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JP4046986B2 - ポンプ装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネットカップリングを構成要素とするポンプ装置に係わり、より具体的には、マグネットカップリング駆動モータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように、マグネットカップリング方式を適用した給水ポンプにおいて、通常は、モータ出力軸100に駆動マグネット101を直結し、インペラ102側の従動マグネット103を駆動しているので、駆動マグネット101と従動マグネット103の磁力により協働で構成するカップリング104間の吸引力で、モータ出力軸100は常にモータ105から引出される状態(矢印A)で回転する。このため、矢印Aで示す軸方向の抜け止めに設けた座金107が、図3(b)に(a)の円で囲んだ部分を拡大して示したような状態で、モータ105内部の軸受メタル106の端面106aに当接してスラスト方向(矢印A)に作用する吸引力を支持している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したモータ構造では、出力軸100の軸受メタル106が基本的にラジアル軸受であるにも拘らず、軸受メタル106の端面106aが抜け止め座金107と摺接するので、標準的モータに備わっている出力軸100のスラスト軸受108は用をなさない。軸受メタル106の寿命の限界を考慮すると、仕様用途が限られてしまう。また、抜け止め座金107の出力軸100に対する取付位置はスラスト方向に不安定なために、負荷によっては出力軸100の回転が安定せず、特性に狂いを生じるばかりでなく騒音発生の原因となる。
【0004】
そこで本発明の目的は、駆動モータのロータにマグネットカップリングの吸引力に対して逆方向の力を働かせて、軸受、抜け止めにかかる荷重を低減し、これらの長寿命化を図ることによりモータまたはポンプ駆動モータの長寿命化を図ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係わるポンプ装置は、駆動源に連結された駆動用マグネットと隔壁を挟んでマグネットカップリングされる従動用マグネットを合成樹脂により一体に形成したインペラを有し、このインペラを回転させて流体を移送する構成のポンプ装置において、前記インペラは、固定軸に回転自在に支持されるとともに前記従動用マグネットは前記駆動用マグネットと軸方向に離間距離を保って平行に相対し、前記駆動源としてモータを用い、このモータのロータと一体に固定されたモータ出力軸を有し、該モータ出力軸には、軸方向の一端に前記駆動用マグネットが装着され、前記ロータへ作用する前記マグネットカップリングの前記駆動用マグネットが前記従動用マグネット側に吸引される吸引力に抗して、前記吸引力とは反対方向の磁力を前記ロータに作用させる磁気的手段と、前記モータ出力軸のスラストを受けるスラスト軸受の軸方向反対側への引抜きを防止するため前記モータ出力軸の軸方向の他端に嵌入された抜け止め用止め輪とを有し、前記モータはアウタロータ構造であって、前記モータ出力軸に固定されたカップ状のロータヨークの内部に前記磁気的手段であるカウンタマグネットを前記ロータヨークと軸方向に対向するように内設させ、前記カウンタマグネットによって前記止め輪にかかる抜け止め荷重を低減させたことを特徴とする。
【0007】
しかも、前記吸引力は反対方向に作用する磁力によって相殺する。あるいは、前記反対方向に作用する磁力を前記吸引力より大きくし、前記駆動用マグネットを一端に固定した前記ロータの出力軸の他端に、スラスト軸受を設けるとよい。すなわち、吸引力を凌ぐ付勢力で、出力軸端面がスラストを支持することになるため、接触角が小さくなって耐摩耗性を向上させるのに有利となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わるモータ構造の実施の形態を一実施例の図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係わるポンプ装置10の全体を示す側面図で、一部断面で図示される。ポンプ装置10は駆動部12と、ポンプ部14とから構成されている。駆動部12には駆動モータとしてブラシレスDCモータ16が内蔵される。
【0009】
また、ポンプ部14には、ポンプケース18内中央に固定軸20が直立に固設され、滑性を有する耐摩耗性樹脂からなる軸受部22をインサートモールドで一体に内設した磁性体合成樹脂成形によるインペラ24が、固定軸20に回転自在に支持されている。ポンプ部14は、空間的に駆動部12から離間し、ポンプケース18の下面を画定する非磁性体底板18aによって隔離されている。
【0010】
ポンプケース18内に充填された流体19内で固定軸20を中心に回転することにより流体19を付勢して加圧流動させ移送するインペラ24は磁性体で成形され適当な磁力が着磁されて、一対のマグネットカップリング26の中の従動側カップリング26aとして機能する。駆動部12は、従動カップリング26aに回転を伝達するリング状マグネットを駆動側カップリング26bとして出力軸30に固定したモータ16と、その駆動モータ16を覆うケーシング17と、ケーシング17の底面17aに駆動モータ16として設けたブラシレスDCモータの駆動回路を搭載した基板33とからなる。33aはコネクタ、33bは基板33とコネクタ33aとを電気接続するフレキシブルフラットケーブル(FFC)である。また33cは、図示しない制御盤と電気接続をするためのコネクタ端子である。
【0011】
いずれも着磁された磁性体からなる従動カップリング26aと駆動カップリング26bとは、ポンプケース底板18aを介して共通の回転軸上で離間距離dを保って平行に相対し、それぞれの磁力を相互におよぼし合う回転磁性面を備え、協働してマグネットカップリング26を構成するもので、両者を連結する軸などによる機械的手段はない。本実施例においては、従動カップリング26aはポンプケース18内を満たす液体19内で回転自在に支持され、駆動カップリング26bは空気中でモータ16の直接駆動で自由に回転する。
【0012】
図2に本発明に係わる駆動モータ16の構造を軸断面による側面図で示す。駆動モータ16は、アウターロータ型のブラシレスDCモータで、モータ基板16aに直立させて固定した有底円筒軸受ケース40内に管状軸受メタル42が埋入されて固定される。モータ出力軸30には、一方の端部に磁性体で形成したカップ状ロータヨーク44が一体に固定され、さらにその外端部に駆動カップリング26bが装着されて軸受メタル42に回転自在に軸支される。
【0013】
ステータ46は電磁鋼板46aの積層体で、基部46bに穿設した中央孔46cを軸受ケース40の外側面に嵌着して固定される。ステータ46の基部46bから放射状に延在する鉄心46dが形成する適当数のスロットには、電気絶縁材48を介して鉄心46dに巻回された巻線(コイル)50が収められる。ロータ52のロータヨーク44に固着された環状マグネット54は、内面54aが鉄心46d外周面(ステータティース)46eと同心で、微小な一定の間隙を介して相対し、出力軸30を中心に回転駆動される。環状マグネット54にはスロット数に対応する磁極数が所要のモータ出力に応じて設定され着磁されている。56はホール素子で、環状マグネット54の磁極によりロータ52の位置を検出して回転を制御する。
【0014】
管状軸受メタル42に回転自在に支持されたモータ出力軸30において、駆動カップリング26bを装着した先端と反対側の端面30aは球面に形成され有底円筒軸受ケース40の底部内面40aに対向する。そこで、出力軸端面30aと軸受ケース底部内面40aとの間にスラスト軸受58を挟装する。また、出力軸端面30a近傍の外周に環状溝30bを凹設して止め輪31を強制的に嵌入し、出力軸30が予測しない外力によって図中上方に引抜かれるのを防止する。
【0015】
ステータ46を支持する軸受ケース40の開端40c側にロータヨーク44に対向させてリング状のカウンタマグネット60を固着し、マグネットカップリング26間の吸引力より強力にロータ52をステータ46方向に押し付ける牽引力が発生する磁場を設定する。このため、カウンタマグネット60の磁力、大きさロータヨーク44との距離が適当に選択される。このようにして、カウンタマグネット60によってロータヨーク44に働くステータ46方向の付勢力は、ロータヨーク44と一体の出力軸端面30aをスラスト軸受58に圧接する接触圧として作用する。さらに、カウンタマグネット60は磁性体で形成したロータヨーク44に覆われた位置にセットされるから、磁束の漏洩は少なく、カウンタマグネット60を装着したことによる他の機器への影響は少ない。
【0016】
出力軸30のスラスト軸受58はスラストを受けて軸受ケース底部内面40aに圧着され、軸受ケース40がモータ出力軸30を含むロータ52全体のスラスト方向に作用する応力を支持する。従って、スラスト軸受58は、出力軸30のスラスト方向の摺接圧を支持して摩擦を軽減し、安定に円滑な回転を保証するように機能する。また、球面に形成された出力軸端面30aは常にスラスト軸受58に点接触に近い態様で圧接されているから負荷に影響されない安定した特性が得られる。
【0017】
以上、実施例について説明したが、本発明は図示の実施例に限定されるものではなく、その形状や構成等について、本発明の構成要件から逸脱しない範囲で、例えばカウンタマグネットの大きさ・形状や取付位置などについて細部に関する多様な変更や部品の再構成等の改変をなし得ることが予期される。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の本発明に係わるポンプ装置によれば、駆動源に連結された駆動用マグネットと隔壁を挟んでマグネットカップリングされる従動用マグネットを合成樹脂により一体に形成したインペラを有し、このインペラを回転させて流体を移送する構成のポンプ装置において、前記インペラは、固定軸に回転自在に支持されるとともに前記従動用マグネットは前記駆動用マグネットと軸方向に離間距離を保って平行に相対し、前記駆動源としてモータを用い、このモータのロータと一体に固定されたモータ出力軸を有し、該モータ出力軸には、軸方向の一端に前記駆動用マグネットが装着され、前記ロータへ作用する前記マグネットカップリングの前記駆動用マグネットが前記従動用マグネット側に吸引される吸引力に抗して、前記吸引力とは反対方向の磁力を前記ロータに作用させる磁気的手段と、前記モータ出力軸のスラストを受けるスラスト軸受の軸方向反対側への引抜きを防止するため前記モータ出力軸の軸方向の他端に嵌入された抜け止め用止め輪とを有し、前記モータはアウタロータ構造であって、前記モータ出力軸に固定されたカップ状のロータヨークの内部に前記磁気的手段であるカウンタマグネットを前記ロータヨークと軸方向に対向するように内設させ、前記カウンタマグネットによって前記止め輪にかかる抜け止め荷重を低減させたことにより、逆方向の力が相殺する磁力でない時は、止め輪の寿命が延びる。また相殺する磁力の時は、軸端面を受ける標準的スラスト軸受を採用できる。しかも、前記モータは、アウタロータ構造で、カップ状のロータヨークの内部に前記磁気的手段であるカウンタマグネットを上記ロータヨークに対向するよう内設したことにより、磁性体で形成されているロータ外部への磁気的影響が抑制でき、特に取付のための台座や空間を要しないからコンパクトに構成できる。その上、ポンプ装置とモータとの間で性能のマッチングをとる必要がなくなり、モータとは別体にして単独でポンプ装置の修理、交換、管理等が可能になる。
【0021】
そして、請求項に記載の本発明に係わるポンプ装置によれば、前記吸引力は反対方向に作用する磁力によって相殺するので、モータ軸端面でスラストを受けるため接触角が小さく耐摩耗性が向上する。しかもモータシャフトに加わるスラスト加重が低減され軸受寿命が伸びる。すなわち、耐久性が向上し長寿命化を図ることができる。理想的には、スラスト加重を限り無くゼロに近付けることができる。
【0022】
さらには、請求項に記載の本発明に係わるポンプ装置によれば、前記反対方向に作用する磁力を前記吸引力より大きくし、前記駆動用マグネットを一端に固定した前記ロータの出力軸の他端に、スラスト軸受を設けたので、出力軸端とスラスト軸受とは常に一定方向に一定の接触圧で摺接するから、モータの芯振れや軸方向のガタ付がなくなり、円滑な運転が可能となる。従って、負荷によって特性が変動することはない。しかも、重力の影響が無視できるから、設置姿勢が自由に選択でき、出力軸を横向きに設置することも天地を逆にすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるポンプ装置の一実施例を一部断面で示す概略側面図である。
【図2】本発明に係わるモータ構造の一部を断面で示す概略側面図である。
【図3】従来のポンプ装置の一実施例の一部を部分的に断面で示した側面図で、(b)は(a)の円bで囲んだ部分の拡大図示である。
【符号の説明】
10 ポンプ装置
12 駆動部
14 ポンプ部
16 ブラシレスDCモータ
18 ポンプケース
20 固定軸
24 インペラ
26 マグネットカップリング
30 モータ出力軸
40 円筒軸受ケース
42 管状軸受メタル
44 ロータヨーク
46 ステータ
50 コイル
52 ロータ
54 環状マグネット
58 スラスト軸受
60 カウンタマグネット

Claims (3)

  1. 駆動源に連結された駆動用マグネットと隔壁を挟んでマグネットカップリングされる従動用マグネットを合成樹脂により一体に形成したインペラを有し、このインペラを回転させて流体を移送する構成のポンプ装置において、
    前記インペラは、固定軸に回転自在に支持されるとともに前記従動用マグネットは前記駆動用マグネットと軸方向に離間距離を保って平行に相対し、前記駆動源としてモータを用い、このモータのロータと一体に固定されたモータ出力軸を有し、該モータ出力軸には、軸方向の一端に前記駆動用マグネットが装着され、前記ロータへ作用する前記マグネットカップリングの前記駆動用マグネットが前記従動用マグネット側に吸引される吸引力に抗して、前記吸引力とは反対方向の磁力を前記ロータに作用させる磁気的手段と、前記モータ出力軸のスラストを受けるスラスト軸受の軸方向反対側への引抜きを防止するため前記モータ出力軸の軸方向の他端に嵌入された抜け止め用止め輪とを有し、前記モータはアウタロータ構造であって、前記モータ出力軸に固定されたカップ状のロータヨークの内部に前記磁気的手段であるカウンタマグネットを前記ロータヨークと軸方向に対向するように内設させ、前記カウンタマグネットによって前記止め輪にかかる抜け止め荷重を低減させたことを特徴とするポンプ装置。
  2. 前記吸引力は、前記反対方向に作用する磁力によって相殺することを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記反対方向に作用する磁力を前記吸引力より大きくし、前記駆動用マグネットを一端に固定した前記ロータの出力軸の他端に、スラスト軸受を設けたことを特徴とする請求項2に記載のポンプ装置。
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