JP4045563B2 - 連続矢板壁の継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、矢板の相互間を連結して連続矢板壁とする継手、特に剛結嵌合構造の継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、剛結嵌合構造の継手としては、例えば、特公平4−30495号公報に記載されたものがあった。このものは、鉄筋籠を建込んだ溝孔内にコンクリートを打設してなる連続壁に用いられるもので、図14に示すように、先行壁体1内の鉄筋籠を構成する横鉄筋2に接続された、スリット3を有する断面C字形の受け金具(めす継手部材)4と、先端に係止金具5を有し、後行壁体用鉄筋籠を構成する鉄筋6から延設されて、前記スリット3を縦方向に通して前記係止金具5を受け金具4に嵌合させる継手板(おす継手部材)7とを備えており、めす継手部材4内に充填したモルタルなどの固結材により受け金具4と継手板7とが剛結されるようになっている。
【0003】
ところで、上記受け金具4内への固結材の充填は、通常、後行壁体用鉄筋籠を建込んだ溝孔内にコンクリートを打設した後に行われるようになっており、受け金具4と継手板7とを単に連結させた状態で、コンクリートを打設すると、スリット3内の間隙aを通して受け金具4内にコンクリートが侵入してしまい、本来受け金具4内に注入すべき固結材の強度が著しく低下することになる(同公報第3欄第18〜22行参照)。そこで、同公報に記載の発明では、同じく図14に示すように、継手板7の両板面に挟持板8,8を用いて弾性変形可能な遮板9、9を固定し、これら遮板9の自由端部を受け金具4の外周面に圧着させて、前記間隙aを遮蔽する対策を採っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記遮板9を設けた剛結嵌合構造の継手によれば、上記のごとく鉄筋籠を建込んだ溝孔内にコンクリートを打設する連続壁に適用する場合は問題がないものの、例えば、土止め用、止水用などの連続矢板壁のように壁体の片側または両側が空域または水域に曝される場合は、遮板9の押えが全く効かないか、効いてもわずかであるため、受け金具4内に充填した固結材の圧力を受けて遮板9が開いてしまい、固結材が受け金具4から漏出してしまう。
【0005】
本発明は、上記従来の技術的背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、めす継手部材内からの固結材の漏出を確実に防止し、もって土止め用、止水用などの連続矢板壁への適用性を高めた剛結嵌合構造の継手を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、相隣接して打設される一方の矢板に突設された、縦方向のスリットを有する筒状のめす継手部材と、前記めす継手部材に挿入可能な係止部を先端に有し、前記めす継手部材に挿入可能な係止部を先端に有し、他方の矢板の側端から延設されて、前記スリットを縦方向に通して前記係止部を前記めす継手部材に嵌合させる板状のおす継手部材とを備え、かつ前記めす継手部材内に充填した固結材により前記両継手部材が剛結される連続矢板壁の継手において、前記めす継手部材の外面の、前記スリットに隣接する片側または両側部分に弾性変形可能な鋼板製遮蔽板の基端部を固定し、該遮蔽板の、前記基端部に対して折曲させた折曲部の自由端部を前記スリットの内側開口方向に延在させて、前記おす継手部材の板面に衝合させる構成としたことを特徴とする。
【0007】
このように構成した連続矢板壁の継手においては、遮蔽板の自由端部がスリットの内側開口方向に延在しておす継手部材の板面に衝合しているので、めす継手部材内に固結材を充填すると、該固結材の圧力により遮蔽板がスリットの外側開口方向へ膨出変形しようとして、その自由端部をおす継手部材の板面に強く圧着させ、めす継手部材内からの固結材の漏出を防止する。
【0008】
本発明において、上記めす継手部材に設けるスリットは、平行端面を有する形状としてもよいが、少なくとも遮蔽板を固定した側の端面に、スリットの外側開口方向に向けて次第に開先を拡大するテーパを付けた形状としてもよい。スリットの端面にテーパを付けた場合は、スリットを縦方向に通しておす継手部材をめす継手部材に連結する際、該おす継手部材がスリットの内縁に優先的に接触して、その必要以上の移動が阻止され、おす継手部材の押圧力による遮蔽板の座屈、損傷などが未然に防止される。
【0009】
本発明において、上記遮蔽板は、長尺な一体物としてもよいが、縦方向に複数分割した分割構成としてもよい。分割構成とする場合は、各分割要素が、上位のものの裏面に下位のものが重なるように相互に端部同士をラップさせて配置するのが望ましく、これにより、スリットにおす継手部材を差し込む際、分割要素の上端縁がおす継手部材に干渉することはなくなる。
【0010】
本発明は、上記矢板の種類を特に問うものではないが、ボックス型矢板を用いることができる。この場合、めす継手部材およびおす継手部材を該ボックス型矢板の両側に各一対設けるのが望ましく、これにより継手間の空域をコンクリートの打設域として利用することができ、強度を有する厚肉の止水壁を構築する場合に好適となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図5は、本発明に係る継手を用いて打設した連続矢板壁を含む止水壁の全体構造を示したものである。この止水壁1は、ダム堤体2に取水口3を開通工事する際の仮締切りに用いられるもので、ダム堤体2に対してアーチ形(半円形)に構築されて、開通すべき取水口3の前方水域Wを締切っている。この止水壁1は、水底地盤上に固定した架台4に設けた導枠5に沿って打設された二重矢板壁(連続矢板壁)6とこの二重矢板壁6内に打設されたコンクリート層7とからなっている。止水壁1の両端部(戸当り部)は、図6に示すように、ダム堤体2に形成した縦溝8内に二重矢板壁6の一部をシール部材9を介して嵌入させることにより水密に結合されており、これにより止水壁1の内側は、その外側の水域Wに対して完全に締切りされ、したがって、この内側を排水することで開通すべき取水口3の前方に工事用空間Sが出現することになる。
【0013】
上記二重矢板壁6は、図4によく示されるように、ここではボックス型矢板10,10…を本発明に係る剛結嵌合構造の継手11を介して連結してなっている。各ボックス型矢板10は、矩形断面の枠体12の内部を複数の仕切板13により打設方向に複数の室A,Aに分割した構造となっており、各室A内に前記コンクリート層7が打設されている。ここで、前記仕切板13のうちの中央に位置するものは、相互間を切り離して重ねた二枚の板体13a,13bからなっており、ボックス型矢板10内のコンクリート層7は、この二枚重ねの板体13aと13bとの間で縁切りされている。また、二枚重ねの板体13a,13bを除く他の仕切板13には室Aの相互間を連通する複数の連通孔(図示略)が設けられており、したがって、ボックス型矢板10内のコンクリート層7は、この二枚重ねの板体13a、13bの両側では一体構造となっている。
【0014】
上記ボックス型矢板10を連結するための本発明に係る継手11は、図1乃至図3にも示すように、縦方向のスリット15を有する筒状のめす継手部材16と、このめす継手部材16に挿入可能な筒状の係止部17を先端に有する板状のおす継手部材18とを備えている。これらめす継手部材16とおす継手部材18とは、各ボックス型矢板10の両側にその枠体12の面板12aの延長片を利用して各一対設けられている。継手11は、相隣接して打設された二つのボックス型矢板10,10の間において、各おす継手部材18をめす継手部材16のスリット15に縦方向に通すと共に、おす継手部材18の係止部17をめす継手部材16に嵌合させる連結構造となっている。しかして、このめす継手部材16内には、モルタルなどの固結材を充填してなる固結材層19が打設されており、この固結材層19内に前記おす継手部材18の係止部17が埋め込まれている。すなわち、本発明に係る継手11は、めす継手部材16とおす継手部材18とを嵌合させかつ両者の間を固結材層19で固結してなる剛結嵌合構造となっている。
【0015】
上記継手11の使用により、相隣接して打設された二つのボックス型矢板10,10の間には、各独立の室Bが区画形成され(図4)、この室B内にも前記コンクリート層7が打設されている。各ボックス型矢板10の側板12bには上記室B内と前記枠体11内の室Aとを連通する複数の連通孔(図示略)が設けられており、したがって、コンクリート層7は、相隣接して打設された一方のボックス型矢板10内の一方の板体13aと他方のボックス型矢板10内の他方の板体13bとの間で一体構造となっている。
【0016】
本発明に係る継手11には、図1によく示されるように、相隣接して打設された二つのボックス型矢板10,10の相互間に形成された室B内とめす継手部材16内との連通を遮断する第1の遮蔽板20と、めす継手部材16内とボックス型矢板10の外側との連通を遮断する第2の遮蔽板21とが添設されている。第1の遮蔽板20は、弾性変形可能な部材、例えばばね鋼板からなっており、その基端部がおす継手部材18の内側板面に押え板22とボルト23とを用いて固定されている。この第1の遮蔽板20は、室B側へわずかに湾曲する湾曲癖を有しており、その自由端部をめす継手部材16の外面の、スリット15に隣接する内側部分に衝合させている。すなわち、おす継手部材18の片側(内側)に形成されるスリット15内の間隙は室B側から閉鎖された状態となり、したがって、室B内にコンクリートを注入しても該コンクリートがめす継手部材16内に流入することはなくなる。
【0017】
一方、第2の遮蔽板21も、弾性変形可能な部材、例えばばね鋼板からなっており、その基端部21aがめす継手部材16の、スリット15に隣接する外側部分に押え板24とボルト25とを用いて固定されている。この第2の遮蔽板21は、図2および図3によく示されるように、その基端部21aに対して所定の角度で折曲させた折曲部21bを有しており、この折曲部21bの先端部(自由端部)をスリット15の内側開口方向に延在させて、前記おす継手部材18の外側板面に衝合させている。すなわち、おす継手部材18の他側(外側)に形成されるスリット15内の間隙はめす継手部材16の内側から閉鎖された状態となり、したがってめす継手部材16内に固結材を注入しても該固結材が二重矢板壁6の外側の水域に漏出することはなくなる。ところで、この第2の遮蔽板21の折曲部21bは、めす継手部材16内に注入した固結材の圧力によりスリット15の外側開口方向へわずか膨出変形するが、該第2の遮蔽板21として適当な板厚(強度)を有するものを選択することで、該第2の遮蔽板21の座屈や破損が未然に防止され、スリット15内の間隙は確実に内側から閉鎖されるようになる。
【0018】
上記止水壁1の構築に際しては、予め上記おす継手部材18の内側板面に第1の遮蔽板20を、上記めす継手部材16の外面に第2の遮蔽板21をそれぞれ取付けておく。そして、前出図5に示したように、水底地盤上に固定した架台4に設けた導枠5に沿って上記したボックス型矢板10を本継手11を介して連結しながら順次打設する。このボックス型矢板10の打設に際しては、先行して打設したボックス型矢板10の側端に設けためす継手部材16のスリット15に、後行のボックス型矢板10の側端に設けたおす継手部材18を縦方向に通し(差し込み)ながら、該おす継手部材18の係止部17をめす継手部材16に嵌合させて両継手部材16と18とを連結する。この連結の開始に当っては、第1の遮蔽板20の自由端部を適当に拡張させ、かつ第2の遮蔽板21の自由端部を適当に圧縮させて、めす継手部材16のスリット15内へおす継手部材18を差し込むようにするが、一旦差し込んだ後は、おす継手部材18の下動に応じて第1および第2の遮蔽板20、21が順次拡張、圧縮して、それぞれの自由端部がめす継手部材16の外面、おす継手部材18の外側板面に弾発力で圧着する。
【0019】
このようにして、導枠5に沿ってボックス型矢板10を本継手11を介して連結しながら順次打設して、二重矢板壁6をダム堤体2に対してアーチ形に構築し(図5)、この二重矢板壁6の構築完了後、各ボックス型矢板10内の室Aおよび相隣接して打設したボックス型矢板10の相互間の室Bにコンクリートを注入し、コンクリート層7を打設する。この時、前記ボックス型矢板10の相互間の室B内のコンクリートは、めす継手部材16のスリット15内の間隙を通してめす継手部材16内に侵入しようとするが、前記したように第1の遮蔽板20がその間隙を室B側から閉鎖しているので、室B内へのコンクリートの侵入が阻止される。
【0020】
その後、上記二重矢板壁6内に注入したコンクリートの養生硬化を待って、めす継手部材16内に固結材を注入し固結材層19を打設する。この時、めす継手部材16内の固結材は、スリット15の間隙を通して二重矢板壁6を外側の水域へ漏出しようとするが、この固結材の圧力を受けて第2の遮蔽板21の折曲部21bがスリット15の外側開口方向へ膨出変形して、その自由端部がおす継手部材18の外側板面に強く圧着され、これによりめす継手部材16内からの固結材の漏出が防止される。そして、めす継手部材16内の固結材はそのまま硬化してめす継手部材16内におす継手部材18の係止部17を剛結し、これにて止水壁1の構築は完了する。
【0021】
なお、このように構築された止水壁1は、前記したようにそのコンクリート層7がボックス型矢板10内の一対の板体13aと13bとの間で縁切りされているので、ダム堤体2への取水口3の開通工事完了後、二枚の板体13aと13bとの間で枠体12の面板12aを縦方向(紙面に垂直方向)に切断すれば、止水壁1は、相隣接して打設された一方のボックス型矢板10内の一方の板体13aと他方のボックス型矢板10内の他方の板体13bとの間で複数分割された状態となり、この分割単位で簡単に解体することができる。
【0022】
ここで、上記めす継手部材16は、図7に示すように、そのスリット15の、第2の遮蔽板21を固定した側の端面に、スリット15の外側開口方向に向けて次第に開先を拡大するテーパ26を付ける形状としてもよい。このようにテーパ26を付けることで、スリット15を縦方向に通しておす継手部材18をめす継手部材16に連結する際、同図に示すように、該おす継手部材18がスリット15の端面の内縁に優先的に接触するので、第2の遮蔽板21が必要以上に圧縮変形することがなく、該遮蔽板21の座屈または損傷が未然に防止される。
【0023】
また、上記おす継手部材18に取付ける第1の遮蔽板20およびめす継手部材16に取付ける第2の遮蔽板21は、縦方向に複数分割してもよいものである。図8は、このように遮蔽板を分割構成とする場合の実施形態を、第2の遮蔽板21を例に採って示したもので、この場合は、各分割要素27a,27b…を、それぞれの上位のものの裏面側に下位のものが重なるように相互に端部同士をラップさせて配置し、これらを共通の押え部材24(分割構成でもよい)とボルト25とを用いてめす継手部材16の外面に固定するようにする。このように分割要素27a,27b…を配置することにより、めす継手部材16のスリット15(図1)におす継手部材18を縦方向に差込んでも、各分割要素27a,27bの上端縁がおす継手部材18に引掛かることはなく、ボックス型矢板10の連結を円滑に行うことができる。しかも、このように分割構成とする場合は、第1の遮蔽板20および第2の遮蔽板21として、長尺の一体物を用意する必要がなく、それらの製造が簡単になる。
【0024】
さらに、上記止水壁1の構築に際しては、前記したようにダム堤体2に形成した縦溝8内に二重矢板壁6の一部をシール部材9を介して嵌入させることにより戸当り部を形成するようにしているが(図6)、この戸当り部の形成に際しては、図9に示すように、本継手11を構成するめす継手部材16を掘削機30の昇降レールとして利用することができる。この場合、掘削機30を支持するベース31の背面に、本継手11のおす継手部材18に相当する一対の係止部材32を突設し、該ベース31を適宜の作業機械に吊って、その係止部材32を各めす継手部材16のスリット15に差し込みながら、係止部材32の先端の係止部33をめす継手部材16に嵌合させるようし、掘削機30を次第に下動させながら該掘削機30のカッタ(図示略)で縦溝8を掘削する。そして、この縦溝8の掘削後は、前記継手11を利用して適宜幅のボックス型矢板を先行のボックス型矢板10に連結して、その一部を縦溝8内に嵌合させ、さらにその内部にコンクリートを打設して、戸当り部を完成させる。
【0025】
ここで、上記縦溝8の掘削後は、掘削機30を上動させて係止部材32をめす継手部材16から抜取らなければならないが、この時、前記分割要素27a,27b…(図8)からなる遮蔽板(第1の遮蔽板)21をそのまま用いたのでは、掘削機30の上動に際して、その係止部材32の上端縁が分割要素27a,27b…の下端縁に干渉して、その抜取りが困難になる。この場合は、図10に示すように、各分割要素27a,27b…の下端縁にスリット15の内側開口に向けて上方傾斜するテーパ33を付けるの望ましく、これにより、下動および上動の双方で、係止部材32が各分割要素27a,27b…に干渉することはなくなる。
【0026】
上記実施の形態においては、二重矢板壁6を構成するボックス型矢板10の連結に用いる継手11を示したが、本発明に係る継手は、他の種類の矢板、例えば鋼管矢板、コンクリート矢板などの連結にも用いてもよいことはもちろんである。図11は、鋼管矢板40,40の連結に用いた継手41を示したもので、ここでは、縦方向のスリット42を有するめす継手部材43が一方の鋼管矢板40の周面に、先端に係止部44を有するおす継手部材45が他方の鋼管矢板40の周面に固設されている。本継手41においても、めす継手部材43の外面の、スリット42に隣接する部分に、上記実施の形態におけると同様の遮蔽板46を取付けることにより、めす継手部材43内に注入した固結材の外部への漏出を防止することができる。
【0027】
なお、遮蔽板(第2の遮蔽板)21、46は、構築する連続矢板壁の使用目的により、または該連続矢板壁の周りの環境(水、空気)により、めす継手部材43の外面の、スリット42に隣接する片側部分または両側部分に取付けるもので、当然のこととして止水壁以外への適用も可能である。
【0028】
【実施例】
図12に示すような疑似継手50を用いて実験室的な漏れ試験を行った。疑似継手50は、断面寸法100 ×100 ×12(mm)でかつ長さが2mのコ字形アングル材51を用意し、このアングル材51を、その両側に固着したフランジ板52,52を利用して種々の間隔Sと所定の深さDとを有するスリット53を設けた支持板54にボルト・ナット55により結合し、さらに、支持板54のスリット53に隣接する片側部分に種々の板厚tを有するばね鋼板製(JIS SUP )の遮蔽板56の基端部を固定し、この遮蔽板56の自由端部をスリット53の内側開口方向へ延在させて、スリット53の他側の端面に衝合させる構造となっている。
試験に際しては、アングル材51の下端および上端開口を蓋体(図示略)で閉鎖して、この内部にバルブ57付きの配管58を通じて疑似セメントミルク(ベントナイト)を段階的に圧力を変えて圧送し、スリット53からの漏れを観察した。
試験条件は、スリット53はその間隔Sを5mm と10mmの2通りに設定すると共にその深さDを25mmの一定とし、遮蔽板56として、板厚tが0.2mm 、0.3mm 、0.5mm 、0.6mm のものを選択し、疑似セメントミルクの注入圧力は 98kPa(1kgf/cm2 )〜588kPa(6kgf/cm2 )の間で段階的に変化させた。なお、この注入圧力5〜6kgf/cm2 は、モルタルに換算して10m程度の注入高さに相当する。結果を、図13に一括して示す。
【0029】
図13に示す結果より、板厚tが0.2mm の遮蔽板56は、スリット53の間隔Sが5mm と狭くても、約2kgf/cm2 の圧力で破断し、その使用に問題のあることが分かった。また、板厚tが0.3mm の遮蔽板56は、スリット53の間隔Sが5mm と狭い場合には6kgf/cm2 の注入圧力でも漏れは発生しなかったが、スリット53の間隔Sが10mmと広くなると、5kgf/cm2 で漏れが発生し、スリット53の間隔Sを適当に設定する必要があることが分かった。一方、板厚tが0.5mm 以上の遮蔽板56は、スリット53の間隔Sが5mm であると10mmであるとを問わず、何れも6kgf/cm2 の注入圧力まで漏れは発生せず、実用的に全く問題のないことが分かった。
【0030】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る連続矢板壁の継手によれば、継手周囲が空域または水域であっても、めす継手部材内からの固結材の漏出を確実に防止することができ、土止め用、止水用などの連続矢板壁の連結に向けて好適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る継手を用いて構築した止水壁の継手部分の構造を示す平面図である。
【図2】本発明に係る継手の平面図である。
【図3】本発明に係る継手の一部を示す斜視図である。
【図4】本継手を用いて構築した止水壁の要部構造を示す平面図である。
【図5】本継手を用いて構築した止水壁の全体構造を示す平面図である。
【図6】本継手を用いて構築した止水壁の戸当り部の構造を示す平面図である。
【図7】本発明に係る継手の変形構造を示す平面図である。
【図8】本発明に係る継手の、他の変形構造を示す斜視図である。
【図9】本継手を止水壁の戸当り部の掘削に利用した場合の利用態様を示す平面図である。
【図10】止水壁の戸当り部の掘削に利用する場合の、本継手の好ましい実施の形態を示す斜視図である。
【図11】鋼管杭の連結に用いた本発明に係る継手の構造を示す平面図である。
【図12】試験に用いた疑似継手の構造を示す平面図である。
【図13】疑似継手を用いて行った漏れ試験結果を示す図表である。
【図14】従来の剛結嵌合構造の継手を示す平面図である。
【符号の説明】
1 止水壁
6 二重矢板壁(連続矢板壁)
7 コンクリート層
10 ボックス型矢板
11,41 継手
15,42 スリット
16,43 めす継手部材
17,44 係止部
18,45 おす継手部材
19 固結材層
21 遮蔽板
24 押え板
25 ボルト
27a,27b,27c 遮蔽板の分割要素
Claims (4)
- 矢板の相互間を連結して連続矢板壁とする継手であって、相隣接して打設される一方の矢板の側端に突設された、縦方向のスリットを有する筒状のめす継手部材と、前記めす継手部材に挿入可能な係止部を先端に有し、他方の矢板の側端から延設されて、前記スリットを縦方向に通して前記係止部を前記めす継手部材に嵌合させる板状のおす継手部材とを備え、かつ前記めす継手部材内に充填した固結材により前記両継手部材が剛結される継手において、前記めす継手部材の外面の、前記スリットに隣接する片側または両側部分に弾性変形可能な鋼板製遮蔽板の基端部を固定し、該遮蔽板の、前記基端部に対して折曲させた折曲部の自由端部を前記スリットの内側開口方向に延在させて、前記おす継手部材の板面に衝合させたことを特徴とする連続矢板壁の継手。
- めす継手部材のスリットの、少なくとも遮蔽板を固定した側の端面に、スリットの外側開口方向に向けて次第に開先を拡大するテーパを付けたことを特徴とする請求項1に記載の連続矢板壁の継手。
- 遮蔽板が縦方向に複数分割され、各分割要素が、上位のものの裏面側に下位のものが重なるように相互に端部同士をラップさせて配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の連続矢板壁の継手。
- 矢板がボックス型矢板からなり、めす継手部材およびおす継手部材が該ボックス型矢板の両側に各一対設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の連続矢板壁の継手。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23257599A JP4045563B2 (ja) | 1999-08-19 | 1999-08-19 | 連続矢板壁の継手 |
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|---|---|---|---|
| JP23257599A JP4045563B2 (ja) | 1999-08-19 | 1999-08-19 | 連続矢板壁の継手 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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