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JP4044707B2 - 油圧式無段変速装置の中立位置決め機構 - Google Patents
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油圧式無段変速装置の中立位置決め機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ポンプと油圧モータとにより構成される油圧式無段変速装置の中立位置の位置決め機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
を従来から、油圧式無段変速装置においては、例えば油圧ポンプを可変容量型に構成し、該油圧ポンプの容量の調整は、油圧式無段変速装置外部に設けた操作レバーを操作することにより該油圧ポンプの可動斜板の傾角を制御して行うようにしていた。そして、可動斜板と連動するデテント機構を油圧式無段変速装置の外部に付設して、油圧ポンプの中立位置を該デテント機構により決定するように構成していた。このように、油圧ポンプの中立位置を決定するデテント機構を油圧式無段変速装置の外部に付設していると、該デテント機構を構成するカムやカムフォロアー等に錆が発生したり、泥・草木等の異物が付着したりして、デテント機構に動作不良が発生する恐れがあった。このような問題を解消するために、前記デテント機構を油圧式無段変速装置に内装したものがある。この油圧式無段変速装置に内装したデテント機構は、可動斜板の操作レバーに円板状のカムフォロアーを設けて、該カムフォロアーへ、バネにより付勢されるカムを圧接させて中立位置決めを行う構成のものであり、該カムをセンターセクションに付設した複数のピンによりガイドするとともに、該カムにバネ受けを付設してバネを支持していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のデテント機構を油圧式無段変速装置に内装した構成においては、可動斜板を中立位置へ正確に保持するために、カムに当接するカムフォロアーの操作レバーへの取り付け位置精度を高くする必要があるため、該カムフォロアーを操作レバーに取りつけるための部材等を高精度で加工しなければならないとともに、部品点数が増加するという問題があった。また、中立位置決め機構はコンパクトに構成することが求められていたが、操作レバーに取りつけるカムフォロアーを小型に形成すると、耐久性を確保することが困難であった。また、操作レバーへカムフォロアーを組み付ける際には、該カムフォロアーの軸や抜け止めの止め輪等多くの部材を組み付けなければならないため、組付作業に多くの時間・労力を必要としていた。さらに、カムをガイドするピンをセンターセクションに取り付けるための余分な工数がかかり、また、カムを単独の部材で構成することができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、可動斜板(2c)の傾角に応じて可変容量制御される油圧ポンプ(2)と、油圧モータ(3)とにより構成される油圧式無段変速装置(1)において、該可動斜板(2c)に操作レバー(10)を設け、該操作レバー(10)の一端部に、一体的にかつ同一部材で形成したカムフォロアー(10a)を設け、該カムフォロアー(10a)を押圧する方向へ付勢されるカム(54)を設け、該操作レバー(10)とカム(54)をハウジング(31)内に内装し、該カム(54)の一端部はハウジング側面に設けた軸受に軸支される支点軸により回転自在に支持され、他端部は該カム(54)をカムフォロアー(10a)方向へスプリング(56)により付勢し、前記油圧式無段変速装置(1)を内装するハウジング(31)の内壁に、該ハウジング(31)と一体的に構成した窪み部(58)を形成し、この窪み部(58)に前記カム(54)を嵌入し、該カム(54)の回動をガイドするものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の油圧式無段変速装置の中立位置決め機構において、前記カム(54)をプレート状部材で形成するとともに、該カム(54)に凸部(54d)を一体的に形成し、該凸部(54d)を前記スプリング(56)に嵌挿し、該スプリング(56)の受け部材としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の中立位置決め機構を備えた油圧式無段変速装置を示す側面断面図、図2は中立位置決め機構を示す側面図、図3は同じく背面図である。
【0008】
まず、本発明の中立位置決め機構を備えた油圧式無段変速装置について説明する。図1に示すように、油圧式無段変速装置(以降HSTと記載する)1は、油圧ポンプ2と油圧モータ3とにより構成されている。該油圧ポンプ2と油圧モータ3とは上下に並設され、該油圧ポンプ2及び油圧モータ3の後端部(図1における右側端部)にセンターセクション32が配置されている。
【0009】
油圧ポンプ2は、駆動軸2a、該駆動軸2aが挿嵌され駆動軸2aと共に回動するシリンダブロック2b、該シリンダブロック2bに摺動自在に挿嵌されたプランジャ2e、及び該プランジャ2eに当接した可動斜板2cにより構成され、可変容量型油圧ポンプとされている。可動斜板2cはプランジャ2eの摺動量を規制し、該油圧ポンプ2の作動油の吐出量を調節可能に構成されている。センターセクション32には図示せぬ油路が設けられており、油圧ポンプ2より作動油が該油路を介して油圧モータ3に供給される。
【0010】
油圧モータ3は油圧ポンプ2と同様に、センターセクション32に挿嵌し、一端をハウジング31により回動自在に支持された出力軸3a、該出力軸3aが挿嵌され該出力軸3aと共に回動するシリンダブロック3b、該シリンダブロック3bに摺動自在に挿嵌されたプランジャ3eおよび該プランジャ3eに当接した固定斜板3cにより構成されている。該シリンダブッロク3bは出力軸3aとともに回動する構成になっており、該シリンダブッロク3bにはプランジャ3eが摺動自在に挿嵌されている。該プランジャ3eはハウジング31に固設された固定斜板3cに当接している。
【0011】
上記の構成により、エンジン等の駆動力が駆動軸2aに入力され、油圧ポンプ2が駆動される。そして、該油圧ポンプ2の駆動により吐出された作動油がセンターセクション32を介して油圧モータ3に供給されて、該作動油の流出入により油圧モータ3が駆動され、油圧モータ3の駆動力が出力軸3aに伝達される構成となっている。
【0012】
また、ハウジング31内における油圧ポンプ2の部分には操作レバー10が配設され、該操作レバー10の一端部(図1における左端部)がピン軸7により可動斜板2cと連結され、該操作レバー10の途中部には、ハウジング31に回動自在に支持されるトラニオン軸9が取り付けられている。該トラニオン軸9はハウジング31の外部へ突出しており、油圧ポンプ2の外部からトラニオン軸9を回動操作することにより操作レバー10を上下回動させ、これにより、可動斜板2cの傾角が調節されるように構成している。
【0013】
次に、HST1の中立位置決め機構について図1乃至図3により説明する。操作レバー10の他端部には、カムフォロアー10aが該操作レバー10と一体的に形成されている。該カムフォロアー10aは操作レバー10と同一部材にて形成されている。該カムフォロアー10aとセンターセクション32との間のスペースにはカム54が配設され、該カム54のカムフォロアー10a側端面には凹陥したデテントカム部54aが形成されている。デテントカム部54aには、カムフォロアー10aへ圧接状態で当接している。
【0014】
また、カムフォロアー10aのデテントカム部54aとの当接面は略円筒形状に形成されている。該カムフォロアー10aはデテントカム部54aに当接している状態が最も圧接力が小さくなり、また、カムフォロアー10aがデテントカム部54aに当接する位置にあるときに油圧ポンプ2の可動斜板2cが中立位置となるように構成している。
【0015】
前記カム54は、その一端部54bを偏心軸55により支持されており、該偏心軸55は油圧ポンプ2のハウジング31の一側面に回転自在に軸支されている。偏心軸55は軸支部55aとカム支持部55bとで構成され、該軸支部55aはハウジング31の一側面に設けられる軸受31bに軸支され、カム支持部55bはカム54の一端部54bを回転自在に支持している。そして、ハウジング31の軸受31bに軸支される軸支部55aの軸心と、カム54の他端部54bを支持するカム支持部55bの軸心とは偏心しており、これにより、該軸受31bの軸心とカム支持部55bの軸心とが偏心されることとなる。
【0016】
一方、カム54の他端部54cには、センターセクション32側へ突出する凸部54dが、カム54と同一部材により一体的に形成されている。センターセクション32における該凸部54dに対応する箇所には凹部32aが形成されており、該凹部32aには付勢部材であるスプリング56が嵌装されている。即ち、カム54におけるスプリング56の受け部材を、カム54と一体的に形成される凸部54dにより構成しているのである。
【0017】
また、該スプリング56にはカム54の前記凸部54dが嵌挿され、該スプリング56によりカム54を支持するとともに、該カム54をカムフォロアー10a側へ付勢するように構成している。このように、スプリング56によって、カム54がカムフォロアー10a側へ付勢されることにより、デテントカム部54aがカムフォロアー10aへ圧接することとなっている。
【0018】
そして、凹陥したデテントカム部54aに当接して中立位置にあるカムフォロアー10aが、トラニオン軸9の回動操作により該デテントカム部54aから上方向又は下方向へ回動するに従って、デテントカム部54aはカムフォロアー10aによりセンターセクション32側へ押圧されてスプリング56による付勢力が大きくなり、カムフォロアー31のデテントカム11への圧接力が大きくなる。
【0019】
従って、操作レバー10を上下回動させるトラニオン軸9の操作力を解除すると、カム54の付勢力によりカムフォロアー10aが中立位置に戻されてデテントカム部54aと嵌合し、HST1が中立状態で保持されることとなる。このように、可動斜板2cの傾角を操作する操作レバー10へ一体的に形成したカムフォロアー10aに、カム54のデテントカム部54aを圧接させることにより操作レバー10の中立位置を決定するデテント機構を中立位置決め機構として構成している。
【0020】
また、ハウジング31におけるカム54の他端部54cに対応する位置には、突起31a・31aが該ハウジング31と一体的に形成されている。該突起31a・31aは、ハウジング31を形成する際に同時に形成されるものである。そして、該突起31aと突起31aとの間に窪み部58が形成され、該窪み部58によりカム54の他端部54cが、駆動軸2aと直交する方向にガイドされている。即ち、ハウジング31に一体的に形成される窪み部58により、カム54の他端部54cを駆動軸2aと直交する方向にガイドしている。
【0021】
また、デテントカム部54aにカムフォロアー10aが当接した状態にて、油圧ポンプ2の可動斜板2cが中立位置よりずれた状態となった場合、前記偏心軸55をHST1外部から回転操作して中立位置を微調整するようにしている。即ち、偏心軸55を回転操作すると、軸支部55a及び軸受31bの軸心に対してカム支持部55bの軸心が偏心しているため、該カム支持部55bは軸支部55a及び軸受31bの軸心を中心にして公転し、該カム支持部55bにより支持されるカム54の一端部54bが上下方向へ移動する。これにより、カムフォロアー10aを介してカム54に圧接される操作レバー51が上下方向に微動回動されて、中立位置が微調節されることとなる。
【0022】
以上の如く中立位置決め機構を構成することにより、中立位置決め機構コンパクトに構成することができてHST1に内装することが可能となる。これにより、中立位置決め機構を構成するカム54やカムフォロアー10a等に錆が発生したり、泥・草木等の異物が付着したりして動作不良が発生することを防止することができる。また、前記偏心軸55を外部から回転操作可能とすることにより、中立位置の調整を容易に行うことができる。
【0023】
また、前記カムフォロアー10aのカム54への当接面を略円筒形状に形成し、該カムフォロアー10aを操作レバー10と同一部材で形成することにより、該中立位置決め機構の部品点数、加工工数、及び組付工数を低減することができる。また、カムフォロアー10aを操作レバー10へ一体的に形成することにより、衝撃等に対する耐久性を向上することができるとともに、中立位置決め機構をコンパクトに構成することが可能となる。
【0024】
また、カム54を駆動軸2aと直交する方向にガイドするガイド部材を、前記窪み部58の如く、ハウジング31と一体的に形成することにより、該ガイド部材の部品点数を減少することができるとともに、中立位置決め機構の組付工数を削減することができる。
【0025】
さらに、カム54の他端部54cに凸部54dを一体的に形成し、該凸部54dをスプリング56に嵌挿して該スプリング56の受け部材とすることにより、該カム54にスプリング56の受け部材を構成しながら、該カム54をプレート状の部材で形成することが可能となる。これにより、該カム54及び凸部54dを一体的にプレス成形により形成することができて、安価に製作することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1記載の如く、可動斜板(2c)の傾角に応じて可変容量制御される油圧ポンプ(2)と、油圧モータ(3)とにより構成される油圧式無段変速装置(1)において、該可動斜板(2c)に操作レバー(10)を設け、該操作レバー(10)の一端部に、一体 的にかつ同一部材で形成したカムフォロアー(10a)を設け、該カムフォロアー(10a)を押圧する方向へ付勢されるカム(54)を設け、該操作レバー(10)とカム(54)をハウジング(31)内に内装し、該カム(54)の一端部はハウジング側面に設けた軸受に軸支される支点軸により回転自在に支持され、他端部は該カム(54)をカムフォロアー(10a)方向へスプリング(56)により付勢したので、中立位置決め機構コンパクトに構成することができて油圧式無段変速装置内装することが可能となる。
これにより、中立位置決め機構を構成するカムやカムフォロアー等に錆が発生したり、泥・草木等の異物が付着したりして動作不良が発生することを防止することができる。
また、該カムフォロアーを操作レバーと同一部材で形成したので、中立位置決め機構の部品点数、加工工数、及び組付工数を低減することができる。
さらに、カムフォロアーを操作レバーへ一体的に形成することにより、衝撃等に対する耐久性を向上することができるとともに、中立位置決め機構をコンパクトに構成することが可能となる。
【0027】
さらに、前記油圧式無段変速装置(1)を内装するハウジング(31)の内壁に、該ハウジング(31)と一体的に構成した窪み部(58)を形成し、この窪み部(58)に前記カム(54)を嵌入して該カム(54)の回動をガイドするので、カムのガイド部材の部品点数を減少することができるとともに、中立位置決め機構の組付工数を削減することができる。
【0028】
請求項2記載の如く、前記カム(54)をプレート状部材で形成するとともに、該カム(54)に凸部(54d)を一体的に形成し、該凸部(54d)を前記スプリング(56)に嵌挿し、該スプリング(56)の受け部材としたので、該カムに付勢手段の受け部材を構成しながら、該カムをプレート状の部材で形成することが可能となる。
これにより、該カム及び付勢手段の受け部材を、一体的にプレス成形により形成することができて、安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の中立位置決め機構を備えた油圧式無段変速装置を示す側面断面図である。
【図2】 中立位置決め機構を示す側面図である。
【図3】 同じく背面図である。
【符号の説明】
1 HST
2 油圧ポンプ
2c 可動斜板
3 油圧モータ
5 センターセクション
9 トラニオン軸
10 操作レバー
10a カムフォロアー
31 ハウジング
31b 軸受
54 カム
54a デテントカム部
54d 凸部
55 偏心軸
56 スプリング
58 窪み部

Claims (2)

  1. 可動斜板(2c)の傾角に応じて可変容量制御される油圧ポンプ(2)と、油圧モータ(3)とにより構成される油圧式無段変速装置(1)において、該可動斜板(2c)に操作レバー(10)を設け、該操作レバー(10)の一端部に、一体的にかつ同一部材で形成したカムフォロアー(10a)を設け、該カムフォロアー(10a)を押圧する方向へ付勢されるカム(54)を設け、該操作レバー(10)とカム(54)をハウジング(31)内に内装し、該カム(54)の一端部はハウジング側面に設けた軸受に軸支される支点軸により回転自在に支持され、他端部は該カム(54)をカムフォロアー(10a)方向へスプリング(56)により付勢し、前記油圧式無段変速装置(1)を内装するハウジング(31)の内壁に、該ハウジング(31)と一体的に構成した窪み部(58)を形成し、この窪み部(58)に前記カム(54)を嵌入し、該カム(54)の回動をガイドすることを特徴とする油圧式無段変速装置の中立位置決め機構。
  2. 請求項1記載の油圧式無段変速装置の中立位置決め機構において、前記カム(54)をプレート状部材で形成するとともに、該カム(54)に凸部(54d)を一体的に形成し、該凸部(54d)を前記スプリング(56)に嵌挿し、該スプリング(56)の受け部材としたことを特徴とする油圧式無段変速装置の中立位置決め機構。
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