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JP4045494B2 - 燃料給油口構造 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車などの燃料タンクの給油口を開閉自在とする燃料キャップ及び燃料給油口構造に関し、特に燃料給油時に人体などに帯電した静電気をボディーやシャーシなどに放電させることが可能な燃料キャップ及び燃料給油口構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車などの燃料タンクには、給油時などにおいて燃料キャップを触った際に、人体に帯電していた静電気によって接触した部分に火花放電が生じ、その発生した火花が燃料タンク内で暖められて漏れ出た燃料ガスに引火することを防止するためのアース対策構造がこれまでに数多く提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。
【0003】
特許文献1記載のフューエルキャップは、樹脂製のクロージャの上部を覆うシェルを導電性の樹脂材料で形成すると共にそのシェルに放電用突起部を設け、この放電用突起部とフィラーネック又は自動車ボディーとの間に3mm以下の隙間(放電ギャップ)を設けて、この放電ギャップで燃料ガスが噴出する前に火花を飛ばし、事前に人体の静電気を放電させるように構成したものである。このフューエルキャップでは、人体に帯電した静電気をシェル、放電用突起部、フィラーネックという順路を介して逃がすようにしている。
【0004】
また、特許文献1には、導電性樹脂により形成されるリング状のリテーナをシェルに取り付け、このリテーナをフィラーネックに直接接触させることにより、人体に帯電した静電気をシェル、リテーナ、フィラーネックという順路を介して逃がすようにしたアース対策構造も開示されている。
【0005】
特許文献2記載の燃料タンク用キャップは、本体部とハンドル部からなるキャップのうちハンドル部を導電性部材によって形成すると共にそのハンドル部に突出部を設け、この突出部を導電性のタンク本体に形成されたフィラーネックに当接させることによって、人体に帯電した静電気をアースされたフィラーネックに逃がす構成としたものである。この燃料タンク用キャップでは、人体に帯電した静電気を、ハンドル部、突出部、フィラーネックという順路を介して車体側に逃がしている。
【0006】
【特許文献1】
特許第3200732号公報(第2頁及び第3頁、第2図〜第6図)
【特許文献2】
特開平11−301290号公報(第3頁、第1図〜第5図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1記載のフューエルキャップでは、放電ギャップが引火しない距離(3mm以下の距離)に設定されているとは言いながらも、放電ギャップが燃料キャップ又はフィラーネックの形状のバラツキで広くなると本来の機能を発揮しなかったり、残留電圧が高くなる。逆に、放電ギャップが狭くなりすぎると、接触時に干渉して擦れ音が発生したり、傷が付いたりする。
【0008】
また、リテーナをフィラーネックに直接接触させる構造のフューエルキャップでは、燃料キャップ(リテーナを含む)とフィラーネックの何れかが真円でないと、燃料キャップを閉じるときに抵抗となってスムーズに閉めることができなくなり、ある回転角度のところで引っ掛かり感を感じてしまう。
【0009】
特許文献2記載の燃料タンク用キャップもまた特許文献1のフューエルキャップと同様、フューエルキャップを閉じるときに突起部がフィラーネック部に擦れてスムーズに当該フューエルキャップを閉めることができない。
【0010】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、燃料キャップやフィラーネックの形状がばらついていたり、真円度が多少狂っていても操作感に異常を感じることなくスムーズに燃料キャップを開閉することができ、且つ人体に帯電した静電気を確実に放電することのできる燃料キャップ及び燃料給油口構造を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料キャップは、燃料タンクのフィラーネックに取り付けられる。この燃料キャップは、導電性材料で形成されたアッパーキャップと、このアッパーキャップに固定され、フィラーネックに螺合して燃料キャップを燃料タンクに装着させるロアーキャップと、ロアーキャップとフィラーネックとの間をシールするシーリングとを備える。
【0012】
そして、本発明の燃料キャップでは、シーリングを導電性を有した弾性材料で形成し、且つシーリングにアッパーキャップに帯電した静電気をフィラーネックへ放電させるための放電部を形成する。放電部は、シーリングの一部を、アッパーキャップの内周面に接触させる位置まで延長して形成する。
【0013】
本発明によれば、人体に帯電した静電気は、アッパーキャップから放電部及びシーリングを介してフィラーネックへと流れ、ボディーなどに接地される。
【0014】
また、本発明の燃料給油口構造は、導電性材料からなるアッパーキャップと、このアッパーキャップに固定されるロアーキャップとからなる燃料キャップを有し、そのロアーキャップを、燃料タンクのフィラーネックに螺合させることによって燃料給油口を閉塞する構造とされている。
【0015】
そして、この発明の燃料給油口構造は、フィラーネックの外周部に燃料を捕集するレシーブラバーを設け、このレシーブラバーを導電性を有する弾性材料によって形成すると共に、このレシーブラバーに、アッパーキャップに帯電した静電気をフィラーネック又は車体に放電させるための放電部を形成する。
【0016】
本発明によれば、人体に帯電した静電気は、アッパーキャップからレシーブラバーに形成された放電部を介してフィラーネック又は車体へと流れ接地される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
「第1の実施の形態」
第1の実施の形態は、自動車などの燃料タンクのフィラーネックに装着して燃料給油口を開閉自在とする燃料キャップの例である。
【0019】
かかる燃料キャップ1は、図1に示すように、アッパーキャップ2と、このアッパーキャップ2に固定され、ボディー又はシャーシにアースされた燃料タンク(図示は省略する)のフィラーネック3に螺合して当該燃料キャップ1を燃料タンクに装着させるロアーキャップ4と、これらロアーキャップ4とフィラーネック3との間をシールするシーリング5とを備えている。
【0020】
アッパーキャップ2は、図1に示すように、電気を通電させる導電性材料によって形成されている。このアッパーキャップ2を形成する導電性材料としては、例えばポリアセタール、ナイロン(登録商標)等の樹脂にカーボン等の導電性物質を添加したものなどが使用される。また、樹脂に導電性物質を添加せずにその表面に導電性塗料を塗布したものも使用できる。かかるアッパーキャップ2は、円板形状の天蓋6と、この天蓋6の外周に形成された把持部7とを有している。把持部7は、燃料キャップ1を開閉する際の取手となる部分で、当該燃料キャップ1をフィラーネック3に取り付けたときに当該フィラーネック3へと延びる円環状のリングとして形成されている。
【0021】
ロアーキャップ4は、図1に示すように、フィラーネック3に形成された燃料給油口8に挿入される胴体部9と、アッパーキャップ2に固定される基端部10とを有し、これら胴体部9と基端部10が絶縁体からなる樹脂材料によって一体的に形成されている。
【0022】
胴体部9には、フィラーネック3の開口端側に形成されたネジ部11と螺合するネジ部12が形成されている。また、胴体部9には、燃料タンク内の温度が上昇することにより燃料蒸気が多量に発生して当該燃料タンク内の圧力が高くなった場合に開となる正圧弁13と、燃料タンク内の圧力が低くなった場合に開となる負圧弁14とが備えられている。
【0023】
正圧弁13は、常に弁を閉じた状態となるように第1コイルばね15によって付勢されている。また、負圧弁14も同様に、常に閉じた状態となるように第2コイルばね16によって付勢されている。これら正圧弁13と負圧弁14をロアーキャップ4に設けることによって、燃料タンク内の圧力をほぼ一定に保ち、適正な状態で燃料供給を行うことができるようになっている。
【0024】
基端部10は、胴体部9の一端に外方へ突出する円盤状のフランジとして形成されている。この基端部10は、前記把持部7の内周面7aに密着して嵌合することによって、前記アッパーキャップ2に固定されている。この基端部10には、正圧弁13と負圧弁14が作動したときに、大気への開放口となるオリフィス17が形成されている。
【0025】
シーリング5は、図1に示すように、ロアーキャップ4とフィラーネック3との間をシールする円環体として形成されており、導電性を有したゴムなどの弾性材料によって形成されている。本実施の形態では、弾性材料としてニトリルゴム、フッ素ゴム等を使用し、この弾性材料にカーボンなどの導電性材料を添加することにより、シーリング5を形成した。
【0026】
このシーリング5は、ロアーキャップ4の胴体部9の外周囲に装着させることによって取り付けられ、断面略U字状をなすシール部分18をフィラーネック3の開口先端に密着させることで、前記ロアーキャップ4とフィラーネック3間をシールする。
【0027】
また、このシーリング5には、人体に帯電した静電気をアッパーキャップ2からこのシーリング5を介してフィラーネック3へと放電させるための放電部19が形成されている。放電部19は、前記シール部分18の一部を、把持部7の内周面7aに接触する位置まで延長することによって形成されている。この放電部19は、燃料キャップ1をフィラーネック3に取り付けたときに、把持部8の内周面7aに接触する。また、放電部19は、少なくともシーリング5の一箇所に形成されていれば良いが、2箇所以上に形成されていてもよい。
【0028】
このように構成された燃料キャップ1では、アッパーキャップ2を導電性材料で形成すると共に、このアッパーキャップ2に接触する放電部19を備えたシーリング5を導電性を有した弾性材料によって形成しているため、燃料給油時に燃料キャップ1を触った人に帯電していた静電気を、アッパーキャップ2から放電部19及びシーリング5を介して、ボディーなどにアースされたフィラーネック3へと逃がすことができる。
【0029】
このように、本実施の形態によれば、人体に帯電した静電気をアッパーキャップ2からシーリング5を経由して接地したフィラーネック3に放電することができるため、放電効果を安定させることができる。また、本実施の形態によれば、開発新型車に限らず、現行量産車にも改造無しで本発明の燃料キャップ1を適用することができる。
【0030】
なお、燃料キャップ1(ロアーキャップ4)のネジ径は、規格で所定の寸法に決まっておりフィラーネック3のネジ孔に合致するが、万一ネジ径が異なる場合でも燃料キャップ1を新たに作成又は変更するのは容易である。
【0031】
静電気を確実に逃がすには、導電性材料から形成されるアッパーキャップ2及びシーリング5の電気抵抗値が大きすぎると放電に時間が掛かり、燃料キャップ1を開ける間に放電が間に合わない。一方、電気抵抗値が小さすぎると燃料キャップ1に手が触れたときに火花が飛んでしまう。以上のことからアッパーキャップ2とシーリング5には、数百キロオームから数十ギガオームの電気抵抗値を付与することが望ましい。
【0032】
「第2の実施の形態」
第2の実施の形態は、自動車などの燃料タンクの燃料給油口構造の例である。
【0033】
この燃料給油口構造は、図2に示すように、フィラーネック3の周囲に漏れた燃料を捕集するレシーブラバー20を設け、そのレシーブラバー20に放電部21を形成してアッパーキャップ2から放電部21を介して接地したフィラーネック3に静電気を逃がすようにした構造である。この第2の実施の形態では、第1の実施の形態の燃料キャップ1と同一の構成である部分には同一の符号を付するものとし、その説明は省略する。
【0034】
第2の実施の形態の燃料キャップ1は、図2に示すように、第1の実施の形態の燃料キャップ1のシーリング5と異なる形状のシーリング5を使用する他は、この第1の実施の形態の燃料キャップ1と同一構成である。第2の実施の形態の燃料キャップ1に使用されるシーリング5は、断面略U字状をなす通常のシーリングであり、導電性は必要とされない。
【0035】
レシーブラバー20は、車体22に固定され、前記フィラーネック3を取り囲むようにしてその外周部に設けられている。かかるレシーブラバー20は、車体22に固定される固定部23と、フィラーネック3の外周を取り囲む周壁部24と、この周壁部24の先端に外側へ折り返して形成された折返し部25と、その折返し部25の一部に形成された放電部21とを有し、導電性を有したゴムなどの弾性材料によって形成されている。
【0036】
固定部23は、一端側を斜め上方に跳ね上げて形成した傾斜部26を有し、この傾斜部26と周壁部24とで囲むキャビティにフィラーネック3の周囲に漏れた燃料を捕集するようになっている。周壁部24は、フィラーネック3の先端側部分を取り囲む円筒体として形成され、当該フィラーネック3のほぼ先端位置とほぼ同じ高さとされている。折返し部25は、周壁部24の先端に外側へ断面略L字状に折り返して形成されている。
【0037】
放電部21は、燃料キャップ1をフィラーネック3に装着させたときに、アッパーキャップ2とフィラーネック3との間に位置するように折返し部25に設けられている。この放電部21は、アッパーキャップ2の把持部7の先端部7bとフィラーネック3の開口端部3aとにそれぞれ接触するようになっている。
【0038】
このように構成された燃料給油口構造では、レシーブラバー20を導電性材料で形成すると共に、このレシーブラバー20に形成した放電部21をアッパーキャップ2とフィラーネック3に接触させているため、燃料給油時に燃料キャップ1を触った人に帯電していた静電気を、アッパーキャップ2から放電部21を介してボディーなどにアースされたフィラーネック3へと逃がすことができる。
【0039】
このように、本実施の形態によれば、人体に帯電した静電気をアッパーキャップ2から放電部21を経由して接地したフィラーネック3に放電することができるため、放電効果を安定させることができる。特に、この実施の形態によれば、従来から使用してきた燃料キャップ1をそのまま使用することができ、燃料キャップ1の形状変更や新たな部品を追加する必要も無く、また、フィラーネック3の燃料給油口の形状違いに影響されない。
【0040】
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
【0041】
例えば、第2の実施の形態では、人体に帯電した静電気をアッパーキャップ2から放電部21を経由して接地したフィラーネック3に放電させたが、この静電気を、アッパーキャップ2から放電部21を経由してレシーブラバー20から接地された車体22へと放電させるようにしても同様の効果がある。
【0042】
また、上述の実施の形態では、本発明を自動車の燃料タンクに装着する燃料キャップ及び燃料給油口構造に適用したが、自動車に限定されることなく自動二輪車、船舶、ストーブなどの燃料タンクにも本発明を適用することができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0044】
本発明の燃料キャップによれば、人体に帯電した静電気を、アッパーキャップから放電部を通じてシーリングを介してフィラーネックに逃がすことができるため、放電効果を安定させることができる。また、本発明の燃料キャップによれば、フィラーネックの形状がばらついていたり、真円度が多少狂っていても操作感に異常を感じることなくスムーズに燃料キャップを開閉することができる。
【0045】
本発明の燃料給油口構造によれば、人体に帯電した静電気を、アッパーキャップからレシーブラバーに形成した放電部を介してフィラーネック又は車体に放電することができるため、放電効果を安定させることができる。また、本発明の燃料給油口構造によれば、導電性の弾性材料でレシーブラバーを形成し、そのレシーブラバーの一部に放電部を形成することの簡単な構造で良いので、燃料キャップは従来からのものをそのまま使用することができ、大幅なコストの削減ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示すもので、燃料キャップをフィラーネックに装着させたときの断面図である。
【図2】第2の実施の形態を示すもので、燃料キャップをフィラーネックに装着させたときの断面図である。
【符号の説明】
1 燃料キャップ
2 アッパーキャップ
3 フィラーネック
4 ロアーキャップ
5 シーリング
8 燃料給油口
13 正圧弁
14 負圧弁
19,21 放電部
20 レシーブラバー
22 車体

Claims (3)

  1. 導電性材料によって形成されたアッパーキャップと、このアッパーキャップに固定されたロアーキャップとからなる燃料キャップを有し、前記ロアーキャップを、燃料タンクのフィラーネックに螺合させることにより燃料給油口を閉塞する燃料給油口構造であって、
    前記フィラーネックの外周部に、当該フィラーネックの周囲に漏れた燃料を捕集するレシーブラバーを設け、このレシーブラバーを導電性を有する弾性材料によって形成すると共に、前記アッパーキャップに帯電した静電気を接地した前記フィラーネックに放電させる放電部を前記レシーブラバーに形成した
    ことを特徴とする燃料給油口構造。
  2. 導電性材料によって形成されたアッパーキャップと、このアッパーキャップに固定されたロアーキャップとからなる燃料キャップを有し、前記ロアーキャップを、燃料タンクのフィラーネックに螺合させることにより燃料給油口を閉塞する燃料給油口構造であって、
    前記フィラーネックの外周部に、当該フィラーネックの周囲に漏れた燃料を捕集するレシーブラバーを設け、このレシーブラバーを導電性を有する弾性材料によって形成すると共に、前記アッパーキャップに帯電した静電気を接地した車体に放電させる放電部を前記レシーブラバーに形成した
    ことを特徴とする燃料給油口構造。
  3. 請求項又は請求項記載の燃料給油口構造であって、
    前記放電部は、前記アッパーキャップと前記フィラーネック間に設けられている
    ことを特徴とする燃料給油口構造。
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