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JP4052282B2 - プロジェクタ - Google Patents
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JP4052282B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、光源から射出された光を複数の色光に空間分離し、分離された各色光をそれぞれ対応するサブ画素に入射させることによってカラー表示を行なう空間画素配列型のプロジェクタに関するものである。
プロジェクタにおけるカラー画像の生成方法としては、赤光(R)、緑光(G)、青光(B)の3原色の色光を用いる方法が一般的であるが、この方法では人間が知覚できる色域を十分にカバーすることができない。実物の忠実且つ自然な色の再現を行なうためには色域の拡大が必要不可欠であり、従来の赤光(R)、緑光(G)、青光(B)に加えて、例えば510nm付近の色光を独立して変調可能とすれば、表現可能な色域を大幅に拡大させられ、例えば鮮やかなシアン色や深い緑色を表現可能となる。このような背景から、3原色に他の色光を加えた4種類以上の色光を用いてカラー画像を生成するプロジェクタが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
山口、「多原色ディスプレイ」、カラーフォーラムJAPAN’99論文集、光学四学会、1999年11月、p.73−79
上記のような多種類の色光を用いたプロジェクタとしては、例えば、非特許文献1に紹介されているように、いくつかの形態のものが考案されている。以下では、4つの色光を用いた場合について、代表的な形態例を紹介する。
(1)面分割型プロジェクタ。例えば平行配置されたダイクロイックミラーを色光合成系として用いた3板式プロジェクタと同様に、3対のダイクロイックミラーを平行配置して色光分離及び色光合成系を構成し、それらの光学系の間に4つのライトバルブを配置したプロジェクタ。色光毎に独立したライトバルブを用いて投射画像を形成するため、後述する並置画素配列型及び時分割型プロジェクタと比較すると光利用効率が高く、投射画像の高輝度化を実現し易いが、4つのライトバルブが必要であり、また、4つの色光を3枚のダイクロイックミラーで合成するため、ライトバルブと投射レンズとの間の距離が長くならざるを得ず、プロジェクタ装置の低コスト化と小型化が難しい。
(2)並置画素配列型プロジェクタ。ライトバルブの画素配列に対応させて画素毎に異なる4色のカラーフィルタを同一平面上に配置し、カラーの投射画像を形成するプロジェクタ。構成的には極めて簡素であり、1つのライトバルブでカラーの投射画像を形成できるため、プロジェクタ装置の小型化と低コスト化を図り易いが、カラーフィルタで色光を生成するため光利用効率が非常に低く、投射画像の高輝度化が極めて難しい。また、色光に対応したサブ画素を並置配列させるため、投射画像の高精細化には不向きである。
(3)時分割型プロジェクタ。例えば、回転カラーフィルタを備えた単板式プロジェクタと同様に、4色のカラーフィルタを扇状に配列してなる円盤状のカラーフィルタを回転させて各色光の投射画像を時分割で生成し、それらを時間的に連続して表示することで、人間にはカラー画像として認識させるプロジェクタ。1つのライトバルブでカラーの投射画像を形成でき、また、多色の投射画像を容易に生成できるため、プロジェクタ装置の小型化と低コスト化を図り易いが、色光毎の表示時間が短くなるため光利用効率が低く、投射画像の高輝度化が極めて難しい。また、画像を形成するライトバルブには高速応答性が求められるため、使用可能なライトバルブの種類が限られるという欠点もある。
(4)空間画素配列型プロジェクタ。4つのサブ画素に対して1つのマイクロレンズをアレイ状に具備したライトバルブ(以下、この構造のライトバルブを空間色分離型ライトバルブと呼ぶ)を用い、扇状に配置された4枚のダイクロイックミラー或いはホログラム素子等の色光分離系によって光源光から射出方向の異なる複数の色光を生成し、サブ画素毎に異なる色光を入射させて、カラーの投射画像を形成するプロジェクタ。カラーフィルタを用いずに色光を生成するため、時分割型プロジェクタや並置画素配列型プロジェクタに比べて光利用効率が比較的高く、投射画像の高輝度化を比較的実現し易い。また、1つのライトバルブでカラーの投射画像を形成できるため、プロジェクタ装置の小型化を図り易い。しかし、色光分離系で分離された色光は、マイクロレンズでの集光(最大集光角α)と色光分離系での方向分離(分離角β)によって広い角度分布を有する発散光(最大発散角度はα+β)となってライトバルブから射出されるため、発散時の光束径を包含できる大口径の投射レンズが必要となる等の問題がある。
以上のように、従来の方式にはそれぞれ一長一短があり、投射画像の高輝度化、投射画像の高精細化、プロジェクタ装置の小型化、プロジェクタ装置の低コスト化等を同時に実現することは難しい。しかし、(4)に示した空間画素配列型プロジェクタは、(2),(3)に示した並置画素配列型プロジェクタや時分割型プロジェクタに比べて光利用効率が高く、又、(1)に示した面分割型プロジェクタに比べて構成が簡単になるため、これらの中では最も有望な方式といえる。
しかしながら、この空間画素配列型プロジェクタでは、原理的には装置の小型化、高輝度化を実現できるものの、実際には、思った程の効果が得られないことが本発明者の検討によりわかってきた。その理由は、従来の空間画素配列型プロジェクタでは、投射画像とライトバルブの表示領域とは相似関係に設定されているため、マイクロレンズによって集光された光束の断面形状(集光像の形状)に対して、各サブ画素(絵素としての画素を構成する構成単位)の開口部の形状は必ずしも理想的な形状には設定されておらず(ライトバルブの表示領域の形状が最初に決まっているため、開口部の形状を自在に設定することができない)、ライトバルブの寸法を基準に考えた場合の照明効率は必ずしも高くならないことによる。つまり、従来のプロジェクタでは、図14(a)に示すように、投射系の構成のし易さを考慮して、投射画像に対してライトバルブの表示領域は相似形に設定されているため、1つのマイクロレンズに対して配置される複数のサブ画素は、それぞれ図14(b)に示すような縦横の比率の大きな細長い形状となる。このため、マイクロレンズによってそれぞれのサブ画素に光を集光させた場合に、各サブ画素の長辺方向には光の入射しない無駄な空間が多くできてしまう。また、サブ画素の短辺方向には狭い間隔でサブ画素が配置されるため、色光と対応するサブ画素とは異なる両隣のサブ画素にも色光が入射して混色を生じ、画質低下を生じ易い。
なお、ここでは特に4つの色光を用いた場合を例に挙げて説明したが、上記の課題は、このような構成に限らず、3つ或いは5つ以上の色光を用いた場合においても共通の課題である。
そこで、本発明の目的は、前述の空間画素配列型の利点を保ちつつ、小型で且つ光利用効率に優れたプロジェクタを提供することにある。特に、本発明では4種類の色光を用いて投射画像を形成することによって、従来のプロジェクタに比べて表示可能な色域を拡大することのできる、光利用効率に優れた小型のプロジェクタを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のプロジェクタは、可視光を含む光を射出する光源と、該光源から射出された光束を射出方向の異なる複数種類の色光に分離する色分離光学系と、該色分離光学系で分離された前記複数種類の色光を変調して第1の光学像を形成する光変調光学系と、該光変調光学系で形成された前記第1の光学像を所望のアスペクト比を有する第2の光学像に変換して投射するアナモフィック投射光学系とを備え、前記光変調光学系が、前記色分離光学系で分離された前記複数種類の色光に対応して設けられた複数のサブ画素と、分離された前記複数の色光を集光してそれぞれ対応するサブ画素に射出するマイクロレンズとを備えたライトバルブを含み、前記サブ画素が前記マイクロレンズによって当該サブ画素上に集光される前記色光を包含可能な必要且つ十分な形状に形成されていることを特徴とする。
本発明のプロジェクタでは、マイクロレンズによって形成される集光像を例えば略円形形状とした場合に、サブ画素の形状をこの集光像を概略包含可能な必要最小限の形状、例えば前記集光像に概ね外接又は内接するような略正方形の形状とすることによって集光像とのマッチングをとる。そして、それによって生じる投射画像とライトバルブの表示領域との非相似な関係については、アナモフィック投射光学系でアスペクト変換することによって調節する。このため、光利用効率の向上とライトバルブの小型化とを両立することができる。なお、サブ画素の寸法形状はマイクロレンズによる集光像を完全に包含できる様に設定することが望ましいが、ライトバルブの小型化を重視した場合には、集光像と対応するサブ画素とは異なる(隣接する)別のサブ画素の開口部に集光像が形成されない程度の寸法形状に設定しても良い。
本発明のプロジェクタでは、互いに異なる色光に対応した複数のサブ画素が一方向に配列されており、当該複数のサブ画素の配列方向が長方形形状を有する前記投射画像の短辺方向に設定されている構成とすることができる。この構成では、ライトバルブの形状が正方形に近くなるため、光源からの照明光束とのマッチングが良くなり、ライトバルブの照明効率も向上させ易くなる。
本発明のプロジェクタでは、前記ライトバルブが液晶装置からなり、前記光源と前記光変調光学系との間に、前記光源から射出された非偏光な光を偏光方向が揃った光に変換するための偏光変換光学系を備えている構成とすることができる。具体的には、前記偏光変換光学系が、前記非偏光な光に含まれる2種類の偏光光束を空間的に分離する偏光分離素子と、該偏光分離素子によって分離された一方の偏光光束の偏光方向を他方の偏光光束の偏光方向に揃える偏光変換素子とを備えているものとすることができる。
こうすることで、光利用効率を大幅に向上でき、投射画像の一層の高輝度化を実現することができる。
本発明のプロジェクタでは、同じ色光に対応した複数のサブ画素が一方向に配列されており、当該複数のサブ画素の配列方向が前記偏光分離素子による偏光分離方向と平行な方向に設定されている構成とすることができる。
PBS(偏光ビームスプリッタ)等のように空間的な偏光分離を伴う偏光変換光学系では、一般に偏光分離方向に照明光の角度分布が広がってしまい、集光像もこの偏光分離方向に広がった楕円形状となる。このため、偏光分離方向を、前述の同じ色光に対応する複数のサブ画素の配列方向と直交する方向(即ち、互いに異なる色光に対応した複数のサブ画素が配列される方向)に設定すると、隣接するサブ画素の間で混色が発生してしまう。これに対して偏光分離方向を本発明の構成のように設定した場合には、仮に集光像が楕円に広がったとしても、隣接するサブ画素同士は同じ色光に対応しているので、両者の間で混色が生じることはなく、画質低下を生じることは殆ど無い。
本発明のプロジェクタでは、前記偏光変換光学系から射出される偏光方向が揃った光はS偏光光である構成とすることができる。
このように偏光変換光学系から射出される光をS偏光光とすることによって、色分離光学系の色分離面(例えばダイクロイック面)での反射率を高めることができ、光利用効率を向上させて投射画像の一層の高輝度化を実現することができる。
本発明のプロジェクタでは、サブ画素或いは該サブ画素の開口部形状は照明光の角度分布が広がった方向に長辺を有する矩形形状である構成とすることができる。角度分布が一方向に広がった照明光をマイクロレンズで集光した場合、形成される集光像の形状は楕円形状となるため、この様な形状のサブ画素或いは該サブ画素の開口部とすれば、集光像を効率よくライトバルブに入射させることができ、ライトバルブにおける光利用効率を向上できる。
本発明のプロジェクタでは、ライトバルブの表示領域の形状を略正方形状とすることが望ましい。一般的に軸対称性の高い光束で正方形の様な軸対称性の高い物体を照明する場合には高い照明効率を得やすいことから、この様な形状のライトバルブとすれば、光源からの照明光束とライトバルブの形状とのマッチングが良くなり、ライトバルブに対する照明効率も向上させ易くなる。上述したように照明光の角度分布の広がりに対応させてサブ画素或いは該サブ画素の開口部形状を細長い矩形形状とする場合には、サブ画素或いは該サブ画素の開口部形状を適当に設定することにより、ライトバルブの表示領域の形状が正方形に近づくように設定することができ、効果的である。
本発明のプロジェクタでは、前記色分離光学系が前記光源から射出された光束を3種類の色光に分離可能に構成されており、前記光変調光学系が前記色分離光学系で分離された3種類の色光を変調するライトバルブを備えている構成とすることができる。
本構成では、ライトバルブの表示領域の形状を投射画像の形状ではなく、マイクロレンズによって形成される集光像の寸法形状に基づいて設定するため、3つの色光を変調してカラー画像を表示する従来の空間画素配列型プロジェクタに比べて、光利用効率を高めつつライトバルブの小型化を実現することができる。
本発明のプロジェクタでは、前記色分離光学系が前記光源から射出された光束を4種類の色光に分離可能に構成されており、前記光変調光学系が、前記色分離光学系で分離された4種類の色光のうちいずれ2種類の色光を変調する第1のライトバルブと、他の2種類の色光を変調する第2のライトバルブとを備え、前記光変調光学系と前記アナモフィック投射光学系との間に、前記第1のライトバルブ及び第2のライトバルブによって変調された4種類の色光を合成する色合成光学系を備えている構成とすることができる。
ここで、色分離光学系としては、光源から射出された光束を2種類の色光に分離する第1の色分離光学素子と、該第1の色分離光学素子により分離された色光のうちのいずれか一方の色光を更に2種類の色光に分離する第2の色分離光学素子と、前記第1の色分離光学素子により分離された他方の色光を更に2種類の色光に分離する第3の色分離光学素子とを備えた光学系を採用することができる。そして、第1乃至第3の色分離光学素子及び色合成光学系としては、ダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムを用いることができる。
本構成では、2種類の色光を独立に変調可能なライトバルブを2つ使って4種類の色光を独立に変調しているので、従来の3色の色光を変調するタイプのプロジェクタに比べて色表現域の広い投射画像を形成することができる。また、2種類の色光を1つのライトバルブで変調するため、4種類の色光を独立して変調するにも拘わらず、必要となる液晶装置の数は2つでよい。このため、従来の3板式のプロジェクタに比べて装置の小型化、軽量化、低コスト化を実現し易く、又、2つの液晶装置を用いるので、単板式のものに比べて高精細化を実現し易い。本発明のライトバルブは、2種類の色光を独立して変調する互いに隣接した2種類のサブ画素をマトリクス状に備え、その2種類のサブ画素に集光して光を入射させるためのマイクロレンズを入射側にアレイ状に備えた構成を有しており、いわゆる空間画素配列型と呼称されるライトバルブである。本構成のプロジェクタでは、このライトバルブに対して色分離光学素子で予め進行方向が分離(方向分離)された2種類の色光を入射させ、サブ画素毎に独立して変調するため、色生成に際してカラーフィルタ等を用いる必要がなく、高い光利用効率を実現することができる。したがって、投射画像の高輝度化と色表現域の拡大とを両立することができる。さらに、本構成ではそれぞれ異なる色光に対応した2種類のサブ画素が1つのライトバルブに配置されるため、最終的な投射画像の縦横比が例えば9:16のように1:2に近い形状である場合には、ライトバルブの表示領域の形状を略正方形とすることができる。つまり、本発明では、前述のようにサブ画素の形状を、マイクロレンズによって形成される集光像を必要且つ十分に包含できるような寸法形状としているため、例えば前記集光像の形状を略円形とした場合には、サブ画素の形状は略正方形に形成されることになる。このため、前述の2種類のサブ画素を投射画像の短辺方向に配列させた場合には、ライトバルブの表示領域自体は正方形に近い形状となり、光源からの照明光束とのマッチングをとり易く、照明効率を向上させやすい。
本発明のプロジェクタでは、前記色分離光学系が前記光源から射出される光束を4種類の色光に分離可能に構成されており、前記光変調光学系が、前記色分離光学系で分離された4種類の色光のうちいずれか3種類の色光を変調する第1のライトバルブと、他の1種類の色光を変調する第2のライトバルブとを備え、前記光変調光学系と前記アナモフィック投射光学系との間に、前記第1のライトバルブ及び第2のライトバルブによって変調された4種類の色光を合成する色合成光学系を備えている構成とすることができる。この構成でも、2つのライトバルブによって4種類の色光を独立に変調しているので、色表現域が広く、小型、軽量、低コストなプロジェクタを実現することができる。なお、この場合には、前記第2のライトバルブで変調される色光が、前記光源から射出される色光のうちで最も光強度が小さい色光である構成とすることが望ましい。このようにモノクロライトバルブに光強度の小さい色光を割り当てる構成とすれば、他の色光との強度バランスがとり易くなり、表示色域の拡大に有効である。
本発明のプロジェクタでは、前記色合成光学系がダイクロイック面を備えており、該ダイクロイック面で反射して合成される色光がS偏光となり、該ダイクロイック面を透過して合成される色光がP偏光となるように、前記第1又は第2のいずれか一方のライトバルブの入射側又は射出側に、光の偏光方向を略90°回転させる偏光回転素子が設けられている構成とすることができる。
一般にダイクロイック面では、S偏光光の方がP偏光光よりも反射率が高く、P偏光光の方がS偏光光よりも透過率が高い。このような色合成光学系の色合成面(ダイクロイック面)での光合成効率(透過率と反射率)を考慮すると、反射によって合成される色光をS偏光光、透過によって合成される色光をP偏光光とすることで、高い光利用効率を実現することができる。偏光回転素子の配置場所は、2つのライトバルブの入射側であっても射出側であってもよい。配置場所は色合成光学系の色合成面の配置形態に関係するため、要するに、色合成光学系の色合成面に反射によって合成される色光がS偏光光となるように偏光回転素子を配置すればよい。ただし、プロジェクタが偏光変換光学系を備えず、且つ、ライトバルブの入射側に偏光回転素子を配置する場合には、偏光回転素子は入射側の偏光板の射出側に配置する必要がある。
本発明のプロジェクタでは、前記色分離光学系によって分離される前記複数の色光が、青色光と短波長側の緑色光と長波長側の緑色光と赤色光とであるように構成することが望ましい。ここで、前記短波長側の緑色光と前記長波長側の緑色光との境界波長は概ね515nmから540nmに設定することができる。
人間が知覚可能な色域に対して3原色光を用いた現在の表示素子で表現可能な色域は特に490nmから570nm近傍の波長でかなり狭いこと、及び、緑色光に対する人間の視覚感度が高いことを考慮すると、緑色光を2つの波長域に分離して、それぞれを独立に変調することにより、人間が知覚可能な色域に迫る広い色表現域(色域)と視聴時における高い解像度感を実現することができる。さらに、メタルハライドランプの中には490nmから570nm近傍に強い2本の輝線スペクトルを有するものがあり、このようなランプを光源として用いた場合には、2本の輝線スペクトルの間に短波長側の緑色光と長波長側の緑色光の境界波長を設定することにより、青味がかった緑色と黄色味がかった緑色とを独立に変調できるため、表示可能な色域を一層効果的に拡大することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図9を用いて本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係るプロジェクタの概略構成を示す図である。このプロジェクタ1は、可視光を含む光を射出する光源10、光源10から射出された非偏光な光を偏光方向が揃った光に変換するための偏光変換光学系70、光源10からの光を波長域が異なる4種類の色光に分離する色分離光学系20、外部からの画像情報に基づいて光変調し、色光毎に光学像(第1の光学像)を形成する光変調光学系30、形成された第1の光学像を合成して1つのカラーの光学像を形成する色合成光学系50、形成されたカラーの光学像を投射面(不図示)上に投射表示する投射光学系60を備えて大略構成されている。
光源10は、放射状に光線を射出する光源ランプ11と、光源ランプ11から放射された光線を一方向に向けて射出するリフレクタ12とを備えている。なお、光源ランプ11としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ等を、又、リフレクタ12としては、方物面リフレクタ、楕円面リフレクタ、球面リフレクタ等を使用することができる。
偏光変換光学系70は、光源10から射出された光束の照度分布を均一化するためのインテグレータ光学系としての第1のレンズアレイ(光束分割素子)71及び第2のレンズアレイ(集光光学素子)72、非偏光な光に含まれる2種類の偏光光束を空間的に分離するための偏光ビームスプリッタアレイ(偏光分離素子)73、分離された一方の偏光光束(例えばP偏光光束)を他方の偏光光束(例えばS偏光光束)に変換するための位相差板アレイ(偏光変換素子)74、重畳レンズ(重畳素子)75等を備えている。なお、ここで用いている偏光変換光学系70は、例えば特開平8−304739号公報にその詳細が開示されている公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
色分離光学系20は、第1の色分離光学素子であるダイクロイックミラー21、第2の色分離光学素子であるダイクロイックミラー22G1、反射ミラー22B、第3の色分離光学素子であるダイクロイックミラー23R、反射ミラー23G2を備えている。3種類のダイクロイックミラー21、22G1、23Rは、特定の波長域の色光を透過或いは反射させる波長選択性を備えたミラーであり、ガラス等の透明基板上に誘電体多層膜を形成することにより実現される。ダイクロイックミラー21,22G1,23Rの分光特性の一例を図2(A)〜図2(C)に示す。ここで、図2(A)はダイクロイックミラー21、図2(B)はダイクロイックミラー22G1、図2(C)はダイクロイックミラー23Rをそれぞれ示している。ここでは、図中の青色光Bとして概ね380nm〜495nmの波長域の光を、緑色光G1として概ね495nm〜525nmの波長域の光を、緑色G2として概ね525nm〜585nmの波長域の光を、赤色光Rとして概ね585nm〜780nmの波長域の光を想定しているが、これに限定されない。ただし、人間が知覚可能な色域に対して3原色光を用いた現在の表示素子で表現可能な色域は特に490nmから570nm近傍の波長域でかなり狭いこと、及び、緑色光に対する人間の視覚感度は高く、緑色光は鑑賞時の解像度感に大きな影響を及ぼすことを考慮すると、緑色光を2つの波長域に分離して、それぞれを独立に変調することが望ましい。光源ランプ11の一例としてメタルハライドランプの発光スペクトル分布を図3に示す。この光源ランプ11の場合、緑色光に対応する波長域内の505nm付近と545nm付近に強い輝線スペクトルが存在するため、505nmの輝線を含む色光を短波長側の緑色光G1(青味がかった緑色光)、545nmの輝線を含む色光を長波長側の緑色光G2(黄色味がかった緑色)とし、それら2種類の緑色光G1、G2を独立に変調することで、色表現域の拡大と視聴時における解像度感の向上を実現している。
ダイクロイックミラー21は青色光B及び短波長側の緑色光G1を透過させて赤色光R及び長波長側の緑色光G2を反射させるミラーであり、ダイクロイックミラー22G1は短波長側の緑色光G1を反射させて青色光Bを透過させるミラーであり、ダイクロイックミラー23Rは赤色光Rを反射させて長波長側の緑色光G2を透過させるミラーであるが、これに限定されない。各ダイクロイックミラーの分光特性はその配置状態や光変調光学系30における色光の入射方向の設定状態にも依存する。例えば、ダイクロイックミラー22G1は青色光Bを反射させて短波長側の緑色光G1を透過させるミラーであっても良い。ただし、光変調光学系30における色光の入射方向を図1の場合と同じとするにはダイクロイックミラー22G1と反射ミラー22Bとを、図1とは逆の方向に両者の間隔が開いていくように配置する必要がある(図1では+X方向及び+Z方向ほど両者の間隔が狭くなっている)。また、反射ミラー22Bと反射ミラー23G2は、それぞれダイクロイックミラー22G1とダイクロイックミラー23Rを透過してきた色光を所定の方向に反射させる目的で配置されるため、一般的なミラーでも良いが、反射率を高めやすいこと、特定の波長域の色光だけを選択的に反射することで照明光の色純度を高めやすいこと等の理由から、ダイクロイックミラーとする方が望ましい。
また、本実施形態では、ダイクロイックミラー21を透過した光の光路上において、光源10に近い側からダイクロイックミラー22G1、反射ミラー22Bを配置し、ダイクロイックミラー21で反射された光の光路上において、光源10に近い側からダイクロイックミラー23R、反射ミラー23G2を配置しているが、これに限定されない。例えば、ダイクロイックミラー22G1と反射ミラー22Bの前後関係は本実施形態の逆、即ち、ダイクロイックミラー21からの色光が最初に反射ミラー22Bに入射する形態としても良い(勿論、この場合には、これに対応させて反射ミラー22Bをダイクロイックミラーとする必要がある)。これらの前後関係は光源10からの色光の強度比を考慮して決めるべきものである。例えば、光強度が相対的に弱い方の色光が最初に反射されるようにダイクロイックミラーを配置すれば、色光間の強度比をバランスさせることができるため、表示可能な色域の拡大に有効である。そして、同様の理由からダイクロイックミラー23Rと反射ミラー23G2の前後関係についても本実施形態の逆としても良い。
ここで、ダイクロイックミラー23R及びダイクロイックミラー21で反射して分離される色光を、光源から射出される色光の内で最も光強度が小さい色光、或いは、その色光を含む複数の色光としている。その理由は、一般的にダイクロイックミラーでは透過率に比べて反射率を高めやすいため、最も光強度が小さい色光を反射させる形態とすれば、その色光の光損失を効果的に低減でき、他の色光の光強度を低下させることなく色バランスを取ることができるためである。これにより、光利用効率の向上と表示色域の拡大とを両立でき、色バランスに優れた明るい投射画像を実現することができる。具体的には、赤色光の損失低減を目的として、2つのダイクロイックミラー21、23Rでは赤色光Rが反射されるように設定している。本実施形態の光源ランプ11として、メタルハライドランプや高圧水銀ランプの使用を想定しているためである。同様の観点から、ダイクロイックミラー23Rを反射ミラー23G2の手前(光源10に近い側)に配置している。
ダイクロイックミラー22G1と反射ミラー22Bとは、光源10から射出された光束が互いに異なる角度で後述の第1の2色変調空間色分離型ライトバルブ31に入射するように配置されている。具体的には、XZ平面で入射光束の中心軸に対して45°をなすような仮想の軸Q1を設定し、この軸Q1を対称軸として2つのミラー22G1、22Bが互いに非平行な状態で配置されている(図1では、+X方向及び+Z方向ほど両者の間隔が狭くなっている)。したがって、ダイクロイックミラー22G1で反射された緑色光G1と反射ミラー22Bで反射された青色光Bは、XZ平面上で僅かに異なる2つの方向に分離されて射出される。同様に、ダイクロイックミラー23Rと反射ミラー23G2も、XZ平面上で入射光束の中心軸に対して45°をなすような仮想の軸Q2を設定し、この軸Q2を対称軸として互いに非平行な状態で配置されている。したがって、ダイクロイックミラー23Rで反射された赤色光Rと反射ミラー23G2で反射された緑色光G2は、XZ平面上で僅かに異なる2つの方向に分離されて射出される。なお、ダイクロイックミラー22G1と反射ミラー22B、及び、ダイクロイックミラー23Rと反射ミラー23G2の配置状態は上記のものに限定されない。図1では、+X方向及び+Z方向ほど両者の間隔が狭くなる配置状態としているが、逆に、+X方向及び+Z方向ほど両者の間隔が広くなるような配置状態としても良い。
ダイクロイックミラー22G1及び反射ミラー22Bと、ダイクロイックミラー23R及び反射ミラー23G2の各入射側には平行化レンズ80が配置されている。この位置に平行化レンズ80を配置すると、重畳レンズ75から射出された各偏光光束はその中心軸に対して集光され、略平行化された状態でダイクロイックミラー22G1,23Rに入射される。ダイクロイックミラーは分光特性に入射角度依存性を有するため、本実施形態のように平行化レンズ80を用いることが望ましい。その場合には、ダイクロイックミラー22G1,23Rに入射する光束の角度分布を狭くすることができ、第2及び第3の色分離光学素子において精度の高い色分離を行なうことが可能になる。よって、投射画像の色むらの抑制、高画質化、高輝度化を実現することができる。また、ダイクロイックミラーにおける分光特性の入射角度依存性を低減するためには、ダイクロイックミラーを面内の位置によって分光特性が異なる傾斜型とすることでも可能であり、この様なダイクロイックミラーを用いれば平行化レンズ80は不要である。勿論、平行化レンズ80と併用しても良い。なお、F値の大きい照明系、換言すれば照明角が小さい照明系の場合には平行化レンズ80を省略しても良い。
光変調光学系30は、色分離光学系20で分離された色光を変調する2つの2色変調型の空間色分離型ライトバルブ(LV)、即ち、第1の2色変調空間色分離型LV(第1のライトバルブ)31と第2の2色変調色分離型LV(第2のライトバルブ)32とを備えている。これら第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31、32は基本的に同一の構造を有しており、両者は変調する色光の違いによって区別される。本実施形態では、第1の2色変調空間色分離型LV31で青色光Bと短波長側の緑色光G1を、第2の2色変調空間色分離型LV32で赤色光Rと長波長側の緑色光G2をそれぞれ変調する。
2色変調空間色分離型LV31,32は、入射した2種類の色光を図示されない外部からの画像情報に基づいてそれぞれ独立に光変調して光学像(第1の光学像)を形成し、入射側とは反対側から変調光束を射出する透過型の液晶装置である。図4,図5にそれぞれ本実施形態の2色変調空間色分離型LVの断面構造及び平面構造を示す。図4は第1の2色変調空間色分離型LV31を例に示している。この2色変調空間色分離型LV31,32の概略構造は、1絵素(後述するように、同一の単位マイクロレンズに対応させて配置されたサブ画素の集合体を意味する)内に複数のサブ画素316A1,316A2(サブ画素とは後述するサブ画素電極によって駆動される画素を意味するため、図ではサブ画素電極と同じ符号を付す)を有する点、及びそれと対応したマイクロレンズアレイを有する点を除けば、一般的なモノクロ用液晶装置と略同じである。すなわち、2色変調空間色分離型LV31は、ガラス等で構成された2枚の透明な基板(対向基板311、TFT基板312)の間に電気光学材料であるツイスティッドネマチック(TN)液晶313が封入されてなり、対向基板311上には共通電極314及び不要光を遮光するためのブラックマトリクス315等が、又、TFT基板312上には2種類のサブ画素電極316A1,316A2とスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)317等が形成されている。サブ画素316A1,316A2はそれぞれ色分離光学系20で分離された4種類の色光のいずれかに対応しており、パネル内に配置された一組のサブ画素316A1,316A2によって1つの絵素316が形成されている。本実施形態では、第1の2色変調空間色分離型LV31のサブ画素316A1,316A2はそれぞれ短波長側の緑色光G1,青色光Bに対応しており、第2の2色変調空間色分離型LV32のサブ画素316A1,316A2はそれぞれ赤色光R,長波長側の緑色光G2に対応している。
対向基板311の入射側には複数の単位マイクロレンズ331Aをマトリクス状に備えてなるマイクロレンズアレイ331が配置されている。単位マイクロレンズ331Aは、エッチング等によりガラス板上に形成され、マイクロレンズアレイが形成されたガラス板とは異なる屈折率を有する樹脂層(接着剤)332を介して対向基板311に接着されている。マイクロレンズアレイ331は、ダイクロイックミラー22G1、反射ミラー22B、ダイクロイックミラー23R、反射ミラー23G2等で射出方向が分離された2種類の色光をそれぞれ集光し、空間的に分離した状態で対向するサブ画素316A1,316A2にそれぞれ入射させる。すなわち、Z方向に並ぶ一組のサブ画素316A1,316A2に対して1つの単位マイクロレンズ331Aが対応するようにマイクロレンズアレイ331は構成されている。そのため、一組のサブ画素316A1,316A2が並ぶ方向は、ダイクロイックミラー22G1、反射ミラー22B、ダイクロイックミラー23R、反射ミラー23G2等で色光の射出方向が分離される方向(図1のXZ平面内の方向)に設定されている。ここで、単位マイクロレンズ331AのZ方向の幅寸法は、サブ画素316A1のZ方向の幅寸法とサブ画素316A2のZ方向の幅寸法との和に略等しく、Y方向の長さ寸法は、サブ画素316A1,316A2のY方向の長さ寸法(2つのサブ画素のY方向の長さ寸法は互いに等しい)と略等しいように設定されている。
なお、サブ画素316A1のZ方向の幅寸法とサブ画素316A2のZ方向の幅寸法は略等しく設定されるが、これに限定されない。サブ画素に入射する色光の集光特性(例えば集光スポットサイズ)に合うように、両者の幅寸法を異ならせても良い。TFT基板312の光射出側及びマイクロレンズアレイ331の光入射側には、それぞれ偏光板342,341が配置されている。
ところで、光源10から射出される照明光は軸対称な角度分布を有するため、2色変調空間色分離型LV31,32のマイクロレンズ331Aによって形成される集光像(集光スポット像の断面形状)群は略円形である。このため、この断面形状を有する光束を効率よくサブ画素316A1,316A2を通過させるために、本実施形態では、図5(a)に示すように、サブ画素316A1,316A2の開口部の形状を略正方形状に設定している。また、本実施形態では、2色変調空間色分離型LV31,32がコンパクトな構成となるように、互いに異なる色光に対応するサブ画素316A1,316A2の配列方向をY方向に横長の投射画像に対して縦方向(即ち、長方形形状を有する投射画像の短辺方向(Z方向))に設定している。この構成では、略正方形状の開口部形状に由来してサブ画素自体も略正方形状であるとすると、画素(絵素)数の縦横比が9:16である2色変調空間色分離型LV31,32の場合には、それらの表示領域の寸法の縦横比は18:16と正方形に近くなる。光源10からの照明光束の断面形状は略円形であるため、正方形に近い表示領域を有する2色変調空間色分離型LV31,32を照明する場合には、高い照明効率を実現できる。
なお、本実施形態では光変調光学系30と光源10との間に偏光変換光学系70を配置しているため、偏光分離方向に照明光の角度分布がやや広がり、厳密にはマイクロレンズ331Aによって形成される集光像群もその方向にやや長い楕円形状となる。そこで、その広がりの方向に対応させて、サブ画素316A1,316A2の開口部形状をやや横長(図4でY方向に幅が広い)とし、開口部への入射効率を高めることが望ましい。上記の画素(絵素)数比の2色変調空間色分離型LV31,32の場合には、それらの表示領域の寸法の縦横比は18:18や18:20というようにやはり略正方形となるため、光源10からの照明光束の断面形状との相性が良く高い照明効率を実現しやすい。
また、集光像群が広がる方向(図4でY方向)には同じ色光に対応したサブ画素が配列し、集光像群が広がる方向と直交する方向(図4でZ方向)には異なる色光に対応したサブ画素316A1,316A2が配列する様に構成すれば、対応しない色光(例えば青色光B)がサブ画素(例えば緑色用のサブ画素316A1)に入射して混色を生じ、画質低下を生じる危険性を低減できる。したがって、偏光変換光学系などの様に照明光の角度分布を一方向に広げてしまう特性を有する光学系を照明光路に配置する場合には、角度分布の広がる方向が同じ色光に対応したサブ画素が配列する方向と一致する様に、光学系と2色変調空間色分離型LV31,32との配置関係を設定することが望ましい。
また、本実施形態では、ダイクロイックミラー22G1及び反射ミラー22Bと、ダイクロイックミラー23R及び反射ミラー23G2の各射出側(即ち、2色変調空間色分離型LV31,32の各入射側)には平行化レンズ81が配置されており、重畳レンズ75から射出された各偏光光束はその中心軸に対して集光され、略平行化した状態で第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32に入射されるようになっている。
一般に液晶パネルは表示特性に入射角度依存性を有するが、平行化レンズ81を配置することで、パネルに入射する光束の角度分布を狭くすることができ、投射画像の高画質化と高輝度化を実現することができる。また、単位マイクロレンズ331Aによる集光性が向上し、より小さな集光スポットを形成できるため、隣接する他のサブ画素に不要な色光(サブ画素に対応しない色光)が入射することによって生じる混色の発生を防止でき、色表現性に優れた滲みのないカラー画像を投射表示することができる。なお、F値の大きい照明系、換言すれば照明角が小さい照明系の場合には平行化レンズ81を省略しても良い。
また、本実施形態では偏光変換光学系70によって第1乃至第3の色分離光学素子に入射する光束をS偏光としているため、ダイクロイックミラー21,22G1,23Rでは高い反射率を実現し易い。特に、ダイクロイックミラー21,23Rでは、S偏光の赤色光を反射させる形態としており、赤色光Rの強度が相対的に小さい光源ランプ(例えば、メタルハライドランプの一部や高圧水銀ランプ)を光源に用いた場合においても、赤色光を無駄なく利用することができる。これにより、他の色光との間で強度のバランスをとり易くなり、光利用効率を低下させることなく色表現域を拡大することができる。
色合成光学系50は、図1に示すように、ダイクロイックプリズム51を備え、第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32から射出された変調後の4種類の色光を合成してカラー画像を形成する。ここで、ダイクロイックプリズム51の分光特性を図8に示す。このダイクロイックプリズム51は、略三角柱状の2つの透明な媒質によってダイクロイック面が挟持された立方体形状をなし、青色光Bと短波長側の緑色光G1を透過させ、長波長側の緑色光G2と赤色光Rを反射させる誘電体多層膜52(ダイクロイック面)が平面視正方形の対角線部分に形成されている。
なお、本実施形態では、色合成光学系50と第2の2色変調空間色分離型LV32との間(即ち、第2の2色変調空間色分離型LV32の射出側)には、偏光方向を略90°回転させる偏光回転素子40が配置されており、第2の2色変調空間色分離型LV32からの変調後のP偏光光束はS偏光光束に変換された後、色合成光学系50に入射されるようになっている。
色合成光学系50では、第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32から射出された変調後の4種類の色光を合成してカラー画像を形成する。第1の2色変調空間色分離型LV31からの色光は透過光として、又、第2の2色変調空間色分離型LV32からの色光は反射光として合成されるが、この時、第1の2色変調空間色分離型LV31からの色光はP偏光光束であり、第2の2色変調空間色分離型LV32からの色光はS偏光光束となっている。ダイクロイックミラーと同時にダイクロイックプリズム51でもS偏光の反射率を高め易いことを考慮すると、色合成光学系50においては高い効率で色光の合成を行なえるため、投射画像の高画質化と高輝度化を実現することができる。なお、偏光回転素子40の配置形態については、本実施形態に限定されない。すなわち、偏光回転素子40を第2の2色変調空間色分離型LV32の入射側に配置し、色分離光学系20からのS偏光光束をP偏光光束に変換した後、第2の2色変調空間色分離型LV32に入射させる形態としても良い。さらに、色合成光学系50の配置の仕方によっては、偏光回転素子40を第1の2色変調空間色分離型LV31の入射側或いは射出側に配置しても良い。要するに、色合成光学系50で反射光として扱われる光束は少なくともS偏光光束となるように、偏光回転素子40を適宜配置すればよい。勿論、偏光回転素子40を配置せず、2つの2色変調空間色分離型LV31,32から同じ偏光状態の光が射出される構成であっても良く、色合成光学系50では4種類の色光を合成して所望のカラー画像を形成できる。
投射光学系60は、アナモフィック投射光学系として構成されている。アナモフィック投射光学系とは、互いに垂直な断面において倍率に差を有する光学系のことであり、シネマスコープ(映画)の撮像及び投射系などで使用されている。この光学系自体は公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。投射光学系60としては、アスペクト変換用の外付けレンズとして製品化されているアナモフィックレンズを通常の投射レンズと共に用いた形態であっても良い。本実施形態では、このアナモフィック投射光学系60により、色合成光学系50で合成されたカラーの光学像を所望のアスペクト比(例えば縦横比9:16)を有する第2の光学像に変換しつつスクリーン上に拡大投射する。
次に、図7を用いて本実施形態のプロジェクタ1の作用について説明する。光学配置をわかり易くするために、図7は、図1において第1の2色変調空間色分離型LV31によって変調される青色光Bと短波長側の緑色光G1の光路に着目して示しており、この色光の光路上に配置されるダイクロイックミラー21(第1の色分離光学素子),色合成光学系50,偏光回転素子40の図示は省略している。
図7に示す本実施形態の構成において、光源10から射出された非偏光な光束は第1及び第2のレンズアレイ71,72と偏光ビームスプリッタアレイ73によって偏光方向が直交する複数のP偏光光束群と複数のS偏光光束群とに分離され、位相差板アレイ74(図1参照)によってそれらの偏光光束群の偏光方向が、例えばS偏光に揃えられて射出される。これらの偏光光束は重畳レンズ75によってその射出方向を照明対象である第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32に向けられ、色分離光学系20に入射する(最終的に各偏光光束は第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32上で重畳される)。
色分離光学系20に入射された光束は、ダイクロイックミラー21(図1参照)によって青色光B及び短波長側の緑色光G1と、赤色光R及び長波長側の緑色光G2とに分離される。ダイクロイックミラー21を透過した青色光B及び短波長側の緑色光G1は、ダイクロイックミラー22G1で青色光Bと緑色光G1とに分離された後、緑色光G1は第1の2色変調空間色分離型LV31に直接入射し、青色光Bは反射ミラー22Bを経て同じ第1の2色変調空間色分離型LV31に入射する。
ダイクロイックミラー22G1と反射ミラー22Bで射出方向を分離された緑色光G1及び青色光Bは、図4に示すように、第1の2色変調空間色分離型LV31上の単位マイクロレンズ331Aに異なる角度で入射する。この各単位マイクロレンズ331Aに入射した緑色光G1及び青色光Bは、それぞれ異なる角度で単位マイクロレンズ331Aから射出され、Z方向に並ぶ一組のサブ画素316A1,316A2の近傍に、色光毎に分かれてそれぞれ集光する。そして、緑色光G1及び青色光Bは、それぞれのサブ画素316A1,316A2によって変調された後、第1の2色変調空間色分離型LV31の光束入射端面と直交する方向(図4のX方向)に対して互いに略対称な角度で射出される。この際、本実施形態ではサブ画素316A1,316A2の形状を、マイクロレンズ331Aによって形成される集光像を必要且つ十分に包含できるような略正方形の形状としているため、高い照明効率を実現しつつ、隣接するサブ画素316A1,316A2間での混色も抑えることができる。また、サブ画素316A1,316A2の形状を略正方形状としたことで、2色変調空間色分離型LV31,32の表示領域はその寸法の縦横比が18:16のように正方形に近い形状となり、光源10からの照明光束の断面形状との相性が良く高い照明効率を実現しやすい(図5参照)。
2色変調空間色分離型LV31で形成された第1の光学像(光学像の縦横比は例えば18:16)はそれぞれアナモフィック投射光学系60によって所望のアスペクト比を有する第2の光学像(縦横比は例えば9:16)に変換されつつ拡大され、スクリーンS上に投射される。図6にスクリーンSに投射される光学像の形状を示す。この過程では、図5(b)に示す各サブ画素316A1,316A2による略正方形状の第1の光学像316D1,316D2は、図6に示すそれぞれ縦横比が1:2である長方形状の第2の光学像SD1,SD2に変換され、これに伴って、絵素316による長方形状の第1の光学像316Dは略正方形状の第2の光学像SDに変換される。このため、本実施形態では、長方形状の絵素316を有していながら、最終的にアナモフィック投射光学系60でその第1の光学像316Dをアスペクト変換することによって、略正方形状の第2の光学像SDによって形成される違和感のない投射画像を表示することができる(図6参照)。
ダイクロイックミラー21で反射された色光についても同様の経緯で光変調される。すなわち、ダイクロイックミラー21で反射された赤色光R及び長波長側の緑色光G2は、ダイクロイックミラー23Rで赤色光Rと緑色光G2とに分離された後、赤色光Rは第2の2色変調空間色分離型LV32に直接入射し、緑色光G2は反射ミラー23G2を経て同じ第2の2色変調空間色分離型LV32に入射する。ダイクロイックミラー23Rと反射ミラー23G2で射出方向を分離された赤色光R及び緑色光G2は、第2の2色変調空間色分離型LV32のそれぞれのサブ画素316A1,316A2によって変調された後、光束入射端面と直交する方向に対して互いに略対称な角度で射出される。この2色変調空間色分離型LV32から射出される光は偏光方向がP偏光に揃った光であり、この光は2色変調空間色分離型LV32の射出側に配置された偏光回転素子40(図1参照)によってS偏光に変換される。そして、2色変調空間色分離型LV32で形成された光学像(光学像の縦横比は例えば18:16)はアナモフィック投射光学系60によって縦横比が9:16になるように変換されつつ拡大され、スクリーンS上に投射される。
以上説明したように、本実施形態によれば以下のような効果がある。
まず、光変調光学系30が第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32を含んで構成されているので、4種類の色光を用いて色表現域の広い投射画像を形成することができる。プロジェクタ1の色表現域を図9に示す。本実施形態のプロジェクタ1では、特に2種類の緑色光G1,G2を独立に変調するため、従来の3原色光を用いたプロジェクタに比べて広い色表現域を実現可能であることがわかる。
前述した4種類のプロジェクタと比較した場合、カラーフィルタを用いずに色光を生成できるため、時分割型プロジェクタや並置画素配列型プロジェクタよりも高精細で明るい投射画像を形成でき、又、2色変調空間色分離型LV31,32と投射レンズ60との間の距離を短くできるため、面分割型プロジェクタよりも装置の小型化と投射画像の高輝度化を図り易い。さらに、投射レンズとして大口径の高価なレンズを用いる必要がないため、従来の4色変調空間画素配列型プロジェクタ(即ち、4つの色光を変調可能な4色変調型の空間色分離型LVを用いて投射画像を形成する単板式の空間画素配列型プロジェクタ)よりも装置の小型化と低コスト化を図り易い。すなわち、に本発明によれば、光利用効率が高く、投射画像の高輝度化、装置の小型化、低コスト化に優れたプロジェクタを実現することができる。
特に、本実施形態と類似の構造を有する液晶装置を用いた4色変調空間画素配列型プロジェクタと詳細に比較すると、サブ画素のY方向の寸法が同じであれば、従来の4色変調空間色分離型LVと比較して、第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32を使用した場合には、サブ画素316A1,316A2のZ方向(入射する色光が方向分離される方向)の寸法を2倍に大きくすることができる。そして、サブ画素316A1,316A2が大きくなれば、前段に配置される単位マイクロレンズ331Aの焦点距離を相対的に長めに設定することができるので、マイクロレンズによる最大集光角αを小さくでき、第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32から射出される光束の最大発散角α(図4参照)を従来の4色変調空間色分離型LVでの最大発散角αよりも小さくすることができる(α<α、図4参照)。さらに、従来の4色変調空間色分離型LVに対して、第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32に入射する光は2種類であるから、色分離光学系20で方向分離され、第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32に異なる角度で入射する各色光の分離角β(図4参照)も従来の4色変調空間色分離型LVの場合よりも小さくすることができる(β<β)。
したがって、従来の4色変調空間色分離型LVを用いた空間画素配列型プロジェクタに対して、本実施形態の2色変調空間色分離型LVを2つ用いたプロジェクタでは、光変調光学系30から射出される発散光の最大発散角を小さくできるので、光変調光学系30(即ち、液晶装置31,32)を高精細化していく場合にも、Fナンバーの小さな大口径で高価な投射レンズを用いる必要がなく、光利用効率を低下させずに明るく色バランスに優れたカラー画像を投射表示することができる。逆に、第1及び第2の2色変調空間色分離型LV31,32から射出される発散光の最大発散角(α+β)を4色変調空間色分離型LVの場合と同じに設定すれば、マイクロレンズの焦点距離をより短くしてサブ画素316A1,316A2に入射する光束の径をより小さくすることができるため、サブ画素への色光の入射効率を高められると共に、隣接する他のサブ画素に不要な色光が入射することによって生じる混色の発生を防止でき、色表現性に優れた滲みのないカラー画像を投射表示することができる。
また、4色変調空間色分離型LVに比べて、2色変調空間色分離型LV31,32ではサブ画素316A1,316A2の寸法を大きくできるため、光源10を含む照明光学系、投射レンズ60等との間で高い相対位置精度を確保する必要がなく、その分プロジェクタの製造が容易になる。
また、本実施形態では、マイクロレンズの集光像の形状を考慮したサブ画素形状とすることでライトバルブ(空間色分離型LV)の小型化と照明効率の向上を図る一方、それによって生じる投射画像とライトバルブの表示領域との非相似な関係については、アナモフィック投射光学系でアスペクト変換することによって調節している。このため、照明効率の向上とライトバルブ(液晶装置)の小型化とを両立することができる。特に本実施形態では、異なる色光に対応したサブ画素316A1,316A2の配列される方向を投射画像の短辺方向に設定して、ライトバルブの表示領域の形状が正方形に近くなるようにしている。一般的に軸対称性の高い光束で正方形の様な軸対称性の高い物体を照明する場合には高い照明効率を得やすいことから、本発明の構成に依れば、光源10からの(軸対称性の高い)照明光束とライトバルブの形状とのマッチングが良くなり、ライトバルブに対する照明効率も向上させ易くなる。また、本実施形態では同じ色に対応するサブ画素の配列方向を偏光変換光学系70による偏光分離方向と平行な方向に設定しているので、集光スポット像の拡大による混色への影響を低減でき、混色のない表示を実現することができる。したがって、本発明の構成に依れば光利用効率や画質を低下させることなく、相反関係にあるライトバルブの小型化と高精細化を両立させることが可能である。
なお、本実施形態ではサブ画素の形状を略正方形の形状としたが、サブ画素の形状はこれに限定されず、例えば略正六角形の形状としたり略円形の形状としたりすることも可能である。また、サブ画素の配列も本実施形態のようにストライプ配列とせずにデルタ配列等とすることもできる。
[第2の実施の形態]
次に、図10〜図13を用いて本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施形態において、前記第1の実施形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図10(a)及び図10(b)はそれぞれ本実施形態に係るプロジェクタの概略構成を示す平面図及び側面図である。このプロジェクタ2は、可視光を含む光を射出する光源10、光源10から射出された非偏光な光を偏光方向が揃った光に変換するための偏光変換光学系70、光源10からの光を波長域が異なる3種類の色光に分離する色分離光学系20、外部からの画像情報に基づいて光変調し、色光毎に光学像(第1の光学像)を形成する光変調光学系30、形成された第1の光学像を投射面(不図示)上に投射表示する投射光学系60を備えて大略構成されている。
本実施形態のプロジェクタ2は、3色変調型の空間色分離型ライトバルブ(LV)を用いた単板式の空間画素配列型プロジェクタであり、色分離光学系20が光源10からの光を赤色光(R),緑色光(G),青色光(B)の3種類の色光に分離する点、光変調光学系30がこれら赤色光(R),緑色光(G),青色光(B)の3種類の色光を変調する点、色合成光学系がない点を除いて前記第1の実施形態のプロジェクタ1と基本構造は同じである。このため、ここでは色分離光学系20及び光変調光学系30の構成についてのみ説明する。
色分離光学系20は、ダイクロイックミラー22R,22G、反射ミラー22Bを備えている。2種類のダイクロイックミラー22R,22Gは、特定の波長域の色光を透過或いは反射させる波長選択性を備えたミラーである。ダイクロイックミラー22Rは赤色光Rを反射させてその他の色光を透過させるミラーであり、ダイクロイックミラー22Gは緑色光Gを反射させてその他の色光を透過させるミラーである。反射ミラー22Bは、ダイクロイックミラー22Rとダイクロイックミラー22Gを透過してきた色光(例えば青色光B)を所定の方向に反射させる目的で配置されるため、一般的なミラーでも良いが、反射率を高めやすいこと、特定の波長域の色光だけを選択的に反射することで照明光の色純度を高めやすいこと等の理由から、ダイクロイックミラーとする方が望ましい。
ダイクロイックミラー22R,ダイクロイックミラー22G,反射ミラー22Bは、光源10から射出された光束が互いに異なる角度で後述の3色変調空間色分離型LV33に入射するように配置されている。具体的には、XZ平面で入射光束の中心軸に対して45°をなすような仮想の軸Q1を設定し、この軸Q1を対称軸として2つのミラー22R、22Bが互いに非平行な状態で配置され(図1では、+X方向及び+Z方向ほど両者の間隔が狭くなっている)、ミラー22R,22Bの間に軸Q1と平行にダイクロイックミラー22Gが配置される。したがって、ダイクロイックミラー22Rで反射された赤色光Rとダイクロイックミラー22Gで反射された緑色光Gと反射ミラー22Bで反射された青色光Bは、XZ平面上で僅かに異なる3つの方向に分離されて射出される。
光変調光学系30は、色分離光学系20で進行方向が分離された色光を変調する3色変調型の空間色分離型ライトバルブ(LV)を備えている。この3色変調空間色分離型LV33は、入射した3種類の色光を図示されない外部からの画像情報に基づいてそれぞれ独立に光変調して光学像(第1の光学像)を形成し、入射側とは反対側から変調光束を射出する透過型の液晶装置である。図11,図12にそれぞれ本実施形態の3色変調空間色分離型LVの断面構造及び平面構造を示す。この3色変調空間色分離型LV33の概略構造は、1絵素内に3つのサブ画素316A1,316A2,316A3(サブ画素とは後述するサブ画素電極によって駆動される画素を意味するため、図ではサブ画素電極と同じ符号を付す)を有する点を除けば、第1の実施形態で説明した2色変調型の空間色分離型LVと略同じであり、したがって、構造についての詳細な説明は省略する。サブ画素316A1,316A2,316A3はそれぞれ色分離光学系20で分離された3種類の色光のいずれかに対応しており、パネル内に配置された一組のサブ画素316A1,316A2,316A3によって1つの絵素316が形成されている。本実施形態では、サブ画素316A1,316A2,316A3はそれぞれ赤色光R,緑色光G,青色光Bに対応している。
マイクロレンズアレイ331は、ダイクロイックミラー22R、ダイクロイックミラー22G、反射ミラー22Bで射出方向が分離された3種類の色光をそれぞれ集光し、空間的に分離した状態で対向するサブ画素316A1,316A2,316A3にそれぞれ入射させる。すなわち、Z方向に並ぶ一組のサブ画素316A1,316A2,316A3に対して1つの単位マイクロレンズ331Aが対応するようにマイクロレンズアレイ331は構成されている。そのため、一組のサブ画素316A1,316A2が並ぶ方向は、ダイクロイックミラー22R、ダイクロイックミラー22G、反射ミラー22Bで色光の射出方向が分離される方向(図10のXZ平面内の方向)に設定されている。ここで、単位マイクロレンズ331AのZ方向の幅寸法は、サブ画素316A1のZ方向の幅寸法とサブ画素316A2のZ方向の幅寸法とサブ画素316A3のZ方向の寸法との和に略等しく、Y方向の長さ寸法は、サブ画素316A1,316A2,316A3のY方向の長さ寸法(3つのサブ画素のY方向の長さ寸法は互いに等しい)と略等しいように設定されている。なお、3つのサブ画素316A1,316A2,316A3のZ方向の幅寸法は略等しく設定されるが、これに限定されない。サブ画素に入射する色光の集光特性(例えば集光スポットサイズ)に合うように、それぞれの幅寸法を異ならせても良い。
ところで、光源10から射出される照明光は軸対称な角度分布を有するため、3色変調空間色分離型LV33のマイクロレンズ331Aによって形成される集光像(集光スポット像の断面形状)群は略円形である。このため、この断面形状を有する光束を効率よくサブ画素316A1,316A2,316A3を通過させるために、本実施形態では、図12(a)に示すように、サブ画素316A1,316A2,316A3の開口部の形状を略正方形状に設定している。また、本実施形態では、3色変調空間色分離型LV33がコンパクトな構成となるように、互いに異なる色光に対応するサブ画素316A1,316A2,316A3の配列方向をY方向に横長の投射画像に対して縦方向(即ち、長方形形状を有する投射画像の短辺方向(Z方向))に設定している。この構成では、略正方形状の開口部形状に由来してサブ画素自体も略正方形状であるとすると、画素(絵素)数の縦横比が9:16である3色変調空間色分離型LV33の場合には、それらの表示領域の寸法の縦横比は27:16と長方形状となる。
なお、本実施形態では光変調光学系30と光源10との間に偏光変換光学系70を配置しているため、偏光分離方向に照明光の角度分布がやや広がり、厳密にはマイクロレンズ331Aによって形成される集光像群もその方向にやや長い楕円形状となる。そこで、その広がりの方向に対応させて、サブ画素316A1,316A2,316A3の開口部形状をやや横長(図11でY方向に幅が広い)とし、開口部への入射効率を高めることが望ましい。この様な形状の開口部とすれば、3色変調空間色分離型LV33の表示領域の縦横比は上述の27:16の長方形状ではなく、略正方形状に近づくため、光源10からの(軸対称性の高い)照明光束とライトバルブの形状とのマッチングが良くなり、3色変調空間色分離型LV33に対する照明効率も向上させ易くなる。また、集光像群が広がる方向(図11でY方向)には同じ色光に対応したサブ画素が配列し、集光像群が広がる方向と直交する方向(図11でZ方向)には異なる色光に対応したサブ画素316A1,316A2,316A3が配列するように構成すれば、対応しない色光(例えば赤色光R及び青色光B)がサブ画素(例えば緑色用のサブ画素316A1)に入射して混色を生じ、画質低下を生じる危険性を低減できる。したがって、偏光変換光学系などの様に照明光の角度分布を一方向に広げてしまう特性を有する光学系を照明光路に配置する場合には、角度分布の広がる方向が同じ色光に対応したサブ画素が配列する方向と一致する様に、光学系と3色変調空間色分離型LV33との配置関係を設定することが望ましい。
また、本実施形態では、ダイクロイックミラー22R,22G及び反射ミラー22Bの前後に平行化レンズ80,81が配置されており、重畳レンズ75から射出された各偏光光束はその中心軸に対して集光され、略平行化した状態で色分離光学系20及び3色変調空間色分離型LV33に入射されるようになっている。これらにより、色分離光学系20での色分離精度や効率を向上させたり、3色変調空間色分離型LV33での光利用効率の向上と混色の低減(画質の向上)を図っている。
図10に示す本実施形態の構成において、光源10から射出された非偏光な光束は偏光変換光学系70によって偏光方向を例えばS偏光に揃えられ、色分離光学系20に入射する。色分離光学系20に入射された光束は、ダイクロイックミラー22Rで赤色光Rと、緑色光G及び青色光Bとに分離された後、赤色光Rは3色変調空間色分離型LV33に直接入射する。ダイクロイックミラー22Rを透過した緑色光Gと青色光Bは、ダイクロイックミラー22Gで緑色光Gと青色光Bとに分離された後、緑色光Gは3色変調空間色分離型LV33に入射し、青色光Bは反射ミラー22Bを経て3色変調空間色分離型LV33に入射する。
ダイクロイックミラー22R,22Gと反射ミラー22Bで射出方向を分離された赤色光R、緑色光G、青色光Bは、図11に示すように、3色変調空間色分離型LV33上の単位マイクロレンズ331Aに異なる角度で入射する。この各単位マイクロレンズ331Aに入射した赤色光R、緑色光G、青色光Bは、それぞれ異なる角度で単位マイクロレンズ331Aから射出され、Z方向に並ぶ一組のサブ画素316A1,316A2,316A3の近傍に、色光毎に分かれてそれぞれ集光する。そして、赤色光R、緑色光G、青色光Bは、それぞれのサブ画素316A1,316A2,316A3によって変調された後、3色変調空間色分離型LV33の光束入射端面と直交する方向(図11のX方向)に対して互いに略対称な角度で射出される。この際、本実施形態ではサブ画素316A1,316A2,316A3の形状を、マイクロレンズ331Aによって形成される集光像を必要且つ十分に包含できるような略正方形の形状としているため、高い照明効率を実現しつつ、隣接するサブ画素316A1,316A2,316A3間での混色も抑えることができる(図12参照)。
3色変調空間色分離型LV30で形成された光学像(光学像の縦横比は例えば27:16)はアナモフィック投射光学系60によって縦横比が9:16になるように変換されつつ拡大され、スクリーンS上に投射される。図13にスクリーンSに投射される光学像の形状を示す。この過程では、図12(b)に示す各サブ画素316A1,316A2,316A3による略正方形状の第1の光学像316D1,316D2,316D3は、図13に示すそれぞれ縦横比が1:3である長方形状の第2の光学像SD1,SD2,SD3に変換され、これに伴って、絵素316による長方形状の第1の光学像316Dは略正方形状の第2の光学像SDに変換される。このため、本実施形態では、長方形状の絵素316を有していながら、最終的にアナモフィック投射光学系60でその第1の光学像をアスペクト変換することによって、略正方形状の第2の光学像SDによって形成される違和感のない投射画像を表示することができる(図13参照)。
以上説明したように、本実施形態でもサブ画素の開口部の形状を、マイクロレンズ331Aによって形成される集光像を必要且つ十分に包含できるような寸法形状(具体的には略正方形形状)としているので、小型で且つ光利用効率に優れたプロジェクタを実現することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。例えば、第1の実施形態では2色変調空間色分離型LVを2枚用いて光変調を行なったが、この代わりに、第2の実施形態で説明した3色変調空間色分離型LVと一般的なモノクロLV(但し、画素形状等を3色変調空間色分離型LVに対応させておく必要がある)を用いて4種類の色光を独立して変調するようにしてもよい。この場合、3色変調空間色分離型LVとモノクロLVにおける複数の色光(波長域)の割り当て方には制約はなく、例えばモノクロLVに赤色光Rを、3色変調空間色分離型LVに短波長側の緑色光G1、長波長側の緑色光G2、青色光Bを各々割り当てたり、或いは、モノクロLVに短波長側の緑色光G1を、3色変調空間色分離型LVに赤色光R、長波長側の緑色光G2、青色光Bを各々割り当てたりすることができる。光強度が小さい色光をモノクロLVに割り当てる構成とすれば、他の色光との間で強度バランスをとり易く、表示色域の拡大に有効である。なお、3色変調空間色分離型LVとモノクロLVとの組み合わせに対応させて、色分離光学系の構成も適宜変更する必要がある点は言うまでもない。また、前記実施形態ではライトバルブをTN型の液晶装置としたが、この代わりに、強誘電型,反強誘電型,水平配向型,垂直配向型,PDLC型等の他の形態のものを用いることもできる。また、ライトバルブとしては液晶装置以外の他の電気光学装置を使用することもできる。また、用いる色光の数も前記のものに限らず、2色又は5色以上とすることも可能である。さらに、上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの概略構成を示す図。 ダイクロイックミラーの分光特性を示す図。 光源ランプの発光スペクトル分布を示す図。 ライトバルブの概略構成を示す断面図。 ライトバルブのサブ画素の形状を示す平面図。 スクリーンに投射される光学像の形状を示す図。 プロジェクタの作用を説明するための斜視図。 ダイクロイックプリズムの分光特性を示す図。 プロジェクタの色表現域を示す色度図。 本発明の第2実施形態に係るプロジェクタの概略構成を示す図。 ライトバルブの概略構成を示す断面図。 ライトバルブのサブ画素の形状を示す平面図。 スクリーンに投射される光学像の形状を示す図。 従来の空間画素配列型プロジェクタのサブ画素の形状を示す図。
符号の説明
1,2…プロジェクタ、10…光源、20…色分離光学系、21…ダイクロイックミラー(第1の色分離光学素子)、22B…反射ミラー、22G1…ダイクロイックミラー(第2の色分離光学素子)、22R…ダイクロイックミラー、23R…ダイクロイックミラー(第3の色分離光学素子)、23G2…反射ミラー、30…光変調光学系、31…第1の2色変調空間色分離型ライトバルブ(第1のライトバルブ)、32…第2の2色変調空間色分離型ライトバルブ(第2のライトバルブ)、33…3色変調空間色分離型ライトバルブ、40…偏光回転素子、50…色合成光学系、51…ダイクロイックプリズム、60…アナモフィック投射光学系、70…偏光変換光学系、73…偏光分離素子、74…位相差板アレイ(偏光変換素子)、316A1,316A2,316A3…サブ画素、316D,316D1,316D2…第1の光学像、331…マイクロレンズアレイ、331A…単位マイクロレンズ、S…スクリーン(投射面)、R…赤色光、G…緑色光、G1…短波長側の緑色光、G2…長波長側の緑色光、B…青色光、SD,SD1,SD2,SD3…第2の光学像

Claims (12)

  1. 可視光を含む光を射出する光源と、該光源から射出された光束を射出方向の異なる複数種類の色光に分離する色分離光学系と、該色分離光学系で分離された前記複数種類の色光を変調して第1の光学像を形成する光変調光学系と、該光変調光学系で形成された前記第1の光学像を所望のアスペクト比を有する第2の光学像に変換して投射するアナモフィック投射光学系とを備え、
    前記光変調光学系が、前記色分離光学系で分離された前記複数種類の色光に対応して設けられた複数のサブ画素と、分離された前記複数の色光を集光してそれぞれ対応するサブ画素に射出するマイクロレンズとを備えたライトバルブを含み、前記サブ画素が前記マイクロレンズによって当該サブ画素上に集光される前記色光を包含可能な略正方形の形状に形成されており、前記ライトバルブの表示領域の形状が略正方形の形状であることを特徴とする、プロジェクタ。
  2. 互いに異なる色光に対応した複数のサブ画素が一方向に配列されており、当該複数のサブ画素の配列方向が長方形形状を有する前記第2の光学像の短辺方向に設定されていることを特徴とする、請求項1記載のプロジェクタ。
  3. 前記ライトバルブが液晶装置からなり、前記光源と前記光変調光学系との間に、前記光源から射出された非偏光な光を偏光方向が揃った光に変換するための偏光変換光学系を備えていることを特徴とする、請求項1又は2記載のプロジェクタ。
  4. 前記偏光変換光学系が、前記非偏光な光に含まれる2種類の偏光光束を空間的に分離する偏光分離素子と、該偏光分離素子によって分離された一方の偏光光束の偏光方向を他方の偏光光束の偏光方向に揃える偏光変換素子とを備え、
    同じ色光に対応した複数のサブ画素が一方向に配列されており、当該複数のサブ画素の配列方向が前記偏光分離素子による偏光分離方向と平行な方向に設定されていることを特徴とする、請求項3記載のプロジェクタ。
  5. 前記サブ画素或いは該サブ画素の開口部形状が、照明光の角度分布が広がった方向に長辺を有する矩形形状であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの項に記載のプロジェクタ。
  6. 前記色分離光学系が前記光源から射出された光束を3種類の色光に分離可能に構成されており、前記光変調光学系が、前記色分離光学系で分離された3種類の色光を変調するライトバルブを備えていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
  7. 前記色分離光学系が前記光源から射出された光束を4種類の色光に分離可能に構成されており、前記光変調光学系が、前記色分離光学系で分離された4種類の色光のうちいずれ2種類の色光を変調する第1のライトバルブと、他の2種類の色光を変調する第2のライトバルブとを備え、前記光変調光学系と前記アナモフィック投射光学系との間に、前記第1のライトバルブ及び第2のライトバルブによって変調された4種類の色光を合成する色合成光学系を備えていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
  8. 前記色分離光学系が前記光源から射出される光束を4種類の色光に分離可能に構成されており、前記光変調光学系が、前記色分離光学系で分離された4種類の色光のうちいずれか3種類の色光を変調する第1のライトバルブと、他の1種類の色光を変調する第2のライトバルブとを備え、前記光変調光学系と前記アナモフィック投射光学系との間に、前記第1のライトバルブ及び第2のライトバルブによって変調された4種類の色光を合成する色合成光学系を備えていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
  9. 前記第2のライトバルブで変調される色光が、前記光源から射出される色光のうちで最も光強度が小さい色光であることを特徴とする、請求項8記載のプロジェクタ。
  10. 前記色合成光学系がダイクロイック面を備えており、該ダイクロイック面で反射して合成される色光がS偏光となり、該ダイクロイック面を透過して合成される色光がP偏光となるように、前記第1又は第2のいずれか一方のライトバルブの入射側又は射出側に、光の偏光方向を略90°回転させる偏光回転素子が設けられていることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
  11. 前記色分離光学系によって分離される前記複数の色光が、青色光と短波長側の緑色光と長波長側の緑色光と赤色光とであることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
  12. 前記短波長側の緑色光と前記長波長側の緑色光との境界波長が概ね515nmから540nmに設定されていることを特徴とする、請求項11記載のプロジェクタ。
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