JP4058910B2 - 可燃性廃棄物の処分方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、磁気テープ等のテープ類、シート状やフィルム状のプラスチック、あるいは、ラミネート古紙からパルプを回収した後のラミネートフィルム等の嵩張り度合いの大きな可燃性廃棄物を、燃焼炉まで輸送して投入しやすい形態に減容化するとともに、その減容化したものをセメント焼成工程にて有効利用しながら処分する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物の発生量は年々増加の一途をたどっている。その処理方法としては埋め立て処理、焼却処理等が知られている。しかし、埋め立て処理場の確保が難しくなってきていることから、焼却処理が注目を浴びてきている。かかる産業廃棄物の中でも廃プラスチック等の可燃性廃棄物は、焼却によって十分な熱量を発生するため、その燃焼によって生じる熱量を有効に利用するべく、各種の燃焼炉の燃料として使用されつつある。
【0003】
例えば、廃プラスチック等の可燃性廃棄物を燃料として利用する方法として、特開平7−277788号公報等に開示されるように、セメント焼成設備のロータリーキルン内に投入して燃焼させることで、主燃料とし使用している微粉炭の使用量を削減する技術が以前より知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、テープ、フィルム、シート等の形態で廃棄されるプラスチック廃材、あるいは、シュレッダーで破砕された事務用箋などの嵩張り度合いの非常に大きな可燃性廃棄物は、そのままの形態では、セメント製造用のロータリーキルンや仮焼炉に供給するに当たって種々の問題を発生する。即ち、これらの廃材は、貯蔵、輸送、計量等のハンドリング操作が極めて困難である。例えば、貯蔵する場合は、嵩比重が小さいために広大な貯蔵スペースが必要となる。また、車で輸送する場合は、嵩比重が小さいために1車当たりの輸送量が極端に少なく、輸送効率が著しく悪い上、飛散しやすいためにその対策が必要である。更に、ベルトコンベヤ等の輸送機械で輸送する場合においても、飛散やこぼれ、詰まりなどが発生し易い。また、燃焼炉に投入した際に、投入したものが舞い上がる等の問題もある。
【0005】
そこで、これらの可燃性廃棄物をバインダーの添加により加熱圧縮して減容固化する方法が考えられている。しかし、洗浄工程を経由して送られてくる可燃性廃棄物には水分が付着していることが多くあり、そのような場合、減容化のために加熱温度を上げていくと、水蒸気爆発の危険性が出てくる。そのため、無条件に従来の減容固化法を採用することができないという問題があった。また、従来の減容固化方法は、加熱圧縮のための設備が必要であり、コストがかかる上、工程が複雑化する問題もあった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮し、嵩張り度合いの大きな磁気テープ等の可燃性廃棄物をハンドリングしやすい形態に簡単且つ安全に減容化して処分する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の可燃性廃棄物の処分方法は、圧縮可能で嵩張り度合いの大きな可燃性廃棄物を、気密性を保持し得る袋に収容して、該袋内の空気を排気することで、圧縮してマット状に形成し、該マット状に形成した袋入りの可燃性廃棄物を、袋のまま破砕機にかけて破砕し、得られた破砕品を、それより硬質の可燃性廃棄物の破砕品と混合した上で、セメント焼成工程に補助燃料として投入することを特徴としている。
【0008】
このように、減圧により圧縮して袋ごとマット状に形成することで、貯蔵したり車で輸送したりする場合に、多数枚を積み重ねることができるようになる。従って、大量に貯蔵したり積載したりすることができ、貯蔵効率や輸送効率が向上する。また、袋に入っているので、計量等の際のハンドリング操作が極めて容易にできるようになると共に、飛散対策も必要なくなる。また、袋に入れた状態のまま燃焼炉に投入することもできるため、飛散やこぼれの心配や舞い上がりの心配もなくなる。さらに、家庭用掃除機や真空ポンプを利用して簡単に安全にコストをかけずに減容化することができるので、従来の加熱圧縮式の減容化方法と比べて実現が容易である。
【0013】
そして、セメント焼成工程にマット状に減容化した可燃性廃棄物を投入するに当たって、袋のまま破砕した上でセメント焼成工程に投入する方法を採用しているために、機械化処理しやすくなる。
また、嵩張り度合いの大きい可燃性廃棄物を、その嵩張る状態のまま破砕機にかけた場合には、硬質の可燃性廃棄物(硬質プラスチック等)を破砕する場合と比べて、破砕能力が1/3程度にダウンしてしまうが、真空吸引してマット状に圧縮減容化した状態で袋のまま破砕機にかけると、破砕能力の回復を図ることができる。例えば、家庭用掃除機で吸引した場合には、破砕能力のダウン量を2/3に軽減できるし、真空ポンプで吸引した場合には、硬質の可燃性廃棄物を破砕する場合と同等かそれ以上の破砕能力を確保することができる。つまり、圧縮のレベルに応じて破砕能力を高めることができる。
【0015】
さらに、硬質の可燃性廃棄物(例えばブロック状や厚物状のプラスチック廃材)の破砕品と混合した上で、セメント焼成工程に投入することにより、燃焼分布のバランスを良くすることが可能になる。
【0016】
請求項2の発明の可燃性廃棄物の処分方法は、請求項1において、袋のまま破砕機にかけて破砕した破砕品と、それより硬質の可燃性廃棄物の破砕品との混合物を、セメント焼成工程のロータリーキルンの窯前部から窯尻部方向へ向かって空気流に乗せてロータリーキルン内に吹き込むことを特徴としている。
【0017】
このようにロータリーキルンの窯前部から空気流に乗せて混合物を吹き込む場合、破砕品の嵩比重がばらけるので、ロータリーキルンの焼成領域の広い範囲に可燃性廃棄物を分散させながら到達させることができ、燃焼バランスを良くすることができる。
【0018】
請求項3の発明の可燃性廃棄物の処分方法は、請求項2において、袋のまま破砕機にかけて破砕した破砕品と、それより硬質の可燃性廃棄物の破砕品との混合物を、その混合比率を調整した上で、ロータリーキルンの窯前部から空気流に乗せて吹き込むことを特徴としている。
【0019】
このように2種の破砕品の混合比率を調整することで、燃焼分布の調整や到達距離の分散度合いを調整することができる。なお、嵩張り度合いの大きい可燃性廃棄物については、マット状に減容化した状態のまま破砕するので、計量精度が上がり、硬質の可燃性廃棄物と混合する場合の混合比率調整を精度良く行うことができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は可燃性廃棄物の減容化から車への積載までの手順を示している。
本実施形態の減容化方法を実施する場合は、まず、ハンドリングしやすい大きさの気密の袋1を用意する。袋1は、三辺が封止され、一辺が開口した樹脂製の四角形のものが望ましく、開口部1aに気密チャックのついた市販品を利用することができる。
【0021】
図1(a)に示すように、この袋1の中に、磁気テープ等のテープ類、シート状やフィルム状のプラスチック、ラミネート古紙からパルプを回収した後のラミネートフィルム等の嵩張り度合いの大きな可燃性廃棄物2を大量に押し込む。そして、袋1に収容したら、(b)に示すように、袋1の開口部1aを絞りながらブロア3のパイプを隙間から入れて、内部の空気をブロア3で排気する。ここでブロア3としては、真空ポンプを使用するのが理想的だが、家庭用掃除機等を使用してもよい。このように真空吸引することにより、(c)に示すように、内部の可燃性廃棄物2が袋1ごと圧縮されて、マット状の可燃性廃棄物2Aが出来上がる。この段階で、厚さ10〜20cm程度のマット状になるようにするのが後工程において有利である。
【0022】
このように圧縮してマット状に形成した可燃性廃棄物2Aは、マット形態であるから多数枚を積み重ねることができ、(d)に示すように、1台の車5に多数枚を大量に積載することができる。従って、輸送効率が大幅に向上する。また、貯蔵する場合にも多数枚を積み重ねることができるから、貯蔵効率が大幅に向上する。また、袋に入っているので、計量等の際のハンドリング操作が極めて容易にできるようになると共に、飛散対策も必要なくなる。更に、袋に入った状態のまま燃焼炉に投入することもできるため、飛散やこぼれの心配や舞い上がる心配もなくなる。
【0023】
また、この場合の減容化方法は、袋1とブロア3を使用して減圧により圧縮するだけであり、加熱圧縮による減容固化法と違って加熱を要しないから、洗浄工程等において水分の付着した可燃性廃棄物2であっても、安全に減容化することができるし、大がかりな減容固化装置を使用せずにすむ。
【0024】
図2は、上記のように形成したマット状の可燃性廃棄物2Aを、セメント焼成工程に投入するまでの手順を示している。図において、10はセメント焼成工程のロータリーキルンであり、10Aは窯前部、10Bは窯尻部を示す。セメント原料G1は、窯尻部1Bからロータリーキルン10内に投入され、ロータリーキルン10内を移動する間に焼成されて、窯前部10Aのクーラー11からセメントクリンカG2として排出される。
【0025】
ロータリーキルン10の下流端である窯前部10Aには、石炭粉や重油等の主燃料ノズル12と、可燃性廃棄物の投入ノズル13とが設置されており、それぞれのノズル12、13から、主燃料と可燃性廃棄物の破砕品とがロータリーキルン10内に投入されるようになっている。ここで、可燃性廃棄物の破砕品は、窯前部10Aから窯尻部10B方向へ向かって空気流に乗せてロータリーキルン10内に吹き込まれることで、セメントクリンカ焼成用の補助燃料として利用される。
【0026】
この設備を用いてセメントクリンカを製造するに当たり、前記マット状に形成した可燃性廃棄物2Aを補助燃料としてロータリーキルン10内に投入する。その場合、投入するに当たっては、マット形状そのままの形態で投入する方法(A)や、マット状に形成した袋入りの可燃性廃棄物2Aを、袋のまま破砕機7にかけて破砕した上で投入する方法(B)のどちらか、あるいは、両方を採用することができる。
【0027】
(B)の方法で投入する場合は、破砕品2Cを、ロータリーキルン10の窯前部10Aのノズル13から空気流(エア)に載せてロータリーキルン10内に吹き込むことができるので、機械化処理しやすくなる。
【0028】
このようにマット状に減容化した可燃性廃棄物2Aを袋のまま補助燃料としてセメント焼成工程に投入することにより、ハンドリングの容易化を図りながら、廃棄物の有効利用を図ることができて、微粉炭等の主燃料を節約することができる。
【0029】
また、図3に示すように、マット状に形成した可燃性廃棄物2Aの破砕品2Cと、それよりも硬質のブロック状や厚物状などの硬質プラスチック(硬質の可燃性廃棄物)22Aの破砕品22Cとを混合した上で、ロータリーキルン10の窯前部10Aのノズル13から空気流に乗せてロータリーキルン10内に吹き込むようにしてもよい。
【0030】
その場合、可燃性廃棄物の投入系統に計量器6、26、破砕機7、27、混合機28を用意しておき、それぞれの可燃性廃棄物2A、22Aの混合比率を調整しながら混合した物を吹き込むようにする。
【0031】
このように硬質プラスチックの破砕品22Cと混合した上でマット状の可燃性廃棄物の破砕品2Cを、ロータリーキルン10内に吹き込むことにより、ロータリーキルン10の焼成領域の広い範囲に可燃性廃棄物を適度に分散させながら到達させることができ、燃焼分布のバランスを良くすることが可能になる。また、2種の破砕品2C、22Cの混合比率を調整することにより、燃焼分布の調整や到達距離の分散度合いを調整することができる。なお、硬質の可燃性廃棄物としてプラスチックを例示したが、特にそれに限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、嵩張り度合いの大きな可燃性廃棄物を気密性を有する袋に入れて、いわゆる真空パック方式でマット状に圧縮減容化するので、貯蔵したり車で輸送したりする場合に、多数枚を積み重ねることができ、貯蔵効率や輸送効率の向上が図れる。また、袋に入っているので、計量等の際のハンドリング操作が極めて容易にできるようになり、飛散対策が必要なくなる。また、袋に入れた状態のまま燃焼炉に投入することができるため、飛散やこぼれの心配や舞い上がりの心配もなくなる。
【0035】
また、袋のまま破砕機にかけて破砕した破砕品を、それより硬質の可燃性廃棄物の破砕品と混合した上で、セメント焼成工程に補助燃料として投入するようにしているので、燃焼分布のバランスを良くすることが可能になる。
【0036】
請求項2の発明によれば、請求項1における2種の破砕品の混合物をロータリーキルンの窯前部から窯尻部方向へ向かって吹き込むようにしているので、ロータリーキルンの焼成領域の広い範囲に可燃性廃棄物を分散させながら到達させることができ、燃焼バランスを良くすることができる。
【0037】
請求項3の発明によれば、2種の破砕品の混合物をロータリーキルン内に吹き込むに当たり、混合比率を調整した上で吹き込むようにしたので、燃焼分布の調整や到達距離の分散度合いを、その混合比率に応じて調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の減容化の手順を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態のマット状に減容化した可燃性廃棄物をセメント焼成工程に投入するまでの手順を示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態の説明図である。
【符号の説明】
1 袋
2 可燃性廃棄物
2A マット状の可燃性廃棄物
2C 破砕品
7,27 破砕機
10 ロータリーキルン
10A 窯尻部
10B 窯前部
22A 硬質プラスチック(硬質の可燃性廃棄物)
22C 破砕品
Claims (3)
- 圧縮可能で嵩張り度合いの大きな可燃性廃棄物を、気密性を保持し得る袋に収容して、該袋内の空気を排気することで、圧縮してマット状に形成し、該マット状に形成した袋入りの可燃性廃棄物を、袋のまま破砕機にかけて破砕し、得られた破砕品を、それより硬質の可燃性廃棄物の破砕品と混合した上で、セメント焼成工程に補助燃料として投入することを特徴とする可燃性廃棄物の処分方法。
- 前記袋のまま破砕機にかけて破砕した破砕品と、それより硬質の可燃性廃棄物の破砕品との混合物を、セメント焼成工程のロータリーキルンの窯前部から窯尻部方向へ向かって空気流に乗せてロータリーキルン内に吹き込むことを特徴とする請求項1記載の可燃性廃棄物の処分方法。
- 前記袋のまま破砕機にかけて破砕した破砕品と、それより硬質の可燃性廃棄物の破砕品との混合物を、その混合比率を調整した上で、ロータリーキルンの窯前部から空気流に乗せて吹き込むことを特徴とする請求項2記載の可燃性廃棄物の処分方法。
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