JP4058613B2 - ガイドシュー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動路に設けたガイドレールと摺動してエレベータの乗り籠等の移動体の移動を案内するガイドシューに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エレベータの移動路(昇降路)には上下方向に延びるガイドレールが設けられるとともに、乗り籠にはガイドシューが設けられており、前者のガイドレールに対して後者のガイドシューが係合して摺動することによって乗り籠の昇降を案内するようになっている。
【0003】
図8に示すように、ガイドシュー51には、ガイドレール52と摺動するシュー53と、このシュー53の外面に接着された防振ゴム54と、このシュー53および防振ゴム54を保持してこれらを乗り籠55に固定するためのベース56とが設けられている。
【0004】
しかしながら、従来は、上記したようにシュー53の外面に防振ゴム54を直接接着する構成であるために、シュー53の材質としてゴム(例えば発泡ポリウレタンゴム等)を接着可能な材料を選定する必要があり、よってこれを原因として以下のような不都合を生じている。
【0005】
すなわち、ゴムを接着可能なシュー53の材質は一般的に摩擦係数が高く、油潤滑が必要である。したがって給油装置(図示せず)が必要とされ、この給油装置が独自のスペースを取るために、全体としてスペース効率が良くない。また、作動時に油が飛散するために、メンテナンス環境に良くない影響がでる。給油装置から必要以上に多くでた油が、乗り籠55の昇降時に周りに飛散するからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、ガイドシューおよびその周辺のスペース効率を向上させることができ、併せて、無給油構造であって油が飛散せず、メンテナンス環境を改善することができるガイドシューを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるガイドシューは、移動路に設けたガイドレールと摺動してエレベータの乗り籠等の移動体の移動を案内するガイドシューであって、前記ガイドレールと摺動するシューに一体化されるとともにゴムを接着可能な材質よりなる補助材を有し、前記補助材に対して防振ゴムを接着し、前記補助材は、前記シューの肉厚内に埋設されるとともに、前記シューの外面に設けた窓部において表面露出し、この表面露出部分において前記防振ゴムを接着してなることを特徴とするものである。
【0008】
【0009】
【0010】
上記構成を備えた本発明の請求項1によるガイドシューにおいては、シューに補助材が一体化され、この補助材がゴムを接着可能な材質(例えば金属またはポリアミド樹脂等)よりなり、この補助材に対して防振ゴムが接着されるために、シューはこれをゴム(例えば発泡ポリウレタンゴム等)を接着可能な材料で成形する必要がない。したがってシューの材質として、ゴムを接着するのは難しいが摩擦係数の小さな低摺動材(例えばポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂等)を利用することが可能となり、よって油潤滑が不要となるため、無給油構造を実現することが可能となる。
【0011】
また、シューに補助材を一体化するには、補助材をシューの肉厚内に埋設するとともに、シューの外面に設けた窓部において表面露出させ、この表面露出部分において防振ゴムを接着するのが、接合強度が高く、好適である。
【0012】
上記構成を備えた本発明のガイドシューは、昇降用エレベータの分野に使用され、また、その他の摺動する機構を持つ構造物の分野に利用される。
【0013】
尚、本件出願には、以下の技術的事項が含まれる。
【0014】
すなわち、上記目的を達成するため、本件出願が提案する一のガイドシューは以下の内容を備えている。
(1)シューとダンパーゴムの間に接着可能材を介在させ、一体化を図ったことを特徴とする。
(2)低摩擦のシュー材(例えばポリエチレンまたはポリプロピレン等の難接着材)を補助材(例えば金属またはポリアミド等の接着可能材)に構造的に抱き付かせ、その補助材にダンパーゴム(例えば発泡ポリウレタンゴム等の発泡ゴム)を焼付成形(接着成形)したことを特徴とする。
(3)補助材を金型に装着してシューと一体成形したことを特徴とする。
(4)本構造であれば、難接着材に限らず成形材特有のシューの変形を防止し、寸法の安定化を図ることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0016】
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係るガイドシュー1の構成要素をなす補助材3を示しており、この補助材3に対して図2に示すようにシュー4が一体化されるとともに、図3に示すように防振ゴム5が接着され、更にこの補助材3、シュー4および防振ゴム5よりなるシュー組立体2が図4に示すように、ケース7および蓋8よりなるベース(ハウジング)6によって保持されている。
【0017】
図1に示すように、補助材3は、金属またはポリアミド(PA)等の、ゴムを接着可能な材質によって成形されており、背面部3aおよび左右の側面部3bを有して横断面が略コ字形を呈するように成形されている。
【0018】
図2に示すように、シュー4は、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)等の、ゴムを接着するのは難しいが摩擦係数が比較的小さな低摩擦材によって成形されており、やはり背面部4aおよび左右の側面部4bを有して横断面が略コ字形を呈するように成形されており、その正面に、ガイドレール(図示せず)に係合して摺動するための溝状の摺動面9が形成されている。またこのシュー4は、金型(図示せず)の製品キャビティ空間に補助材3を装着した状態でこのシュー4を成形することにより、このシュー4の肉厚内に補助材3を埋設した状態で一体化したものであって、更にこのシュー4の外面に窓部10が設けられることにより、この窓部10において補助材3が一部表面露出している。窓部10は複数が設けられ、窓部10同士の間には、補助材3を外側から覆って保持効果を高めるための桟状の保持部11が設けられている。シュー4の内面(摺動面9)には窓部は設けられていない。
【0019】
図3に示すように、防振ゴム5は、発泡ポリウレタンゴム(発泡PUR)等の発泡ゴムによって横断面がやはり略コ字形を呈するように成形されており、シュー4の外側に配置されるとともに一部がシュー4の窓部10に充填されて補助材3の表面露出部分に焼付接着されている。尚、上記シュー4の窓部10はシュー4の側面部4bの外面のみでなく先端面にも開口していて、このシュー4の側面部4bの先端面に開口した窓部2においても補助材3が一部(補助材3の側面部3bの先端面の一部)表面露出しているため、防振ゴム5はこの部分においても補助材3に対して焼付接着されている。防振ゴム5はシュー4に対しては接着されていない。
【0020】
図4に示すように、ベース6は、所要の強度を確保すべくガラス入りポリアミド(PA)またはアルミニウム等の高強度材によって成形されたケース7および蓋8の組み合わせによって構成されており、ケース7の正面に、補助材3、シュー4および防振ゴム5よりなるシュー組立体2を収容保持するための凹部状の収容保持部12が形成されている。この収容保持部12の下端部には、収容したシュー組立体2が下方へ脱落したり位置ずれしたりすることがないようにフランジ状の受け部13が設けられており、この受け部13の正面および蓋8の正面に設けた切欠状の挿通部14にガイドレールが挿通される。またこのハウジング6のケース7には、このケース7を乗り籠に取り付けるための図示しない取付手段が設けられている。
【0021】
上記構成のガイドシュー1は、ベース6においてエレベータの乗り籠に取り付けられ、シュー4をガイドレールに係合させ摺動させることによって乗り籠の昇降を案内し、また乗り籠側に振動が発生すると、シュー4およびベース6が相対変位して防振ゴム5が弾性変形することによって緩衝機能を発揮するものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0022】
すなわち先ず、上記構成のガイドシュー1においては、シュー4に補助材3が一体化され、この補助材3が金属またはポリアミド等のゴムを接着可能な材質よりなり、この補助材3に対して発泡ポリウレタンゴム等の発泡ゴムよりなる防振ゴム5が接着されているために、シュー4はこれをゴムを接着可能な材料で成形する必要がなく、具体的にはシュー4がポリエチレンまたはポリプロピレン等の低摩擦材によって成形されている。したがって、このポリエチレンまたはポリプロピレン等の低摩擦材よりなるシュー4によれば、油潤滑が不要であって給油装置を省略することができ、無給油構造を実現することができるために、ガイドシュー1およびその周辺のスペース効率を向上させることができるとともに、油が飛散することがなくメンテナンス環境を改善することができる。
【0023】
また、背面部3aおよび左右の側面部3bを有して断面コ字形を呈する補助材3が、同じく背面部4aおよび左右の側面部4bを有して断面コ字形を呈するシュー4の肉厚内に埋設されるとともに、シュー4の外面に設けた窓部10において表面露出し、この表面露出部分に防振ゴム5が焼付接着されているために、補助材3およびシュー4を強固に接合することができ、併せて、補助材3に対して防振ゴム5を強固に接合することができる。
【0024】
上記第一実施例に係るガイドシュー1は、その構成を以下のように付加または変更しても良い。
【0025】
(1)シュー4に設ける桟状の保持部11を、図5および図6に示すように、縦横揃った格子状のものとする。図では、この格子状の保持部が横向き部分11a二本、縦向き部分11b一本の組み合わせによって構成されている。
【0026】
(2)シュー4に設ける窓部10を、図5および図6に示すように、シュー4の背面部4aにも設ける。尚、図では、このシュー4の背面部4aの窓部10に表面露出した補助材3の背面部3aおよびこれを内側から覆ったシュー4の背面部4aに、防振ゴム5の一部を係合するための凹部状の係合部15が所要数(図では三箇所)併せ設けられている。
【0027】
第二実施例・・・
図7は、分解・組立型のガイドシュー1の実施例を示すものであって、このガイドシュー1は以下のように構成されている。
【0028】
すなわち、図示しない補助材がシュー4と一体化されるとともにこの補助材に対して防振ゴム5が接着され、この補助材、シュー4および防振ゴム5よりなるシュー組立体2と、ケース7および蓋8よりなるベース(ハウジング)6と、蓋組付手段15とによって当該ガイドシュー1が構成されている。
【0029】
補助材は、金属またはポリアミド(PA)等の、ゴムを接着可能な材質によって成形されており、横断面が略コ字形を呈するように成形されている。
【0030】
シュー4は、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)等の、ゴムを接着するのは難しいが摩擦係数が比較的小さな低摩擦材によって成形されており、やはり横断面が略コ字形を呈するように成形されており、その正面に、ガイドレール(図示せず)に係合して摺動するための溝状の摺動面9が形成されている。またこのシュー4は、金型(図示せず)の製品キャビティ空間に補助材を装着した状態でこのシュー4を成形することにより、このシュー4の肉厚内に補助材を埋設した状態で一体化したものであって、更にこのシュー4の外面に窓部(図示せず)が設けられることにより、この窓部において補助材が表面露出している。
【0031】
防振ゴム5は、発泡ポリウレタンゴム(発泡PUR)等の発泡ゴムによって横断面がやはり略コ字形を呈するように成形されており、シュー4の外側に配置されるとともに一部がシュー4の窓部に充填されて補助材の表面露出部分に焼付接着されている。
【0032】
ベース6のケース7は、所要の強度を確保すべくガラス入りポリアミド(PA)またはアルミニウム等の高強度材によって成形されており、その正面に、補助材、シュー4および防振ゴム5よりなるシュー組立体2を収容保持するための凹部状の収容保持部12が形成されている。この収容保持部12の下端部には、収容したシュー組立体2が下方へ脱落したり位置ずれしたりすることがないようにフランジ状の受け部13が設けられており、この受け部13の正面に設けた切欠状の挿通部14にガイドレールが挿通される。またこのベース6のケース7にはこのケース7を乗り籠に取り付ける取付ネジを差し通すための差込み孔16が所要数設けられている。
【0033】
蓋8は、鋼板等を打ち抜き形成したものであって、ケース7の上面に固定されて、収容したシュー組立体2が上方へ脱落したり位置ずれしたりするのを防止する。またこの蓋8の正面には、切欠状のガイドレール挿通部14が設けられている。
【0034】
蓋組付手段15は、ケース7の上面に設けられた雌ネジ17と、この雌ネジ17と位置を合わせて蓋8の平面上に設けられた差込み孔18と、この差込み孔18に挿し込まれて雌ネジ17に締結される組立ネジ19とを有しており、この蓋組付手段15がケース7および蓋8の左右両側にそれぞれ設けられている。したがってこの蓋組付手段15によって蓋8をケース7から外すことにより、シュー組立体2をケース7から上方へ引き抜くことができ、よってメンテナンス時に必要に応じてシュー組立体2を新品と交換することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0036】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1によるガイドシューにおいてはシューに補助材が一体化され、補助材がゴムを接着可能な材質よりなり、補助材に対して防振ゴムが接着されているために、シューはこれをゴムを接着可能な材料で成形する必要がなく、ゴムを接着するのは難しいが摩擦係数の小さな低摺動材を利用することが可能となる。したがって、この低摺動材よりなるシューによれば油潤滑が不要であって給油装置を省略することができ、無給油構造を実現することができるために、ガイドシューおよびその周辺のスペース効率を向上させることができるとともに、油が飛散することがなくメンテナンス環境を改善することができる。
【0037】
【0038】
またこれに加えて、補助材がシューの肉厚内に埋設されるとともに、シューの外面に設けた窓部において表面露出し、この表面露出部分において防振ゴムを接着してなるものとされているために、補助材およびシューを強固に接合することができ、かつ補助材および防振ゴムを強固に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例に係るガイドシューの構成要素をなす補助材の斜視図
【図2】 上記補助材に対してシューを一体化した状態を示す斜視図
【図3】 上記補助材に対して防振ゴムを接着した状態を示す斜視図
【図4】 同実施例に係るガイドシューの斜視図
【図5】 補助材に対してシューを一体化した状態の他の例を示す図であって、(A)はその正面図、(B)は平面図、(C)は側面図
【図6】 図5に引き続き、補助材に対してシューを一体化した状態の他の例を示す図であって、(D)はその背面図、(E)は図5(A)におけるA−A線断面図
【図7】 本発明の第二実施例に係るガイドシューの分解斜視図
【図8】 従来例に係るガイドシューの横断面図
【符号の説明】
1 ガイドシュー
2 シュー組立体
3 補助材
3a,4a 背面部
3b,4b 側面部
4 シュー
5 防振ゴム
6 ベース
7 ケース
8 蓋
9 摺動面
10 窓部
11,11a,11b 保持部
12 収容保持部
13 受け部
14 挿通部
15 蓋組付手段
16,18 差込み孔
17 雌ネジ
19 組立ネジ
Claims (1)
- 移動路に設けたガイドレールと摺動してエレベータの乗り籠等の移動体の移動を案内するガイドシュー(1)であって、
前記ガイドレールと摺動するシュー(4)に一体化されるとともにゴムを接着可能な材質よりなる補助材(3)を有し、前記補助材(3)に対して防振ゴム(5)を接着し、
前記補助材(3)は、前記シュー(4)の肉厚内に埋設されるとともに、前記シュー(4)の外面に設けた窓部(10)において表面露出し、この表面露出部分において前記防振ゴム(5)を接着してなることを特徴とするガイドシュー。
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