JP4047522B2 - 無線端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基地局と組合わされて無線通信網を構成する無線端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線端末装置であるパーソナルハンディホンシステム(以後、PHSと呼ぶ)は、基地局の電磁波の届く範囲が狭い小ゾーン方式であるので、1つの基地局と通信できる範囲が、半径100〜500m程度と小さい。したがって、PHSの通信中に移動する場合には、1つの基地局から隣接する基地局に通信を引継ぐ処理(以後、ハンドオーバと呼ぶ)が行われる。
【0003】
ハンドオーバには、基地局から移動局であるPHSに対して、ハンドオーバを要求してくる場合と、PHSが通信中の信号の受信電界強度を測定し、基地局から指定された受信電界強度(再発呼型ハンドオーバ保持レベル)以下になったことを判断して、ハンドオーバ処理を行う2種類がある。いずれの場合にも、ハンドオーバを開始するときに周辺基地局の受信電界強度の測定を行い、受信した基地局の中から受信電界強度が最も高い基地局を選択してハンドオーバを行う。
【0004】
第二世代コードレス電話システム標準規格RCRSTD−28で規定されているハンドオーバ処理では、前記のように受信した基地局の中から受信電界強度が最も高いことを判断基準として基地局を選択してハンドオーバを行う。PHSの利用者が、停止および歩行程度の速度で移動中であれば、受信電界強度が最も高いことを判断基準として基地局を選択しても特に通信上の問題はないけれども、PHSの利用者が、歩行速度を超える速い速度、たとえば自動車や列車などで移動している場合には、受信電界強度が最も高いことを判断基準として選択した基地局が、PHS利用者の進行方向と逆の方向にあると、ハンドオーバ先として選択した基地局の受信電界強度が、PHS利用者の移動にともなって急速に減少するので、ハンドオーバができなかったり、ハンドオーバができても、すぐに別の基地局にハンドオーバしなければならないという問題があった。
【0005】
このようなハンドオーバ先の基地局選択基準を最も高い受信電界強度のみにおくことの問題点を解決するための先行技術として、特開平8−154264号公報が開示されている。この先行技術では、周辺基地局からの送信される受信電界強度を記憶し、一定時間後における受信電界強度との比較を行い、受信電界強度の差が所定値を超える基地局を発見した場合には、その基地局をハンドオーバ先として選択し、いずれの基地局も受信電界強度の差が所定値以下である場合には、各基地局ごとに時系列的に受信電界強度の変化を求めて、受信電界強度の時系列的な変化量が最も大きい基地局をハンドオーバ先として選択する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この先行技術のハンドオーバ処理には以下の問題がある。周辺基地局の受信電界強度を記憶し、一定時間後の受信電界強度との受信電界強度差を求め、受信電界強度差が所定値を超える基地局を発見すれば、現在通信中の受信電界強度が高く、通信状態が良好であってもハンドオーバを行うので、必要のないハンドオーバを行うことがあり、不要にハンドオーバ回数を増加させる。また、周辺基地局の受信電界強度差がいずれも所定値以下である場合には、受信電界強度の絶対値にかかわらず、受信電界強度の時系列的な変化量を基準としてハンドオーバ先の基地局を選択するので、選択したハンドオーバ先の基地局の受信電界強度が、現在通信中の基地局の受信電界強度よりも低くなることが起こる。
【0007】
PHSは、移動しながら利用されることが多く、ハンドオーバ先として選択した基地局の受信電界強度が低いと、PHSの移動先の周辺環境によって電磁波の受信電界強度が時間的に変動する、いわゆるフェージングの影響を受けて、雑音を生じ通話品質が低下するおそれがある。通話品質の低下が起これば、基地局からハンドオーバの要求が出されて、ハンドオーバ回数が増すことになる。また、受信電界強度の時系列的な変化量を基準とするハンドオーバ先基地局の選択は、PHS利用者の移動先を予測してハンドオーバ先基地局を選択するということである。PHS利用者の移動先予測が、受信電界強度の時系列的な変化量を基準とした予測と合わなかった場合には、受信電界強度が予測とは異なり低い電界強度となるので、再度ハンドオーバを行わなければならなくなり、必ずしもハンドオーバ回数の低減にはつながらない。さらに、現在通信中の通話状態とは関係なく所定の時間ごとに周辺基地局の受信電界強度の測定を繰返すので、たとえばPHS利用者が停止している状態で受信電界強度が高く通話品質もよい場合には、無駄な動作を行い余分な電力を消費することになり、電池を消耗させて通話時間を減少させるという影響がある。
【0008】
本発明は、通話時間および通話品質への影響が少なく、移動中に最適な基地局にハンドオーバすることのできる無線端末装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の相互に異なる固定位置に設けられた各基地局との通信を行なう無線端末装置において、
複数の基地局から送信される信号の受信電界強度を測定する受信電界強度測定手段と、
測定した受信電界強度と予め定める基準値および基準値に所定値を加算した値とを比較する手段と、
比較手段の出力に応答し、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値を超え基準値に所定値を加算した値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第1受信電界強度としてストアし、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第2受信電界強度としてストアする手段と、
第1受信電界強度よりも第2受信電界強度が大きい基地局を選び、さらに第1受信電界強度よりも第2受信電界強度が大きい基地局のうちで、第2受信電界強度が最大である基地局を選択する手段と、
通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値を超えるとき、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わせずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値以下であるとき、基地局測定禁止中であるか否かを判断し、基地局測定禁止中であれば、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、基地局測定禁止中でなければ、複数の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせて、各基地局から送信される信号の受信電界強度をストア手段にストアさせ、一定時間の基地局測定禁止の状態を設定した後、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせる手段とを含むことを特徴とする無線端末装置である。
【0010】
本発明に従えば、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度と予め定める基準値および基準値に所定値を加算した値とを比較する。基準値としては、たとえばハンドオーバを必要とする臨界の受信電界強度が設定され、所定値としては、たとえば10dBμVが設定される。比較結果の出力に応答し、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が基準値に所定値を加算した値を超えるとき、各基地局から送信される受信電界強度を測定することなく通信中の基地局との通信を継続し、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が基準値を超え基準値に所定値を加算した値以下であってハンドオーバする必要がないとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第1受信電界強度とし、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が基準値以下でハンドオーバする必要があるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第2受信電界強度とする。第1受信電界強度と第2受信電界強度とを比較し、第2受信電界強度の方が第1受信電界強度よりも小さい基地局は、ハンドオーバ対象基地局から除かれる。これによって、ハンドオーバ対象として残された基地局の第2受信電界強度は、第1受信電界強度よりも大きいもののみとなり、その中から第2受信電界強度が最大の基地局をハンドオーバ先基地局として選択するので、選択した基地局の受信電界強度は充分に高い水準であり、周辺基地局の測定を行う必要がない受信電界強度である。したがって、受信電界強度が低下しない間は、周辺基地局が送信する信号の受信電界強度の測定もハンドオーバも行う必要がないので、通話時のハンドオーバ回数を抑制し、通話時間への影響も最小限で、かつ通話品質の高い通信を行うことができる。また、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値を超えるとき、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わせずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値以下であるとき、基地局測定禁止中であるか否かを判断し、基地局測定禁止中であれば、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、基地局測定禁止中でなければ、複数の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせて、各基地局から送信される信号の受信電界強度をストア手段にストアさせ、一定時間の基地局測定禁止の状態を設定した後、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせるので、現在通信中の受信レベルが、予め定める基準値を超えている状態であって、ハンドオーバする必要が無いにもかかわらず、過剰な頻度で基地局測定を行い余分な電力を消費して通話時間に対して影響を及ぼさないようにすることができる。
【0011】
また本発明は、複数の相互に異なる固定位置に設けられた各基地局との通信を行なう無線端末装置において、
複数の基地局から送信される信号の受信電界強度を測定する受信電界強度測定手段と、
測定した受信電界強度と予め定める基準値および基準値に所定値を加算した値とを比較する手段と、
比較手段の出力に応答し、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値を超え基準値に所定値を加算した値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第1受信電界強度としてストアし、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第2受信電界強度としてストアする手段と、
第1受信電界強度よりも第2受信電界強度が小さい基地局を選び、前記選んだ基地局の第2受信電界強度から予め定める補正値を減算して、補正第2受信電界強度を求め、
第1受信電界強度よりも第2受信電界強度が大きい基地局を選び、前記選んだ基地局の第2受信電界強度と、前記求めた補正第2受信電界強度との中から、受信電界強度が最大である基地局を選択する手段と、
通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値を超えるとき、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わせずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値以下であるとき、基地局測定禁止中であるか否かを判断し、基地局測定禁止中であれば、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、基地局測定禁止中でなければ、複数の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせて、各基地局から送信される信号の受信電界強度をストア手段にストアさせ、一定時間の基地局測定禁止の状態を設定した後、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせる手段とを含むことを特徴とする無線端末装置である。
【0012】
本発明に従えば、第1受信電界強度と第2受信電界強度とを比較し、第2受信電界強度の方が第1受信電界強度よりも小さければ、第2受信電界強度から補正値を減算した値を補正第2受信電界強度として求め、第1受信電界強度よりも第2受信電界強度が大きい基地局の第2受信電界強度と、前記求めた補正第2受信電界強度との中から、最大の受信電界強度を示す基地局をハンドオーバ先基地局として選択する。このように、第2受信電界強度が第1受信電界強度よりも小さい基地局であってもハンドオーバ対象基地局に含めて扱われるので、移動しているPHS利用者から遠ざかっている基地局であっても、補正第2受信電界強度が高ければハンドオーバ先基地局として選択される。受信電界強度から補正値を減算する補正を行なっても、なお受信電界強度が高ければ、実際の通信においては減算した補正値の分だけ受信電界強度が低下するまでの余裕があり、ハンドオーバしても通信時間を確保することができ、フェージングによる受信電界強度の変動や雑音も生じにくいので、近づきつつあるけれども受信電界強度が低い基地局よりも、ハンドオーバ直後の通話品質の高い通信を行うことができる。また、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値を超えるとき、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わせずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値以下であるとき、基地局測定禁止中であるか否かを判断し、基地局測定禁止中であれば、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、基地局測定禁止中でなければ、複数の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせて、各基地局から送信される信号の受信電界強度をストア手段にストアさせ、一定時間の基地局測定禁止の状態を設定した後、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせるので、現在通信中の受信レベルが、予め定める基準値を超えている状態であって、ハンドオーバする必要が無いにもかかわらず、過剰な頻度で基地局測定を行い余分な電力を消費して通話時間に対して影響を及ぼさないようにすることができる。
【0013】
また本発明は、複数の相互に異なる固定位置に設けられた各基地局との通信を行なう無線端末装置において、
複数の基地局から送信される信号の受信電界強度を測定する受信電界強度測定手段と、
測定した受信電界強度と予め定める基準値および基準値に所定値を加算した値とを比較する手段と、
比較手段の出力に応答し、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値を超え基準値に所定値を加算した値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第1受信電界強度としてストアし、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第2受信電界強度としてストアする手段と、各基地局ごとに第2受信電界強度から第1受信電界強度を減算して受信電界強度差を求め、
前記求めた受信電界強度差を第2受信電界強度に加算して第3受信電界強度を求め、
前記求めた第3受信電界強度の中から、受信電界強度が最大である基地局を選択する手段と、
通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値を超えるとき、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わせずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値以下であるとき、基地局測定禁止中であるか否かを判断し、基地局測定禁止中であれば、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、基地局測定禁止中でなければ、複数の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせて、各基地局から送信される信号の受信電界強度をストア手段にストアさせ、一定時間の基地局測定禁止の状態を設定した後、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせる手段とを含むことを特徴とする無線端末装置である。
【0014】
本発明に従えば、第1受信電界強度と第2受信電界強度とを比較し、第2受信電界強度と第1受信電界強度との受信電界強度差を求め、前記求めた受信電界強度差を第2受信電界強度に加算したものを第3受信電界強度として、第3受信電界強度の中からハンドオーバ先基地局を選択する。ハンドオーバ先基地局を選択してから、実際に通信を開始するまでには時間のずれがあるので、PHS利用者が近づきつつある基地局をハンドオーバ先に選択した場合には、基地局決定から通信開始までの間に受信電界強度が増加し、逆にPHS利用者が遠ざかりつつある基地局をハンドオーバ先に選択した場合には、基地局決定から通信開始までの間に受信電界強度が減少することになる。また、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値を超えるとき、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わせずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値以下であるとき、基地局測定禁止中であるか否かを判断し、基地局測定禁止中であれば、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、基地局測定禁止中でなければ、複数の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせて、各基地局から送信される信号の受信電界強度をストア手段にストアさせ、一定時間の基地局測定禁止の状態を設定した後、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせるので、現在通信中の受信レベルが、予め定める基準値を超えている状態であって、ハンドオーバする必要が無いにもかかわらず、過剰な頻度で基地局測定を行い余分な電力を消費して通話時間に対して影響を及ぼさないようにすることができる。
【0015】
第2受信電界強度と第1受信電界強度との受信電界強度差を、第2受信電界強度に加算した値を第3受信電界強度として、その中からハンドオーバ先基地局を選択することによって、基地局を選択してから実際に通信が開始されるまでの間の受信電界強度の増減を想定した基地局の選択をすることができる。したがって、通信を開始した時点において受信電界強度が高い最適のハンドオーバ先基地局を選択することができるので、通話時のハンドオーバ回数を抑制し、通話時間への影響も最小限で、かつ通話品質の高い通信を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態であるPHS1の概略的な構成を示すブロック図である。PHS1は、筐体2と、筐体2から外方に延びて電磁波の送受信を行うアンテナ部3と、筐体2内に納められ、アンテナ部3に接続されて送受信した信号を復調および変調する無線部4と、アナログ信号とデジタル信号とを相互変換するアナログ/デジタル変換器5と、帯域制限等に関する音の制御を行う音声処理部6と、音声の入出力を行うマイクロホン7およびスピーカ8と、たとえば中央演算処理装置によって実現され、無線部4、アナログ/デジタル変換器5、音声処理部6、マイクロホン7、スピーカ8の動作制御と入力情報についての処理を行う制御部9と、制御部9の動作プログラムをストアする第1メモリ(以後、ROMと呼ぶ)10と、受信した各基地局に関する情報をストアする第2メモリ(以後、RAMと呼ぶ)11とを含む。
【0017】
制御部9は、ROM10から読み出したプログラムにしたがって動作し、複数の周辺基地局から送信される信号の電界強度の測定を行う。制御部9からの信号は、アナログ/デジタル変換器5によってアナログ信号に変換され、無線部4において変調処理されて、その後周波数変換してアンテナ部3から送信される。
【0018】
周辺基地局からの受信電界強度を測定した結果得られる基地局情報である基地局識別子(以後、CSIDと呼ぶ)、受信電界強度およびスロット情報は、アンテナ部3によって受信され、受信信号は無線部4によって周波数変換された後復調処理されて、アナログ/デジタル変換器5によって制御部9で処理可能なようにデジタル信号に変換されて制御部9に送られる。基地局情報は、制御部9において、データとして演算処理されたり、RAM11にストアされる。RAM11にストアされる基地局情報は、必要に応じて読み出され、制御部9において演算処理される。演算結果に応答し、制御部9においてハンドオーバ先基地局を選択し、ハンドオーバを実行する。
【0019】
本発明の実施の一形態におけるハンドオーバ先基地局の選択方法について説明する。本発明の実施の一形態においては、受信レベルが時系列的に小さくなる基地局を選択対象から除き、受信レベルが時系列的に大きくなる基地局の中から、最大受信レベルをもつ基地局を選ぶ。
図2は、PHSの移動に伴うハンドオーバについての概念を示す図である。図2中の円は、それぞれ基地局1〜5が、移動局であるPHSと良好な通信をすることのできる範囲であるセルを表しており、円の中心に基地局が存在する。したがって、円周上の位置はハンドオーバを行なう必要のある地点を表す。図2中の矢符12は、PHSが移動する方向を示しており、記号a,b,c,dは、それぞれPHSの移動途上において基地局情報の測定を行ない、測定結果を受信した位置を表す。
【0020】
表1に、図2のa,b,c,dの各位置で、基地局1〜5の基地局情報測定を行った結果得られた受信電界強度を示す。表1中の受信電界強度を示す数値の単位は[dBμV]である。なお、以後の説明および後述の各フローチャートにおいては、受信電界強度を受信レベルと呼ぶ。
【0021】
基地局5との間で通信中のPHSが、矢符12の示す方向に移動したとする。a地点までの移動では、a地点における基地局5からの受信レベルである40は、基準値であるハンドオーバ保持レベル30に所定値10を加算した40以上であるため、周辺基地局の測定を行なわず基地局5との間で通信を継続することができる。したがって、PHS1がa地点まで移動する間は、余分な電力を消費することなく充分な通話時間を確保することができる。この場合、先行技術では、受信レベルの最も高い基地局4にハンドオーバすることになり、ハンドオーバする必要がないときにハンドオーバするための電力を不要に消費することになる。
【0022】
PHSが、さらに移動してa−b間に到達すると、受信レベルが基準値以上であるけれども、所定値を加算した値40未満になるので、フェージング等の影響を受けやすくハンドオーバを行う可能性が高くなる。したがって、周辺基地局情報の測定を行ない、受信した基地局情報である各基地局ごとのCSIDおよび第1受信レベルを前回受信基地局情報としてRAM11にストアする。
【0023】
PHSが、さらに移動してb地点に達すると、b地点は基地局5のセルを表わす円の円周上に位置するので、基地局5と良好な通信を行うことが困難となり、ハンドオーバ対象基地局情報の測定が開始される。b地点における基地局情報測定の結果、今回受信基地局情報として各基地局ごとにCSIDおよび第2受信レベルが得られる。今回受信基地局情報の中では、基地局4の第2受信レベルが55と最も高いけれども、第1受信レベルである60に比べて減少しているので、基地局4はb地点におけるハンドオーバ対象基地局から除かれる。なお、現在通信中の基地局5も、第1受信レベルである40に比べて、第2受信レベルは30と減少しているので、ハンドオーバ対象基地局から除かれる。この処理によって、移動しているPHS利用者から遠ざかっている基地局のように、ハンドオーバ直後の受信レベルは高くても、その後の受信レベルが減少して再度ハンドオーバ処理が必要となる基地局を選択することがなくなる。
【0024】
残る基地局1〜3は、いずれも第1受信レベルよりも第2受信レベルが大きいので、ハンドオーバ対象基地局とされる。基地局1〜3の中では、基地局3の第2受信レベルが40と最も大きいので、基地局3がb地点におけるハンドオーバ先基地局として選択される。
【0025】
このときの基地局3の第2受信レベルである40は、基準値に所定値を加算した値40以上であり、受信レベルが充分高い水準なので周辺基地局情報の測定を行う必要がない。したがって、受信レベルが減少しない間は、前述のように、周辺基地局情報の測定を行わず余分な電力を必要としないので、通話を継続することができ、充分な通話時間を確保することができる。基地局3をハンドオーバ先基地局として選択した後、今回受信基地局情報を前回受信基地局情報としてRAM11にストアし、PHSの移動にともなう次のハンドオーバ対象基地局情報の測定に備える。PHSが、bからさらにc,dへと移動した場合も前記と同じ処理を行ない、ハンドオーバ先基地局を選択する。
【0026】
以上の処理によって、通話時間への影響を最小限に抑えて、通話時のハンドオーバ回数を少なくし、かつ通話品質の高い通話を実現することができる。
【0027】
【表1】
【0028】
図3は、本発明の実施の一形態であるPHS1の制御部9のハンドオーバ処理動作を説明するフローチャートである。なお、フローチャートにおいては、測定および測定検索の両方の用語を使用しているが、いずれも同じ意味で使用しており、以後の説明では測定で統一する。
【0029】
ステップa1では、通信を開始する時に前回の通信時において受信した基地局情報等の各種初期化を行い通信状態とする。ステップa2では、受信レベルを測定する受信レベル測定手段によって、現在通信中の基地局の受信レベル測定を開始する。ステップa3では、現在通信中の受信信号について繰返し受信レベルの測定を行う。ステップa4では、受信レベルの測定が所定回数できたか否かを判断する。受信レベルを所定回数測定することができていなければ、ステップa3の受信レベルの測定に戻る。受信レベルを所定回数測定することができていれば、ステップa5に進み、受信レベルの平均値を算出する。ステップa6では、測定した受信レベルと予め定める基準値とを比較する手段によって、ハンドオーバ起動条件が成立するか否かが判断される。すなわち、ステップa5において算出された受信レベルの平均値が一定時間、予め定める基準値以下であるか否かが判断される。ここで予め定める基準値は、ハンドオーバ保持レベルと呼ぶハンドオーバを必要とする臨界の受信レベルである。
【0030】
ステップa6において、現在通信中の受信レベルの平均値が、一定時間、予め定める基準値を超えていると判断されると、ハンドオーバを起動させることなく、ステップa7に進む。ステップa7では、基地局測定起動条件が成立するか否かが判断される。すなわち、現在通信中の受信レベルが、前記基準値に所定値を加算した値未満であるか否かを判断する。ここで、所定値は、運用に基づいて決定される値である。現在通信中の受信レベルが、前記基準値に所定値を加算した値未満であるとき、ステップa8において、基地局測定禁止タイマが作動中であるか否かを判断し、基地局測定禁止タイマが作動中のときは、周辺基地局情報の測定は行わず、ステップa3に戻る。基地局測定禁止タイマが作動中でなければ、ステップa9において、複数の周辺基地局について、各基地局が送信する基地局情報であるCSIDおよび受信レベルなどの測定を行う。周辺基地局情報測定中は、受信した基地局情報をRAM11にストアする。
【0031】
ステップa7において、現在通信中の受信レベルが、前記基準値に所定値を加算した値以上であるときは、ステップa3に戻る。すなわち現在通信中の受信レベルが高く、通話品質が良好であるときは、周辺基地局情報の測定を行わない。したがって、余分な電力を消費することがない。また、ステップa9では、各基地局ごとの測定終了後、測定中に同一の基地局情報を複数回受信した場合、受信レベルは平均値を求める。ステップa10では、受信した基地局情報である各基地局ごとのCSIDおよび受信レベルの平均値を第1受信レベルとし、ストア手段であるRAM11に前回受信基地局情報としてストアする。
【0032】
ステップa11では、一定時間(T秒間)基地局測定禁止の状態を設定する。T秒間は、運用に基づいて決定される値である。この一定時間基地局測定禁止状態を設定する目的は、現在通信中の受信レベルが、予め定める基準値を超えている状態であって、ハンドオーバする必要が無いにもかかわらず、過剰な頻度で基地局測定を行い余分な電力を消費して通話時間に対して影響を及ぼさないようにすることにある。ステップa11において、T秒間の基地局測定禁止時間を設定した後、ステップa3の通信中基地局の受信レベル測定に戻る。
【0033】
前記ステップa6において、現在通信中の受信レベルの平均値が、一定時間、基準値以下であると判断されるとハンドオーバ起動条件が成立し、ステップa12に進む。ステップa12では、先のステップa9において周辺の基地局測定を行なったのと同じ条件でハンドオーバ対象基地局の測定を行なう。測定中は、ハンドオーバ対象基地局の情報であるCSIDおよび受信レベルを第2受信レベルとし、ストア手段であるRAM11に今回受信基地局情報としてストアする。
【0034】
ハンドオーバ対象基地局の測定が終了すると、ステップa13に進む。ステップa13では、今回受信基地局情報としてRAM11にストアした各基地局ごとのCSIDおよび第2受信レベルと、前記ステップa10において前回受信基地局情報としてRAM11にストアした各基地局ごとのCSIDおよび第1受信レベルとを、制御部9において比較する。比較の結果、今回受信基地局情報と前回受信基地局情報とにおいて、CSIDが一致する基地局情報があれば、それぞれ一致する基地局ごとに第2受信レベルと第1受信レベルとの受信レベル差を演算する。また、比較の結果、今回受信基地局情報と前回受信基地局情報とにおいて、CSIDが一致する基地局情報が無ければ、今回受信基地局情報を前回受信基地局情報としてRAM11にストアする。
【0035】
ステップa14では、第1受信レベルよりも第2受信レベルが小さい、すなわち第1受信レベルに比べて第2受信レベルが減少している基地局をハンドオーバ対象基地局から除く処理を行なう。ステップa15では、第1受信レベルよりも第2受信レベルが大きい基地局の中から、第2受信レベルが最大である基地局をハンドオーバ先の基地局として選択する。
【0036】
ステップa16では、ハンドオーバ先基地局を選択した後、ハンドオーバ対象基地局測定の結果得られた今回受信基地局情報を、前回受信基地局情報としてRAM11にストアする。ステップa17では、ステップa15において選択したハンドオーバ先基地局に対して、ハンドオーバ処理を実施する。ステップa18では、ハンドオーバ処理が成功したか否かを判断し、ハンドオーバ先基地局から通信チャネルの通知を得てハンドオーバ処理が成功した場合は、ステップa19に進み、ハンドオーバ先基地局の前回受信基地局情報を初期化し、ハンドオーバに成功した新たな基地局と通信状態となる。ステップa19において、新たな基地局と通信状態になると、現在通信中の基地局の受信レベル測定を行うステップa3に戻り、以降のステップに進む。
【0037】
ステップa18において、ハンドオーバ処理が失敗した場合は、ステップa20に進み、ハンドオーバ処理を開始する前に通信していた基地局に戻る(切戻り)処理をして、ステップa21で通信復活を行なう。切戻り処理に成功すれば、ハンドオーバ処理を開始する前に通信していた基地局との通信が復活し、現在通信中の基地局の受信レベル測定を行うステップa3に戻り、以降のステップに進む。切戻り処理に失敗すれば、ハンドオーバ先基地局およびハンドオーバ処理を開始する前に通信していた基地局のいずれの基地局とも通信を行うことができず、通信は終了する。
【0038】
本発明の他の実施の形態として、第2受信レベルが第1受信レベルよりも小さい場合でも、ハンドオーバ先基地局として選局対象とするように構成してもよい。本発明の他の実施の形態におけるハンドオーバ先基地局の選択方法について説明する。
【0039】
PHS利用者が移動してb地点に到達し、b地点における基地局情報を測定し、測定の結果、今回受信基地局情報として各基地局ごとにCSIDおよび第2受信レベルを得るところまでは、前記実施の一形態と同じであるため、説明は省略する。今回受信基地局情報の中から、第1受信レベルよりも第2受信レベルが小さい基地局である基地局4および5を選ぶ。基地局4および5の第2受信レベルである55および30から、予め定める補正値10を減算して、補正第2受信レベル45および20をそれぞれ求める。他の実施の形態では、第1受信レベルよりも第2受信レベルが小さい基地局であっても、補正第2受信レベルを求め、補正第2受信レベルをハンドオーバ先基地局の判別に用いる数値として、ハンドオーバ対象基地局に含めて扱われる。第1受信レベルよりも第2受信レベルが大きい基地局1〜3の第2受信レベルと、前記求めた基地局4および5の補正第2受信レベルとの中から、受信レベルが45と最も大きい基地局4をハンドオーバ先基地局として選択する。
【0040】
以上のように、本発明の他の実施の形態では、前記b地点においてハンドオーバ先基地局として基地局4が選ばれる。基地局4は、第1受信レベルよりも第2受信レベルが小さく、b地点においては移動するPHS利用者からは遠ざかりつつあるけれども、補正値を減算する補正を行ってもなお補正第2受信レベルは45と高い。基地局4の実際の受信レベルは、第2受信レベルである55であることから、実際の通信においては減算した補正値の分だけ受信レベルが減少するまでの余裕があり、ハンドオーバしても通信時間を確保することができる。また、受信レベルが高いので、フェージングによる雑音も生じにくく、近づきつつあるけれども受信レベルが低い基地局よりも、ハンドオーバ直後の通話品質の高い通信を行うことができる。
【0041】
図4は、本発明の他の実施の形態であるPHSの制御部のハンドオーバ処理動作を説明するフローチャートである。他の実施の形態のフローチャートは、実施の一形態と類似し、ステップb14とステップa14とが異なる以外は全く同一であるので重複する説明を省略する。
【0042】
本実施の形態のステップb14では、ハンドオーバ先基地局情報測定の結果得られた基地局情報において、基地局ごとに第2受信レベルと第1受信レベルとを比較し、第2受信レベルが第1受信レベルよりも小さい基地局をハンドオーバ対象基地局から除くのではなく、第2受信レベルから補正値を減算した値を補正第2受信レベルとしてハンドオーバ先対象基地局に含める。ハンドオーバ先基地局の選択は、実施の一形態と同様にステップb15において、第1受信レベルよりも大きい基地局の第2受信レベルと前記求めた補正第2受信レベルとの中から、受信レベルが最大の基地局を選択する。
【0043】
本発明のさらに他の実施の形態として、ハンドオーバ先基地局の受信レベルの増減を予測して選局対象とするように構成してもよい。本発明のさらに他の実施の形態におけるハンドオーバ先基地局の選択方法について説明する。
【0044】
PHS利用者が移動してb地点に到達し、b地点における基地局情報を測定し、測定の結果、今回受信基地局情報として各基地局ごとにCSIDおよび第2受信レベルを得るところまでは、前記実施の一形態と同じであるため、説明は省略する。
【0045】
各基地局ごとに、第2受信レベルから第1受信レベルを減算して受信レベル差を求め、次に、前記求めた受信レベル差を第2受信レベルに加算して第3受信レベルを求める。たとえば、第1受信レベルよりも第2受信レベルが大きい基地局2では、第2受信レベル35から第1受信レベル20を減算して、受信レベル差15を求め、次に、第2受信レベル35に受信レベル差15を加算して、第3受信レベル50を求める。第1受信レベルよりも第2受信レベルが小さい基地局5では、第2受信レベル30から第1受信レベル40を減算して、受信レベル差マイナス10を求め、次に、第2受信レベル30に受信レベル差マイナス10を加算して、第3受信レベル20を求める。同様に他の基地局についても第3受信レベルを求め、求めた第3受信レベルの中から、受信レベルが最も大きい基地局3をハンドオーバ先基地局として選択する。
【0046】
ハンドオーバ処理においては、ハンドオーバ先基地局を選択してから、実際に通信が開始するまでには時間のずれがある。したがって、PHS利用者が近づきつつある基地局をハンドオーバ先に決定した場合には、基地局選択から通信開始までの間に受信レベルが増加することになる。逆に、PHS利用者が遠ざかりつつある基地局をハンドオーバ先に選択した場合には、基地局選択から通信開始までの間に受信レベルが減少することになる。
【0047】
本発明のさらに他の実施形態のように、受信レベル差を加算した値を第3受信レベルとし、第3受信レベルの中からハンドオーバ先基地局を選択することによって、基地局を選択してから実際に通信が開始されるまでの間の受信レベルの増減を想定した基地局の選択をすることができる。したがって、通信を開始した時点において受信レベルが高い最適のハンドオーバ先基地局を選択することができるので、通話時のハンドオーバ回数を抑制し、通話時間への影響も最小限で、かつ通話品質の高い通信を行うことができる。
【0048】
図5は、本発明のさらに他の実施の形態であるPHSの制御部のハンドオーバ処理動作を説明するフローチャートである。さらに他の実施の形態のフローチャートは、実施の一形態と類似し、ステップc14とステップa14とが異なる以外は全く同一であるので重複する説明を省略する。
【0049】
本実施の形態のステップc14では、ハンドオーバ対象基地局情報測定の結果得られた基地局情報において、基地局ごとに第2受信レベルと第1受信レベルとを比較し、第2受信レベルから第1受信レベルを減算して得られる受信レベル差を、第2受信レベルに加算した値を第3受信レベルとする。ハンドオーバ先基地局の選択は、実施の一形態と同様にステップc15において、第3受信レベルの中から、受信レベルが最大の基地局を選択する。
【0050】
以上述べたように、本発明のそれぞれの実施の形態では、無線端末装置としてPHSが用いられるけれども、これに限定されることはなく、PHSに比べてセルの広い携帯電話装置(Personal Digital Cellular)およびその他の無線通信を行なう装置、たとえばタクシー無線装置などであってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度と予め定める基準値および基準値に所定値を加算した値とを比較する。比較結果の出力に応答し、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が基準値に所定値を加算した値を超えるとき、各基地局から送信される受信電界強度を測定することなく通信中の基地局との通信を継続し、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が基準値を超え基準値に所定値を加算した値以下であってハンドオーバする必要がないとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第1受信電界強度とし、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が基準値以下でハンドオーバする必要があるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第2受信電界強度とする。第1受信電界強度と第2受信電界強度とを比較し、第2受信電界強度の方が第1受信電界強度よりも小さい基地局は、ハンドオーバ対象基地局から除かれる。これによって、ハンドオーバ対象として残された基地局の第2受信電界強度は、第1受信電界強度よりも大きいもののみとなり、その中から第2受信電界強度が最大の基地局をハンドオーバ先基地局として選択するので、選択した基地局の受信電界強度は充分に高い水準であり、周辺基地局の測定を行う必要がない受信電界強度である。したがって、受信電界強度が低下しない間は、周辺基地局が送信する信号の受信電界強度の測定もハンドオーバも行う必要がないので、通話時のハンドオーバ回数を抑制し、通話時間への影響も最小限で、かつ通話品質の高い通信を行うことができる。
また、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値を超えるとき、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わせずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値以下であるとき、基地局測定禁止中であるか否かを判断し、基地局測定禁止中であれば、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、基地局測定禁止中でなければ、複数の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせて、各基地局から送信される信号の受信電界強度をストア手段にストアさせ、一定時間の基地局測定禁止の状態を設定した後、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせるので、現在通信中の受信レベルが、予め定める基準値を超えている状態であって、ハンドオーバする必要が無いにもかかわらず、過剰な頻度で基地局測定を行い余分な電力を消費して通話時間に対して影響を及ぼさないようにすることができる。
【0052】
また本発明によれば、第1受信電界強度と第2受信電界強度とを比較し、第2受信電界強度の方が第1受信電界強度よりも小さければ、第2受信電界強度から補正値を減算した値を補正第2受信電界強度として求め、前記選んだ基地局の第2受信電界強度と、前記求めた補正第2受信電界強度との中から、最大の受信電界強度を示す基地局をハンドオーバ先基地局として選択する。このように、前記第2受信電界強度が第1受信電界強度よりも小さい基地局であってもハンドオーバ対象基地局に含めて扱われるので、移動しているPHS利用者から遠ざかっている基地局であっても、補正第2受信電界強度が高ければハンドオーバ先基地局として選択される。受信電界強度から補正値を減算する補正を行なっても、なお受信電界強度が高ければ、実際の通信においては減算した所定値の分だけ受信電界強度が低下するまでの余裕があり、ハンドオーバしても通信時間を確保することができ、フェージングによる雑音も生じにくいので、近づきつつあるけれども受信電界強度が低い基地局よりも、ハンドオーバ直後の通話品質の高い通信を行うことができる。
【0053】
また本発明によれば、第1受信電界強度と第2受信電界強度とを比較し、第2受信電界強度から第1受信電界強度を減算して得られる受信電界強度差を求め、前記求めた受信電界強度差を第2受信電界強度に加算したものを第3受信電界強度として、第3受信電界強度の中からハンドオーバ先基地局を選択する。ハンドオーバ先基地局を選択してから、実際に通信を開始するまでには時間のずれがあるので、PHS利用者が近づきつつある基地局をハンドオーバ先に選択した場合には、基地局選択から通信開始までの間に受信電界強度が増加し、逆にPHS利用者が遠ざかりつつある基地局をハンドオーバ先に選択した場合には、基地局選択から通信開始までの間に受信電界強度が減少することになる。
【0054】
第2受信電界強度から第1受信電界強度を減算して得られる受信電界強度差を、第2受信電界強度に加算した値を第3受信電界強度として、その中からハンドオーバ先基地局を選択することによって、基地局を選択してから実際に通信が開始されるまでの間の受信電界強度の増減を想定した基地局の選択をすることができる。したがって、通信を開始した時点において受信電界強度が高い最適のハンドオーバ先基地局を選択することができるので、通話時のハンドオーバ回数を抑制し、通話時間への影響も最小限で、かつ通話品質の高い通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるPHS1の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】PHSの移動にともなうハンドオーバについての概念を示す図である。
【図3】本発明の実施の一形態であるPHS1の制御部9のハンドオーバ処理動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態であるPHSの制御部のハンドオーバ処理動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態であるPHSの制御部のハンドオーバ処理動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 PHS
2 筐体
3 アンテナ部
4 無線部
5 アナログ/デジタル変換器
6 音声処理部
7 マイクロホン
8 スピーカ
9 制御部
10 ROM
11 RAM
Claims (3)
- 複数の相互に異なる固定位置に設けられた各基地局との通信を行なう無線端末装置において、
複数の基地局から送信される信号の受信電界強度を測定する受信電界強度測定手段と、
測定した受信電界強度と予め定める基準値および基準値に所定値を加算した値とを比較する手段と、
比較手段の出力に応答し、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値を超え基準値に所定値を加算した値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第1受信電界強度としてストアし、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第2受信電界強度としてストアするストア手段と、
第1受信電界強度よりも第2受信電界強度が大きい基地局を選び、さらに第1受信電界強度よりも第2受信電界強度が大きい基地局のうちで、第2受信電界強度が最大である基地局を選択する手段と、
通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値を超えるとき、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わせずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値以下であるとき、基地局測定禁止中であるか否かを判断し、基地局測定禁止中であれば、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、基地局測定禁止中でなければ、複数の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせて、各基地局から送信される信号の受信電界強度をストア手段にストアさせ、一定時間の基地局測定禁止の状態を設定した後、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせる手段とを含むことを特徴とする無線端末装置。 - 複数の相互に異なる固定位置に設けられた各基地局との通信を行なう無線端末装置において、
複数の基地局から送信される信号の受信電界強度を測定する受信電界強度測定手段と、
測定した受信電界強度と予め定める基準値および基準値に所定値を加算した値とを比較する手段と、
比較手段の出力に応答し、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値を超え基準値に所定値を加算した値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第1受信電界強度としてストアし、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第2受信電界強度としてストアする手段と、
第1受信電界強度よりも第2受信電界強度が小さい基地局を選び、前記選んだ基地局の第2受信電界強度から予め定める補正値を減算して、補正第2受信電界強度を求め、
第1受信電界強度よりも第2受信電界強度が大きい基地局を選び、前記選んだ基地局の第2受信電界強度と、前記求めた補正第2受信電界強度との中から、受信電界強度が最大である基地局を選択する手段と、
通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値を超えるとき、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わせずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値以下であるとき、基地局測定禁止中であるか否かを判断し、基地局測定禁止中であれば、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測 定を受信電界強度測定手段に行わせ、基地局測定禁止中でなければ、複数の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせて、各基地局から送信される信号の受信電界強度をストア手段にストアさせ、一定時間の基地局測定禁止の状態を設定した後、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせる手段とを含むことを特徴とする無線端末装置。 - 複数の相互に異なる固定位置に設けられた各基地局との通信を行なう無線端末装置において、
複数の基地局から送信される信号の受信電界強度を測定する受信電界強度測定手段と、
測定した受信電界強度と予め定める基準値および基準値に所定値を加算した値とを比較する手段と、
比較手段の出力に応答し、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値を超え基準値に所定値を加算した値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第1受信電界強度としてストアし、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、基準値以下であるとき、各基地局から送信される信号の受信電界強度を第2受信電界強度としてストアする手段と、
各基地局ごとに第2受信電界強度から第1受信電界強度を減算して受信電界強度差を求め、
前記求めた受信電界強度差を第2受信電界強度に加算して第3受信電界強度を求め、
前記求めた第3受信電界強度の中から、受信電界強度が最大である基地局を選択する手段と、
通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値を超えるとき、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わせずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度が、予め定める基準値を超え、前記基準値に所定値を加算した値以下であるとき、基地局測定禁止中であるか否かを判断し、基地局測定禁止中であれば、複数の基地局のうち通信中の基地局を除く残余の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定は行わずに、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせ、基地局測定禁止中でなければ、複数の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせて、各基地局から送信される信号の受信電界強度をストア手段にストアさせ、一定時間の基地局測定禁止の状態を設定した後、通信中の基地局から送信される信号の受信電界強度の測定を受信電界強度測定手段に行わせる手段とを含むこと特徴とする無線端末装置。
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