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JP4050813B2 - トランスミッタ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定物の物理量を電気信号に変換するセンサによって出力される電気信号を増幅し、外部に出力信号を発信する発信回路を備えたトランスミッタに関し、例えば、ダイアフラムと、このダイアフラム上に設けられた歪みゲージとから構成される圧力センサのトランスミッタとして利用することができる。
【0002】
【背景技術】
従来より、圧力、温度等の被測定物の物理量を電気信号に変換するセンサが多用されている。
このようなセンサが用いられた計測装置では、センサによって変換された電気信号はトランスミッタによって増幅され、増幅された電気信号が出力信号として外部に発信され、この出力信号を所定の単位に基づく数値に変換し、表示装置等によって表示することにより、被測定物の物理量の計測、計量を行うことができる。
【0003】
例えば、図2に示すように、圧力測定用の2線式の圧力計測装置30が知られている。
この圧力計測装置30は、被測定物の圧力を検出し電気信号に変換する圧力センサ31と、圧力センサ31による電気信号を増幅し、外部に出力信号Iを発信する発信回路33を備えたトランスミッタ32とから構成されている。
【0004】
圧力センサ31は、被測定物の圧力変化に応じて変形するダイアフラム上に4つの歪みゲージ311から構成されるブリッジ312が形成されたものであり、このブリッジ312には、電気信号となる電圧を出力する一対の出力端子313が設けられている。
このような圧力センサ31のブリッジ312には、図2では図示を略したが、定電圧回路を介して電圧Vgが印加されていて、被測定物に圧力変化が生じると、ダイアフラムの変形に伴って歪みゲージ311の抵抗値が変化して、前記一対の出力端子313から電気信号が出力される。
【0005】
トランスミッタ32は、発信回路33と帰還回路34とから構成され、一対の出力端子313のそれぞれから取り出した電気信号は、発信回路33によって増幅され、発信回路33の一部となるトランジスタ334を介して出力信号I(電流値)が発信される。
帰還回路34では、出力信号Iに応じて内部の帰還抵抗に流れる電流による電圧降下を検出し、当該電圧降下分を補償するように帰還信号Vr1、Vr2(電圧値)を前記発信回路33にフィードバックし、発信回路33の増幅率を調整する。そして、出力信号Iは、遠方で接続されるデジタル表示装置等に伝達されて、圧力センサ31で検出される圧力の計測を行うことができる。
尚、このような圧力計測装置30では、圧力センサ31からの電気信号によって発信される出力信号Iは発信回路33によって一義的に定められているので、表示装置には、原則として1種類の単位に基づいた数値しか表示することができない。
【0006】
一方、近年の計量法の改正に伴って、圧力の単位は、従来のkgf/cm2からSI単位系に基づくMPaに変更され、上述した圧力計測装置30においても、SI単位系に対応した圧力表示を行う必要がある。
従って、今まで0〜10kgf/cm2で設定されていた圧力測定範囲(以下スパンという)をSI単位系に基づいて0〜1MPaというスパンに変更する必要があるが、両者のスパンが微妙に異なるため、図3に示すように、出力信号Iを従来の0〜10kgf/cm2の範囲で設定した直線Pを直線Sのように変更する必要があり、出力信号Iの出力を略2%の範囲で調整する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように圧力測定範囲を変更し、異なる単位系に相当する出力信号Iを発信しようとする場合、従来は、発信回路33内部の増幅率を変更してスパン調整を行わなければならず、単位系の変更によるスパンの変更を行うには、その調整作業が煩雑化してしまうという問題があり、特に、圧力基準器を持たないユーザ等では調整作業を行うことは事実上不可能であった。
また、1台の圧力計測装置で異なるスパンに対応するために、発信回路34の内部で複数のスパンに対応した出力信号を発信できるようにした場合、スパンの出力信号ごとに調整用の可変抵抗を設けなければならず、0調整、スパン調整に必要以上の時間がかかってしまうという問題がある。
尚、このような問題は、上述した圧力単位の変更に伴うスパンの変更のみならず、例えば、温度測定における摂氏、華氏間の単位変更、角度測定におけるdeg、rad間の単位変更に伴うスパン調整を行う場合にも同様の問題として把握される。
【0008】
本発明の目的は、上述した問題を解決するために案出されたものであり、簡易な機構により、被測定物の物理量の単位系に応じた2種以上の出力信号を容易に発信することのできるトランスミッタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るトランスミッタは、被測定物の物理量を電気信号に変換するセンサによって出力される電気信号を増幅し、外部に出力信号として発信する発信回路を備えたトランスミッタであって、前記出力信号に応じた帰還信号を前記発信回路にフィードバックする帰還回路を有し、この帰還回路には、内部の帰還抵抗と並列に少なくとも1以上の調整抵抗が設けられ、この調整抵抗は、一端が当該帰還回路に接続されかつ他端がこの帰還回路に接続可能とされていることを特徴とする。
【0010】
ここで、被測定物の物理量とは、自然科学的諸量をセンサ等の変換機構により電気信号に変換しうるすべてのものをいい、上述した被測定物となる流体の圧力のみならず、流体の流量や温度等をも含むものである。
また、出力信号は、電圧出力信号と、電流出力信号とが考えられるが、計測装置におけるノイズ等の発生を少なくするという観点からすれば、出力信号が電流出力信号である計測装置に本発明に係るトランスミッタを採用するのが好ましい。
【0011】
このような本発明によれば、帰還回路内部の帰還抵抗と並列に接続可能な調整抵抗が設けられているので、調整抵抗の接続、解放をするだけで、帰還回路からの帰還信号を変更して発信回路の出力信号を変更することが可能となり、被測定物の物理量の単位系に応じた2種以上の出力信号を容易に発信することが可能となる。
尚、3種の出力信号を発信可能せしめるには、帰還抵抗に2つの調整抵抗を並列接続させ、接続状態を組み合わせればよい。
【0012】
以上において、上述したセンサは、被測定物の圧力変化に応じて変形するダイアフラムと、このダイアフラムの変形を電気信号に変換する歪みゲージとを備えた圧力センサであり、調整抵抗の接続可能な他端の接続状態および解放状態により、単位kgf/cm2に基づくスパンと、単位MPaに基づくスパンとの2種類の出力信号が発信可能となっているのが好ましい。
すなわち、背景技術で説明した図3に示されるように、スパン0〜10kgf/cm2からスパン0〜1MPaへの変更において、出力信号の変更は略2%に過ぎず、スパンの変更に要するコストも1個の抵抗を帰還回路に付加するだけで済ませられるので、その有用性は大きい。
【0013】
また、上述した調整抵抗の抵抗値は、帰還抵抗の抵抗値よりも数十倍大きい値で設定されているのが好ましい。
すなわち、帰還抵抗の抵抗値をRr、調整抵抗の抵抗値をRcとすると、合成抵抗の抵抗値Rは、次式で表される。
R=(Rr×Rc)/(Rr+Rc)=Rr/(1+Rr/Rc)
ここで、Rc>>Rrであれば、Rr/Rcは0に近い値となり、合成抵抗の抵抗値Rは、Rcの抵抗値の変動に影響されにくくなる。
従って、帰還抵抗と並列に設けられる調整抵抗には、所望の抵抗値を有する抵抗であれば、抵抗値の精度、温度変化による抵抗値の変化等を考慮することなく採用することが可能となり、上述した簡易な構造に加えて、安価な材料で安定した性能の本発明に係るトランスミッタを製作することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部材または部分と同一または類似の部材または部分については、その説明を省略または簡略にする。
図1には、本発明の実施形態に係る圧力計測装置10が示され、この圧力計測装置10は、圧力センサ31およびトランスミッタ12を備え、このトランスミッタ12は発信回路33および帰還回路14から構成されている。
尚、この圧力計測装置10の信号経路となる配線15には、図1では図示を略したが、電源およびデジタル表示装置が設けられ、上述したトランスミッタ12から発信される出力信号Iは、この配線15内を流れる。
【0015】
発信回路33は、圧力センサ31からの電気信号を増幅するために、出力端子313のそれぞれに接続されたオペアンプ331、332と、これらのオペアンプ331、332の出力差を増幅するオペアンプ333と、このオペアンプ333の出力電圧をベース電圧として、前記配線15内の電流量を調整するトランジスタ334とを備えている。
尚、オペアンプ331、332の逆相入力は、これらのオペアンプ331、332の温度補償を行うために、互いに抵抗335を介して接続されている。
【0016】
帰還回路14は、内部の帰還抵抗141と、この帰還抵抗141と並列に設けられる調整抵抗142とを有し、調整抵抗142の一端は帰還回路14と接続されているが、他端は、接続、解放自在となるようにスイッチ143が設けられている。
従って、調整抵抗142が帰還回路14に対して接続状態となっている場合、内部の合成抵抗の抵抗値Rは、帰還抵抗141の抵抗値をRr、調整抵抗142の抵抗値Rcとすると、
R=Rr/(1+Rr/Rc)
となり、Rr=50Ω、Rc=2450Ωの場合、合成抵抗の抵抗値は、
R=50/(1+50/2450)=49Ω
となる。
一方、前記スイッチ143が解放状態の場合は、帰還抵抗141のみが帰還回路14内で関与するので、合成抵抗値Rは50Ωのままである。
帰還回路14の帰還抵抗141および調整抵抗142が設けられる部分には、これらの抵抗141、142を挟むように、一対の分岐線144が設けられ、前記発信回路33のオペアンプ333の正相入力および逆相入力に接続されている。
【0017】
次に、トランスミッタ12により、圧力センサ31の電気信号を増幅し、出力信号Iを発信する手順について説明する。
圧力センサ31の出力端子313から出力された電気信号(電圧値)は、オペアンプ331、332によってそれぞれが増幅され、オペアンプ333に出力される。
オペアンプ333では、正相入力と逆相入力との出力差を増幅し、トランジスタ334のベース電圧として出力される。
【0018】
このトランジスタ334のベース電圧によって電流出力信号が決定し、出力信号Iとして配線15内に発信される。
出力信号Iが帰還回路14内を流れると、帰還抵抗141および調整抵抗142による電圧降下が生じるので、この部分の電圧値を帰還信号Vr1、Vr2として、発信回路33内部のオペアンプ333の正相入力および逆相入力にフィードバックする。
【0019】
上述した実施形態によれば、以下のような効果がある。
すなわち、帰還回路14内部の帰還抵抗141と並列に調整抵抗142が設けられ、スイッチ143により接続状態、解放状態いずれも選択可能なので、スイッチ143の切り替えをするだけで、帰還回路14の帰還信号Vr1、Vr2を変更し、発信回路33の出力信号Iを変更することができ、圧力測定において、上述したスパン0〜10kgf/cm2と、スパン0〜1MPaとの間の切り替えを容易に行うことができる。
【0020】
具体的にいえば、図3におけるkgf/cm2単位からMPaへの変更は、電流と抵抗値との積で表される帰還信号Vr1、Vr2の値を変更することにより、図3の直線PからSへの変更が可能となる。
すなわち、上述したように調整抵抗142が接続状態にある場合は、合成抵抗の抵抗値がR=49Ωとなるので、帰還信号の電位差Vr1−Vr2は、
Vr1−Vr2=49×Iで与えられる。
従って、電位差Vr1−Vr2は、50Ωそのままの場合に比較して49/50すなわち2%小さくなっているので、帰還信号Vr1、Vr2によりオペアンプ333の出力を2%変更することができる。
【0021】
また、調整抵抗142の抵抗値Rc(=2450Ω)が帰還抵抗141の抵抗値Rr(=50Ω)よりも十分大きいので、合成抵抗の抵抗値Rは、Rcの変動に影響されない。
すなわち、例えば、調整抵抗142に抵抗値Rcが2400Ωのものを使用したとしても、合成抵抗値Rは48.98Ωにしか変動せず、Rcのばらつきをラフに設定しても、上述した単位系の変更に伴うスパン調整を高精度で行うことができる。
【0022】
尚、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、次に示すような変形等をも含むものである。
すなわち、前述の実施形態では、圧力センサ31のトランスミッタとしてトランスミッタ12を採用していたが、これに限らず、温度測定用のトランスミッタとして本発明に係るトランスミッタを採用してもよい。
尚、この場合、温度センサは四つの抵抗から形成されるブリッジの一部を熱電対としたものを採用すればよい。
【0023】
また、前述の実施形態では、帰還抵抗141には、調整抵抗142が一つしか並列に設けられていなかったが、これに限らず、複数の調整抵抗のそれぞれが帰還抵抗と並列となるように設けてあれば、2種類の出力信号のみならず、より多くの出力信号を発信することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【0024】
【発明の効果】
前述のように、本発明のトランスミッタによれば、帰還回路内部に接続可能な調整抵抗が設けられているので、調整抵抗の接続、解放をするだけで、帰還回路からの帰還信号を変更して発信回路の出力信号を変更することができ、被測定物の物理量の単位系に応じた2種以上の出力信号を容易に発信することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る圧力計測装置の構造を表す回路図である。
【図2】従来の圧力計測装置の構造を表す模式図である。
【図3】圧力単位と出力電流信号との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
12 トランスミッタ
14 帰還回路
31 センサ(圧力センサ)
33 発信回路
141 帰還抵抗
142 調整抵抗
311 歪みゲージ
I 出力信号
P 単位kgf/cm2に基づくスパン
S 単位MPaに基づくスパン
Vr1、Vr2 帰還信号

Claims (4)

  1. 被測定物の物理量を電気信号に変換するセンサによって出力される電気信号を増幅し、外部に出力信号を発信する発信回路を備えたトランスミッタであって、
    前記出力信号に応じた帰還信号を前記発信回路にフィードバックする帰還回路を有し、
    この帰還回路には、内部の帰還抵抗と並列に少なくとも1以上の調整抵抗が設けられ、
    この調整抵抗は、一端が当該帰還回路に接続されかつ他端がこの帰還回路に接続可能とされていることを特徴とするトランスミッタ。
  2. 請求項1に記載のトランスミッタにおいて、前記出力信号は電流出力信号であることを特徴とするトランスミッタ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のトランスミッタにおいて、
    前記センサは、前記被測定物の圧力変化に応じて変形するダイアフラムと、このダイアフラムの変形を電気信号に変換する歪みゲージとを備えた圧力センサであり、
    前記調整抵抗における前記他端の接続状態および解放状態により、単位kgf/cm2に基づくスパンと、単位MPaに基づくスパンとの2種類の出力信号が発信可能となっていることを特徴とするトランスミッタ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のトランスミッタにおいて、
    前記調整抵抗の抵抗値は、前記帰還抵抗の抵抗値よりも数十倍大きい値で設定されていることを特徴とするトランスミッタ。
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