JP4043973B2 - 顔検出システムとその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、広範囲の顔向き角度に対して、画像中から人物の顔画像を適切に切り出す、顔画像による顔検出システムとその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1)顔検出の応用
画像による顔検出は、2次元画像データ中に人物の顔が存在するかどうかを検査し、存在する場合にはその位置を求める技術であり、様々な分野で利用可能である。しかしながら、カメラで撮影した画像中から様々な状態(様々な顔向き、様々な照明条件、様々な表情など)の顔を、コンピュータを利用してリアルタイムで頑健に検出することは難しく、コンピュータビジョン分野の最先端技術をもってしてもまだ充分な性能に達したとは言えない。このため、顔検出の応用分野にはまだ顕在化していないものもあると思われる。
【0003】
現在において、顔検出技術は、主としてドアロックのようなセキュリティシステムへの応用としての顔認識システムに使われている。しかし、かりに顔検出技術の性能がさらに向上し様々な顔向きに対しても顔検出及び顔向き計算ができるようになれば、乗り物の運転者、展示物の観客、コンソール端末の操作者、ゲーム端末の操作者などに対して顔検出技術が応用可能である。
【0004】
乗り物の運転者に対しては、顔検出及び顔向き計算により運転に支障となる脇見を検知して警報を鳴らせたり、顔向きに応じて安全運行のための適切な情報を提示することができる。
【0005】
展示物の観客に対しては、顔検出及び顔向き計算により観客の注目している展示を見極めて、その展示に関する情報を自動提示することができる。
【0006】
コンソール端末の操作者に対しては、顔検出及び顔向き計算により操作しようとしている表示窓を特定してカーソルを移動させたりして業務効率を高めることができる。
【0007】
ゲーム端末の操作者に対しては、顔検出及び顔向き計算によりゲーム環境の視点を変更したり、シューティングの狙いを定めたり、首振り動作を用いて登場人物とのコミュニケーションに役立てたりすることができる。
【0008】
(2)従来の顔検出技術
従来の顔検出技術のうち有望なものの一つとして、分離度フィルタを用いた目鼻などの顔の特徴点の検出と、特徴点を含む領域のパターンの検出とを組み合わせるものがある(例えば、特許文献1、非特許文献1、2参照)。この組み合わせの方法は、処理が複雑にはなるが、分離度フィルタを用いた特徴点検出のみで顔の検出を行わせる方法や、顔領域全体のパターンとの照合のみで顔の検出を行わせる方法よりも頑健で高精度な顔検出が行える。しかしながら、この手法は顔向きの大きな変化に対しては顔検出を失敗することがあった。
【0009】
顔検出の別の手法として、顔向きの異なる顔向きテンプレートを予め登録しておき、それを用いる方法がある(例えば、非特許文献3参照)。この方法は顔向きの大きな変化に対しても顔検出が行えるが、特徴点検出の精度に関しては分離度フィルタを用いた方法には及ばない。
【0010】
さらに、従来の顔検出技術においては、顔の特徴点として目を利用しており、眼鏡を着用している場合に顔検出を失敗することがあった。
【0011】
【特許文献1】
特許第3279913号公報
【0012】
【非特許文献1】
山口、福井、「顔向きや表情の変化にロバストな顔認識システム“Smartface”」、電子情報通信学会論文誌、2001年6月、第J84−D−II巻、第6号、p.1045−1052
【0013】
【非特許文献2】
福井、山口、「形状抽出とパターン照合の組合わせによる顔特徴点抽出」、電子情報通信学会論文誌、1997年8月、第J80−D−II巻、第8号、p.2170−2177
【0014】
【非特許文献3】
A.Pentland,他2名、View−based and modular eigenspaces for face recognition,Proceedings of IEEE Computer SocietyConference on Computer Vision and Pattern Recognition,(Seattle,米国),1994年、p.84−91
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、人物の顔向きが左右に大きく変化したり、眼鏡を着用している場合でも、頑健で高精度の顔検出システムとその方法を提供することにある。
【0016】
なお、「頑健」とは、画像によって顔検出処理などを行う際に、「悪条件においても大きな失敗をしにくい性質」のことを言う。例えば、顔画像が変形したり、照明条件が変化したり、化粧によって顔画像の色合いが変化しても、検出処理の失敗が起きにくいとき、「頑健な顔検出方式」等と呼ぶ。
【0017】
そして、本発明は主として、顔が大きく横を向いた場合の顔検出処理の頑健性に関して優れた技術を提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像中から人物の顔を検出する顔検出システムであって、前記画像を取得する画像取得手段と、前記取得した画像から特徴点候補の抽出を分離度フィルタによって行う分離度検出手段と、複数の顔向きテンプレートを記憶した顔向きテンプレート記憶手段と、右鼻孔テンプレートを記憶した右鼻孔テンプレート記憶手段と、左鼻孔テンプレートを記憶した左鼻孔テンプレート記憶手段と、前記抽出した特徴点候補に前記記憶した右鼻孔テンプレートを照合してテンプレートマッチングを行って右鼻孔検出を行う右鼻孔検出手段と、前記抽出した特徴点候補に前記記憶した左鼻孔テンプレートを照合してテンプレートマッチングを行って左鼻孔検出を行う左鼻孔検出手段と、前記右鼻孔が検出されたときは正面向きと左向きの顔向きテンプレート、または、前記左鼻孔が検出されたときは正面向きと右向きの顔向きテンプレートを選択し、この選択した顔向きテンプレートを前記取得した画像に照合してテンプレートマッチングを行って顔検出を行う顔検出手段と、を備えたことを特徴とする顔検出システムである。
【0026】
本発明は、分離度フィルタと、右鼻孔テンプレートを用いた右鼻孔検出と左鼻孔テンプレートを用いた左鼻孔検出と複数の顔向きテンプレートを用いた顔検出を組み合わせているために、人物の顔向きが左右に大きく変化しても、頑健で高精度の顔検出システムを提供することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態を説明する。
【0036】
(第1の実施形態)
(1)用語の定義
本明細書において、前提となる用語の定義を行う。
【0037】
(1−1)「左右」の定義について行う。
【0038】
左右の定義は、被写体(主として人物の顔)の解剖学的な左右とすることを基本とする。通常のカメラで正面から撮影した正常な(逆さまではない)顔画像における右目は、我々が顔画像を見るときに、我々から顔画像に向かって左側にあることになる。顔向き、鼻孔についてもこれと同様とする。また、図3で説明される左向きの顔は、我々から顔画像に向かって右を向いている。一方、右向きの顔は、我々から顔画像に向かって左を向いている。さらに、図2、3における右鼻孔23、33は、我々から図に向かって左側にあり、左鼻孔24、34は、我々から図に向かって右側にある。以上のように左右を定義することにより、たとえ、被写体が逆さまになっていようとも、右目や右向きの定義に曖昧さは生じない。
【0039】
右鼻孔と左鼻孔を総称して、両鼻孔に対して「単鼻孔」と呼ぶことにする。
【0040】
(1−2)「顔向きの正面向き」、「上向き」、「下向き」、「右向き」、「左向き」、「上向き度」、「横向き度」の定義について行う。
【0041】
カメラに写る顔画像は頭部の姿勢によって見え方が変化する。そのため、カメラを基準にした頭部の姿勢(すなわち、顔の姿勢)のことを「顔向き」と呼ぶことにする。
【0042】
図2のように真っ直ぐにカメラに顔を向けたときの顔向きを「正面向き」とする。
【0043】
正面向きよりも上を向いたとき「上向き」と呼び、角度変化が大きいほど「上向き度」が大きいとする。
【0044】
正面向きよりも下を向いたとき「下向き」と呼ぶ。
【0045】
正面向きよりも右を向いたとき「右向き」と呼び、角度変化が大きいほど右向き度が大きいとする。
【0046】
正面向きよりも左を向いたとき「左向き」と呼び、角度変化が大きいほど左向き度が大きいとする。
【0047】
図4に示したように、この右向き度と左向き度を総称して「横向き度」と呼ぶことにする。
【0048】
(1−3)テンプレートマッチングについて以下に説明する。
【0049】
「マッチング」とは(例えば、非特許文献4参照)、同じサイズの2つの画像があるとき、両者を重ね合わせてその違いを見ることでそれらが同じものか否かを判断することをいう。「マッチング」は「照合」ともいう。
【0050】
「テンプレートマッチング」とは(例えば、非特許文献4「画像処理標準テキストブック編集委員会(編)、画像処理標準テキストブック、画像情報教育振興協会(CG-ARTS)、1997年」参照)、「テンプレート」と呼ばれる標準画像を予め用意しておき、対象画像とこのテンプレートとのマッチングによって対象画像がテンプレートと同じものであるかどうか判断することをいう。
【0051】
2つの画像の違いを測る尺度としては、例えば、差の絶対値の和(SAD:Sum of Absolute Difference)が用いられる。SADは、画像サイズがM×Nの対象画像をI(m、n)、(m=1、…、M、n=1、…、N)、事前に用意する標準パターンであるテンプレートをT(m、n)、(m=1、…、M、n=1、…、N)とすると、差 I(m、n)−T(m、n)の絶対値をm=1、…、M、n=1、…、NについてM×N個の和を計算することで得られる。
【0052】
他に用いられる尺度として、正規化相互相関や差の自乗和がある。ここでは、さらに、部分空間法や増分符号相関法を用いた尺度も含めることにする。すなわち、マッチングの尺度が定義されるならば、用いられるテンプレートが元の画像そのままではなく変換されたものである場合も含めることにする。尺度を別の言葉で、「類似度」、「相違度」と呼ぶことがある。このとき、2つの画像の違いが小さいほど大きな値をとる場合は「類似度」、違いが小さいほど小さな値をとる場合は「相違度」と呼ぶ。
【0053】
顔検出システムに入力された画像がM×Nより大きなサイズであり、比較すべき対象画像が、その画像中のどこに含まれているか予め分かっていない場合は、画像中をテンプレートを移動させながら両画像の類似度を調べていく。そして、最大類似度が、予め設定しておいた閾値よりも大きい場合に、テンプレートと同じものが最大類似度を与える位置に検出されたと判断する。最大類似度が、予め設定しておいた閾値よりも小さい場合は、入力された画像中にテンプレートと同じものは検出されなかったと判断する。
【0054】
テンプレートの画像サイズよりも大きな画像サイズの対象画像を検出することが必要な場合がある。そのときは、画像中をテンプレートを移動させることと同時に画像を縮小することを行ってマッチングをとる。例えば、顔を検出するための顔テンプレートの画像サイズが15×15で、画像中の顔領域のサイズが100×100である場合等である。この場合、画像を縮小率=15/100で縮小する処理と画像中をテンプレートを移動させる処理との両方を行う。顔領域のサイズが予め分かっていない場合は、縮小率も変化させる必要があり、様々な縮小率の値についてマッチングをとる。テンプレートのサイズを画像中の対象領域のサイズよりも小さくすることで、計算機処理時間やメモリ量の節約になる。
【0055】
このようにしてテンプレートマッチングの処理により、テンプレートと同じものが画像中に存在するかどうか、存在するとすればその検出位置と大きさを知ることができる。存在すると判断された場合は「検出された」という。検出位置は、テンプレートと重ね合わせたときのテンプレートの中心位置や、テンプレートの左上隅、右下隅の位置等、その後の処理に便利な方法で表現する。
【0056】
(2)顔向き計算システム1の構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る顔向き計算システム1を示す構成図である。
【0057】
顔向き計算システム1は、画像を入力すると、画像中から顔を発見し、頭部位置と鼻位置と顔向きを出力するものであり、システム内部に、分離度フィルタによる右鼻孔検出と左鼻孔検出を行う部分と、複数の顔向きテンプレートによる顔検出を行う部分を持つことが特徴であり、図1に示すように、鼻検出部2と、画像入力部3と、顔検出部10と、顔向きテンプレート格納部11と、顔向き計算部12から構成されている。
【0058】
(2−1)画像入力部3
画像入力部3は、カメラから画像入力を受け取り、格納し、必要に応じて鼻検出部2や顔検出部10に画像を送る。
【0059】
(2−2)鼻検出部2
鼻検出部2は、画像入力部3に入力された画像を受け取り、画像中に鼻が存在するかどうか判定し、判定結果と、検出された鼻と鼻孔の位置の情報を顔検出部10へ送るものであり、図1に示すように、分離度検出部4と、右鼻孔検出部5と、右鼻孔テンプレート格納部6と、左鼻孔検出部7と、左鼻孔テンプレート格納部8と、鼻検出判定部9から構成されている。
【0060】
分離度検出部4は、画像入力部3から画像を受け取り、分離度フィルタを用いて顔の特徴点候補を抽出し、特徴点候補の情報と画像を右鼻孔検出部5と左鼻孔検出部7へ送る。
【0061】
右鼻孔検出部5は、分離度検出部4から特徴点候補の情報と画像を受け取り、右鼻孔テンプレート格納部6から右鼻孔テンプレートを受け取り、これらの情報を元に画像中に右鼻孔が存在するかどうか探索を行い、存在する場合は右鼻孔を検出する。そして、右鼻孔検出結果情報を鼻検出判定部9へ送る。
【0062】
ここで、「右鼻孔テンプレート」とは右鼻孔位置の近傍の領域の画像をそのまま或いは主成分分析を行う等で変換したものであり、上記で説明したテンプレートマッチングによる画像照合で用いられるデータのことである。
【0063】
右鼻孔テンプレート格納部6は、予め右鼻孔テンプレートを格納しており、必要に応じて右鼻孔テンプレートを右鼻孔検出部5へ送る。
【0064】
左鼻孔検出部7は、分離度検出部4から特徴点候補の情報と画像を受け取り、左鼻孔テンプレート格納部8から左鼻孔テンプレートを受け取り、これらの情報を元に画像中に左鼻孔が存在するかどうか探索を行い、存在する場合は左鼻孔を検出する。そして、左鼻孔検出結果情報を鼻検出判定部9へ送る。
【0065】
左鼻孔テンプレート格納部8は、予め左鼻孔テンプレートを格納しており、必要に応じて左鼻孔テンプレートを左鼻孔検出部7へ送る。
【0066】
ここで、「左鼻孔テンプレート」とは左鼻孔位置の近傍の領域の画像をそのまま或いは主成分分析を行う等で変換したものであり、テンプレートマッチングによる画像照合で用いられるデータのことである。
【0067】
鼻検出判定部9は、右鼻孔検出部5から右鼻孔検出結果情報を受け取り、左鼻孔検出部7から左鼻孔検出結果情報を受け取り、これらの情報を総合的に判断して画像中から鼻が検出されたかどうか判定を行い、判定結果と検出された鼻と鼻孔の位置情報を顔検出部10へ送る。
【0068】
(2−3)顔検出部10
顔検出部10は、画像入力部3から画像を受け取り、鼻検出部2から鼻検出判定結果と検出された鼻と鼻孔の位置情報を受け取り、顔向きテンプレート格納部11から複数の顔向きテンプレートを受け取る。
【0069】
そして、これらの情報を用いて、画像中から顔の検出を行い、総合的に判断して顔が検出されたかどうか判定を行い、判定結果と、複数の顔向きテンプレートに対する類似度情報と、検出された顔、鼻、鼻孔の位置情報とを顔向き計算部12へ送る。
【0070】
顔が検出されたかどうかの判定は、例えば次のように行う。
【0071】
鼻検出判定結果が「未検出」ならば、顔も未検出と判定する。
【0072】
鼻検出判定結果が「検出」ならば、検出された鼻と鼻孔の位置を利用してその近傍の範囲に対して顔向きテンプレートを移動させてマッチングを行う。顔向きテンプレートとの最大類似度が設定された閾値より大きければ、最大類似度を与える位置に顔が検出されたと判定する。このとき、もし右鼻孔のみが検出されている場合は、右向き顔よりも左向き顔の方が検出され易いと考えられるので、右向き顔のみが検出されるようなことが生じた場合には、その矛盾は誤検出から生じたものであろうと総合的に判断し、顔は未検出であると判定することができる。
【0073】
(2−4)顔向きテンプレート格納部11
顔向きテンプレート格納部11は、予め複数の顔向きテンプレートを格納しており、必要に応じて複数の顔向きテンプレートを顔検出部10へ送る。
【0074】
(2−5)顔向き計算部12
顔向き計算部12は、顔検出部10から顔検出判定結果と、複数の顔向きテンプレートに対する類似度情報と、検出された顔、鼻、鼻孔の位置情報とを受け取る。
【0075】
そして、類似度情報を元に検出された顔の顔向きを判定し、顔検出判定結果と、顔と鼻と鼻孔の位置情報と、顔向き情報をシステム外部に出力する。
【0076】
(3)顔向き計算システム1の動作内容
図2は、顔向きテンプレート対応領域21と両鼻孔テンプレート対応領域22と右鼻孔23と左鼻孔24との位置関係を説明するための概念図である。
【0077】
この顔画像の顔向きは正面向きであり、2つの鼻孔とも画像中に存在しており、両鼻孔が検出可能である。
【0078】
図3は、顔向きテンプレート対応領域31と右鼻孔テンプレート対応領域32と右鼻孔33と左鼻孔34との位置関係を説明するための概念図である。
【0079】
この顔画像の顔向きは左向きであり、右鼻孔が画像中に存在しており、右鼻孔が検出可能である。左鼻孔は隠れによって見えにくくなっており、左鼻孔の検出は困難である。
【0080】
図4は、顔の横向き度と鼻孔検出可能範囲との関係を説明する概念図である。
【0081】
顔向きが正面向きならば両鼻孔、単鼻孔ともに検出可能であるが、横向き度が右向きになっていくに従い右鼻孔が隠れるようになり、その結果左鼻孔のみ検出可能という事態になる。さらに右向き度が大きくなるとついには左鼻孔も検出できなくなる。逆に、横向き度が左向きになっていくに従い左鼻孔が隠れるようになり、その結果右鼻孔のみ検出可能という事態になる。さらに左向き度が大きくなるとついには右鼻孔も検出できなくなる。
【0082】
これにより、顔が右向きであったり左向きであったりしても顔検出を成功させるためには、顔の特徴点である鼻孔の検出の際に、左鼻孔検出と右鼻孔検出の両方を行わせて、少なくともどちらか一方を検出することで鼻を検出すれば、広い範囲の横向き度に対して鼻検出及びそれを利用した顔検出を行わせることができるということが図4から判る。
【0083】
(4)顔向き計算処理手順
図5は、本実施形態における顔向き計算システム1の処理手順を示す流れ図である。
【0084】
最初に画像を入力し(ST1)、分離度検出部4が入力画像に分離度フィルタをかけて、分離度の値が大きく、極大値となる点(分離度ピーク)の画像上の位置を複数個抽出する(ST2)。
【0085】
次に、右鼻孔検出部5が右鼻孔テンプレートと分離度ピーク上の画像を照合し(ST3)、左鼻孔検出部7が左鼻孔テンプレートと分離度ピーク上の画像を照合する(ST4)。これらステップST3とステップST4は同時に処理することができる。
【0086】
次に、鼻検出判定部9が画像中から鼻が検出されたかどうか判定を行い(ST5)、検出された場合はステップST7へ進み、検出されなかった場合はステップST1へ行く(ST6)。
【0087】
ステップST7では、検出された鼻位置の情報に基づいて顔向きテンプレートを移動させる顔探索範囲の設定を行う。顔探索範囲は、検出された鼻位置と顔の位置の整合性が著しく損なわれないようなある範囲に設定したり、鼻位置を基準にして決められた顔領域1個所のみに限定させる場合がある。
【0088】
次に、顔検出部10が画像中から顔の検出を行い、顔向き計算部12が顔の顔向きを判定する(ST8)。
【0089】
次に、顔向き計算部12が頭部位置、鼻位置、顔向きを出力し(ST9)、顔向き計算を続ける場合はステップST1へ行き、顔向き計算を終了する場合は顔向き計算を終了する(ST10)。
【0090】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る顔向き計算システム101を示す構成図であり、図1と同一部分には下2桁に関して同一符号を付して説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0091】
本実施形態では、両鼻孔検出を利用することにより正面向きの顔に対する検出性能を向上させている。
【0092】
特に、両鼻孔を検出する閾値より右鼻孔や左鼻孔を検出する閾値を高く設定した場合に、右鼻孔や左鼻孔の単鼻孔は検出できないが両鼻孔を検出できる場合がある。そのため、このような場合に両鼻孔の検出状態を用いて正面向きの顔を検出するのに有効である。なお、両鼻孔を検出する閾値より右鼻孔や左鼻孔を検出する閾値を高く設定する理由は、両鼻孔は二つの孔が並んだ特有の特徴点候補であるため、閾値を低く設定しても検出できるからである。
【0093】
(1)顔向き計算システム101の構成
鼻検出部102は、分離度検出部104と、右鼻孔検出部105と、右鼻孔テンプレート格納部106と、左鼻孔検出部107と、左鼻孔テンプレート格納部108と、両鼻孔検出部113と、両鼻孔テンプレート格納部114と、鼻検出判定部109から構成されている。
【0094】
分離度検出部104は、画像入力部103から画像を受け取り、分離度フィルタを用いて顔の特徴点候補を抽出し、特徴点候補の情報と画像を右鼻孔検出部105と左鼻孔検出部107と両鼻孔検出部113へ送る。
【0095】
両鼻孔検出部113は、分離度検出部104から特徴点候補の情報と画像を受け取り、両鼻孔テンプレート格納部114から両鼻孔テンプレートを受け取り、これらの情報を元に画像中に両鼻孔が存在するかどうか探索を行い、存在する場合は両鼻孔を検出する。そして、両鼻孔検出結果情報を鼻検出判定部109へ送る。
【0096】
両鼻孔テンプレート格納部114は、予め両鼻孔テンプレートを格納しており、必要に応じて両鼻孔テンプレートを両鼻孔検出部113へ送る。
【0097】
ここで「両鼻孔テンプレート」とは、右鼻孔と左鼻孔を含む特定の領域の画像をそのまま或いは主成分分析を行う等で変換したものであり、テンプレートマッチングによる画像照合で用いられるデータのことである。
【0098】
鼻検出判定部109は、右鼻孔検出部105から右鼻孔検出結果情報を受け取り、左鼻孔検出部107から左鼻孔検出結果情報を受け取り、両鼻孔検出部113から両鼻孔検出結果情報を受け取り、これらの情報を総合的に判断して画像中から鼻が検出されたかどうか判定を行い、判定結果と検出された鼻と鼻孔の位置情報を顔検出部110へ送る。
【0099】
(2)顔向き計算処理手順
図7は同実施形態に係る顔向き計算システム101の処理手順を示す流れ図であり、図5と同一部分には数値下2桁に関して同一符号を付して説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0100】
ステップST111では、分離度ピークの全ピーク対に対して、両鼻孔が対応づけ得るかどうか幾何学的な制約を課して判定を行う。
【0101】
次に、判定結果がOKだったピーク対に対して両鼻孔テンプレートとの照合を行う(ST112)。ステップST103と、ステップST104と、「ステップST111とステップST112」の3者は同時に処理することができる。
【0102】
【発明の効果】
上記詳記したように本発明によれば、人物の顔向きが左右に大きく変化したり、眼鏡を着用している場合でも、頑健で高精度の顔検出システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る顔向き計算システムの一例を示す構成図である。
【図2】同実施形態に係る両鼻孔テンプレートを説明する概念図である。
【図3】同実施形態に係る単鼻孔テンプレートを説明する概念図である。
【図4】同実施形態に係る顔の横向き度と鼻孔検出可能範囲との関係を説明する概念図である。
【図5】同実施形態に係る顔向き計算処理の一例を示す流れ図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る顔向き計算システムの一例を示す構成図である。
【図7】同実施形態に係る顔向き計算処理の一例を示す流れ図である。
【符号の説明】
1、101 顔向き計算システム
2、102 鼻検出部
3、103 画像入力部
4、104 分離度検出部
5、105 右鼻孔検出部
6、106 右鼻孔テンプレート格納部
7、107 左鼻孔検出部
8、108 左鼻孔テンプレート格納部
9、109 鼻検出判定部
10、110 顔検出部
11、111 顔向きテンプレート格納部
12、112 顔向き計算部
21、31 顔向きテンプレート対応領域
22 両鼻孔テンプレート対応領域
23、33 右鼻孔
24、34 左鼻孔
32 右鼻孔テンプレート対応領域
113 両鼻孔検出部
114 両鼻孔テンプレート格納部
Claims (6)
- 画像中から人物の顔を検出する顔検出システムであって、
前記画像を取得する画像取得手段と、
前記取得した画像から特徴点候補の抽出を分離度フィルタによって行う分離度検出手段と、
複数の顔向きテンプレートを記憶した顔向きテンプレート記憶手段と、
右鼻孔テンプレートを記憶した右鼻孔テンプレート記憶手段と、
左鼻孔テンプレートを記憶した左鼻孔テンプレート記憶手段と、
前記抽出した特徴点候補に前記記憶した右鼻孔テンプレートを照合してテンプレートマッチングを行って右鼻孔検出を行う右鼻孔検出手段と、
前記抽出した特徴点候補に前記記憶した左鼻孔テンプレートを照合してテンプレートマッチングを行って左鼻孔検出を行う左鼻孔検出手段と、
前記右鼻孔が検出されたときは正面向きと左向きの顔向きテンプレート、または、前記左鼻孔が検出されたときは正面向きと右向きの顔向きテンプレートを選択し、この選択した顔向きテンプレートを前記取得した画像に照合してテンプレートマッチングを行って顔検出を行う顔検出手段と、
を備えたことを特徴とする顔検出システム。 - 両鼻孔テンプレートを記憶した両鼻孔テンプレート記憶手段と、
前記抽出した特徴点候補に前記記憶した両鼻孔テンプレートを照合してテンプレートマッチングを行って両鼻孔検出を行う両鼻孔検出手段と、
を備え、
前記顔検出手段は、
前記両鼻孔が検出されたときは正面向きの顔向きテンプレートを選択し、この選択した顔向きテンプレートを前記取得した画像に照合してテンプレートマッチングを行って顔検出を行う
ことを特徴とする請求項1記載の顔検出システム。 - 前記顔検出手段は、
前記検出された右鼻孔、または、左鼻孔を基準にした所定の範囲に顔探索範囲を限定して、この限定した顔探索範囲で前記顔向きテンプレートを移動させて顔検出を行う
ことを特徴とする請求項1記載の顔検出システム。 - 前記顔検出手段は、
前記検出された両鼻孔、右鼻孔、または、左鼻孔を基準にした所定の範囲に顔探索範囲を限定して、この限定した顔探索範囲で前記顔向きテンプレートを移動させて顔検出を行う
ことを特徴とする請求項2記載の顔検出システム。 - 画像中から人物の顔を検出する顔検出方法であって、
前記画像を取得する画像取得ステップと、
前記取得した画像から特徴点候補の抽出を分離度フィルタによって行う分離度検出ステップと、
前記抽出した特徴点候補に予め記憶した右鼻孔テンプレートを照合してテンプレートマッチングを行って右鼻孔検出を行う右鼻孔検出ステップと、
前記抽出した特徴点候補に予め記憶した左鼻孔テンプレートを照合してテンプレートマッチングを行って左鼻孔検出を行う左鼻孔検出ステップと、
前記右鼻孔が検出されたときは正面向きと左向きの顔向きテンプレート、または、前記左鼻孔が検出されたときは正面向きと右向きの顔向きテンプレートを選択し、この選択した顔向きテンプレートを前記取得した画像に照合してテンプレートマッチングを行って顔検出を行う顔検出ステップと、
を備えたことを特徴とする顔検出方法。 - 画像中から人物の顔を検出する顔検出方法をコンピュータで実現するプログラムであって、
前記画像を取得する画像取得機能と、
前記取得した画像から特徴点候補の抽出を分離度フィルタによって行う分離度検出機能と、
前記抽出した特徴点候補に予め記憶した右鼻孔テンプレートを照合してテンプレートマッチングを行って右鼻孔検出を行う右鼻孔検出機能と、
前記抽出した特徴点候補に予め記憶した左鼻孔テンプレートを照合してテンプレートマッチングを行って左鼻孔検出を行う左鼻孔検出機能と、
前記右鼻孔が検出されたときは正面向きと左向きの顔向きテンプレート、または、前記左鼻孔が検出されたときは正面向きと右向きの顔向きテンプレートを選択し、この選択した顔向きテンプレートを前記取得した画像に照合してテンプレートマッチングを行って顔検出を行う顔検出機能と、
を実現することを特徴とする顔検出方法のプログラム。
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