子点に対応させて表示してもよく、さらに剛性分布を、例えば格子点間で補間して等高線図で表示してもよい。なお、この等高線図は、等高線によって区画される領域ごとに、色分けして表示してもよく、また、模様などを変えて表示してもよい。
【0023】
なお、本発明においては、金属球の加速度が打撃直後に最初に0になる時間t1 、t2 を求めることによりゴルフクラブヘッドHの局所的な剛性を相対的に測定することになるが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、インパクトハンマ10による打撃の大小により加速度が打撃直後に最初に0になる時間が微妙に変わるが、この打撃の大小を加速度波形の加速度が打撃直後に最初に0になるまでの積分値を用いて規格化してもよい。例えば、加速度が打撃直後に最初に0となる時間を積分値で除算した値を用いる。
なお、本発明においては、金属球の加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間を測定することをゴルフクラブヘッドHの局所的な剛性を相対的に測定することとみなす。
【0024】
次に、本実施形態の剛性分布の測定方法によるフェース面の剛性分布の測定方法について説明する。
先ず、例えば、フェース面Fを格子状に区切り、その格子点(測定位置)にマークをつける。次に、ゴルフクラブGのゴルフクラブシャフトSを支持部材(図示せず)に固定する。次に、各マークをインパクトハンマ10で打撃して、夫々インパクトハンマ10の加速度が打撃直後に最初に0になる時間を求める。このように、測定位置が複数あっても、インパクトハンマ10で叩く速度は一定にする。
各測定位置におけるインパクトハンマ10の加速度が打撃直後に最初に0になる時間から、ゴルフクラブヘッドHのフェース面Fの剛性分布を求める。
【0025】
また、本願発明者等は、加速度が打撃直後に最初に0になる時間と、反発係数とに相関関係があることを見出した。図3は、横軸に加速度が打撃直後に最初に0になる時間をとり、縦軸に反発係数をとって、加速度が打撃直後に最初に0になる時間と反発係数との関係を示すグラフである。図3に示すように、加速度が打撃直後に最初に0になる時間が長くなるにつれて、すなわち、剛性が相対的に低いと反発係数が高い。このように、加速度が打撃直後に最初に0になる時間(ゴルフクラブヘッドの局所的な剛性)の分布を測定することにより、ゴルフクラブヘッドの各部位における反発係数の分布も測定することができる。これにより、本発明の方法により求められた剛性分布から反発係数の分布を求めることもできる。なお、反発係数と剛性との相関関係を求める場合、本発明は、試験条件(打撃速度)の依存性があるので、実験条件を合わせることが好ましい。
【0026】
本実施形態においては、ゴルフクラブGをスイングさせる必要がないので、従来の測定方法に用いられる測定装置よりも装置を小型化することができるとともに、測定位置の精度も高くすることができる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法に用いられる剛性分布測定装置を示す模式図である。なお、本実施形態においては、図1に示す本発明の第1の実施形態の剛性分布測定装置と同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態の剛性分布測定装置60においては、第1の実施形態の剛性分布測定装置50と比較して、打撃手段の構成、およびゴルフクラブGを固定する3次元ステージ40を有する点が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の3次元ステージ40は、ゴルフクラブヘッドHを、直交する3方向、すなわち、水平面内の直交する2方向、およびこの2方向と直交する垂直方向に移動させるものであり、水平ステージ42と、垂直ステージ44とを有する。垂直ステージ44には、ゴルフクラブシャフトSを固定するための固定部材46が設けられている。
【0028】
また、本実施形態の打撃手段は、所定の速度で金属球を水平方向に移動させて、ゴルフクラブヘッドHを打撃するものである。
打撃手段は、金属球32と、この金属球32を水平方向移動させる水平方向移動手段30とを有する。水平方向移動手段30は、この金属球32に設けられ水平方向に延在するシャフト34と、このシャフト34が挿通されて案内するガイド部36と、このガイド部36に挿通されたシャフト34を水平方向移動させるリニア式移動装置38とを有する。
リニア式移動装置38は、ガイド部36に挿通されたシャフト34を、例えば電磁力を利用して、方向Dに一定の速度で移動させることができる。なお、水平方向移動手段30は、特に限定されるものではなく、シャフト34をリニアモータに取り付けて、このリニアモータによって金属球32をゴルフクラブヘッドHに衝突させてもよい。このリニアモータとしては、例えば、LinMot社製リニアモータ(PS01−23S ×80−AGI )が挙げられる。
【0029】
この水平方向移動手段30により、シャフト34を方向Dに移動させて、金属球32を、例えばフェース面Fに衝突させる。このとき、金属球32の加速度を加速度センサ14によって測定し、第1の実施形態と同様にして、加速度波形を測定し、加速度が打撃直後に最初に0になる時間を算出する。
【0030】
次に、本実施形態の剛性分布の測定方法について説明する。例えば、ゴルフクラブヘッドHのフェース面Fの剛性分布を測定する場合について説明する。
先ず、測定するフェース面Fを格子状に区切り、各格子点(測定位置)にマークをつける。
次に、フェース面Fが金属球32と対向するように、ゴルフクラブGのゴルフクラブシャフトSを固定部材46に固定する。
次に、3次元ステージ40の水平ステージ42および垂直ステージ44を移動させて、マークに金属球32が衝突するように位置合わせを行う。
次に、金属球32をリニア式移動装置38により、マークに衝突させて、コンピュータ22により金属球32の加速度が0になる時間を算出する。
上述の工程を繰り返して、フェース面Fの各マークにおける金属球32の加速度が打撃直後に最初に0になる時間を求める。
そして、各打撃点における加速度が打撃直後に最初に0になる時間から、剛性分布を求める。なお、本実施形態においても、図3に示す加速度が打撃直後に最初に0になる時間と反発係数との関係から、フェース面Fの反発係数の分布を求めることもできる。なお、フェース面Fの剛性分布の測定に限定されるものではなく、それ以外のゴルフクラブヘッドの部位について剛性分布を測定する場合には、各部位を金属球32に対向させて3次元ステージ40に固定すればよい。
【0031】
また、本実施形態においては、ゴルフクラブGを3次元ステージ40に固定して、これを用いて打撃位置の位置決めをしているので、金属球32によるマークに対する打撃位置の精度を向上させることができ、ゴルフクラブヘッドの各部位における剛性分布を精度良く測定することができる。
【0032】
本実施形態においても、ゴルフクラブGをスイングさせる必要がないので、従来の測定方法に用いられる測定装置よりも装置を小型化することができる。また、特に、3次元ステージ40と、水平方向移動手段30とを組み合わせているので、打撃位置の位置決め精度が向上し、さらに一定速度で金属球をゴルフクラブヘッドに衝突させることができる。このため、ゴルフクラブヘッドの各点における局所的な剛性を高精度で測定することになり、これにより、剛性分布を高精度に測定することができる。
なお、上述のいずれの実施形態においても、打撃ごとに加速度が打撃直後に最初に0になる時間を求める必要はなく、所定の回数、例えば、全ての格子点について、加速度信号を測定した後に、まとめて加速度が打撃直後に最初に0になる時間を求めるようにしてもよい。
【0033】
図5は、本発明の第2の実施形態の剛性分布測定装置の変形例を示す模式図である。なお、本変形例においては、図4に示す本発明の第2の実施形態の剛性分布測定装置と同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本変形例の剛性分布測定装置70においては、第2の実施形態の剛性分布測定装置60に比して、打撃手段における水平方向移動手段30が、振子式移動手段80である点が異なり、それ以外の構成は、第2の実施形態と同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
本変形例の振子式移動手段80は、支持台82と、この支持台82に端部が回転自在に設けられた揺動部材84とを有する。揺動部材84の先端部には、金属球32が設けられており、金属球32には、第2の実施形態と同様に加速度センサ14が設けられている。また、振子式移動手段80には金属球32を所定の高さに保持するストッパ(図示せず)が設けられている。
【0034】
本変形例においても、ゴルフクラブヘッドHのフェース面Fを、例えば正方格子状に区切り、正方格子の格子点にマークをつける。そして、各マーク(測定位置)に金属球32が衝突するように、3次元ステージ40で位置合わせを行う。そして、金属球32を所定の高さにストッパで保持し、所定の速度で金属球32をフェース面Fのマークに衝突させ、コンピュータ22により金属球32の加速度が打撃直後、最初に0になる時間を算出する。
上述の工程を繰り返して、フェース面Fの各マークにおける金属球32の加速度が打撃直後に最初に0になる時間を求める。これにより、ゴルフクラブヘッドHにおける剛性分布を高精度に測定することができる。
このように、本発明の第2の実施形態における打撃手段においては、水平方向移動手段30によって、金属球32をゴルフクラブヘッドHに衝突させることに限定されるものではなく、振子式移動手段80を用いて、速度を一定にして金属球32をゴルフクラブヘッドHに衝突させてもよい。なお、本変形例においても、第2の実施形態と同様の効果を奏する。
【0035】
また、上述のいずれの実施形態においても、剛性分布は、フェース面に限定さるものではなく、クラウン、ソールおよび側壁などのゴルフクラブヘッドの各部位について剛性分布を測定することができ、各部位の剛性分布を定性的に評価できる。このようにして得られたゴルフクラブヘッドの各部位の剛性分布に基づいて、ゴルフクラブヘッドを設計し、ゴルフクラブを製造することができる。また、ゴルフクラブに、タグまたはシールなどの表示部を設け、この表示部に剛性分布を表示してもよい。
さらに本発明の測定方法は、打撃によるものであるため、得られる剛性分布は、実際のゴルフボールを打撃した時の動的な剛性を反映するものであり、実際の使用状況と整合が取れたものである。このため、例えば、所定の部位の剛性分布に基づいて、ゴルフクラブヘッドを補強すれば、必要以上に質量が増すことなく剛性が高いゴルフクラブヘッドを得ることができる。
【0036】
【実施例】
以下本発明の実施例について具体的に説明する。本発明のゴルフヘッドの剛性分布の測定方法によりゴルフクラブヘッドのフェース面の剛性分布を測定した。図6は、ゴルフクラブヘッドのフェース面の測定位置を示す模式図である。図6に示すように、フェース面Fを正方格子状に区切り、この格子の格子点の座標を(x、y)で表し、フェース面FのセンタCを座標(0、0)とし、このセンタCを中心として、10mm間隔で格子点をとり、この各格子点について、第2の実施形態に示す剛性分布の測定方法により、加速度が打撃直後に最初に0になるまでの時間を求めた。この結果を下記表1に示す。なお、表1に示す座標は、図6に示すセンタCを原点とした座標系(x、y)における各格子点の座標に対応するものであり、加速度が打撃直後に最初に0になるまでの時間の単位は「μs」である。
【0037】
図7は、横軸に時間をとり、縦軸に加速度センサの出力電圧をとって、フェース面の格子点における加速度波形の例を示すグラフである。なお、図7において、点線で示す加速度波形Pは、センタC(図6参照)におけるものであり、1点鎖線で示す加速度波形Qは、センタCから10mm下側の格子点C1 (図6参照)におけるものであり、実線で示す加速度波形Rは、センタCから20mm下側の格子点C2 (図6参照)におけるものである。
図7に示すように、フェース面の各位置における加速度波形P、Q、Rは、場所ごとに明確な違いが見られた。フェース面Fの中心から外縁に向かって、加速度が打撃直後に最初に0になる時間が短くなっていた。すなわち、フェース面Fの中心から外縁に向かって、剛性が相対的に高くなっていた。
【0038】
【表1】
【0039】
図8は、ゴルフクラブヘッドのフェース面の剛性分布を示す等高線図であり、表1に示す各格子点の加速度が0になる時間に基づいて、各格子点間のデータを補間して作成したものである。なお、図8に括弧内に示す数値は、上述の座標を示すものであり、図6に示すフェース面Fの各格子点の座標に対応するものである。
図8に示すように、フェース面の中心部は加速度が打撃直後に最初に0になる時間が長く、外縁に向かって加速度が打撃直後に最初に0になる時間が短くなる。すなわち、フェース面Fの中心部は相対的に剛性が低く、外縁部は相対的に剛性が高くなっていた。
【0040】
上記表1および図8に示すように、本発明の剛性分布の測定方法を用いることにより、フェース面の剛性分布を測定することができた。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、打撃手段により、ゴルフクラブヘッドの複数位置を打撃して、この複数位置の各位置において、打撃手段の加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間を測定することは、ゴルフクラブヘッドの局所的な剛性を測定することになり、これにより、ゴルフクラブヘッドの各部位における剛性分布を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法に利用される剛性分布測定装置を模式図であり、(b)は、(a)の剛性分布装置の処理装置を示すブロック図である。
【図2】 横軸に時間をとり、縦軸に加速度をとって、フェース面Fをインパクトハンマで打撃した場合のインパクトハンマから得られる加速度波形を模式的に示すグラフである。
【図3】 横軸に加速度が打撃直後に最初に0になる時間をとり、縦軸に反発係数をとって、加速度が最初に0になる時間と反発係数との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法に用いられる測定装置を示す模式図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法に用いられる測定装置の変形例を示す模式図である。
【図6】 ゴルフクラブヘッドのフェース面の測定位置を示す模式図である。
【図7】 横軸に時間をとり、縦軸に加速度センサの出力電圧をとって、フェース面の格子点における加速度波形の例を示すグラフである。
【図8】 ゴルフクラブヘッドのフェース面の剛性分布を示す等高線図である。
【図9】 (a)は、この提案するゴルフクラブヘッドの反発係数を測定する測定装置を示す模式的正面図であり、(b)はその側面図である。
【符号の説明】
10 インパクトハンマ
12、32 金属球
14 加速度センサ
16 アンプ
18 接続コネクタ
20 アナログ入出力カード
22 コンピュータ
22a 波形解析ユニット
22b 減衰時間算出ユニット
22c ディスプレイ
30 水平方向移動手段
34 シャフト
36 案内部
38 リニア式移動装置
40 3次元ステージ
42 水平ステージ
44 垂直ステージ
46 固定部材
50、60、70 剛性分布測定装置
80 振子式移動手段
100 反発係数測定装置
110 支持枠
120 位置決手段
130 ストッパ
140 測定部
150 波形解析装置
Claims (5)
- ゴルフクラブヘッドを打撃することによってゴルフクラブヘッドの剛性分布を測定するゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法であって、
打撃手段により、前記ゴルフクラブヘッドの複数位置を打撃し、前記複数位置のそれぞれにおける前記打撃手段の加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間を測定する工程と、
前記加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間が剛性の違いにより異なり、前記最初に0になる時間が短いと剛性が高いという関係に基づいて、打撃した前記複数位置の各位置において求められた前記加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間から、ゴルフクラブヘッドの剛性分布を求める工程とを有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法。 - 前記打撃手段は、ハンマであり、前記加速度は、前記ハンマの打撃部分に設けられた加速度センサにより測定される請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法。
- 前記ゴルフクラブヘッドは、直交する3軸方向に移動可能に支持され、前記打撃手段は、金属からなる球体、前記球体に接続された軸、および前記軸を一定速度で移動させて前記球体を前記ゴルフクラブヘッドに衝突させる移動手段を有し、前記加速度は、前記球体に設けられた加速度センサにより測定される請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法。
- 打撃直後に最初に0になる時間を測定する工程の後工程に、更に前記加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間が反発係数の違いにより異なり、前記最初に0になる時間が長いと反発係数が高いという関係に基づいて、打撃した前記複数位置の各位置において求められた前記加速度が打撃時点から打撃直後に最初に0になる時間から、ゴルフクラブヘッドの反発係数の分布を求める工程を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの剛性分布測定方法に基づいて設計されていることを特徴とするゴルフクラブ。
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