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JP4066701B2 - 積層体およびその積層方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙を紙基材とし、基材との接着性に優れ、かつ耐熱性に優れた積層体に関する。この積層体は、加熱調理用容器等の耐熱積層材料として好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子レンジやオーブン等の加熱調理機にかけて、そのまま調理できる食品が、家庭や業務用としても一般化している。その容器としては、板紙、陶器、プラスチック、耐熱ガラス、アルミニウム等があり、其々用途に応じて使い分けされている。
【0003】
その中でも板紙を使用したものは、安価なこと、廃棄処理が容易なこと等の利点があり、広く使用されている。板紙を使用したものとしては、紙単独で構成されているものは希少で、片面、時には両面に耐熱性のある合成樹脂フィルムを積層し、複合材料化したものが用いられている。耐熱性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂等を、それぞれ目的に応じて積層したものがある。
【0004】
しかし、これらの紙容器は各々欠点があり、加熱調理用の耐熱性紙容器として十分満足されるものではない。即ち、ポリエチレンテレフタレート樹脂をラミネートした紙容器は、加熱調理した際、その紙容器が原因となって食品の味、臭いが変化する場合があり、また食品との剥離性が悪く、パンやケーキ等が付着し易い。更に食品による容器の汚染も多い。
【0005】
ポリメチルペンテン樹脂を積層した紙容器は、ヒートシール性、ガスバリヤ性が劣り、紙臭が食品に移行したり、内容物の食品臭が外に洩れるという欠点がある。また、低温時の衝撃強度が低いため、冷凍庫等からの取り出し時に、落下すると容器が破損するという欠点もある。ポリプロピレン樹脂を積層した紙容器は、耐熱性が劣るため、油分を多く含む食品の高温調理には向かない。また、ガスバリヤ性が劣るため、上記同様、紙臭が食品に移行したり、内容物の食品臭が外に洩れるという欠点がある。
【0006】
これら汎用品の欠陥を除くため、特開平1−70620号公報には、ポリブチレンテレフタレート樹脂を積層した紙容器が開示されている。この紙容器は前述の汎用品と比較して、加熱調理後の食品の風味を損なわないという大きな利点を持っており、加熱調理用の紙容器として好適である。しかしながら、同公報にて提案されている様な加熱調理用の紙容器では、電子レンジの調理には適していても、更に高温のオーブン用の容器としての成形や、これを用いた調理には十分に満足できるものではない。
【0007】
さらに、このようなポリブチレンテレフタレート樹脂を積層した紙容器としては、例えば、特開昭55−166247号公報、特開平10−25404号公報等の提案がある。特開昭55−166247号公報には、紙等の基材フイルムもしくはシートに、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレートコポリマーあるいは1,4−ジシクロヘキサンジメチレンテレフタレート−イソフタレートコポリマーを、押出加工前の樹脂の極限粘度に対する押出加工後の樹脂の極限粘度の比率を、85%以上に保持して押出ラミネートしてなる低結晶化度ポリエステル層が設けられているポリエステルコート積層フイルムが提案されている。この積層体は、ポリエステルの持つ耐薬品性、耐油性、ガス遮断性、防浸性に優れ、且つ適度のヒートシール性を呈することが記載されている。しかしながら、実施例に具体的に記載されているものはポリエチレンテレフタレートやその共重合体であり、ポリブチレンテレフタレート樹脂は記載されておらず、本発明の紙容器が想定しているような高温でオーブンでの加熱調理用として使用した場合、変形、変色、表面平滑性の変化等の点で満足できるものではない。
【0008】
上記の加熱調理用紙容器の成形材料として、紙基材にポリブチレンテレフタレート樹脂を積層した積層材料は、一般に、ポリブチレンテレフタレート樹脂を紙基材に押し出しラミネートして積層するする場合、紙基材との接着性を高めるために、ポリブチレンテレフタレート樹脂の加工温度を300℃以上の温度で樹脂の粘度を低くして、樹脂のメルトフローを高くすることで、樹脂が基材の紙のパルプ繊維中にくい込むように積層して接着性を上げていた。
しかし、上記のような積層加工方法では、樹脂のメルトフローを高くすることから、加工速度を速くする必要があるために、積層加工時に樹脂のロスが多くなるという問題や押し出し製膜性に問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、紙基材を用い、この紙基材との接着性に優れ、かつ耐熱性に優れた樹脂層を積層した加熱調理用紙容器等の成形材料として好適に用いられる積層体および押し出しラミネート積層加工する際に樹脂ロスが少なく、押し出し製膜性に優れた積層方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者は、従来技術にかかる問題点を解決するために、種々の特性を持つ脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂について鋭意検討した結果、ある特定の特性を持つ脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂を紙基材に積層し、さらに、この層にポリブチレンテレフタレート共重合樹脂を積層した構成にすることで、押し出し積層加工時に樹脂ロスが少なく、製膜性に優れ、得られる積層体の紙基材との接着性に優れ、かつ耐熱性に優れた加熱調理用紙容器の成形材料として優れた機能を有していることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
請求項1に係る発明は、紙からなる基材の片面に、少なくとも脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂層とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層とがこの順で積層されたことを特徴とする積層体である。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の積層体において、前記脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂が、テレフタル酸、アジピン酸およびブタンジオールからなることを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の積層体において、前記テレフタル酸の含有率が、30〜90mol%であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体において、前記脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂は、密度が1.25〜1.27g/cm3の範囲で、融点が105〜115℃の範囲を満たすことを特徴とする
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1記載の積層体において、前記脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂を共押し出しの方法により、紙からなる紙基材の片面に、少なくとも脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂層とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層とをこの順序で積層することを特徴とする積層体の積層方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の積層体の好ましい実施形態について図面を参照して説明する
図1は、本発明の積層体の構成の一例を示した概略断面図である。図1に示すように、本発明の積層体1は、紙からなる紙基材2の片面に、少なくとも脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂層3とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層4とがこの順序で積層された構成の積層体の例を示したものである。
【0017】
本発明で用いられる脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂層3を形成する脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂は、テレフタル酸、アジピン酸およびブタンジオールからなり、上記テレフタル酸の含有率が、30〜90mol%であることを特徴とするものであって、1.25〜1.27g/cm3の範囲の密度と、105〜115℃の範囲の融点を有する脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂である。
【0018】
本発明で用いられるポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層4を形成するポリブチレンテレフタレート共重合樹脂としては、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分またはそのアルコールエステル成分とを縮合して得られるポリエステルであり、本発明の効果を阻害しない範囲でポリブチレンテレフタレートを主体とする共重合体である。
【0019】
本発明で用いられる紙からなる紙基材2としては、特に限定されるものではないが、通常用いられる針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等や広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の化学パルプ、GP等の機械パルプ、ケナフ、麻等の非木材原料から得られるパルプ等が使用される。
【0020】
本発明に使用される内添ザイズ剤、外添サイズ剤は特に限定されず、ロジン系サイズ剤、澱粉、PVA等適宜使用することができる。また、紙の坪量や厚さについても限定されるものではない。本発明に使用される紙基材としては、ミルク原紙、カップ原紙等のバージンパルプ紙が好適に使用される。
【0021】
紙基材の樹脂層を積層する面には、基材と樹脂層との接着性をさらに高めるために、必要に応じて、コロナ処理、オゾン処理を施すことができる。
【0022】
次ぎに、本発明の積層体を製造する積層方法について説明する。
本発明の積層体を製造する積層方法は、脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂を共押し出しの方法により、紙からなる基材2の片面に、少なくとも脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂層3とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層4をこの順序で積層して容易に製造することができる。
押し出し加工機は特に限定されないが、押し出しダイスは、フィードブロック方式であることが望ましい。
【0023】
一般に、ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂を紙基材に押し出しラミネートする場合、紙基材との接着性を高めるために、ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂の加工温度を300℃以上の温度で樹脂の粘度を低くして、樹脂のメルトフローを高くすることで、樹脂が基材の紙のパルプ繊維中にくい込むように積層して紙基材とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層との接着性の向上を図っている。
しかし、上記のような積層加工方法では、樹脂のメルトフローを高くすることから、加工速度を速くする必要があるために、積層加工時、樹脂のロスが多くなるという問題や押し出し製膜性の問題があった。
【0024】
本発明における積層加工時の共押し出し加工条件は、脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂についてはシリンダー温度200〜230℃、ダイス温度250℃、ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂についてはシリンダー温度200〜260℃、ダイス温度250℃が望ましい加工温度である。このような加工温度に設定することで、上に述べたような積層加工時の樹脂ロスの問題や製膜性の問題を解消できる。
【0025】
上述した本発明の積層体は、耐熱性および基材間との接着性に優れるために、加熱調理用容器等の耐熱積層材料として好適に用いられるものである。本発明の積層体を成形材料として成形して得られる紙容器は、電子レンジの調理や、さらに高温のオーブン用の調理に十分に満足できるものである。さらに、絞り成形や耐折性を有する耐熱積層材料としても好適に用いられるものである。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の積層体の具体的実施例を説明する。
【0027】
<実施例1>
紙基材として、坪量270g/m2のカップ原紙(中越パルプ株式会社製)を使用し、積層面となる片面にコロナ処理を施した。また、押し出し加工機のダイスとして、フィードブロックタイプのダイスを用いた。
上記のカップ原紙に、脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂として、BASF社製「エコフレックス」を、ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂として、ポリプラスチック株式会社製「ジュラネックス600FP―EF201X」を用いて、共押し出しラミネート法により、下記に示す構成の本発明の積層体を作製した。
なお、押し出し加工温度条件として、脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂については、シリンダー温度が200〜230℃、ダイス温度250℃に設定し、ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂については、シリンダー温度が200〜260℃、ダイス温度250℃に設定した。
(積層体の構成)
紙基材層/脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂層(厚み20μm)/ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層(厚み20μm)
上記の積層加工において、樹脂のロスも少なく、容易に紙基材上に製膜できた。得られた積層体は、紙基材との接着が紙ムケ等の問題もなく良好なものであった。また、この積層体は、電子レンジ加熱、オーブン加熱のいずれにも耐性を有し、耐熱性に優れるものであった。さらに、絞り成形性、耐折性に優れるものであった。
【0028】
<比較例1>
実施例1と比較するために、脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂を用いないで、紙基材層/ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層の構成とし、ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂の積層加工温度条件として、シリンダー温度を300〜320℃、ダイス温度310℃に設定した以外は実施例1と同様にして下記の構成の積層体を作製した。
(積層体の構成)
紙基材層/ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層(厚み40μm)
上記で得られた積層体は、特に、積層加工において、加工温度を高く設定して、樹脂の粘度を低くし、樹脂のメルトフローを高くすることで、紙基材層とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層との間の接着性は向上するが、積層加工時、樹脂のロスが多く、しかも製膜が困難であった。
【0029】
【発明の効果】
本発明により、ある特定の特性を持つ脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂を紙基材に積層し、さらに、この層にポリブチレンテレフタレート共重合樹脂を積層した構成にすることで、押し出し積層加工時に樹脂ロスが少なく、製膜性に優れ、その得られた積層体は、紙基材との接着性に優れ、かつ耐熱性に優れた加熱調理用紙容器の成形材料として好適な積層体およびその積層体の積層方法を提供できる。
本発明の積層体を加熱調理用紙容器の成形材料として用いて得られる紙容器は、耐熱性および基材間との接着性に優れるために、電子レンジの調理や、さらに高温のオーブン用の調理に十分に満足できるものである。
また、本発明の積層体は、絞り成形や耐折性を有する耐熱積層材料としても好適に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての積層体の構成を示した概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・積層体
2・・・紙基材層
3・・・脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂層
4・・・ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層

Claims (5)

  1. 紙からなる紙基材の片面に、少なくとも脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂層とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層とがこの順序で積層されたことを特徴とする積層体。
  2. 前記脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂が、テレフタル酸、アジピン酸およびブタンジオールからなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 前記テレフタル酸の含有率が、30〜90mol%であることを特徴とする請求項2記載の積層体。
  4. 前記脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂は、密度が1.25〜1.27g/cm3の範囲で、融点が105〜115℃の範囲を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 請求項1記載の積層体において、前記脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂を共押し出し法により、紙からなる紙基材の片面に、少なくとも脂肪族−芳香族コポリエステル樹脂層とポリブチレンテレフタレート共重合樹脂層とをこの順序で積層することを特徴とする積層体の積層方法。
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