JP4056845B2 - 透過損失測定方法、透過損失測定装置、および透過損失測定プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空管の途中にマフラー(消音器)等の被測定体を配備し、その被測定体の、例えばマフラーの場合の消音性能等を表わす透過損失を測定する透過損失測定方法、透過損失測定装置、およびコンピュータ等の情報処理装置を透過損失測定装置として動作させる透過損失測定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より中空管の途中にマフラー等の被測定体を配備し、その中空管に音を入射してその被測定体の透過損失を測定することが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
図1は、被測定体(ここではマフラーとする)の透過損失の測定系を示す図である。
【0004】
中空管20の途中にマフラー10を配備し、必要に応じてその中空管20の、マフラー10を音が透過した透過側部分22の端部に吸音材30を配備し、その中空管20の入射側部分21の入口に配備されたスピーカ等の音源40(ここではスピーカ40とする)からその中空管20の内部に音を入射する。その音を入射している途中で、入射側部分21に取り付けられた複数の音センサ(ここではマイクロホン51,52とする)と透過側部分22に取り付けられた複数のマイクロホン53,54で各取付位置x1,x2,x3,x4での音圧を測定し、それらの音圧に基づいてマフラー10の透過損失を求める。
【0005】
以下に、透過損失を求めるための算出式について説明する。尚、ここで説明する算出式の詳細については後述する。
【0006】
マフラー10に入射する音波のパワーWI,マフラーを透過して出て行くパワーをWTとしたとき
WI=SIII
WT=STIT
で表される。ここで、SI,STは、それぞれ、入射側、透過側の中空管20の断面積を表わし、II,ITは、それぞれマフラーへの入射波、透過波の音の強度を表わす。
【0007】
マフラー10の透過損失TLは、
【0008】
【数1】
【0009】
で定義される。
【0010】
この定義に従うならば、中空管の中に混在する前進波と後退波の、個々の強度、もしくは、音圧の自己スペクトル密度を分離して抽出する必要がある。その要求に応える1つの方法が、連立方程式、
【0011】
【数2】
【0012】
の解を求めることで与えられる。すなわち、この解から、前進波自身と後退波自身の自己スペクトル密度が、R++、R--として求められる。ここに、Smn(ω)、
【0013】
【数3】
【0014】
は、xmでの(前進波と後退波が混在した状態での)音圧とxnでの同種の音圧との相互スペクトル密度である。また、(2)の係数行列には、中空管の中の減衰効果は、従来報告されているものには、含まれていない。この減衰効果は、管の内径に依っては無視出来なくなる。音響等の中の減衰効果自体については、実験式を求めた例があるが(例えば非特許文献2参照)、その減衰効果を(2)の係数行列に含めた例はない。
【0015】
また、(2)の右辺は、音圧の自己、相互スペクトル密度であるが、これらが、実際得られるアンプ出力の自己、相互スペクトル密度から、どのようにして計算されるかについては、明記されていない。無論、マイクロホンからアンプ出力に至る絶対感度が判っていれば、この問題の解は自明である。しかし、絶対感度が判らず、感度比のみが与えられた時の校正アルゴリズムは、従来、未解決である。
【0016】
次にマイクロホンの感度比について説明する。
【0017】
マイクロホンで音圧を測定したとき、正確な音圧を測定できるのはそのマイクロホンの絶対感度がが判っているときに限られる。ところがマイクロホンの絶対感度の測定は、極めて厳密な設備を用いて精密な測定をする必要があり、マイクロホンの絶対感度は気軽に測定できるたぐいのものではない。これに対し、2つのマイクロホンの感度比は比較的容易に求めることができる。その求め方は、ISO10534−2に明記されている。すなわち、そこに明記されているのは2本のマイクロホンの感度比を中空管を用いて測定する方法であり、中空管に2つのマイクロホン取り付け穴をあけ、2つのマイクロホンを、ある配置と、それらを交換した配置に取り付け、2つのマイクロホンの出力比を、それら2つのケースについて求め、その比から、2本のマイクロホンの感度比(マイクロホンのセンサ部分からアンプ出力に至るゲインの比)を算出する方法である。
【0018】
【非特許文献1】
A. F. Seybert and D. F. Ross, "Experimental determination of acoustic properties using a two−microphone randome−excitation technique", J. Acoust. Soc. Am. vol.61, 1362−1370(1977)
【非特許文献2】
須山栄蔵、平田 賢、“管内平面波の減衰定数”、日本音響学会誌 35, 152(1979)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、マイクロホン等の音センサの絶対感度を知ることなく感度比を知ることによって被測定体の透過損失を測定する透過損失測定方法、透過損失測定装置、および透過損失測定プログラムを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の透過損失測定方法は、途中に透過損失測定用の被測定体が配備され終端部に無反射端処理が施された中空管に音を入射して該被測定体の透過損失を測定する透過損失測定方法において、
上記中空管の、被測定体への音の入射側部分の音圧測定用の複数の第1の音センサどうしの感度比と、その中空管の、被測定体からの音の透過側部分の音圧測定用の複数の第2の音センサどうしの感度比と、上記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサと上記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサとの間の感度比とを計測する感度比計測ステップと、
上記中空管の途中に被測定体が配備されるとともに、その中空管の入射側部分の、その中空管の軸方向相互に異なる位置に上記複数の第1の音センサが取り付けられ、さらにその中空管の透過側部分の、その中空管の軸方向相互に異なる位置に上記複数の第2の音センサが取り付けられた状態においてその中空管に音を入射しながら、上記複数の第1の音センサのそれぞれおよび上記複数の第2の音センサのそれぞれでセンサ出力値を得るセンサ出力値取得ステップと、
上記複数の第1の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する入射側センサ出力値スペクトル算出ステップと、
上記入射側センサ出力値スペクトル算出ステップで算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、上記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度を第1の基準スペクトル密度としたときのその第1の基準スペクトル密度と、その代表の第1の音センサを除く他の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、第1の基準スペクトル密度と、複数の第1の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する入射側規格化音圧スペクトル算出ステップと、
上記入射側規格化音圧スペクトル比算出ステップで得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、上記第1の基準スペクトル密度と、上記入射側部分を被測定体に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度との比からなる入射側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップと、
上記複数の第2の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、それら各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する透過側センサ出力値スペクトル算出ステップと、
上記透過側センサ出力値スペクトル算出ステップで算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、上記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度を第2の基準スペクトル密度としたときのその第2の基準スペクトル密度と、その代表の第2の音センサを除く他の第2の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、その第2の基準スペクトル密度と、それら複数の第2の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する透過側規格化音圧スペクトル算出ステップと、
上記透過側規格化音圧スペクトル算出ステップで得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、上記第2の基準スペクトル密度に対する、上記透過側部分を被測定体から離れる方向に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度の比からなる透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップと、
上記入射側センサ出力値スペクトル算出ステップで得られた複数の第1の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第1の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度と、上記透過側センサ出力値スペクトル算出ステップで得られた複数の第2の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第2の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度とに基づいて、代表の第1の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度と代表の第2の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度との比からなる自己スペクトル密度比を算出する自己スペクトル密度比算出ステップと、
上記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップで算出された入射側前進波規格化自己スペクトル密度、上記透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップで算出された透過側前進波規格化自己スペクトル密度、および上記自己スペクトル密度比算出ステップで算出された自己スペクトル密度比とに基づいて、被測定体の透過損失を算出する透過損失算出ステップとを有することを特徴とする。
【0021】
ここで、上記本発明の透過損失測定方法において、上記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップおよび上記透過側前進波規格化自己スペクトル算出ステップは、中空管内を伝播する音の減衰項を含む複素伝播定数を含む係数群を含む算出式に基づいて、それぞれ、入射側前進波規格化自己スペクトル密度および透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出するステップであることが好ましい。
【0022】
また、上記目的を達成する本発明の透過損失測定装置は、途中に透過損失測定用の被測定体が配備され終端部に無反射端処理が施された中空管に音を入射して被測定体の透過損失を測定する透過損失測定装置において、
上記中空管の、被測定体への音の入射側部分の音圧測定用の複数の第1の音センサどうしの感度比と、その中空管の、被測定体からの音の透過側部分の音圧測定用の複数の第2の音センサどうしの感度比と、上記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサと上記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサとの間の感度比とを記憶する感度比記憶部と、
上記中空管の途中に被測定体が配備されるとともに、その中空管の入射側部分の、その中空管の軸方向相互に異なる位置に上記複数の第1の音センサが取り付けられ、さらにその中空管の透過側部分の、その中空管の軸方向相互に異なる位置に上記複数の第2の音センサが取り付けられた状態においてその中空管に音を入射したときの上記複数の第1の音センサのそれぞれおよび上記複数の第2の音センサのそれぞれで得られた各センサ出力値を取得するセンサ出力値取得部と、上記複数の第1の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、それら各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する入射側センサ出力値スペクトル算出部と、
上記入射側センサ出力値スペクトル算出部で算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、上記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度を第1の基準スペクトル密度としたときのその第1の基準スペクトル密度と、その代表の第1の音センサを除く他の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、その第1の基準スペクトル密度と、それら複数の第1の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する入射側規格化音圧スペクトル算出部と、
上記入射側規格化音圧スペクトル算出部で得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、上記第1の基準スペクトル密度と、上記入射側部分を被測定体に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度との比からなる入射側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部と、
上記複数の第2の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、それら各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する透過側センサ出力値スペクトル算出部と、
上記透過側センサ出力値スペクトル算出部で算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、上記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサの取付位置での音圧のスペクトル密度を第2の基準スペクトル密度としたときのその第2の基準スペクトル密度と、その代表の第2の音センサを除く他の第2の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、その第2の基準スペクトル密度と、それら複数の第2の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する透過側規格化音圧スペクトル算出部と、
上記透過側規格化音圧スペクトル算出部で得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、上記第2の基準スペクトル密度に対する、上記透過側部分を被測定体から離れる方向に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度の比からなる透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出部と、
上記入射側センサ出力値スペクトル算出部で得られた複数の第1の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第1の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度と、上記透過側センサ出力値スペクトル算出部で得られた複数の第2の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第2の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度とに基づいて、代表の第1の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度と代表の第2の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度との比からなる自己スペクトル密度比を算出する自己スペクトル密度比算出部と、
上記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部で算出された入射側前進波規格化自己スペクトル密度、上記透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出部で算出された透過側前進波規格化自己スペクトル密度、および上記自己スペクトル密度比算出部で算出された自己スペクトル密度比とに基づいて、被測定体の透過損失を算出する透過損失算出部とを備えたことを特徴とする。
【0023】
ここで、上記本発明の透過損失測定装置において、上記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部および上記透過側前進波規格化自己スペクトル算出部は、上記中空管内を伝播する音の減衰項を含む複素伝播定数を含む係数群を含む算出式に基づいて、それぞれ、入射側前進波規格化自己スペクトル密度および透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出するものであることが好ましい。
【0024】
さらに、上記目的を達成する本発明の透過損失測定プログラムは、プログラムを実行する情報処理装置内で実行され、その情報処理装置を、途中に透過損失測定用の被測定体が配備され終端部に無反射端処理が施された中空管に音を入射して被測定体の透過損失を測定する透過損失測定装置として動作させる透過損失測定プログラムであって、
上記情報処理装置を、
上記中空管の、被測定体への音の入射側部分の音圧測定用の複数の第1の音センサどうしの感度比と、その中空管の、被測定体からの音の透過側部分の音圧測定用の複数の第2の音センサどうしの感度比と、上記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサと上記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサとの間の感度比とを記憶する感度比記憶部と、
上記中空管の途中に被測定体が配備されるとともに、その中空管の入射側部分の、その中空管の軸方向相互に異なる位置に上記複数の第1の音センサが取り付けられ、さらにその中空管の透過側部分の、その中空管の軸方向相互に異なる位置に上記複数の第2の音センサが取り付けられた状態においてその中空管に音を入射したときの上記複数の第1の音センサのそれぞれおよび上記複数の第2の音センサのそれぞれで得られた各センサ出力値を取得するセンサ出力値取得部と、上記複数の第1の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、それら各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する入射側センサ出力値スペクトル算出部と、
上記入射側センサ出力値スペクトル算出部で算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、上記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度を第1の基準スペクトル密度としたときのその第1の基準スペクトル密度と、その代表の第1の音センサを除く他の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、およびその第1の基準スペクトル密度と、それら複数の第1の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する入射側規格化音圧スペクトル算出部と、
上記入射側規格化音圧スペクトル算出ステップで得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、上記第1の基準スペクトル密度と、上記入射側部分を被測定体に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度との比からなる入射側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部と、
上記複数の第2の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、それら各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する透過側センサ出力値スペクトル算出部と、
上記透過側センサ出力値スペクトル算出部で算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、上記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサの取付位置での音圧のスペクトル密度を第2の基準スペクトル密度としたときのその第2の基準スペクトル密度と、その代表の第2の音センサを除く他の第2の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、その第2の基準スペクトル密度と、それら複数の第2の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する透過側規格化音圧スペクト算出部と、
上記透過側規格化音圧スペクトル比算出部で得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、上記第2の基準スペクトル密度に対する、上記透過側部分を被測定体から離れる方向に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度の比からなる透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出部と、
上記入射側センサ出力値スペクトル算出部で得られた上記複数の第1の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第1の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度と、上記透過側センサ出力値スペクトル算出部で得られた上記複数の第2の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第2の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度とに基づいて、上記代表の第1の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度と上記代表の第2の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度との比からなる自己スペクトル密度比を算出する自己スペクトル密度比算出部と、
上記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部で算出された入射側前進波規格化自己スペクトル密度、上記透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出部で算出された透過側前進波規格化自己スペクトル密度、および上記自己スペクトル密度比算出ステップで算出された自己スペクトル密度比とに基づいて、被測定体の透過損失を算出する透過損失算出部とを備えた透過損失測定装置として動作させることを特徴とする。
【0025】
ここで、上記本発明の透過損失測定プログラムにおいて、上記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部および上記透過側前進波規格化自己スペクトル算出部は、上記中空管内を伝播する音の減衰項を含む複素伝播定数を含む係数群を含む算出式に基づいて、それぞれ、入射側前進波規格化自己スペクトル密度および透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出するものであることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下では、先ず本発明に関する理論的考察について説明し、その後本発明の実施形態について説明する。尚、以下の説明では、必要に応じて図1を参照する。
<1> はじめに
ここでは、終端部に吸音材などを用いて無反射端処理が施された中空管を用いたマフラーの透過損失の実験的推定方法について、その原理をまとめておく。条件として、入射側、透過側で、2点づつ、計4点での音圧が同期して計測出来るものとする。この時には、各マイクロホンからアンプの出力に至る特性の違いをキャンセルした形で、透過損失を推定出来ることを示す。
<2> マフラーの透過損失
透過損失TL(Transmission Loss)は、時間依存性を、exp(jω・t)とすると、角周波数ωの成分に対しては、
【0027】
【数4】
【0028】
で定義される。ただし、WI=SIIIはマフラーに入射する音波のパワーを、WT=STITは、マフラーを透過し、出て行くパワーを表すものとする。ここで、中空管の透過側の終端部には無反射端処理が施されており、透過側出口からの反射波は無いものとする。またSI、STは、それぞれ、入射側、透過側の、中空管の断面積を、II、ITは、それぞれ、入射波、透過波の音の強度を表すものとする。音の強度に関しては(伝播に於いて、減衰を伴う場合の音の強度に対する厳密な式は、未だ判っていないので、減衰無しの時と同じ式が成り立つものとすると、)音波.(.は入射波I、透過波Tを代表的に表わしたものである)に対する音の強度は、
【0029】
【数5】
【0030】
で与えられる。ここに、ρ0は流体の平衡状態での密度、c0は微小振幅音波に対する音速、ζ.は特性インピーダンス密度、P.は音圧の複素振幅、U.は粒子速度(体積速度ではない)の複素振幅である。式(4)に式(5)を入れると、
【0031】
【数6】
【0032】
となる。もし、音波として、定常確率過程と見做し得るようなランダム波を考えるならば、(6)は、
【0033】
【数7】
【0034】
と書ける。ここに、S.PP(ω)は、音波P.のスペクトル密度である。更に、入射側、透過側の中空管が同じ太さであるならば、式(7)は、
【0035】
【数8】
【0036】
のように簡単化出来る。以上から、どの式を使うにせよ、入射波自身、透過波自身のスペクトル密度が必要になることが判る。次節以降では、このスペクトル密度を、実験的に求める方法について述べていく。
<3> 2点での音圧の自己、相互スペクトルと入射波と反射波の自己、相互スペクトルとの関係
今、中空管中の音波を、定常確率過程の音波とし、
【0037】
【数9】
【0038】
で表す。ここに、dP+(ω)、dP-(ω)は、それぞれ、前進波、後退波を表す。また、
【0039】
【数10】
【0040】
は、複素伝播定数である。式(9)より、角周波数ωの成分に対しては、
【0041】
【数11】
【0042】
を得る。観測点を、xm、xnとすると、
【0043】
【数12】
【0044】
となる。ここで(当分、音圧間の自己、相互スペクトルを問題にするので、Smm PPなどの上付き添え字“PP”は省略することにして、)スペクトル測度、あるいは、スペクトル密度の定義式、
【0045】
【数13】
【0046】
を用いると(最後の等号はスペクトル密度が存在するとしての話だが、)スペクトル密度が存在する場合には、観測点xm、xnでの音圧に対する(相互)スペクトル密度は、
【0047】
【数14】
【0048】
となる。更に、この式を、実部、虚部に分けて書くと、
【0049】
【数15】
【0050】
となる。特に、自己スペクトルは、
【0051】
【数16】
【0052】
となる。
【0053】
式(15)、式(16)から、R++、R--、R+-、I+-を未知数と考えるならば、なんらかの方法で、Smm、Snn、Smn=Rmn+jImnを推定し、連立方程式を解けば、R++、R--、R+-、I+-の値は判ることになる。すなわち、つぎの連立方程式を解けば良い。
【0054】
【数17】
【0055】
あるいは、後に述べる理由から、R++/Smm、R--/Smm、R+-/Smm、I+-/Smmを未知数と考え、
【0056】
【数18】
【0057】
を解いても良い。ここに出てきた係数行列は、
【0058】
【数19】
【0059】
と略記すると、式(15)、(16)から、次式で与えられる。
【0060】
【数20】
【0061】
である。この式で、伝播定数の虚数部(減衰定数)をゼロにしたものが、前掲の非特許文献1で流速をゼロにしたものに一致することになる。
【0062】
なお、伝播定数の実部、虚部については、前掲の非特許文献2の近似式を用いるというのも、ひとつの実用的な方法である。この近似式については後述する。
<4> マイクロホン、アンプ系の機差をキャンセルする透過損失の推定方法
前節までに述べたことは、センサーからAD変換器までの特性が全て判っているか、全て同じというような理想状態の話である。実際は、これらは全て異なり、然も、未知の状態である。そこで、本節では、これらの影響をキャンセルした形で、透過損失を推定する方法について述べることにする。
【0063】
今、i番目のセンサー(アンプなどを全て込みの状態を考えておくが)を用いて、xmでの音圧を測った時の電圧出力をVm (i)とする。すなわち、
Vm (i)=G(i)Pm ……(20)
である。ここで、Pm=P(xm,ω)は、観測点xmでの音圧の複素振幅である。ここでも、時間依存性はexp(jω・t)とし、省略した。この時、観測点xm、xnでの音圧の間には、微小振幅音波の場合、
Pn=HnmPm ……(21)
なる線型関係が成り立つ。この伝達関数Hnm(ω)は、次のようにして推定される。
【0064】
【数21】
【0065】
【数22】
【0066】
より、(次の式(23)は、今回は用いないが、形式的に書いておく)
【0067】
【数23】
【0068】
として、音圧伝達関数が推定される。また、ゲイン比G(j)/G(i)は、
【0069】
【数24】
【0070】
として推定される。このゲイン比は、マイクの感度校正として、計測とは切り離して、あらかじめ、測定しておいても良い。
【0071】
さて、m=1、n=2として、センサーの特性を考慮に入れると、実験的に直接得られるものは、前節で出て来た音圧スペクトル密度に相当するS11、S22、S12=R12+jI12ではなく、電圧スペクトル密度、
【0072】
【数25】
【0073】
【数26】
【0074】
【数27】
【0075】
である。音圧スペクトル密度そのものではなく、その比は、式(25a)〜(25b)から、次のようにして与えられる。
【0076】
【数28】
【0077】
【数29】
【0078】
これら式(26)、(27)を式(18)に入れて解けばR++/S11、R--/S11、R+-/S11、I+-/S11が求まることになる。すなわち、入射側でのSI PP/S11(=R++/S11)が求まったことになる。
【0079】
以上は、入射側の話であったが、透過側については、m=3、n=4として、同様のことを考えれば、ST PP/S33(=R++/S33)が得られることになる。
【0080】
更に、m=1、n=3とすると、
【0081】
【数30】
【0082】
を得る。従って、最終的に求めたい量は、
【0083】
【数31】
【0084】
で与えられることになる。この値を式(7)、もしくは、式(8)に入れれば、透過損失が求まることになる。
【0085】
以上の議論では、m=1を入射側の基準、n=3を透過側の基準としたが、この基準の取り方には、任意性が許される。すなわち、入射側の基準は、m=1、m=2のどちらかで良く、透過側の基準はn=3、n=4のどちらかであれば良い。それに応じて、上に述べたことと、ほとんど、同様の議論が可能となる。
<5> 非特許文献2における管内平面波の減衰定数の実用式について
ここでは、前掲の式(10)、すなわち、
【0086】
【数32】
【0087】
に出て来た複素伝播定数の実用式について、まとめておく。
【0088】
次元を1次元とした時の、損失を含む音波に対する近似的な運動方程式、圧縮の式は、それぞれ、
【0089】
【数33】
【0090】
【数34】
【0091】
で与えられる。ただし、時間依存性を、exp(jω・t)とし省略した。また、後で多次元に拡張することも考え、偏微分の記号は温存した。上式で、ωは角周波数、uは粒子速度の断面内平均値、pは音圧の断面内平均値である。また、ρ0は平衡状態での密度、σc(ω)は抵抗係数、ρ*(ω)は等価(複素)密度、K*(ω)は等価(複素)体積弾性率であり、
【0092】
【数35】
【0093】
【数36】
【0094】
という形をしている。剛壁パイプ中の音波の場合、等価密度は、主に、流体の粘性により、また、等価体積弾性率は、主に、熱伝導によって、複素数の形になる。これらを用いると、複素伝播定数、特性インピーダンス密度は、それぞれ、
【0095】
【数37】
【0096】
【数38】
【0097】
で与えられる。式(32)、(33)を式(34)、(35)に入れると、伝播定数、特性インピーダンス密度の実部、虚部を具体的に表すことが出来る。ただし、その式は、かなり複雑になる。非特許文献2では、KI≡0とし、然も、強制的にζ≡1とした式が記載されている。ちなみに、KI≡0だけを仮定すると、次のような結果を得る。
【0098】
【数39】
【0099】
【数40】
【0100】
【数41】
【0101】
【数42】
【0102】
従って、たとえ、KI=0としても、特性インピーダンス密度ζ=r+jxは1ではないことが判る。
【0103】
以上は比較的一般的な話であるが、非特許文献2では、前述したように、強制的にζ≡1とし、また、伝播定数については、次のような実用式を提案している。
【0104】
【数43】
【0105】
【数44】
【0106】
ただし、式(40)中の定数については、幾つかの値が示されているが、大まかには、
【0107】
【数45】
【0108】
で良いとしている。また、
【0109】
【数46】
【0110】
は波長、
【0111】
【数47】
【0112】
はレイノルズ数である。ただし、D=2aは管径、ν=μ/ρ0は流体の動粘性である。
【0113】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0114】
図2は、本発明の透過損失測定方法の一実施形態に示すフローチャートである。
【0115】
図2は、本発明の透過損失測定方法の一実施形態を示すフローチャートである。ここでは、前掲の式を同一の式を必要に応じて、再度示しながら説明する。
【0116】
この図2に示す透過損失測定方法は、図1に示すように、途中に透過損失測定用のマフラー10が配備され終端部に無反射端処理が施された中空管20に音を入射してそのマフラー10の透過損失を測定する透過損失測定方法である。
【0117】
本実施形態では、感度比計測ステップ(ステップa)では、音センサの感度比が以下のようにして、求められる。
【0118】
今、i番目のマイクロホン(アンプなどを全て込みの状態を考える)を用いて、xmでの音圧を測った時の電圧出力をVm (i)とする。ここでは、図1に示す各マイクロホン51,52,53,54がそれぞれi=1,2,3,4番目のマイクロホンである。すなわち、
Vm (i)=G(i)Pm ……(20)
である。
【0119】
i=2、j=1、m=1、n=2として、図1に示す2つのマイクロホン51,52を交換してマイクロホン出力値を得る(以下、これを「マイク交換」と称する)により、
【0120】
【数48】
【0121】
の計測をし、
【0122】
【数49】
【0123】
を求める。
【0124】
i=4、j=3、m=3、n=4として、マイク交換と式(24)により、
【0125】
【数50】
【0126】
を求める。
【0127】
i=1、j=3、m=1、n=3として、マイク交換と式(24)により、
【0128】
【数51】
【0129】
を求める。
【0130】
この感度比の測定は、事前に、マフラー10(図1参照)の有無には関係無く、行っておけば良い。
【0131】
次に、マイクロホン出力値を取得する(ステップb)。
【0132】
このステップでは、図1に示すように、マイクロホン51,52(それぞれi=1,2のマイクロホン)を、マフラー10を挟んで、入射側部分21の位置x1,x2に取り付けるとともに、透過側部分22の位置x3,x4にマイクロホン53,54(それぞれi=3,4のマイクロホン)を取り付ける。座標軸の方向は、1→2→マフラー→3→4の方向を正の方向に採る。原点は、マフラーの入射側の点、出射側の点にそれぞれ、別に採る。こう採ると、以下に述べる計算で得られる入射パワー、透過パワーが、マフラーの入射点、出射点での値になるので、便利である。
【0133】
図2のセンサ出力値取得ステップ(ステップb)では、マイクロホンを上記のように取り付け、スピーカ40から音を出して4つのマイクロホンの出力をサンプリングし取り込む。
【0134】
次に図2の入射側センサ出力値スペクトル算出ステップ(ステップc)において、入射側に配置したマイクロホン51,52(i=1,2のマイクロホン)の出力データから、2つの自己スペクトル密度S11 VV、S22 VVと、相互スペクトル密度S12 VVを算出する。
【0135】
入射側規格化スペクトル算出ステップ(ステップd)では、ステップeで求められた2つの自己スペクトル密度S11 VV,S22 VVと、相互スペクトル密度S12 VVとから、
【0136】
【数52】
【0137】
【数53】
【0138】
を算出する。
【0139】
さらに、図2の入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップ(ステップe)では、式(24a)、(26)、(27)を基に、連立方程式、
【0140】
【数54】
【0141】
の解を求める。この解から、入射側でのSI PP/S11(=R++/S11)が得られる。
【0142】
上記のステップc〜ステップeは、入射側に関する演算であるが、透過側についてもこれと同様の演算を行なう。
【0143】
すなわち、先ず透過側センサ出力値スペクトル算出ステップ(ステップf)では、透過側に取り付けた2つのマイクロホン53,54(それぞれi=3,4番目のマイクロホン)の出力データから、2つの自己スペクトル密度S33 WS44 Wと、相互スペクトル密度S34 Wを算出する。
【0144】
次の、透過側規格化音圧スペクトル算出ステップ(ステップg)では、ステップfで求められた2つの自己スペクトル密度S33 VV,S44 VVと、相互スペクトル密度S34 VVとから、
【0145】
【数55】
【0146】
【数56】
【0147】
を算出する。
【0148】
さらに、図2の透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップ(ステップh)では、式(24b)、(26′)、(27′)を基に、連立方程式
【0149】
【数57】
【0150】
の解を求める。この解から、透過側でのST PP/S33(=R++/S33)が得られる。
【0151】
また、図2の自己スペクトル密度比算出ステップ(ステップi)では、入射側の2つのマイクロホン51,52のうちの代表のマイクロホン(ここではi=1番目のマイクロホン51)の出力データと、透過側の2つのマイクロホン53,54のうちの代表のマイクロホン(ここではi=3番目のマイクロホン)の出力データから、2つの自己スペクトル密度を算出し(既に、算出済みだが、)これを基に、
【0152】
【数58】
【0153】
を算出する。
【0154】
ここで、ステップc〜eとステップf〜hとステップiは、いずれを先に実行してもよい。
【0155】
図2の透過損失算出ステップ(ステップj)では、
【0156】
【数59】
【0157】
を算出する。更に、TL値、
【0158】
【数60】
【0159】
あるいは、
【0160】
【数61】
【0161】
を算出する。
【0162】
図2にフローチャートを示す透過損失測定方法では、以上のようにして被測定値の透過損失TLが求められる。
【0163】
ここで、前掲の式(18)で出て来た、連立方程式の係数行列は、
【0164】
【数62】
【0165】
と略記すると、
【0166】
【数63】
【0167】
で与えられる。ここで出て来た伝播定数の実部、虚部としては、幾つかのモデルが提案されているが、ひとつの実用式としては、次のようなものがある。
【0168】
【数64】
【0169】
【数65】
【0170】
ただし、式(40)中の定数については、幾つかの値が示されているが、大まかには、
【0171】
【数66】
【0172】
で良いとされている。また、
【0173】
【数67】
【0174】
は波長、
【0175】
【数68】
【0176】
はレイノルズ数である。ただし、D=2aは管径、ν=μ/ρ0は流体の動粘性である。
【0177】
次に本発明の透過損失測定装置および透過損失測定プログラムの実施形態について説明する。
【0178】
本発明の一実施形態としての透過損失測定装置および透過損失測定プログラムの特徴は、1台のパーソナルコンピュータの内部で実行される処理内容により、以下先ずそのパーソナルコンピュータ自体について説明する。
【0179】
図3は、パーソナルコンピュータの外観斜視図であり、図4は、そのパーソナルコンピュータのハードウェア構成図である。
【0180】
このパーソナルコンピュータ100は、図3に示すように、外観構成上、本体装置101、その本体装置101からの指示に応じて表示画面102a上に画像を表示する画像表示装置102、本体装置101に、キー操作に応じた各種の情報を入力するキーボード103、および、表示画面102a上の任意の位置を指定することにより、その位置に表示された、例えばアイコン等に応じた指示を入力するマウス104を備えている。この本体装置101は、外観上、フレキシブルディスク(FD)を装填するためのFD装填口101a、およびCD−ROMを装填するためのCD−ROM装填口101bを有する。
【0181】
本体装置101の内部には、図4に示すように、各種プログラムを実行するCPU111、ハードディスク131に格納されたプログラムが読み出されCPU111での実行のために展開されるメモリ121、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク131、そのハードディスクをアクセスするハードディスクドライブ141、FD200が装填されその装填されたFD200をアクセスするFDドライブ151、CD−ROM300が装填され、その装填されたCD−ROM300をアクセスするCD−ROMドライブ161、図1に示すマイクロホン51,52,53,54と接続され、それらのマイクロホン51,52,53,54からデータを受け取る入力インタフェース171が内蔵されており、これらの各種要素と、さらに図3にも示す画像表示装置102、キーボード103、マウス104は、バス105を介して相互に接続されている。
【0182】
図5は、CD−ROMに記憶された透過損失測定プログラムの模式構成図である。
【0183】
このCD−ROM300には、透過損失測定プログラム400が記憶されており、その透過損失測定プログラム400は、感度比記憶部401、センサ出力値取得部402、入射側センサ出力値スペクトル算出部403、入射側規格化音圧スペクトル算出部404、入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部405、透過側センサ出力値スペクトル算出部406、透過側規格化音圧スペクトル算出部407、透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出部408、自己スペクトル密度比算出部409、および透過損失算出部410から構成されている。
【0184】
ここでは、この図5に示す透過損失測定プログラム400を記憶したCD−ROM300が図3、図4に示すパーソナルコンピュータ100のCD−ROMドライブ161に装填され、そのCD−ROM300に記憶された透過損失測定プログラムがそのパーソナルコンピュータ100にアップロードされてハードディスク131に記憶される。そのハードディスク131に記憶された透過損失測定プログラム400がメモリ121に展開されてCPU111で実行されると、このパーソナルコンピュータ100は、本発明の透過損失測定装置の一実施形態として動作する。
【0185】
図5に示す透過損失測定プログラム400の各部401〜410の作用については後述する。
【0186】
図6は、本発明の透過損失測定装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。
【0187】
この図6に示す透過損失測定装置500は、図3、図4に示すパーソナルコンピュータ100に図5に示す透過損失測定プログラム400がインストールされて実行されることによりそのパーソナルコンピュータ100内に構築されるものである。
【0188】
図6に示す透過損失測定装置500は、感度比記憶部501、センサ出力値取得部502、入射側センサ出力値スペクトル算出部503、入射側規格化音圧スペクトル算出部504、入射側前進波自己スペクトル密度算出部505、透過損失算出部506、透過側センサ出力値スペクトル算出部507、透過側規格化音圧スペクトル算出部508、透過側前進波自己スペクトル密度算出部509および自己スペクトル密度比算出部510で構成されている。図5の透過損失測定プログラム400を構成する各部401〜410は、図6に示す透過損失測定装置500の、同一の名称を付した各部501〜510にそれぞれ対応するが、図6の透過損失測定装置500の各部501〜510はパーソナルコンピュータ100のハードウェアと、オペレーティングシステム(OS)と、アプリケーションプログラムから構成されているのに対し、図5の透過損失測定プログラム400の各部401〜410は、それらのうちのアプリケーションプログラムの部分のみから構成されている。図5の透過損失測定プログラム400がパーソナルコンピュータ100にインストールされて実行されたときの、その透過損失測定プログラム400の各部401〜410の作用は、図6に示す透過損失測定装置500の各部501〜510の作用そのものであり、以下、図6の透過損失測定装置500の各部501〜510の作用を説明することで、図5の透過損失測定プログラム400の各部401〜410の作用の説明を兼ねることとする。
【0189】
図6に示す透過損失測定装置500の感度比記憶部501は、図2の透過損失測定方法の感度比計測ステップ(ステップa)で説明したようにして求められた感度比(式(24a)、(24b)、(24c)参照)を記憶しておく記憶部である。
【0190】
また、図6の透過損失測定装置502のセンサ出力値取得部502は、図1に示す4つのマイクロホン51〜54で得られた出力値をそれら4つのマイクロホン51〜54について同期してサンプリングしてパーソナルコンピュータ100に取り込む役割りを担っており、ハードウェア上は、主として図4に示す入力インタフェースがその役割りを担っている。
【0191】
その他の、入射側センサ出力値スペクトル算出部503、入射側規格化音圧スペクトル算出部504、入射側前進波自己スペクトル密度算出部505、透過側センサ出力値スペクトル算出部506、透過側規格化音圧スペクトル算出部507、透過側前進波自己スペクトル密度算出部508、自己スペクトル密度比算出部509、および透過損失算出部510は、図2に示すフローチャートの、それぞれ、入射側センサ出力値スペクトル算出ステップ(ステップc)、入射側規格化音圧スペクトル算出ステップ(ステップd)、入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップ(ステップe)、透過側センサ出力値スペクトル算出ステップ(ステップf)、透過側規格化音圧スペクトル算出ステップ(ステップg)、透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップ(ステップh)、自己スペクトル密度比算出ステップ(ステップi)、および透過損失算出ステップ(ステップj)における演算処理を実行する機能部分であり、ハードウェア上は、主にCPU111がその役割りを担っている。これらの各部503〜510における演算処理内容は図2にフローチャートを示す透過損失測定方法の説明の際に説明済であり、ここでは重複説明は省略する。
【0192】
図6の透過損失測定装置500の透過損失算出部510で求められた透過損失は、図3、図4に示す画像表示装置102の表示画面102a上に表示されることにより、オペレータに通知される。
【0193】
尚、ここでは、パーソナルコンピュータ内で透過損失測定プログラムを実行させることにより透過損失測定装置を実現する例について説明したが、本発明の透過損失測定装置は、パーソナルコンピュータを用いることなく、例えばハードウェアロジック等により演算処理を行なうものであってもよい。
【0194】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、絶対感度が不明の音センサを用いて透過損失を高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被測定体の透過損失の測定系を示す図である。
【図2】本発明の透過損失測定方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図3】パーソナルコンピュータの外観斜視図である。
【図4】パーソナルコンピュータのハードウェア構成図である。
【図5】CD−ROMに記憶された透過損失測定プログラムの模式構成図である。
【図6】本発明の透過損失測定装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
10 マフラー
20 中空管
21 入射側部分
22 透過側部分
30 吸音材
40 音源
51,52,53,54 音センサ
100 パーソナルコンピュータ
101 本体装置
102 画像表示装置
102a 表示画面
103 キーボード
104 マウス
300 CD−ROM
400 透過損失測定プログラム
401 感度比記憶部
402 センサ出力値取得部
403 入射側センサ出力値スペクトル算出部
404 入射側規格化音圧スペクトル密度算出部
405 入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部
406 透過側センサ出力値スペクトル算出部
407 透過側規格化音圧スペクトル算出部
408 透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出部
409 自己スペクトル密度比算出部
410 透過損失算出部
500 透過損失測定装置
501 感度比記憶部
502 センサ出力値取得部
503 入射側センサ出力値スペクトル算出部
504 入射側規格化音圧スペクトル算出部
505 入射側前進波自己スペクトル密度算出部
506 透過側センサ出力値スペクトル算出部
507 透過側規格化音圧スペクトル算出部
508 透過側前進波自己スペクトル密度算出部
509 自己スペクトル密度化算出部
510 透過損失算出部
Claims (6)
- 途中に透過損失測定用の被測定体が配備され終端部に無反射端処理が施された中空管に音を入射して該被測定体の透過損失を測定する透過損失測定方法において、
前記中空管の、前記被測定体への音の入射側部分の音圧測定用の複数の第1の音センサどうしの感度比と、該中空管の、前記被測定体からの音の透過側部分の音圧測定用の複数の第2の音センサどうしの感度比と、前記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサと前記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサとの間の感度比とを計測する感度比計測ステップと、
前記中空管の途中に前記被測定体が配備されるとともに、該中空管の入射側部分の、該中空管の軸方向相互に異なる位置に前記複数の第1の音センサが取り付けられ、さらに該中空管の透過側部分の、該中空管の軸方向相互に異なる位置に前記複数の第2の音センサが取り付けられた状態において該中空管に音を入射しながら、前記複数の第1の音センサのそれぞれおよび前記複数の第2の音センサのそれぞれでセンサ出力値を得るセンサ出力値取得ステップと、
前記複数の第1の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、該各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する入射側センサ出力値スペクトル算出ステップと、
前記入射側センサ出力値スペクトル算出ステップで算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、前記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度を第1の基準スペクトル密度としたときの該第1の基準スペクトル密度と、該代表の第1の音センサを除く他の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、該第1の基準スペクトル密度と、該複数の第1の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する入射側規格化音圧スペクトル算出ステップと、
前記入射側規格化音圧スペクトル算出ステップで得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、前記第1の基準スペクトル密度と、前記入射側部分を前記被測定体に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度との比からなる入射側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップと、
前記複数の第2の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、該各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する透過側センサ出力値スペクトル算出ステップと、
前記透過側センサ出力値スペクトル算出ステップで算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、前記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度を第2の基準スペクトル密度としたときの該第2の基準スペクトル密度と、該代表の第2の音センサを除く他の第2の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、該第2の基準スペクトル密度と、該複数の第2の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する透過側規格化音圧スペクトル算出ステップと、
前記透過側規格化音圧スペクトル算出ステップで得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、前記第2の基準スペクトル密度に対する、前記透過側部分を前記被測定体から離れる方向に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度の比からなる透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップと、
前記入射側センサ出力値スペクトル算出ステップで得られた前記複数の第1の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第1の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度と、前記透過側センサ出力値スペクトル算出ステップで得られた前記複数の第2の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第2の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度とに基づいて、前記代表の第1の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度と前記代表の第2の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度との比からなる自己スペクトル密度比を算出する自己スペクトル密度比算出ステップと、
前記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップで算出された入射側前進波規格化自己スペクトル密度、前記透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップで算出された透過側前進波規格化自己スペクトル密度、および前記自己スペクトル密度比算出ステップで算出された自己スペクトル密度比とに基づいて、前記被測定体の透過損失を算出する透過損失算出ステップとを有することを特徴とする透過損失測定方法。 - 前記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出ステップおよび前記透過側前進波規格化自己スペクトル算出ステップは、前記中空管内を伝播する音の減衰項を含む複素伝播定数を含む係数群を含む算出式に基づいて、それぞれ、入射側前進波規格化自己スペクトル密度および透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出するステップであることを特徴とする請求項1記載の透過損失測定方法。
- 途中に透過損失測定用の被測定体が配備され終端部に無反射端処理が施された中空管に音を入射して該被測定体の透過損失を測定する透過損失測定装置において、
前記中空管の、前記被測定体への音の入射側部分の音圧測定用の複数の第1の音センサどうしの感度比と、該中空管の、前記被測定体からの音の透過側部分の音圧測定用の複数の第2の音センサどうしの感度比と、前記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサと前記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサとの間の感度比とを記憶する感度比記憶部と、
前記中空管の途中に前記被測定体が配備されるとともに、該中空管の入射側部分の、該中空管の軸方向相互に異なる位置に前記複数の第1の音センサが取り付けられ、さらに該中空管の透過側部分の、該中空管の軸方向相互に異なる位置に前記複数の第2の音センサが取り付けられた状態において該中空管に音を入射したときの前記複数の第1の音センサのそれぞれおよび前記複数の第2の音センサのそれぞれで得られた各センサ出力値を取得するセンサ出力値取得部と、
前記複数の第1の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、該各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する入射側センサ出力値スペクトル算出部と、
前記入射側センサ出力値スペクトル算出部で算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、前記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度を第1の基準スペクトル密度としたときの該第1の基準スペクトル密度と、該代表の第1の音センサを除く他の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、該第1の基準スペクトル密度と、該複数の第1の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する入射側規格化音圧スペクトル算出部と、
前記入射側規格化音圧スペクトル算出部で得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、前記第1の基準スペクトル密度と、前記入射側部分を前記被測定体に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度との比からなる入射側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部と、
前記複数の第2の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、該各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する透過側センサ出力値スペクトル算出部と、
前記透過側センサ出力値スペクトル算出部で算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、前記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度を第2の基準スペクトル密度としたときの該第2の基準スペクトル密度と、該代表の第2の音センサを除く他の第2の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、および該第2の基準スペクトル密度と、該複数の第2の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する透過側規格化音圧スペクトル算出部と、
前記透過側規格化音圧スペクトル算出部で得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、前記第2の基準スペクトル密度に対する、前記透過側部分を前記被測定体から離れる方向に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度の比からなる透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出部と、
前記入射側センサ出力値スペクトル算出部で得られた前記複数の第1の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第1の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度と、前記透過側センサ出力値スペクトル算出部で得られた前記複数の第2の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第2の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度とに基づいて、前記代表の第1の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度と前記代表の第2の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度との比からなる自己スペクトル密度比を算出する自己スペクトル密度比算出部と、
前記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部で算出された入射側前進波規格化自己スペクトル密度、前記透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出部で算出された透過側前進波規格化自己スペクトル密度、および前記自己スペクトル密度比算出部で算出された自己スペクトル密度比とに基づいて、前記被測定体の透過損失を算出する透過損失算出部とを備えたことを特徴とする透過損失測定装置。 - 前記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部および前記透過側前進波規格化自己スペクトル算出部は、前記中空管内を伝播する音の減衰項を含む複素伝播定数を含む係数群を含む算出式に基づいて、それぞれ、入射側前進波規格化自己スペクトル密度および透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出するものであることを特徴とする請求項3記載の透過損失測定装置。
- プログラムを実行する情報処理装置内で実行され、該情報処理装置を、途中に透過損失測定用の被測定体が配備され終端部に無反射端処理が施された中空管に音を入射して該被測定体の透過損失を測定する透過損失測定装置として動作させる透過損失測定プログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記中空管の、前記被測定体への音の入射側部分の音圧測定用の複数の第1の音センサどうしの感度比と、該中空管の、前記被測定体からの音の透過側部分の音圧測定用の複数の第2の音センサどうしの感度比と、前記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサと前記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサとの間の感度比とを記憶する感度比記憶部と、
前記中空管の途中に前記被測定体が配備されるとともに、該中空管の入射側部分の、該中空管の軸方向相互に異なる位置に前記複数の第1の音センサが取り付けられ、さらに該中空管の透過側部分の、該中空管の軸方向相互に異なる位置に前記複数の第2の音センサが取り付けられた状態において該中空管に音を入射したときの前記複数の第1の音センサのそれぞれおよび前記複数の第2の音センサのそれぞれで得られた各センサ出力値を取得するセンサ出力値取得部と、
前記複数の第1の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、該各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する入射側センサ出力値スペクトル算出部と、
前記入射側センサ出力値スペクトル算出部で算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、前記複数の第1の音センサのうちの代表の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度を第1の基準スペクトル密度としたときの該第1の基準スペクトル密度と、該代表の第1の音センサを除く他の第1の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、該第1の基準スペクトル密度と、該複数の第1の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する入射側規格化音圧スペクトル算出部と、
前記入射側規格化音圧スペクトル算出部で得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、前記第1の基準スペクトル密度と、前記入射側部分を前記被測定体に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度との比からなる入射側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部と、
前記複数の第2の音センサそれぞれで得られた各センサ出力値の各自己スペクトル密度と、該各センサ出力値どうしの間の相互スペクトル密度とを算出する透過側センサ出力値スペクトル算出部と、
前記透過側センサ出力値スペクトル算出部で算出された各自己スペクトル密度および相互スペクトル密度に基づいて、前記複数の第2の音センサのうちの代表の第2の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度を第2の基準スペクトル密度としたときの該第2の基準スペクトル密度と、該代表の第2の音センサを除く他の第2の音センサの取付位置での音圧の自己スペクトル密度との比からなる規格化音圧自己スペクトル密度を算出するとともに、該第2の基準スペクトル密度と、該複数の第2の音センサの各取付位置での各音圧どうしの間の相互スペクトル密度との比からなる規格化音圧相互スペクトル密度を算出する透過側規格化音圧スペクトル算出部と、
前記透過側規格化音圧スペクトル算出部で得られた規格化音圧自己スペクトル密度および規格化音圧相互スペクトル密度に基づいて、前記第2の基準スペクトル密度に対する、前記透過側部分を前記被測定体から離れる方向に向かって前進する前進波の自己スペクトル密度の比からなる透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出する透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出部と、
前記入射側センサ出力値スペクトル算出部で得られた前記複数の第1の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第1の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度と、前記透過側センサ出力値スペクトル算出部で得られた前記複数の第2の音センサそれぞれのセンサ出力値の各自己スペクトル密度のうちの代表の第2の音センサのセンサ出力値の自己スペクトル密度とに基づいて、前記代表の第1の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度と前記代表の第2の音センサの取付位置の音圧の自己スペクトル密度との比からなる自己スペクトル密度比を算出する自己スペクトル密度比算出部と、
前記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部で算出された入射側前進波規格化自己スペクトル密度、前記透過側前進波規格化自己スペクトル密度算出部で算出された透過側前進波規格化自己スペクトル密度、および前記自己スペクトル密度比算出部で算出された自己スペクトル密度比とに基づいて、前記被測定体の透過損失を算出する透過損失算出部とを備えた透過損失測定装置として動作させることを特徴とする透過損失測定プログラム。 - 前記入射側前進波規格化自己スペクトル密度算出部および前記透過側前進波規格化自己スペクトル算出部は、前記中空管内を伝播する音の減衰項を含む複素伝播定数を含む係数群を含む算出式に基づいて、それぞれ、入射側前進波規格化自己スペクトル密度および透過側前進波規格化自己スペクトル密度を算出するものであることを特徴とする請求項5記載の透過損失測定プログラム。
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