JP4064470B2 - 目の水晶体嚢に埋め込むための絞り - Google Patents
目の水晶体嚢に埋め込むための絞り Download PDFInfo
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Description
濁った水晶体を手術で除去することによって白そこひ(白内障)を治療し、人工の眼球内レンズを目の水晶体嚢に入れることが医学的な従来技術である。
虹彩の欠損を手当てするためには、中央の人工瞳孔の領域でのみ屈折光学の意味において透明であり、周辺において彩色されている無虹彩症用眼球内レンズが知られている。
無虹彩症用眼球内レンズの使用は、虹彩の比較的小さな欠損がある場合には、必ずしも考慮されない。絞りと屈折光学系のこうした固定した組合せの欠点は、この補装具の全般的な悪い有効性又は間接的な有効性である。このことは一方では製造の複雑さにあり、他方では保管技術的な理由にある。何故ならば、定形に対応しない場合のための屈折光学的なすべての強みを蓄えていることが、余りにコストがかかり、経済的に耐え切れないだろうからである。
特に複雑化の際に、眼球内レンズに加えて、他の補装具として締付リングを水晶体嚢に嵌め込んで、締付リングを緊張し、安定化し、かつ水晶体嚢の保持手段の荷重を軽減することは知られている。このことは嚢の赤道領域への嚢内締付リング(kapselspannring)の圧力によって生じる。
無虹彩症すなわち虹彩欠損症のある場合に、嚢内締付リングと、内側に突き出ている1つ又は複数の絞り、すなわち、嚢に埋め込むための、中央の人工瞳孔を空けておく絞りとが、補装具として提供されている。
嚢内締付リングと絞りとの組合せは、所定のサイズの人工瞳孔を形成するという目標設定において、両者の組合せの「作動原理」が逆であることを無視している。締付リングが応力を嚢の赤道領域に加えている間、締付リングに取着された絞りの目標設定は嚢の中心の方向にある。このことは、所定のサイズの人工瞳孔を保つには、適当である。応力に基づいて、複数の絞りは強膜の境界(縁)の後方に移動することがあって、余りにも大きな人工瞳孔が生じてしまう。このような埋め込み材料の結果は、瞳孔に関しては、嚢の解剖学的な与件に強く依存しており、予想することはできない。かくして、このような補装具は、所定のサイズの人工瞳孔を形成するという目標設定を満たさない。
本発明の課題は、目の水晶体嚢へ埋め込むための絞り、すなわち、締付リングによって嚢から機能的に切り離されており、かつ所定のサイズの瞳孔を形成する絞りを形成することである。
この課題は、人工水晶体に追加してほぼ応力なしに目の水晶体嚢へ埋め込まれる絞りによって解決される。
このような絞りの構想は、嚢の赤道がまず第1に力を(圧縮可能な)絞りに加えないことに基づいている。このことは、デザインによって事前設定された瞳孔の大きさが維持されているという利点を有する。呈示された構想の他の利点は、複雑でない埋め込み可能性と、光学系への非依存性による直接的な有効性とである。
好ましい実施の形態では、絞りは、10.5mm乃至11mmの直径の、非常に大きな目のための使用の際には最大限12mm及びそれ以上の直径の外接円に応力なしに納まる。絞りは対向側において外接円に達する。
絞りは、中央の空所の脇の一側に覆い領域を、空所の他側に弓形の湾曲部材を具備する単独絞りである。
湾曲部材がC字形又はJ字形であることは好ましい。
絞りは、中央の空所の両側に2つ覆い領域を、空所の脇の側方には、覆い領域を結合する弾性的な湾曲部材を具備する二重絞りである。
湾曲部材はC字形に内側に湾曲していることは好ましい。
本発明の絞りがすべて平坦であることことは好ましい。しかし、絞りは、1つ又は複数の平坦な覆い領域と、そこから曲げられている湾曲部材とを具備することもできる。
好ましい実施の形態では、水晶体嚢への埋め込み後に絞りを硬化する刺し具が絞りに入れられる。
絞りは針の先又はガイドフック用の1つ又は複数の開口部を具備することができる。
絞りは、染色されたPMMA(ポリメタクリル酸メチル)又はポリカーボネートからなることは好ましい。
本発明によって,角度をずらして重なるように嚢に埋め込み可能である絞りのセットが形成される。絞り同士は、中央の、ほぼ円形の人工瞳孔が空いているように、互いに覆っている。
本発明は3mm及び4mmの直径の人工瞳孔用の絞りの各セットを規定している。
好ましい実施の形態では、セットの絞りは嚢内で互いに結合され、クリップ留めされ又はロックされる。
好ましい実施の形態では、上記タイプの1つ又は複数の絞りに固定するための円形の穴を有する固定リングが設けられている。この固定リングによって、正確に円形の人工瞳孔が形成される。
本発明の他の変更の実施の形態では、折り畳み可能な染色した材料、特にシリコーン又は軟質アクリルからなる円形の絞りが設けられている。絞りを水晶体嚢に応力なしに埋め込むためには、この絞りの外径は10.5乃至11mmであり、非常に大きな目のための使用の際には最大限12mm及びそれ以上である。絞りの内径は所望の人工瞳孔の内径、特に3mm又は4mmに対応する。
以下、図面に示した実施の形態を参照して本発明を詳述する。
図1乃至図6は直径4mmの人工瞳孔を形成するための第1のセットの絞りの図であり、
図1は単独絞りの平面図、
図2は180度ずれて互いに接触している図1に示す2つの単独絞りの平面図、
図3は二重絞りの平面図、
図4は90度ずれて互いに接触している図3に示す2つの二重絞りの平面図、
図5は変更した単独絞りの平面図、そして、
図6は変更した二重絞りの平面図である。
図7乃至図12は直径3mmの人工瞳孔を形成するための第2のセットの絞りの図であり、
図7は単独絞りの平面図、
図8は180度ずれて互いに接触している図7に示す2つの単独絞りの平面図、
図9は二重絞りの平面図、
図10は、90度ずれて互いに接触している図7に示す単独絞りと、図9に示す二重絞りとの平面図であり、
図11は絞り用の固定リングの平面図であり、そして、
図12は図11でXII方向から見た固定リングの側面図である。
絞り10、12は染色されたPMMAからなる平坦部品である。
図1乃至図4並びに図7乃至図10に示した絞りは、10.5mmの直径の外接円14に応力なしに納まっている。図5及び図6に示した絞り10,12は11mmの直径の外接円14に応力なしに納まっている。
図1乃至図6に示した絞り10,12のセットで、4mmの直径の人工瞳孔16が形成される。図7乃至図10に示した絞りのセットで、人工瞳孔16の直径は3mmである。
図1及び図2に示した単独絞り10は、人工瞳孔16の側方の一側に、覆い領域18を有する。覆い領域18は人工瞳孔16の縁部から外接円14まで延びている。
単独絞り10はC字形の湾曲部材20を有し、この湾曲部材20は直径方向に覆い領域18と向かい合って外接円14に接している。湾曲部材20の端部は外接円14から離れて内側に湾曲している。
湾曲部材20は一側で覆い領域18に接触している。湾曲部材は自らの端部に向かって細くなっており、人工瞳孔16を開けたままにしておく。
覆い領域18の、湾曲部材のない縁部には、ガイドフック用の開口部22が設けられている。他のこのような開口部24は外接円14との接触端部に近い湾曲部材20にある。開口部22,24は互いにほぼ向かい合っている。
単独絞り10を人工水晶体と共に嚢に埋め込むとき、単独絞り10は虹彩欠損症(虹彩の欠裂)を覆うためにのみ用いられる。
図2に示すように、絞り10を嚢へ二重に埋め込むとき、瞳孔が得られる。2つの単独絞り10は180度だけずれて互いに同一平面上に接触している。
図3に示した二重絞り12は2つの同一形状の覆い領域18を有する。これらの覆い領域18は互いに直径上に向かい合っており、夫々、人工瞳孔16の縁部から外接円14まで延びている。覆い領域18は人工瞳孔16の一側で弾性的な湾曲部材26によって結合されている。この湾曲部材26はU字形に内側に湾曲されており、人工瞳孔16を開けたままにしておく。
二重絞り12は、湾曲部材26に相対する側にあってかつ覆い領域18を結合する刺し具28によって補強されている。真っ直ぐなピンとして形成された刺し具28は覆い領域18の互いに相対する盲穴にある。これらの覆い領域18は絞り12の主要面にあって、絞り12の弛緩状態では整列している。刺し具28は覆い領域18のうちの1個と最初から結合されていて、特に、その1個と一体的に形成されていることができる。刺し具28は、絞り12を水晶体嚢に埋め込んだ後に、他方の覆い領域18に差し込まれる。
複数の覆い領域18は、湾曲部材のない縁部にかつ湾曲部材の付根に、夫々、針の先端用の開口部22,24を有する。
人工水晶体と共に二重絞り12を水晶体嚢に埋め込む際に、二重絞り12は相対する虹彩欠損を僅かの伸びで覆うためにのみ用いられる。1例は白内障手術の実施の前に狭い虹彩の治療のために施された医原性の括約筋切除術である。
図4に示すように、互いに90度ずれて相前後している図3に示した2つの二重絞りによって、ほぼ円形の瞳孔16が形成される。
図5及び図6は、幾分小さな覆い領域18を有する変更の単独絞り10と、幾分大きな外接円14を有する二重絞り12とを示している。
図7乃至図10に示した絞りの場合では、人工瞳孔16の直径は幾分小さい。
図10に示すように、単独絞り及び二重絞り10,12は、互いに絞りを嚢に共に埋め込むために、適合性がある。このことは、人工瞳孔16の同一の大きさを有するすべての絞り10,12に当て嵌まる。
図11及び図12は絞り10,12用の固定リング30を示している。固定リング30は染色されたPMMAからなる。この固定リング30は平らな卵形の環状体32を有し、この環状体32の側面には、2つの湾曲部材(Haptikbuegel)34が環状面から垂直方向に上方にかつ環状面に対し平行に外側へ折曲されている。固定リング30は湾曲部材34によって絞り10,12に取着される。固定リングは3mmの直径を有する中心の円形の穴36を有する。
本発明は応力なしの虹彩用嚢内絞りのための構想を提供している。虹彩の人工代替物用のモジューラ・システムが作られる。
人工虹彩用のモジュールのデザインは、モジュールを嚢に埋め込んだ後に生じる瞳孔の大きさがモジュールの構成において事前設定されているように、構想されている。
このことは、ヒトの嚢が10.5mm乃至11mmの外径を有すると想定すれば、モジュールを応力なしに設けるためには、この補装具の11mmという外径を越えないほうがよいこと、を意味する。
嚢のために12mm及びそれ以上の外径が望まれる近視の場合がここでは例外となる。過度の近視のこうした場合のために、モジュールが相応に大きくあることができる。
モジュールの構造によって事前設定された瞳孔の大きさは、デザインにおいてあるような可撓性のモジュールでは、嚢の赤道からは応力が全然補装具に加えられないときにのみ、嚢内で達成されることができる。本発明のモジューラ・システムはこうした諸条件を満たすので、手術したばかりの状態で、事前設定された瞳孔の大きさが達成される。
嚢が手術後に明らかなように萎縮の傾向を示すので、2次的な応力がモジュールに加えられるのを、除外することができない。モジュールが変形なしにこのことに耐えるためには、モジュールを嚢において補強し及び/又は互いに結合することが考えられる。このことは、例えば、クリップ留め又はロックによって生じることができる。モジュールは、特に、刺し具によって補強し及び/又はプラグ・ソケット原理(Stecker-Steckbuchsen-Prinzip)に基づいて互いに係合することができる。
モジュールの補強及び/又は互いの結合は埋め込み技術的な理由から嚢のみにおいてなされることができる。
モジュールは一方ではデザインによって、他方では埋め込みによって層毎に重なりあうようにして嚢内での安定性を達成する。
C字形の湾曲部材又はJ字形の湾曲部材によって、あるいは二重絞り12の2つの覆い領域18によっても、モジュールの、嚢の大きさを達成するその時々の延びが事前設定される。モジュールの端部が嚢の赤道領域にあることによって、埋め込み材料の同時的な積み重ねの際に、手術したばかりの状態又は手術後の状態での埋め込み材料の位置の安定性が保証されている。
材料としては、現在、顔料(青、緑、茶)の入ったPMMA又はポリカーボネートが用いられる。
他の生物適合性の材料、例えば、シリコーン又は軟質アクリルの使用も考えられる。この前提はこれらの材料が単色であることである。
これらの材料が圧縮可能であるだけでなく、折曲げ可能でもあるという事実に基づき、絞りとして、約10.5mmの外径及び例えば3mm又は4mmの瞳孔の直径を有する円形のリングが嚢内の人工の虹彩挿入物(代替物)として考えられる。
参照符号のリスト
10 単独絞り
12 二重絞り
14 外接円
16 人工瞳孔
18 覆い領域
20 湾曲部材
22 開口部
24 開口部
26 湾曲部材
28 刺し具
30 固定リング
32 環状体
34 湾曲部材
36 穴
Claims (15)
- 中央の空所(16)の脇の一側に覆い領域(18)を、前記空所の他側に弓形の湾曲部材(20)を具備する、人工水晶体に追加して目の水晶体嚢へ埋め込まれる、人工瞳孔開口部を形成するための単独の絞り(10)。
- 前記湾曲部材(20)はC字形又はJ字形であること、を特徴とする請求項1に記載の単独の絞り(10)。
- 中央の空所(16)の両側に2つの相対する覆い領域(18)を、前記空所(16)の脇の側方には前記2つの覆い領域(18)を互いに結合する弾性的な湾曲部材(26)を具備する、人工水晶体に追加して目の水晶体嚢へ埋め込まれる、人工瞳孔開口部を形成するための二重の絞り(12)。
- 前記湾曲部材(26)はU字形に内側に湾曲していること、を特徴とする請求項3に記載の二重の絞り(12)。
- 平坦であること、を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の絞り(10,12)。
- 前記湾曲部材は、平坦な覆い領域(18)に、ここから曲げられるように接続されている、を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の絞り(10,12)。
- 前記弾性的な湾曲部材(26)とは反対側で、前記2つの覆い領域(18)に両端部が挿入される刺し具(28)を具備すること、を特徴とする請求項3に記載の絞り(10,12)。
- 針の先又はガイドフック用の少なくとも1つの開口部(22,24)を具備すること、を特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の絞り(10,12)。
- 染色されたPMMA(ポリメタクリノレ酸メチル)又はポリカーボネートからなること、を特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の絞り(10,12)。
- 折り畳み可能な染色した材料、特にシリコーン又は軟質アクリルからなること、を特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載の絞り(10,12)。
- 前記単独並びに/もしくは二重の絞り(10,12)は、角度をずらして重なるように体嚢に埋め込み可能であり、絞り同士は、中央の、ほぼ円形の人工瞳孔の開口部(16)が空いているように、互いに覆っていること、を特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記載の単独の絞り、二重の絞り、または1つ以上の単独並びに/もしくは二重の絞り(10,12)を具備しているセット。
- 3mmの直径の人工瞳孔(16)用の請求項11に記載のセット。
- 4mmの直径の人工瞳孔(16)用の請求項11に記載のセット。
- 前記単独並びに/もしくは二重の絞り(10,12)は嚢内で互いに、結合、クリップ留め又はロック可能であること、を特徴とする請求項11乃至13のいずれか1に記載のセット。
- 中心の円形の穴(36)を有する平らな卵形の環状体(32)を具備し、この環状体(32)の幅が広い側面には、2つの湾曲部材(34)が、環状面に対し垂直方向に突出し、かつ環状面に対し平行に外側へ折曲され、請求項1乃至14のいずれか1に記載の1つ以上の絞り(10,12)の覆い領域(18)にラッチ留めされ得る、固定リング。
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