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JP4051789B2 - 表示パネル用電極基板及びその製造方法 - Google Patents
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JP4051789B2 - 表示パネル用電極基板及びその製造方法 - Google Patents

表示パネル用電極基板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶パネルやエレクトロルミネセンスパネル等の各種の表示パネル用電極基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、マトリクス駆動方式の透過型液晶パネルにおいては、従来の対角10インチ乃至対角13インチのノートパーソナルコンピュータからCRT代替え用対角15インチ乃至対角21インチの液晶パネルへの大型化に移行しつつある。さらに、対角20インチ乃至対角40インチの壁掛けテレビジョンへの期待も高まっている。
【0003】
これらに伴い、液晶パネルの電極基板の複数の透明電極の各配線抵抗が増大し、この配線抵抗の増大が透明電極への印加電圧波形に鈍りを生じさせるという大きな問題が浮かび上がっている。この印加電圧波形の鈍りは、液晶パネルの表示画面上にて、クロストークを発生させたり、表示輝度のむらを招いて表示品位を著しく低下させる要因となっている。
【0004】
例えば、対角17インチ程度の大型の液晶パネルの場合、反強誘電性液晶を用いたものであれば、透明電極に要求される配線抵抗は、透明電極が、幅300μm、長さ300mm程度を有する場合、透明電極への印加電圧波形に鈍りを生じさせないようにするには、100(Ω)程度と低い。
現在、最も低抵抗の透明電極(膜厚300nm、シート抵抗4(Ω/□)でも、配線抵抗は3(kΩ)程度であって、到底上記要求を満たさない。
【0005】
これに対し、透明電極の膜厚を厚くして配線抵抗を低くしようとしても、30倍もの膜厚にする必要があり、実際上実現不可能である。
一方、補助電極を透明電極に用いた積み上げ補助電極構造の電極基板が提案されている。
この電極基板は、図7(a)乃至(f)にて示すような各工程に従い形成される。
【0006】
まず、ITO成膜工程S1において、ガラス基板1に、透明電極の形成材料であるITOを300(nm)にてスパッタリングにより成膜(図7(a)にて符号2参照)する。ついで、フォトパターニング工程S2において、ITOの成膜をフォトリソグラフィ法により複数条の透明電極2aにパターニング処理する。
その後、金属成膜工程S3において、補助電極の形成材料である金属(Cu、Al等)をスパッタリングにより成膜(図7(c)にて符号3参照)する。そして、この成膜3を、金属パターニング工程S4において、フォトリソグラフィ法により線幅50(μm)程度の複数条の透明電極3aにパターニング処理する。
【0007】
ついで、絶縁膜成膜工程S5において、酸化タンタルをスパッタリングにより絶縁膜(図7(e)にて符号4参照)として成膜した後、ポリイミドを絶縁膜4にオフセット印刷法により印刷して配向膜5を形成する。これにより、電極基板の形成が終了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように形成した積み上げ補助電極構造の電極基板においては、補助電極2aが電極基板を透過する光を遮断するため、液晶パネルとしての透過率が低下してしまう。
例えば、透明電極を構成する300×100(μm)の画素に幅20(μm)の補助電極を設けると、開口率は75%に低下し、当該画素に幅60(μm)の補助電極を設けると、開口率は50%に低下する。なお、上記開口率は、光が有効に透過する場合、(光透過領域/画素領域)により定義される。
【0009】
そこで、開口率を高く確保できる配線電極の幅20(μm)にて液晶パネルを設計した場合、補助電極の材料として、最も低抵抗の金属の一つであるCuを用いても、補助電極の膜厚は4(μm)となってしまう。
液晶パネルの両電極基板の間隔は、STN方式やTFT型の液晶パネルでは、4乃至5(μm)であり、反強誘電性液晶や強誘電性液晶を用いた液晶パネルでは、2(μm)程度である。
【0010】
従って、上述のような膜厚の厚い補助電極を設けることは、反強誘電性液晶や強誘電性液晶を用いた液晶パネルでは不可能であり、STN方式やTFT型の液晶パネルでも、補助電極と対向電極基板との間隔が狭く、両電極基板の配線短絡を招く。また、上述のように補助電極の膜厚を厚くすると、電極基板の内表面(配向膜)に段差が発生し、液晶の配向に乱れが生ずる。さらに、両電極基板の短絡防止のために設けた絶縁膜にまで段差が発生すると、逆に両電極基板の短絡を招く。
【0011】
このようなことを考慮すると、補助電極の膜厚を、0.5μm程度に抑えることが必要である。この膜厚で、100Ωを実現しようとすると、補助電極の幅が200μmとなり、開口率が25%と大幅に低下してしまう。
以上のようなことに対し、特開平9−89917号公報にて示すような電極基板のガラス基板の中に各補助電極を埋め込み、その上に各対応の透明電極を成膜する埋め込み電極構造を採用した電極基板が提案されている。
【0012】
しかし、この埋め込み電極構造の電極基板は、補助電極を形成したガラス基板の表面と型板の表面との間に樹脂を介在させ、ガラス基板及び型板をローラにより加圧して電極基板と型板との密着させ、その後、樹脂を硬化させてから型板のみを剥離して形成される。
このため、このような形成過程において、樹脂が補助電極上に部分的にのり易く、その後成膜するITOと補助電極との接続が部分的に不良となる。従って、ITO成膜からパターニング形成される透明電極の配線抵抗にむらを生じ、その結果、液晶パネルに表示むらを招くという不具合が生ずる。
【0013】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、埋め込み補助電極構造の形成の仕方に工夫を凝らし、補助電極の厚さ、開口率及び透明電極の配線抵抗を適正に維持しつつ、透明電極と補助電極との良好な導電性を一様に確保するようにした表示パネル用電極基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決にあたり、請求項1、2、5に記載の発明によれば、
補助電極形成工程(S10、S20)において、基板(11)の内表面に金属材料により複数のストライプ状補助電極(12)を形成し、材料膜形成工程(S30)において、低融点平坦化膜形成材料を各補助電極を埋め込むように基板の内表面に塗布して材料膜を形成する。
【0015】
そして、パターニング処理工程(S40)において、各補助電極の幅方向両側に溝状の間隙を形成するように材料膜をパターニング処理し、材料膜焼成工程(S50)において、パターニング処理工程にてパターニング処理された材料膜を焼成により溶融して、各補助電極の先端面を露出させるように、上記各間隙を埋めるとともに低融点平坦化膜形成材料の一部を各補助電極に吸収させて各平坦化膜(13)を形成し、かつ、主電極形成工程(S60、S70)において、各補助電極の先端面にその長手方向に沿いそれぞれストライプ状の主電極(14)を形成する。
【0016】
これによれば、材料膜が、その焼成により溶融して、各補助電極の先端面を露出させるように、各補助電極の幅方向両側に形成した各溝状の間隙を埋めつつ平坦化されるので、その後にストライプ状の主電極を各補助電極の先端面にその長手方向に沿い形成しても、各主電極が各補助電極の先端面に直接一様に密着する。その結果、主電極と補助電極との間の導電性をその全体に亘り良好に確保できる。
【0017】
ここで、請求項2に記載の発明のように、補助電極形成工程における金属材料として感光性銀ペーストを用い、材料膜形成工程における低融点平坦化膜形成材料として感光性鉛ガラスペーストを用いてもよい。
また、請求項3、4、5、6に記載の発明によれば、
補助電極形成工程(S10、S20)において、基板(11)の内表面に多孔質金属材料により複数のストライプ状補助電極(12)を形成し、材料膜形成工程(S30)において、低融点平坦化膜形成材料を各補助電極を埋め込むように基板の内表面に塗布して材料膜を形成する。
【0018】
そして、材料膜焼成工程(S100)において、材料膜を焼成により溶融し、この溶融材料膜のうち各補助電極の先端面に対応する膜部分を当該各補助電極により吸収させて上記各先端面を露出させるように各平坦化膜(13)を形成し、かつ、主電極形成工程(S60、S70)において、各補助電極の先端面にその長手方向に沿いそれぞれストライプ状の主電極(14)を形成する。
【0019】
これによれば、材料膜が、その焼成により溶融し、各補助電極の先端面に対応する膜部分にて当該各補助電極により吸収されて上記各先端面を露出させるように各平坦化膜(13)として形成される。その結果、請求項1に記載の発明と実質的に同様の作用効果を達成できる。
ここで、請求項4に記載の発明のように、補助電極形成工程における多孔質金属材料として感光性銀ペーストを用い、材料膜形成工程における低融点平坦化膜形成材料として鉛ガラスペーストを用いてもよい。
【0020】
また、請求項5に記載の発明によれば、材料膜焼成工程において、各平坦化膜の表面のうち各補助電極の幅方向両側部分(13a)にてテーパ状に形成される。
これにより、各主電極の形成に先立ち、主電極形成材料を各補助電極及び各平坦化膜上に成膜しても、この成膜は、各平坦化膜のテーパ状幅方向両側部分及び各補助電極の先端面に亘り円滑になされる。従って、上記成膜の段切れの発生を確実に防止できる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明のように、材料膜焼成工程によって低融点平坦化膜形成材料の一部が各補助電極に吸収されることで当該各補助電極間に存在する各平坦化膜が前記基板側に向けて凹状態とされており、材料膜焼成工程と主電極形成工程との間に、上記凹状態を無くすように、当該凹状態とされた各平坦化膜によって突き出した状態の各補助電極の頂部を含めて当該各補助電極及び各平坦化膜を研磨する研磨工程を備えるようにしてもよい。
【0022】
また、請求項7に記載の発明によれば、表示パネル用電極基板は、
基板(11)の内表面に交互にストライプ状に複数ずつ形成した補助電極(12)及び平坦化膜(13)と、各補助電極の先端面(12a)にその長手方向に沿いそれぞれストライプ状に形成した主電極(14)とを備える。
ここで、各補助電極に前記平坦化膜を構成する材料が混在している。
【0023】
これによっても、請求項1乃至5に記載の発明の作用効果を達成するに適した表示パネル用電極基板の提供が可能となる。
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明において、
各平坦化膜の表面のうち各補助電極の幅方向両側部分(13a)がテーパ状に形成されている。
【0024】
これにより、請求項7に記載の発明の作用効果を達成するに適した表示パネル用電極基板の提供が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明が表示パネルの一実施形態である液晶パネルに適用された例を示している。
【0026】
この液晶パネルは、下側電極基板10と、上側電極基板20とを備えており、これら両電極基板10、20の間には、スメクチック液晶が、帯状シールを介して、複数のスペーサと共に設けられている。なお、下側電極基板10は走査電極電極基板であり、上側電極基板20は信号電極側電極基板である。
下側電極基板10は、透明基板11の内表面に複数の不透明のストライプ状補助電極12、複数の透明のストライプ状平坦化膜13、複数のストライプ状透明電極14、透明の絶縁膜及び透明の配向膜を順次形成して構成されている。
【0027】
ここで、透明基板11は、ソーダライムガラス材料等からなる厚さ1mm程度のガラス板により形成されている。なお、このガラス板11の両面は研磨により高い平行度を有していることが望ましい。
各補助電極12及び各平坦化膜13は、透明基板11の内表面に、交互に、かつ互いに並行に形成されており、各補助電極12は、図1にて例示するごとく、その先端面である露出面12aにて対応の透明電極14の裏面と一様に密着している。これにより、各補助電極12は、対応の透明電極14の配線抵抗値を低下させる。本実施形態では、各補助電極12の形成材料は、金属材料であって、低い抵抗値を有し、かつ、透明基板11であるガラス板と良好な密着性を有することが望ましい。
【0028】
各平坦化膜13は、各補助電極12の透明基板11の内表面からの高さと同一の高さを有しており、これら各平坦化膜13の形成材料としては、例えば、低融点の透明感光性鉛ガラスペースト等が用いられる。
各透明電極14は、各対応の補助電極12の露出面12a上にその長手方向に沿い形成されている。なお、各透明電極14の形成材料としてはITOやZnOが採用できる。
【0029】
一方、上側電極基板20は、透明基板21の内表面に複数のストライプ状透明電極22、透明の絶縁膜及び配向膜を順次形成して構成されている。なお、複数条の透明電極25は、複数条の透明電極12に直角に延在するように配置され、スメクチック液晶と共に複数のマトリックス状画素を構成する。
次に、このように構成した液晶パネルのうちの下側電極基板10の製造方法について図2を参照して説明する。
【0030】
図2(a)は補助電極材料成膜工程S10を示す。この工程では、感光性銀ペーストを、図2(a)にて符号aにより示すごとく、透明基板11の内表面全面に印刷法による塗布でもって銀ペースト膜として成膜する。この銀ペースト膜の膜厚は、この膜の本焼成後に各透明電極14の配線抵抗を低減させるに要する膜厚、例えば、10μm程度としてある。上記成膜後、当該銀ペースト膜aを、温度80℃にて、仮焼成して乾燥する。
【0031】
本実施形態では、上記感光性銀ペーストは、65重量%の無機成分、34.5重量%の有機成分及び0.5重量%のPbO成分からなる。ここで、上記無機成分は、60重量%の銀及び5重量%のBi−Pb−Si系ガラスからなる。また、上記無機成分は、アクリル系樹脂、モノマー、光開始剤及び有機溶剤からなる混合成分からなる。
【0032】
ついで、補助電極形成工程S20(図2(b)参照)にて、銀ペースト膜aをフォトリソグラフィ法により現像露光してパターニング処理した後、570℃にて本焼成し複数のストライプ状補助電極12として形成する。なお、銀ペースト膜aは本焼成により5μmの膜厚まで収縮する。
次のガラスペースト成膜工程S30(図2(c)参照)においては、平坦化材料である透明感光性鉛ガラスペーストを、図2(c)にて符号bにより示すごとく、透明基板11の内表面にスクリーン印刷による塗布でもって、各補助電極12よりも0.5μm乃至1μm程度厚くなるようにガラスペースト膜として成膜し、80℃にて仮焼成する。
【0033】
本実施形態では、上記透明感光性鉛ガラスペーストは、80重量%の無機成分及び20重量%の有機成分からなる。ここで、上記透明感光性鉛ガラスペーストにおいて、その無機成分はBi−Zn−B−Si系ガラス材料からなり、また、有機成分はセルロース系樹脂及び有機溶剤からなる。
次に、ガラスペースト膜パターニング工程S40(図2(d)参照)において、ガラスペースト膜bをフォトリソグラフィ法により現像露光してパターニング処理し、複数のストライプ状ガラスペースト膜部cとして形成する。このとき、ガラスペースト膜bのうち各補助電極12の露出面12a上の部分が当該露出面12aから一様に除去される。
【0034】
但し、ここで、ガラスペースト膜bのパターニング処理は、補助電極12の幅を考慮して、補助電極12とガラスペースト膜部cとの各対向側面の間隙Gを、10μm程度、溝状にとるようになされる。
その後、ガラスペースト膜部本焼成工程S50(図2(e)参照)において、各ガラスペースト膜部cを550℃にて本焼成する。この本焼成に伴い、各ガラスペースト膜部cが一旦溶融して流動して各間隙Gを埋め各平坦化膜13として形成される。しかも、各間隙Gの幅は適正にしてあるから、各ガラスペースト膜部cは、その溶融流動によっては各間隙G内に入り込むのみで、各補助電極12の露出面12a上にまで流動することはない。また、各補助電極12は感光性銀ペーストから形成されていて多孔質を有するから、各ガラスペースト膜部cが溶融することにより、各補助電極12の内部にこのガラスペースト膜部cの一部が吸収される。
【0035】
このとき、各平坦化膜13は、その各間隙Gへの埋め込み部分の表面13aにて、ガラスペースト膜部の溶融に伴う表面張力によりテーパ状に形成されるとともに、各平坦化膜13は、ガラスペースト膜部の溶融に伴うレベリング効果により、一様な表面を有するように平坦化され、各補助電極12の膜厚よりも厚い膜厚を有している。なお、このようにガラスペースト膜部の溶融により各平坦化膜13の平坦化されるので、研磨による平坦化が不要である。
【0036】
ちなみに、上記透明感光性鉛ガラスペースト(J1312型)の温度に対する粘度特性について調べたところ、図3にて示すようなグラフLが得られた。なお、図3のグラフにおいて縦軸は対数目盛りとなっている。
これによれば、上記透明感光性鉛ガラスペーストの粘度は400℃乃至700℃の温度範囲ではその上昇に伴い急激に低下している。従って、上述した本焼成温度550℃では、上記透明感光性鉛ガラスペーストの粘度は相当に低い値となっていることが分かる。よって、上述のように本焼成時において、各ガラスペースト膜部cがその溶融に伴う粘度の低下により容易に各間隙Gを埋め得ることが分かる。
【0037】
また、上述のような各間隙Gの埋め込み効果は、補助電極12の幅が狭い場合により一層発揮され得る。
以上のようにしてガラスペースト膜部本焼成工程S50の処理を終了した後、透明電極材料成膜工程S60(図2(f)参照)において、ITOを各補助電極12の露出面12a及び各平坦化膜13の表面にスパッタリング或いは印刷によりITO膜dとして成膜し焼成する。
【0038】
ここで、各平坦化膜13は、上述のごとく、テーパ状表面13aを有するので、ITOは、各平坦化膜13のテーパ状表面13a及び各補助電極12の露出面12aに亘り円滑に成膜される。従って、ITO膜dの段切れの発生を確実に防止できる。
ついで、透明電極形成工程S70(図2(g)参照)において、ITO膜dをフォトリソグラフィ法とドライエッチング法の組み合わせで複数のストライプ状透明電極14を形成する。ここで、ウェットエッチング法を使用しないのは、ITOのエッチング液で鉛ガラスペーストが溶けるためである。
【0039】
ここで、各平坦化膜13の溶融流動は、上述のごとく、ガラスペースト膜部本焼成工程S50での本焼成時において、各補助電極12の露出面12a上に至ることがないので、ITO膜dは、各補助電極12の露出面12aに一様に密着して形成される。従って、ITO膜dから形成された各透明電極14と各補助電極12との間に邪魔物が介在する余地はなく各透明電極14と各補助電極12との間の導電性は良好に確保され得る。
【0040】
なお、各透明電極14は、その裏面にて、それぞれ、対応の各補助電極12の露出面12a全体を含みその両側の平坦化膜13の各表面の一部に亘り覆うように形成される。
その後、絶縁膜形成工程S80(図2(h)参照)において、絶縁材料である酸化タンタルをスパッタリングにより各透明電極14を介して各平坦化膜13の表面13aに塗布して絶縁膜(図2(h)にて符号e参照)を形成する。
【0041】
なお、酸化タンタルに代えて有機チタン系材料をゾルゲル法により各透明電極14を介して各平坦化膜13の表面13aに塗布して絶縁膜eを形成するようにしてもよい。
ついで、配向膜形成工程S90(図2(i)参照)において、配向膜材料(例えば、ポリイミド)を、絶縁膜eに配向膜(図2(h)にて符号f参照)として成膜する。
【0042】
これにより、下側電極基板10の製造が終了する。
また、この下側電極基板10においては、各平坦化膜13の間に補助電極12を埋め込む構造となっているので、平坦化膜13及び補助電極12の高さを調整することで、透明電極14の配線抵抗の低抵抗化を確保できるから、液晶パネルとしての表示領域の開口率の低下を招くこともない。
【0043】
従って、補助電極12の膜厚、開口率及び透明電極14の配線抵抗を良好に維持しつつ、透明電極と補助電極との良好な接続を一様に確保するようにした下側電極基板10の製造が可能となる。
また、当該下側電極基板10をシール及びスペーサを介して上側電極基板20に重ね合わせて液晶パネルとして構成しても、これら両電極基板10、20の間の間隔が一様となる。その結果、液晶パネルの表示むらの発生を良好に防止できる。
【0044】
なお、上記第1実施形態においては、補助電極12の形成材料として感光性銀ペーストを採用した例について説明したが、これに代えて、メッキ用銅等を補助電極12の形成材料として採用してもよい。
また、上記第1実施形態では、ガラスペースト膜パターニング工程S40において、ガラスペースト膜bのパターニング処理に伴い、ガラスペースト膜bのうち各補助電極12の露出面12a上の部分が当該露出面12aから一様に除去するようにしたが、これに代えて、ガラスペースト膜bのうち各補助電極12の露出面12a上の部分を当該露出面12aから除去することなく残存させて、その後のガラスペースト膜部本焼成工程S50における本焼成時に、ガラスペースト膜bのうち各補助電極12の露出面12a上の部分をその溶融により各間隙G内に埋めるようにしてもよい。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態を示している。
【0045】
この第2実施形態における液晶パネルの下側電極基板の製造工程は、上記第1実施形態にて述べた下側電極基板の製造工程において、ガラスペースト膜パターニング工程S40及びガラスペースト膜部本焼成工程S50に代えて、ガラスペースト膜本焼成工程S100を採用した構成となっている。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0046】
次に、本第2実施形態における液晶パネルの下側電極基板の製造方法につき図4に基づいて説明する。
上記第1実施形態にて述べたと同様にガラスペースト成膜工程S30の処理を終了した後、ガラスペースト膜部本焼成工程S100(図4(e)参照)において、ガラスペースト膜bを550℃にて本焼成する。なお、本第2実施形態のガラスペーストは、感光性ではない鉛ガラスペーストよりなる。
【0047】
この本焼成に伴い、ガラスペースト膜bが溶融し、この溶融したガラスペースト膜bは上記レベリング効果を発揮する。しかも、補助電極12を形成する感光性銀ペーストは多孔質であるから、当該感光性銀ペーストは、スポンジのように、補助電極12上の溶融したガラスペースト膜bの膜部分を吸収する。
このように、本焼成時に、溶融により急激に粘度を低下するというガラスペーストの特性及び各補助電極12のガラスペーストを吸収するという感光性銀ペーストの多孔質という特性の相乗効果により、各補助電極12の形成後にガラスペースト膜bを形成しても、各補助電極12の露出面12aの露出を良好に確保できる。
【0048】
これにより、上記第1実施形態にて述べたようなガラスペースト膜パターニング工程S40の処理及びその後のガラスペースト膜部本焼成工程S50の双方を行うことなく、上記第1実施形態と実質的に同様に、各平坦化膜13の平坦化、各平坦化膜13のテーパ状表面部分13aの形成及びその効果を達成できる。なお、ガラスペースト膜本焼成工程S100の処理におけるガラスペーストの特性及び感光性銀ペーストによる上記相乗効果は、補助電極12の幅が比較的広いときにより一層著しい。
(第3実施形態)
図5及び図6は、本発明の第3実施形態を示している。
【0049】
この第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べたと同様に補助電極材料成膜工程S10及び補助電極形成工程S20の処理をした後、ガラスペースト成膜工程S30(5(c)参照)において、平坦化材料(透明鉛ガラスペースト等)を、上記第1実施形態とは異なり、0.1乃至0.2μm程度銀ペーストより厚くなるようにガラスペースト膜bとして成膜し80℃にて仮焼成する。なお、鉛ガラスの厚みは、本焼成後は、銀ペーストよりも薄くなる。
【0050】
次に、ガラスペースト膜部本焼成工程S110(図5(d)参照)にて、ガラスペースト膜bを550℃にて本焼成する。
ここで、この本焼成後、補助電極材料成膜工程S10にて成膜した銀ペースト膜a上には、次の2つの効果により平坦化材料が存在しなくなっている。
1つは、本焼成時に溶融した鉛ガラスペーストのレベリング効果であり、もう1つは、銀ペースト膜aは多孔質であるためこの銀ペースト膜aがその上の鉛ガラスペーストをスポンジのように吸う効果である。
【0051】
このように、多孔質の銀ペーストと本焼成時に急激に粘度が低下する平坦化材料を組み合わすことにより銀ペースト膜aの成膜後に平坦化膜を形成しても容易に補助電極12の頭だし(露出面12aの露出)が可能である。
上述のように、上記工程を使用すれば、図6にて示すように補助電極12の頭がでた構造が完成する。この場合、平坦化膜13である鉛ガラスペースト膜は、本焼成時に粘度が低下して図6にて詳細に示すように補助電極12間で凹状態となる。
【0052】
これに伴い、研磨工程S120(図5(e)参照)において、補助電極12間の凹状態を無くするため、ベルト研磨やテープ研磨等の定圧研磨を実施する。
ここで、銀ペーストと鉛ガラスペーストとは、硬度差において10倍もあるため、通常、銀ペーストが早く削れて従来巧く研磨できなかった。しかし、本実施形態では、銀ペースト中に鉛ガラスが入っているため、実質的な硬度差が小さくなり均一に研磨できる。
【0053】
また、銀の粒径は、3乃至5μm程度あり銀ペーストだけで研磨すると、銀粒がとれて研磨後の凹凸が3乃至5μmもついてしまう。しかし、鉛ガラスペーストで銀粒を固定することで、凹凸30nm程度を実現できる。これにより、補助電極12を含む平坦化膜13の平坦化を良好に実現できる。
次に、透明電極材料成膜工程S60(図5(f)参照)において、上記第1実施形態にて述べたと同様にITOをITO膜dとして成膜した後、透明電極形成工程S70(図5(g)参照)において、ITO膜dを複数のストライプ状透明電極14にパターニング形成する。
【0054】
ここで、透明電極14の間隔が粗い場合(100μm以上)は、印刷で直接電極を形成できるが、それよりも細かな場合には、フォトリソグラフィ法を用いる。この場合、ITOと鉛ガラスペーストが同じエッチング液で溶けるため、ウェットエッチング法は適さない。従って、ドライエッチング法或いはリフトオフ法を用いる。
【0055】
また、ITOの代わりにZnOを用いると、酢酸等の弱酸でエッチングできウェットエッチングも可能である。この際、図6の構造で形成される平坦化膜13と補助電極12との段差は0.5μm以下であり、これによって、透明電極12の段切れを防止できる。
さらに、絶縁膜形成工程S80(図5(h)参照)において、上下両電極基板間の短絡防止を目的とした酸化タンタルをスパッタ成膜或いは有機チタン系材料をゾルゲル法により絶縁膜eとして成膜する。
【0056】
さらに、配向膜形成工程S90(図5(i)参照)において、上記第1実施形態の場合と同様に配向膜fを印刷形成する。なお、この工法の場合、補助電極12の形成材料として、銀ペーストに限ることなく、銅ペースト、アルミニウムペースト等の多孔質材料を用いてもよい。
なお、このように多孔質の銀ペーストに鉛ガラスペーストを溶け込むようにすることで、通常、鉛ガラスのような平坦化材料(その他アクリル樹脂等も有る)に異種材料である金属を埋め込んだ場合、その熱膨張係数の差により冷熱による剥離クラック発生等の問題がでることがある。しかし、本工法のように多孔質な銀ペーストに鉛ガラス等平坦化材料を溶かし込むことにより実質的な膨張係数の差が小さくなり上述の問題が発生しない。
【0057】
なお、上記第2実施形態では、補助電極12の形成材料として、感光性銀ペーストを採用した例について説明したが、これに代えて、銅ペーストやアルミニウムペースト等の多孔質材料を補助電極12の形成材料として採用してもよい。
また、本発明の実施にあたり、平坦化膜13の形成材料として、透明感光性鉛ガラスペーストを採用した例(第1実施形態)について説明したが、これに限ることなく、一般に、低融点ガラスペーストを平坦化膜13の形成材料として採用すればよい。
【0058】
また、本発明の実施にあたり、上記各実施形態にて述べた透過型液晶パネル用電極基板にに限ることなく、反射型液晶パネル用電極基板に本発明を適用してもよい。
また、本発明の実施にあたり、上記第1或いは第2の実施形態において、ITO膜を形成する前に平坦度が要求される場合には、上記第3実施形態にて述べたような定圧研磨を実施してもよい。
【0059】
また、ベルト研磨、テープ研磨の仕上げとして通常ガラスの研磨に使用されているオスカ研磨で仕上げると、表面粗さはガラス並みとなる。
また、本発明の実施にあたり、上記各実施形態にて述べたマトリクス駆動方式の液晶パネル用電極基板に限ることなく、各種駆動方式の液晶パネル用電極基板に本発明を適用して実施してもよい。
【0060】
また、本発明の実施にあたり、液晶パネルの液晶は、スメクチック液晶に限ることなく、各種の液晶であってもよい。
また、本発明の実施にあたっては、液晶パネルに限ることなく、エレクトロルミネッセンスパネル等の各種の表示パネル用電極基板に本発明を適用して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶パネルの一実施形態を示す平面図である。
【図2】(a)乃至(i)は、上記液晶パネルの下側電極基板の製造方法を示す工程図である。
【図3】透明感光性鉛ガラスペーストの各ロットにおける粘度と温度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態を示す下側電極基板の製造工程図である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す下側電極基板の製造工程図である。
【図6】図5(d)にて示す下側電極基板の要部拡大断面図である。
【図7】(a)乃至(f)は従来の電極基板の製造工程図である。
【符号の説明】
11…透明基板、12…補助電極、12a…露出面、
13…平坦化膜、13a…平坦化膜のテーパ状表面部分、14…透明電極、
G…間隙。

Claims (8)

  1. 基板(11)の内表面に金属材料により複数のストライプ状補助電極(12)を形成する補助電極形成工程(S10、S20)と、
    低融点平坦化膜形成材料を前記各補助電極を埋め込むように前記基板の内表面に塗布して材料膜を形成する材料膜形成工程(S30)と、
    前記各補助電極の幅方向両側に溝状の間隙を形成するように前記材料膜をパターニング処理するパターニング処理工程(S40)と、
    このパターニング処理工程にてパターニング処理された前記材料膜を焼成により溶融して、前記各補助電極の先端面を露出させるように、前記各間隙を埋めるとともに前記低融点平坦化膜形成材料の一部を前記各補助電極に吸収させて各平坦化膜(13)を形成する材料膜焼成工程(S50)と、
    前記各補助電極の先端面にその長手方向に沿いそれぞれストライプ状の主電極(14)を形成する主電極形成工程(S60、S70)とを備える表示パネル用電極基板の製造方法。
  2. 前記補助電極形成工程における前記金属材料として感光性銀ペーストを用い、前記材料膜形成工程における前記低融点平坦化膜形成材料として感光性鉛ガラスペーストを用いることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル用電極基板の製造方法。
  3. 基板(11)の内表面に多孔質金属材料により複数のストライプ状補助電極(12)を形成する補助電極形成工程(S10、S20)と、
    低融点平坦化膜形成材料を前記各補助電極を埋め込むように前記基板の内表面に塗布して材料膜を形成する材料膜形成工程(S30)と、
    前記材料膜を焼成により溶融し、この溶融材料膜のうち前記各補助電極の先端面に対応する膜部分を当該各補助電極により吸収させて前記各先端面を露出させるように各平坦化膜(13)を形成する材料膜焼成工程(S100)と、
    前記各補助電極の先端面にその長手方向に沿いそれぞれストライプ状の主電極(14)を形成する主電極形成工程(S60、S70)とを備える表示パネル用電極基板の製造方法。
  4. 前記補助電極形成工程における前記多孔質金属材料として感光性銀ペーストを用い、前記材料膜形成工程における前記低融点平坦化膜形成材料として鉛ガラスペーストを用いることを特徴とする請求項3に記載の表示パネル用電極基板の製造方法。
  5. 前記材料膜焼成工程において、前記各平坦化膜の表面のうち前記各補助電極の幅方向両側部分(13a)にてテーパ状に形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の表示パネル用電極基板の製造方法。
  6. 前記材料膜焼成工程によって前記低融点平坦化膜形成材料の一部が前記各補助電極に吸収されることで当該各補助電極間に存在する前記各平坦化膜が前記基板側に向けて凹状態とされており、
    前記材料膜焼成工程と前記主電極形成工程との間に、前記凹状態を無くすように、前記凹状態とされた前記各平坦化膜によって突き出した状態の前記各補助電極の頂部を含めて当該各補助電極及び前記各平坦化膜を研磨する研磨工程を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の表示パネル用電極基板の製造方法。
  7. 基板(11)と、
    この基板の内表面に交互にストライプ状に複数ずつ形成した補助電極(12)及び平坦化膜(13)と、
    前記各補助電極の先端面(12a)にその長手方向に沿いそれぞれストライプ状に形成した主電極(14)とを備える表示パネル用電極基板において、
    前記各補助電極に前記平坦化膜を構成する材料が混在していることを特徴とする表示パネル用電極基板。
  8. 前記各平坦化膜の表面のうち前記各補助電極の幅方向両側部分(13a)がテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示パネル用電極基板。
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