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JP4044638B2 - シーマの洗浄方法及びその装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シーマの洗浄方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シーマは、その運転中に缶が高速回転するため缶から内容液の一部が遠心力や衝撃により、飛散してシーマを汚すことがある。また、シーミングロールの高速回転により、内部に充填しているグリースが液状化して周囲に跳び散ることもあり、これらの現象は、近時のシーマの高速化に伴いますます顕著になってきている。そのため従来、清浄状態で缶の巻締ができるように、巻締作業開始前及び巻締作業終了後に本体カバーやリフターテーブル等シーマ本体の汚れが溜り易い部分を50℃〜60℃の温水で洗い流す定置洗浄を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、巻締作業中に飛び散った液は、特にホットパック充填の場合、直ぐにこびりつき、巻締作業終了後の洗浄では容易に落ちにくいという問題がある。また、内溶液は缶胴及び缶蓋が通過する部分にも飛散してしまうことがあるが、該個所は従来のシーマ本体の定置洗浄では効果的な洗浄が行われていない。さらに、例え巻締作業開始前に洗浄が確実に行われたとしても、巻締作業中に飛散する液やグリースで汚れが発生し、特に缶に直接接触する場所の巻締作業中の汚れは、巻締した缶詰の清浄度に直接影響を及ぼす等の問題点があった。そのため、従来の定置洗浄方式では、巻締作業中も含め常時清浄状態に維持することは困難であり、腐敗・変敗しやすい食品の場合は、充填後にレトルト殺菌を行なうか又は無菌充填方式を採用する必要がある。
【0004】
本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、従来のシーマの定置洗浄では達成することができなかった缶胴及び缶蓋が通過する部分も含めて確実に殺菌、除菌、洗浄が出来、且つ巻締作業中も常にシーマを高清浄度を維持することができる新規なシーマ洗浄方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決する本発明のシーマの洗浄方法は、複数の噴射ノズルが配置された第1系統管路により、巻締作業開始前に、シーマの主に缶の通過部分と蓋の通過部分及びシーマ本体の汚れが溜る部分に重点的に熱水を吹き付けてシーマを洗浄除菌する熱水洗浄工程、蒸気供給源と無菌水供給源に切替弁を介して接続され、複数の噴射ノズルが配置された第2系統管路を有し、該第2系統管路を巻締作業開始前には前記蒸気供給源に接続して該第2系統管路を蒸気殺菌する蒸気殺菌工程、巻締作業中は該第2系統管路を無菌水供給源に接続して該第2系統管路により内容液が飛び散る部分に無菌水を吹き付けて無菌水で連続洗浄を行う無菌水洗浄工程と、ガスターレットの内側を第3系統管路により、巻締作業開始前に蒸気殺菌するガスターレット蒸気殺菌工程からなることを特徴とする。
【0006】
熱水洗浄工程は80〜95℃の熱水を20〜40分間、望ましくは90℃の熱水を30分間吹き付け、蒸気殺菌工程は121〜124℃の蒸気を約30分間通過させることにより行うことが望ましい。そして、前記熱水洗浄工程では、主に缶の通過部分と蓋の通過部分及びシーマ本体の汚れが溜る部分、例えばシーミングロール、リフタープレート、ガスターレット、シーマカバー、カバーガイドレール、カバースタック、リフターテーブル、ハーフモードターレット、ディスチャージターレット、ステーショナリガイドをそれぞれ洗浄し、前記無菌水洗浄工程では、さらに缶巻締中に内容液が飛び散る部分、例えば前記シーミングロール、前記リフタープレート、前記ガスターレット及び前記シーマカバーを連続洗浄することが望ましい。
【0007】
さらに、ガスターレットの内側を第3系統管路により、巻締作業開始前に蒸気殺菌するガスターレット蒸気殺菌工程を有することによって、巻締直前に缶内に吹き込まれる不活性ガスが通過するガスターレットの内部を確実に殺菌することができ望ましい。
【0008】
また、本発明のシーマの洗浄装置は、上流側が熱水供給源に接続されて下流側がシーマ装置外周部に配管され、シーマの熱水洗浄個所に向けて熱水を噴射する複数の噴射ノズルが配置された第1系統管路と、上流側が蒸気供給源と無菌水供給源に切り替え接続可能となっており、下流側にシーマの無菌水連続洗浄個所に向けて蒸気又は無菌水を噴射する複数の噴射ノズルが配置された第2系統管路と、不活性ガスを供給してガス置換を行うガスターレット内の殺菌を行うための管路であって、上流側が蒸気供給源に接続され下流側ガスターレット内に蒸気を供給する第3系統管路とからなることを特徴とする構成を有するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシーマ洗浄装置及び該装置によるシーマ洗浄方法の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1はシーマ洗浄装置の平面配置を示し、図2はその正面概略図、図3は右側面概略図であり、さらに図4はカバーガイドレール部の拡大平面図である。図中1はカバースタック、2はガスターレット、3はハーフモードターレット、4はデッイスチャージターレット、5はシーミングロール、6はリフターテーブル、7はリフタプレート、8はシーマカバー、9はカバーガイドレールであり、これらは従来のシーマと同様である。
【0010】
本発明は、上記シーマにおいて、従来の定置洗浄では困難であった箇所である、缶が通過する箇所、蓋が通過する箇所及びガスを缶内に入れる箇所も確実に洗浄できるように第1系統管路10と、これらの箇所を常に清浄状態を維持するために巻締作業中も連続洗浄を行なうことができるように第2系統管路15とを図示のように、シーマの外周部にシーマの巻締作業に邪魔にならないように適宜配管したものである。
【0011】
本実施形態では、熱水供給源に接続されている第1系統管路10には、シーミングロール5、リフタープレート7、ガスターレット2、キャンフィードチェーン(図示せず)、シーマカバー8、カバーガイドレール9、カバースタック1、リフターテーブル6、ハーフモードターレット3、ディスチャージターレット4、ステーショナリガイド(図示せず)にそれぞれ熱湯を吹き付ける多数のノズル11が配置され、巻締作業開始前に、90℃の熱水を30分間吹き付けてシーマ装置を洗浄することになっている。
【0012】
熱水を吹き付けるノズル11は、上記各部に対してそれぞれ少なくとも1個配置されているが、本実施形態ではシーマカバーに対しては5個、カバーガイドレールに対しては9個それぞれ配置し、カバーガイドレールに対しては、缶蓋のカール部が載るガイド部に向けても直接熱水が噴射されるように配置を工夫した。また、前記ノズルのうち、カバーガイドレールの入口・出口の2か所、カバースタック、ステーショナリーガイドの合計4か所は脱着可能な配管としている。また、カバースタック1に吹き付けるノズルは、広角全面散水型ノズルを採用し、他はフラット散水型ノズルを採用した。
【0013】
第2系統管路15には、シーミングロール5、リフタープレート7、ガスターレット2、キャンフィードチェーン(図示せず)、シーマカバー8にそれぞれ、巻締作業中に滅菌水を吹き付けるノズル16を配置している。第2系統管路15の上流側は図示しない蒸気供給源と無菌水供給源に切替弁を介して接続され、巻締作業開始前に、第2系統管路15を蒸気供給源に接続して121〜124℃の蒸気を30分間供給して配管内とノズルの殺菌を行なって無菌水が汚染されることを防ぐ。そして巻締作業開始後は無菌水供給源に接続して無菌水を供給するようにしてある。それにより、巻締作業中に内溶液が飛び散る箇所を常時無菌水で洗い流し、内溶液のこびり付き及び菌の付着を防止している。そして、特に、前記のように、缶の内溶液と接触するおそれがある缶蓋部分や缶胴部分と直接接触するシーマ部分を重点的に連続洗浄することによって、巻締工程を高度な清浄状態で行なうことができる。
【0014】
また、図示してないが、巻締直前に缶内に不活性ガスを供給してガス置換を行なうガスターレットの内側部分に蒸気を供給する第3系統管路を配置し、巻締作業開始前に121〜124℃の蒸気を30分間供給してガスターレット内の殺菌を行なうようにしてある。
なお、図1〜図3は、ノズル11から熱水を、ノズル16から無菌水を噴射している状態を模式的に示している。また図4において、11を丸で囲った表示はノズル11の配置位置を表わし、矢印は熱水噴射方向を表わしている。
【0015】
以上のように、本発明によれば、巻締開始前にシーマ装置の缶及び蓋が通過する部分、及びシーマ本体の汚れが溜り易い部分を重点的に熱水で洗浄して滅菌、除菌をし、飛散した内溶液やグリースを常に洗い流すようにしたから、簡単な設備で巻締作業中高度の清浄状態を保つことができる。
【0016】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限らず、種々の設計変更が可能である。例えば、第1系統管路で熱水洗浄する箇所、第2系統管路で連続洗浄する箇所は必ずしも上記箇所に限るものでなく、内容物等に応じて適宜選択できる。また、熱水洗浄も熱水温度及び洗浄時間は、90℃、30分間以上が望ましいが、内容物等条件によって85℃〜95℃の範囲で20〜40分間の範囲で適宜選択できる。また、蒸気殺菌も121〜124℃、30分間が望ましいが、それに限るものでなく内容物等の条件に応じて最適温度時間を選択すれば良い。
さらに、熱水洗浄に使用する水についても、殺菌効果を上げる目的で、薬剤、例えば次亜鉛素酸ナトリウムを含有させることも可能である。
尚、この場合は、薬剤の種類により、薬剤除去のため無菌水による洗浄を必要に応じて行なう。
【0017】
【実験例】
実験1
本発明の方法によりシーマの洗浄を行なった場合のシーマの汚染度・洗浄効果を確認するために次のような実験を順次行なった。
▲1▼洗浄前に表1に示す各部材を分解して拭き取り検査し、その検出菌数を調べた。なお、拭き取り法による検査は、検査箇所を無菌水を付けた綿棒で拭き取り、該綿棒を生理食塩水15ml中に湿らして菌を移し、それを85℃まで加熱処理し、1mlをSMA培地にて37℃好気性雰囲気で混釈培養した。以下同じ。
▲2▼洗浄ノズルを12個を使用して90℃の熱水を30分間噴射してシーマを洗浄し、その後拭き取り検査を行なった。
▲3▼腐敗しやすいミルクコーヒを最も内溶液が飛散し易い満注状態で充填した缶を、巻締作業中無菌水を噴射して連続洗浄しながら、1,050缶巻締した。その後、▲1▼と同様に分解拭き取り検査を行なった。
▲4▼シーマを分解洗浄して分解拭き取り検査を行なった。
▲5▼シーマに取付後上記▲2▼と同様な検査を行なった。
▲6▼巻締中の無菌水による連続洗浄を行なわないで、上記▲3▼と同様な試験を行なった。
【0018】
以上の実験の各段階でシーマの各部から得た菌をそれぞれ上記方法で48時間培養後、それぞれの菌数を検出した。その結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004044638
以上の実験結果から、洗浄前のシーマからは▲1▼に示すように、多くの部分で菌が検出されているが、巻締作業開始前に本発明の方法で熱水で洗浄すると▲2▼で示すように検査した全ての箇所で菌は発見できなかった。なお、表中の−で示している部分は、分解しない限り綿棒での拭き取りが出来ないため、拭き取り検査を行なっていないところである。その後、▲3▼で菌の発生し易い内容液を、わざと飛散するように満注充填した缶の巻締を行なっても、本発明の方法により巻締中も連続洗浄した結果、菌は全く発見されなかった。
【0019】
一方、▲5▼の巻締開始前は全く菌は発見されなかったが、▲6▼で巻締中の連続洗浄を行なわないで巻締した場合は、カバーガイドレール部で菌が検出された。このことは、巻締中に内容液が飛散してシーマが部分的に汚染され、菌が発生したことを示し、巻締中も無菌水によって連続することが常に清浄度を維持することに格別の効果があることを示している。
【0020】
実験2
テストパックを行ない、本発明の洗浄方法によりシーマの洗浄を行なった場合のテストパックの汚染度・洗浄効果を確認するために次のような実験をそれぞれ行なった。
テストパックは、滅菌空缶内にクリーンブース内で肉エキス培地を充填し、それを滅菌蓋を使用して以下の各条件で巻締を行なった。
▲1▼前日に通常の温水洗浄を行なったシーマを使用して、巻締直前及び巻締中の洗浄を全く行なわないで巻締した。
▲2▼巻締作業開始前に90℃の熱水で30分間洗浄したシーマを使用して、巻締中の連続洗浄を行なわないで巻締を行なった。
▲3▼巻締作業開始前に90℃の熱水で30分間洗浄し、且つ第2系統管路に121〜124℃の蒸気を約30分間通過させ、巻締中は第2系統管路から無菌水で連続洗浄を行ないながら巻締を行なった。
【0021】
以上の条件で巻締した缶詰を、37℃雰囲気で3週間保管した後、及び55℃で3週間保管した後、それぞれ開缶して変敗缶数を調べた。その結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004044638
以上の実験結果からも明らかなように、いずれの保存条件においても、変敗缶数の割合は、▲1▼▲2▼▲3▼の順に少なくなり、▲3▼の本発明の洗浄条件で洗浄を行ないながら巻締したものが他の条件のものと比べて顕著に変敗缶数が少なく、本発明の効果が確認された。以上の実験結果から、本発明によれば、無菌充填やレトルト殺菌を行なわなくても極めて高清純度の缶詰を得ることが可能であることが判る。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、簡単な設備により、従来のシーマの定置洗浄では達成することができなかった巻締中も常に高清浄度を維持して缶詰を巻締することができる。特に、巻締開始前にシーマ装置の缶及び蓋が通過する部分、及びシーマ本体の汚れが溜り易い部分を重点的に熱水で洗浄して殺菌、除菌し、さらに巻締作業中も特に密封前後に缶の内溶液の清浄度に影響を及ぼすおそれのある箇所を連続的に無菌水で洗浄して、飛散した内溶液やグリースを常に洗い流すようにしたから、内溶液のこびり付き及び菌の付着を防止すると共に、巻締作業中高度の清浄状態を保つことができる。
従って、内容物の種類によっては無菌充填やレトルト殺菌を行なわなくても極めて高清純度の缶詰を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシーマ洗浄装置の実施形態に係る平面配置図である。
【図2】その正面概略図である。
【図3】その右側面概略図である。
【図4】そのカバーガイドレール部の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 カバースタッカ 2 ガスターレット
3 ハーフモードターレット 4 ディスチャージターレット
5 シーミングロール 6 リフターテーブル
7 リフタープレート 8 シーマカバー
9 カバーガイドレール 10 第1系統管路
11 ノズル 15 第2系統管路
16 ノズル

Claims (3)

  1. 複数の噴射ノズルが配置された第1系統管路により、巻締作業開始前に、シーマの主に缶の通過部分と蓋の通過部分及びシーマ本体の汚れが溜る部分に重点的に熱水を吹き付けてシーマを洗浄除菌する熱水洗浄工程、蒸気供給源と無菌水供給源に切替弁を介して接続され、複数の噴射ノズルが配置された第2系統管路を有し、該第2系統管路を巻締作業開始前には前記蒸気供給源に接続して該第2系統管路を蒸気殺菌する蒸気殺菌工程、巻締作業中は該第2系統管路を無菌水供給源に接続して該第2系統管路により内容液が飛び散る部分に無菌水を吹き付けて無菌水で連続洗浄を行う無菌水洗浄工程、ガスターレットの内側を第3系統管路により、巻締作業開始前に蒸気殺菌するガスターレット蒸気殺菌工程からなることを特徴とするシーマの洗浄方法。
  2. 前記熱水洗浄工程は80〜95℃の熱水を20〜40分間吹き付け、前記第2系統管路の前記蒸気殺菌工程は121〜124℃の蒸気を約30分間通過させることにより行う請求項1記載のシーマの洗浄方法。
  3. 上流側が熱水供給源に接続されて下流側がシーマ装置外周部に配管され、シーマの熱水洗浄個所に向けて熱水を噴射する複数の噴射ノズルが配置された第1系統管路と、上流側が蒸気供給源と無菌水供給源に切り替え接続可能となっており、下流側にシーマの無菌水連続洗浄個所に向けて蒸気又は無菌水を噴射する複数の噴射ノズルが配置された第2系統管路と、不活性ガスを供給してガス置換を行うガスターレット内の殺菌を行うための管路であって、上流側が蒸気供給源に接続され下流側ガスターレット内に蒸気を供給する第3系統管路とからなることを特徴とするシーマの洗浄装置。
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