JP4057461B2 - 2成分現像方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2成分トナー現像方法に関し、さらに詳しくは、複写機やプリンタやファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置において、現像スリーブ、現像剤攪拌部材、現像剤レベル検知手段等を内蔵した現像ユニット及び静電潜像を現像するための静電荷像現像方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いる画像形成装置は、急速にカラー化が進み、また、その速度の高速化が進んでいる。従来から、2成分現像方法は高速なプリントに適し、非磁性トナーの取り扱いが容易なため、フルカラー画像の形成装置にも広く利用されてきた。しかし、フルカラー画像形成装置は装置内に複数の現像装置を備える必要があり、モノクロ機に比べて装置が大型化し重量が大きくなる、コスト高となる等の欠点があった。
【0003】
特に2成分現像装置は、1成分現像装置に比べてトナーとは別に現像剤の収納容積と、その攪拌機構を具備する必要があり、現像ユニット小型化のためには、現像剤量の少量化が必須であった。
【0004】
これに見合った現像ユニットとして、従来より、像担持体である感光体ドラム上の静電潜像を現像するためのトナーを供給する現像スリーブと、この現像スリーブの軸方向に沿って2成分の現像剤を混合・攪拌しながら搬送し、現像スリーブに遠い側に軸支された第1の現像剤攪拌部材、及び近い側に軸支された第2の現像剤攪拌部材とを備えていて、現像剤をループ状に循環するように構成された現像ユニットが用いられている。
【0005】
この現像ユニット内では、現像剤中のキャリアは、現像装置内でトナーとの摩擦、スリーブやブレードなどの摺擦部材、規制部材やスクリュー、パドルなどの攪拌搬送部材により機械的な摩擦や衝撃を繰り返し受けている。現像剤を少量化することは、プリント枚数あたりのトナーとキャリアの摩擦機会の増加、キャリアが現像部を通過する頻度の増加を意味し、結果として現像ユニット内のキャリアの疲労が急激に進行する。プリント速度の高速化も相まって、キャリアの耐久性、特にキャリア表層の皮膜の高い耐磨耗性とトナーや他部材によるキャリア表面の汚染(スペント)を防ぎながら、長期間に渡って速やかな帯電性を維持することが以前にも増して重要になってきている。
【0006】
最近のデジタル複写機やプリンタでは、負極性に帯電した感光体を用いて、ネガポジ現像を行う場合が多く、負極性に帯電したトナーを用いる場合が多くなっている。トナーを負極性に帯電させるために、キャリア皮膜中に窒素を含有する有機化合物を含有させる例が多く知られている。
【0007】
例えば、シリコーン樹脂にアミノシランカップリング剤を混合して用いる例や、ある種の酸アミドを内添する例、メラミン、グアナミンなどのアミノ化合物やその誘導体を内添する方法、アミノ基を有するアクリルの共重合体などを皮膜に用いる方法などである。こうした窒素含有有機材料をコート材料として用いる例として、従来から、ポリアミドを用いる例が開示されている(特許文献1参照)。
【0008】
しかし、ナイロンに代表されるポリアミド樹脂は、一般にトナーに負極性を付与するには好ましい材料であるが、その多くが溶媒溶解性に乏しいため、溶液を塗布するなど簡易な方法で層形成することが困難であったり、ポリアミド自体の耐磨耗性が十分でないなどの問題点もあった。
【0009】
そこで、ポリアミドを溶媒可能化して用いる例として、アミド結合の水素原子をアルコキシ化、アルコキシアルキル化して用いる例が開示され(特許文献1〜6参照)、そうしたポリアミドを主鎖に有するグラフトポリマーを用いる例が開示されている(特許文献7,8参照)。しかし、主成分にこうしたポリアミドを用いた皮膜は、皮膜の耐磨耗性において十分であるとは言えなかった。
【0010】
また、N−メトキシメチル化ポリアミドを含有することにより、表面抵抗がLogR13Ω・cm以下になることが開示されており、ポリアミドを一部メトキシメチル化することによって、皮膜抵抗を低抵抗化することが開示されている(特許文献9参照)。しかし、残留メトキシ基によるキャリアの低抵抗化は、メトキシ基の高い水親和性によりもたらされるものであり、帯電量の環境変動性、現像剤帯電量の保存低下が大きいなどの不具合があった。
【0011】
一方、2成分現像剤としては、従来から地汚れやトナー飛散といった問題がある。このうち、地汚れについては、次の通りである。2成分現像剤の場合、現像ニップ内ではベタ現像をするのに十分な多量のトナーが一旦感光体表面に接触し、現像電界によるクーロン力の向きと大きさにより、最終的に感光体に残るかキャリア側に戻るかが決まる。現像電界が一定であるならばクーロン力の向きと大きさはトナー粒子の帯電量で決まるが、実際トナー粒子の帯電量は分布を持っているため、トナー粒子ごとに異なった挙動をする。
【0012】
現像ニップには、地肌汚れを減少させるために現像バイアスが印加されており、現像ニップ内では地肌部上に存在する多数の正常帯電トナーに対してはキャリア側に戻る比較的大きなクーロン力が働くため、地汚れは抑制される。しかし、現像剤中に存在する少量の逆帯電トナー(帯電極性が逆の電荷を持つトナー)に対しては、感光体側に付着する方向にクーロン力が働くため、地肌部に逆帯電トナーが付着してしまう。
【0013】
また、弱帯電トナー(極めて帯電電荷量が小さいトナー)についてはキャリア側へのクーロン力が小さいため、キャリア側に戻らずに地肌部に残りやすくなる。したがって、電子写真感光体上の地汚れは、主に現像剤中に含まれる逆帯電トナー及び弱帯電トナーが地肌部に付着することがその原因であり、現像剤の経時劣化や現像剤の混合攪拌不足による逆帯電トナー及び弱帯電トナーの増加が原因であると考えられる。
【0014】
トナー飛散に関しても、逆帯電トナーや弱帯電トナーが発生し現像スリーブ等の回転で形成された遠心力でこれらトナーが飛散することで発生するため、地汚れやトナー飛散のない良好な画像を得るためには、この逆帯電トナー及び弱帯電トナーを発生させない必要がある。
【0015】
そこで、現像剤中の逆帯電トナーや弱帯電トナーの割合を減少させる方法として、いくつかの方法が開示されている。その一つとして、トナーが含弗素4級アンモニウム塩化合物及び含弗素イミニウム化合物を少なくとも1つ含有し、キャリアがキャリア芯粒子表面を被覆する抵抗制御剤を含有した内部樹脂層と内部樹脂層を被覆する表面樹脂層からなり、内部樹脂層の厚みが0.5〜1.0で表面樹脂層の厚みが0.1〜0.5である2層被覆型キャリアである静電潜像用2成分現像剤を用いることによって、長期に渡って帯電量分布がシャープ且つ均一で、連続使用時や環境変化時にも安定した画像再現をする方法が提案されている(特許文献10参照)。
【0016】
また、長鎖脂肪族基を有する第4級アンモニウム塩及びpHが7未満のカーボンブラックを含有するトナーからなる現像剤を用いて、帯電量分布がシャープで画像濃度も十分であり、トナー飛散やカブリの生じない画像を形成するようにした方法が提案されている(特許文献11参照)。
【0017】
また、現像剤の電界強度500V/cmでの抵抗値R500[Ω・cm]と電界強度2500V/cmでの抵抗値R2500[Ω・cm]とからY=log(R500)/log(R2500)で求まる電界依存性Yと、0.2[femt・C/μm]より小さい未帯電トナーの全トナー中に占める割合Xが、Y>3X/400+1を満たすことで、画像濃度を高濃度に維持しつつ、前引きや後引き等の画像の滲みを確実に防止できる電子写真用現像剤が提案されている(特許文献12参照)。
【0018】
【特許文献1】
特開昭49−115549号公報
【特許文献2】
特開平1−118150号公報
【特許文献3】
特開平1−118151号公報
【特許文献4】
特開平4−188160号公報
【特許文献5】
特開2001−201894号公報
【特許文献6】
特許第3044390号公報
【特許文献7】
特許第2835971号公報
【特許文献8】
特許第2835972号公報
【特許文献9】
特許第2932192号公報
【特許文献10】
特開平08−146663号公報
【特許文献11】
特開平10−254176号公報
【特許文献12】
特開平08−129268号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、最近、高画質化のため小粒径トナーや省エネルギー化による低温定着のため軟化点を低くしたトナーが開発され、従来の方法だけでは地汚れやトナー飛散が十分に阻止できなくなってきた。また、上記のようなこれまで開示されてきた技術は、帯電量分布がどのような時間推移をすれば地汚れやトナー飛散が起こりにくいかが分からなかったという問題がある。
【0020】
そこで本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、キャリア皮膜が耐磨耗性に優れ、長期にわたり安定した帯電付与機能を有し、トナー組成物のスペントによる帯電変動のないキャリアと、現像剤を、現像スリーブと第1、第2の現像剤攪拌部材を通過させ、現像剤をループ状に循環するように混合・攪拌しながら搬送する現像ユニットとを用いることとにより、上記従来技術の課題を解消して、地汚れ、トナー飛散の起こりにくい帯電量分布の条件を規定するとともに、地汚れ・トナー飛散の起こりにくい帯電量分布が得られる静電荷像現像方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、トナーとキャリアからなりトナー濃度1〜15%で調整された2成分現像剤を、像担持体上の静電潜像を現像するためのトナーを供給する現像スリーブと、この現像スリーブの軸方向に沿って2成分現像剤を混合・攪拌しながら搬送するものであり、現像スリーブに遠い側に軸支された第1の現像剤攪拌部材、及び近い側に軸支された第2の現像剤攪拌部材と、これらの部材の間に設けられその両端に現像剤の連絡通路が確保された形の仕切り部材とを備えていて、現像剤をループ状に循環するように構成された現像ユニットを用いて攪拌・混合する2成分現像方法であり、該キャリアが磁性を有する微粉体表面に皮膜を有する形態を有し、該皮膜が(i)N−アルコキシアルキル化ポリアミドと、(ii)少なくともシラノール基及び/または加水分解可能な基を有するシリコーンを含む1種以上の該N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能な樹脂との混合物から得られる縮合物を含有する2成分現像方法を最も主要な特徴とする。
【0022】
請求項2記載の発明では、請求項1において、トナー補給と消費を行わず1時間攪拌しても、現像剤中のトナーの帯電量分布が1つのピークしか持たず、かつ、帯電量分布を正規分布関数で近似した時の標準偏差が1.0[fC/10μm]以下であるようにした2成分現像方法を主要な特徴とする。
【0023】
請求項3記載の発明では、上記2成分現像剤中のトナーの帯電量分布を正規分布関数で近似した時の標準偏差において、初期に対して上記1時間攪拌後の標準偏差が+0.2[fC/10μm]以下の変化である請求項2記載の2成分現像方法を主要な特徴とする。
【0024】
請求項4記載の発明では、帯電量分布における帯電量−1.0[fC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合が帯電量分布全体の0〜10%であり、帯電量−7.0[fC/10μm]以上の高帯電トナーの割合が帯電量分布全体の0〜5%以下である請求項2または3記載の2成分現像方法を主要な特徴とする。
【0025】
請求項5記載の発明では、帯電量分布における帯電量−1.0[fC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合が帯電量分布全体の0〜5%である請求項4記載の2成分現像方法を主要な特徴とする。
【0026】
請求項6記載の発明では、帯電量分布における帯電量−1.0[fC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合及び帯電量−7.0[fC/10μm]以上の高帯電トナーの割合が共に0〜1%である請求項2〜5のいずれかに記載の2成分現像方法を主要な特徴とする。
【0027】
請求項7記載の発明では、請求項1において、トナー補給と消費を行わず5時間攪拌しても、現像剤中のトナーの帯電量分布が1つのピークしか持たず、かつ、帯電量分布を正規分布関数で近似した時の標準偏差が1.2[fC/10μm]以下であるようにした2成分現像方法を主要な特徴とする。
【0028】
請求項8記載の発明では、帯電量分布を正規分布関数で近似した時の標準偏差において、初期に対して上記5時間攪拌後の標準偏差が+0.4[fC/10μm]以下の変化である請求項7記載の2成分現像方法を主要な特徴とする。
【0029】
請求項9記載の発明では、帯電量分布における帯電量−1.0[fC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合及び帯電量−8.0[fC/10μm]以上の高帯電トナーの割合が共に帯電量分布全体の0〜5%である請求項7または8記載の2成分現像方法を主要な特徴とする。
【0030】
請求項10記載の発明では、帯電量分布における帯電量−1.0[fC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合が帯電量分布全体の0〜3%である請求項9記載の2成分現像方法を主要な特徴とする。
【0031】
請求項11記載の発明では、帯電量分布における帯電量−1.0[fC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合及び−8.0[fC/10μm]以上の高帯電トナーの割合が共に帯電量分布全体の0〜1%である請求項7〜10のいずれかに記載の2成分現像方法を主要な特徴とする。
【0032】
請求項12記載の発明では、少なくとも、磁性を有する微粉体表面に皮膜を有する形態を有し、該皮膜が(i)N−アルコキシアルキル化ポリアミドと、(ii)少なくともシラノール基及び/または加水分解可能な基を有するシリコーンを含む1種以上の該N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能な樹脂との混合物から得られる縮合物を含有してなるキャリアとトナーからなる2成分現像剤を、像担持体上の静電潜像を現像するためのトナーを供給する現像スリーブと、この現像スリーブの軸方向に沿って2成分現像剤を混合・攪拌しながら搬送するものであり、現像スリーブに遠い側に軸支された第1の現像剤攪拌部材、及び近い側に軸支された第2の現像剤攪拌部材と、これらの部材の間に設けられその両端に現像剤の連絡通路が確保された形の仕切り部材とを備えていて、現像剤をループ状に循環するように構成された現像ユニットを用いて攪拌・混合することを特徴とする画像形成装置を主要な特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように現像剤をループ状に循環する2成分現像剤用現像ユニットを用いる。具体的には、リコー製カラーレーザープリンタ(IPSiO Color8000)用2成分現像ユニット(スリーブ径18mm,スリーブ線速275.65mm/sec,汲み上げ量0.075g/cm2,ドクターギャップ0.775±0.02mm)を用いて評価を行った。地汚れ及びトナー飛散の評価方法としては、地汚れについては地汚れランクを1〜5までに位置付け、最悪ランクを1として、4以上を良好とした。トナー飛散については4段階(◎:大変良好、○:良好、△:若干良好、×:不良)でランク付けを行った。トナーとキャリアを所定のトナー濃度に調整して円筒状の容器に入れ、攪拌装置ターブラミキサーの弱回転(22rpm)で10分攪拌混合して2成分現像剤を作成し、上記2成分現像ユニットに入れてトナー補給と消費を行わず攪拌した剤についてトナー粒子帯電量分布測定装置(E−Spart Analyzer MODEL EST−III、ホソカワミクロン社製)でカウント総数3000にて帯電量分布の時間推移を測定した。
【0034】
この時、地汚れ・トナー飛散の起こるトナーと起こりにくいトナーについて帯電量分布の時間推移を正規分布関数による解析により注目してみたところ、地汚れ・トナー飛散の起こりにくいトナーの帯電量分布の時間推移の条件が具体的に明らかになった。
【0035】
以下に正規分布関数による帯電量分布の解析方法について説明する。まず、レーザードップラー速度計を使用したトナー粒子帯電量分布測定装置(E−Spart Analyzer MODEL EST−III、ホソカワミクロン社製)により現像剤中のトナーの帯電量分布をカウント総数3000として測定する。上記で得られた帯電量分布に対して、正規分布関数式を当てはめる。ここで、正規分布関数式は以下の通りである。
【数1】
正規分布関数はx=μで最大となる左右対称な分布であり、その分布幅は標準偏差σの値によって決まる。σが大きくなるにつれて分布幅が大きくなり、ピーク値が下がる。正規分布関数は常に正で、x→∞でf(x)=0、x→−∞でもf(x)=0となる。この正規分布関数を−∞から∞の間で積分すると1になるので、実際にこの正規分布関数で帯電量分布を表現するには、正規分布関数を整数倍αしてやる必要がある。
【0036】
この時、地汚れ・トナー飛散の起こるトナーも起こりにくいトナーも、ユニット投入直後(=初期状態)の剤については、地汚れ・トナー飛散の原因となる弱帯電トナー及び逆帯電トナーのほとんどない正常な帯電量分布が得られ、その分布は1つのピークしか持たず、正規分布関数で近似することができ、そのプロファイルはシャープである。
【0037】
しかし、この剤をトナー補給と消費を行わず攪拌するような経時の剤の帯電量分布については、弱帯電トナーや逆帯電トナーの発生やピーク値・標準偏差の変化により、帯電量分布に差が生じる。地汚れ、トナー飛散の起こりにくい良好なトナーの帯電量分布は、ピーク値・標準偏差の変化は起こるがその変化は小さく、逆帯電トナー及び弱帯電トナーの発生はわずかであり、経時でもユニットに入れられた直後の剤同様に1つの正規分布関数で表現することができる。一方、地汚れ・トナー飛散の起こるトナーの帯電量分布は、ユニット投入直後の剤のように1つの正規分布関数で近似することはできず、1つのピークしか持たなくても正規分布関数で近似できないか、2つ以上のピークを持つ分布になっている。
【0038】
ただし、トナーの帯電量分布が1つのピークしか持たず、正規分布関数で近似できれば地汚れ・トナー飛散が起こらないという訳ではない。一般に、トナーの帯電量分布のプロファイルがシャープであると同じような帯電量q/dを有するトナーが多く存在することとなり、キャリアとトナーの接触帯電が均等に行われ、弱帯電トナーが発生しにくい。その反対に、トナーの帯電量分布のプロファイルがブロードであるとトナーの帯電量q/dの範囲が広がり、高帯電量のトナーがキャリアから離れないためキャリアとトナーの接触帯電が均等に行われず、低帯電量のトナーの増加が進む。結果、弱帯電量のトナーの増加につながり、地汚れ・トナー飛散が起こりやすくなる。従って、地汚れ・トナー飛散が起こらないためには、トナーの帯電量分布が1つのピークしか持たず、正規分布関数で近似できるだけでは不十分であり、その分布のプロファイルのシャープさ、すなわち、標準偏差、弱帯電トナー量、高帯電トナー量等を規定する必要がある。
【0039】
地汚れ・トナー飛散の起きやすい現像剤と起きにくい現像剤の帯電量分布では、このように帯電量分布に差があることが正規分布関数による解析でより顕在化した。
【0040】
本発明者らは、上記方法により鋭意研究を重ねた結果、地汚れ・トナー飛散の起こりやすいトナーを有する2成分現像剤と地汚れ・トナー飛散の起こりにくいトナーを有する2成分現像剤について帯電量分布の差が具体的に明らかになった。
【0041】
従って、本発明は上記目的を達成するために、以下の構成を有するものである。
本発明の現像ユニットの一例を、図1に示す。図1は現像ユニットの断面図を示している。本発明の現像ユニットは、大きくは像担持体上の静電潜像を現像するためのトナーを補給する現像スリーブ1と、この現像スリーブの軸方向に沿って2成分現像剤を混合・攪拌しながら搬送する2本の現像剤攪拌部材及び現像剤規制手段(ドクタブレード)7、上部現像ケース2、下部現像ケース3からなる。現像スリーブ1から遠い側には第1の現像剤攪拌部材4が軸支され、近い側には第2の現像剤攪拌部材5が軸支され、第1の現像剤攪拌部材4と第2の現像剤攪拌部材5との間には、仕切り部材8が設けられている。仕切り部材8の幅方向の両側には現像剤の連絡通路が確保され、現像剤をループ状に循環するようになっている。
【0042】
現像剤の搬送状態を図1に基づいて説明すると、現像剤は第1の現像剤攪拌部材のある室を紙面手前側から奥側に搬送されて紙面奥側の連絡通路から第2の現像剤拡販部材のある室へ搬送され、次いで、第2の現像剤攪拌部材のある室を紙面奥側から手前側へ搬送された後、紙面手前側の連絡通路から第1の現像剤攪拌部材のある室へ搬送されるようになっている。
【0043】
また、図1において、現像剤規制手段(ドクタブレード)7の左側のスペースを解消して、第2の現像剤攪拌部材のある室から汲み上げられた現像剤が滞留して帯電が立ち上がらないのを防止する手段を設けてもよい。
【0044】
本発明に使用されるキャリアは、ポリアミドは、主鎖のアミド結合の水素原子をアルコキシアルキル化した、溶媒可溶化ポリアミドを用い、このポリアミドの低級アルコール溶液と、該ポリアミドと反応性を有する樹脂を1種もしくは複数種および必要に応じて架橋を促進する触媒を混合溶解して調製したコート液を磁性を有するキャリア芯材に塗布、乾燥し、加熱硬化することによって皮膜を形成する。
【0045】
ここで言うポリアミドとは、一般的な、ジカルボン酸とジアミンから得られるものや、各種のラクタムの開環縮重合によりなるポリアミドなどである。例えば、ポリアミドのメトキシメチル化の方法としては、蟻酸のようなポリアミドを溶解し、酸性雰囲気中、メタノールなどの低級アルコールの存在化で、ホルマリンと反応させることにより行う。
【0046】
こうして得られたメトキシメチル化ポリアミドは、その反応比に応じてメタノールなど低級アルコールに対する溶解性が向上するため、キャリア表面に皮膜形成することが容易になる。また、該ポリアミドは未架橋の状態ではゴム弾性を示し、適当な酸触媒の存在下で加熱することにより、自己のメトキシ基と主鎖のアミド結合の活性水素との間で縮合することにより、架橋し硬度が増す。これをシラノール縮合性シリコーンと混合して、キャリア皮膜として塗布し、同じく酸触媒の存在下で加熱することにより、シリコーンとポリアミド間の相互の架橋構造を有する皮膜が形成される。
【0047】
本発明ではさらに、この皮膜中に金属酸化物粒子を混合せしめることにより、その皮膜強度をいっそう強靭なものとする。皮膜への金属酸化物粒子の導入は、例えば次のように行う。可溶化ポリアミドをメタノール中に、必要に応じて加熱しながら溶解する。溶解した溶液に、金属酸化物粒子を混合し、ホモジナイザーのような分散装置を用いて均一に分散する。
【0048】
該分散溶液を別途用意したシラノール縮合性シリコーンの非水溶媒溶液と混合、同様にホモジナイザーで攪拌し、適宜帯電調整剤、抵抗調整剤を混合し、キャリア芯材に塗布する。
【0049】
ここで本発明に用いられるポリアミドの例を示すと、例えばジアミンとしては1,6−へキサンジアミン、1,8−オクタジアミン、1,2−プロパンジアミンなどの直鎖アルキルジアミン、分岐型アルキルジアミン、m−フェニレンジアミン、P−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、トルエン−2、5−ジアミン、N−フェニル−p−フェニルジアミン、4,4−ジアミノジフェニルアミンなどの芳香族ジアミン、カルボン酸としては、例えば、マイレン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン酸、マロン酸などの多価脂肪酸、芳香族ジカルボン酸、各種のアミノ酸などの縮重合体、これら複数族のモノマーからなる共重合体、また、各種のカプロラクタムの開環縮重合やアミノウンデカン酸などのアミノ酸の自己縮重合体、それら相互の共重合体などである。
【0050】
ポリアミドの可溶化のためのアルキルアルコキシ化処理は、アミド結合の活性水素の置換率にして20〜70mol%程度がよい。これより少ない場合には、アルコール可溶性が乏しく、皮膜形成時に析出したり、皮膜形成後に偏析するなどの不具合がある。70%より多いと、皮膜密度が低下し、磨耗性が悪化する。金属酸化物粒子を添加した場合においても同様である。
【0051】
皮膜の充分な硬化を行うために、酸性下で加温することが好ましいが、用いる酸触媒としては有機物の固体酸をコート剤溶液に含有させることが好ましい。触媒の沸点が100℃以下では、皮膜乾燥時に触媒の蒸発を伴い、架橋形成のための追加熱によって皮膜の硬化が充分に行うことができない。中でも二塩基酸以上の多価カルボン酸化合物は好ましく用いられる。
【0052】
酸触媒の例としては、乳酸、ラウリン酸、クロトン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、マロン酸、マレイン酸、イタコン酸、酒石酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ベンジルスルホン酸、トルエンスルホン酸などの代表的な有機酸、塩酸、硫酸、硝酸、次亜燐酸等の無機酸などを単独、もしくは、混合して用いることができるが、先の架橋反応を適切に進めるためには、少なくとも1種類の酸触媒が100℃以上の沸点を持つものを選択すればよい。
【0053】
ここでいう反応可能な樹脂とは、ポリアミド中に有するメトキシ基との縮合反応性を有するアルコール、アルキロール、カルボン酸や、活性水素を有するアミノ基などを有する樹脂をいう。代表的には熱硬化性を示す樹脂が用いられる。中でも、シリコーン樹脂はその皮膜強度とともに、得られる皮膜の表面エネルギーが低いことから、キャリアにトナーが付着、汚染する、いわゆるスペント性の抑制効果もあり、好ましく用いられる。用いるシリコーンとしては、シラノール基を有するシリコーン樹脂が用いられる。加熱によるシラノール基とポリアミドのメトキシ基間の架橋とともに、ポリアミドの触媒として用いる有機酸とのエステルが生成し、残留の酸触媒による帯電性の負極性化が抑制される。皮膜の帯電量制御、および皮膜強度の向上の目的で、他の架橋型樹脂を混合させることも可能である。なかでもヘキサメチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミンに代表される、各種のアルキロールメラミン、およびそのアルキルエーテルなどの誘導体は、皮膜強度と高い帯電量とを同時に得られるため、好ましく用いられる。皮膜強度の向上の目的で、微量のフェノール樹脂を含有させることも好ましい。フェノール樹脂の含有量は好ましくは、最表層を形成する樹脂中の2%以上10%以下であり、好ましくは4%〜8%である。2%以下では皮膜強度の向上効果が得られず、10%を超える場合、フェノールの負帯電性により、経時的な帯電性の低下が見られる。
【0054】
本発明に用いるアルコキシアルキル化ポリアミドは、非架橋状態ではその電気抵抗が低いため、画像形成時に地肌汚れや現像剤の帯電量の放置低下、温湿度による帯電量の変動などの不具合があるため、シリコーン樹脂との架橋構造を形成するための加熱工程により、残留するメトキシ成分を充分に分解する必要がある。
【0055】
こうして得られるキャリアの電気抵抗は50V/mmにおけるLogRが14以上17以下であり、250V/mmにおける抵抗値はLogRが8以上16以下が好ましい範囲である。50V/mmにおける電気抵抗値が14より小さいと放置時の帯電量低下が大きく、また、温湿度による帯電量の変動が大きい。また、250V/mmにおける抵抗値がLogR16より大きいと、連続印刷時にキャリアのチャージアップによる画像濃度の低下が生じ好ましくない。
【0056】
キャリアの電気抵抗を適正にするために、キャリア皮膜中に導電性物質を含有させることが可能である。ここでいう導電性物質とは、公知の導電性材料を用いることができる。導電性物質の例としてはたとえば、導電性ZnO、Al等の金属粉、各種の方法で作られたSnO2及び種々の元素をドープしたSnO2、ホウ化物、例えばTlB2、ZnB2、MoB2、炭化ケイ素及び導電性高分子(ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、ポリピロール)などがあるが、最も好ましくは導電性のカーボンブラックである。なかでも、カーボンブラックは広範囲に抵抗値を得られるために好ましく用いられる。
【0057】
また、先に記述したように、皮膜の補強の目的で皮膜中に他の硬質な微粒成分を含有させることができる。なかでも金属酸化物、無機酸化物粒子は均一な粒子径で、かつ皮膜の成分であるポリアミドと高い親和性が得られ、著しい皮膜の補強効果を示すため、好ましく用いられる。
【0058】
こうした微粒子としては、従来公知の材料を単独、もしくは、混合して用いることが可能であり、代表的にはシリカ、酸化チタン、アルミナなどがある。皮膜中に含有させる硬質微粒子の含有量として5〜70%が好ましく、より好ましくは2〜40%の範囲である。含有量は用いる微粒子の粒子径、比表面積によって、適切に選ばれるが、5%未満では皮膜の耐磨耗効果が発現しにくく、70%を超えると、微粒子の脱離が生じやすくなる。
【0059】
本発明に使用される磁性粉末としては、例えば、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ba系フェライト、Mn系フェライトなどが挙げられる。
フェライトとは、一般に下記式で表される燒結体である。
【化1】
(MO)x(NO)y(Fe2O3)z
但し、x+y+z=100mol%であって、M、Nはそれぞれ、Ni、Cu、Zn、Li、Mg、Mn、Sr、Caなどであり、2価の金属酸化物と3価の鉄酸化物との完全混合物から構成されている。なかでも、鉄系、マグネタイト系、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライトなどは好ましく用いられる。
【0060】
以上説明した現像ユニットとキャリアを組み合わせて使用することで、現像剤中のトナーが均一に帯電されるため、帯電量分布は1つのピークしか持たず、標準偏差の小さいシャープな分布が得られる。
【0061】
本発明に使用されるトナーとしては、バインダー樹脂としての熱可塑性樹脂を主成分とし、着色剤、微粒子、そして帯電制御剤、離型剤等を含むものである。また、一般公知の粉砕法、重合法等の各種のトナー製法により作製されたトナーを用いることができる。
【0062】
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−o−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが単独あるいは混合して使用できる。
【0063】
ポリエステル樹脂としては、アルコールと酸との重縮合反応によって得られ、例えばアルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジエチルグリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単量体、その他の2価のアルコール単量体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上の高級アルコール単量体を挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸からの二量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボン酸−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体、これらの酸の無水物等の3価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
【0064】
さらにエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物等があり、例えば、エポミックR362、R364、R365、R366、R367、R369(以上、三井石油化学工業社製)、エポトートYD−011、YD−014、YD−904、YD−017(以上、東都化成社製)、エポコート1002、1004、1007(以上、シェル化学社製)等の市販のものがある。
【0065】
着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、ハンザイエローG、ローダミン6Gレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、染顔料など、従来公知の染顔料を単独あるいは混合して使用し得る。
【0066】
また、トナーは、通常使用されるトナーと同様に摩擦帯電性を制御する目的で含有せしめる薬剤を含有していても何ら不都合はない。そうした、いわゆる極性制御剤としては、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のCo、Cr、Fe、Zn等の金属錯体等を単独または混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
カラートナーに使用される極性制御剤は無色であることが必要であり、極性を有するポリマー型の極性制御性物質は好ましく用いられる。
【0067】
本発明に使用されるトナーには流動性改質剤を添加することができる。流動性改質剤の例としては、有機樹脂微粒子、金属石鹸など、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤、或いは酸化セリウム、炭化ケイ素などの研磨剤、一般に流動性改質の目的に用いられる公知の金属酸化物、代表的には酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの酸化金属微粒子、およびその表面を疎水化した粒子などである。これらのいずれの微粉末もその表面を疎水化することは流動性の面で優れた効果をもたらす。表面を疎水化処理するためには、例えば、シランカップリング剤やシリル化剤として一般に知られる珪素化合物を粒子表面と接触、反応させることができる。
【0068】
疎水化剤としては例えばクロロシラン類としては代表的にトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、エチルジクロロシラン、ジエチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、プロピルジクロロシラン、ジプロピルジクロロシラン、トリプロピルクロロシランなどアルキルクロロシラン、フェニルクロロシランなど。そのフッ素置換体としてフルオロアルキルクロロシラン、パーフルオロアルキルクロロシランの類。シリルアミン類としては、代表的にヘキサメチルジシラザン、ジエチルアミノトリメチルシランなど。シリルアミド類としては、代表的にN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド、N−トリメチルシリルアセトアミド、ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミドなど。また、アルコキシシラン類として、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルアルコキシシラン、エチルジアルコキシシラン、ジエチルアルコキシシラン、トリエチルアルコキシシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ジプロピルジアルコキシシラン、トリプロピルアルコキシシランなど、アルキルクロロシランや、フェニル基を有するフェニルアルコキシシランなど。また、そのフッ素置換体としてフルオロアルキルアルコキシシランの類、パーフルオロアルキルアルコキシシランの類、シリコーンオイルとして、ジメチルシリコーンオイル、およびその誘導体、フッ素置換体、ジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンなどシロキサンの類など、一般公知の疎水化剤として用いられ化合物が使用できる。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例にて更に詳細に説明する。なお、本発明は、ここに例示される実施例及び比較例に限定されるものではない。以下、部数は、全て重量部を表す。
【0070】
キャリア製造例
製造例1
メトキシメチル化ポリアミド(ナガセケムテック社製、EF30T)10部、シラノール含有メチルシリコーン樹脂(SiOH含有量1重量%、MW15000)の固形分濃度20wt%トルエン溶液を固形分量10部相当とを混合、溶解し、さらに酢酸を用いてpH4とし、50℃にて3時間還流した。この溶液の固形分量に対してカーボンブラック(BP2000)5部を加え、さらに、メタノール80部、アセトン80部、トルエン80部にて希釈した液体をホモジナイザーで攪拌、分散して、コート液を得た。この液体の固形分に対して5部のクエン酸を溶解し、流動床乾燥装置にて体積平均粒径38ミクロンのフェライト芯材に対して塗布し、ナイロン−シリコーン樹脂混合皮膜を設けた。得られた粉体は、210℃にて2時間加熱乾燥し、皮膜厚さ0.6μmのキャリアAを得た。被膜の厚さは塗布するコート液量により、調整した。
【0071】
上記キャリア抵抗率は、次の方法により測定することができる。
図2に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの一対の平行平板電極12a、12bを収容した弗素樹脂製容器からなるセル11にキャリア13を充填し、両極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード社製)にて直流抵抗を測定し、電気抵抗率LogR・Ωcmを算出する。印加電圧は100V及び500Vにおける抵抗率を測定した。このキャリアの電気抵抗はLogR14.2Ωcm(50V/mm)、13.4Ωcm(250V/mm)であった。
【0072】
製造例2
製造例1において、用いるシリコーン樹脂をSiOH含有量6重量%、分子量MW5000のメチルフェニルシリコーン樹脂とし、さらにテトラブトキシメチル化ベンゾグアナミンのトルエン、ブタノール混合溶液の固形分量2部相当を添加し、コート液にさらに粒子径0.3ミクロンのアルミナ微粒子1部を添加し、これをホモジナイザーで同様に分散して得られたコート液を用いて、皮膜を形成して皮膜厚さ0.6μmのキャリア粒子Bを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR15.2Ωcm(50V/mm)、13.5Ωcm(250V/mm)であった。
【0073】
製造例3
製造例1において、シリコーン樹脂を用いない以外は全て同様にしてキャリアCを得た。このキャリアの電気抵抗はLogR13.7Ωcm(50V/mm)、12.6Ωcm(250V/mm)であった。
【0074】
実施例1
製造法1で作製したキャリアA93部とIPSiO Color8000用黒トナー7部を混合して2成分現像剤を作製した。この現像剤をIPSiO Color8000用2成分現像ユニットに入れ、トナー補給と消費を行わずに1時間攪拌後に画像出しを行った。その結果、得られた画像は、地汚れランク4、トナー飛散○であった。
この時の現像剤を現像スリーブ軸方向前方側でサンプリングし、現像剤中のトナーの帯電量分布を測定したところ、1つのピークしか持たず、正規分布関数で近似した時の標準偏差が1.0[fC/10μm]であった。
【0075】
参考例2
製造法2で作製したキャリアB93部とIPSiO Color8000用黒トナー7部を混合して2成分現像剤を作製した。この現像剤をIPSiO Color8000用2成分現像ユニットに入れ、トナー補給と消費を行わずに1時間攪拌後に画像出しを行った。その結果、得られた画像は、地汚れランク5、トナー飛散◎であった。
この時の現像剤を現像スリーブ軸方向前方側でサンプリングし、現像剤中のトナーの帯電量分布を測定したところ、1つのピークしか持たず、正規分布関数で近似した時の標準偏差が0.8[fC/10μm]であり、帯電量−1.0[fC/10μm]以下のトナーの割合が1%であり、帯電量−7.0[fC/10μm]以上のトナーの割合が0.6%であった。
【0076】
実施例3
製造法1で作製したキャリアA90部とIPSiO Color8000用黒トナー10部を混合して2成分現像剤を作製した。この現像剤をIPSiO Color8000用2成分現像ユニットに入れ、トナー補給と消費を行わずに5時間攪拌後に画像出しを行った。その結果、得られた画像は、地汚れランク4、トナー飛散○であった。
この時の現像剤を現像スリーブ軸方向前方側でサンプリングし、現像剤中のトナーの帯電量分布を測定したところ、1つのピークしか持たず、正規分布関数で近似した時の標準偏差が1.2[fC/10μm]であり、初期に対して標準偏差が+0.4[fC/10μm]の変化であった。
【0077】
参考例4
製造法2で作製したキャリアB90部とIPSiO Color8000用黒トナー10部を混合して2成分現像剤を作製した。この現像剤をIPSiO Color8000用2成分現像ユニットに入れ、トナー補給と消費を行わずに5時間攪拌後に画像出しを行った。その結果、得られた画像は、地汚れランク5、トナー飛散◎であった。
この時の現像剤を現像スリーブ軸方向前方側でサンプリングし、現像剤中のトナーの帯電量分布を測定したところ、1つのピークしか持たず、正規分布関数で近似した時の標準偏差が0.8[fC/10μm]であり、帯電量−1.0[fC/10μm]以下のトナーの割合が0.6%であり、帯電量−8.0[fC/10μm]以上のトナーの割合が0.9%であった。
【0078】
比較例1
製造法1で作製したキャリアA84部とIPSiO Color8000用黒トナー16部を混合して2成分現像剤を作製した。この現像剤をIPSiO Color8000用2成分現像ユニットに入れ、トナー補給と消費を行わずに1時間攪拌後に画像出しを行った。その結果、得られた画像は、地汚れランク4、トナー飛散△であった。
この時の現像剤を現像スリーブ軸方向前方側でサンプリングし、現像剤中のトナーの帯電量分布を測定したところ、1つのピークしか持たず、正規分布関数で近似した時の標準偏差が1.2[fC/10μm]であった。
【0079】
比較例2
製造法2で作製したキャリアB80部とIPSiO Color8000用黒トナー20部を混合して2成分現像剤を作製した。この現像剤をIPSiO Color8000用2成分現像ユニットに入れ、トナー補給と消費を行わずに5時間攪拌後に画像出しを行った。その結果、得られた画像は、地汚れランク3、トナー飛散△であった。
この時の現像剤を現像スリーブ軸方向前方でサンプリングし、現像剤中のトナーの帯電量分布を測定したところ、1つのピークしか持たず、正規分布関数で近似した時の標準偏差が1.3[fC/10μm]であり、初期に対して標準偏差が+0.5[fC/10μm]の変化であった。
【0080】
比較例3
製造法3で作製したキャリアC93部とIPSiO Color8000用黒トナー7部を混合して2成分現像剤を作製した。この現像剤をIPSiO Color8000用2成分現像ユニットに入れ、トナー補給と消費を行わずに1時間攪拌後に画像出しを行った。その結果、得られた画像は、地汚れランク2、トナー飛散×であった。
この時の現像剤を現像スリーブ軸方向前方でサンプリングし、現像剤中のトナーの帯電量分布を測定したところ、2つのピーク(0[fC/10μm]付近に1ピーク発生)を持っていた。
表1に地汚れランク及びトナー飛散の結果を示す。
【0081】
【表1】
【0082】
注)弱帯電割合・・−1.0[fC/10μm]以下の割合
高帯電割合1・・−7.0[fC/10μm]以上の割合(1時間攪拌時)
高帯電割合2・・−8.0[fC/10μm]以上の割合(5時間攪拌時)
σ変化・・初期状態からの標準偏差変化量
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、2成分現像剤のキャリアが、磁性微粉体表面に皮膜が、N−アルコキシアルキル化ポリアミドと、該ポリアミドと、シラノール基及び/または加水分解可能な基を有するシリコーン樹脂と反応可能な1種以上の樹脂とを含む混合物から得られる縮合物からなる皮膜であるキャリアとトナーからなる現像剤を、潜像担持体に現像剤を供給する現像スリーブの軸方向に平行な仕切り部材の両側に沿ってループ状に循環するように構成された現像剤攪拌部材により、混合・攪拌しながら搬送する現像剤搬送手段を用いて、前記現像スリーブに供給することを特徴とする2成分現像方法により、地汚れ・トナー飛散の起こりにくい帯電量分布の時間推移の条件を規定することができた。そして、この地汚れ・トナー飛散の起こりにくい帯電量分布が得られる静電荷像現像方法を提供することができる。
【0084】
請求項2によれば、現像剤中のトナーの帯電量分布ピークが1つで、かつ、帯電量分布を正規分布関数で近似した時の標準偏差が1.0[FC/10μm]以下であり、前記現像剤攪拌部材により混合・攪拌しながら搬送後も、正規分布関数で近似した時の標準偏差が1.0[FC/10μm]以下でありピークが1つであることに有意な変化がない現像剤を使用することを特徴とする請求項1記載の2成分現像方法により、現像剤中のトナーの帯電量分布の正規分布関数による解析から、標準偏差が1.0[FC/10μm]よりも大きいと、地汚れランクは3以下、トナー飛散は×か△になってしまうのに対し、地汚れランク、トナー飛散の良好な現像結果を得ることが可能となる。
【0085】
請求項3によれば、上記2成分現像剤中のトナーの帯電量分布を正規分布関数で近似した時の標準偏差において、初期に対して攪拌後の標準偏差が+0.2[FC/10μm]以下の変化であることを特徴とする請求項2記載の2成分現像方法により、標準偏差の変化が+0.2[FC/10μm]よりも大きいと、地汚れランクは3以下、トナー飛散は×か△になってしまうのに対し、地汚れランクの4以上、トナー飛散○という良好な結果を得ることが可能となる。
【0086】
請求項4によれば、帯電量分布における帯電量−1.0[FC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合が帯電量分布全体の0〜10%であり、帯電量−7.0[FC/10μm]以上の高帯電トナーの割合が帯電量分布全体の0〜5%以下であることを特徴とする請求項2または3記載の2成分現像方法により、帯電量−1.0[FC/10μm]以下のトナーの割合が帯電量分布全体の10%より多く、帯電量−7.0[FC/10μm]以上のトナーの割合が帯電量分布全体の5%より多いと、地汚れランクの3以下、トナー飛散は×か△になってしまうのに対し、地汚れランクの4以上、トナー飛散○以上の結果を得ることが可能となる。
【0087】
請求項5によれば、帯電量分布における帯電量−1.0[FC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合及び帯電量−7.0[FC/10μm]以上の高帯電トナーの割合が共に0〜1%であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の2成分現像方法により、前記請求項の場合よりも良好な地汚れランクの5、トナー飛散◎の結果を得ることが可能となる。
【0088】
請求項6によれば、帯電量分布における帯電量−1.0[FC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合及び帯電量−8.0[FC/10μm]以上の高帯電トナーの割合が共に帯電量分布全体の0〜5%であることを特徴とする2成分現像方法により、帯電量−1.0[FC/10μm]以下のトナーの割合及び帯電量−8.0[FC/10μm]以上のトナーの割合がどちらか一方でも5%よりも多いと、地汚れランクの3以下、トナー飛散は×か△になってしまうのに対し、地汚れランクの4以上、トナー飛散○以上が得られることが可能となる。
【0089】
請求項7によれば、帯電量分布における帯電量−1.0[FC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合が帯電量分布全体の0〜3%であることを特徴とする2成分現像方法により、帯電量−1.0[FC/10μm]以下のトナーの割合が3%より多く5%以下であると、地汚れランクの4以上、トナー飛散○以上になり、5%より多いと地汚れランクの3以下、トナー飛散は×か△になってしまうのに対し、この場合よりも良好な地汚れランクの5、トナー飛散○以上が得られることが可能となる。
【0090】
請求項8によれば、帯電量分布における帯電量−1.0[FC/10μm]以下の弱帯電・逆帯電トナーの割合及び−8.0[FC/10μm]以上の高帯電トナーの割合が共に帯電量分布全体の0〜1%であることを特徴とする請求項6または7に記載の2成分現像方法により、帯電量−1.0[FC/10μm]以下のトナーの割合が1%よりも多く3%以下であり、帯電量−8.0[FC/10μm]以上のトナーの割合が5%以下であると、地汚れランクの5、トナー飛散○以上になり、帯電量−1.0[FC/10μm]以下のトナーの割合が3%より多く5%以下であると、地汚れランクの4以上、トナー飛散○以上になり、5%より多いと、地汚れランクの3以下、トナー飛散は×か△になってしまうのに対し、良好な地汚れランクの5、トナー飛散◎が得られることが可能となる。
【0091】
請求項9〜11によれば、現像剤のトナー濃度が1〜15%で調整されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の2成分現像方法により、この範囲のトナー濃度で、前記の良好な地汚れ、トナー飛散が得られることが可能となる。
【0092】
請求項12によれば、請求項1から11のいずれか1項を好適に用いた画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される現像ユニットの断面図である。
【図2】本発明に使用するキャリアの電気抵抗率測定に用いる測定セルの斜視図である。
【図3】正規分布関数による帯電量分布近似例を示す図である。
【符号の説明】
1 現像スリーブ
2 上部現像ケース
3 下部現像ケース
4 第1の現像剤攪拌部材
5 第2の現像剤攪拌部材
6 現像剤
7 現像剤規制手段(ドクタブレード)
8 仕切り部材
11 セル
12a 平行平板電極
12b 平行平板電極
13 キャリア
Claims (2)
- トナーとキャリアからなりトナー濃度1〜15%で調整された2成分現像剤を、像担持体上の静電潜像を現像するためのトナーを供給する現像スリーブと、この現像スリーブの軸方向に沿って2成分現像剤を混合・攪拌しながら搬送するものであり、現像スリーブに遠い側に軸支された第1の現像剤攪拌部材、及び近い側に軸支された第2の現像剤攪拌部材と、これらの部材の間に設けられその両端に現像剤の連絡通路が確保された形の仕切り部材とを備えていて、現像剤をループ状に循環するように構成された現像ユニットを用いて攪拌・混合する2成分現像方法であり、該キャリアが磁性を有する微粉体表面に皮膜を有する形態を有し、該皮膜が(i)N−アルコキシアルキル化ポリアミドと、(ii)少なくともシラノール基及び/または加水分解可能な基を有するシリコーンを含む1種以上の該N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能な樹脂との混合物から得られる縮合物を含有し、トナー補給と消費を行わず1時間攪拌しても、現像剤中のトナーの帯電量分布が1つのピークしか持たず、かつ、帯電量分布を正規分布関数で近似した時の標準偏差が1.0[fC/10μm]以下であるようにし、上記2成分現像剤中のトナーの帯電量分布を正規分布関数で近似した時の標準偏差において、初期に対して上記1時間攪拌後の標準偏差が+0.2[fC/10μm]以下の変化であることを特徴とする2成分現像方法。
- 請求項1において、トナー補給と消費を行わず5時間攪拌しても、現像剤中のトナーの帯電量分布が1つのピークしか持たず、かつ、帯電量分布を正規分布関数で近似した時の標準偏差が1.2[fC/10μm]以下であるようにし、帯電量分布を正規分布関数で近似した時の標準偏差において、初期に対して上記5時間攪拌後の標準偏差が+0.4[fC/10μm]以下の変化であることを特徴とする2成分現像方法。
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