JP4069650B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯の寿命末期などでの現象を検出して回路を保護する機能を備える放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6に従来の放電灯点灯装置の回路図を示す。この放電灯点灯装置は、直流電源Eの両端間に直列に接続される一対のスイッチング素子Q1,Q2より成るインバータ回路1と、カップリング用のコンデンサC0と、このコンデンサC0を介してスイッチング素子Q2の両端に接続される負荷回路2とを備えている。この負荷回路2は、コンデンサC0と直列に接続される共振用のチョークコイルLと、一対のフィラメントを有し、コンデンサC0およびチョークコイルLを介してスイッチング素子Q2の両端に接続される放電灯Laと、この放電灯Laの両フィラメントの非電源側に接続される共振およびフィラメント予熱電流通電用のコンデンサC2とを含んでいる。また、C1はスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング損失低減、雑音低減等の目的でスイッチング素子Q1もしくはQ2と並列に接続されるコンデンサであり、ここではスイッチング素子Q1と並列に接続している。そして、スイッチング素子Q1,Q2を交互にオン/オフする制御回路6が設けられる。このように構成される放電灯点灯装置によれば、スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフと共振とにより、直流電源Eの電力が高周波電力に変換されて放電灯Laに供給され、放電灯Laの両フィラメントが予熱された後、放電灯Laが始動して点灯に至る。
【0003】
ところで、上記構成の放電灯点灯装置では、放電灯Laとして蛍光灯が使用されるが、一般に蛍光灯の場合、寿命末期などでフィラメントの電子放出物質(エミッタという)が消耗して、片側のフィラメントだけ電子放出物質が消耗したいわゆる片側エミレスに起因して半波放電の現象が発生することがあり、また、両側のフィラメントの電子放出物質が消耗したいわゆる両側エミレスに起因して管電圧が上昇する現象が発生することがある。あるいは、放電灯のフィラメント断線によるいわゆる無負荷状態が発生することもある。
【0004】
このため、上記放電灯点灯装置では、スイッチング素子Q2と直列に抵抗R1を接続し、この抵抗R1でスイッチング素子Q2に流れる電流を検出して、ダイオードD1、抵抗R2,R3、コンデンサC5で構成される回路部でピーク電圧をホールドして、異常検知手段5に入力し、所定電圧以上になれば異常検知手段5から制御回路6に異常検知信号を出力し、インバータ回路1の出力を低減もしくは停止させて放電灯点灯装置を保護している。
【0005】
以下、寿命末期状態及び無負荷状態におけるスイッチング電流検出部3の動作について説明する。図7は、ランプLaのインピーダンスが変化したときの共振カーブ(コンデンサC2の電圧)を示したものであり、ランプLaのインピーダンスが大きくなるにつれて共振カーブがa→b→cと変化し、動作ポイントが遅相から同相に近づく方向に変化する。図中、fsはインバータ回路1の動作周波数、dは無負荷時の共振カーブである。
【0006】
図8はスイッチング素子Q2の両端電圧VDSと、このスイッチング素子Q2に流れるスイッチング電流ID の波形を示したものである。スイッチング電流ID が負方向に流れている期間Tfは、共振回路によるフライホイル電流がMOSFETよりなるスイッチング素子Q2の寄生ダイオード(逆並列ダイオード)を介して流れている。図8の(a),(b),(c)は図7の共振カーブa,b,cにそれぞれ対応しており、スイッチング電流ID は、ランプLaのインピーダンスが大きくなるにつれて、フライホイル電流が少なくなるとともにスイッチング電流ID のピーク値が高くなる。
【0007】
ここで、図8の(b),(c)に示すように、スイッチング電流ID が正方向に流れ始めるときに発生する急峻な電流は、図6におけるコンデンサC1の充電電流である。スイッチング素子Q1がオンからオフに変化した時には共振電流の一部としてコンデンサC1の充電電流が流れて、VDSの立ち下がりの傾きを滑らかにし、また、スイッチング素子Q2がオンからオフに変化した時には共振電流の一部としてのコンデンサC1の放電電流が流れてVDSの立ち上がりの傾きを滑らかにしている。この充放電電流は、フライホイル電流が流れる期間Tfに充放電が完了しなければ、スイッチング素子Q2がオンした時にスイッチング素子Q2を介して急峻な充放電電流として流れる。つまり、フライホイル電流が減少するにつれてコンデンサC1に充電できる量が減少し、残りをスイッチング素子Q2への順方向電流により満充電することになるので、フライホイル電流が減少するにつれてスイッチング素子Q2へ流れる急峻な電流はピークが大きく、幅が広くなっていく。
【0008】
寿命末期状態は、ランプLaの等価インピーダンスが大きくなっていく現象であるため、図8の(b),(c)に示すように、共振電流のピーク値が増加するとともに、コンデンサC1からの急峻な電流もピークが大きく、幅が広くなっていく。無負荷状態では、図9に示すように、負荷への電流(共振電流)が無くなるため、コンデンサC1への充電電流を全てスイッチング素子Q2を介して流すことになり、最もピークが大きく、幅の広い充電電流が流れる。このように、寿命末期状態又は無負荷状態になった場合に、スイッチング素子Q2に流れる電流が増加することを検出するのが図6のスイッチング電流検出部3である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、放電灯のインピーダンスは周囲温度等によって変化するものであり、寿命末期状態においても正常状態とのインピーダンスの差が大きくならない場合が発生する。つまり、正常状態と寿命末期状態において、スイッチング素子Q2に流れる電流の差が小さく、図6のスイッチング電流検出部3の構成では、寿命末期状態を正確に検出できないといった課題が発生する。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、放電灯の寿命末期の現象を簡単な構成で確実に検出して回路を保護する放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、上記の課題を解決するために、図1に示すように、直流電源Eと、この直流電源Eの両端間に直列に接続される一対のスイッチング素子Q1,Q2からなるインバータ回路1と、前記一対のスイッチング素子Q1,Q2のいずれかと並列に接続される負荷回路2と、前記一対のスイッチング素子Q1,Q2の少なくとも一方と並列に接続される第1のコンデンサC1と、前記一対のスイッチング素子Q1,Q2のうち低電位側のスイッチング素子Q2と前記直流電源Eのグランド間に直列に挿入された第1の抵抗R1と、前記インバータ回路1の出力を低減もしくは停止させる異常検知信号を出力する異常検知手段5とを備え、前記負荷回路2はインダクタLと第2のコンデンサC2及び第2のコンデンサC2に並列接続される放電灯Laとの共振回路からなり、前記第1の抵抗R1と並列に微分回路4を接続し、この微分回路4の出力が所定値以上となると前記異常検知手段5から異常検知信号を出力する放電灯点灯装置であって、前記異常検知手段5は所定値以下の入力で異常検知信号を出力し、図4に示すように、前記異常検知手段5は所定値以下の入力で異常検知信号を出力し、前記異常検知手段5には、第3のコンデンサC3に充電された平滑電圧が入力され、前記微分回路4の出力は第3のスイッチング素子Q3の制御電極に入力され、前記微分回路4の出力が所定値以上となると前記第3のスイッチング素子Q3により前記第3のコンデンサC3に充電された平滑電圧を放電させて前記異常検知手段5の入力を所定値以下とすることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2の発明によれば、図5に示すように、前記第3のスイッチング素子Q3と前記第3のコンデンサC3の間に第2の抵抗R6が挿入され、前記第3のコンデンサC3と前記第2の抵抗R6で構成される時定数回路を有することを特徴とするものである。
請求項3の発明によれば、図5に示すように、前記微分回路4の出力が所定期間断続して所定値以上となると、前記異常検知手段5から異常検知信号を出力することを特徴とするものである。
以下の実施形態1,2では本発明の前提となる構成について説明し、実施形態3により請求項1の発明を説明し、実施形態4により請求項2,3の発明を説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1に第1の実施形態を示す。図1の回路はスイッチング電流検出部3の構成のみが図6の回路と異なり、他の構成は図6と同じである。この実施形態は、図1で示すように、スイッチング素子Q2に流れる電流を検出する抵抗R1と並列にコンデンサC4と抵抗R4で構成される微分回路4を接続したところに特徴を有している。つまり、スイッチング素子Q2に流れる電流は、寿命末期等になるとコンデンサC1の急峻な充放電電流が流れることに着目して、微分回路4を用いることにより確実に異常を検出できるようにしたものである。
【0014】
図2は微分回路4の出力、つまりコンデンサC4と抵抗R4の接続点の電圧波形を示しており、図2(a),(b)は図7及び図8の(a),(b)にそれぞれ対応した波形である。微分回路4の出力は、まさにスイッチング素子Q2の電流ID の波形を微分した波形となり、通常の共振電流が流れる(a)の場合の電圧値は低くなるが、コンデンサC1の充放電電流のような急峻な電流が流れる(b)の場合の電圧値は高くなる。
【0015】
つまり、スイッチング電流検出部3に微分回路4を設けることにより、コンデンサC1の充放電電流の確実な検出が可能になり、微分回路4の出力を異常検知手段5に入力して、所定電圧以上になれば異常検知手段5から制御回路6に異常検知信号を出力し、寿命末期又は無負荷の異常状態において、確実にインバータ回路1の出力を低減もしくは停止させて放電灯点灯装置を保護できるものである。
【0016】
なお、制御回路6はスイッチング周波数を発振する発振器7と、発振器7の出力によりスイッチング素子Q1,Q2を交互にオン・オフさせるドライブ回路8と、異常検知信号の入力時に発振器7の出力を停止させる、もしくはスイッチング周波数を高くするように制御する出力制御部9とから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、自励式のインバータ回路において異常検知信号を受けて一方のスイッチング素子を常にオフさせることにより出力を停止させるような構成であっても良い。
【0017】
(実施形態2)
図3に第2の実施形態を示す。本実施形態は図1の実施形態で異常検知手段5にタイマー機能を持たせた例である。微分回路4は、電圧の変化に対して非常に敏感であるため、外来ノイズ等に対する考慮が重要となってくる。そこで、本実施形態では、異常検知手段5にインバータ回路1の発振周期に同期して連続した検出信号が入力された時に異常検知信号を出力するようにした例である。
【0018】
以下詳細を説明する。微分回路4の出力はコンパレータ51に入力され、所定電圧Vref以上であればコンパレータ51の出力がHighとなり、D−フリップフロップ52の入力にHigh信号が入力される。一方、遅延回路53によりスイッチング素子Q2へのドライブ回路8の出力を遅延させた信号の立ち上がりエッジが、D−フリップフロップ52のクロック信号CLKとなる。遅延回路53による遅延時間は300nsec程度とする。つまり、コンデンサC1の充電電流が流れるタイミングでクロック信号を与えている。そのため、寿命末期等にスイッチング素子Q2にコンデンサC1の充電電流が流れると、D−フリップフロップ52の出力はHigh出力となり、反転回路54によりカウンター55のストップ信号はLowとなる。カウンター55へのクロック信号はD−フリップフロップ52へのクロック信号と同じ信号であるので、D−フリップフロップ52のHigh出力がカウンター55で決定している所定周期継続すると、異常検知手段5の出力としてHigh信号を制御回路6に出力する。つまり、微分回路4の出力がカウンター55で決定している所定周期の間、断続して所定電圧以上になると異常検知手段5の出力としてHigh信号が出力される。
【0019】
以上のように、本実施形態では異常検知手段5にタイマー機能を持たせてあるため、外来ノイズ等による誤動作がなく、寿命末期又は無負荷といった異常状態において、確実にインバータ回路1の出力を低減もしくは停止させて放電灯点灯装置を保護できる。
【0020】
(実施形態3)
図4に第3の実施形態を示す。本実施形態は、異常検知手段5の入力が所定電圧以下となると、制御回路6に異常検知信号を出力する例である。スイッチング素子Q3の制御電極(ベース)には、コンデンサC4と抵抗R4よりなる微分回路の出力が入力されており、微分回路の出力がスイッチング素子Q3のオン電圧以上になれば、スイッチング素子Q3がオンする。一方、異常検知手段5の入力には電圧源E’から抵抗R5を介してコンデンサC3に充電された平滑電圧が入力されている。微分回路の出力がスイッチング素子Q3のオン電圧以上になると、スイッチング素子Q3がオンしてコンデンサC3の電荷を放電し、異常検知手段5の入力が所定値以下となって制御回路6に異常検知信号を出力する。なお、電圧源E’は例えば制御回路5の制御電源電圧Vcc、あるいはスイッチング素子Q2へのドライブ回路出力を利用すればよく、とにかく平均値として所定電圧より高い電圧を発生させるものであればよい。
【0021】
(実施形態4)
図5に第4の実施形態を示す。本実施形態は、第3の実施形態のコンデンサC3とスイッチング素子Q3の間に抵抗R6を追加したものであり、コンデンサC3と抵抗R6で放電の時定数回路を構成させたものである。つまり、スイッチング電流検出部3にタイマー機能を持たせて、外来ノイズ等による誤動作に対して影響を受けにくくした例である。コンデンサC4と抵抗R4よりなる微分回路の出力がスイッチング素子Q3のオン電圧以上になると、スイッチング素子Q3がオンしてコンデンサC3の電荷を放電する。この時、外来ノイズ等によって、単発的にスイッチング素子Q3がオンする程度では、抵抗R6とコンデンサC3との時定数により、コンデンサC3の電圧がすぐには所定値以下とならない。
【0022】
一方、寿命末期等により連続的にスイッチング素子Q3がオン/オフを繰り返す場合、抵抗R5からの充電量に対して抵抗R6を介しての放電量を多くしておけば、コンデンサC3の電圧は低下していき、所定値以下とすることができる。
【0023】
以上のように、スイッチング電流検出部3にタイマー機能を持たせてあるため、外来ノイズ等による誤動作がなく、寿命末期又は無負荷といった異常状態において、確実にインバータ回路1の出力を低減もしくは停止させて放電灯点灯装置を保護できる。また、実施形態2と同様に、異常検知手段5にもタイマー機能を持たせてやれば、更に耐ノイズ性能にすぐれた放電灯点灯装置が提供できる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ハーフブリッジインバータ回路における一方のスイッチング素子に並列コンデンサを備え、この並列コンデンサをLC共振回路と放電灯を含む負荷回路に流れる電流により充放電することによりスイッチング素子の電圧の急峻な変化を緩和してスイッチング損失や雑音を低減させた放電灯点灯装置において、寿命末期等にランプインピーダンスが大きくなったときに、前記並列コンデンサの充電電流がスイッチング素子を介して流れる現象を微分回路により検出して、インバータ回路の出力を低減もしくは停止させるようにしたものであるから、簡単な回路構成で確実に異常状態を検知して放電灯点灯装置を保護できる効果がある。また、請求項1〜3の発明によれば、微分回路の出力を蓄積して異常検知信号を得るようにしたので、単発的な外来ノイズによって誤動作することを防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の回路図である。
【図2】本発明の実施形態1の動作波形図である。
【図3】本発明の実施形態2の要部回路図である。
【図4】本発明の実施形態3の要部回路図である。
【図5】本発明の実施形態4の要部回路図である。
【図6】従来の放電灯点灯装置の回路図である。
【図7】従来例のスイッチング周波数と出力の関係を示す特性図である。
【図8】従来例のスイッチング素子の電圧及び電流を示す波形図である。
【図9】従来例の無負荷時のスイッチング素子の電圧及び電流を示す波形図である。
【符号の説明】
1 インバータ回路
2 負荷回路
3 スイッチング電流検出部
4 微分回路
5 異常検知手段
6 制御回路
Claims (3)
- 直流電源と、この直流電源の両端間に直列に接続される一対のスイッチング素子からなるインバータ回路と、前記一対のスイッチング素子のいずれかと並列に接続される負荷回路と、前記一対のスイッチング素子の少なくとも一方と並列に接続される第1のコンデンサと、前記一対のスイッチング素子のうち低電位側のスイッチング素子と前記直流電源のグランド間に直列に挿入された第1の抵抗と、前記インバータ回路の出力を低減もしくは停止させる異常検知信号を出力する異常検知手段とを備え、前記負荷回路はインダクタと第2のコンデンサ及び第2のコンデンサに並列接続される放電灯との共振回路からなり、前記第1の抵抗と並列に微分回路を接続し、この微分回路の出力が所定値以上となると前記異常検知手段から異常検知信号を出力する放電灯点灯装置であって、前記異常検知手段は所定値以下の入力で異常検知信号を出力し、前記異常検知手段には第3のコンデンサに充電された平滑電圧が入力され、前記微分回路の出力は第3のスイッチング素子の制御電極に入力され、前記微分回路の出力が所定値以上となると前記第3のスイッチング素子により前記第3のコンデンサに充電された平滑電圧を放電させて前記異常検知手段の入力を所定値以下とすることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 前記第3のスイッチング素子と前記第3のコンデンサの間に第2の抵抗が挿入され、前記第3のコンデンサと前記第2の抵抗で構成される時定数回路を有することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記微分回路の出力が所定期間断続して所定値以上となると、前記異常検知手段から異常検知信号を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の放電灯点灯装置。
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